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第18回UNI-LCJ年次総会、松浦新議長を選出

2017年2月13日、第18回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等71人が出席した。2016年度活動報告、会計報告に続き、『サービス産業における「労働の未来」を創る』をコンセプトとした2017年活動計画、予算が承認された。今年は役員改選年であり、UNI-LCJ運営委員会役員が確認され、松浦UAゼンセン会長が第8代議長に選出された。

年次総会にはUNI本部からクリスティ・ホフマンUNI副書記長と、UNI Aproよりクリストファー・ウン地域書記長がゲストとして出席した。ホフマンUNI副書記長は、他の友誼組織からの参加者も含め130余人を前に、「労働の未来~課題と可能性~」と題する基調講演を行った。現在我々が直面する課題として、格差、デジタル化、非標準型雇用の拡大等を挙げ、これに対するUNIのアクションを説明し、日本の加盟組合の積極的な参加を奨励した。

格差に関しては、オックスファム(世界の貧困者を支援する国際NGO)が世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に先駆けて発表した最新の報告書から、「世界で最も裕福な8人が、世界の貧しい半分(の36億人)に匹敵する資産を所有している」と引用した。世界経済フォーラムが発表した「職の未来」報告書は、今後5年で減少または増加する職種を予測している。デジタル化やテクノロジーの進化により、人間が遂行し報酬を得ている定型業務や肉体労働等の45%が自動化されるという。また、パート労働、有期雇用、派遣労働、下請け労働、オンコール(呼び出し)労働、臨時雇用といった非標準型雇用も増大している。ウーバー運転手のように、インターネットを通じて単発の仕事を請け負うギグ・エコノミーも顕在化している。

「このままでいけば、将来、人間の行う仕事が減り、収入が不安定になり、労使関係が不明瞭になる。全ての労働者が技術革新をはじめとする変化の恩恵を受けられるよう、既存の団体交渉の範囲を拡大し、雇用関係を維持・強化していく必要がある。政府は格差を是正するため、富の再分配をし、ディーセントワークを確保するよう社会政策を練り直すべきだと、UNIは声を上げていく」と、ホフマン副書記長は述べた。

「UNIはデジタル化の専門家をインターネット上で募り、その知見を共有し、対策を考えるため、専門のウェブサイトを立ち上げる。加盟組合から英知を結集し、AIに関する倫理規範や、今後必要となるスキルの国際基準を作りたい」と述べ、日本の加盟組合にも積極的な参加を呼びかけた。

レセプションでは、松浦議長の挨拶に続き、厚生労働省の勝田総括審議官(国際労働担当)、連合の神津会長より連帯挨拶を受けた。ウンUNI Apro地域書記長は、小俣前UNI-LCJ議長のUNIへの多大な貢献に感謝し、記念の盾を贈呈した。

写真はFlickrを参照


全労金・労済労連第12回組合学校でUNIを紹介

UNIの加盟組合である全労金と労済労連は毎年、若手組合役員向けに研修を共催している。2017年2月2日、静岡県で全労金・労済労連第12回組合学校が開催され、両労組から38人が参加した。UNIからも連帯挨拶を行った。

末留全労金委員長は、組合役員の心構えとして、「平等と公平」、「役員は組合員を守ること」を強調し、組合学校で学んだことをそれぞれの組織強化に還元してほしいと激励した。古川労済労連委員長は、一人ひとりの力が組織の信頼と団結力に繋がると述べ、時代に合わせて共済運動を前進させていくために、参加者の若い感覚に期待を寄せた。

小川UNI-LCJ事務局長は、UNIに結集する国内外の仲間と経験交流・情報交換することにより、国境を越えて同じ金融産業で働く労働者どうしが連帯し、より良い世界をつくっていくことがUNIの意義であると述べ、UNIの様々な活動への積極参加を呼びかけた。深見全労金書記長からは、UNIの会議を通じて、韓国の金融労組の取組み事例を参考に、不妊休業制度を交渉したことが紹介された。

詳細は、全労金のウェブサイトを参照

 


野田UNI Apro会長、スタッフを激励

2013年以来3年ぶりにUNI Aproスタッフ会議が、香港UNI加盟協の協力を得て、2016年11月28~30日に香港で開催された。UNI Aproスタッフ、各国加盟協コーディネーター、UNI本部SCOREスタッフら計22人が参加し、2016年度の各国における労働組合強化活動、組織化活動の現状と課題を共有し、UNI Apro部会大会を含む2017年の活動計画について議論した。

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初日には、参加者は野田UNI Apro会長の講演を受けた。

「激動の時代の中で労働運動の任務は変化しているが、雇用確保、労働条件の改善、人間らしく生きられる社会を作るという労働組合の基本理念は変わらない。」

「ウン地域書記長の下、加盟組合・連絡協議会と各国スタッフが連携し、UNI Aproの組織強化を進め、地域経済統合プロセスに労働者の声をしっかり反映させていくことが重要だ。」

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最後に野田会長は、『百聞は一見にしかず、百考は一行にしかず』ということわざを引用し、見る、聞く、考えるだけでなく、実行し成果を出していくことが最も大切だ」と述べ、実行力のある国際労働運動を共に進めていこうと呼びかけた。


ジェニングスUNI書記長、トランポノミクスの嘘の公約を糾弾

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フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、スイス公共放送RTSの主要テレビ番組「Toutes Taxes Comprise(税込価格の意)」で放映された、ドナルド・トランプの大統領選勝利から予想される崩壊に関する討論に参加した。

ジェニングスUNI書記長は、トランプの公約である米国での4%の成長は、ディーセントな労働条件と公正な賃金、自由に交渉ができる労働組合がなければ現実的ではない、と指摘した。

「我々が懸念しているのは、うまくいかないことが明らかなトリクルダウン経済の新たな局面だ。労働条件と賃金の改善無くして、米国は4%の成長は達成できない。」

ジェニングス書記長は、米国では組合が発言の機会を与えられず、社会対話が欠如していると懸念を示した。

「トランプは、ラインス・プリーバス、ポール・ライアン、スティーブ・バノンといった組合潰しに長けている極右の政治家を主要ポストに任命した。」

トランプの勝利を受けて、世界はどこへ向かうのか、我々はどのようなグローバル化を望むのか、あらためて考え直さなければならない。

「ネオリベラル・モデルはわずか1%の富裕層の利益のために、大量の失業、不安定雇用、富裕層に偏った富の配分を引き起こし、人々を失望させた。トランプの政策はこれらの差し迫った課題を全く取り上げていない。」

ジェニングス書記長は、「我々は気候変動対策の必要性や人権を訴え続け、安心・安全をもたらすようなグローバル化を求めていく。」

※番組(フランス語)は以下のサイトから視聴可

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トランプ時代に「将来の仕事の世界」は⁉︎

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UNIは2016年11月15日、世界執行委員会の前日にスイス・ニヨンのUNI本部で「将来の仕事の世界」をテーマにリーダーサミットを開催した。フィリップ・ジェニングスUNI書記長は冒頭、「ドナルド・トランプが選ばれたことで、我々の前途は大きく変わってしまった」と懸念を述べた。トランプ政権は、新たな仕事の世界が深く結びついている全ての国際的課題 に政治的、経済的、環境的に影響を及ぼす可能性がある。

「将来の仕事の世界」は、UNIが2018年のリバプール世界大会に向けて取組む重点課題の1つである。スティーブン・ホーキンス博士は「完全な人工知能を開発できたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」と警鐘を鳴らしている。サミットの講演者の1人、ロンドンのインペリアル・カレッジで感情的行動コンピューティングを専門とするマジャ・パンティック教授は、課題は教育で、開発者が人間の価値やモラルを心に留めておくようにすることが重要だと指摘した。また、トゥエンテ大学のバネッサ・エベルス教授は、新たな仕事の世界を明るいものにするようなロボットを開発するエンジニアを支援するよう、参加者に呼びかけた。

※ツイッターでフォローする場合、#FWOWでどうぞ


ドナルド・トランプの勝利という厳しい現実から学ばなければならない

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フィリップ・ジェニングズUNI書記長は、米大統領選挙でのドナルド・トランプの勝利を受けて、次のように述べた。

「前兆はしばらく前からあった。1%の人に有利な経済、賃金の停滞、労働者の子供達は親の世代より暮らしが悪くなるとの恐れ、拡大の一途を辿る大きな格差、こうした懸念要素が政治的反発を引き起こした。この脆弱性によって、人々に不安や経済的正義に対する怒りが生まれた。それに勢いづいた右派が憎悪、分断、人種差別、外国人排斥の言葉で扇動したのだ。

我々は米国の組合の仲間の皆さんを支持する。資本主義を再考し、人々に希望をもたらす計画を立てるなど強力な経済的代替案を要求する我々の取組みは極めて重要だ。平和、正義、ディーセントワークを求めるグローバルな闘いは終わらない。」

UNI世界執行委員会は来週の会議で、この予期せぬ結果がもたらす大きな影響について検討する。


UNI-LCJ金融部会、デクリストUNI世界金融部会新担当局長らと意見交換

meeting-7-s マルシオ・モンザネ前UNI世界金融部会担当局長が、年末にUNI米州地域書記長に就任予定であるため、9月からアンジェロ・デクリスト局長が就任した。2016年9月27日に、UNI-LCJ金融部会加盟組織と意見交換を行い、互いに知り合うと共に、28日には新生銀行従業員組合を訪問し、新委員長にUNI金融部会の活動を紹介した。

meeting-18-sアンジェロ・デクリスト局長は、イタリアの加盟組合FABIの国際部長を務めた後、銀行部門社会対話委員会におけるUNI欧州金融部会コーディネーター、ウニクレジット欧州労使協議会議長、FABIウニクレジットグループのチーフコーディネーター等として、UNI金融部会の活動に積極的に関わってきた。

意見交換では冒頭、宮井UNI-LCJ金融部会議長が両氏を歓迎し、「ビッグデータ、AI、IOTなどの技術革新やグローバルな規制、TPP等の経済統合等の影響を受け、職場には大きな変革期が迫っている。これらの変化を的確に捉え、そこで働く労働者の雇用や働き方に配慮しつつ、持続可能な金融産業をいかに構築していくかを考えていくためには、グローバルな視点とローカルな視点を兼ね備えた組合活動が必要だ」と述べ、UNI-LCJ金融部会の加盟組織にUNI金融部会の活動及び議論への積極参加を奨励した。

続いて、全信連、生保労連、全国農団労、労済労連、全労金、損保労連から役員紹介及び組織紹介、2016春闘報告を行った。デクリスト局長からは、日本の加盟組織が課題認識しているワークライフバランス及び男女間格差について質問があった。

この後、デクリスト局長は、宮井損保労連委員長にUNI Apro金融部会議長就任の祝意を表し、議長の指導の下、UNI Apro金融部会加盟組織と協力し、持続可能な金融産業の発展と世界の金融労働者の労働条件向上に向けて努力するとの決意を述べた。また、小川全国農団労書記長にはUNI加盟の決定に至るまでの尽力に感謝し、歓迎した。

デクリスト局長は、UNI世界金融部会が取組む課題の中で、デジタル化への対応に関連して、保険産業の欧州ソーシャルパートナーが合意したテレワークに関する共同宣言を紹介し、調印までの経緯と背景、交渉プロセス、重要ポイントについて説明した。参加者からは、テレワーカーの男女比、職場で働く労働者との賃金格差、労働時間管理、データ保護、テレワークが可能な業務、テレワーク制度を活用させる取組み事例等について質問が相次いだ。デクリスト局長は、「この共同宣言はテレワークを奨励するためのものではなく、良し悪しは別としてテレワークが拡大している現状に鑑み、テレワーカーを守るガイドラインとして調印したものだ。各国の情勢に合わせて活用してほしい」と述べた。最後に、UNI世界金融部会の活動方針にもある「規制対応」のためのバーゼルIIIに関する調査と、「デジタル化対策」のための調査への協力を要請した。

モンザネ前局長は、デジタル化の影響について、金融産業の視点、顧客の視点、労働者の視点、社会へのインパクトの面から概説し、悲観するだけではなく新たな雇用、キャリア創出の機会、遠隔地医療分野等でのメリットも挙げ、デジタル化が社会的包摂に利するよう労働組合が積極的に関与していくべきだとまとめた。

意見交換を総括して小川全国農団労書記長は、「日本でもテレワークの本格的導入に向け、政府がワークルールを検討し始めた。安倍政権下の成長戦略では、労働の質・雇用条件の多様化というよりむしろカジュアル化の懸念がある」と述べ、UNIを通じたグローバルな労使の枠組み作りが重要だとまとめた。

続く懇親会は向浦全信連書記長が開会し、モンザネ前局長が自らの任期中にお世話になった關氏、田原氏ら歴代の議長及びUNI-LCJ金融部会の仲間に感謝の言葉を述べた。宮井議長から両氏に記念品を贈呈した後、日下部生保労連副書記長が乾杯の音頭を取った。最後に末留全労金委員長が閉会の挨拶を行い、和やかな雰囲気の中で終了した。

写真はFlickr参照


UNI-LCJ/UNIインド加盟協(UNI-ILC)セミナー

2016年9月24~25日、インド・チェンナイでUNIインド加盟協(UNI-ILC)の青年・女性組合員を対象とするエンパワーメントセミナーが開催され、UNI-ILCの郵便労組、銀行労組、ラジオ・TVエンジニア労組、IT専門職労組から36人が参加した(女性20人、男性16人)

sadai-5-s日本からは、定居美稚子情報労連/NTT労組中執を団長に、浅川淳UAゼンセン総合サービス部門執行委員、三浦聡自動車総連組織局部長、高木晋JP労組労働条件担当部長、事務局・小川陽子UNI-LCJ事務局長から成る代表団が講師として出席した。

開会式では、チェンナイ出身のテアガラジャン郵便労組書記長(UNI-ILC事務局長)及びミリンド・バローダ銀行労組委員長(UNI-ILC議長)がUNI-ILCを代表して歓迎の挨拶を行い、UNI-LCJの支援に感謝した。定居団長は、グローバル化が加速する中、成長著しいインドにおいても格差の拡大等、負の側面が明らかになっており、その克服に向けて労働組合が国を超えて連帯する必要があると挨拶した。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記次長はUNI Aproを代表して連帯の挨拶を行い、インドの青年・女性メンバーの強化はインドのみならず共通の課題を持つ南アジア全体の労働運動の活性化に重要だと述べ、積極的な参加を奨励した。

続いて、郵便労組を退職した役員から基調講演が行われた。「IT化の進展で仕事のやり方は大きく変化し、生活も便利になる中で、働き方も変わっていく。労組の活動も変化していくはずだ。かつて経営者が労働者のことを考えなかったことに対して、労働者は団結し組合として経営側に働きかけることができるようになった。今ではインドにも組合が多くできたが、新しい会社には無いところも珍しくない。組織化を進め、より多くの人々が権利意識を持つようになれば、政府も無視できなくなる」と自らの経験から若年世代に訓示した。

UNI-LCJ講師からは以下のプレゼンを行った。

・定居団長:①日本の家庭、学校、職場、社会に至る格差・不平等―労働組合はどのような役割を発揮できるか? ②青年の組織化

・浅川講師:①日本の労働組合の概要、機構、今日的課題、②女性の組織化

・三浦講師:グローバル化と労働組合の対応-組合の国際協力と国際連帯

・高木講師:日本におけるパートナーシップ労使関係

参加者からは、インドで目にする日本製の自動車やハイテク製品等のイメージから、日本に貧困や格差があることやプレゼンで示された統計データが信じられないとの感想が相次いだ。また、ITの進化に伴う事業への影響、日本でストライキを余りしない理由、非正規労働者の労働条件、組合員へのコミュニケーション方法、産別においてライバル企業の労組どうしがなぜ一緒に活動できるのか?といった質問が出された。05seminar-13-s

インドの参加者も、「インドにおける格差や不平等の現状と、組合は何ができるか」、「組合の女性・青年活動」、「グローバル化と労働組合の対応」、「インドでパートナーシップ労使関係はうまくいくか?」についてグループで話し合い、発表した。インドは民主主義国家であり、全ての人が平等であるはずだが、家庭でも社会でも階層があり、現実にはまだ差別が存在する。特に、女性参加者から「家庭やコミュニティにおいて、女児を歓迎しない地域がある。特に農村部では男性は富、女性は負担と思われる。女性の服装はコミュニティが決めるが、男性には制限がない。女性の帰宅時間が遅いと文句を言われる。家族の面倒を見ることは女性の仕事だという考えが根強い。男性が女性の仕事を決め、男性の合意があれば女性は外で働くことができる。育児のサポートが無いため、結婚・出産後、仕事を続ける女性は少ない。農村部でも都会でも、女性の夜間外出は許されない」といった意見が出された。また、教育の不足、貧困等により、労働組合に関する認識が低い。「組合活動でも意思決定は男性が行っている。女性は家庭があるため、まだまだ参加できていない。組合は女性の参加を歓迎するが、女性が遠慮している。」との意見が多かった。これを変えていくには、「子供の頃から男女同じように育てるべき。認識の改善、特に男性の意識改革が必要。女児・女性にも教育を受ける環境作りが必要。組合は行動を起こして政策を変えていかなければならない。女性セミナーを行い、女性の組合参加を奨励すべき」との意見が出された。

パートナーシップ労使関係は、「インドでは政権が変わると方針が変わるため不可能だ」という意見と、「組合が強いリーダーシップを発揮すれば可能だ」という両方の意見が出された。例えばIT業界は若者が多く働いているが組合が組織されにくい。若いエンジニアを使い捨てにすることが多いので、組織化され抵抗されると面倒だから会社や政府が許さないのだ。労働者が搾取されているIT業界こそ組合が必要だ、という意見が出された。

グローバル化に対しては、「会社と協力しWin-Winとなるようにしなければならない。利益を得るためにグローバル化は必要だが、契約社員等の弱者に対しても組合は交渉していくべき。グローバル化の負の影響を受けやすい中小企業も守るべき」という意見が出された。

また組合内のコミュニケーションについては、最近のSNSの普及に伴い、組合の委員長のメッセージや情報が瞬時にして組合員に送られるとのことである。参加者は早速WhatsApp(インドではFacebookやLINEより普及している)グループを作り、交流を始めた。

今年は、昨年の反省を踏まえ、若手組合員を中心とし女性が半数を超えた。日本人講師への質問やグループ発表、その後のコメントも女性参加者の積極性が目立った。残念ながら、テレコム部門と商業部門からの参加者はいなかった。UNI-ILCからは、来年はUNITES(IT専門職労組)の存在するハイデラバードでの開催を打診された。

今回はテアガラジャン郵便労組書記長の地元チェンナイでの開催ということで、セミナー前日(23日)には、チェンナイ郵便局を訪問し、J.T.ベンカテスワラル事業開発部長からインドポスト概要について説明を受けた他、局内を視察した。また、最近インドポストが力を入れている法人営業の一環として、ディーラーを見学した。ベル技術大学を訪問し、ラメシュ教授及びIT学科の学生20余人と、組合やIT産業、グローバル化等について対話する機会もあった。また地元ラジオ局をラジオ・TVエンジニア労組の案内で視察し、経営側とも意見交換を行った。

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UNI Aproミャンマー・ミッション

2016年9月19~21日、ミャンマーのサービス部門労働者の組織化を検討するための関係各所からのヒアリング及びUNI Aproの活動・理念浸透を目的とし、野田UNI Apro地域会長、ウン地域書記長、玉井組織化部長、ワルダナICTS部長等から成るUNI Aproミッションがネピドー及びヤンゴンを訪問した。

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訪問先と概要は以下の通り。

労働・移民・人口省

U Myo Aung氏(Permanent Secretary)他と面会。政労使各9人ら構成される国家三者構成委員会が設置されており、2014年以降4回開催されている。新政権となって初めて9月28日に開催予定で、労使関係の在り方、労働法、労働安全衛生の3点について議論が行われる。ここで議論された内容が9月29~30日に開催される第2回ステークホルダーフォーラムに示される。2015年9月に地域最賃法が導入されたが(1日3,600チャット)、実施が難しい状況である。現在、様々な法律が改正議論されており、外国人労働者法、工場法、労働安全衛生法が議論されている。また、外資の流入が増える中、一般的に労務管理は良好であるが、労使紛争が増えている。課題の一つとして、労働組合間の協力があげられる。ナショナルセンター、産別間の互いの協力が求められる、労働組合の役割について議論を深めてほしい。

運輸・通信省

Win Khant氏(Permanent Secretary)、Ye Naing Moe氏(Director of National Cyber Security Center)他と面会。通信インフラ及び制度は遅れており、ICTマスタープランに従って取組んでいる。携帯普及率は96%(SIMカードの販売枚数で計算した数字)。通信カバー率は国土の90%。2013年に通信法を制定し、テレノールとオレドにライセンスを供与した。MPTは政府保有の事業者で、より良いサービス提供を目指している。E-Governmentも目標の一つで、ICT技術と知識の理解促進に取組んでいる。やがてはオンラインでの政府サービスを普及させたい。

ミャンマー・コンピュータ協会(MCIA)

Mr.Zaw Min Oo氏(Secretary General)他と面会。1,000社以上のIT、コンピューター関連会社が加盟する事業者協会で、ミャンマーのIT企業が自主的に加盟している。現在、情報通信部門にはおよそ20,000人が従事している。国内24大学にICTに関連する学科があり、毎年5,000人が市場に入ってくる。2020年にはICT関連労働者は50,000人にのぼると予想される。課題は、賃金の上昇圧力が強まる一方で資格やスキルが伴わない、転職が多い、技術者への訓練等である。

MWRN(移民労働者の権利ネットワーク)

Phyoe Wai Htun氏(General Administration)他と面会。2009年に移民労働者の条件改善のために設立された組織。現在、人口の10%が移民労働者である。MWRNは、移民労働者の生活水準向上、雇用確保、法的支援、教育・訓練、社会保障、政府や市民組織との対話などの活動を行っている。メディアを通じた意識啓発にも取組んでおり、一般市民の移民労働者問題への認識向上につながっている。タイの工場で「ゼロ・リクルートメント・フィー」というプロジェクトを実施、ブローカーの中間搾取を防ぐために健康診断や労働許可申請にかかる費用(1,950タイバーツ)を工場で負担するもの。労組とも連携しており、CTUMやAFFMと覚書を結び、特に縫製、農業、水産などの分野で協力して活動をしている。

CTUM(ミャンマー労働組合総連合会)

Maung Maung氏、Rony氏他と面会。9セクターで779組合、組合員数64,952人(2013年は314組合、組合員数28,840人)を組織する唯一のナショナルセンター。ミャンマーの労働人口2,300万人に対し組織率は0.3%に過ぎない。農業・農民(607組合、31,841人)、工業、運輸(53組合、15,101人)、建設・木材、水産、鉱業、サービス(5組合、187人)、メディア、教育。サービス部門については、公立病院の看護士、清掃労働者を組織化している。政治とは関わりを持っておらず、労働組合活動に専念している。オルグの育成と職場環境のレベル向上が課題、法制度は未熟である。労組結成後にリーダーが解雇されてしまうという問題もある。労働者の権利に関する研修を行う中でリーダーを発掘し、ILO、ITUC-APのワークショップやセミナーへ派遣して人材を育成している。

AFFM(Agriculture & Farmer Federation of Myanmar)

Zarni Thwe氏(General Secretary)他と面会。主に農業部門労働者を組織し、IUFに加盟。現在の課題は労働環境を国際水準まで高めていくことだと考えている、労働者の知識向上が求められる。労組の役割と労働者に伝えていくためにも国際組織からの支援が不可欠であり、次世代の育成にも力を入れていく。

MICS(Myanmar Industries Craft & Services Trade Unions Federation)

食品、日常製品、縫製、水産、サービス(ケータリング・ホテル・荷揚げ等)、天然資源、建設、溶接の8部門を組織。AFFMの兄弟組織で、協力に関する覚書を締結している。通信部門も組合を結成したいと考えているが、まだ組織化されていない。社会協同組合の仕組み作りが必要。賃金の引き上げだけでなく、支出を抑えることで可処分所得を増やすことが可能になると考えている。なお、AFFMとMICSは国家三者構成会議に3人ずつ代表を出しており、他兄弟関係にある組織の声も代弁する。残り3人はCTUMから出ている。

 


第12回UNI Apro青年委員会、青年と政治の関わりを共有

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第12回UNI Apro青年委員会が2016年8月22~23日、マレーシア・クアラルンプールで開催され、日本、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ネパール、スリランカ、オーストラリアの委員12人他オブザーバーが出席した。

img_3727-s会議の冒頭、ウンUNI Apro地域書記長は、アジア太平洋地域の状況について、ILOの中核的労働基準を批准し、法の整備がなされた国であっても、単にそれだけでは不十分であり、労働者を保護するには、実効的な仕組みづくりがなされなければならないと述べた。また、TPPに労働憲章が盛り込まれた点や、ASEANサービス労組協議会(ASETUC)を通じたASEANとの労働条項に関する交渉の取組みと成果の事例も紹介された。さらに、第4次産業革命によりもたらされる労働者への影響(雇用の喪失)は、世界中のあらゆる地域にあてはまる課題であり、今の段階から予期し対応を取ることが重要で、そのためには労働者1人ひとりの意識を高めるべく労働運動は大きな役割を果たすべきだと述べた。

UNI Apro青年委員会構成の変更として、日本・日放労の岡﨑淳司委員から釘本聖司委員への変更や、フィリピン、シンガポール、オーストラリアの青年委員の変更も確認された。アリス・チャン青年担当部長は退任する岡﨑委員のUNI青年委員会への多大な貢献に感謝した。

委員からの活動報告では、日本から佐々木UNI Apro青年委員会副議長(JP労組)が、今回の参議院選挙におけるユース活動を報告するとともに、ユースネットワークの組織、社会貢献活動、UNI Aproと協力した英語セミナーの取組み、平和活動等を紹介した。UAゼンセン・寺嶋委員は、UAゼンセンのヤングリーブス活動を報告、その中で北朝鮮による拉致被害者の家族支援活動を紹介し、若者の健全な育成、活力ある運動構築に貢献していると報告した。日放労・岡﨑委員は、今回の参議院選挙での活動を、公共放送NHKと政治との関わりという視点から、若い組合員と議論する場を設けてきた取組みを報告した。情報労連・浦委員は参議院選挙活動について、フレージというNTT労組の青年組織の活動を紹介し、健全な社会のために、若者にどのように政治に関心を持たせ、投票率を上げていくかが喫緊の課題だと述べた。

日本の委員には、「なぜ選挙権が18歳に引き下げられたのか」、「労働組合と政治との関係はどう変わったのか」、「組織内候補を出す意味は?」、「日本人がなぜ北朝鮮に拉致されたのか」等の質問が出された。

uni-apro-youth-committee-group-photo-s他国の報告では、まずバングラデシュのタスリマ・メジャビーン委員が、労働運動を歓迎しない社会の風潮の中、経営の嫌がらせに直面しながらも労働組合を組織化した自身の体験について報告し、労働運動を通して若い世代の士気を高め、蔓延する差別をなくしていきたいと述べた。

マレーシアのモハマド・アズラン・アシュワド・ラムリ委員は、ユースで取組む活動の成功事例を共有するとともに、若者に関する課題(薬物、無謀運転、エイズ等)をあげ、それらの課題に労働組合として取組むことで、若者を取り込んでいきたいとした。

ネパールのクマール委員は、人々の労働組合に対する知識不足を課題にあげ、大学で労働組合の権利を伝えるなど意識啓発に力を入れたい、また、より多くの女性が組合に参加できるよう取組みを続けたい、と述べた。

パキスタンのシュジャ・ウル・ラーマン・ドゥラニ委員は、不十分な労働法とその運用により、低賃金・不当な労働時間など多数の課題を抱える一方で、労働に関する権利や労働運動への理解も進んでおらず、まずは活動の基盤となる体制を整えていきたいとした。

シンガポールのケビン委員は、成熟した社会の中で組合員を増やすため、キャリアアップのためのワークショップやトレーニングに参加できるようにするなど、付加価値をいかに提供できるかに力を入れており成果が出ているとした。

インドネシアのユリアン委員は組合潰しが存在する現状に触れ、経営者の意識を変えていくことが重要だとした。また、最低賃金に関する新しい政令“PP78”について、労働組合の権利が侵害されているとして撤回を求めて取組んでいくことを報告した。

オースラリアSDAのステファニー委員は、若者の非正規化が進み、頻繁な転職により組織率が低くなっていることに対して、組合への入会をオンラインで簡単にできるようにしたこと、企業の入社に関する一連の説明の中でオルグのための時間を設定してもらうなどの事例を報告した。

スリランカのノリカUNI Apro青年委員会副議長は、若い組合員に権限強化を行い、あらゆる業種の若者に組合に参加してもらうよう働きかけていると報告した。

フィリピンのカレンUNI Apro青年委員会議長代行は、先に行われた大統領選挙に触れ、新政権は労働組合にとってもプラスになる選挙だったと述べた。新しい大統領は、就任した1日目から非正規は廃止するという強い姿勢を見せ、今まで排除していた外資企業を受け入れて雇用の創出をする予定とのことだった。

玉井キャンペーン・組織化部長は、UNI Aproの行動計画の中から組織化を中心に説明し、「組織化は終わりの無い活動であり、続けなければ弱体化につながっていく」と述べた。また、企業と労働組合はウィンウィンの関係が必要で、敵対関係は問題の解決にはならない、パートナーシップに基づく組合活動が必要と訴えた。イオンやHERO(インドネシア)などを例に挙げ、ベストなパートナーシップによって企業のブランドイメージが強化されたことを報告した。それぞれの国で組合を取り巻く環境、法律は違うが、挑戦できる可能性はあるとの見方を示した。


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