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UNI平和フォーラム-世界の終わりまで残り5分

終末時計は世界の終わりに向かって針を1分進めた
昨年のUNI世界執行委員会で、ナーゲルスマンUNIメディア部会議長(当時)から「UNI長崎世界大会は大きな感動をよんだ。長崎という平和を希求する場で開催された大会のメッセージを思い起こすべきだ」とし、平和セミナーの開催を提案した。これを受けて、2012年の世界執行委員会前日(11月12日)、「UNI平和フォーラム」が開催された。ジェニングス書記長は開会挨拶の中で、UNI長崎世界大会の意義を想起し、「ミスコミュニケーションにより核兵器使用の可能性が高まっている」と警告した。領土問題が軍事衝突に至る可能性ということで尖閣諸島問題にも触れた。最後に「私は平和のために祈る。しかしそれだけでは十分ではない。行動が必要だ」というダライラマの言葉を引用し、UNIの立場として表明した。

米科学誌『Bulletin of the Atomic Scientists』が管理をする“世界終末時計”の針が「残り6分」から「5分」へと1分進められた点について、エバンス・オーストラリア国立大学総長が、ビデオ講演を行った。同氏は、ゲストスピーカーとして長崎UNI世界大会にも出席している。

「2010年の時点では、まだ楽観的な気分が漂っていた。ところが今、核兵器削減に関しては、前進がないばかりか、イランや北朝鮮など核兵器を持つ国が増大し、暗い状況にある。終末時計は、さらに危機的な状況に近づいている。世界は、冷戦時代より混沌としている」と警告した。ブラウン国際反核兵器法律家協会事務局長は、「持続可能な社会のための軍縮ッ貧困層のために優先順位の変更を」というテーマで講演し、「過去の二つの大戦を振り返って教訓から学ぶべきだ。労働組合が中心に立って平和のために闘わなければならない。ギリシャの例は、軍備輸出国が富める国になり、輸入国は貧しくなることを示している。平和運動は、労働運動の支持を必要としている」と訴えた。続いてデニス核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)シニア・キャンペイナーが登壇し、「核兵器はますます近代化しており、新しい脅威が生まれている」と時代を特徴付け、インドとパキスタンの戦争を例に、核兵器が使われた際のインパクトを具体的に示した。軍備をコントロールするアプローチから、人道的なアプローチへの転換を呼びかけた。

ポスト・フクシマ
八野UNI-LCJ副議長が、東日本大震災と福島原発事故を振り返り、現在の日本の状況を詳細に分析した上で、将来的には原子力に依存しない社会づくりを目指したい、とした。「将来のエネルギーミックス:100%再生可能なエネルギー」と題して、シンガー世界自然保護基金(WWF)世界エネルギー政策部長は、再生可能エネルギーのシナリオを提示し、「移行への技術はある。事実グローバル・エネルギーの消費トレンドとしては、太陽光、地熱など再生可能エネルギーのシェアが増大している。雇用は増えるだろう」と論じた。「核テクノロジーの二重性」という標題で、リーパート・ダルムシュタット工科大学教授が、核テクノロジーの歴史を紐解き、「1938年に初めて核分裂が行われた。以降、核爆弾が作られ、プルトニウムに移行した。核テクノロジーは民事軍事両方に活用できる。破棄することにすべての国がコミットすべきである。長期的にはフェードアウトすべきだが、グローバルに核の秩序を考えるべきだ」と語った。

グローバル・リスク:食糧と紛争
世界経済フォーラムのグローバル・リスク報告は、水と食料へのアクセス欠如から起きる平和への脅威について強調している。ヒルベック・スイス連邦工科大学教授は、紛争、貧困・飢餓、環境悪化の悪循環と農業と食糧生産の関係性を説明し、「我々はグローバルに依存している。うまく機能するグローバルなエコシステム作りに向け、労働組合も役割を果たすことができる」と述べた。ババロラUNIナイジェリア加盟協議長は、ヒルベック氏の演説の実際を、ナイジェリアの例をもとに説明した。このセッションは、2014年のケープタウンUNI世界大会に向けた議論の土台を築いた。アフリカにおける飢餓と食糧価格高騰は、喫緊の課題である。

ジェニングス書記長は、「現在の世界は、全面的な市場主導型経済であり、市場の失敗が即座に労働者の生活に影響する。我々は対案を持たねばならない。今や50カ国が核兵器を製造可能という極めて危険な状況下にある。アジアは成長のエンジンであって、緊張のエンジンであってはならないということを、先日のUNI-Apro東アジア労組フォーラムは明らかにした。今なお希望はある」と、まとめた。


第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラム

第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラムが2012年10月22~23日に東京で開催され、韓国、台湾、香港のから27名、日本から83名、合計110名が参加した。
同フォーラムは、今回初めて開催され、その意味でまず基本の基本をお互いに認識し合うということから始めることとした。選ばれたテーマは、各国のサービス産業の労使関係と課題、東日本大震災からの復興・再生に向けた支援活動、各国労働運動の現状、女性・青年の労働運動参加促進、各国のUNI加盟協の12年と今後の課題であった。クリストファー・ウン地域書記長から、最初と最後に意見をもらい、討論を豊富化することができた。

第1日には、「グローバル化とASEAN、東アジア」という演題で、ウン地域書記長が講演を行った。グローバルな観点、ASEANという観点から、東アジアを俯瞰し、今後の経済の方向性、政治の方向性、労働組合の方向性を占うという内容であった。その際、ASEANプラス3、又は6について、台湾を排除すべきではないという意見が出て、了承された。
「日本の労使関係とその課題」という演題では、北浦日本生産性本部参事が講演を行った。ホスト国が日本であったことから、特に日本の労使関係について、概論を述べた。日本の労使関係の発展の特色が細かく触れられた。各国労使関係は、歴史的、社会的な国のあり方に規定される。日本の労使関係の根底にあるものがどのように変遷を遂げたか、今後の課題は何か、特に改革すべきものと変えるべきでないものは何かについて、全員が学ぶことができた。
各国の労使関係の比較では、まず「韓国サービス業の労使関係と課題」から始まった。韓国のスピーカーから、総論(ユ・ジヒュン韓国保健医療労組委員長)、パブリックセクターの労使関係(キムチョルヨン韓国郵政労組国際部長)、民間企業の労使関係(カン・ギュヒョク韓国サービス労組委員長)、非正規セクターの労使関係(チュン・ミョンヘ韓国金融労組政策担当)、KT労組について(チャ・ワンキュKT労組政策部長)について、説明を受けた。財閥系の韓国企業が急速に発展を遂げる中で、貧富の差が大きくなっており、その典型が非正規労働者の問題だという事実が明らかにされた。
続いて、「台湾サービス業の労使関係と課題」というテーマで、ジェリー・ルウ中華郵政工会副委員長がプレゼンを行った。台湾では、労働協約法の改正があり、労働組合に入りやすくなっている、産業別組合の交渉可能性も拡大していることが明らかになった。
「日本サービス業の労使関係と課題」という演題では、UNI-LCJ加盟労組が講演を行った。商業部門は、八野サービス流通連合会長から、自動車産業は、佐藤自動車総連国際局長から、印刷部門は西山全印刷書記から、金融部門は中村損保労連服委員長、大長生保労連副書記長が説明を行った。商業部門の傾向と趨勢、生産性三原則の実際、日本のサービス産業の労使関係の法的基礎、純粋持株会社形態と労働組合、ダイバシティーへの対応などが説かれた。
「東日本大震災からの復興・再生に向けた支援活動」のプレゼンを春木情報労連書記長から受けた。東日本大震災にあたっては、各国組合から様々なご支援を受けた。ここまで復興が進んだ、労働運動はこういう役割を果たした、という現状報告を行った。

第2日目は、「日本の労働組合運動の現状」ということで、落合LCJ議長が講演を行った。落合議長は、UIゼンセンを141万人の組織(UAゼンセン)にまで作り上げる指揮をとった会長であり、参加者はその言葉の重みを噛み締めた。「韓国労働運動の現状」は、キム・ビュングク韓国大学職員労組書記長、カン・サンナム全国メディア労組副委員長から報告があった。「台湾労働組合運動の現状」は、ジェリー・ルウ中華郵政工会副委員長から講演を受けた。
「女性・青年の労働運動参加促進」も重要なテーマであり、4つの組合が講演を行った。
日本からは、河野全労金書記長、山下労済労連副委員長、韓国からは、ハン・ミジュン韓国保健医療労組副委員長、台湾からは、ジュリア中華郵政工会副書記長が講演を行った。
続いて、「UNI-LCの12年と今後の課題」として、各国のUNI加盟協が発表した。日本UNI-LCJの12年と今後の課題と題して、臼杵UNI-LCJ副議長、韓国UNI-KLCの12年と今後の課題と題して、ジェイ・チョイUNI韓国デスク・コーディネーター、台湾UNI結成以降12年と今後の課題と題して、ジョージ・リャン中華郵政工会国際局長、香港UNI結成以降12年とUNI-HKLCの結成、今後の課題と題して、チュン・ライハUNI-HKLCコンベイナーから講演を受けた。

クリストファー地域書記長から、「アジア太平洋地域のLCとUNI-Aproの前進」の演題で講演を受けた。UNI-LCの結成は、UNI-Aproの基本的な方針である。ASEAN諸国、南アジア諸国におけるLCの活動の現状、UNIの支援のあり方などが論じられた。
最後に加藤UNI-Apro会長がまとめを行った。「我々は、企業別組合として、どうしても他の労組の動向には興味を持たなくなりがちだが、ナショナルセンターの活動、UNI-LCの活動という形で、できるだけ様々な問題を討論し合うことが重要である。特にUNIは、ネットワークが海外まで広がり、そこでの討論は特に重要といわねばならない。」とした。

最後に、来年ソウルで再び会うことを誓う共同声明を採択し、第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラムが閉会した。

写真はFlickr参照

 


各国ユース代表、東京で意見交換

2012年10月9日、東京でUNI-LCJユースネットワーク会議が開催された。

広島でのユース英語セミナーに講師として来日した海外講師を交え、UNI-Apro青年委員及びUNI-LCJ構成組織の青年担当及び国際担当と意見交換を行った。情報労連及び日放労のUNI-Apro青年委員の交代もあり、新委員の顔合せの機会にもなった。

自己紹介に続き、UNI-Aproの情報発信及び加盟組合とのコミュニケーション強化のため任命されたレベッカ広報部長が、UNIウェブサイト、Facebook、ブレティンを紹介し、加盟組合からも情報を寄せてほしいと要望した。

柿田UNI-Apro青年委員会副議長から、6月にマニラで開催されたUNI-Apro青年委員会の報告を受けた後、フィリピン、ネパール、欧州の青年活動について共有した。

ポールは、フィリピンでは労働組合のイメージアップと労働者の権利を知ってもらうため、若手組合メンバーが大学に赴き学生と対話する取組みと、パヤタスにおける栄養失調児童への給食プロジェクトについて報告した。

スラジは、ネパールでは政治が安定せず、産業と雇用機会が少ないため、若者は海外に職を求めて移住する傾向が見られるが、他の南アジア諸国に比べれば労働組合のイメージはそれほど悪くなく、青年は組合活動に積極的であると説明した。

エドは、反人種主義、若年層の失業問題、移民労働者、派遣労働等、UNI欧州青年委員会の決議を紹介した。

日本からは、情報労連、全印刷、UIゼンセン同盟、JSD、JP労組から、それぞれの青年(女性)活動について報告があった。

共通していたのは、日本でも海外でも青年活動の重要なポイントは、楽しい活動を企画し、仲間をつくり、連帯感を深めていく中から、将来のリーダーを育成することである。UNI-LCJとしては今後も様々な機会や情報発信ツールを活用して、青年活動情報の共有を図っていきたい。

写真はFlickr参照


LCJユース、平和と国際連帯について英語で考える

2012年10月5~8日、広島で第12回UNI-LCJユース英語セミナーが開催された。

表記セミナーには、情報労連、全印刷、UIゼンセン同盟、自動車総連、JP労組、全信連より20名の参加者、情報労連、UIゼンセン同盟、JSDよりアシスタント各1名、海外講師として、アイルランド・ユナイト労組のエド・トンプソン(UNI欧州青年運営委員)、フィリピン銀行労組のポール・パガバオ(UNIフィリピン加盟協青年委員)、ネパール金融労組のスラジ・ダカール、UNI-Aproのレベッカ・ユエン広報部長、事務局3名の計30名が参加した。英語セミナーとしては昨年の沖縄に続き、広島では初めての開催である。

10月5日の懇親夕食会には落合UNI-LCJ議長も出席し、参加者を激励いただいた他、平和学習の企画・実施に全面的に協力いただいたUIゼンセン同盟広島県支部の宮崎支部長から歓迎挨拶を受けた。

10月6日の開会式では、落合議長が英語で基調講演し、国際労働運動について理解を深めると共に、UNI長崎世界大会のテーマでもあった「核兵器廃絶・恒久平和」の取組みを広島で学び、次世代及び世界の仲間に伝えてほしい、また海外の働く仲間や国内の他産業の仲間と知り合い、視野を広げてほしいと激励した。

海外講師の講演では、レベッカ広報部長からUNI基礎知識、エドUNI欧州青年委員から欧州の青年委員会活動について、ポールUNI-PLC青年委員からパヤタス・プロジェクトをはじめとするフィリピンの青年活動について、スラジ金融労組保険部会コーディネータからネパールの労働運動及び青年の状況について報告を受けた。

グループワークでは、自己紹介、各組合や青年活動の説明を練習したり、ディーセントワークについて考え議論した。また各グループは、ソーシャル委員会(セッションの合間のエクササイズを指揮)、モデレータ委員会(毎朝の口頭報告と最終日プレゼンの司会進行)、ブログ委員会(UNI-LCJユースブログやFacebookに記事と写真をアップ)の任務も受け持った。

平和学習として、まず広島平和文化センターのリーパー理事長から核兵器廃絶を訴え平和文化を促進するビデオメッセージを聞いた。高校生平和大使の桑原さん(広島女学院高校2年)は、「被爆者の肉声を聞ける最後の世代と言われる中、若者の平和意識や学ぶ意識の低さを実感していたため大使に応募した。大使の活動として国連へ署名を届けたり、UNI本部で平和について考えたり、ドイツでも署名活動を行ったりして、平和な世界の構築には相互理解が大切だと感じた」と経験を語った。

10月7日午後には、グループ毎に広島平和記念資料館を視察し、平和公園内のモニュメントや原爆ドームを海外講師に英語で案内する練習をした。また被爆電車に乗車し、当時とほぼ同じ運行路線を辿った。

最終日には、グループ別にセミナーで学んだ内容を、スキットやクイズ形式など工夫を凝らした創造的なやり方で、全員が参加し英語でプレゼンを行った。海外講師からは、「広島で日本の歴史と原爆の恐ろしさに触れることができた。この経験を自国の青年にも伝えたい」、「参加者のホスピタリティに感謝する」、「会話はボキャブラリーの有無より自信を持てるかの問題。初級者も最後は自信をもって表現していた」とのコメントがあった。

事前アンケートでは、UNIという言葉を聞いたことがある参加者は20名中10名、UNI会議に参加したことがある参加者は1名しかいなかったが、セミナー後のアンケートでは、「UNIがどのような組織か、どのような活動をしているかわかった」、「青年の関心や問題は共通していると思う」、「他産別や海外の事情を聞くことができ大変刺激になった」、「自分の組合について知らないことを反省した」といった声が聞かれた。タイトスケジュールだったので、グループワークは深夜に及ぶこともあったが、今回は比較的少人数グループで密度の濃い議論ができ、メンバー間の結束も深まった。

写真はFlickr参照


長崎平和大使、核軍縮を訴える

長崎平和大使(日本の高校生や被爆者などから成るグループ)が今年もニヨンのUNI本部を訪れた。これに先立ち彼らは、核兵器廃絶・核軍縮を陳情する155,000余の署名を国連欧州本部に提出した。

平和大使を歓迎する中で、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、「核兵器のない世界のために活動する高校生を再び迎えることができて光栄だ。私たちもみなさんの夢と目標を共有したい。核兵器廃絶キャンペーンを支援したい。世界にはいまだ19,000の核兵器があるとされ、それらが使用される危険性は常につきまとっている。今日ここにいる被爆2世、3世、さらには4世をも含む平和大使は、悲劇が2度と繰り返されないよう、悲劇を忘れまいとしている。私たちはみなさんの行動を誇りに思い、共に進みたい。」と挨拶した。今回、在ブラジル被爆者の証言を伝えたブラジル出身の2名を含む生徒たちは、被爆者の存在と彼らが平和大使になった理由について、感情をこめて語った。

川崎有希さんは、自分の祖父の経験について語った。川崎さんの祖父は、原爆投下後、遺体の埋葬と死に行く人々のケアのため、100km離れた家から広島へ駆け付けた。彼女の祖父は、放射線の影響で病を患った。彼女のメッセージは「もう戦争を起こさないこと」だ。

片山宥那さんは、幼稚園時代に出会った被爆者の「全ての人が世界の平和を願い行動すれば、それは実現する」という言葉を伝えた。

相原由奈さんも、「あなた達が、被爆者の経験を直に聞くことのできる最後の世代。私たちはあなたにバトンを渡さなくてはならない」との被爆者のメッセージを伝えた。

平和のメッセージを受け継ぐことについて、全ての平和大使が強い責任感を表明した。現在、被爆者の平均年齢は77歳である。

UNIは、2010年の世界大会開催地である長崎の市民と温かい友情を育んできた。UNIのブレイキングスルー戦略では、核軍縮を目指す国際的な運動を支持している。

長崎でのUNI世界大会の4か月後、日本は壊滅的な地震と津波、そして福島における原子力発電所の惨事に見舞われた。地震と津波によりおよそ2万名の命が奪われ、さらに数千名が住居を奪われた。

1945年8月6日に米国による広島への原爆投下により約14万名が、そして3日後の長崎への2発目の投下で7万名以上の命が、一瞬のうちに犠牲となった。

長崎平和大使は、「長崎を最後の被爆地に」との訴えで活動を続けている。彼らが、被爆者の声を直接聞くことのできる最後の世代となる。


UNI-Aproスタッフ会議


UNI-LCJapan年次総会、フィリップ・ジェニングスUNI書記長記念講演 「グローバル経済における欧州金融危機のインプリケーション」

 

2012年2月2日、東京で、第13回UNI-LCJ年次総会が開催され、2011年度活動報告、及び会計報告、監査報告、2012年度活動計画、予算が承認された。本部及び地域組織からはジェニングスUNI書記長とウンUNI-Apro地域書記長が駆けつけた。

「グローバル経済における欧州金融危機のインプリケーション」と題したジェニングス書記長記念講演には加盟組合を含め100名を超える参加者が集まった。
東日本大震災以降、初来日となった今回、ジェニングス書記長は冒頭、被災者とその家族へ深い哀悼の意を表すると共に、日本の労働運動を長年主導してきた芦 田氏、宇佐美氏の逝去に対し、両氏のご冥福を祈った。UNI-Apro会長に就任した加藤情報労連委員長には激励を、UNI-LCJの国際会議開催貢献賞 受賞については祝福の言葉を述べた。

世界各地で政治変革が起こり、市民による社会格差に不満を訴えるオキュパイ運動が拡大する中、今年のダボス会議ではディストピア(逆理想郷)という言葉が 使われた。ジェニングス書記長は「完全雇用やディーセントワークが実現する世界がユートピアであるなら、金融危機によって人々が憤り不平等が蔓延する今日 の欧州はディストピアの状態だ」と述べた。

欧州の長年の夢であったEU統合は、政治・経済的統合そして共通通貨ユーロ導入により域内の市民に様々な恩恵をもたらした。しかし、2008年金融危機が発端となり、銀行が破綻し、公的債務危機も加わって、緊縮財政、失業率増大につながり、悪循環に陥っている。

このような状況下で欧州労働運動は経済成長計画を求め、正しい選択がなされるよう闘っている。ジェニングス書記長は、「UNIは国際機関で発言力を強化 し、そして各地域、各部会がブレイキングスルー戦略のもと、各国内の政策決定プロセスで発言力を強化していかなければならない。協調した対応が不可欠だ」 とさらなる連帯を呼びかけた。

質疑応答で、柿田JP労組ユースネットワーク議長は、欧州での若年失業問題に対する組合の対応について質問した。「欧州金融危機の最大の被害者は若者であ る。多くの企業はコスト削減のため、採用を見送っている。欧米のビジネス界は、2兆ドルもの現金の山にあぐらをかいているが、先行きが不透明なためそれら 財源が投資されずにいる。今こそ、経済成長のために労働者に再投資されるべきである。緊縮財政では根本的な解決にならない。欧州の組合は、全ての若者に雇 用と教育の機会を確保するよう求めている。」

橋本JSD国際局部長が、インド小売業界における外資参入規制について見解を求めたのに対し、ジェニングス書記長は、「インドにおける小売のグローバル化 についてUNI代表団がデリーで政府関係者に意見提起した。インド世論の反発による外資の自由参入阻止が背景にある。6億人の中産階級を抱えるインドは小 売業最後の未開拓地である。UNIは、外資参入に当たり、インド側と知見を分かち合いながら、節度ある政策を立てるようインド政府に提言している。」また LCJの全部会に対し、日系企業の海外進出をつぶさに見ていき、進出先でも国内と同様、強力な労働組合運動そしてパートナーシップ労使関係を普及するよう 鼓舞した。

続いて行われたレセプションでは、落合UNI-LCJ議長が「UNI-LCJ組織の純増で101万7200人となった。ブレイキングスルー戦略の下、加盟 組合と共に更に前進したい」と開会挨拶を行い、続いて妹尾厚生労働省総括審議官、古賀連合会長そしてウンUNI-Apro地域書記長より連帯挨拶を受け た。ウン地域書記長は、加藤新会長の強力なリーダーシップのもと、ブレイキングスルー戦略を邁進していく決意を述べた。

写真はFlickr参照。


インドネシア大学アリヤナ・サトリャ氏、日本のUNI加盟組合インタビュー

 

 

インドネシア人研究者アリヤナ・サトリャ氏が、2011年12月から1月にかけ日立の奨学金を得て来日、UNI-LCJ加盟組合でインタビューを行った。

アリヤナ氏は、インドネシア・テレコム出身であり、Aspekとも親しい関係にあり、現在はインドネシア大学経済経営学科、経営管理部で講師を務めている。大学では、労使関係、経営管理、人材管理など多くの教科を教えている。

今回のフィールドワークの目的は、日本の労働組合の現状、課題、特にパートナーシップ労使関係や非正規労働者の組織化について調査することであった。 UNI加盟組合以外では、東京大学、明治大学、早稲田大学などの労使関係を専門とする学者からのヒアリングや、国際労働財団や労働政策研究・研修機構など の労働関連機関で調査を行った。

以下のUNI-LCJ加盟組織を訪問した。

・1月12日午後  サービス・流通連合(杉山政策局長、瀬戸政策局部長、檀上国際局部長)
・1月16日午後  自動車総連(神戸副事務局長、市ノ渡国際局長、平川国際局部長、川下国際担当)
・1月17日午後  損保労連(關中央執行委員長、澤木事務局長、窪田国際担当)
・1月19日午前  全印刷(宇田川書記長、荒川参与、西山書記)
・1月19日午後  JP労組(栗原国際担当)
・1月20日午前  UIゼンセン同盟(田村副書記長、中野国際局部長、生井国際局副部長)
・1月20日午後  情報労連(縄倉政策局長、宇田中央執行委員・木村国際担当)

アリヤナ氏の研究はパートナーシップ労使関係実現のうえで、UNI-LCJapanの目標と共通点が多く、非常に有意義なインタビューとなった。帰国後、調査報告をまとめるとのこと。インドネシアの労働運動に生かされることを期待すると共に、加盟組合のご協力に感謝する。


デジタル化が進む印刷産業の課題

UNI-Apro印刷部会委員会
前回会議(2008年9月15日、ザグレブ)以降発生した、UNI及びUNI-Apro印刷部会における人事変更を確認した。ローゼンツバイク前印刷部 会担当局長が本部に新設された組織化・キャンペーン局長に就任し、同ポストに前UNI-Apro印刷部会議長のウォルシュ氏が就任。同氏の後任として、 オーストラリア製造労組印刷部会書記長のキャシン氏が委員会新メンバーとして紹介された。空席になった議長ポストは、2011年に開催予定のUNI- Apro印刷部会大会における選挙まで当面、キャシン氏が議長代行を務めることが確認された。
竹井UNI-Apro印刷部会副議長は、先の衆議院選挙における政権交代と、セキュリティペーパー印刷事業の民営化阻止の可能性について報告した。チャ ンドラセカラン同副議長は、マレーシアにおける新聞産業の職が自動化により削減されていること、デジタル印刷やインターネットニュースなど電子媒体への移 行が急速に進んでいる現状を報告。タルワール同副議長は、インドにおけるドネリーのチェンナイ工場労働者へのコンタクトとケベコール組織化が難航している ことを報告し、UNI印刷部会の支援と介入を要請した。キャシン同議長代行は、オーストラリアとニュージーランドにおいて共通の多国籍企業が多いことか ら、両国労組間の強い協力関係があること、アジア太平洋地域の他の国にも労組ネットワークの協力を拡大する可能性を示唆した。

UNI世界印刷部会運営委員会
ミシェル・ミュラーUNI世界印刷部会議長は開会の挨拶で、国際的な金融危機と、印刷部門における技術革新が雇用に大きな影響を及ぼしつつある中、開催 された同会議への出席者を歓迎すると共に、日本の政権交代という労働者にとって明るい出来事は来年の長崎大会に向けて大きな励みになると述べ、日本の労働 組合の努力に賛辞を送った。
アドリアーナ前局長は、過去4年に渡り、国際的な労組ネットワーク作りを推進してきた多国籍企業ごとの活動状況と、その結果としてのUNI印刷部会のプレゼンス強化及びグローバル協定締結の成果(現在、ナンパック、ケベコール、イーランダーの3社と締結)を報告した。
ジェニングスUNI書記長は、「UNI印刷部会ブレイキングスルー」と題するプレゼンの中で、UNI設立後10年をかけてGUFの中でも主導的位置を確立 してきたが、今後の10年を見据え現状に満足せず絶えず前進しなければならない、そのためにブレイキングスルー『変革』が必要だと訴えた。米国や日本で政 治的ブレイクスルーがあった、UNIにおいてもスタッフの世代交代が進み、局長が10人入れ替わった。UNI欧州では最近、テレコム部会とIBITS部会 が統合してICTS部会が発足した。紙からデジタル印刷・オンライン媒体へと急速にシフトしていく中、UNIメディア部会やICTS部会との連携が不可欠 だ。森林を伐採し化学薬品を使用する印刷産業が環境問題に対応するには、政策提言を含めNGOなど他の組織との協力も模索していく必要があろう。加盟費の 統一を果たしたが、支払額が実質減額となる組合には是非、その分を組織化基金に拠出することでUNIの活動を継続的に支えてほしい、と要請した。
竹井運営委員は、長崎で世界大会を開催する意義と準備状況を報告すると共に、核兵器廃絶1000万人署名への協力を呼びかけた。
ミュラー議長は最後に、日本の加盟組合の努力に感謝し、長崎大会に向け、印刷部会としても「印刷産業のデジタル化への対応」をテーマに次回運営委員会(2010年6月、ニヨンの予定)までに議論をまとめることとし、閉会した。


「ブレイキングスルー」の勝利、日本の政治に大きな変化の兆し

UNIは今日、54年間にわたり政権の座に就いてきた自由民主党に民主党が勝ったという感動的な勝利の知らせを受け、日本のメンバーに心からお祝いを申し上げたい。
 最終的には、労働組合が支援する民主党は、衆議院480議席中、308議席を獲得した。
 これは日本にとって歴史的な出来事で、UNIとしても選挙運動に奔走した仲間の皆さんを祝福したい。日本の労働組合はこれから、労働者を支える政治的アジェンダを推し進めるために、政府と共に協力していく絶好の機会を手にした。
 UNIは2010年、11月9~12日、長崎で世界大会を開催する。
 「大会のテーマは『ブレイキングスルー』だが、日本の政治におけるこれほど見事なブレイクスルーは願ってもいないことだ」と、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は述べた。「この選挙結果によって、日本の労働組合が確実にブレイキングスルーを遂げており、真の政治的変化を起こしたい、起こす準備はできている、起こす力を持っていることが示された。」
 日本のナショナルセンター、連合は、総選挙の勝利を喜ぶと共に、大きな責任も自覚している。新政権には深く関わり、「雇用の安定こそ社会の安心・安全の最大のポイントであり、着実な景気回復も図っていかなければならない」と声明の中で述べている。
 UNIとしても、労働者を中心とした政治を発展させ実行していくための日本の労働組合や政府の取組みをサポートしていく、とジェニングス書記長は述べた。
 ジェニングス書記長は選挙運動の終盤まで日本に滞在しており、UNI加盟組合や連合役員を訪問した。
 「加盟組合は、民主党を支持するキャンペーンに全力を挙げてきた。」「雇用情勢は戦後最悪の状況にあるが、加盟組合は日本の労働政策を見直すために新政権と協力することを期待している。日本で歴史的な変革が起こったこの時期に、歴史的な町でUNI世界大会を開催することができ大変意義深い。加盟組合と共に準備を進めているところだ。」
 民主党に祝意を表すると共に、UNIは来年のUNI世界大会開会式で、新しい首相に演説をしてもらうことを期待している。


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