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UNI-LCJ/UNIインド加盟協(UNI-ILC)セミナー

2016年9月24~25日、インド・チェンナイでUNIインド加盟協(UNI-ILC)の青年・女性組合員を対象とするエンパワーメントセミナーが開催され、UNI-ILCの郵便労組、銀行労組、ラジオ・TVエンジニア労組、IT専門職労組から36人が参加した(女性20人、男性16人)

sadai-5-s日本からは、定居美稚子情報労連/NTT労組中執を団長に、浅川淳UAゼンセン総合サービス部門執行委員、三浦聡自動車総連組織局部長、高木晋JP労組労働条件担当部長、事務局・小川陽子UNI-LCJ事務局長から成る代表団が講師として出席した。

開会式では、チェンナイ出身のテアガラジャン郵便労組書記長(UNI-ILC事務局長)及びミリンド・バローダ銀行労組委員長(UNI-ILC議長)がUNI-ILCを代表して歓迎の挨拶を行い、UNI-LCJの支援に感謝した。定居団長は、グローバル化が加速する中、成長著しいインドにおいても格差の拡大等、負の側面が明らかになっており、その克服に向けて労働組合が国を超えて連帯する必要があると挨拶した。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記次長はUNI Aproを代表して連帯の挨拶を行い、インドの青年・女性メンバーの強化はインドのみならず共通の課題を持つ南アジア全体の労働運動の活性化に重要だと述べ、積極的な参加を奨励した。

続いて、郵便労組を退職した役員から基調講演が行われた。「IT化の進展で仕事のやり方は大きく変化し、生活も便利になる中で、働き方も変わっていく。労組の活動も変化していくはずだ。かつて経営者が労働者のことを考えなかったことに対して、労働者は団結し組合として経営側に働きかけることができるようになった。今ではインドにも組合が多くできたが、新しい会社には無いところも珍しくない。組織化を進め、より多くの人々が権利意識を持つようになれば、政府も無視できなくなる」と自らの経験から若年世代に訓示した。

UNI-LCJ講師からは以下のプレゼンを行った。

・定居団長:①日本の家庭、学校、職場、社会に至る格差・不平等―労働組合はどのような役割を発揮できるか? ②青年の組織化

・浅川講師:①日本の労働組合の概要、機構、今日的課題、②女性の組織化

・三浦講師:グローバル化と労働組合の対応-組合の国際協力と国際連帯

・高木講師:日本におけるパートナーシップ労使関係

参加者からは、インドで目にする日本製の自動車やハイテク製品等のイメージから、日本に貧困や格差があることやプレゼンで示された統計データが信じられないとの感想が相次いだ。また、ITの進化に伴う事業への影響、日本でストライキを余りしない理由、非正規労働者の労働条件、組合員へのコミュニケーション方法、産別においてライバル企業の労組どうしがなぜ一緒に活動できるのか?といった質問が出された。05seminar-13-s

インドの参加者も、「インドにおける格差や不平等の現状と、組合は何ができるか」、「組合の女性・青年活動」、「グローバル化と労働組合の対応」、「インドでパートナーシップ労使関係はうまくいくか?」についてグループで話し合い、発表した。インドは民主主義国家であり、全ての人が平等であるはずだが、家庭でも社会でも階層があり、現実にはまだ差別が存在する。特に、女性参加者から「家庭やコミュニティにおいて、女児を歓迎しない地域がある。特に農村部では男性は富、女性は負担と思われる。女性の服装はコミュニティが決めるが、男性には制限がない。女性の帰宅時間が遅いと文句を言われる。家族の面倒を見ることは女性の仕事だという考えが根強い。男性が女性の仕事を決め、男性の合意があれば女性は外で働くことができる。育児のサポートが無いため、結婚・出産後、仕事を続ける女性は少ない。農村部でも都会でも、女性の夜間外出は許されない」といった意見が出された。また、教育の不足、貧困等により、労働組合に関する認識が低い。「組合活動でも意思決定は男性が行っている。女性は家庭があるため、まだまだ参加できていない。組合は女性の参加を歓迎するが、女性が遠慮している。」との意見が多かった。これを変えていくには、「子供の頃から男女同じように育てるべき。認識の改善、特に男性の意識改革が必要。女児・女性にも教育を受ける環境作りが必要。組合は行動を起こして政策を変えていかなければならない。女性セミナーを行い、女性の組合参加を奨励すべき」との意見が出された。

パートナーシップ労使関係は、「インドでは政権が変わると方針が変わるため不可能だ」という意見と、「組合が強いリーダーシップを発揮すれば可能だ」という両方の意見が出された。例えばIT業界は若者が多く働いているが組合が組織されにくい。若いエンジニアを使い捨てにすることが多いので、組織化され抵抗されると面倒だから会社や政府が許さないのだ。労働者が搾取されているIT業界こそ組合が必要だ、という意見が出された。

グローバル化に対しては、「会社と協力しWin-Winとなるようにしなければならない。利益を得るためにグローバル化は必要だが、契約社員等の弱者に対しても組合は交渉していくべき。グローバル化の負の影響を受けやすい中小企業も守るべき」という意見が出された。

また組合内のコミュニケーションについては、最近のSNSの普及に伴い、組合の委員長のメッセージや情報が瞬時にして組合員に送られるとのことである。参加者は早速WhatsApp(インドではFacebookやLINEより普及している)グループを作り、交流を始めた。

今年は、昨年の反省を踏まえ、若手組合員を中心とし女性が半数を超えた。日本人講師への質問やグループ発表、その後のコメントも女性参加者の積極性が目立った。残念ながら、テレコム部門と商業部門からの参加者はいなかった。UNI-ILCからは、来年はUNITES(IT専門職労組)の存在するハイデラバードでの開催を打診された。

今回はテアガラジャン郵便労組書記長の地元チェンナイでの開催ということで、セミナー前日(23日)には、チェンナイ郵便局を訪問し、J.T.ベンカテスワラル事業開発部長からインドポスト概要について説明を受けた他、局内を視察した。また、最近インドポストが力を入れている法人営業の一環として、ディーラーを見学した。ベル技術大学を訪問し、ラメシュ教授及びIT学科の学生20余人と、組合やIT産業、グローバル化等について対話する機会もあった。また地元ラジオ局をラジオ・TVエンジニア労組の案内で視察し、経営側とも意見交換を行った。

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UNI Aproミャンマー・ミッション

2016年9月19~21日、ミャンマーのサービス部門労働者の組織化を検討するための関係各所からのヒアリング及びUNI Aproの活動・理念浸透を目的とし、野田UNI Apro地域会長、ウン地域書記長、玉井組織化部長、ワルダナICTS部長等から成るUNI Aproミッションがネピドー及びヤンゴンを訪問した。

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訪問先と概要は以下の通り。

労働・移民・人口省

U Myo Aung氏(Permanent Secretary)他と面会。政労使各9人ら構成される国家三者構成委員会が設置されており、2014年以降4回開催されている。新政権となって初めて9月28日に開催予定で、労使関係の在り方、労働法、労働安全衛生の3点について議論が行われる。ここで議論された内容が9月29~30日に開催される第2回ステークホルダーフォーラムに示される。2015年9月に地域最賃法が導入されたが(1日3,600チャット)、実施が難しい状況である。現在、様々な法律が改正議論されており、外国人労働者法、工場法、労働安全衛生法が議論されている。また、外資の流入が増える中、一般的に労務管理は良好であるが、労使紛争が増えている。課題の一つとして、労働組合間の協力があげられる。ナショナルセンター、産別間の互いの協力が求められる、労働組合の役割について議論を深めてほしい。

運輸・通信省

Win Khant氏(Permanent Secretary)、Ye Naing Moe氏(Director of National Cyber Security Center)他と面会。通信インフラ及び制度は遅れており、ICTマスタープランに従って取組んでいる。携帯普及率は96%(SIMカードの販売枚数で計算した数字)。通信カバー率は国土の90%。2013年に通信法を制定し、テレノールとオレドにライセンスを供与した。MPTは政府保有の事業者で、より良いサービス提供を目指している。E-Governmentも目標の一つで、ICT技術と知識の理解促進に取組んでいる。やがてはオンラインでの政府サービスを普及させたい。

ミャンマー・コンピュータ協会(MCIA)

Mr.Zaw Min Oo氏(Secretary General)他と面会。1,000社以上のIT、コンピューター関連会社が加盟する事業者協会で、ミャンマーのIT企業が自主的に加盟している。現在、情報通信部門にはおよそ20,000人が従事している。国内24大学にICTに関連する学科があり、毎年5,000人が市場に入ってくる。2020年にはICT関連労働者は50,000人にのぼると予想される。課題は、賃金の上昇圧力が強まる一方で資格やスキルが伴わない、転職が多い、技術者への訓練等である。

MWRN(移民労働者の権利ネットワーク)

Phyoe Wai Htun氏(General Administration)他と面会。2009年に移民労働者の条件改善のために設立された組織。現在、人口の10%が移民労働者である。MWRNは、移民労働者の生活水準向上、雇用確保、法的支援、教育・訓練、社会保障、政府や市民組織との対話などの活動を行っている。メディアを通じた意識啓発にも取組んでおり、一般市民の移民労働者問題への認識向上につながっている。タイの工場で「ゼロ・リクルートメント・フィー」というプロジェクトを実施、ブローカーの中間搾取を防ぐために健康診断や労働許可申請にかかる費用(1,950タイバーツ)を工場で負担するもの。労組とも連携しており、CTUMやAFFMと覚書を結び、特に縫製、農業、水産などの分野で協力して活動をしている。

CTUM(ミャンマー労働組合総連合会)

Maung Maung氏、Rony氏他と面会。9セクターで779組合、組合員数64,952人(2013年は314組合、組合員数28,840人)を組織する唯一のナショナルセンター。ミャンマーの労働人口2,300万人に対し組織率は0.3%に過ぎない。農業・農民(607組合、31,841人)、工業、運輸(53組合、15,101人)、建設・木材、水産、鉱業、サービス(5組合、187人)、メディア、教育。サービス部門については、公立病院の看護士、清掃労働者を組織化している。政治とは関わりを持っておらず、労働組合活動に専念している。オルグの育成と職場環境のレベル向上が課題、法制度は未熟である。労組結成後にリーダーが解雇されてしまうという問題もある。労働者の権利に関する研修を行う中でリーダーを発掘し、ILO、ITUC-APのワークショップやセミナーへ派遣して人材を育成している。

AFFM(Agriculture & Farmer Federation of Myanmar)

Zarni Thwe氏(General Secretary)他と面会。主に農業部門労働者を組織し、IUFに加盟。現在の課題は労働環境を国際水準まで高めていくことだと考えている、労働者の知識向上が求められる。労組の役割と労働者に伝えていくためにも国際組織からの支援が不可欠であり、次世代の育成にも力を入れていく。

MICS(Myanmar Industries Craft & Services Trade Unions Federation)

食品、日常製品、縫製、水産、サービス(ケータリング・ホテル・荷揚げ等)、天然資源、建設、溶接の8部門を組織。AFFMの兄弟組織で、協力に関する覚書を締結している。通信部門も組合を結成したいと考えているが、まだ組織化されていない。社会協同組合の仕組み作りが必要。賃金の引き上げだけでなく、支出を抑えることで可処分所得を増やすことが可能になると考えている。なお、AFFMとMICSは国家三者構成会議に3人ずつ代表を出しており、他兄弟関係にある組織の声も代弁する。残り3人はCTUMから出ている。

 


第12回UNI Apro青年委員会、青年と政治の関わりを共有

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第12回UNI Apro青年委員会が2016年8月22~23日、マレーシア・クアラルンプールで開催され、日本、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ネパール、スリランカ、オーストラリアの委員12人他オブザーバーが出席した。

img_3727-s会議の冒頭、ウンUNI Apro地域書記長は、アジア太平洋地域の状況について、ILOの中核的労働基準を批准し、法の整備がなされた国であっても、単にそれだけでは不十分であり、労働者を保護するには、実効的な仕組みづくりがなされなければならないと述べた。また、TPPに労働憲章が盛り込まれた点や、ASEANサービス労組協議会(ASETUC)を通じたASEANとの労働条項に関する交渉の取組みと成果の事例も紹介された。さらに、第4次産業革命によりもたらされる労働者への影響(雇用の喪失)は、世界中のあらゆる地域にあてはまる課題であり、今の段階から予期し対応を取ることが重要で、そのためには労働者1人ひとりの意識を高めるべく労働運動は大きな役割を果たすべきだと述べた。

UNI Apro青年委員会構成の変更として、日本・日放労の岡﨑淳司委員から釘本聖司委員への変更や、フィリピン、シンガポール、オーストラリアの青年委員の変更も確認された。アリス・チャン青年担当部長は退任する岡﨑委員のUNI青年委員会への多大な貢献に感謝した。

委員からの活動報告では、日本から佐々木UNI Apro青年委員会副議長(JP労組)が、今回の参議院選挙におけるユース活動を報告するとともに、ユースネットワークの組織、社会貢献活動、UNI Aproと協力した英語セミナーの取組み、平和活動等を紹介した。UAゼンセン・寺嶋委員は、UAゼンセンのヤングリーブス活動を報告、その中で北朝鮮による拉致被害者の家族支援活動を紹介し、若者の健全な育成、活力ある運動構築に貢献していると報告した。日放労・岡﨑委員は、今回の参議院選挙での活動を、公共放送NHKと政治との関わりという視点から、若い組合員と議論する場を設けてきた取組みを報告した。情報労連・浦委員は参議院選挙活動について、フレージというNTT労組の青年組織の活動を紹介し、健全な社会のために、若者にどのように政治に関心を持たせ、投票率を上げていくかが喫緊の課題だと述べた。

日本の委員には、「なぜ選挙権が18歳に引き下げられたのか」、「労働組合と政治との関係はどう変わったのか」、「組織内候補を出す意味は?」、「日本人がなぜ北朝鮮に拉致されたのか」等の質問が出された。

uni-apro-youth-committee-group-photo-s他国の報告では、まずバングラデシュのタスリマ・メジャビーン委員が、労働運動を歓迎しない社会の風潮の中、経営の嫌がらせに直面しながらも労働組合を組織化した自身の体験について報告し、労働運動を通して若い世代の士気を高め、蔓延する差別をなくしていきたいと述べた。

マレーシアのモハマド・アズラン・アシュワド・ラムリ委員は、ユースで取組む活動の成功事例を共有するとともに、若者に関する課題(薬物、無謀運転、エイズ等)をあげ、それらの課題に労働組合として取組むことで、若者を取り込んでいきたいとした。

ネパールのクマール委員は、人々の労働組合に対する知識不足を課題にあげ、大学で労働組合の権利を伝えるなど意識啓発に力を入れたい、また、より多くの女性が組合に参加できるよう取組みを続けたい、と述べた。

パキスタンのシュジャ・ウル・ラーマン・ドゥラニ委員は、不十分な労働法とその運用により、低賃金・不当な労働時間など多数の課題を抱える一方で、労働に関する権利や労働運動への理解も進んでおらず、まずは活動の基盤となる体制を整えていきたいとした。

シンガポールのケビン委員は、成熟した社会の中で組合員を増やすため、キャリアアップのためのワークショップやトレーニングに参加できるようにするなど、付加価値をいかに提供できるかに力を入れており成果が出ているとした。

インドネシアのユリアン委員は組合潰しが存在する現状に触れ、経営者の意識を変えていくことが重要だとした。また、最低賃金に関する新しい政令“PP78”について、労働組合の権利が侵害されているとして撤回を求めて取組んでいくことを報告した。

オースラリアSDAのステファニー委員は、若者の非正規化が進み、頻繁な転職により組織率が低くなっていることに対して、組合への入会をオンラインで簡単にできるようにしたこと、企業の入社に関する一連の説明の中でオルグのための時間を設定してもらうなどの事例を報告した。

スリランカのノリカUNI Apro青年委員会副議長は、若い組合員に権限強化を行い、あらゆる業種の若者に組合に参加してもらうよう働きかけていると報告した。

フィリピンのカレンUNI Apro青年委員会議長代行は、先に行われた大統領選挙に触れ、新政権は労働組合にとってもプラスになる選挙だったと述べた。新しい大統領は、就任した1日目から非正規は廃止するという強い姿勢を見せ、今まで排除していた外資企業を受け入れて雇用の創出をする予定とのことだった。

玉井キャンペーン・組織化部長は、UNI Aproの行動計画の中から組織化を中心に説明し、「組織化は終わりの無い活動であり、続けなければ弱体化につながっていく」と述べた。また、企業と労働組合はウィンウィンの関係が必要で、敵対関係は問題の解決にはならない、パートナーシップに基づく組合活動が必要と訴えた。イオンやHERO(インドネシア)などを例に挙げ、ベストなパートナーシップによって企業のブランドイメージが強化されたことを報告した。それぞれの国で組合を取り巻く環境、法律は違うが、挑戦できる可能性はあるとの見方を示した。


UNI-LCJユース、英語で国際連帯を学ぶ

P1150903第16回UNI-LCJユース英語セミナーは、2016年8月19〜21日、湘南国際村で開催され、8組織から28人の青年・女性が参加した。海外からは、韓国プロサッカー選手会のヘンリー・マツダ事務局次長、ニュージーランド・ファーストユニオンのロビン・ウィルソン・ホワイティング商業・金融部門オルグ、フィリピン銀行労組のデニス・ロデル・ババオ青年委員会副議長、スリランカ銀行上級職労組のランキカ・アリヤシンゲ執行委員、スリランカ郵電労組のロハン・グナワルダナ青年委員の5人を講師に迎え、様々な地域訛りの英語に四苦八苦しながらコニュニケーションを図った。

P1150769冒頭、田原UNI-LCJ副議長から、「様々な国や産業のUNIの仲間とUNIについて学び、各国の青年・女性労働者の課題を共有しながら、友情を深めてほしい」と激励の言葉をいただいた。早速ウォーミングアップとして、自己紹介と各自の本セミナーでの目標を英語で発表した。今回のセミナーでは従来のような海外講師による講演ではなく、初の試みとして、「各国の労働運動」、「組合における青年・女性活動」、「日本と講師の出身国(居住国)の文化の違い」をテーマに5人の海外講師によるパネルディスカッションを行った。同じテーマで各国の比較ができた他、フィリピンの青年委員会が継続しているパヤタス(マニラ圏のゴミ集積場)における貧困児童向け給食活動、スリランカの女性委員会が実施する女性組合員向けエンパワーメント、ニュージーランドにおいて搾取されている外国人労働者の救済等の活動事例を聞き、参加者は各国の組合活動について理解を深めた。

また、グループワークにも多くの時間が割かれた。毎回講師とメンバーを1人ずつ入れ替えながら、できるだけ多くの人と会話の機会が持てるようにした。グループワークでは、「クール・ジャパン!紹介1分コマーシャル」、「若年労働者向け組合アピール1分コマーシャル」、「平和キャンペーン1分コマーシャル」作りを通して、いかに印象に残るメッセージを英語と工夫を凝らしたビジュアルで伝えるか、アイデアを出し合った。その他、各グループには、初日の懇親会での交流イベント企画、リフレッシュのためのゲームや体操の企画、グループワーク発表時の司会担当、前日の要約発表、毎日のブログ更新などのタスクが与えられた。

P1150855更に特別講師として、日本プロ野球選手会の森事務局長から「プロ野球選手も労働組合が必要だ!」と題する講義をいただいた。選手会は「選手を1人にさせない」をモットーに、選手へ組合の重要性を説明したり、現役生活全般からセカンドキャリアに至るまで相談にのったり、社会貢献活動を通じた野球の普及活動を行なったりしている。2004年のスト決行は、選手会が一丸となり、ファンの支持も得て闘った結果、変化を起こすことができた。参加者は夜遅くまで森事務局長から話を聞く貴重な機会を得た。

セミナーのハイライトは、最終日のグループワークである。5つのグループに、「UNI」、「組合」、「青年」、「平和」、「グローバル化」のいずれかのテーマと10分の持ち時間が与えられ、全員参加で自由に英語で表現するという課題に取組んだ。各グループは、ニュース番組風、ドラマ仕立て、各自の経験発表など、それぞれユニークな形式で素晴らしい発表を行い、他の参加者や講師から多くの質問やコメントを受けた。

P1150987閉会式では、2泊3日の学習を振り返り、グループ賞と個人賞が授与された。海外講師からは、「この3日間で驚くべき進歩があった」、「参加者と一体となってチームワークの素晴らしさを体感した」、「日本の良さを実感した」などのコメントがあり、「今後もFacebookなどを通じて、情報交換を続けていこう」との激励を受けた。

 


アジア太平洋地域の労働組合と青年・女性

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2016年8月18日、東京・情報労連会議室でUNI-LCJ青年・女性意見交換会が開催され、情報労連、全印刷、JP労組から青年・女性活動担当役員が出席し、ユース英語セミナーのため来日した海外参加者と「アジア太平洋地域の労働組合と青年・女性」をテーマに意見交換を行った。

フィリピン銀行労組のデニス・ロデル・ババオ青年委員会副議長からは、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会が日本をはじめとする多くのサポーターの協力を得て10年に渡り継続している、パヤタス地区の貧困児童給食プロジェクトの経緯、目標、今後の計画について報告を受けた。もともと、フィリピンにおける組合のイメージを変えるため、青年組合員に呼びかけ始めた社会貢献活動だったが、今では食事を与えて栄養失調児を救うだけではなく、学校に行かせるための奨学金・学用品の提供や、親にも教育の重要性を理解させ、親の就業支援も行うなど、包括的な貧困削減プロジェクトとして展開されているとのことである。この他、UNI-PLC青年委員会は、キャンパスへ赴き学生に労働者の権利の話をしたりして、就職前から労働組合に関する正しい知識を持ってもらうような活動を行っている。

スリランカでも一般的に労働組合のイメージは良くないという。それでも、郵便局や国営銀行には労働組合があり、入社すると殆どの労働者は労働組合に加入する。しかし、労働組合がイデオロギーや支持政党、宗教等様々な理由で複数存在しており、組合の連携が課題となっている。UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)では、女性委員会、青年委員会がそれぞれ積極的に活動を行っている。女性委員会はメンター制度を通じて、経験ある銀行労組の女性役員が、同じ組合や郵便労組の若い女性をメンティとして指導・育成している。また、JP労組が後援する郵便労組子弟向けの奨学金プログラムにおいて、UNI-SLACの女性・青年委員が、奨学生選抜のための面接を行ったり、労働組合の社会貢献活動について説明したりしている。

ニュージーランドでも若年労働者は入社前には労働組合の知識はあまりなく、働き始めて、職場で問題があって初めて組合について知るケースが殆どである。流通・金融産業を代表しているファーストユニオンでは、若い労働者向けのセミナーを実施しているが、流通産業では転職も多く、組合員を定着させることが課題である。また低賃金で働かされている外国人労働者の保護の取組みについても聞いた。

韓国プロサッカー選手会のヘンリー・マツダ事務局次長からは、プロサッカー選手の労働者としての問題解決を支援する取組みについて聞いた。

会議後、参加者は立食パーティで交流を図った。


日本の高校生平和大使、核兵器の無い世界を訴える

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今年も長崎及び広島からの平和大使がスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れた。この後、核兵器全面禁止を訴える嘆願書をジュネーブの国連に届ける。広島及び長崎の被ばく第一、第二、第三世代の思いを継承しながら、日本の高校生は今回約12万5千筆の署名を集めた。これまでに集めた署名は150万筆にのぼる。

この若い活動家達は、広島及び長崎の経験から核兵器の恐怖を生々しく描写した。高校生平和大使は、長崎を最後の被爆地とするための取組を続けている。彼らは被ばく者の話を直接聞くことができる最後の世代となろう。

彼らは12年前から毎年UNI本部を訪れている。今回のメンバーは、核兵器の非人道性を以前にも増した強さと説得力で非難した。原爆とその影響によって苦しむ人々の恐ろしい体験談を聞き、平和大使を迎えたUNI本部のスタッフには強い感情が生まれた。

平和大使との懇親会で、アラン・テイトUNI世界ICTS部会担当局長は、「皆さんの再訪はUNIにとっても非常に重要な機会だ。毎年皆さんをお迎えする度に、平和への取組み、とりわけ核兵器廃絶運動へのUNIのコミットメントを再認識する。何よりも長崎の皆さんとの絆が更に深まることが嬉しい」と挨拶した。「第二次世界大戦後の平和運動を推進したのは、広島、長崎の恐ろしい経験だ。私達も皆さんに会う度に、平和な世界をつくるという責任をあらためて感じる」と述べ、再訪を歓迎した。

UNIは長崎の人々と温かい友情を築き、深い絆で結ばれている。UNIは2010年11月、長崎で世界大会を開催した。その大会で採択されたUNIの戦略“ブレイキングスルー計画“の中では、核軍縮の世界的な取組みへの全面支持が謳われている。UNIは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のメンバーにもなっている。

マルシオ・モンザネUNI世界金融部会担当局長は、「もっと平和な世界をつくろうとするなら、社会的包摂を通じて貧困や不平等の問題に取組む必要がある。それを忘れてはいけない。 労働運動は、世界から核兵器を廃絶する運動で重要な役割を果たさなければならない」との決意をあらためた。

平和大使はこの後、ジュネーブの国連に嘆願書を届け、核不拡散のアクションを訴える。世界で米国、ロシア、北朝鮮、中国など9か国が1万5千基の核兵器を所有している。

 


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

2016年7月26~29日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJ加盟組合より小川損保労連中執(あいおいニッセイ同和損保労組委員長)を団長に5人の講師、UNI Aproより玉井組織化キャンペーン担当部長、UNI-LCJより森川事務局次長が参加した。

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日本側参加者(団長以下は組織正式名称の50音順):

団長 損保労連 中央執行委員

(あいおいニッセイ同和損害保険労働組合委員長)

小川 真弘
団員 情報労連 通建連合

ミライトグループ労働組合

ミライトテクノロジーズ企業本部 副書記長

藤原 宣
団員 UAゼンセン 男女共同参画・社会運動局 副部長 岡部 匡
団員 自動車総連 組織局部長 後藤 大輔
団員 JP労組 中央執行委員(組織活性化担当部長) 峰行 一夫
事務局 UNI Apro 組織化キャンペーン担当部長 玉井 諭
事務局 UNI-LCJ 事務局次長 森川 容子

 

1990年に複数政党制を導入して70年続いた社会主義体制を放棄し民主化されたモンゴルにおける労組支援は、UNI-LCJ結成以前のFIET時代より続く歴史あるプロジェクトである。「2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの支援について「パートナーシップ労使関係」への理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への代表団招聘(2017年)を実施することになっており、今回は今期2回目の現地セミナーとして開催された。

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セミナーはUNI-LCM加盟組合でゴビ労組を通じてゴビ社の会議室を借りて1日半にわたり行なわれた。冒頭にはゴビ社副社長が歓迎挨拶を述べる等、ゴビ社の良好な労使関係が伺われた。UNI-LCMを構成する7組織からは、若手組合員、組合役員を中心に28人(女性21人、男性7人)が参加した。日本語や英語に堪能でコミュニケーション能力の高い積極的な参加者も多く、若い労働人口が多い人材の豊富さも感じさせた。また、新規加盟組合として550人が加盟することになったチンギスハーン国際空港労組のインへ委員長も初めての参加となった。今回のセミナーは、日本側・モンゴル側からのプレゼンを聞くだけでなく、テーマごとに2つのグループに分かれ、与えられたトピックについてグループディスカッションを行う時間を多く取り、話し合った内容を発表し全体で共有するという形で進められた。その結果、参加者同士の活発な意見交換が促進され、より双方向型・参加型のセミナーとなった。

オユンバヤールUNI-LCM議長の挨拶に続き、UNI-LCJ代表団の小川団長(損保労連)が挨拶し、UNI-LCJ結成前から続くモンゴルとの交流の歴史を振り返り、参加者の積極的な参加を呼びかけた。森川UNI-LCJ事務局次長は、UNI、UNI Apro、UNI-LCJの組織機構や活動の概要、パートナーシップ労使関係を利用したUNI Aproの組織化方針等について講演した。

「日本を知ろう:社会・文化、政治・経済、労働事情」のセッションでは、小川講師が日本型労使関係について理解する上での基礎となる「少子高齢化」「長時間労働」「非正規雇用の増加と経済格差の拡大」等日本の社会が抱える課題について紹介した。その後のグループワークでは、「日・モンゴルにおけるワークライフバランス」「日・モンゴルにおける若い世代の労働組合のイメージと社会的影響力」のテーマで、いかに若年層に組合加入のメリットを伝えるか等を議論した。

08 Group B_s2「パートナーシップ労使関係の構築」のセッションでは、岡部講師(UAゼンセン)が生産性向上を目指す日本型労使関係のメカニズム、それを実現する労働組合の役割、団体交渉と労使協議について小売業加盟組合の例を示して説明し、「組合員とのコミュニケーションを密にし、現場で起きている課題を吸い上げ、解決を図る現場起点の活動」の重要性を強調した。藤原講師(情報労連)は、情報労連・通建連合加盟のミライトグループ労働組合における実際の労使協議と団体交渉の内容や進め方について具体的に紹介し、「労働組合が会社と共に会社の社会的な企業価値を高めていくためには随時必要に応じて組合員の意見を会社に伝えていく努力が必要だ」と述べた。続いてモンゴル側からも労使協約の意義、中身、基本原則についてプレゼンがあった。グループワークでは、モンゴルにおける労使のコミュニケーションの現状と改善点、各労組における団体交渉の成果、パートナーシップ労使関係構築に向けた課題等について議論が行なわれた。

「組織化」のセッションでは、ペトロスター労組のツォージ委員長がモンゴルにおける組合組織率が18%に留まっており組織拡大が喫緊の課題であること、産別労組レベルで企業の調査を行い、従業員及び企業へのアプローチを行なっていること等を報告した。課題として、使用者や国による干渉や圧力があること、非正規雇用の増加等、日本と共通する問題も抱えていることが分かった。後藤講師(自動車総連)は、組織率低下(未組織・未加盟企業)や非正規労働者を含む組織拡大の取り組み状況と、連合・地方連合会・自動車総連の三位一体の取組みを通じた最近の成功事例を紹介した。峰行講師(JP労組)からは、全国組織のネットワークを生かした福祉型労働運動、リサイクルブックエイドや書損葉書集約等のユースネットワークによる社会貢献活動を通じた組織活性化の取組みが報告され、特に書損葉書の換金方法等について質問が集中した。グループワークでは、①組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ、②外国人労働者や非正規労働者の組織化について討議された。携帯電話会社等が今後の組織化対象として挙げられ、外国人労働者・非正規労働者について労働法に規定し、組織化を進めるべきとの意見が出た。

23 Group A_s特に組織化については、今後UNI やUNI Aproの支援を受けながら、モンゴル側のニーズに特化した教育・研修の実施を検討していくことが確認された。これにより、既存労組のUNI加盟の促進、さらには未組織企業における新規加盟組合の結成等につながることが期待される。UNI-LCMとしては、オユンバヤール議長の下で団結し、情報交換を密にしながら次世代のリーダー育成や組織化に力を合わせて取り組むことが今後の発展の鍵となろう。これを踏まえ2017年の日本招聘にあたっては、次世代のUNI-LCMを担う若手組合役員を中心としたメンバー構成をモンゴル側に要請しているところである。

UNI-LCJ代表団はこの他、日本大使館訪問、日本式の小・中・高・高専・大学の一貫教育を行なう新モンゴル学園訪問、ゴビ社のカシミア工場見学、加盟組合訪問・職場視察等盛り沢山のプログラムをこなし、モンゴルの社会・経済事情や労働運動への理解を深めると共に、草原の伝統的なゲルに宿泊してUNI-LCMメンバーのホスピタリティーに触れ、ともに両国の労働者をめぐる問題に取り組む仲間としての強い絆を再確認した。


変化する世界の印刷・パッケージング部門

 

 

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UNI世界印刷・パッケージング部会が2016年6月27~28日、スペイン・バルセロナで開催され、21か国から31人が出席した。日本からは全印刷の梅原委員長が出席した。トミー・アンダーソン議長(スウェーデン)は開会挨拶の中で、今年3月に就任したばかりのハビエル・カルレス新担当局長を紹介した。彼はウルグアイの印刷部門出身で、UNI米州地域組織及びUNI本部でICTS部会を経験した後、今般UNI世界印刷・パッケージング部会担当局長に就任した。
委員会の中では、印刷・パッケージング部門の雇用傾向と大手企業に関する調査結果が報告された。消費者包装の世界的傾向として、デジタル印刷によるカスタマイズ印刷、フレキシブルパッケージング(ハイブリッド型)、グリーンパッケージング(環境への配慮、リサイクル資材)、梱包サイズの選択肢拡大(小型から大型へ)、梱包産業にも“モビリューション”(MOBIL-UTION:モバイル端末とクラウドサービスを融合した、いつでも・どこでも他者と差別化したサービスを提供)導入等がある。市場としては、従来の先進国市場よりも、中間層が激増している新興市場の成長幅が大きいと予測される。欧米が減退している一方で、アジアは成長している。新聞部門は広告収入源に苦しみ、オンライン化による発行部数の減退が欧米でみられる一方、インドでは発行部数は伸びている。また業界における最近のM&Aや、キンバリークラーク、テトラパック、スマーフィットカッパ、ナンパック、イーランダーズ等、大手企業別の事業動向が紹介された。

前局長のアンディ・スノッディUNI SCORE(連帯・キャンペーン・組織化・調査・教育)局長は、「印刷・パッケージング部会を離れたが、今はUNI SCOREでUNI全体の組織化を指揮する立場となった」と挨拶し、今後も同部会の組織化、キャンペーン、組合教育等を支援していくと誓った。本年3月のUNI欧州地域大会では、中東欧の組織率低下を食い止めるため、COZZ(中東欧組織化センター)設立を決議した。西欧の製造業は東欧に移転する傾向があり、UNIの殆どの部会はM&A及び中東欧へのアウトソースによる影響を受けている。これまで、UNI本部SCORE、各部会、各地域でばらばらに取組んでいたため成果は思わしくなかった。ポーランドにはパッケージング部門の多国籍企業が所有する60もの工場がある。例えば、スマーフィットカッパ欧州の他国では組織率が高いが、COZZで2人のオルグを雇用し、ポーランドの5工場で組合を結成、団体交渉を始める。現場にオルグが通い、毎月フォロー会議でUNIに進捗を報告する。現実的な目標設定、毎日着実にキャンペーンを運営できる優秀なオルグの育成、定期的報告とフォローアップが不可欠である。まずは、ラファルCOZZ部長の指揮下で2人のオルグがポーランドとスロバキアの印刷・パッケージング部会と金融部会を担当する。将来的にはUNIの全ての部会と、チェコ、ハンガリーに展開していく。

クリスティ・ホフマンUNI副書記長は冒頭、「印刷・パッケージング部会はUNIの重要な部会だ。ポーランドにおける成功例を基に、他の中東欧諸国での組織化に弾みをつけていきたい」と述べた。UNI全体の課題としては、ブレイキングスルー戦略に従って、多国籍企業を中心に150近い組織化キャンペーンを展開する他、気候変動、サプライチェーンにおけるディーセントワークの実現にも力を入れている。バングラデシュ安全協定の取組みのように、利益をあげている企業にはサプライチェーンの労働者の安全を確保する責任を取らせるよう、インダストリオールと連携している。ロジスティクス分野ではITFとも協力している。「世界では他国の経済や労働者に影響を及ぼす事態が起きている。英国のEU離脱による欧州分裂の危機、米大統領候補者の人種差別発言、労働者無視の態度、報道の偏り等は民主主義への脅威である。緊縮政策をとっても好転しないことは明らかで、労働組合の参画が不可欠だと訴えていかなければならない。」ホフマン副書記長は、米国と欧州それぞれにおける、富の配分の不平等性と組合組織率の相関図を示し、「組合の交渉力が低下すると格差が広がる。だからこそ組合の責任は大きく、組織率を高め、団体協約にカバーされる組合員を増やしていかなければならない」と訴えた。

委員会はこの他、各地域報告、部会財政報告、加盟状況等を確認した。また、アンダーソン議長は2017年3月に組合役員から退任すると発表したため、委員会は後任として、スペインのホアキナ・ロドリゲス委員を確認して閉会した。

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UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会

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2016年6月26日、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会が、スペイン・バルセロナで、世界委員会の前日に開催され、キャシン議長(オーストラリア)、梅原副議長(日本・全印刷)、スーサイ副議長(マレーシア)、アムヌイ副議長(タイ)が出席した。2016年4月に開催されたUNI Apro執行委員会において、UNI Aproにおける担当部長がクリストファー・ウン地域書記長(兼任)からラジェンドラ・アチャリャ地域書記次長(兼任)に変更することが確認された。また、UNI本部における人事異動のため、UNI世界印刷・パッケージング部会担当局長も3月、アンディ・スノッディからハビエル・カルレスに変更となった。従って今次委員会はアチャリャ部長及びカルレス局長にとって初の委員会となった。

スーサイ副議長は、マレーシアにおける各部門の状況を報告した。マレーシアUNI加盟協は2013年、マッピング調査を経て、パッケージング部門の6社(マレーシア企業及び外資企業)を組織化ターゲットに設定した。そのうち、レンゴー(日本のパッケージング会社)では当初、経営側が組合を認めず秘密投票が実施された。80%を超える組合支持票を得て組合承認、協約締結に至った。レンゴーはネパール人従業員の秘密投票参加を認めており、UNIネパール加盟協の協力を得、組合チラシをネパール語に翻訳してネパール人従業員に呼びかけたことも成功の一因となった。その後、レンゴーと組合は「スマート労使関係」のコンセプトで労使関係を構築し、2016年のメーデーには、レンゴー経営陣は組合を尊重する模範的な使用者として、UNIマレーシア加盟協によって「スマートパートナーシップ賞」を授与された。また新聞部門では、デジタルニュースで働く労働者も含めるよう組合規約を変更した。

オーストラリアでも新聞部門の業務及び労働者は大幅に減った。正規労働者は契約労働者に置き換わり、デジタルニュースの雇用の多くはインドのIT労働者にアウトソースされ、組織化が難しくなっている。

セキュリティ印刷部門の組織化については、全印刷の支援により、インドのセキュリティ印刷労組(ナシック工場)がUNI加盟を果たした。今後、インド国内の他の工場(ハイデラバードや造幣工場)の労組へも働きかけていく。11月にインド・ムンバイで、インド以外の国からもセキュリティ印刷労組を結集した会議を開催する予定である。梅原副議長は、日本における印刷・パッケージング部門の組織拡大についても現状を報告し、協力と理解を要請した。

アムヌイ副議長は、「タイの多くの工場でカンボジア、ミャンマー、ラオス等近隣国からの移民労働者が働いているが、移民労働者や契約労働者は組合員対象外なので、組合員数は減少している。キンバリークラークでも移民労働者が30%を占め、彼らを組織化したい」と述べ、他の国ではいかに移民労働者や契約労働者を組織しているか訊ねた。キャシン議長は、「オーストラリアには就労のために移民して来るアジア人が多く、学生ビザでも働くことができる。法律では最低基準を守ればよいとしているが、外国人の賃金はオーストラリア人に比べ相当低い。使用者がオーストラリアの会社ではなくアジアの派遣会社である場合、オーストラリアの法律が適用外となるケースがある。また外国人が組合に入ると、使用者はパスポートを取り上げ本国に送り返したりするケースがある」との問題を共有した。

2017年は部会大会が開催される。4年間の行動計画を策定するにあたり、議長・副議長で分野を担当し、今後協議を重ねていくこととした。

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UNIリバプール世界大会に向けて“Making it Happen”

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第28回UNI世界運営委員会が、2016年5月26~27日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、14か国24人の委員、オブザーバー及びUNI本部役員/各地域書記長、スタッフ等、計33人が参加した。

アン・セリン会長は開会挨拶の中で、相次ぐテロ、英国のEU離脱問題、緊縮財政に伴う労働組合及びディーセントワークへの攻撃、密室で交渉されている貿易協定、未来の労働と雇用へのインパクト等、世界で起こっている労働者の生活に影響を及ぼす出来事に慎重に対応しなければならないと喚起した。パナマ文書で暴露された腐敗したルールを変えるため今こそ国際労働運動の連携が重要であり、一丸となれば実現できると訴えた。

フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、UNIの知名度を高めるため、世界経済フォーラム(ダボス会議)におけるマスコミ対策、本部での簡易スタジオ設置をはじめとする本部広報チームの取組みを紹介し、シンプルかつ強力なメッセージを発信する能力を各地域でも改善していく必要性を強調した。組合組織率、団体協約の対象範囲、収入格差の相関図を示し、科学的なデータで労働市場の現状と問題点を、マスコミを通じて世論に訴えていくと述べた。

ホフマンUNI副書記長からは、各部会における組織化、労組同盟、グローバル協定等に関する主な成果が報告された。

持続可能性に向けたUNIのロードマップ

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17目標、169ターゲットを達成するため、またCOP21で合意された気候変動に関するパリ協定を実施するため、ITUCをはじめUNIも、貧困撲滅、ジェンダー平等、ディーセントワーク、格差是正、気候対策等に真剣に取組んでいる。

貿易交渉は密室で進められており、各国の議会や労働組合も関与していく必要がある。経済の相互依存、投資の必要性は認識するも、ルールは公平でなければならない。特に郵便、情報通信、金融、Eコマース、移民政策を注視していく。

UNIリバプール世界大会準備状況

テーマ及び議題案について報告を受けた後、「UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の女性比率40%達成に向けた戦略」について、マクガイアUNI世界女性委員会議長より、「長崎世界大会前後で、女性比率を17%から35%に上げることができたのは大きな前進だが、まだ40%の目標には達していない」と報告があった。そこで、目標達成に向けた具体的方策の提案があり、運営委員会は承認した。続いて、「UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の青年比率の改善」について、カールステッドUNI世界青年委員会議長は、UNIリバプール世界大会の青年参加比率20%達成に向けて協力を要請した。

仕事の未来

過去、世界執行委員会に合わせて、「プライベートエクィティ」、「金融危機」、「平和」等をテーマに議論をしてきたが、今年は11月15日にグローバルリーダー・サミットを開催予定である。テクノロジーが雇用の数と質を変えることが十分認識されていない。世界銀行、OECD、欧州連合等で「デジタル単一市場の誕生に向けたデジタル戦略」が議論されているが、議論の中心を我々労働者に置くべきである。UNI欧州地域大会では、オンコール労働、クラウドソーシングに見られるような、見えない、曖昧な仕事をし、しかも生活賃金を得られない人が増えていることに危機感が表明された。仕事の未来と共に「連帯の未来」も考えていく。野田UNI Apro地域会長は、「ビッグデータ、IoTの時代に入り、労働に対する影響は大きい。イノベーションにより創出される仕事もある。仕事のあり方/処遇形態の大きな見直し、人材育成は労使の共同作業であり、組合の大きな役割となる」と意見を述べた。

グローバル・サプライチェーン(GSC)と生活賃金

間もなくILO総会でGSCの議論が始まる。我々の目標は、①ILO多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(MNE、1977年採択)の最新化、②GSCに関するILO条約策定のための三者議論の開始、③ILOによる賃金ガイドラインの策定である。

バングラデシュ・アコードは、この間UNIもコミットしてきたが、具体的成果があがっている。社会パートナーのプロジェクトとしても評価されている。5年期限のアコードに、団結権を盛り込むようアコードIIの交渉をしていく。

スポーツにおける人権

シュワブUNI世界アスリート部会担当局長は、スポーツ界で起こっている人権侵害、人種差別、契約違反・無視、いじめ、男女格差、プロ・アマ格差等に加え、労働裁判所へのアクセスも拒絶され仲裁メカニズムが存在しない点を問題視した。選手だけでなく、スポーツイベントに関わる全ての労働者の人権が尊重されなければならない。

最後にジェニングスUNI書記長は、運営委員会及びUNI加盟組合のコミットメントに感謝し、1%に偏っている政治・経済的環境で苦しむ労働者のために我々の目標を実現していこう!とまとめた。

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