UNI平和フォーラム-世界の終わりまで残り5分

終末時計は世界の終わりに向かって針を1分進めた
昨年のUNI世界執行委員会で、ナーゲルスマンUNIメディア部会議長(当時)から「UNI長崎世界大会は大きな感動をよんだ。長崎という平和を希求する場で開催された大会のメッセージを思い起こすべきだ」とし、平和セミナーの開催を提案した。これを受けて、2012年の世界執行委員会前日(11月12日)、「UNI平和フォーラム」が開催された。ジェニングス書記長は開会挨拶の中で、UNI長崎世界大会の意義を想起し、「ミスコミュニケーションにより核兵器使用の可能性が高まっている」と警告した。領土問題が軍事衝突に至る可能性ということで尖閣諸島問題にも触れた。最後に「私は平和のために祈る。しかしそれだけでは十分ではない。行動が必要だ」というダライラマの言葉を引用し、UNIの立場として表明した。

米科学誌『Bulletin of the Atomic Scientists』が管理をする“世界終末時計”の針が「残り6分」から「5分」へと1分進められた点について、エバンス・オーストラリア国立大学総長が、ビデオ講演を行った。同氏は、ゲストスピーカーとして長崎UNI世界大会にも出席している。

「2010年の時点では、まだ楽観的な気分が漂っていた。ところが今、核兵器削減に関しては、前進がないばかりか、イランや北朝鮮など核兵器を持つ国が増大し、暗い状況にある。終末時計は、さらに危機的な状況に近づいている。世界は、冷戦時代より混沌としている」と警告した。ブラウン国際反核兵器法律家協会事務局長は、「持続可能な社会のための軍縮ッ貧困層のために優先順位の変更を」というテーマで講演し、「過去の二つの大戦を振り返って教訓から学ぶべきだ。労働組合が中心に立って平和のために闘わなければならない。ギリシャの例は、軍備輸出国が富める国になり、輸入国は貧しくなることを示している。平和運動は、労働運動の支持を必要としている」と訴えた。続いてデニス核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)シニア・キャンペイナーが登壇し、「核兵器はますます近代化しており、新しい脅威が生まれている」と時代を特徴付け、インドとパキスタンの戦争を例に、核兵器が使われた際のインパクトを具体的に示した。軍備をコントロールするアプローチから、人道的なアプローチへの転換を呼びかけた。

ポスト・フクシマ
八野UNI-LCJ副議長が、東日本大震災と福島原発事故を振り返り、現在の日本の状況を詳細に分析した上で、将来的には原子力に依存しない社会づくりを目指したい、とした。「将来のエネルギーミックス:100%再生可能なエネルギー」と題して、シンガー世界自然保護基金(WWF)世界エネルギー政策部長は、再生可能エネルギーのシナリオを提示し、「移行への技術はある。事実グローバル・エネルギーの消費トレンドとしては、太陽光、地熱など再生可能エネルギーのシェアが増大している。雇用は増えるだろう」と論じた。「核テクノロジーの二重性」という標題で、リーパート・ダルムシュタット工科大学教授が、核テクノロジーの歴史を紐解き、「1938年に初めて核分裂が行われた。以降、核爆弾が作られ、プルトニウムに移行した。核テクノロジーは民事軍事両方に活用できる。破棄することにすべての国がコミットすべきである。長期的にはフェードアウトすべきだが、グローバルに核の秩序を考えるべきだ」と語った。

グローバル・リスク:食糧と紛争
世界経済フォーラムのグローバル・リスク報告は、水と食料へのアクセス欠如から起きる平和への脅威について強調している。ヒルベック・スイス連邦工科大学教授は、紛争、貧困・飢餓、環境悪化の悪循環と農業と食糧生産の関係性を説明し、「我々はグローバルに依存している。うまく機能するグローバルなエコシステム作りに向け、労働組合も役割を果たすことができる」と述べた。ババロラUNIナイジェリア加盟協議長は、ヒルベック氏の演説の実際を、ナイジェリアの例をもとに説明した。このセッションは、2014年のケープタウンUNI世界大会に向けた議論の土台を築いた。アフリカにおける飢餓と食糧価格高騰は、喫緊の課題である。

ジェニングス書記長は、「現在の世界は、全面的な市場主導型経済であり、市場の失敗が即座に労働者の生活に影響する。我々は対案を持たねばならない。今や50カ国が核兵器を製造可能という極めて危険な状況下にある。アジアは成長のエンジンであって、緊張のエンジンであってはならないということを、先日のUNI-Apro東アジア労組フォーラムは明らかにした。今なお希望はある」と、まとめた。


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