ブログアーカイブ

UNI-LCJ女性ネットワーク会議を開催

2022年7月15日、UNI-LCJ 加盟組織におけるジェンダー平等やダイバーシティ推進を担当する役員同士の交流・情報交換の場として、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催された。2018年以来、4年ぶりの開催となった今回は、印刷労連、生保労連、UAゼンセン、損保労連、大日本印刷労組とUNI-LCJ事務局から計11人が参加した。

参加者自己紹介の後、5月にスイス・ニヨンで開催されたUNI世界女性委員会にUNI Apro女性委員会副議長として出席した須齋弥緒損保労連事務局次長が、同会議について報告した。日本のテレワークの状況や課題について各国の委員に共有したことや、会議を通じて女性の活躍やILO第190号条約の批准に向けた取組み等、日本が各国と比べ遅れをとっていると実感した点について述べるとともに、米国で女性の人工中絶の権利を認める法律が破棄されたことについて反対する声明が採択されたことについても、報告した。

続いて各組織の参加者が、ジェンダー平等や多様性推進の活動と課題について共有した。

はじめに須齋事務局次長が、損保労連におけるジェンダー平等推進計画の取組み状況について報告した。執行部に占める女性役員の比率は22%であるが、女性が事務局長を務める単組も出てきている等、男女関係なく役割を担っていくという点では着実に前進していること、一方、課題として、限られた人数で業務を行っているために長時間労働の傾向がある点を挙げた。また男性の育休取得については、法改正などの趣旨や背景を皆が理解できるよう周知することで、男性が取得しやすい職場づくりに向けて取組んでいると述べた。

続いて、印刷労連より古賀初代副書記長が報告した。印刷労連の役員における女性比率は依然として低いものの、各地域の地方協議会レベルで活躍している女性は増加傾向にあると報告した。2017年より男女平等の取組みを掲げ、取組み方針を共有し意見交換をしてきたが、2020年はオンラインで会議を開催したことで、これまで参加できなかった育児世代の女性も参加できたというメリットもあった。こうした活動を経て、2021年度は、印刷労連としての現状に基づいたジェンダー平等推進計画を策定すべく取組みを進めてきた。今後は、ジェンダー平等推進委員会設置に向け、男性メンバーも含めて意見交換の場を設け、相互理解を促進しつつ取組んでいくことが重要だと述べた。

生保労連の山本由美中央副執行委員長は、同労連が進める意思決定の場への女性の参画と、組合活動におけるワークライフバランスの推進の取組みについて報告した。2025年までに本部女性役員を30%にするとの目標の下で女性役員の積極登用を進めており、2016年に初の女性専従役員が選出され、2020年には女性役員が2名になる等、少しずつ前進している。会議が長時間に及ぶ現状などから、組合運営の効率化を進め、女性が活躍しやすい環境整備を進めていく必要があると言及した。また、女性組合員同士のネットワーク構築が図れるよう工夫をしている点についても紹介した。さらに、同労連の中島麻紀子中央副執行委員長は、ワークライフバランスの実現に向けた、男性の育休取得促進の取組みについて説明した。男性の育休取得については、2025年8月までに各組合で取得率100%の目標を掲げて促進しており、すでに100%を達成している組合については平均取得日数を増やすこと、取得日数1か月以上の組合員を増やすことなどを目標として取組んでいる状況などを共有した。

続いてUNI Apro女性委員を務める寺嶋雪乃UAゼンセン男女共同参画局副部長は、UAゼンセンの約半数が短時間勤務の女性組合員である点に触れた上で、男女共同参画推進キャンペーンの取組みについて紹介した。特に、女性の活躍や定着に関する調査を実施し、その調査結果を今後の方針に反映させ、単組が労使交渉の際にデータ活用できるようにしていきたいと述べた。また、今年4月の法改正に合わせて発行された「男性の育児休業取得促進のためのガイド」では、法改正の解説やチェックリストのみならず、自身が連続育休を取得した男性や、部下が育休を取得した場合のマネジメントの仕方などについてリアルな事例を共有していると紹介した。
さらに今回の参院選にあたり、部門や都道府県支部の男女共同参画委員を対象にウェブ意見交換会を開催して組織内議員に声を届ける取組みや、公示から投票日までの連日、全組合員を対象にウェブ意見交換会を実施したこと等を報告し、成果として、横のつながりの構築、優秀な人材の発掘、新しい形の選挙運動の展開などを挙げた。また、所謂パート労働者の「収入の壁」問題について、状況改善の必要性について認識共有できたこと、更年期障害を理由に退職する女性従業員が多い状況に対する取組みが最優先課題の一つとして浮彫りになったことなどを報告した。

UNI Apro女性委員を務める大日本印刷労組の三﨑友香里書記次長は、初めに同労組の女性役員の比率とその課題について言及した。執行部のうち女性は約13%であるが、組合の機関会議で議決権を持つ中央委員を含む組合委員では女性は27.5%を占めている。2019年に初めて三﨑書記次長を含め2名の女性が初めて専従役員に選出される等、この10年間で女性比率の状況は改善しつつある。一方で、組合活動が業務時間外に実施される点など、活動参加における高いハードルについても指摘し、多様な働き方に対応した組合活動にしていく必要性があると述べた。また、組合におけるダイバーシティ推進の取組みとして、外部講師を招いて幼児を子育て中の組合員向けのセミナーを実施したこと、また会社と協力して独身層向けに婚活支援アプリの導入が検討されていることにも言及した。

最後に、森川容子UNI LCJ事務局次長よりUNI機会均等局のジェンダー平等、ダイバーシティ実現の取組みが報告された。また、2022年8月10日にオンライン開催されるUNI Apro女性委員会、2023年8月25~26日に米国・フィラデルフィアで開催される世界女性大会等、今後の予定を共有した。UNIのネットワークを活用し、今後もジェンダー平等実現のために国内外で情報交換・交流を行くことを共有し、会議は閉会した。


EUで最低賃金と団体交渉について政治的合意

適切な最低賃金に関する指令の法案について、暫定的な政治合意が成立した。欧州理事会と欧州議会の交渉担当者は6月上旬、このEU法の採択に向けた大きな一歩となる合意を発表した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「この法案は、団体交渉の強化に向けたシグナルとなるものだ。EUの目標は、各加盟国において団体交渉によって保護される労働者が全体の80%となるようにすること。これは、多くの加盟国において、団体交渉と労働組合の支援に向けた政府の行動を要求するものであり、まさに欧州全体で労働者が必要としているものだ」と述べ、「これを実現する上で、公的機関には公共調達という非常に有効な手段がある。公共契約を獲得するすべての企業に、労働者との団体協約の締結を義務づけることが必須だ。これこそUNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公共契約なし』が目指すところであり、この指令は、この取組みに弾みをつけるものとなる」と期待した。

団体交渉が適用される労働者の範囲を表すグラフ(下)は、EUと各国が行動を起こすべき時期に来ていることを示している。職場における民主主義は攻撃にさらされ、職場で発言権を持つ労働者の数は過去10年間で劇的に減少した。

レティク同書記長は、「良い賃金と労働条件を確保する最善の方法は、労働者が集団として強い発言力を持つことであるということを、我々は知っている。法律や政策が繁栄を共有するためには、労働者が組合に参加するのを阻害するのではなく、促進しなければならない。EUの法律が、すでに労働者や組合のために機能している各国の団体交渉制度を混乱させるようなことは決して望まない。この指令が各国の団体交渉制度を保護することが極めて重要である。欧州の社会モデルを前進させるため、EUは団体交渉を通じて前進しなければならない」と力説した。

加盟各国において団体交渉によって保護される労働者を全体の80%にするというEUの目標が達成されるためには、多くの国の労使関係に関する政策において、労働者寄りのシフトが必要である。部門別・複数事業主間の交渉は、すでにこの目標を達成している国々の中核をなすものである。労働組合が部門全体の最低条件を団体交渉できるようになれば、労働条件を攻撃することで競合相手を打ち負かそうとする企業を切り捨てるメカニズムが生まれる。

また、この指令はEUの公共調達に関する規則を修正する措置をとるものであることも報告されている。UNI欧州は1年以上にわたり、労働者に団体交渉での発言権を与えない企業が公契約から外れるよう、訴えてきた。100人以上の欧州議会議員が組合の要求を支持し、欧州全土の人々が支持を示すなど、勢いは増している。このキャンペーンを支援する署名は、こちらから。


UNI-LCJ青年ネットワーク会議を初開催

2022年6月29日、UNI-LCJとしては初めての青年ネットワーク会議が開催された。 本会議の目的は、UNI-LCJ第4次アクションプランで掲げられている「国際労働運動で活躍できる人材育成」という目標達成のため、日本の各組織の青年活動担当者が定期的に集まり、青年活動や青年層の課題等について共有を図り、青年役員・青年活動担当者同士のネットワーク強化を図ることである。

UNI-LCJ加盟組織より5組織8人、事務局より4人の計12人が出席した。参加者は次の通り。

情報労連:太田中央執行委員(UNI Apro青年委員)と辻中央執行委員、UAゼンセン:藤原運動推進局員(UNI Apro青年委員)と生井国際局部長、大日本印刷労組:三崎書記次長と鳥飼職場対策推進部長、日放労:松波副中央執行委員長(UNI Apro青年委員会副議長)、JP労組:齋藤中央ユースネットワーク議長(UNI Apro青年委員)、UNI-LCJ事務局:上田事務局長、森川事務局次長、戸田スタッフ、柴山スタッフ

参加者自己紹介の後、各組織における青年層の課題等に関する報告があった。

太田情報労連中央執行委員

UNI Apro青年委員である太田情報労連中央執行委員は、若年層の組合員には2つの課題(①組合活動への参加率の低さ、②組合役員の担い手が少ない)があるとし、「参加率の低さについては、労働組合が何をしているかわからない、堅苦しい、古いなどというイメージがあり、それを払拭するために青年役員組合員企画によるレクリエーション参加の推進や、SNSを使ったタイムリーな情報共有などの工夫した活動をしている。また、単組が独自に若手組合の研修を行って、人脈作りや知識習得の楽しさを体感する取組みなど行っている。」と報告した。

藤原UAゼンセン運動推進局員

同じくUNI Apro青年委員である藤原UAゼンセン運動推進局員は、35歳以下で構成しているヤングリーブスの活動を写真を交えて報告した。「太田中央執行委員と同様、我々も組合参加率の低さは課題である。選挙活動を絡めて、日替わりで設定したテーマを基に学習会などを、コロナ禍で培ったオンラインを活用し、定期的に意見交換会を行っており、好評だ。多方面から参加を募り、組合活動への関心に繋げたい。」と報告した。

三崎大日本印刷労組書記次長

三崎大日本印刷労組書記次長は、労組にとって、中央委員は本部と職場の間をつなぐ重要な位置づけと考えているとし、「委員の行動指針として示した五カ条を2019年10月に作成した。内容は、職場の声を正しく把握する、より良い職場にするために必要なことは何かなど。この五カ条を定めたことの意味は大きく、特に執行部で研修をする際の指針になっている。また今期からは、五カ条をベースに組合活動だけでなく、職場においてリーダーシップを発揮するのに役立つスキル研修を行っている。労使にとって重要な存在となる青年層に対して、労働組合としてマネジメント意識を向上させること、スキル教育を設けることで知見が広がるようにサポートすることは、よりよい職場環境につながることと考えていて、引き続き注力したテーマとして取り組んでいきたい。」と報告した。

齋藤JP労組中央ユースネットワーク議長

UNI Apro青年委員である齋藤JP労組中央ユースネットワーク議長は、「日本郵政グループは労使間で同一労働同一賃金、夏季冬季休暇の格差などの議論を進めているが、経営が厳しい状況にあり、ユースネットワーク世代の生活や雇用にも大きく影響している。全国のユースネットワークを対象とした「ユースマイル」という名のレクリエーション活動を2年に1度開催している。フットサルなどを行い、ネットワーク世代の絆を強めたり学習会を行ったりしている。今後も定期的に開催し、若年層の意見を反映させられるような活発的な組織を目指したい。」と報告した。

松波日放労副中央執行委員長

松波日放労副中央執行委員長は、特に「青年」というくくりでの活動や担当者はおいていないという前提について説明した上で、「若手組合員は、ワークライフバランス、ダイバーシティを重視した制度を求めており、組合でもそうした要求にこたえられるよう交渉に盛込んでいる。今年度は、夏以降新役員体制になるが、組合活動や組合の存在意義をもっと身近に感じてもらえるよう、時間帯ややり方を工夫したセミナーを開催していきたい。」と報告した。

この他、7月にタイ・バンコクで開催されるUNI Apro青年委員会、9月にオンラインで開催されるUNI Apro青年大会の概要について、事務局より説明し、閉会した。会議後には情報交換会を開催し、更なる懇親を図った。


各国の労働組合、「気候変動と雇用に強い職場づくり」のグローバル・アクションデーに、緊急行動を要求

生活費危機、戦争、ますます壊滅的な異常気象への懸念が高まる中、今こそ気候変動と雇用に強い職場づくりを

6月22日、「気候変動と雇用に強い職場づくり」グローバル・アクションデーにおいて、UNIはITUCおよび世界中の組合とともに、気候変動に関する緊急行動を要求する。

放置すれば地域全体が居住不能となり、暮らしを脅かし、地域社会を破壊することになる、ますます拡大する気候変動に対応すべく、世界は時間との闘いに直面している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「環境保護と労働者の権利を第一に据えた公正な移行を実現するため、今こそ緊急の気候変動対策が必要だ」と訴え、「労働者と組合は、地球の未来を形作る決定が、この緊急事態に取組むのに十分な持続可能性と強制力を備え、野心的なものであるようにすべく、使用者や政府と共にテーブルにつく必要がある」と主張した。

CEPOWとは、世界中の何千人もの労働者が、環境に配慮した持続可能な事業計画について、使用者と世界最大の対話をすることである。労働者と組合は、安全衛生、雇用確保、排出量の削減、そして次世代のための安心できる未来が最優先課題とすべく、闘っているのである。

グローバル・アクションデーの一環として、UNIはすべての加盟組織に対し、使用者に働きかけ、職場の二酸化炭素排出量を削減し、気候変動と闘う方法について話し合いを始めるよう促している。

シャラン・バロウITUC書記長は、「我々には時間がない。今こそ力を合わせ、直面する問題や、気候変動と雇用に強い職場づくりに取組む時だ。我々の唯一のふるさとである地球を守るためには、協力が必要」と訴えた。

#CEPOWのハッシュタグで、気候変動と雇用に強い職場づくりの取組みが世界中で共有されている。CEPOWキャンペーンの詳細はこちらから。


長時間労働と低賃金に押しつぶされるゲーム開発労働者-世界的な調査で明らかに

UNIが29か国のビデオゲーム労働者を対象に行った新しい調査によると、低賃金(66%)、過剰な労働時間(43%)、不十分な福利厚生(43%)、職場での差別やセクハラ(35%)等の仕事に関する従業員の不満が、職場で組合を結成する意欲の原動力になっていることが確認された。報告書によると、回答者の大部分(79%)が職場における組合結成を支持または強く支持していることがわかった。  

一つ以上の職場問題を訴える回答の中で、最も多く挙げられたのは、低賃金であった(66%)。欧州で働く労働者に目を向けると、この割合はさらに高い(77%)。女性やノンバイナリー(性自認に男性か女性かという枠組みをあてはめない人)の回答者の多くが、職場における性差別が問題であると回答している。職場に問題があるとした女性回答者の半数近く(46%)、ノンバイナリーの回答者の43%が、性差別が問題であると回答した。  

クリスティ・ホフマンUNI書記長は,「この画期的な報告書が明らかにしているのは、ゲーム産業で働くことは多くの労働者にとって不公正で不平等かつ持続不可能なことであり、従業員の不満が繰り返されている世界的な流れだ」と指摘し、「ビデオゲームの開発に携わる労働者が、業界の巨大企業に強力なメッセージを伝えるためにベルリンにやってくる。つまり、今こそ自らの権利のために闘う時であり、組合を結成する、ということだ」と述べた。

この調査報告は、ビデオゲームの開発に携わる世界中の労働者を動員し、労働基準の引上げと、安全な労働時間、労働条件の確保に向けたグローバルキャンペーンに団結させている。20か国のビデオゲーム労組の代表者が6月16~17日にベルリンで会合を開き、成長するデジタルエンターテインメント分野で労働者を組織化し、労働者の力を強化するための国際的な取組みについて議論する予定だ。 

サラ・ステフェンズ全米通信労組(CWA)書記長は、「ビデオゲーム業界の労働者が変化を求めていることに疑いの余地はない。アクティビジョン・ブリザードの例が示すように、労働者が団結して組合を結成して初めて、持続可能な労働者の力を得ることができる」と述べ、「ビデオゲーム業界の労働者は、団結して正しいことのために闘い、業界を変革している」と強調した。

ビデオゲーム産業は、最も急成長しているエンターテインメント業界の一つであり、2028年までに世界全体で5兆ドルに迫る収益を上げると予測されており、これは世界の映画・映像産業の予測収益を上回る数字だ。また、ビデオゲーム企業は巨大な使用者となっており、インドなどの新興ビデオゲーム市場を含め、北米、欧州、アジアで33万人以上の労働者を抱えている。近年、ビデオゲーム産業の労働者は、低賃金、不十分な福利厚生、強制残業やクランチ文化(IT業界やゲーム業界等で締切前に長時間の残業をしたり週末も働いたりすること)の横行、嫌がらせや差別が横行する職場風土など、業界の労働条件に対して声を上げている。  

また、韓国のネクソンやスマイルゲート、スウェーデンのパラドックス・インタラクティブ、フランスのユービーアイソフト・スタジオ、そして最近では米国のアクティビジョン・ブリザードのレイヴン・ソフトウェアなどで、労働者が組合を結成したり、加入したりする動きが出ている。  

この報告書は、労働者や労働組合がビデオゲーム産業の状況とゲーム開発に携わる労働者の経験を理解し、労働条件を改善し労働者の交渉力を強化するための法改正や規制改革の機会を理解するためのツールとして、UNIの委託で作成された。 

報告書の全文はこちら(英文)


UNI 加盟組織の指導者、労働者代表としてネパールテレコムの取締役に選出

UNI加盟組織であるUNI-ICTSネパールの委員長であるシャンカル・ラミッチャン氏が、ネパールテレコムの取締役会において今後2年間にわたり、3800人以上の労働者を代表する立場に選出された。

UNIネパール加盟組織連絡協議会の議長も務める同氏は、今回の選出を受けて、「多くの仲間から信任投票をいただいたことに、大変感謝し、嬉しく思う。重責ではあるが、取締役会で労働者の声を反映させるために全力を尽くしたい。当面の焦点は、団体協約が再び実施されるようにし、テレコム労働者の抑圧された権利について取組むこと」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNIを代表し「今回の選出を非常に誇りに思う。ラミッチャン氏は、ベテランの労働組合活動家であり、ネパールの組合運動に良い変化をもたらしてきた。特にUNIに加盟している部会とネパールテレコムにおいて、意思決定における労働者の効果的な代表性に基づく対話とパートナーシップの文化を導入・推進してきた実績がある。新しい役割の中で、彼の活躍を期待している」と祝辞を述べた。

安藤京一UNI Apro ICTS部会議長は、祝福の言葉を述べるとともに「シャンカール氏がこの新たな責任をしっかりと果たし、ネパールテレコムにおいてさらに調和のとれた労使関係を構築していくことを確信している」と続けた。
 


第36回UNI世界運営委員会開催。労働安全衛生、組織化など議論。ミャンマーへの支援を確認

2022年5月11~12日、スイス・ニヨンUNI本部において、第36回UNI世界運営委員会がハイブリッド開催された。

「3年ぶりに対面会議が実現し、みなさんと直接お会いできてうれしく思う。様々な議題・スピーカーを用意しているので、積極的な議論を期待したい」と、ルーベン・コルティナUNI会長の冒頭挨拶で始まった会議には、11カ国から運営委員及び地域書記長21名、オンライン参加の運営委員、UNI部会担当局長、事務局等が出席した。日本からは、松浦昭彦UNI Apro会長(UAゼンセン)、安藤京一UNI副会長(情報労連)、中野英恵UAゼンセン国際局長、木村富美子情報労連国際部長、上田智亮UNI-LCJ事務局長が出席した。

次にクリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、コロナ禍やウクライナ問題、組合員の減少や賃金が上昇しないなどの労働組合の現状に触れ、「25,000人が参加した組織化トレーニング(オンライン)は有意義であったが、複雑な議論や信頼関係の構築には対面活動は欠かせない。今後はバランスを取りつつ取組んでいくと共に、①多国籍企業との協働・対話、②組織化推進、③政策活動への取組み(新しい労働の世界、人権デューデリジェンス、労働安全衛生、気候危機)、④内部の業務改革・構造改革、⑤2023年UNI世界大会(米フィラデルフィア)を活動の柱として取組む」と述べた。

「組織化報告」のセッションで、アインディ・スノディUNI SCORE(組織化)担当局長が「組織化センターは、それぞれの地域でオルガナイザーの育成、組織化活動に取組み、成果を出している。特に中欧組織化センター(COZZ)は、活動を拡大し、ウクライナ難民の支援を行っている。」と報告した。
安藤UNI Apro ICTS部会議長は、「マレーシア系多国籍通信事業者アシアタ社の組織化に関し、6か国・2万5千人を雇用する巨大通信事業者に対し、同部会は『アシアタ労組アライアンス会議』を定期開催し情報交換を行っているが、更に強化していく。特にバングラデシュは人口が多く、今後も成長が見込まれることから対応強化が必要である」と強調した。また、ネパールで団体交渉の能力開発を実施する予定であり、カンボジアでの組織化活動も2023年初の開始を目指して準備中であることも報告し、今後のUNI本部及びSCOREの支援を求めると述べた。

「労働安全衛生」のセッションで松浦UNI Apro会長は、カスタマーハラスメント(カスハラ)撲滅に関するUAゼンセンの取組みについて報告した。「カスハラは、働く人や企業に被害・損害を与えるだけでなく、消費者など一般社会にも不快感や悪影響を及ぼしており、社会全体でカスハラをなくしていくことが重要である。この問題を解決するため、UAゼンセンでは労使で話し合うよう加盟組織に働きかけ、流通部門74組合の内、約8割がカスハラ問題に関する労使協議会を行い、相談窓口設置等などの取組みが進んでいる。我々の運動もあり、社会に認知されるようになったが、法整備には議論が不足しており、組織内国会議員と連携し、社会全体におけるカスハラ防止対策の強化と法制化を求めている。また今年2月、厚生労働省が『カスハラ対策マニュアル』を発表したことは大きな一歩だった。今後も他産別と連携し、労働界全体でこの問題に取組んでいく」と報告した。

「UNI世界大会および世界女性大会」のセッションでは、ホフマンUNI書記長より大会の準備状況の報告があり、また2023-2027年の戦略計画(※)、UNI世界大会の開催時期およびUNIの非営利団体としての明記に関する規約の改正案を動議として提案し、承認された。

※戦略計画
①全ての人のために組合の力を強化しよう(組織化・多国籍企業との関係構築・団体交渉)②企業に説明責任を負わせるため、ルールを変更しよう(人権デューデリジェンス)③公正で包摂的なグローバル経済のため、ルールを変更しよう(ディーセントワーク、社会保護、持続可能な経済、デジタル化)④安全衛生のために共に立ち上がろう(労働安全衛生、つながらない権利)⑤平和、民主主義、人権のために共に立ち上がろう⑥不平等、人種差別、不公平な扱いに反対し、共に立ち上がろう(人種差別、青年、女性、LGBTIQ+)⑦持続可能な世界のために団結しよう(気候変動)

松浦UNI Apro地域会長

これを受け松浦UNI Apro会長は、UNI Apro会長として本案に賛意を示し、「2年にも及ぶパンデミック下で、多くの国、あらゆる産業・雇用形態の労働者が影響を受けた。そして多くの国で、失業保険や退職金制度、休業中の賃金保障等の社会保護の不備が明らかとなった。特に、アジアの開発途上国ではブランドや多国籍小売企業からの発注の激減によって多くの衣料産業労働者が解雇されたが、失業保険制度がない、使用者が法律を守らず解雇補償を支払わないケースが多発した。インダストリオールではパンデミック期間中、支払われなかった賃金・補償金についてブランドが責任を負うよう要求している。しかし、社会保護は国の制度に負うところが大きく、一つのセクター・企業との交渉で国の制度を代替するのは困難である。また、社会保護はすべての産業に共通する問題である。従って、UNIで社会保護の取り組みを進めるにあたっては他のGUFやITUCとの連携を強化すべきだ」と述べた。

「地域報告」のセッションでは、UNIアフリカ、UNI米州、UNI欧州の各地域から報告があり、UNI Apro地域報告ではラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が、昨年の6部会大会でパートナーシップ労使関係を促進し社会対話を強化するために、他の社会パートナーとのギャップを埋め、当同社の力を構築し、組織化を拡大する戦略を採択したことを報告した。また、「コロナやウクライナ問題だけではない。スリランカ経済状況やフィリピンが独裁政権になる可能性、香港などに注視しなければならない。不安定雇用に従事するエッセンシャルワーカーへの組織化の取組みおよび青年・女性のエンパワーメント活動を推進していく」と述べた。

「平和、民主主義、人権」のセッションでは、アナトリー・ヤドヴィ氏(ウクライナ、CWU)の報告に続き、カイン・ザール氏(ミャンマー、CTUM-IWFM)から「2021年2月のクーデター以来、市民権のはく奪、公務員の失職、飢餓などの市民の抑圧が続いているが、我々は民主主義を回復するために闘っている。経済制裁を含め軍事政権を止めるための支援をお願いしたい」とミャンマーの現状について報告と支援要請があった。
松浦UNI Apro会長は、「UNI Aproは、軍の弾圧に屈することなく抵抗するミャンマーの組合の仲間、市民に心からの敬意と彼らへの強い支持を表明する。その他にもアジアには、香港における民主主義の否定、フィリピンにおける組合活動家の殺害と迫害など憂慮すべき深刻な状況がある。UNI Aproとして、これからも基本的人権と平和・民主主義を守るために行動し続けなければならない。UNI及び世界のUNIの仲間の支援を引き続きお願いする」と述べ、UNI世界運営委員会でも、UNI Apro執行委員会による「ミャンマーに関する決議」が採択された。

この他、「アマゾン・キャンペーン」「ビジネスと人権」「新しい労働の世界」など様々な議論を行い、今後のスケジュール確認が行われ、閉会した。


UNI、解雇されたモロッコのコールセンター活動家の復職を要求

モロッコ労働組合(UMT)は、4月にストライキを実施後、UMT役員7名がビジネスカサブランカ2Sに解雇されたことについて、反撃に出ている。同社は、イタリアのオフショアリング多国籍企業であるコムデータグループの子会社である。

UMTはOECDモロッコ連絡窓口(NCP)に対し、同社による結社の自由と団体交渉権への明白な侵害に介入するよう要請するとともに、解雇された労働者の復職に向けて、国際連帯を呼びかけている。

ビジネスカサブランカ2Sの労働者1,400人の過半数を代表するUMTは、従業員の購買力の低下に関して、同社と繰り返し対話を試みてきた。だが、組合によれば、会社は賃金の低迷や急激なインフレに関する懸念に対処しようとしなかったという。労働者は4月21日、会社に要求を伝えるあらゆる手段の中から、ストライキに突入した。組合は行動要請の中で、「従業員は、生活水準および労働条件を改善し、コールセンターにおける不安定雇用を糾弾するために闘う決意だ」としている。

同国では、ストライキは憲法で保護された権利であり、労働者が組合に代表される権利と団体交渉権はOECDの多国籍企業行動指針に明記されている。

このように労働者の権利が保護されているにもかかわらず、会社はストライキ直後にUMTの役員および代表者を解雇したのである。同社は、組合活動を理由に彼らの賃金を差し押さえ、刑事告発を行った。組合指導者は、これらの容疑で不当逮捕までされた。

キース・ジェイコブズUNIアフリカ地域書記長は、「今回の解雇は、コムデータおよび子会社による明らかな反組合的行為である。労働者の解雇は、正当な組合活動に対する報復措置以外の何ものでもない。コムデータ、そしてモロッコ人労働者を使用するフランスのクライアント企業とモロッコNCPに対し、解雇されたUMT役員の再雇用を確保するよう要求する」と述べた。

UNIは、7人の労働者を直ちに復職させ、不当逮捕された期間中の賃金を支払うよう、要求する。

ビジネスカサブランカ2Sの親会社であるコムデータは、モロッコで7000人の従業員を抱え、同国のコールセンター業界でトップ5に入る事業者である。


「公共善のための団体交渉」世界経済フォーラムでUNIのメッセージを発信

5月下旬にダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会において、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ウクライナ戦争による生活費の高騰に人々が直面する中、団体交渉、エッセンシャルワーカーの再評価、税制による富の再分配の重要性を改めて訴えた。

ホフマン書記長は、スイスの山村で開催された世界経済フォーラムにおいて、今年のテーマ「歴史的転換点」を念頭に、次のように訴えた。

「世界的に、労働者は転換点にいるのではなく、危機的状況にある。厳しい経済状況の中、もう何年も苦しんでいる。今こそ、政界・財界のエリートの行動と政策に、この現実を反映させるべき時だ。各国で物価上昇が賃金上昇より速いペースで進み、またプライバシーを侵害するようなテクノロジーが、労働者に対する圧力を高め、労働基準を引き下げている。労働者の権利に対する攻撃は強まり、企業の権力はこれまでになく少数の手の中に集中している」

また、アイルランドのレオ・バラッカー元首相も参加した『エッセンシャルワーカーの再評価』と題するパネルにおいて、同書記長は、「団体交渉が公共善であるとの認識が、パンデミックで社会が得た重要な成果でなければならない。労働組合はパンデミック時に、エッセンシャルワークを変革し、エッセンシャルワーカーを保護するために基本的な役割を果たしてきた」と強調した。

また、すでに危険なほどの資金不足・人員不足に陥っていた介護施設部門に対する投資の欠如が、パンデミックによって露呈したことをふまえ、「介護部門への投資は、さらに多くの女性が労働市場に参入する上で不可欠だ」と述べ、「だがいずれにしても、介護部門にはもっと資源を投入し、介護の仕事を良い雇用にしていく必要がある」と主張した。

2つ目のパネル『ハイブリッド・ワーキング:次に起こること』の中で、ホフマン書記長は、ほとんどのエッセンシャルワーカーにとって、選択肢は職場に出勤する以外にないが、一方で、多くの労働者が劣悪な状況でリモートワークに従事していることも指摘した。そして、コールセンター業界で働くUNI加盟組織の組合員の事例を紹介し、在宅勤務中の監視強化や人工知能による過剰な監視にさらされている状況を踏まえ、「我々が望むのは、新たなテクノロジーが、懲罰的で、プライバシーを侵害するような管理技術をデフォルトとするようなことではない」と述べ、「そうではなく、我々が望むのは、新しいテクノロジーによって繁栄が皆に共有されるようになることだ」と力説した。

さらに同書記長は、リモートワークに保護措置を講じる必要性についても提起した。多くの労働者が職場での勤務時間よりも長い時間をリモートで働く中、労働時間に際限がなくなる事態を避けるためだ。さらに、女性は育児や介護といった家庭の責任を背負っているがゆえに在宅勤務の柔軟性を活用する傾向があるが、意思決定のプロセスから孤立したり、昇進の機会を逃したりすることがないよう、対策を講じる必要があると指摘した。

ダボス会議でも、ウクライナ戦争は議論の焦点となった。戦争で貧困と所得格差が拡大し、経済的苦境がもたらされるのであり、雇用、賃金、労働条件を守るため、労働者の組織化はこれまで以上に重要性を増している。


レイヴンソフトウェアの品質管理部門の労働者、組合結成へ

アクティビジョン・ブリザード傘下のレイヴンソフトウェア・ビデオゲームスタジオで品質管理に携わる労働者が、組合選挙に勝利した。組合を支持する票が86%と圧倒的な勝利を得て、全米通信労組(CWA)の下で組合を結成することとなった。

「5か月前、我々は連帯、持続可能性、透明性、公平性、多様性の原則に基づき、CWAの下でゲーム労働者アライアンスを結成した。アクティビジョン・ブリザードは、組合結成に向けた我々の取組みを頓挫させようとしてきたが、我々は耐え抜いてきた。選挙に勝利した今、組合が拠って立つこれらの基本的な価値を守ることは、我々の義務だ。我々の一番の願いは、この組合が、ビデオゲームスタジオで組織化されつつある労働者を鼓舞する存在となり、より良いゲームを作り、我々の価値観を反映し、我々全員をエンパワーする職場を構築していくことだ。強力な団体協約を通じ、我々の労働条件とアクティビジョン・ブリザードの将来を前向きに形作っていくため、経営陣とともに取組んでいくことを楽しみにしている」と、ゲーム労働者アライアンスのメンバーは語った。

アクティビジョン・ブリザードが同スタジオの品質管理部門でテスターとして働いていた12人を解雇したことに抗議し、60人以上のレイヴンソフトウェアの従業員が、2021年12月6日にストライキを始めた。5週間のストライキを経て、レイヴンソフトウェアの労働者は、2022年初頭、CWAの下でゲーム労働者アライアンスの結成を発表した。この品質管理部門のストライキにより、アクティビジョン・ブリザードは、2021年7月下旬にセクハラと不正行為で訴えられて以来、3回目の業務停止に追い込まれた。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「レイヴンの労働者の勝利へ向けた勇気と決意を称賛したい。今回の歴史的な投票は、米国のビデオゲーム労働者にとってのターニングポイントとして記憶されるだろう」と、勝利を称えた。

レイヴンソフトウェアの品質管理部門は、主に同スタジオの人気シリーズ「コール・オブ・デューティ」に携わってきた。この労働者の組織化は、CWAのデジタル労働者組織化キャンペーン(CODE-CWA)を通じて支援されてきた。CODE-CWAはこれまでにも、ヴォデオ・ゲームやパイゾなど、他のゲームスタジオでの組織化も支援してきた。

サラ・ステフェンズCWA書記長は、「アクティビジョンは、レイヴンの品質管理部門の労働者が組合を結成するのを阻止するため、違法行為も働きながら、あらゆることをしてきたが、それはうまくいかなかった。レイヴンソフトウェアの労働者をCWAに迎えることができ、とても嬉しい」と語り、「レイヴンソフトウェアの品質管理部門の労働者は、アクティビジョンとビデオゲーム業界に必要な変化をもたらしている。会社と従業員にとって重要なこの時期に、労働者はまもなく強制力のある団体協約と業務上の発言権を得ることになる」と期待した。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ