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新たな報告書:世界中の労働組合がアルゴリズム管理の問題に回答

近年、アルゴリズム管理システムの利用がさまざまな産業で劇的に加速し、使用者は労働者の福利厚生やプライバシー、賃金を犠牲にして生産性を優先させる新たな方法を手にしている。

こうした問題に緊急に対処する必要性から、UNIは新たな報告書『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』を発行した。 報告書は、既存の法的枠組みや交渉メカニズムを用いて、組合がどのようにアルゴリズム管理システムに対抗しうるのか、有益な指針を提供するとともに、今後の団体交渉に向けた具体的な提言も行っている。

アルゴリズム管理システムは、広範な監視とモニタリングによって、労働者と管理者にリアルタイムでパフォーマンス情報を提供している。しかし、このようなシステムでは、非現実的な生産性目標が課されることが多く、従業員に多大なプレッシャーを与え、身体的・精神的健康の悪化に繋がっている。

世界中の労働組合がこうした状況に立ち上がり、より安全な労働条件を要求し、これらのテクノロジーがもたらす生産性の利益の公正な分配を提唱している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この重大な局面における組合の意義を強調し、「アルゴリズムによる管理は深刻な新しい課題を突き付けているが、こうした新たなリスクに立ち向かう上で、労働者を代表する従来のツールは今なお重要である。労働組合には、テクノロジーの利用をめぐる交渉の長い歴史があり、何年も前に機能していた原則が、今日においても鍵となっている。労働組合は、交渉権に加えて、休憩や安全に関する既存の保護規定や、データ保護やプライバシーをカバーする新しい法律にも目を向けている。この報告書が目指すのは、こうした取組みの好事例をまとめ、互いに学び、職場における尊厳をすべての人にもたらすことだ」と語った。

グローバルな調査を通じて、UNIは、過剰なアルゴリズム管理に対処するための4つの重要なツールを特定した。
1:使用者の不公正かつ/または人権侵害的な行為を規制するデータ保護法
2:休憩や休息時間を義務付ける公正労働基準
3:安全衛生に関する規制
4:新しいテクノロジーの使用に関する交渉や協議の義務についての規定

報告書には、アルゴリズム管理が労働者に与える影響に関する交渉の指針も盛り込まれている。テクノロジー導入前に通知を受ける権利、差別の可能性を含むテクノロジーのリスクやその他の影響を評価する期間、透明性と情報を得る権利、安全衛生関する懸念に対処するための独立した労働者委員会の設置、意思決定プロセスにおける人による監督の要求などである。

UNIは組合によるアルゴリズム管理への対応について調査を継続しており、加盟組織に対し、新しい団体協約や提案、アルゴリズム管理に関する取組みなど、あらゆる情報を共有し、この進行中のプロジェクトへの参加を呼びかけている。

報告書(英文)はこちらから、日本語訳はこちら


マレーシアのイケア労組、初の団体協約を締結

マレーシアのイカノ・ハンデル労組が、2023年5月22日、イカノ・ハンデルと初の団体協約を締結した。イカノはイケアのフランチャイズ加盟店の一つだ。

クアラルンプールのダマンサラにあるイケア本社で行われた調印式には、モハメド・シャフィーBPママルUNIマレーシア加盟協(UNI-MLC)議長と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が立ち会った。

イカノ・ハンデル経営陣からは、マルコム・プルイス国内販売部長とキャロライン・ライネオ販売部門人事部長、組合からは、スハイダ・シャムスディン委員長とジャスメラ・イスマイル氏が出席した。

団体協約の有効期間は、2023年5月1日から2026年8月31日までの3年間である。

シャムスディン委員長は、「団体協約が円滑に締結されたことを嬉しく思う。組合員の意欲を高め、イケア・マレーシアを素晴らしい職場にするため、従業員と経営陣がさらなる協力をしていくことを期待している」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、団体協約を締結したイカノ労使を祝福するとともに、「スマートパートナーシップ労使関係の精神と原則に基づき、交渉を通じて組合を導いたUNI- MLCの絶え間ない支援があったからこそ、今日の団体協約締結に立ち会うことができた」と語り、UNIマレーシア加盟協にも賛辞を送った。


ホフマンUNI書記長、「組合は重要なデジタル・ガードレール」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2023年5月初旬にオンラインで開催されたパネルディスカッション『データ・オン・パーパス2023:労働者のためのテック・ワークを実現する』の中で、新たなテクノロジーが仕事を変えていく中で、労働者の権利を守る上で、強力な組合と団体交渉が不可欠であると語った。

ホフマン書記長は、ミーラ・ジョシュ・ニューヨーク市副市長、オックスフォード大学フェアワーク・プロジェクトのカビタ・ダッタニ博士研究員 とともに、パネルディスカッション『労働者のためのデジタル・ガードレールの構築』の中で講演した。

特にアルゴリズム管理システムなど、テクノロジーを使った職場におけるデータ収集範囲や人権侵害はここ数年で急速に変化しているが、同書記長は、テクノロジーが労働者に及ぼす多くの課題は、既存の解決策で根本的に解決できると訴えた。

「労働組合は何十年も前からテクノロジーをめぐる交渉を行ってきた。例えば、製造業では1980年代にロボットが導入され始めたが、その頃からの重要な原則(通知、リスク評価、実施と影響に関する交渉)の多くは、現代においても有効だ。(中略)例えば、ドイツでは、労使協議会が、アルゴリズム管理システムによって収集された個人データの使用を制限し、日単位や時間単位の個人指標としてではなく、チームレベルの実績を長期的に評価するためにのみ使用できるようにしてきた。」

また、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)の協定について紹介し、モニタリングは毎月特定の時間に限定すること、モニタリングが行われる際には労働者に通知すること、モニタリングは懲戒ではなくフィードバックを目的とすることを求めていると述べた。

さらに、UNIが最近、大手コールセンター企業と締結したグローバル協定で、業務上の監視が業務上の必要性と比較して「不釣り合い」であってはならない旨を定めている点も例に挙げ、 「勤務時間中ずっとカメラで監視されているようなことを、受け入れるべきではない」と強調した。

また、こうした監視によって労働者は心理社会的ストレスにさらされ、また身体的なダメージにつながる可能性もあり、極端な監視で労働者の生産ペースを押し上げているアマゾンでは、負傷率が高くなっている。人間離れした目標を達成しなければならないというプレッシャーから、労働者は法律で義務付けられている休憩をとれなくなることもある。

企業によるこうした行き過ぎた行為を組合が止められるよう、UNIは今後数週間以内に、世界中の労働者が集団の力を使ってテック・ワークをどのように自らにとってより良いものにしてきたかについて、詳述した資料を発行する予定だ。

最後にホフマン書記長は、「企業がビジネスのやり方を変える際は、労働者と話をしなければならない。組合と対話を行い、新しいツールを適切に導入し、発生した問題を解決するために、強力で独立した安全衛生委員会、あるいは技術委員会が設置される必要がある」とまとめた。


Make Amazon Pay、ストライキ中の米国作家組合と連帯

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同提唱する、80以上の組合、市民社会組織、環境保護団体、税金監視団体からなるグローバル連合「Make Amazon Pay」(アマゾンに支払わせる)が、米国東部・西部脚本家組合(WGA)のスト参加メンバーおよび世界中の組合員との連帯を示すため、力を結集している。

2023年5月15日(月)に行われるこの世界行動デーの目的は、アマゾン・スタジオ( アマゾンの子会社で、テレビ・映画制作・配給会社)が制作する番組に関わる作家の公正な報酬と労働条件の改善を求めるWGAの要求を後押しすることだ。加えて、英国、スペイン、ドイツなどの国々で、長年にわたって公正さと尊重を求めるキャンペーンを展開してきた組合員の継続的な闘いに焦点を当てている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「米国の作家たちは、欧州におけるアマゾン倉庫でストライキを決行した労働者とともに、アマゾンの事業全体で公正さと権利の尊重が喫緊に必要であることを示している。彼らの仕事はそれぞれ異なるが、正当な賃金を求め、テクノロジーが仕事にどのように影響するかについて発言を求めるなど、共通の要求で団結している。アマゾンの責任を問う運動の一環として、我々は、尊厳、公正な報酬、労働条件の改善を求める労働者たちの闘いに連帯する。アマゾンに、作家、梱包作業者、荷揚げ業者、ドライバー、すべての労働者への賃金を支払わせる時が来た」と、ストライキ中の作家や組合員への連帯を表明した。

プログレッシブ・インターナショナルのダニエル・コップMAP共同コーディネーターも、「Make Amazon Payが主導する世界規模の行動デーが発しているのは、『国境を越えた労働者が、正義、公正な賃金、労働条件の改善を求めて団結している』という強力なメッセージだ。アマゾン・スタジオ内の作家と組合員に対する搾取は、我々が直面している体系的な問題のほんの一例に過ぎない。共に企業権力に挑戦し、労働者の権利が守られ、尊重されるより公正な世界を築いていこう」と意気込む。

アマゾン・スタジオで働く作家や組合員は、アマゾンのエンターテインメント事業の成功にとって、欠かせない存在である。しかし、賃金が削減され、低い労働条件で働く中、世界規模でストライキや抗議行動を引き起こしている。Make Amazon Pay連合は、ストライキを起こした作家や組合員に団結し、アマゾンを含むスタジオが、彼らの仕事によって生み出された計り知れない価値を認識し、公正な報酬、労働条件の改善、相応の敬意を与えることを要求している。

この世界行動デーは、個人や組織が様々な方法で参加することを奨励している。支援者は、ポスターを持った写真を共有し、#MakeAmazonPay、#WGAStrike、#UnionRightsのハッシュタグを使い、オンラインで連帯を示すことができる。さらに公式請願書に署名し、WGAおよびアマゾン労働者を代表する他の組合に、直接支持を表明することもできる。

Make Amazon Pay連合は、アマゾンのビジネス慣行が相互に関連し、世界の労働条件に影響を与えていると認識している。労働者と同志が共に立ち上がることで、国境や業種を超えた強力な運動を構築し、すべての人の尊厳、公正な賃金、労働条件の改善、組合の権利を擁護することができる。

共に闘うことで大きな影響を与え、Make Amazon Pay運動の集団的な力を示すことができるよう、2023年5月15日(月)の世界行動デーに参加する個人、組織、支援者を募っている。世界行動デーに参加する方法とリソースへのアクセスに関する詳細は、https://makeamazonpay.com/its-writers を参照。


UNI Apro商業部会委員会を東京で開催!

11年ぶりの日本開催となった標記会議が、2023年5月8~9日に開催された。UAゼンセンと自動車総連がホストを務め、オーストラリア、マレーシア等から各国委員が出席し、UNI本部からは、UNI世界商業部会議長、同部会担当局長及び事務局等含め、約30名が出席した。

永島智子UNI Apro商業部会副議長(UAゼンセン)、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長による歓迎挨拶、ジェラルド・ドワイヤーUNI Apro商業部会議長(豪・SDA)による開会挨拶に続き、最初のセッションでは、スチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長(米国・RWDSU)が「立ち上がれ、商業労働者」、マタイアス・ボルトン同担当局長が「商業労働者のグローバルな展望」と題して報告を行った。

商業部門における暴力防止の取組み」をテーマにしたセッションでは、日本からは波岸孝典UAゼンセン事務局長が、日本のカスタマーハラスメントに対する取組みを報告した。

また、「青年と機会均等活動」についてのセッションでは、寺嶋雪乃UAゼンセン多様性協働局副部長が、更年期障害や生理休暇といった女性の健康に対する支援、村上瑞紀自動車総連国際局部長が、ワークライフバランスや多様性推進に向けた取組み等を報告した。海外の参加者からも多くの質問が寄せられ、関心の高さが示された。「エッセンシャルワーカーの正義ために、共に立ち上がろう」のテーマでは、永島副議長が、流通部門におけるコロナ禍での取組みや賃金闘争について報告した。

午後にはUAゼンセン本部を見学し、各部門の業務や春闘の進め方について説明を受けた後、自動車総連に移動し、同幹部との意見交換会を行った。

2日目には、郷野晶子ITUC会長より「国際労働運動が直面している状況と国際連帯」をテーマに基調講演をいただき、民主主義や人権、労働安全衛生などの課題について討議した。

並木泰宗UNI Apro商業部会副議長(自動車総連)の閉会挨拶で委員会を終了後、海外参加者は午後からイオン本社及びイオンモール幕張新都心店を表敬し、同社労使と意見交換会を行うなど充実した2日間となった。


UNI、ファッションブランド企業にミャンマーからの撤退を求める

UNIは、衣料品・繊維ブランド企業に対し、労働組合に加入する権利を含め、基本的人権が踏みにじられている軍事独裁国家ミャンマーから製造事業を撤退させるよう、求めている。

この立場は、2023年5月4日に開催されたUNI世界運営委員会で採択され、ミャンマー労働組合連合(CTUM)や姉妹グローバルユニオンであるインダストリオールの要請と一致するものである。

5月初旬にスウェーデンの製造業労組であるIF Metallの代表は、スウェーデンのUNI加盟組織UnionenおよびHandelsとともに、スウェーデンのファストファッション大手H&Mに対し、東南アジア諸国からの事業撤退を要請する記事の中で、次のように述べている。

「ファッション産業は、ミャンマーの軍事政権にとって重要な外貨獲得源であり、武器やエネルギー、その他商品の購入に使われている。この産業は、特に中央銀行を握る政権の維持に寄与しているのである。ミャンマーで事業を続ける企業は、このように軍事独裁政権を間接的に支援しているのだ」

ミャンマー情報省によると、昨年の衣料品輸出額は47億米ドルに上った。

インダストリオールは、H&Mも加わっている『Ethical Trading Initiative』が昨年、「個々の労働者の声が抑圧され、組合が禁止され、労働組合員が投獄・殺害されている状況において、デューディリジェンスは不可能である」という趣旨の報告を発表して以降、インディテックス、ファーストリテイル、Tchibo、プライマーク、マークス&スペンサーといったグローバルブランド企業が、ミャンマーから撤退、もしくは撤退計画を表明したことを指摘している。

UNIは以前から銀行に対し、ミャンマーの軍事政権と関係を持つ企業に対する投資撤退を迫ってきたが、今回UNIは、この新たな行動要請について、加盟組織(特に商業部会)への働きかけを開始する予定だ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「2年前のクーデター以来、軍事政権は残虐行為を次々と行ってきた。この国でビジネスを行うことは、この残虐で野蛮な政権を後押しするものであり、ファッション小売業者は、この国で製造しながら『責任ある』あるいは『持続可能な』ビジネスを行うことはできない」と、断言した。


国際労働災害犠牲者追悼日: 安全衛生委員会を通じ、より安全な仕事に向けた組織化を

世界中の組合が昨年、安全衛生をILOの基本的権利とすることに成功した。そして今、労働者はより安全な仕事を求めて組織化し、特に安全衛生委員会を設置し、苦労して得た成果を現実のものとしている。

UNIは、4月28日の国際労働災害犠牲者追悼日(労働安全衛生世界デー)に、職場で命を落とした人々を追悼し、負傷した人々を見舞うとともに、仕事における被害を防止するための取組みをさらに強化していく。安全衛生委員会は、危険な労働環境に対する第一の防衛線である。

安全衛生委員会は、パンデミック以降、かつてなく重要性を増している。パンデミックのピークが過ぎ去ったとはいえ、個人用保護具の不足、第三者による暴力の増加、長時間労働、過酷な労働ペース、労働者のメンタルヘルスへの負荷の増大は、根深く深刻な問題となっている。

しかし、労働者は反撃に転じおり、労働組合を通じ、自らの仕事をより安全なものにしようと取組んでいる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「生活費の危機は、ストライキや職場での行動に拍車をかけたが、それと同じくらい重要なのは、パンデミックが安全衛生をめぐる組織化を再活性化させたことだ」と述べ、「職場でウイルスに感染したために、数え切れないほどの労働者が死亡し、また長期に及ぶ影響を受けたりしている。しかし、労働者が直面している深刻なリスクはOCVID-19だけではない。労働者は、より少ない時間と賃金で、より高い生産性を求める使用者によって、限界まで追い込まれている。このような厳しい状況は、労働者の身体に負担をかけるとともに、精神衛生もむしばんでいる」と指摘した。そして、「我々が世界中の労働組合とともに、仕事をより安全なものにし、安全衛生委員会を強化するために立ち上がっているのは、そのためだ。仕事は尊厳とエンパワーメントの源であるべきで、被害や病気、死をもたらすものであってはならない。負傷者も死亡者も、たった一人であっても、望ましくない」と語気を強めた。

昨年UNIは、アウトソーシング顧客サービス大手のテレパフォーマンスと画期的なグローバル枠組み協定に合意した。この協定には、職場で働く労働者とリモートワーカーの双方の従業員の問題に対処する、選挙で選ばれた組合の安全衛生委員会の設立が含まれている。また、安全衛生委員に対する研修や、職場のあらゆる危険を特定し改善するためのプロセスも規定されている。

また協定では、心理社会的リスクに対処するため、業務上の監視について「業務上の必要性に応じて」、「労働者のプライバシー権を尊重する」として、これを制限している。テレパフォーマンスは、カメラやAIモニタリングなどの監視ツールを会社がどのように使用するか、また、そのデータをどのように実績評価に使用するかについて、労働者に通知することになっている。

UNIは、より安全な仕事とより強力な組合のために組織化能力を高めている世界中の加盟組織とともに歩んできた。例えば、ネパールのUniPHINに支援を行ってきたが、安全衛生委員会が病院労働者の組織化において重要な役割を果たすようになっている。UniPHINは、パンデミックのピーク時である2021年に、労働者の安全衛生に関する研修を開始した。この研修を通じて、組合は安全衛生委員会を創設し、労働者は個人防護具、メンタルヘルス支援、休暇を得られるようになった。

オルグも務めるプラティマ・バッタUniPHIN財務部長は、「多くの労働者にとって、UniPHINは希望の源であり、困難な時期にも新しい組合員を組織することができた」と述べる。

ペルーのトトゥス・ハイパーマーケット労組は、2016年から同社の従業員に対し、自らの安全衛生代表を選ぶ権利について教育するキャンペーンを行ってきた。その結果、会社側からの干渉にもかかわらず、組合代表が安全衛生委員会に十分に参画できるようになった。同労組は、労働安全衛生の課題をめぐって労働者の訓練と組織化に投資したことで、負傷者が減少し、また組合も強化された。

労働安全衛生の取組みによって刺激を受けた若い組合員が、全国のトトゥス店舗で座り込みを行い、組合の力が発揮された。新協約の交渉で会社に譲歩を迫った結果、大幅な賃上げが実現したのである。組合員が連帯し決意を示した結果、安全衛生委員会が労災を防ぐだけでなく、他の問題をめぐって組織化できるということを示したのである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働安全衛生は基本的権利であるが、組合がなければ、労働者の権利が軽視されることを我々は目の当たりにしてきた。国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、我々は世界中の組合と協力し、組織化を通じて安全な仕事を確保し、安全衛生委員会の重要性を強調したい」と力を込めた。

ITUCの国際労働災害犠牲者追悼日の資料はこちらから。


英国コベントリーのアマゾン労働者、組合承認を要求

英国コベントリーのアマゾン労働者が、賃金をめぐる数か月間のストライキを経て、組合承認を求めている。GMB労組は、コベントリーのアマゾン労働者の半数以上が組合員となり、組合承認の必要基準を満たしていると発表した。これにより、労働者は賃金や労働条件について団体交渉の権利を得ることになり、アマゾンでは初となる。

GMB労組は、アマゾンが全社的に労働者の賃金・労働条件を改善するようキャンペーンを展開しており、今回の動きはキャンペーンにとって大きな前進となる。同労組は、数週間のキャンペーンと14日間のコベントリーでのストを経て、アマゾンがGMBと腰を据えて賃金について協議するよう、呼びかけた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「アマゾンの労働者にとって流れは変わりつつある。アマゾンは労働者の声に耳を傾け、組合と協力して全社的な賃金・労働条件の改善に取組むべき時だ。英国のアマゾン労働者は自らの権利を求めて立ち上がっており、UNIは彼らとともに歩んでいる」と力強く語った。

コベントリーでは、労働者が賃金や労働条件の改善を求めて、ここ数か月、大規模なストライキが行われている。GMBは、アマゾンが全社的に賃金を改善するようキャンペーンを展開しており、労働者は生活するのに十分な賃金を得られていないと主張している。

アマンダ・ギアリングGMBシニアオルグは、「数週間のキャンペーンと14日間のストライキの後、組合員は職場における組合の力を高め、今では承認申請をするまでになった(中略)アマゾンの上層部は交渉を拒否してきたが、今や労働者が経営陣を交渉のテーブルに着かせようとしている」と語った。

アマゾンでの組合承認キャンペーンは、会社全体で労働者の権利を求める広範な運動の一環である。アマゾンは近年、劣悪な労働条件や低賃金など、労働者の扱いをめぐって批判にさらされている。同社はまた、労働者の組織化を妨げるために反組合的な戦術を用いていると非難されている。


ラナ・プラザの災害から10年、さらに多くのブランド企業が国際アコードに署名を!

UNIとインダストリオールは、衣料品産業史上最大の災害となったラナ・プラザ工場の崩壊から10年の節目を迎え、衣料品・繊維ブランド企業に対し、バングラデシュやパキスタンなどの国において、労働者の安全確保にむけた国際アコードへの署名を、呼びかけている。

2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ郊外にある8階建てのラナ・プラザビルが崩壊し、1000人以上の労働者が死亡、2500人以上が負傷した。世界的なブランド企業の服を製造する工場が入っていたこのビルには、悲劇の前日に深い構造上の亀裂が発見されていた。しかし、建物の安定性を懸念する声にもかかわらず、翌朝、縫製労働者は工場に入らなければ職を失うと告げられた。

それから10年が経ち、バングラデシュ・アコードが締結された工場で働く労働者の安全性は、間違いなく向上している。2013年にUNIとインダストリオールが主導し、グローバルブランド企業や小売業者との間で締結した法的拘束力のあるアコードは、それ以来、バングラデシュの縫製産業の工場の安全性を改善し、労働者に危険な仕事を拒否する権利を与え、命を救い、結社の自由を支え、団体交渉の件数を増やしてきた。

現在、194のブランド企業と小売業者がこの協定に署名しており、バングラデシュの約240万人の労働者が対象となっている。また、パキスタン・アコードには46のブランド企業と小売業者が署名しており、検査プログラムが実施されれば、同国の75万人の労働者がカバーされることになる。

しかし、サプライチェーンにおける労働者の安全に対してより大きな責任を負うべきブランド企業、特にリーバイス、ギャップ、ウォルマート、アマゾンなどの米国企業は、このアコードへの署名を拒否している。これらのブランド企業が署名することで、より多くの衣料品や繊維製品の労働者を危険な状況から守ることができ、2023年10月に期限が切れるこのアコードの更新を求める動きも強まるだろう。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この厳粛な節目の年に、我々はラナ・プラザの悲劇によって永遠に命を奪われてしまった人々を悼み、このような災害が二度と起こらないようにすることで、彼らを追悼したい。最善の方法は、このアコードの活動を拡大し、署名するブランド企業の数を増やすことだ」と述べ、「アコードには、企業による監査よりも、安全な労働を作り出してきたという実績がある。実際、ウォルト・ディズニーのような一部の企業は、自社工場がアコードの基準を満たすことを要求しているが、アコードに署名することでその実現を支えることにはコミットしていない」と指摘した。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、「バングラデシュの衣料品産業では大きな進展が見られたが、安全な工場を獲得するためには、まだ闘いが必要だ」と述べ、「我々が着る服を生産する労働者は、生活賃金とまっとうな労働条件のある職場で働くべきであり、命を脅かされるような職場には相応しくない。アコードをより多くの国に拡大し、真の国際的な協定とする上で必要な影響力を得るため、特に北米で、より多くのブランド企業がこのアコードに参加する必要がある」と指摘した。

これまでに、バングラデシュの2,400以上の縫製工場で、約56,000件の安全検査が実施された。14万件以上の事案が是正され、現在アコードの対象となっている工場の是正進捗率は合計で91%となっている。


バングラデシュ加盟組織、大規模火災で被災した15,000人の労働者への支援を呼びかけ

2023年4月4日早朝、バングラデシュ・ダッカの人気衣料品市場バンガバザールで発生した大規模火災は、数時間のうちに数千の小規模店舗と零細企業を灰燼に帰した。

この複合施設と隣接するボンゴマーケット、グリスタンマーケット、マハナガール・ショッピングコンプレックス、アダーシャマーケット、アネックスタワーにある推定6千店舗が被害を受けた。

死者は出なかったが、消火活動中に18人が負傷したこの災害は、ラマダン月の最中に発生したため、たちまち世間の注目と同情を集めた。

メディアでは、被災者(主に小規模な商人や事業者)を支援するために比較的迅速な対応が取られたと報じられた。しかし、多くの関心は商店主たちに向けられ、1万5千人の労働者や市場の従業員の苦境は、ほとんど語られなかった。

店舗労働者の利益を擁護する全国店舗従業員組合(NSEF)は、2023年4月7日にダッカのナショナル・プレスクラブ前で人間の連帯の鎖を作り、政府と使用者に対し、被災労働者に給与と慣例のイード賞与を支払うよう、働きかけた。

この中で、アミラル・ハク・アミンNSEF書記長は、「店舗で働く約15,000人の従業員は、イード祭前の販売期間によって、月給や賞与を得ることができるが、今回の火災で全員が仕事を失ってしまった。政府と使用者に対し、労働者の働きと貢献を忘れず、彼らが給与と賞与を受け取れるようにすることを求める。また商店主協会と政府に対し、この災害から学び、安全な職場を確保するよう訴える」と述べた。

NSEFは、ラマダン開始直前に、全国で600万人の店員を雇用している店主や商店主協会に対し、これらの従業員に月給とイードボーナスを確実に支払うよう、公にアピールを発表していた。

バングラデシュの店舗労働者のほとんどは、日雇いで、店舗の従業員として正式に登録されていないため、不安定な条件と雇用の下で働いている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、今回の被災者を見舞い、「我々はNSEFの取組みを支持し、その具体的な行動によって、イード祭までに労働者に尊厳ある成果を得られるよう、心から願っている」と述べた。

NSEFは、UNI世界商業部会の加盟組織であり、バンガバザール市場の火災で被災した15,000人の労働者・従業員に緊急支援を提供するため、国際的な連帯を呼びかけている。


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