UNI-LCJ金融部会、DBS銀行労使と情報交換

シンガポールのUNI金融部会加盟組織の1つ、DBS銀行労組のノラ・カーン委員長率いる執行委員会メンバーら25人とDBS銀行役員4人が、労使で戦略計画協議を行うため来日した。シンガポール屈指の同銀行は、多くの女性が活躍することでも知られている。2017年4月20日、UNI-LCJ金融部会メンバーは、少子高齢化社会という共通の課題に直面する両国における、再雇用制度とワークライフバランスをテーマに情報交換を行った。

DBS銀行労使代表団を歓迎し、宮井UNI-LCJ金融部会議長は、日本の状況について簡単に紹介した。政府の「一億層活躍プラン」の中で、労働供給力引き上げのため、子育て支援・介護支援の充実に加え、高齢者雇用促進が挙げられている。また政労使が参画する「働き方改革実現会議」において、同一労働同一賃金、非正規雇用の処遇改善の他、長時間労働是正、子育て・介護と仕事の両立等が議論されており、これらはワークライフバランスの実現に大きく関連する。多様な国籍・文化背景を持つ人材が活躍するシンガポールの、特に先進的取組みで知られるDBS銀行労使の経験を参考にしたい、と述べた。

日本における高齢者と女性の再雇用制度について、岩瀬損保労連事務局長が損保産業の、中井全信連書記長が銀行産業の現状と課題を説明した。両産業とも女性が結婚、出産、育児等を理由に退職した後、復職できる制度があり、高齢労働者は定年後、嘱託・契約社員として雇用され、希望者は公的年金が支給される65歳まで働くことができる。

DBS銀行人事担当役員サマンサ・チュア氏は、シンガポールの定年・再雇用制度の変遷について説明した。現在定年は62歳で、65歳まで再雇用としているが、今年7月1日から法改定が施行され、再雇用年齢が67歳に引き上げられ、60歳で賃金カットの条項が削除される。使用者が何らかの理由で従業員を継続雇用できない場合は雇用補助手当(EAP)を支払わなければならない。最後に、シンガポールでは高齢者の雇用可能性を高め、就業を支援するため、政労使で将来に備えた技能訓練に力を入れていると紹介した。

続いて、藤畠労済労連副委員長が日本におけるワークライフバランス実現に向けての現状と課題について、高橋生保労連副委員長が生保産業における取組み事例を報告した。日本の年間総実労働時間2000時間、年次有給休暇取得率は50%を下回る水準、そして男性の育児休業取得率が2%と説明した際、シンガポール側参加者から驚きの声があがった。生保労連では労使双方が参加するフォーラムを定期的に開催している。

DBS銀行のジョアン・ホー氏は、両立支援に予算を投じた企業には、生産性向上、従業員の満足度向上、医療関連コスト削減、優秀な人材を維持できる等の効果があったという経営者団体の調査結果を示した。シンガポールではこの10年で労働時間が減少傾向にあり、政労使委員会がワークライフバランス推進のため、労働者に柔軟な働き方を提案している。DBS銀行は両立支援の面で優良企業として表彰されており、フレックス勤務、パート、時短、在宅勤務、無給休暇等の働き方ができると述べた。

ノラ・カーンDBS銀行労組委員長は、「DBS銀行労使は過去にも日本を訪問し、UNIの金融部会の仲間と、女性の活躍推進やワークライフバランスをテーマに情報交換を行ってきた。シンガポールは日本の再雇用制度に関心を持っており、今回も非常に参考になった。ぜひ皆さんもシンガポールに来て、金融産業の最先端技術を見てほしい」と述べた。

最後に小川全国農団労書記長が、「両国には共通の課題が多いが、日本は法制度、企業の制度、労働者の意識がシンガポールより大きく立ち遅れていることを痛感した。これらの問題解決のために労働組合には大きな役割を果たさなければならない。社会で働く主人公が、家族の一員として、地域の一員としても働き続けられるようにしなければならない。短時間だったが有意義な交流をすることができた」とまとめた。


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