ブログアーカイブ

ミャンマーの民主化のために闘う労働者に「恐怖からの解放賞」

ミャンマー労働アライアンス及び労働者、UNI「恐怖からの解放賞」を受賞

UNIは、自らの自由と命を危険に晒しながらもミャンマーに民主主義を取り戻すために闘っている、ミャンマーの労働者とミャンマー労働アライアンスの並外れた勇気を称え、ミャンマー労働アライアンス及び労働者に「UNI恐怖からの解放賞」を贈った。

2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが発生した。激怒した労働組合と市民社会組織は、アウンサンスーチー氏を中心とする民主的な選挙で選ばれた政権の回復を求め、市民の不服従運動を立ち上げた。

数千人もの公務員が政府の仕事を辞め、鉄道労働者が列車を止め、民間部門の労働者は全国ストを打った。ミャンマー銀行労組(MBU)やミャンマー銀行労連(BWTUFM)の組合員6000人もこれに加わった。

「UNI恐怖からの解放賞」の受賞に際し、ミャンマー労働アライアンスとミャンマーの労働者を代表して、ミャンマー労働組合総連合(CTUM)のサンダ・ソー副書記長は次のように述べた。

「この残忍な軍事政権との闘いは容易ではなく、非常に厳しい。危険を冒さなければならないことはわかっている。逮捕され、拷問され、投獄され、殺される。だが、他に選択肢がない。人々の力を取り戻すため闘わなければならない。兄弟姉妹の皆さん、皆さんからの連帯支援に支えられ、我々は勝利するまで闘い続ける。軍事独裁政権は撤退すべきだ。我々の革命が勝利しなければならない!」

1000人以上が殺害され、組合員を含む数千人の活動家が投獄され、60人以上が死刑を宣告されている。

UNIは、世界の労働運動と共に軍事クーデターを非難し、軍部が民主的秩序を回復し、全ての政治犯を釈放するよう要求している。

UNI世界運営委員会は、ミャンマーにおける権利と民主主義回復の闘いを支えるため、できる限りのことを行うとする声明を発表した。また、多国籍銀行に対しては、軍事政権と関わりのある企業から直ちに投資撤退するよう書面で要請し、9月15日の「ミャンマーのための世界行動デー」においても、この要請をあらためて強調した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ミャンマーの民主的選挙からちょうど1年となる今週、この賞を贈ることは意義深い。だがその政権は、暴力によって覆されてしまった。我々は、ミャンマーの労働者が、ミャンマー労働アライアンスと共に、民主主義を不屈の精神で粘り強く追求してきた勇気と決意を称えたい。ミャンマーの人々の勇気ある行動は、世界の労働運動、更には世界中を奮い立たせ、支持を集めている。我々は連帯し、民主主義が回復するまで支援の手を止めることはない」と力を込めた。

「UNI恐怖からの解放賞」は毎年、危険を冒しながらも組合の組織化や労働者の権利を促進し、恐怖のない世界の実現に貢献した個人や団体に贈られる。


UNI Aproファミリー、松浦新会長の就任を歓迎

2021年11月5日にオンライン開催された第29回UNI Apro執行委員会は、松浦昭彦UAゼンセン会長を、新たな会長に選出した。2015年から地域会長を務めた野田情報労連前委員長を引き継ぎ、UNI Aproを率いていくこととなる。

委員からは祝福の言葉が相次いで述べられた。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長も、「松浦会長はこれまでも副会長を務め、UNI Aproの状況をよくご存知なので、非常に心強い。豊富なご経験と知見でUNI Aproを強化し、次のステージに導いてくださるだろう」と期待を寄せた。

松浦会長は就任挨拶の中で次のように述べた。「コロナ危機の中で、アジア太平洋各国の組合は政府や経営者と交渉し、労働者保護のための協約や制度を勝ち取り、重要な役割を果たしてきた。我々の取組みによって、“やはり組合は必要なのだ”と認識された。我々はより多くの労働者を組織化し、組織を強化することによって影響力を発揮し、労働者を保護するための取組みを更に進めなければならない。アジアはグローバル化の中で経済的に急速に成長してきた地域だが、その一方で、ミャンマーにおけるクーデター、香港の民主派活動家への抑圧、フィリピンの反テロ法等、深刻な民主主義への攻撃が起こっている。アジアの多くの国では労働組合権が十分に認められておらず、サプライチェーンの底辺で不安定な雇用と劣悪な労働条件下で働く人も多い。その他にも、AIやロボット等の新技術の進展、気候変動といった我々の労働の未来に大きな変化をもたらすであろう多くの課題がある。そのような状況で、UNI Apro会長という大役を担うことの重責を感じている。今後、地域会長として、ラジェンドラ地域書記長をしっかりと支え、この地域のUNI加盟組合の皆さんと共に、全ての労働者の権利保護、安全、労働条件向上のため精一杯取組む所存だ。」

野田会長は、次のように退任の挨拶を行った。「6年前にクアラルンプールのUNI Apro地域大会で会長に選出されてから、多くの国を訪問し状況の理解に努め、リーダーの皆さんと人間関係を築いてきた。この2年はコロナ禍で皆さんに会うことができず残念かつ心残りだ。UNI Aproには、UNI Aproらしい良さがある。松浦新会長のリーダーシップの下、UNI Aproの益々の発展を祈っている。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNI本部及びUNI Aproにおける書記長交代という重要な移行期をずっと支えてくださり、大変感謝している。野田会長はUNI Aproだけでなく、ICTS部会の偉大なリーダーとしても、思慮深く、献身的かつ現実的に部会を主導してくださった。お忙しい中でもUNIの取組みに大変なエネルギーを注いでくださったことに、UNIを代表して“ありがとう!”と申し上げたい」と、野田会長に感謝の意を表した。

アチャリャUNI Apro地域書記長も、「事務局を代表し、野田会長の力強いサポートに心から感謝する。退任されても、UNI Aproの発展にお力添えをいただきたい」と述べた。

また、並木自動車総連事務局長及び石川JP労組委員長はUNI Apro副会長に、安藤情報労連委員長はUNI世界副会長にそれぞれ確認された。須齋損保労連事務局次長はUNI Apro女性委員会副議長として運営委員会メンバーに確認された。

新たな役員体制の下、UNI Aproファミリーは、コロナ危機を克服し、前進していくことを確信した。


郵便労働者はエッセンシャルワーカー、その5つの理由

郵便労働者は、どんな場所であれ世界中の人々をつないでいる。世界で最初のソーシャルネットワークを確立した草分けだと言っても間違いではないかもしれない。郵便労働者は長い間、手紙の配達以上の働きをしてきた。良い時も悪い時も、世界中で感染症が蔓延しようが、自然災害が起ころうとも、郵便労働者のおかげで、手紙や小包み、薬や他にも様々なものを受け取ることができた。人々の多様なニーズに応えるため、かつてないほど郵便労働者は頼りにされている。郵便労働者がエッセンシャル ワーカーである、その5つの理由とは。

  • 郵便労働者はコミュニティの力を後押しする。コロナ禍で、郵便は、混乱状態にある時もコミュニティ及び個人にとってライフライン(頼みの綱)であることが示された。ロックダウン(封鎖)期間中も、郵便労働者はコミュニケーションや商業活動を持続させ、社会的便益を運営する上で不可欠な役割を果たした。郵便配達が変わらず機能したことは、ロックダウンという異常時であっても、人々がある種の普通の生活を送ることに役立った。
  • 郵便労働者は手紙以上のものを届ける。郵便は、コロナ禍の間に、新たなサービスを提供した。例えば、コスタリカでは薬を、フランスでは宿題の課題を、ポルトガルや米国では学生にラップトップパソコンを届けた。イタリアでは年金の支払いを届け、日本では高齢者や弱者の状況を確認した。郵便はその広範なネットワークを活かして、臨機応変に対応できる唯一無二の立場に置かれている。
  • 小包み配達にも郵便労働者は不可欠だ。郵便労働者は、コロナ禍の間、通常の任務以上の仕事をやり遂げた。通販の激増に伴い、記録的な1100億件の小包みを配達するために超過勤務を行った。小包の配達が保証されたおかげで、多くの中小企業は、通販チャンネルを開発し拡大することによって、コロナ禍を生き残ることができた。
  • 郵便は良質な雇用の源泉だ。郵便部門では、世界中で530万人以上の労働者を雇用し、多くの国で2番目に大きな使用者となっている。危機の際や、それ以外の時でも、常に郵便が社会のニーズに応える用意ができているようにするため、良質な雇用と訓練された労働者を維持することが極めて重要なのである。
  • 郵便労働者はみんなに愛されている!郵便労働者は世界の隅々で愛されている!例えば、米国では、郵便局は政府事業体の中でトップの人気を誇り、郵便局への信頼も高い。世界で65万の郵便局を持つ郵便ネットワークは、我々一人ひとりに関わり感動を届けている。

世界郵便デー:郵便労働者に敬意を表して

10月9日の世界郵便デーに当たり、UNIは、世界100か国、250万人の郵便労働者の利益のために闘う加盟組織を支援する。コロナ禍中にあっても、郵便労働者が安全に仕事ができるよう尽力したUNI郵便・ロジスティクス部会加盟組織の奮闘のいくつかを紹介したい。

成功事例

  • アルゼンチンのUNI加盟組織FOECYTや、セネガルのSNTPTは、コロナ禍に関わる労働者の職場での経験や懸念を把握するため、危機管理委員会を立ち上げ、健康状況を注視し、必要に応じ、安全確保の対策を取った。経営側との対話や、強力な団体協約を通じて、組合は、労働者のニーズを反映した作業手順を確立することができた。
  • パキスタンの郵便労働者は、パンデミックの最中、適切な安全対策もないまま、年金の配達を行うよう要請を受け、危険にさらされていた。経営陣及び管轄省に働きかける等UNIからの支援を受け、郵便労組は、現金配達を阻止することができ、配達中に強盗に狙われることがなくなった。
  • UNIが呼びかけた国際連帯行動の後、モロッコの加盟組織NFPL-UMTとモロッコ郵便経営陣は合意に達し、11日間に及ぶストに終止符を打った。合意した協定では、50米ドルの賃上げ、成果給の増加、降格された20人の労働者の復位が実現した。
  • 地域及び国際レベルでUNIが介入し、ブラジルの郵便管轄大臣に書簡を送った後、郵便労組FINDECT及びFENTECTは、適切なリスク評価も安全手順もないまま、1800万人に緊急支援を配達するのに郵便局を使うという、ブラジル郵便の計画を阻止することができた。
  • UNIアフリカDHL労組アライアンスに今では、アフリカ大陸26か国26労組が参加するまでに拡大した。アライアンスは、DHL労働者を守るため、労働安全衛生を優先課題であるとし、安全衛生に関する優良事例や情報を交換する場となっている。 
  • パンデミック当初から、UNIはUPU(万国郵便連合:郵便業務の効果的運営によって諸国民の通信連絡を増進し、文化、社会及び経済の分野における国際協力に寄与することを目的とする国連専門機関)と、労働安全衛生を重視し、コロナ禍にあっても労働者の安全を優先することを宣言する、共同声明を発表した。この宣言は、地域レベル(UPAEP/PUASP及びUNI米州地域組織)でも署名され、活用されている。
  • UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、迅速に「郵便・ロジスティクス部門の労働安全ガイドライン」をまとめた。情報提供、支給、対策を中心とするガイドラインは多くの国で実施されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように称えた。「世界郵便デーにあたり、世界中の郵便労働者に敬意を表したい。パンデミックの間も変わらず、社会やコミュニティが機能し続け、つながりを保てるよう、奮闘してきた。労働組合は、労働者の権利を守り、労働者及び顧客の安全を守るため、主要な感染防止・安全衛生対策を交渉で勝ち取る等、困難に共に立ち上がった。過去1年半で、力強い郵便労働者の仕事と堅強な郵便ネットワークのおかげで全ての人々が社会とのつながりを保てることが証明された。」


「安全衛生は職場の基本!」ディーセントワーク世界行動デー2021に際し、UNI Aproよりメッセージ

2021年10月7日の「ディーセントワーク世界行動デー」にあたり、UNIは世界に向けて「今こそ、全ての人々を守るため、交渉と規制を通じて、新しい安全基準を設定する時だ」と発信した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「コロナ禍をきっかけに、世界中で労働安全衛生の問題が注目されるようになった。労働者の権利についての議論では中心課題となり、勤務中の、以前からある、或いは新たに発生した様々な危険から労働者を守るために欠かせない、労働組合が果たしている重要な役割が浮き彫りにされた」と述べた。

「職場の安全衛生は基本的な権利であることを認識しなければならない。」

UNIは、「ILOが職場の安全衛生は基本的な権利であると認定するよう、全ての組合に働きかけを要請するキャンペーン」を展開しており、UNI Aproはこれを強く支持する。

ILOは政労使から成る三者構成機関であり、労働組合は使用者及び政府に対し、労働安全衛生を最高レベルの国際労働基準に格上げするよう要求している。基本的権利とは、全ての国及び労働者に適用される権利である。 

2019年に政労使代表により満場一致で採択された、ILO創設100周年記念宣言では、全ての労働者にとって労働安全衛生が重要であることが認識されている。

その後、職場におけるテクノロジーの拡大使用によって発生したリスクに、コロナ禍中の危険が重なり、職場の安全衛生を基本的権利とする必要性の緊急度が高まると同時に、労働組合はその権利を徹底し行使する上で不可欠であることが示された。

「余りに多くの労働者が仕事中に感染し亡くなった。ILOレベルでのアクションがあれば、現場レベルで安全な職場を促進する組合の役割も果たしやすくなるだろう」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

「新型コロナウィルスは、働く人々の健康を脅かす多くの新しい問題の1つに過ぎないが、加盟組織は全ての労働者にとって職場を安全に保つことができると確信している。」

UNI Aproは、加盟組織の各職場での取組みを強く支持します!


UNI、スイスで組織化中のDPD労働者に連帯

DPDは時間稼ぎをやめて交渉を始めるべきだ。過重な労働時間、無給労働、過大なストレス。スイスのUNI加盟組織UNIAによれば、これらは同国のDPDドライバーがより良い仕事を求めて組織化を進めている理由の一部に過ぎない。残念ながら、この欧州第2位の宅配便会社は、組合との交渉を拒否している。

それどころか、UNIAによるとDPDは、倉庫内で「抑圧する」空気をつくっており、労働者が自ら選択した組合に加入する権利や、数十年にわたるスイスの労働者保護を弱体化する恐れのある法的申立てを行っているという。チューリヒ本社の経営陣は、スイスの組合に相談した労働者を解雇すると脅した、とあるドライバーはUNIAに語った。このドライバーのように、2021年1月からオープンに組織化されているにもかかわらず、労働者の問題は続いている。

ローマン・キュンツラーUNIA物流部長は、「何時間もの無給労働や、労働者の権利を脅かす一連の酷使について話しあっている。だが、会社は問題を解決するよりも、組合と争い、チューリヒの高額な法律事務所に大金をつぎこむ方に関心をもっているようだ」と語る。

こうした状況の中でUNIは、ILOの後援を受け、フランス政府が所有するDPDの親会社ジオポスト/ラポストとのグローバル枠組み協定に規定されたプロセスを通じ、これらの問題解決に介入することを申し出た。

グローバル枠組み協定は、企業のグローバルな事業拠点全体における労働者の権利及びその他の雇用問題に関する基準を設けている。ジオポストとの協定では、「ジオポストは、組合の承認または組合代表を妨害しない」、「従業員は、これらの権利を行使したことで、脅迫、嫌がらせ、報復等の危険にさらされることはない」と規定されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「ジオポストとの協定の文言は明確かつ公正であり、DPDにも適用される。グローバルユニオンとしてUNIは、協定に定められた条項がきちんと実行され、違反があれば迅速に解決されるようにしなければならない。残念ながら、スイスのDPD経営陣は、労働者の結社の自由と団体交渉の権利を守るための満足のいく解決策を妨害しようとしている。」

「スイスのDPDドライバーは、合理的な労働時間、生活賃金、安全な労働条件の整った、ディーセントな仕事に就くにふさわしい。自ら選択した組合が交渉した団体協定の恩恵を受け、尊敬と尊厳を得るべきだ。我々は、労働者がこれらを勝ち取るまで支援していく。DPDは時間稼ぎをやめ、誠実な交渉を始めるべきだ。」


UNI Apro郵便・ロジスティクス部会、石川新議長のリーダーシップの下、新しい行動計画の推進を確認

2021年9月16~17日、第6回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会大会がオンライン開催され、13か国23組織より、90人(代議員29人、オブ15人、ゲスト46人)、来賓及びスタッフ22人が参加した。女性比率は28%、35歳以下は17%だった。JP労組からは代議員10人、オブ1人が参加し、浅香代議員が決議委員長を務めた。

大会は、2017~2021年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動報告、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会行動計画を採択した。最後に、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会を選出し、議長に石川JP労組委員長を選出した。

開会式の挨拶や代議員の発言の中で、退任した増田前議長への感謝の言葉と、石川新議長への就任のお祝いが繰り返し述べられた。また、次期UPU事務局長に選出された日本郵政の目時氏への祝意と、UNIとの更なる関係強化への期待が寄せられた。

主な大会議論

セッション1「コロナ禍における公共郵便サービスの重要性」

石川委員長は、行動計画No.1「郵便サービスが革新的かつ包摂的であるよう保証させるため各国政府に働きかける」上で加盟組織が取組むべき課題を提起した。またJP労組のコロナ禍における取組みも報告した。

コーネリアUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、基調講演の中で、コロナ禍で必需品の配達量が激増したことを指摘し、郵便は社会に不可欠なエッセンシャルサービスでることを再認識し、いち早くUPUとUNIの間で労働安全衛生に関するMOUを締結した成果を強調した。また、より幅広く強力なユニバーサルサービス義務の定義の必要性や、環境への配慮を訴え、公的サービスであればこそ、全国あまねく基本的サービスを提供できるとした。シバクマールFNPO書記長は、インド郵政がコロナ禍に開始した、食料配達や農作物の運搬等の新たなサービスや、移動郵便局による年金受取等の利便性向上を報告し、公的郵便サービスの重要性を強調した。イ議長代行(KPWU委員長)も、超高齢化社会において郵便局が重要なプラットフォームと認識されており、高齢者の安否確認サービス等を紹介した。続いてネパール、パキスタンからも報告を受けた。石川委員長は、感染拡大防止に不可欠な役割を果たしながら奮闘するネパール郵便労組の仲間に敬意を表すると共に、パキスタン郵政の5つの労組の労連結成の努力を称えた。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会における、女性・青年の参画強化について

小川担当部長は、5月の世界部会大会で採択された女性・青年に関する2つの決議を簡単に説明した。1つは、情報・経験交流促進のための女性フォーラムを、世界・地域大会前段に開催することである。もう1つは、世界部会委員会に青年代表席を追加することである。本大会では、UNI Apro各国の女性・青年リーダー育成の経験と課題を共有した。

ツァイ・ジンファン(台湾CPWU)は、台湾及び組合には男女平等は存在し、機会は公平に与えられているが、組合活動への参加時間に差があることが女性役員が少ない一因であると指摘した。また、より多くの若年層を参加させ、世代間ギャップを埋めたいとも述べた。マレーシアUPCWのモハマド書記長、ファスルニサク副委員長は共同メッセージを寄せ、コロナ禍で特に影響を受けている女性・若年労働者への支援に取組んでいることを報告した。ミヒリ(スリランカNPTWU)は、女性が働きやすい環境整備やコロナ禍で増えた女性への負担軽減策、サービスの近代化に若年労働者の活用とそのための研修機会の充実を訴えた。

セッション2「 サービスの多様化、デジタル化対応、環境に配慮した郵便」

ジョー副議長(ニュージーランドEtu交渉担当)は、行動計画No.2「郵便サービスが持続可能で、環境に配慮し、コミュニティのためになり、利用者から信頼されるよう、あらゆるステークホルダーと連携し、郵便の多様化とデジタル化に積極的に対応するため」加盟組織が取組むべき課題を提起した。

APPUのリン事務局長に代わり、ユ・イエン研修部長から「デジタル経済における変革」と題する基調講演を受けた。顧客との関係性が変わりつつある中、数あるサービスから選ばれるにはどうすべきか、と提起した。これまでの経験は頼りにならず、コロナ危機により多角化、デジタル化の重要性が示された。3つの重要な傾向がある。①多くの技術を顧客が使うようになった。早く安く輸送してほしい、プロセスもコントロールしたいからだ。②新たな競合が参入、DXにより民間事業者が付加価値サービスや優れた可視化されたパーソナルサービスを提供し、シェアを奪っている。③オンラインや携帯電話を活用したサービス向上と経営効率改善。多くの国で郵便事業者は、多角化とデジタル化を加速し、エッセンシャルサービスとしてエコシステムを築き、連携を拡充していく必要がある。革新性・創造性、迅速化、パーソナル化、アクセサビリティ確保、組織の機能性強化が求められる。同時に従業員が安心して働ける健全な職場があり、収入が安定し、従業員の声が経営側に届きやすい組織でなければならない。UNI Aproは重要なパートナーであり、UNI AproとAPPUは、郵便のコミュニティを改善し、事業を拡大していくために共に貢献していこう、とまとめた。

坂根JP労組中央執行委員は、配達車両のEV車両化や、他の物流企業との協力による効率化と再配達の削減を進め、環境負荷を軽減し、物流部門の人材不足解消に努めている事例を報告した。ウー副議長(台湾CPWU委員長)は、コンビニと提携した24時間宅配、独自の通販サイト、高齢者サービス、桃園に建設したスマート物流センターやビッグデータを活用したコスト及び配送時間の削減、自前の倉庫への通販事業者誘致、Iboxという非接触型サービス等、サービスの多角化やデジタル化の事例を紹介し、DXに全ての従業員が対応できるようにしていく、と述べた。スビンダー副議長(シンガポールUTES書記長)も、環境対策として、全ての配送車両のEV化と、全照明のLED化を進めていることを報告し、組合員が試乗して改善提言を行ったり、会社に運転研修を要求していると述べた。インドネシア郵便労組のコマルディン委員長も、DXの事例と労働者にスキルアップ研修を行っていることを報告した。最後に、環境面の取組みを積極的に行っているカナダ郵便労組のキャンペーンビデオを鑑賞した。

セッション3「競争ではなく公正な郵便・ロジスティクス市場をつくるために―民間CEP(宅配・急送・小包)企業における組織化」

小川担当部長は、行動計画No.3「民間CEP企業と競争するのではなく、公正な市場を保証するため、CEP の労働者を積極的に組織化する」上で、加盟組織が取組むべき課題を提起した。ホビッグUNI Apro組織化担当部長から、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会がターゲットとするDHL、ニンジャバン等のジオポスト/DPD子会社における組織化等の説明を受け、マレーシア、インドネシア、ネパールの参加者から、取組み状況と課題の報告を受けた。コーネリア局長は、「最賃を受容してはならない。社会的ダンピングはいずれ、郵便労働者にも波及する」と警鐘を鳴らし、DHL、DPD等の多国籍企業については、世界各国の労組間連携強化を図っていくと述べ、各国の協力をあらためて要請した。


UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


UNI、原爆投下76年目の広島・長崎の犠牲者を追悼

第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。原爆投下から76年目を迎えるにあたり、UNIは一瞬にして命を奪われた多くの犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その後も長期にわたり放射線の影響を受け続けた被ばく者の苦しみに心を寄せる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界がコロナウィルスという新たな脅威と闘う一方で、このような苦しみが繰り返されないように、平和と核軍縮を訴え続けていかなければならない」と訴えた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取組んでおり、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも参加している。人権や労働者の権利を擁護するUNIは、2010年の世界大会を長崎で開催し、軍縮に焦点を当てた議論を行った。

2010年の世界大会前から、UNIは長崎や国際的な平和運動との強い絆を築き、核兵器がもたらす恐怖と破壊力について理解を深めてきた。

またUNIは、核兵器廃絶を目指す世界的なキャンペーンを支援する取組みとして、毎年、平和大使の訪問をUNI本部で受け入れてきた。だが残念なことに、この2年間はコロナ禍のため、平和大使の訪問ができなくなっている。UNIは一日も早いコロナの収束と、平和大使の訪問を切望している。


UNIインド加盟協女性・青年/UNI-LCJ共同セミナー

2019~2022年度UNI-LCJ「海外活動の方向性」に従い、毎年インドで支援セミナーを開催することとしているが、昨年はコロナ禍で実施できなかった。今年も未だ感染が収束しない中、6月27日にオンラインで開催され、インドから34人、日本からが15人参加した。開会式で、ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJの継続的な支援と、アチャリャ地域書記長による講演や野田会長の出席等、UNI Aproの協力に感謝した。松浦UNI-LCJ議長は、未曽有の困難に立ち向かうための連帯を参加者に呼びかけると共に、日印関係がビジネス・経済面で今後ますます発展する中、両国の労働組合が連携を図り、互いの文化や労働組合の活動について理解を深め、それぞれの組合活動に活かしていく意義を強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、「コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合及びUNIの役割」と題する基調講演を行った。インドの現状や課題について述べ、困難な中でもインドの労働組合が交渉やロビー活動で勝ち取った成果を評価した。また、UNI Aproが注力する女性・青年の育成に協力する形で、インドの女性・青年向けのセミナーを継続しているUNI-LCJに対して感謝した。基調講演に続き、インドの新聞労組、医療労組、IT労組の参加者がそれぞれ、労働組合がコロナ禍に取組んだ活動を報告した。インドでは「つながらない権利」という概念が認知されておらず、在宅勤務により労働時間が長くなり、ストレスが増したという意見が出された。

日本からは3人の講師が講演を行った。景中損保労連事務局次長は、コロナ禍が女性及び若年層に与えた影響と組合の取組みについて説明した。相対的に女性が多く従事する窓口業務や書類を扱う業務はテレワークが難しく、職場の感染防止対策の徹底や、テレワークの環境整備、テレワークが可能な業務の拡大に取組んだ。若年層については従来対面で育成・指導してきたが、リモート環境下での有効な育成・指導方法への柔軟な変更や、社員間のコミュニケーション強化に向けたルール作りを行っている。また、with/afterコロナにおいて、柔軟な働き方を推進する観点からも「長時間労働につながる商習慣」の見直しは有効であり、全ての労働者が働きやすい環境の実現につなげたいとした。

柏木JP労組中央執行委員は、各種統計や連合が実施したアンケート結果等から、コロナ禍の女性に対する影響の深刻さを説明した。連合は有識者を交え、コロナ禍におけるジェンダー平等課題に関する意見交換を実施し、指摘された諸課題について政府に必要な対策を求めていくこととしている。また、コロナ禍にJP労組が交渉で勝ち取った、特別な有給休暇や見舞金支給等の成果についても紹介した。

水野情報労連組織対策局長は、コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合のコミュニケーションについて詳細に報告した。コロナを理由に活動を止めないため、感染防止対策の徹底と共に、オンライン活用や業務のデジタル化推進、対話・参加型の取組みに対する工夫、オンライン団交の向き・不向き等、経験に基づく具体的事例を詳細に紹介した。コロナ制約下でのオンラインの取組み成果を活かす多様なコミュニケーションツールの活用により、Face to Faceの取組みを追求しつつ、「つなぐ」役割の強化が重要だ、とまとめた。

インド人参加者からは、下記のような質問やコメントが出された。

  • ビデオ会議を含むテレワークに関する行動基準やガイドラインの有無
  • 郵便局におけるコロナ禍の交代出勤、妊婦や障がい者の保護対策、テレワークの可否等
  • 女性の在宅勤務に関する問題は組合が取組み改善していかなければならないことに同感する
  • オンラインレクやオンラインゲームはクリエイティブな試みだ、是非、インドの組合でも真似したい

この他、インド人参加者からも報告を受けた。

レッカD.M.(郵便労連)は、 コロナ禍でインドの女性が受けた影響について、郵便局の貢献及び職場で女性労働者が直面した課題と郵便労連の取組み、他産業の女性労働者が直面した問題とそれを克服するためのステップ等を報告し、コロナ禍から学んだ教訓でまとめた。

ロヒット・カプール(バローダ銀行管理職労組)は、インドの感染状況の深刻さを報告し、バローダ銀行は、ロックダウン中も預金・引出・送金等の不可欠サービスは提供し続け、中小企業を積極的に支援したことを説明。組合は、貧困層への食料配給、献血、育児中の母親・妊婦・障がい者等の在宅勤務化交渉、メンタルヘルスに関するウェビナー開催、遺族への弔慰金交渉等の成果を報告した。

グループワークでは、①女性・青年が組合に期待すること、②自分たちが貢献できることを議論し、各グループの討議結果が発表された。

①については、若年層や女性の課題を真剣に取り上げてほしい、若年リーダー育成・機会の提供、定期的なコミュニケーションを通じた組合活動の周知、組合員との双方向のコミュニケーションの重視、女性の参画を強化するため、女性だけでなく男性の意識啓発も促すこと等の提言がなされた。②については、若い労働者との信頼関係の構築、組合の意義や活動を正しく従業員に伝え、共感し、自ら積極的に取組むこと、楽しい方法で組合参加を促すアイデアを出し実行すること、SNSの活用、女性委員会の強化等、積極的な意思が表明された。アンジャリ・ベデカーUNI-ILCコーディネータは、短時間でも前向きなグループ討議ができ、良い意見がまとめられたことを称えた。

閉会式では、飛び入り参加した野田UNI Apro会長が、2017年秋の訪印時、成長するインドの勢い、能力とモチベーションの高さに感銘を受けたことを振り返り、インドは世界経済を牽引する存在でもあり、南アジアの組合の強化は、UNI Aproとして最も重要な戦略であると述べた。参加している女性、青年に対しては、女性の価値観や若年層の価値観をUNIの活動に活かしてほしいと激励した。ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ及びUNI Aproの支援にあらためて感謝し、今後も協力関係を深めていきたいと述べた。また、働き方が変わっていく中で、組合役員の経験を活かすと共に、若きリーダーの成長に期待し、共に新しい労働運動をつくっていこうと激励した。森川UNI-LCJ事務局長は、オンライン開催だったからこそ、インド全土から多くの参加が得られ、日本側も講師だけでなく、野田UNI Apro会長をはじめ多くの傍聴が可能になったと述べ、対面開催ができる時まで、コロナ禍で学んだ経験や教訓を活かし、UNI活動を推進していこうとまとめた。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ