英国の人材派遣業界の社会パートナー、スト破りに「NO」を表明

2022年7月11日、派遣労働者を使ったストライキ打開計画が、英国議会で承認された。だが、7月上旬に人材派遣数社が、この提案への明確な反対を表明している。

英国最大手の人材派遣数社のCEOは、ビジネス・ エネルギー・産業戦略相であるクワシ・クワーテン氏への書簡の中で、数十年にわたりストライキ中の労働者の替わりに派遣労働者を使用することを禁止してきた規則を後退させることになる今回の政府案に反発を示した。

この政府案に対する反対意見は、人材派遣会社だけでなく、労働組合も含めて広く受け入れられている。世界雇用連合(WEC※)のベッティーナ・シャラー会長は、「国際的な社会パートナーである2組織(WECとUNI)は、この問題に対応するため、適切なレベルで建設的な三者間社会対話の必要性を訴えている」と述べた。世界雇用連合の企業会員とUNIの間で2008年に締結された覚書は、国および企業レベルでの部門別社会対話の重要性を強調しているが、これは現在の労働市場の課題に取組む上で不可欠である。

UNIと世界雇用連合の企業会員は、「国内の法律や慣行を損なうことなく、ストライキ中の労働者を派遣労働者に置き換えることを禁止する」など、業界の適切な規制に関する指針を定めた長期的な協定を締結している。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「スト破りを容易にしようとする英国政府の試みは、英国内に広がる不満の火に油を注ぐだけだ」と指摘し、「人材派遣会社が、こうした組合潰しは、ビジネスにとっても労働者の権利にとっても間違ったことであると非難しているのは、まったくもって正しい。人材派遣会社が自らの価値観を守り続け、このようなひどい行為を認める法律の改悪に抵抗していくことを求める」と述べた。

※世界雇用連合(WEC)=世界各国の人材ビジネス業界の団体及び同業界トップ6社で構成される、人材ビジネス業界を代表するグローバル組織。2016年に国際人材派遣事業団体連合(CIETT)から改称した。