UNI-LCJ女性ネットワーク会議を開催

2022年7月15日、UNI-LCJ 加盟組織におけるジェンダー平等やダイバーシティ推進を担当する役員同士の交流・情報交換の場として、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催された。2018年以来、4年ぶりの開催となった今回は、印刷労連、生保労連、UAゼンセン、損保労連、大日本印刷労組とUNI-LCJ事務局から計11人が参加した。

参加者自己紹介の後、5月にスイス・ニヨンで開催されたUNI世界女性委員会にUNI Apro女性委員会副議長として出席した須齋弥緒損保労連事務局次長が、同会議について報告した。日本のテレワークの状況や課題について各国の委員に共有したことや、会議を通じて女性の活躍やILO第190号条約の批准に向けた取組み等、日本が各国と比べ遅れをとっていると実感した点について述べるとともに、米国で女性の人工中絶の権利を認める法律が破棄されたことについて反対する声明が採択されたことについても、報告した。

続いて各組織の参加者が、ジェンダー平等や多様性推進の活動と課題について共有した。

はじめに須齋事務局次長が、損保労連におけるジェンダー平等推進計画の取組み状況について報告した。執行部に占める女性役員の比率は22%であるが、女性が事務局長を務める単組も出てきている等、男女関係なく役割を担っていくという点では着実に前進していること、一方、課題として、限られた人数で業務を行っているために長時間労働の傾向がある点を挙げた。また男性の育休取得については、法改正などの趣旨や背景を皆が理解できるよう周知することで、男性が取得しやすい職場づくりに向けて取組んでいると述べた。

続いて、印刷労連より古賀初代副書記長が報告した。印刷労連の役員における女性比率は依然として低いものの、各地域の地方協議会レベルで活躍している女性は増加傾向にあると報告した。2017年より男女平等の取組みを掲げ、取組み方針を共有し意見交換をしてきたが、2020年はオンラインで会議を開催したことで、これまで参加できなかった育児世代の女性も参加できたというメリットもあった。こうした活動を経て、2021年度は、印刷労連としての現状に基づいたジェンダー平等推進計画を策定すべく取組みを進めてきた。今後は、ジェンダー平等推進委員会設置に向け、男性メンバーも含めて意見交換の場を設け、相互理解を促進しつつ取組んでいくことが重要だと述べた。

生保労連の山本由美中央副執行委員長は、同労連が進める意思決定の場への女性の参画と、組合活動におけるワークライフバランスの推進の取組みについて報告した。2025年までに本部女性役員を30%にするとの目標の下で女性役員の積極登用を進めており、2016年に初の女性専従役員が選出され、2020年には女性役員が2名になる等、少しずつ前進している。会議が長時間に及ぶ現状などから、組合運営の効率化を進め、女性が活躍しやすい環境整備を進めていく必要があると言及した。また、女性組合員同士のネットワーク構築が図れるよう工夫をしている点についても紹介した。さらに、同労連の中島麻紀子中央副執行委員長は、ワークライフバランスの実現に向けた、男性の育休取得促進の取組みについて説明した。男性の育休取得については、2025年8月までに各組合で取得率100%の目標を掲げて促進しており、すでに100%を達成している組合については平均取得日数を増やすこと、取得日数1か月以上の組合員を増やすことなどを目標として取組んでいる状況などを共有した。

続いてUNI Apro女性委員を務める寺嶋雪乃UAゼンセン男女共同参画局副部長は、UAゼンセンの約半数が短時間勤務の女性組合員である点に触れた上で、男女共同参画推進キャンペーンの取組みについて紹介した。特に、女性の活躍や定着に関する調査を実施し、その調査結果を今後の方針に反映させ、単組が労使交渉の際にデータ活用できるようにしていきたいと述べた。また、今年4月の法改正に合わせて発行された「男性の育児休業取得促進のためのガイド」では、法改正の解説やチェックリストのみならず、自身が連続育休を取得した男性や、部下が育休を取得した場合のマネジメントの仕方などについてリアルな事例を共有していると紹介した。
さらに今回の参院選にあたり、部門や都道府県支部の男女共同参画委員を対象にウェブ意見交換会を開催して組織内議員に声を届ける取組みや、公示から投票日までの連日、全組合員を対象にウェブ意見交換会を実施したこと等を報告し、成果として、横のつながりの構築、優秀な人材の発掘、新しい形の選挙運動の展開などを挙げた。また、所謂パート労働者の「収入の壁」問題について、状況改善の必要性について認識共有できたこと、更年期障害を理由に退職する女性従業員が多い状況に対する取組みが最優先課題の一つとして浮彫りになったことなどを報告した。

UNI Apro女性委員を務める大日本印刷労組の三﨑友香里書記次長は、初めに同労組の女性役員の比率とその課題について言及した。執行部のうち女性は約13%であるが、組合の機関会議で議決権を持つ中央委員を含む組合委員では女性は27.5%を占めている。2019年に初めて三﨑書記次長を含め2名の女性が初めて専従役員に選出される等、この10年間で女性比率の状況は改善しつつある。一方で、組合活動が業務時間外に実施される点など、活動参加における高いハードルについても指摘し、多様な働き方に対応した組合活動にしていく必要性があると述べた。また、組合におけるダイバーシティ推進の取組みとして、外部講師を招いて幼児を子育て中の組合員向けのセミナーを実施したこと、また会社と協力して独身層向けに婚活支援アプリの導入が検討されていることにも言及した。

最後に、森川容子UNI LCJ事務局次長よりUNI機会均等局のジェンダー平等、ダイバーシティ実現の取組みが報告された。また、2022年8月10日にオンライン開催されるUNI Apro女性委員会、2023年8月25~26日に米国・フィラデルフィアで開催される世界女性大会等、今後の予定を共有した。UNIのネットワークを活用し、今後もジェンダー平等実現のために国内外で情報交換・交流を行くことを共有し、会議は閉会した。