2023年6月下旬、スペインのH&M労働者とスペイン労働者委員会(CCOO)サービス部門およびFESMC-UGTが、大規模なストライキを実施した。同社との交渉が何か月も難航したことに不満を募らせた従業員は、労働条件の改善と賃金の公正化を要求するため、決定的な一歩を踏み出した。
労働条件の改善と公正な賃金を求めて数か月に及ぶ交渉に耐えてきたスペインのH&M労働者が受けたのは、会社からの期待はずれの提案であった。「不十分で非常に具体性に欠ける」回答を得た従業員には、行動を起こす以外の選択肢は、残されていなかった。労働組合を通じて集団的に業務を停止し、その結果、スペイン全土の推定100のH&M店舗で混乱が生じた。
労働者の不満の中心には、差し迫ったさまざまな懸念がある。スペインのH&Mの従業員は過重労働が負担となっているが、低賃金のパートタイム従業員の割合が高いことが、その状況をさらに悪化させている。加えて、内容に大きなバラつきのある複数の地方協定が存在するため、全国で労働者が受け取る報酬や福利厚生は、統一性や公平性に欠けている。
2023年6月20日に、H&Mの労働者は11時から13時までと、20時30分から22時30分まで、続く2日間のストライキの前哨戦として、部分的な作業停止を行った。作業停止は大成功を収め、約100店舗で混乱を生じさせた。2日後の22日には、初の24時間ストライキを実施し、H&Mの経営陣に明確なメッセージを送った。6月26日(月)にも行動が予されている。
オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「H&MはEU全域で巨大な使用者であるが、スウェーデンからスペインに至るまで、H&Mは最近、労使関係において対立的なアプローチをとっている。労働者と組合は、収益を労働者から利益へと振り向けようとする経営陣による、労働時間の削減と低賃金の常態化を許さない。我々は経営陣に対し、労使関係のアプローチを再考するよう、強く求める」と述べた。
このストライキは、スペイン全土の他の企業や産業の組合から大きな支持を集めており、H&Mの従業員が示した強靭さと決意は、同国の労働者全体における公正な待遇と労働条件改善の必要性を強調し、結集点としての役割を果たした。自らの権利のために立ち上がったH&M従業員の勇気は、同じような困難に直面する他の労働者を、鼓舞している。