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UNI、万国郵便連合の主要機関理事会に選出

2025年11月下旬、UNIは国連の郵便機関である万国郵便連合(UPU)で重要かつ影響力のある機関の運営理事会に再選された。

11月26日にスイス・ベルンで開催された会合において、UNIはUPU諮問委員会の理事職を争う17名の候補者の中から、7名の理事で構成される理事会への選出を果たした。

同委員会は計52名のメンバーで構成され、民間配送会社、Eコマースのプラットフォーム、NGO、郵便サービス事業者、UNIなど、郵便分野における広範な非政府関係者を代表する。

UPU加盟国政府のような投票権はないものの、諮問委員会はUPUと広範な郵便産業との間の正式な対話の場として機能している。郵便産業が書簡中心の公共サービスからEコマース主導の物流ネットワークへと進化する中、同委員会の役割はますます重要になっている。9月にドバイで開催された最近のUPU総会以降、委員会はUPU加盟国に対し、専門知識の提供や技術ノウハウの共有を通じてより積極的な役割を果たすことができるようになった。これは、世界中に効率的でアクセス可能な郵便サービスを提供するというUPUの使命を実現するためである。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「UPU諮問委員会の運営理事会への再選を光栄に思う。これはUNIが労働問題における信頼できるパートナーかつ貴重な専門知識の源泉であることを裏付けるものだ。郵便・ロジスティクス部門の急速な変革が続く中、公的・民間の郵便・ロジスティクスサービスを統合し、収益性と持続可能性を両立する未来構築に貢献できるよう、引き続き尽力する」と、述べた。

UNIは諮問委員会で唯一の国際労働組合組織であり、80カ国以上の組合を通じて250万人以上の郵便・ロジスティクス労働者を代表している。UNIは郵便・ロジスティクス部門の労働者の視点を諮問委員会に反映させるという独自の役割を果たしている。UNIが同委員会に選出されるのは今回が2度目であり、任期は4年間。


韓国の労組、過度の夜間業務による健康危機に警鐘

2025年10月23~24日に韓国・済州で開催された第11回UNI Apro東アジア労組フォーラムにおいて、UNI加盟組織である韓国サービス労連(KFSU)は、韓国における過度の夜間配達業務による宅配便労働者の過労が深刻な水準に達していることに警鐘を鳴らした。

業界の圧力が強まる
宅配業界は世界的なCOVID-19パンデミックの余波で急成長した。宅配労働者の過重労働は韓国で社会問題として認識され、政府の介入により一部の問題は緩和されたものの、問題は依然として収まっていない。クーパンなどの業界大手企業に追随する形で、韓国の多くの宅配会社は休日配送や週7日配送といったサービスを拡大しており、長時間夜勤を必要としている。

市民団体と労働安全衛生の研究者が2025年11月14日にソウルで開催した公開説明会では、クーパン物流網の労働者らが「夜明け配送システム」の過酷な実態を証言した。倉庫作業員は深夜11時59分から翌午前0時59分までのわずか1時間で、深夜0時までに発注された商品のピッキング・梱包・仕分け・積載を完了させると説明した。生鮮食品センターの労働者は、実質的な休憩なしに夕方から早朝まで働かされていると報告。日雇いの仕分け作業員は、スキャン・荷降ろし・発送作業のスピードアップを管理職から絶えず迫られていると証言した。

夜間労働の健康リスク
KFSUは、夜間労働が配達労働者の健康に与える影響を深く懸念している。近年、国際がん研究機関(IARC)は夜勤労働を、ヒトに対する発がん性が高いグループ2Aに分類した。夜間労働に伴うリスクは韓国社会にとって重大な課題である。これはまた、利益追求のために労働者の生命を危険に晒す企業資本による非倫理的な経営の実例でもある。

11月14日の説明会では、クーパン配達員チョン・スルギ氏の死亡が職業病と認定され、配達期限のプレッシャーが加重要因とされたことが強調された。他の労働者たちの証言では、持続的な夜間労働に関連する慢性疲労、筋骨格系損傷、免疫系障害が報告されている。

行動要請
KFSUは、配達員への保護強化を提唱し以下を要求する:

  1. 深夜配達(00:00~05:00)の制限と夜間労働義務の明確な上限設定
  2. クーパンをはじめとする主要配達企業は配達速度競争を止め、労働者が過重労働の危機から脱する支援策を直ちに準備すること
  3. 韓国政府は、配達員の過重労働問題の解決、夜間労働から労働者の健康権を保障する制度の構築、関連企業への改革推進を行うこと
  4. アジア太平洋地域の全ての労働組合と社会勢力に対し、持続可能で労働者中心の企業経営を実現するための共同行動を呼びかける。

利便性と利益のための犠牲は許されない
UNI Aproは、365日24時間稼働する流通・物流システムにおける配達員の健康の保護をめぐるKFSUの深刻な懸念を共有し、連帯を表明する。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「この地域全体で、急速なEコマースの拡大とスピード重視の配送モデルが、一般市民にはほとんど見えない形で労働を再構築している実態を目の当たりにしている。消費者がこうした利便性を手にする影で、夜通し働く労働者たちが隠れた代償を負っている。労働者の健康と命は、スピードや競争優位性との引き換えに取引されるべきではない。UNI Aproは、スピードよりも命を優先する保護を求めて闘うKFSUおよび韓国のすべての宅配労働者と固く連帯する」と述べた。


UNI Apro、永島智子新会長を歓迎

永島智子UAゼンセン会長が、UNI Aproの新会長に就任することが決定した。2025年10月28日に開催された臨時UNI Apro運営委員会での推薦を経て、UNI Apro執行委員会で承認された。

UNI Apro史上初の女性会長であり、アジア・太平洋地域の労働運動における女性のリーダーシップにとって画期的な出来事だ。

地域リーダーシップにおける歴史的節目
永島新会長の選出は、継続性と刷新の両方を体現している。継続性とは、UAゼンセンの長年にわたるUNI Aproへのコミットメントであり、刷新性とは、地域組織を率いる初の女性として永島新会長が担う先駆的役割である。永島新会長の任期は、アジア太平洋地域の労働組合が女性、若年労働者、非正規雇用・プラットフォーム労働者の代表拡大に尽力する時期に当たる。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「永島UNI Apro新会長の就任を心より歓迎したい。UNI Apro初の女性会長の誕生という、歴史的な出来事だ。同氏の就任を祝福するとともに、地域全体の運動強化に向け、緊密な連携を大いに期待している」と述べた。

永島新会長の略歴とリーダーシップ
永島UNI Apro新会長は、特に小売・商業分野において、組合指導者として深く多様な経歴を持つ。
• 2016年、イオンリテールワーカーズユニオン中央執行委員長、パートタイム労働者や非正規労働者の組織化活動を推進。
• 2018年、イオングループ労働組合連合会会長に就任、非正規労働者における同一賃金と組合加入率向上のための運動を推進。
• 2020年、UAゼンセン副会長 流通部門長。日本の商業部門の変革に対する同組織の構造的対応を主導。
• 2022年12月、UNI世界商業部会副議長に選出。
• 2024年9月、UAゼンセン第13回定期大会において会長に選出。UAゼンセンはパートタイム労働者の組織化と日本における賃金格差の縮小における功績を認められ、2024年11月に「UNIブレイキングスルー賞」を受賞。

強力なレガシーを継承
UNI Apro運営委員は、退任する松浦昭彦会長に対し深い謝意を表明した。松浦昭彦UNI Apro会長(同じくUAゼンセン)は2021年11月よりUNI Apro地域会長を務め、その任期中、地域の一体性が強化され加盟組織間の協力が推進された。同氏のリーダーシップのもと、UNI Aproはパンデミック後の複雑な復興期を乗り切りつつ、世界で最も多様性に富む地域の一つにおいて、労働者の権利、民主主義、労働組合の連帯を推進し続けてきた。
退任にあたり松浦昭彦UNI Apro会長は、「UNI Apro会長を務められたことを光栄に思う。この数年間、加盟組織の皆様からのご支援に深く感謝申し上げたい。永島新会長と新たな指導部のもと、UNI Aproが引き続きApro地域の労働者にとって不可欠な組織として成長していくことを確信している」と挨拶した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「永島UNI Apro新会長の就任を心よりお祝い申し上げる。我々の運動全体でより多くの女性が指導的立場に就くのは素晴らしいことであり、優れたリーダーになることを確信している。永島新会長と共に取組み、地域全体の労働者に対する新会長の力強い貢献を支援していく」とコメントした。

永島智子UNI Apro新会長は謝意を述べた後、「我々は地域的にも世界的にも多くの課題に直面している。これらに対処するには結束し協力しなければならない。運動の強化を継続する中で、皆様と協力できることを楽しみにしている」と挨拶した。

今後の展望
永島新会長の任期開始にあたり、UNI Aproは引き続き、増え続ける不安定雇用・パートタイム・プラットフォーム労働者の組織化、テクノロジーとAIが雇用に与える影響への対応、気候変動関連の混乱への対処、そして脅威にさらされているあらゆる場所での民主主義と人権の擁護に注力していく。


「保護主義や人口減少問題は共通の課題」UNI Apro東アジア労組フォーラムに130名が集結!

第11回目を迎えたUNI Apro東アジア労組フォーラムが、日本、韓国、台湾、モンゴル、香港各国・地域の労働組合代表129名が済州島に集い、保護主義、AIの進展、少子高齢化、ジェンダー平等、若者のエンパワメントなど、労働者を取り巻く多様な課題について意見を交わした。各国からは、民主主義や労働権の危機、女性や若者の参画促進、国際連帯の重要性が強調された。基調講演では、保護主義の経済的影響と労働界の対応が論じられ、配送業やメディア業界における過酷な労働環境や表現の自由の問題も共有された。また、ジェンダー平等に関する取り組みとして、女性の意思決定参画や健康支援制度の整備が報告され、若年層のキャリア支援や組合活動への参加促進の重要性も確認された。本フォーラムを通じて、各国の労働組合が直面する共通課題への理解が深まり、持続可能で包摂的な社会の実現に向けた国際的な連帯の強化が再確認された。なお、次回の開催年と開催地:2026年に台湾となる。

 1日目 

■開会式

冒頭でホスト国を代表してキム・ヒョンスン(IFIU委員長)UNI-KLC議長が、済州(チェジュ)は正義と和解の象徴として、世界にその存在を知られるようになった。この島は、かつての苦難を乗り越え、民主主義を守り抜いた歴史を有している。米国発の新たな経済戦争の波が押し寄せ、世界的な危機が労働者に重くのしかかっている。しかし、労働者はこれまでも幾多の困難を連帯の力で乗り越えてきた。済州に集った我々は、改めてその連帯の精神を確認し、平和で公正な社会の実現に向けて歩みを進める決意を新たにしている。済州の風は、抵抗と希望の風であると連帯挨拶を述べた。

■基調講演

テグ大学 経済学部 キム・ヤンヘ准教授は、日本・台湾・韓国は輸出主導型経済を築いてきたが、現在の保護主義の台頭により国際協力が困難になっている。韓国・慶州でのAPEC開催を前に、米韓関係への注目が高まる一方、APECの交渉は実質的成果に乏しいとの批判もある。トランプ前大統領の関税政策は、統治手段として機能し、インフレや投資コストの上昇を招いた。中国との資源を巡る対立や、同盟国への圧力も強まっている。再登場の可能性があるトランプ氏の影響で、国際通商体制の不安定化が懸念される中、各国労働界の連携と米国労働界の対応が重要となる、と言及した。

■テーマ別セッション:4つのテーマについて、各国の加盟組織より報告が共有された。

サブテーマ1:東アジアの労働者が直面する現在の政治的、経済的、社会的状況と課題

  • 日本(西谷涼子 JAW国際局局長):自動車産業は関税戦争の影響が懸念され、国内販売も2012年以降500万台を下回っている。2035年までに電動車化が進む中、公正な移行が重要である。約3万点の部品で構成される自動車は、サプライチェーンの安定が不可欠。自動車総連は税制の見直しや投資支援を求め、国内需要の喚起と持続的な発展に向けて取り組んでいる。
  • 韓国(ナ・ヨンミョンKHMU保健医療労組企画室長):米国の保護主義的な圧力により、韓国経済は関税や投資条件で不利な状況に置かれ、成長率の低下や雇用不安が広がっている。社会では高齢化や格差、極右勢力の台頭も進行中。こうした中、労働組合は労働時間の短縮、非正規職の正規化、地域交渉の活性化、医療・教育負担の軽減など4つの戦略を掲げ、組織拡大と政治的連携を強化しながら、内需中心の経済と国際連帯の構築を目指している。
  • 台湾(リン・イーフン CPWU国際部長):台湾は保護主義の圧力や米国との交渉の前提に直面し、経済安全保障の強化が求められている。IT産業は成長しているが、2025年には超高齢社会に突入し、人口の30.6%が高齢者となる見通しで、経済への影響が懸念される。賃金の低下や労働力不足も課題であり、58%の人が対中貿易を望んでいる。今後は、エネルギー・AI・産業交渉など多角的な政策と社会の体系化、リスク分散、デジタル化による安定的な発展が必要である。
  • モンゴル(バンディ・バヤガルマー ICN労組):2024年、モンゴルの貿易総額は274億ドルで、中国とロシアが80%以上を占める。輸出は石炭や銅など鉱物資源が中心。2025年、トランプ米大統領は全輸入品に10%の関税を課す政策を導入し、モンゴルのカシミヤなど主要輸出品に影響が及ぶ。これにより物価上昇や経済不安が懸念され、国内では教師や医師による賃上げ要求のデモが起きている。
  • 香港(マイケル・シウ RCCIGU): 2025年4月、トランプ米大統領は「解放記念日」として相互関税の停止を発表したが、中国には145%の関税を課し、香港・マカオにも影響が及んだ。香港では米国が中国製品と同等の関税を適用し、株式市場が急落。香港政府はWTOに提訴した。労働組合は保護主義の影響から労働者の権利を守るため、企業や政府との交渉を強化し、国際連携を通じて公正な貿易ルールを求めている。

 2日目 

サブテーマ2:人口構造危機-少子化、雇用年齢や定年年齢の延長、年金制度改革および年金基金の管理

2-1)人口構造危機と少子化:労働組合は何ができるか?

  • 日本(鈴木基子 JP労組中央執行委員):日本郵政グループは、少子高齢化による労働力不足や業務量の減少に直面している。社員数や新卒採用数の減少、郵便物や保険契約件数の減少が続く中、JP労組は65歳定年制度や短時間勤務制度、育児・介護休業応援一時金などを導入。地域ニーズに応じた柔軟な働き方や効率的な運営体制を提言し、持続可能な事業と安心して働ける環境づくりに取り組んでいる。
  • 韓国(シン・スンイル FKMTU):少子化は財政赤字だけでなく、社会保障制度の持続性に関わる深刻な問題である。特に交代勤務の現場では支援制度が機能せず、代替人員の確保が課題となっている。労働組合は賃金問題にとどまらず、子育て支援や制度改善に取り組む必要がある。少子化は東アジア全体の共通課題であり、労働組合の連帯によってこの危機を乗り越えることが求められている。
  • 台湾(シューチーチェンCPWU青年活動委員会議長):台湾の公共テレビとその組合員構成、同労組による長時間労働是正と勤務形態の多様化に向けた取組みについて、概説した。組合として次の勤務までの休息時間の確保、等に取組んでいる。高齢化が進む中、交渉によって年5日の有給の介護休暇を獲得した。また「報道者」について、残業削減に向けて、超過勤務指示が直前に行われた場合には代休時間を増やすことを協約で定めた。
  • 韓国(キム・ジンホン KFIU副委員長):韓国の金融労組KFIUは約10万人の組合員を擁し、産業別交渉を通じて労働環境の改善を推進している。2002年に週5日勤務制を導入し、2025年には週4.5日勤務制を提案。金曜日午後の自由時間は地域経済の活性化や少子化対策に寄与する。韓国の労働時間はOECD平均を上回り、AIの進展により事務職の働き方も変化している。KFIUはAIによる人員削減ではなく、労働時間の短縮と仕事の分かち合いを選択。6か月の交渉の末、金曜日の1時間短縮を実現し、制度化に向けた議論を開始した。
  • 香港(チェン・ライハ RCCIGU書記長):香港の出生率は世界最下位レベルで、経済的・政治的圧力や雇用環境が大きく影響している。教育環境を求めて移住する家庭も多く、若年層の流出が社会構造に影響を与えている。1997年以降、中国本土からの入国者は約203万人に達し、人口減少を部分的に補っている。2023年には新生児1人につき2万香港ドルの給付制度が導入されたが、効果には限界がある。労働組合は育児休暇や家族支援制度の拡充に取り組み、民主主義と自由の保障が出生意欲に直結することを訴えている。
    • 雇用年齢や定年年齢の延長
  • 日本(市川勝也 生保労連 中央副書記長):生保労連の組合員は約70%が営業職員、90%が女性で構成され、年7回の労使交渉で賃金や雇用制度を協議している。高齢化に伴い、65歳以降も働ける制度が整備されつつあり、一部企業では70歳定年・同水準の処遇を提案。組合員からは評価の声がある一方、若手の働きやすさや退職金制度への懸念もあり、慎重な制度設計が求められている。
  • 日本(西川由起 UAゼンセン流通部門執行委員):UAゼンセン流通部門では高齢化と人手不足に対応し、定年延長や再雇用制度の整備を推進。多くの企業が60〜65歳定年で、再雇用は97%が導入済み。「まいばすけっと」では75歳まで働ける「シニアパートナー制度」を導入し、健康診断や社保加入も実施。組合は、働き方の選択ができる社会の実現を目指している。
  • 台湾(ワン・スーユCTWU常任理事):台湾では高齢化が急速に進む中、高齢者の労働参加率は約10%と低く、労働力活用が課題となっている。CTWUは定年延長や再雇用制度の改善を提言し、2024年には抗議活動も実施。政府は補助金や再訓練支援を行っているが、年齢差別や早期退職の問題も残る。中華電信では従業員の3分の1以上が51歳以上で、若年層の採用が進まず、CTWUは柔軟な勤務制度や再教育の充実を通じて持続可能な雇用を目指している。
  • 持続可能な国民年金または年金基金の管理
  • 日本(金織すみえ 損保労連 中央執行委員): 日本の年金制度は3階建てで、公的年金(国民年金・厚生年金)に加え、企業年金やiDeCoなどの私的年金が老後を補完している。少子高齢化により公的年金の給付水準は低下傾向にあり、私的年金の重要性が高まっている。企業年金は確定給付型(DB)から確定拠出型(DC)への移行が進み、損保労連はDC制度の改善や投資教育の充実を企業に求めている。
  • KFSWU書記長):韓国では出生率の低下と高齢化が進み、2060年には労働人口1人が高齢者1人を支える社会になると予測されている。年金制度は3階建てで、退職年金の準備金は2024年に431兆ウォン、収益率は4.77%。政府は2025年に基金型退職年金制度の導入を提案し、NPSによる管理や専門機関の設立を検討。安定性と収益性の両立を目指し、海外事例も参考に制度改革が進められている。
  • 台湾(チャン・フイチェン CTWU主任):韓国では出生率の低下と高齢化が進み、2060年には労働人口1人が高齢者1人を支える社会になると予測されている。年金制度は3階建てで、退職年金の準備金は2024年に431兆ウォン、収益率は4.77%。政府は2025年に基金型退職年金制度の導入を提案し、NPSによる管理や専門機関の設立を検討。安定性と収益性の両立を目指し、海外事例も参考に制度改革が進められている。

サブテーマ3:ジェンダー平等と若者のエンパワメント

3-1)UNIの3Mキャンペーンとジェンダー平等に関する組合活動

  • 日本(浅野祥 情報労連中央執行委員):日本ではジェンダー平等の整備が遅れており、情報労連は1998年から女性参画を推進。2025年度からは「第2次ジェンダー平等推進計画」を策定し、クォータ制やトップの発信で数値目標の達成を目指している。中央執行委員会の女性参画率は46%、KDDI労組では30%以上の登用を目標に掲げ、職場の風土改革が進行中。今後はダイバーシティ推進と心理的安全性の確保に取り組む。
  • 日本(大西裕加 UAゼンセン):UAゼンセン総合サービス部門では女性組合員が60%以上を占める一方、役員比率は27%と低く、意思決定への参画が課題。2015年にダイバーシティ推進委員会を設置し、2024年からは委員会に女性枠を導入。「Uni女会」ではネットワーク構築やリーダー育成を進め、更年期などの課題も共有。女性リーダーワーキングチームによる研修も実施し、意思決定への女性参画拡大を目指している。
  • 台湾(カン・ウエンチー CPWU 三重分会理事長):台湾では女性の健康に配慮した休暇制度が整備されつつあり、月経休暇は法的に保障されているが取得率は低い。台湾金融労連は2021年に更年期休暇を提案し、2025年には診断書不要の原則が確立。制度は一般化し、企業が拒否できない仕組みとして定着しつつある。労働組合は職場文化の改善と法整備を通じて、女性が安心して働ける環境づくりを目指している。

3-2)若者のエンパワメントに関する現状報告

  • 日本(北堀卓思 全信連議長):日本企業では健康経営や社内副業制度など、従業員を尊重した柔軟な働き方が広がっている。信託銀行業界では専門性が高く、若手の焦りも見られる中、全信連はキャリア支援として異業種交流会や座談会を開催。若者が自己肯定感を高め、主体的にキャリアを築けるよう支援しており、労働組合はその後押し役として重要な存在となっている。
  • 台湾(イェ・チンユ CTWUストライキチームメンバー):台湾では一人当たりGDPが34,000米ドルに達する一方、若年層の賃金は低く生活に余裕がない。CTWUは退職金制度の改善や雇用主拠出金の引き上げを求め、2023年には2,000人以上が集会に参加し成果を上げた。青年キャンプや交流イベントを通じて若者の参加意識を高め、組合の力強化と社会への好影響を目指している。

サブテーマ4:特別報告

  • FSU-全国クーリエ労組クーパン本部議長):韓国のクーパンは自社物流子会社CLSを通じて垂直統合型配送モデルを展開し、365日・深夜配送を標準化。業界全体に過剰なサービス要求が広がり、CLSでは週60時間超の労働が常態化し過労事故も発生。2021年の社会合意を守らず、労働組合は夜間作業の制限や強制休息の法定化を求めている。「スピードより命」を掲げ、持続可能な産業構造の構築が急務となっている。
  • 韓国(リー・ホーチャンNUMW委員長):韓国では虚偽情報への制裁強化が進み、最大10億ウォンの懲罰的損害賠償を可能とする法改正が議論されている。判断の曖昧さから言論の自由が抑圧される懸念もあり、報道への捜査がメディアの萎縮を招いている。NUMWは表現の自由を守るため法改正に反対し、慎重な制度設計と社会的議論の必要性を訴えている。

■閉会式

第11回東アジア労組フォーラムには、日本、韓国、台湾、香港、モンゴルから129名が参加。保護主義の台頭、グローバル秩序の変化、少子高齢化、ジェンダー平等、若者のエンパワメントなど、労働者を取り巻く課題について活発な議論が行われた。

基調講演では保護主義の影響と労働界の対応が取り上げられ、各国からは政変、産業構造の変化、生活費高騰への対応が報告された。特別報告では、過労死対策や言論の自由の擁護についても認識が共有された。

韓国加盟協議長のキム・ヒョンスン氏はクロージングメッセージで、「韓国の悩みを分かち合えたことに感謝する。保護主義や人口減少問題は共通の課題であり、皆で解決策を見出し、共に道を切り拓いていこう」と語った。

次回フォーラムは2026年に台湾で開催される予定で、CTWUとCPWUの両委員長がホスト国として歓迎をしますとメッセージを参加者に送った。

なお、各セッションでは以下の方々が司会を務めた。

  • サブテーマ1:(韓国)シン・キオン    KFIU国際担当部長
  • サブテーマ2:(日本)豊福麻実      労済労連 副書記長 
  • サブテーマ3:(台湾)トゥー・ユーウェン CPWU書記長 
  • サブテーマ4:(韓国)キム・オクラン   FKMTU政策企画部長
  • 閉会:        UNI-KLC ジェイ・チョイ事務局長

第2回、UNI Apro東アジア金融労組フォーラムを韓国・済州島で開催!

2025年10月、韓国・済州島にて日本と韓国のUNI加盟金融労組より30名が一堂に会し、第2回UNI Apro東アジア金融労組フォーラムが開催された。2023年10月に開催されてから、2年振り2回目の開催となった。LCJ金融部会からは、*敬称略(損保労連)中野剛、原田龍人、山口悠、金織すみれ、(全信連)北堀卓思、塩谷麻子、西村匡史、植田莉帆、(生保労連)市川勝也、植木英之、(労済労連)豊福麻美、(全労金)深見正弘、(JP労組)安達正美、中野博之、鈴木基子、宮城千絵、事務局上田が参加した。

■開会

歓迎の挨拶では、キム・ヒョンスンKFIU委員長は、関税政策による分断が労働者に影響を与える中、東アジア金融フォーラムは連帯と民主主義の強化を通じて、新たな経済秩序の構築を目指す重要な機会である、と述べた。連帯の挨拶では、中野剛 UNI Apro金融部会議長は、フォーラム開催に尽力したKFIUとKFSWUへの感謝を述べ、韓国・日本の金融労組が連携し、地政学リスクや気候変動、AI・デジタル化など歴史的転換期にある課題に共に取り組む重要性を強調。金融機関には社会的責任が求められており、雇用安定とディーセント・ワークの確保には国際連帯と協力の強化が不可欠だと訴えた。ラジェンドラ地域書記長は、現在の課題は過去の問題の積み重ねであり、今後の予測も困難だと指摘。気候変動による災害は保険業に影響を与えているが、すべてが気候要因ではないとし、UNI Apro金融部門は労働・環境・持続可能性の観点から積極的に関与していると述べた。金融は経済の中心であり、組合やプラットフォーム間の連帯が不可欠であると強調。台湾では公的部門の弱さが課題であり、過去にはパリバ銀行の紛争解決にも関与したことに触れ、中野議長の尽力に感謝を表した。

■概要

今回のフォーラムでは、JP労組の中野副委員長が司会を務め、開会の挨拶を通じて金融産業の課題の重要性が共有された。続いて、保険・銀行・郵政・協同組合など各労組から現状や課題、取り組みについて報告が行われた。議論では、少子高齢化、地政学的リスク、技術革新、金融の公共性といった共通課題が確認され、CMIM(チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化)の強化やILO条約の活用、地域連携による安定化策などが提案された。協力と構造改革を通じて、持続可能な金融モデルの構築を目指す方向性が共有された。

■基調講演

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、金融は経済のOSであり、2008年以降もグローバル金融システムは脆弱性を抱えている。ビッグテックやAI、ブロックチェーン、デジタル通貨の進化により、銀行は従来の仲介モデルからの脱却を迫られ、非銀行金融の台頭も加速。公共性と安定性が問われる中、地域連帯と協同の強化が重要となる。東アジアでは過去の金融危機を教訓に協力体制の構築が進み、地政学的緊張下での連携も課題。量的緩和や暗号資産の影響も含め、持続可能で責任ある金融モデルの確立が求められている、とした。

■加盟組織より報告

日本から金融部会6組織(生保労連、損保労連、全信連、JP労組、全労金、労済労連=発表順)が、韓国からKFSWUが、それぞれ組織紹介および重点取り組み等の報告をし、互いの組織と重点取り組み活動などについて理解を深めた。

  • 韓国(全国事務金融サービス労働組合)イ・ドングン事務総長:韓国の保険産業は、超高齢化・気候変動・低成長・資本規制強化などのリスクに直面。MG損保の清算問題や外資系の撤退もあり、AIや介護・ヘルスケア分野への関心が高まっている。保険の役割は事後対応から生活の質向上へと変化し、日本と韓国の市場は類似。収益源の多様化が課題であり、労働組合は産業活性化に向けた取り組みを進めている。

以下、日本の加盟組織

  • 生保労連(植木英之 中央副執行委員長):生保労連は生命保険産業唯一の産業別労組として発足し、19組合・25万人が加盟。営業職7割・女性9割が特徴で、年7回の労使交渉を通じて賃金や産業課題を協議。震災やコロナ対応では1兆円超の給付を実施し、金融教育や地域安全活動、ジェンダー平等推進を通じて社会的理解の拡大に努めている。
  • 損保労連(原田龍人 中央執行委員):損保労連は、保険代理店による不正請求や料率操作などの業界不祥事に対応。代理店が保険の90%を扱う中、自動車事故での過剰修理や不適切な加入推奨が問題化し、金融庁から是正指導を受けた。信頼失墜を経営任せにせず、説明会やユニオンミーティング、労使懇談会を通じて信頼回復と産業別組織としての役割強化を全国で進めている。
  • 全信連(塩谷麻子 副議長):銀行業界は急激な人口減少と若年層の減少により、企業活動や人材確保に影響を受けている。従来の終身雇用型制度から脱却し、年功序列に依らないキャリア形成が求められる中、労働組合は制度改革や組織風土の変革を支え、組合員の意識変容を促す重要な役割を担っている。
  • JP労組(宮城千絵 中央執行委員):JP労組は郵政関連企業の雇用安定や福祉社会の実現を目指し、職場環境改善に取り組む。金融業界では少子高齢化や金融排除が課題。ゆうちょ銀行は金利変動による収益不安定やデジタル化の遅れ、かんぽ生命は契約減少や人材確保が課題。組合ではユニオンショップ協定や組織活性化を推進している。
  • 全労金(深見正弘 中央執行委員長):全労金は13の労働金庫と関連会社で構成される協同組織金融機関の労組連合で、利益はメンバーに還元される。非正規職員の組織化、ジェンダー平等推進、平和行動、災害支援に加え、若年層の離職対策としてポジティブキャンペーンを展開。金利上昇やデジタル化への対応、業界の将来像について10年を見据えた視点で経営陣と協議している。
  • 労済労連(豊福麻実 副書記長):労済労連は、こくみん共済co-opと関連会社の労組で構成され、9組合が加盟。2026年度はWEB活用など新たな活動スタイルを模索し、次世代活性化と効率性を追求。国際協同組合年への参画や組織統合への対応、協同組合の理解促進を重点に、社会課題に柔軟に取り組む姿勢を強めている。

■閉会

報告の締めくくりとして、中野副委員長は「韓国と日本が直面する課題には多くの共通点がある。社会のサイクルは数カ月で大きく変化し、金融も過渡期にある。今後、フォーラムのさらなる活性化に取り組んでいきたい」と語った。


10月9日は世界郵便デー:配達員の絵文字を実現しよう!

宇宙飛行士、忍者、人魚、幽霊まで、あらゆる絵文字が存在する。しかしユニコードコンソーシアムが公認する約3,800種類の絵文字の中に、経済において最も重要な職業の一つである配達員を表す記号はまだ存在しない。

2025年10月9日の世界郵便デーに、UNIは我々の生活に不可欠な存在となったこの職業の認知を求める世界的な動きに加わる。

配達員の絵文字があれば、郵便を待つ、手紙や小包を送る、注文品を受け取る――こうした日常生活の中の重要な活動を、数十億の人々が絵文字で表現できるようになる。手書きの手紙から大陸を跨ぐ小包輸送まで、配達は現代社会における移動・信頼・繋がりの象徴であり、不可欠な日常サービスである。今こそ、これを可能にする人々に、こうした労働者を象徴する絵文字を与える時だ。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「絵文字は可愛らしく楽しいコミュニケーション手段だが、配達員の絵文字にはそれ以上の意味がある。他の職業と同様に配達員を尊重していることを示す手段であり、地域社会や国が彼らによって可能となる繋がりを認識している証となる。世界中の郵便サービスが脅威に晒されている今、連帯を示すことにもなる」と訴えた。

この取組みはオーストリア・ポストが主導しており、マヌエラ・ブルックオーストリア・ポスト広報担当は、「絵文字は日常コミュニケーションに不可欠な要素であり、特にZ世代によって頻繁に使用されている。(中略)しかし郵便労働者の職業を象徴する独自の絵文字はまだ存在しない。オーストリア郵便では国際的なパートナーと連携し、将来的に世界中の郵便労働者が独自の絵文字でデジタルコミュニケーションに存在感を示せるよう取り組んでいる。目標は、全てのスマートフォンとコンピューターに郵便労働者の絵文字を搭載することだ」と語る。

この絵文字キャンペーンは、欧州・アジア・北米の主要郵便事業者を代表する国際郵便公社(IPC)、南北米郵便事業体連合(UPAEP)の支援を受けている。

これまでに、エジプト、ドイツ、アイルランド、ラトビア、ポーランド、スイス、スロバキア、スロベニアの各国郵便事業者もオーストリア郵便に賛同している。9月末にドバイで開催された万国郵便連合(UPU)世界郵便会議で提案された配達員絵文字に関sる支持決議は、参加加盟国から熱烈な支持を受け、満場一致で採択された。

ユニコードコンソーシアムは標準化された文字セットを管理し、個々の絵文字を定義している。配達員の絵文字は2025年11月末までに審査され、2026年までにスマートフォンやコンピューターなどのデバイスに搭載される見込みだ。


UNI、カナダの郵便労組に連帯

UNIは、カナダ政府がカナダポストへの大幅な変更を発表したことを受け、カナダの郵便労働者とUNI加盟組織であるカナダ郵便労組(CUPW)に連帯する。

この発表には大幅なサービス削減が含まれており、CUPWは公的郵便サービスと労働者の権利を損うものだと警告している。

こうした攻撃に対し、CUPWは即時で全国ストライキを開始した。UNIはCUPW組合員と連帯し、世界中の郵便労働者が公共郵便サービスと労働者の権利を守るために結束していることを改めて確認する。

新たにUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長に選出されたジャン・シンプソンCUPW委員長は、「十分な公的な協議を経ないこのずさんな手法は、国民と郵便労働者の双方に対する侮辱である…(中略)…良質な雇用と公共サービスへの攻撃は到底受け入れられない。我々は反撃し、政府とカナダポストに我々の声を明確に届ける。過去に成し遂げたように、再び成し遂げる」と語気を強める。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「これは郵便労働者と公共サービスへの直接的な攻撃だ。そして民営化とサービスの削減はカナダだけの問題ではない。世界中の郵便労働者が直面している課題だ…(中略)…最近開催されUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会では、政府と企業が利益を人より優先させている実態を明らかにし、これに対抗する野心的な戦略計画を策定した。UNIはカナダの郵便労働者と連帯し、CUPWの闘いを全面的に支持する」と述べた。


UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会、バンコクで闘志を示す

UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会が2025年9月23日、バンコクで開幕した。タイ伝統舞踊と圧巻のムエタイ演武による華やかな文化歓迎が行われ、力強さとバランス、そして不屈の精神で知られる「八肢の芸術」によって、郵便・ロジスティクス労働者の未来を勝ち取る決意を固める大会の幕が開けた。42カ国55組合から120人以上の組合指導者を含む150人以上の代表が集結した本会議は、組合を結束させ、戦略を練り、互いに学び合い、この分野における力を高めることが目的だ。

タイポストのタパニー・アマリンラット国際事業部シニア副社長は、開催国を代表してバンコクに集う参加者へ挨拶し、政府の郵便労働者への取組みを強調し、「我々は郵便の未来を共に築くことを約束する」と宣言した。

本会議は、郵便・ロジスティクス産業が大きな変革と課題に直面する時期に開催された。特にアウトソーシング、郵便物量の減少、デジタル化、そして民営化されていない地域においては民営化の脅威が顕著だ。しかし労働組合は黙って見ているわけではない。

英国通信労組の書記長を務めるデイブ・ウォードUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長は開会にあたり、「一部政府や経営者は『民営化や自由化の提案は近代化のためだ』と言うだろう。だが誰が『近代化』という言葉の所有権を与えたのか? 労働組合は知っている——自由化に近代性などない、民営化に近代性などない、ギグ経済に近代性などないのだ!」
今こそ労働者・顧客・郵便事業の未来のために、我々が「近代化」という概念の定義を主導すべき時だ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、今後の変革を形作る上で労働組合が果たす中心的な役割を強調し、「労働組合は、郵便・ロジスティクス産業で進行中の変革の一部とならなければならない。その変革の対象となるのではなく、主導者とならなければならない。我々の仕事を形作るテクノロジーを定義する必要があるのだ」と訴えた。

国連機関である万国郵便連合(UPU)のサステナビリティサービス担当プログラムマネージャーを務めるスーザン・アレクサンダー氏は、医療など郵便サービスの多様化の機会を見出すことの重要性を強調した。そして、インドでの新しいプロジェクトを例に挙げ、「ごく最近、UPU は、SPECS 2030 イニシアチブを通じて、インドポストおよび世界保健機関と提携し、遠隔地に眼鏡を届けるとともに、目の健康に関する意識向上を図るいくつかのプログラムを試験的に実施している。このプロジェクトにより、他の国々でも眼科ケアサービスの提供範囲が拡大することを期待している」と報告した。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、部会大会向けの詳細な報告書に基づき、過去4年間の部会活動の成果について報告を行った。

また世界中で紛争が激化する中、部会大会は郵便労働者が重要な職務を遂行する際に、その生命・権利・サービスが保護されることを求める決議を採択した。

決議を紹介したデイブ・ウォード議長は、「UNIは連帯と協力に基づく組織。我々は声を大にして宣言する。郵便労働者は標的ではない。支援を必要とする仲間を支え続ける」と語った。


UNIの郵便労働者が戦時下の保護を要求

世界各地で紛争が続く中、世界中の郵便労働者は、自らの生命、権利、サービスが、重要な職務を遂行する際に保護されることを要求している。2025年9月23日にタイ・バンコクで開催されたUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会において、世界中の数百万人の郵便労働者を代表する約150人の労働組合指導者が、危機時の安全に関する決議を採択した。

英国通信労組書記長を務めるデイブ・ウォードUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長は、 決議の提案にあたり 「UNIは連帯と協力に基づく組織。我々は声を大にして宣言する。郵便労働者は標的ではない。支援を必要とする仲間を支え続ける」と訴えた。

郵便平和決議文は以下の通り:

危機における郵便サービス:連帯を求める世界的な呼びかけ

郵便は重要な公共サービスであり、表現の自由と情報へのアクセス権と深く結びついている。郵便労働者は手紙、年金、医薬品、支援物資、そして生存に不可欠な人間同士のつながりを届ける。

世界中の戦争や政治危機は、郵便労働者、我々の組合、そして我々の権利を脅かしている。したがって、UNI郵便・ロジスティクス部会は、政府、政党、武装勢力に対し、以下の要求を明確に伝える:

  1. 郵便労働者の安全:郵便労働者は安全な環境で職務を遂行できなければならない。郵便労働者とそのサービスに対するあらゆる攻撃を非難する。
  2. 郵便サービス提供の主権:国家と地域は、外部からの干渉を受けずに郵便サービスを運営する主権的権利を有し、すべての人へのアクセスを確保すべきである。
  3. 郵便サービスを受ける権利:郵便サービスは、特に通信遮断やネットワーク障害時に、情報伝達と受領に不可欠である。戦争や危機時には、人々は家族との連絡、物資や年金の受領、情報へのアクセスを必要とする。
  4. 危機時の回復力:郵便ネットワークは、危機時の国の回復力にとって極めて重要である。政府は、郵便サービスを援助や情報の提供のみならず、敵対行為終了後の復興における重要な要素と認識すべきである。
  5. 労働者の権利:郵便労働者は困難な時期においても、自らの利益を守るために労働組合に加入する自由を持たねばならない。労働組合は制限なくその職務を遂行する権利を有すべきである。戒厳令や非常事態を口実とした組合権の停止を試みるいかなる行為も我々は拒否する。

我々は、地域社会をつなぎ、支援を届け、通信という人権を守るために命を懸ける世界中の郵便労働者に連帯する。


公正な協約を求めて闘うカナダの郵便労働者に連帯を

UNI加盟組織のカナダ郵便労組(CUPW–STTP)は、全国で約5万人の労働者に公正で公平な労働契約を締結するようカナダポストに対し求める運動への連帯を、世界中の郵便・ロジスティクス労組に呼びかけている。

カナダポストは、「最良かつ最終提案」と呼ばれる提案に逆戻りしようとしている。この提案は、最近カナダ労使関係委員会が命じた投票においてCUPWの都市部業務部門と農村・郊外郵便配達員(RSMC)の両方から圧倒的に拒否されているものだ。都市部メンバーは68.5%が、RSMCは69.5%が反対票を投じた。

ジャン・シンプソンCUPW委員長は声明の中で、「政府の支援を受けてカナダポストは、我々に対して持てる全てを投げつけてきた。そしてこれまで見たことのないような宣伝キャンペーンを展開してきた。数ヶ月間、カナダポストからは脅しや恐怖をあおる言動しか聞かれなかった。それでも、組合員は立ち上がり、団結し、投票で意思を示した」と述べ、「カナダポストは真剣な交渉を始める時だ。投票結果を受けて、カナダポストは郵便労働者のニーズを満たす妥結可能な団体協約を交渉する以外に道はないことを認識しなければならない」と付言した。

2025年8月6日、CUPWはカナダポストを交渉の席に戻るよう促した。同社は条件付きで受け入れつつも、同時に新たな攻撃を仕掛けてきた——農村部の郵便配達員に対し、農村部と遠隔地の危険な郵便受けをマークしないよう指示したのだ。CUPWはこれをサービスの低下と安全性の侵害と見なしている。

カナダポストは「緊急の変革が必要」と主張しつつ、進展を遅らせている。同社は投票を強行することで交渉を2ヶ月間停滞させ、労働者のストライキ権は連邦政府によって既に6ヶ月間停止されていた。CUPWは、公正で公平かつ承認可能な団体協約の実現にコミットしており、経営側に対し誠意を持って交渉に戻るよう促している。

コルネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「カナダの郵便労働者は明確な声を上げている——カナダポストは耳を傾ける時だ。我々は、政府が強制する劣悪な条件やサービス削減を受け入れないカナダの郵便労働者に連帯する。世界中のUNIの郵便・ロジスティクスのネットワークは、CUPWと共に公正な協約と強固な公共郵便サービスの実現を求め、共に闘っている」と述べた。

CUPWはUNI加盟組織に対し、以下の行動で闘いを支援するよう呼びかけている:

  1. サポートの動員:カナダポストに公正な交渉を求め、連邦政府に対し「職場復帰法」の廃止と強制投票の撤回を要求する書簡を送る。この書式をダウンロードしてください。
  2. キャンペーンを拡大: CUPWの「Negotiate Now(=今すぐ交渉を)」のポスターを全てのソーシャルメディアチャンネルで共有し、人々の意識を高め、連帯を築きましょう。
  3. 政府の介入を非難: カナダ政府が交渉プロセスに繰り返し介入したこと、特に労働組合の会議や労働評議会の集会で介入したことを公に非難してください。

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