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第36回UNI世界運営委員会開催。労働安全衛生、組織化など議論。ミャンマーへの支援を確認

2022年5月11~12日、スイス・ニヨンUNI本部において、第36回UNI世界運営委員会がハイブリッド開催された。

「3年ぶりに対面会議が実現し、みなさんと直接お会いできてうれしく思う。様々な議題・スピーカーを用意しているので、積極的な議論を期待したい」と、ルーベン・コルティナUNI会長の冒頭挨拶で始まった会議には、11カ国から運営委員及び地域書記長21名、オンライン参加の運営委員、UNI部会担当局長、事務局等が出席した。日本からは、松浦昭彦UNI Apro会長(UAゼンセン)、安藤京一UNI副会長(情報労連)、中野英恵UAゼンセン国際局長、木村富美子情報労連国際部長、上田智亮UNI-LCJ事務局長が出席した。

次にクリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、コロナ禍やウクライナ問題、組合員の減少や賃金が上昇しないなどの労働組合の現状に触れ、「25,000人が参加した組織化トレーニング(オンライン)は有意義であったが、複雑な議論や信頼関係の構築には対面活動は欠かせない。今後はバランスを取りつつ取組んでいくと共に、①多国籍企業との協働・対話、②組織化推進、③政策活動への取組み(新しい労働の世界、人権デューデリジェンス、労働安全衛生、気候危機)、④内部の業務改革・構造改革、⑤2023年UNI世界大会(米フィラデルフィア)を活動の柱として取組む」と述べた。

「組織化報告」のセッションで、アインディ・スノディUNI SCORE(組織化)担当局長が「組織化センターは、それぞれの地域でオルガナイザーの育成、組織化活動に取組み、成果を出している。特に中欧組織化センター(COZZ)は、活動を拡大し、ウクライナ難民の支援を行っている。」と報告した。
安藤UNI Apro ICTS部会議長は、「マレーシア系多国籍通信事業者アシアタ社の組織化に関し、6か国・2万5千人を雇用する巨大通信事業者に対し、同部会は『アシアタ労組アライアンス会議』を定期開催し情報交換を行っているが、更に強化していく。特にバングラデシュは人口が多く、今後も成長が見込まれることから対応強化が必要である」と強調した。また、ネパールで団体交渉の能力開発を実施する予定であり、カンボジアでの組織化活動も2023年初の開始を目指して準備中であることも報告し、今後のUNI本部及びSCOREの支援を求めると述べた。

「労働安全衛生」のセッションで松浦UNI Apro会長は、カスタマーハラスメント(カスハラ)撲滅に関するUAゼンセンの取組みについて報告した。「カスハラは、働く人や企業に被害・損害を与えるだけでなく、消費者など一般社会にも不快感や悪影響を及ぼしており、社会全体でカスハラをなくしていくことが重要である。この問題を解決するため、UAゼンセンでは労使で話し合うよう加盟組織に働きかけ、流通部門74組合の内、約8割がカスハラ問題に関する労使協議会を行い、相談窓口設置等などの取組みが進んでいる。我々の運動もあり、社会に認知されるようになったが、法整備には議論が不足しており、組織内国会議員と連携し、社会全体におけるカスハラ防止対策の強化と法制化を求めている。また今年2月、厚生労働省が『カスハラ対策マニュアル』を発表したことは大きな一歩だった。今後も他産別と連携し、労働界全体でこの問題に取組んでいく」と報告した。

「UNI世界大会および世界女性大会」のセッションでは、ホフマンUNI書記長より大会の準備状況の報告があり、また2023-2027年の戦略計画(※)、UNI世界大会の開催時期およびUNIの非営利団体としての明記に関する規約の改正案を動議として提案し、承認された。

※戦略計画
①全ての人のために組合の力を強化しよう(組織化・多国籍企業との関係構築・団体交渉)②企業に説明責任を負わせるため、ルールを変更しよう(人権デューデリジェンス)③公正で包摂的なグローバル経済のため、ルールを変更しよう(ディーセントワーク、社会保護、持続可能な経済、デジタル化)④安全衛生のために共に立ち上がろう(労働安全衛生、つながらない権利)⑤平和、民主主義、人権のために共に立ち上がろう⑥不平等、人種差別、不公平な扱いに反対し、共に立ち上がろう(人種差別、青年、女性、LGBTIQ+)⑦持続可能な世界のために団結しよう(気候変動)

松浦UNI Apro地域会長

これを受け松浦UNI Apro会長は、UNI Apro会長として本案に賛意を示し、「2年にも及ぶパンデミック下で、多くの国、あらゆる産業・雇用形態の労働者が影響を受けた。そして多くの国で、失業保険や退職金制度、休業中の賃金保障等の社会保護の不備が明らかとなった。特に、アジアの開発途上国ではブランドや多国籍小売企業からの発注の激減によって多くの衣料産業労働者が解雇されたが、失業保険制度がない、使用者が法律を守らず解雇補償を支払わないケースが多発した。インダストリオールではパンデミック期間中、支払われなかった賃金・補償金についてブランドが責任を負うよう要求している。しかし、社会保護は国の制度に負うところが大きく、一つのセクター・企業との交渉で国の制度を代替するのは困難である。また、社会保護はすべての産業に共通する問題である。従って、UNIで社会保護の取り組みを進めるにあたっては他のGUFやITUCとの連携を強化すべきだ」と述べた。

「地域報告」のセッションでは、UNIアフリカ、UNI米州、UNI欧州の各地域から報告があり、UNI Apro地域報告ではラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が、昨年の6部会大会でパートナーシップ労使関係を促進し社会対話を強化するために、他の社会パートナーとのギャップを埋め、当同社の力を構築し、組織化を拡大する戦略を採択したことを報告した。また、「コロナやウクライナ問題だけではない。スリランカ経済状況やフィリピンが独裁政権になる可能性、香港などに注視しなければならない。不安定雇用に従事するエッセンシャルワーカーへの組織化の取組みおよび青年・女性のエンパワーメント活動を推進していく」と述べた。

「平和、民主主義、人権」のセッションでは、アナトリー・ヤドヴィ氏(ウクライナ、CWU)の報告に続き、カイン・ザール氏(ミャンマー、CTUM-IWFM)から「2021年2月のクーデター以来、市民権のはく奪、公務員の失職、飢餓などの市民の抑圧が続いているが、我々は民主主義を回復するために闘っている。経済制裁を含め軍事政権を止めるための支援をお願いしたい」とミャンマーの現状について報告と支援要請があった。
松浦UNI Apro会長は、「UNI Aproは、軍の弾圧に屈することなく抵抗するミャンマーの組合の仲間、市民に心からの敬意と彼らへの強い支持を表明する。その他にもアジアには、香港における民主主義の否定、フィリピンにおける組合活動家の殺害と迫害など憂慮すべき深刻な状況がある。UNI Aproとして、これからも基本的人権と平和・民主主義を守るために行動し続けなければならない。UNI及び世界のUNIの仲間の支援を引き続きお願いする」と述べ、UNI世界運営委員会でも、UNI Apro執行委員会による「ミャンマーに関する決議」が採択された。

この他、「アマゾン・キャンペーン」「ビジネスと人権」「新しい労働の世界」など様々な議論を行い、今後のスケジュール確認が行われ、閉会した。


ベルギーで強力な公共放送のためのストライキ

ベルギー北部のフランダース地方の公共放送局VRTの労働者を代表するACOD、ACV-Transcom、VSOAの3労組が、1日ストを決行した。ストは、VRTの資金削減計画と、計画が番組の質、雇用、労働条件、財政的持続性に及ぼす影響に抗議して行われ、 数百人の組合員と支援者が強い結束力を示した。

フランダース政府は、2025年に予算を2億7500万ユーロから2億5800万ユーロに削減することを発表し、さらに政府は運営費を物価指数に連動させないため、構造的な赤字が毎年拡大することが見込まれる。この資金削減計画は、VRTがデジタル化への投資を必要とし、高インフレによるコスト増に直面しているさなかに発表された。

VRT経営陣の対応は、裏切り行為である。VRTの持続可能な資金調達計画について政府と対話を行い、労働者や放送局のデジタル化に投資する代わりに、200人以上の雇用を削減し、最も成功を収めている番組の一つ『thuis』を含む主要サービスの民営化を決定したのである。

VRTの門前には、ストライキに参加した労働者と、他業界、市民社会、政党からの支援者が集まり、「強い公共放送とは、質の高い番組と独立した情報のことであり、民主主義社会はそこから力を得ている。VRTの解体ではなく、VRTへの再投資こそ、前進する道である」と、力強く明確なメッセージを発した。

ワイズ・デシーマカーACOD-VRT書記長は、「強いVRTは、このピケに参加している多くのスタッフの強さの上に築き上げられたものだ。経営陣の改革案といわれているものは、そうではない。経営陣は、公共放送の作り手である我々が実現できること、実現したいと望んでいることを過小評価している。VRTが、何年も続く緊縮財政やパンデミックを経てなお運営を続け、欧州で最も効率的で創造的な放送局の1つとみなされているとしたら、それは間違った政策選択にもかかわらず、現場で働いているすべての人々のおかげだ」と訴えた。

ACV-Transcomのカルロス・ファン・ホイミッセン氏は、「VRTに必要なのは、民営化ではなく投資だ。未来志向のデジタル化のための資金、制作手段のための資金、そしてVRTの従業員のための資金が必要となのだ。公共放送として、我々は人材と経験を社内で維持しなければならない」と強調した。

VSOAのルー・グウィ氏は、「いったい、いつまで続くのか?政府と現経営陣にとっては、決して十分ではないのだろう。だが我々VRTのスタッフは、今こそ改革案の悪循環を止める時だ。新しい計画のたびに、その重荷を背負わされるのは、我々労働者だからだ。すべての部門が業務とそれに伴うプレッシャーに圧倒されている間にも、相次ぐ計画によって600人以上の雇用が削減された」と訴えた。

UNI加盟組織は、組合の要求に対する連帯と支持を表明するとともに、フランダース政府に対して、市民のためのサービスとしての公共放送の価値を再認識するよう求める声明を発表した。VRTには、物価スライドを考慮した将来性のある予算と、労働者のための適切で構造的な訓練と生涯学習の機会を含めた、デジタルトランスフォーメーションへの投資が必要である。


「公共善のための団体交渉」世界経済フォーラムでUNIのメッセージを発信

5月下旬にダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会において、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ウクライナ戦争による生活費の高騰に人々が直面する中、団体交渉、エッセンシャルワーカーの再評価、税制による富の再分配の重要性を改めて訴えた。

ホフマン書記長は、スイスの山村で開催された世界経済フォーラムにおいて、今年のテーマ「歴史的転換点」を念頭に、次のように訴えた。

「世界的に、労働者は転換点にいるのではなく、危機的状況にある。厳しい経済状況の中、もう何年も苦しんでいる。今こそ、政界・財界のエリートの行動と政策に、この現実を反映させるべき時だ。各国で物価上昇が賃金上昇より速いペースで進み、またプライバシーを侵害するようなテクノロジーが、労働者に対する圧力を高め、労働基準を引き下げている。労働者の権利に対する攻撃は強まり、企業の権力はこれまでになく少数の手の中に集中している」

また、アイルランドのレオ・バラッカー元首相も参加した『エッセンシャルワーカーの再評価』と題するパネルにおいて、同書記長は、「団体交渉が公共善であるとの認識が、パンデミックで社会が得た重要な成果でなければならない。労働組合はパンデミック時に、エッセンシャルワークを変革し、エッセンシャルワーカーを保護するために基本的な役割を果たしてきた」と強調した。

また、すでに危険なほどの資金不足・人員不足に陥っていた介護施設部門に対する投資の欠如が、パンデミックによって露呈したことをふまえ、「介護部門への投資は、さらに多くの女性が労働市場に参入する上で不可欠だ」と述べ、「だがいずれにしても、介護部門にはもっと資源を投入し、介護の仕事を良い雇用にしていく必要がある」と主張した。

2つ目のパネル『ハイブリッド・ワーキング:次に起こること』の中で、ホフマン書記長は、ほとんどのエッセンシャルワーカーにとって、選択肢は職場に出勤する以外にないが、一方で、多くの労働者が劣悪な状況でリモートワークに従事していることも指摘した。そして、コールセンター業界で働くUNI加盟組織の組合員の事例を紹介し、在宅勤務中の監視強化や人工知能による過剰な監視にさらされている状況を踏まえ、「我々が望むのは、新たなテクノロジーが、懲罰的で、プライバシーを侵害するような管理技術をデフォルトとするようなことではない」と述べ、「そうではなく、我々が望むのは、新しいテクノロジーによって繁栄が皆に共有されるようになることだ」と力説した。

さらに同書記長は、リモートワークに保護措置を講じる必要性についても提起した。多くの労働者が職場での勤務時間よりも長い時間をリモートで働く中、労働時間に際限がなくなる事態を避けるためだ。さらに、女性は育児や介護といった家庭の責任を背負っているがゆえに在宅勤務の柔軟性を活用する傾向があるが、意思決定のプロセスから孤立したり、昇進の機会を逃したりすることがないよう、対策を講じる必要があると指摘した。

ダボス会議でも、ウクライナ戦争は議論の焦点となった。戦争で貧困と所得格差が拡大し、経済的苦境がもたらされるのであり、雇用、賃金、労働条件を守るため、労働者の組織化はこれまで以上に重要性を増している。


第30回UNI Apro執行委員会、戦略目標、政策活動、アドボカシー活動の強化を確認

2022年4月20~21日、標記会議が開催され、12か国の組合指導者が地域全体の動向を共有し、組織化や団体交渉の拡大、また民主主義や人権、連帯の強化に向けた取組みを再確認した。

会議の冒頭、松浦昭彦UNI Apro会長は、COVID-19の犠牲になったすべての人々、組合員、労働者、ミャンマーの軍事クーデターと最近のロシアのウクライナ侵攻によるすべての民間犠牲者に追悼の意を表した。また、3月に64歳で亡くなったヤン・ビョンミン韓国金融労組(KFIU)前委員長を偲んだ。

会議のハイライト

松浦UNI Apro会長、クリスティ・ホフマンUNI書記長、ゲストスピーカーの吉田昌哉ITUC-AP書記長は、過去1年間にアジア太平洋地域で起きた民主主義と労働者の権利に対する攻撃に関して、最近の情勢に触れた。

香港、アフガニスタン、ミャンマー、フィリピンでは、労働組合と組合員は依然として厳しい圧力下にあり、またインドやインドネシアなどの国では、労働者の権利が損なわれる危険性がある。

世界的に見ると、新たな危機が人々の関心をパンデミックから遠ざけている。ロシアのウクライナ侵攻によって世界秩序に混乱と再編がもたらされ、世界経済に影響を与えるだろう。これらの新しい地政学的・経済的課題に加え、労働組合運動は、組織化と組合強化という既存の優先課題に引き続き取組みつつ、パンデミックによる現在進行中の問題に対処する具体的な措置を講じ続ける必要がある。

UNI Aproの組織化・組合強化計画

会議では、今後数年間の新たな組織化計画が承認された。この中には、他地域のUNIの組織化センターをモデルとして、南アジアと東南アジアに2つの組織化センターの設立が含まれている。また、地域の加盟組織のオンラインでの組織化活動を補完・支援するために、デジタルオルグ担当が配置される。

UNI Aproは引き続き、安全で持続可能な雇用の創出に向けて、建設的な社会パートナーシップと労使関係を追求し、グローバル協定の効果的な実施と、多国間ガイドラインを組織化ツールとして活用することによって、これらの取組みを強化していく。

またUNI Aproは、パンデミックの沈静化に伴い、UNIと連携して、地政学や気候変動の観点からの正義や、その他の現代的課題に関する政策提言活動に再び力を入れていく。加盟組織が集中的に関わりながら、アジア太平洋の文脈に適した政策の方向性を打ち出していく予定だ。

加盟組織からの報告

会議の中で加盟組織は、直面する課題と獲得した成果について報告した。

ネパール唯一の金融労組であるFIEUNは、組織化イニシアティブを通じたUNI/UNI Aproの支援により、2021年にはUNI加盟人員を400%近く増やすことに成功した。台湾のテレコム労組であるCTWUは、中華テレコムの再編計画について組合と対話するよう圧力をかけるべく、ストライキを開始したにもかかわらず、賃上げと複数の手当を獲得したと報告した。

また、自国の労働者の権利にかかわる法律について、前向きな動きを報告した加盟組織もあった。

インドネシアの憲法裁判所は2021年末に、雇用創出に関するオムニバス法は違憲であり、2年以内に是正する必要があるとの判決を下した。ASPEKインドネシアは、この展開を注意深く見ており、労働者の権利を害する法律の条文が削除されるよう、関係する全ての社会パートナーと対話している。

ベトナム情報通信労組(VNUICW)は、最近の労働法改正により、どの産別交渉単位でもカバーされていない労働者への福祉給付の適用が拡大されたことを紹介した。残業時間の上限は、ほとんどの産業で年間200~300時間となっている。また、同国は2023年にILO第87号条約(結社の自由及び団結権の保護)を批准予定だ。

同様に、韓国の金融産業労組(KFIU)は、2022年4月20日にILO第29号条約(強制労働の禁止)、87号条約(上記)、98号条約(団結権及び団体交渉権)が発効したと報告した。これらの条約は、韓国の組合が国内法や政策について改善を要求していく力をさらに強化するものとなる。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)は、商業労働者に対する第三者からの暴力に対する罰則を強化する法案が成立したと報告した。同様に、多くの加盟組織が、ILO第190号条約の批准に向けて、自国政府への働きかけを行っている。

民主主義、人権、労働組合の情勢について

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がミャンマーの最新情勢を報告し、同国に関する新たな声明が全会一致で採択された。声明は、2021年2月1日の軍事クーデターに対する非難を改めて表明し、国際的・地域的な努力にもかかわらず、1700人以上が殺害され、数万人が恣意的に拘束され、40万人以上が避難している状況が改善していないことを指摘した。また、アジア太平洋地域のすべての指導者に対し、民主的に選出された文民指導者に政権を返還するようミャンマー軍事政権への圧力を強化すること、またグローバル及び地域の企業に対しては、ミャンマー国民の人権に対する軍事政権の攻撃に資金提供するような事業を一切行わないよう求めている。そして最後に、ミャンマーのすべての人々に対する連帯を再び強調した。

この声明を地域の全加盟組織に配布し、自国内でのロビー活動のツールとして活用するよう、奨励することが合意された。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、報告と声明文に謝意を表し、この声明を次回のUNI世界運営委員会に提出し、さらなる支持を得る予定だと述べるとともに、UNIは対話中の多国籍銀行に対し、ミャンマーでの金融事業を停止または縮小するよう、引き続き圧力をかけていくと約束した。

会議ではさらに、韓国とフィリピンの加盟組織が最新状況を報告した。韓国では最近の大統領選で保守派の候補者が当選したが、この候補者は反組合的な公約を掲げてきた。一方、フィリピンでは、大統領選の有力候補として独裁者フェルディナンド・マルコス元大統領の息子が、副大統領には麻薬撲滅のため血みどろの戦争を展開した前大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ氏があがっている。また、会議は、2020年に成立した国家安全維持法によって、加盟組織が安全かつ積極的に国際会議に参加することが妨げられている香港の困難な状況に留意した。

第6回UNI Apro地域大会の準備について

第6回UNI Apro地域大会に向けた準備を開始すること、パンデミックによる混乱を考慮し、2023年ではなく2024年に地域大会を開催することに合意し、会議を終了した。


4月28日、安全衛生をILOの基本的権利に!

国際労働災害犠牲者追悼日の4月28日、世界中の労働組合は、業務中に死傷・罹患した人々を思い起こし、職場の安全衛生に向けた闘いを強化する日としている。今年、世界の労働組合運動は、「労働安全衛生をILOの基本的権利にしよう」のメッセージを発信している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「人々は仕事で尊厳と自信を得るべきであって、怪我や病気をしたり、まして死んではならない」と述べ、「安全衛生を国際労働機関(ILO)の中核的権利とすることで、労働者の死や病気が1つでも多すぎるということが明確になる。また、特にパンデミックの発生以来、より安全な仕事を求めてきた労働組合と協力するよう、使用者と政府にメッセージを送っている」と強調した。

世界では、業務に関連した病気や事故で毎年300万人以上の労働者が死亡しており、3億7,400万人が業務中に負傷したり病気に罹患したりしている。労働安全衛生に関連したサービスを受けられるのは、わずか2割に過ぎない。

4月28日のグローバルな行動を調整しているシャラン・バローITUC書記長は、「我々は、ILOが労働安全衛生を職場における基本的権利として採択することを要求する。労働安全衛生は、結社の自由や、強制労働、児童労働、雇用における差別の撤廃と同様に重要な課題だ」と述べた。

ILOは政労使の三者構成組織である。労働安全衛生をILOの基本原則および権利として制定することで、加盟国は、関連する他のILO条約を批准しているかどうかにかかわらず、この権利の尊重、促進に責任を持つことになる。また多くのILO加盟国は、基本的な基準を憲法に組み込んでおり、基準が実現され、人々の生活を向上させることを保証している。

2019年のILO創設100周年記念宣言では、すべての労働者にとっての労働安全衛生の重要性が認識された。以来、COVID-19パンデミックと、業務上のテクノロジーの使用拡大によって生じた危険が相まって、安全衛生を基本的権利とすることに新たな緊急性が加わった。過去2年間の経験から、この権利の実現と行使にあたって、組合が不可欠であることも示された。

パンデミックの間、UNIはすべての部会で安全衛生の指針を発表した。UNIは、安全衛生を基本的権利とすることを一貫して求めており、最近では、テレパフォーマンスにおけるリモートワークが健康に及ぼす影響に関する研究、アマゾン等におけるプライバシーを侵害するような監視行為が労働者の健康に及ぼす影響、そしてエッセンシャルワーカーの保護に向けた組合の取組みに関する部会横断的調査を発表している。


UNIマレーシア加盟協、使用者による在宅勤務者の賃金削減案に反撃

経済再開に伴い、在宅勤務を選択する労働者の賃金を削減するという、マレーシア経営者連盟(MEF)のショッキングな提案に対し、 UNIマレーシア加盟組織連絡協議会(UNI MLC)が 反発している。

モハメド・シャフィーUNI MLC議長は、この提案に対し「在宅勤務は、安い賃金で働くということではない」と猛反発し、地元メディアもこの発言を取り上げている。

「パンデミックの2年間、労働者は使用者に協力し、賃金が減らされても文句を言わず、状況が厳しいことを理解して、昇給やボーナスを要求することもなく、いつも通り在宅勤務を続けてきた。使用者のために犠牲を払い続けた後、今MEFは労働者に不当な扱いをしようとしている。従業員は休暇をとっていたわけではなく、仕事を家に持ち帰っていたのだ」と語気を強めた。

MEFは、在宅勤務の従業員の賃金を10~12%減額することを提案している。会社によっては交通費を支給し続けており、通勤しないならば支給額を減らすべきだとして、この不必要な賃金カットを正当化しようとしている。

これに対してシャフィー議長は、パンデミック時に多くの労働者がリモートワークを行うことで家計の負担が増え、健全でない環境で仕事をしていたことを引き合いに出し、反論している。

組合がパンデミック時に団体協約を交渉する際の指針となるよう、UNIは2021年2月初旬にリモートワーク主要原則を発表している。この原則は10の勧告からなり、そのうち4つは今回のMEFの提案に特に関連している。

・リモートワークは、雇用の権利と雇用関係を損なうものであってはならない。
・作業機器とリモートワークスペースの費用は、使用者が負担しなければならない。
・ リモートワークは「ジェンダーに中立」で、全ての人に開かれたものでなければならない。
・リモートワークのルールを導入または拡大する前に、労使はその影響を徹底的に評価し、文書化しなければならない。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UNI MLCがこの提案に強く反対していて頼もしい。マレーシアの使用者側の動きは非常に残念なことだ。パンデミックはまだ正式に収束しているわけではなく、状況によっては在宅勤務への復帰が求められる可能性があることを忘れてはならない」と述べた。


スリランカ情勢に関するUNI Apro声明

UNI Aproは、スリランカの政治経済状況の悪化について、深い憂慮を表明する。

スリランカは、独立以来最悪の経済危機に直面している。深刻な外貨不足により、食料、燃料、その他の生活必需品の輸入代金を支払うことができない状況に陥っている。

物資の不足と停電は国民の不満に拍車をかけ、首都をはじめ全国各地で非暴力抗議運動が勃発し、コロンボでは、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の退陣を求める平和的デモが行われている。

その後の政治的混乱によって、国民の怒りはさらに高まった。2022年4月3日、首相を除く内閣の全26閣僚が総辞職し、続いて4月5日(火)には、同盟政党の40人以上の議員が、連立政権への支持を取り下げた。

セイロン銀行労組(CBEU)や郵便労組(NPTWU、SLPTSU、UPTO)など多くのUNI加盟組織が、スリランカの政治経済崩壊の終結を求めて連帯している。

UNI Aproは、同国のすべてのUNI加盟組織との連帯を拡大する。スリランカ政府に対し、国民の声に応えて人々の苦難を直ちに和らげる施策を立案・実施し、法と秩序を回復させると同時に、表現および結社の自由に対する人々の権利を抑制するいかなる措置も取らないよう、求める。


UNI Apro、南オーストラリア州首相に当選したマリナウスカス氏を祝福

UNI Aproは、先般の南オーストラリア州選挙において、南オーストラリア労働党を勝利に導いたピーター・マリナウスカス氏を祝福する。

マリナウスカス氏が率いる労働党は、労働者の中核的な問題、特に健康とクリーンエネルギーの雇用に焦点を当て、選挙キャンペーンを展開した。

UNI Aproは、賃金窃盗の刑罰化、業務上過失致死罪の導入、偽装請負に関する規則の強化、看護師対患者比の改善など、選挙で提起された一連の労使関係政策に称賛を送る。これらは労働者の日常生活に深く影響する問題であり、有権者からの圧倒的な支持を得た。

また、政労使の三者社会対話アプローチに長年取組み、各当事者、そして最も重要な南オーストラリア州の人々の利益になるバランスをとるべく、連携して取り組んできた同氏を称える。UNI Aproは、このアプローチがマリナウスカス政権を支え、州の経済競争力を高め、働く人々の生活を向上させることにつながると確信する。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、同氏が勝利演説の中で、オーストラリア自由党について「対抗関係にあるが敵ではない」と表現した、その融和的アプローチを賞賛し、 「この平和的アプローチと建設的な三者関係の構築を求める姿勢は、ますます二極化する世界において民主主義を維持する上で不可欠であり、アジア太平洋地域の政府、企業、組合にとって素晴らしい手本だ」と述べた。

政界入りする前、同氏はUNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)の南オーストラリア支部の役員を務めた。そこでの最大の功績のひとつは、クリスマスと大晦日の半日祝日を法制化するキャンペーンを展開したことだ。マリナウスカス氏は、2018年にクロイドンの議員に初当選し、その直後に同州の労働党首となった。

UNI Aproは、南オーストラリア州新政府の今後の活躍を期待する。


ドイツの文化・映画・メディア部門の労使、難民向け求人ポータルサイトを開設

ドイツの文化・映画・メディア部門の使用者団体と労働組合のネットワークが、パートナー組織のJobnet AGとともに、難民向けの求人情報をまとめたポータルサイトを開設した。戦火でドイツに避難せざるを得なくなったウクライナ難民を対象に、多言語(ウクライナ語、ドイツ語、英語、ロシア語)で情報を提供している。

労働組合ver.diのクリストフ・シュミッツ中央執行委員は、「戦争によって母国で働けなくなったウクライナの文化、映画、メディア分野の労働者やジャーナリストに、強い連帯のシグナルを送りたい。労働組合と使用者は、我々の社会に避難してきた人々が、従来の職業について生活できるように支援したい。避難という過酷な状況と今も続くウクライナの戦争は、我々全員に関わることだ。だが、我々のところに避難してきた仲間は一人ではない。劇場、オーケストラ、映画制作、ラジオ局、メディア企業、出版社における将来の同僚として、仲間を迎えたい」と語った。

この求人ポータルサイトは、ドイツにいる文化・映画・メディア部門の求人情報を掲載し、実際的な連帯を提供するものだ。サイトの開設時からドイツの関連部門で約5万件の求人があり、今後もネットワークのメンバーが継続的に求人情報を追加する予定だ。

ポータルサイトのさらなる充実に向けて、コミュニティページや語学基礎講座などの機能も、近い将来に追加予定だ。包囲されたキーウやリヴィウ等の都市にいるウクライナのJobnet AGの従業員も、ここ数週間、このサービスの開発に取組んできた。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「避難民は豊富なスキルやノウハウを持っている。心の傷を抱えて戦火を逃れてきても、人々の職業経験を消し去ることはできない。受入国は、難民を見て見ぬふりするのではなく、人々の経験を活かすことができるし、活かさなければならない。難民を社会の隅に追いやって、その脆弱な立場につけこんで搾取するような事態を許してはならない」と訴え、「このサイトは、組合と使用者が連携して人々の能力を評価し、ディーセントワークの機会を通じて、難民が望む安心できる生活を提供できることを示す、良い事例だ」と取組みに期待した。


ジェニングス前UNI書記長、スイスの地方紙ラ・コートの「パーソナリティ・オブ・ザ・ディケード」賞を受賞

2018年まで、18年間にわたりUNI書記長を務めたフィリップ・ジェニングス氏は、UNIを労働者の権利のための強力な組織に育て上げ、人生をかけて平和と世界の労働者のために闘っている。

ジェニングス氏は、労働組合の強化に尽力してきた長年にわたる優れた経歴の中で、労働者の権利、平和、正義の世界的な闘士として知られるようになった。

ジェニングス前書記長は、「この賞を受賞することができて、本当に光栄だ」と喜びを語り、「ここで生まれたわけではないが、ラ・コートを故郷と呼べることを大変嬉しく、誇りに思う」と述べた。また、UNI本部のあるニヨンを含むラ・コートについて「このような活気に満ちた、国際的で心地よいコミュニティに根ざしていなければ、これほどグローバルなインパクトを与えることはできなかったと思う」と触れた。

国際平和ビューローの共同代表として、ジェニングス氏は受賞の機に、ウクライナの和平推進を全ての関係者に呼びかけた。

ジェニングス氏は、2018年のリバプール世界大会でUNI書記長を退任後、国際平和ビューローの共同代表として強力に平和を擁護し、スポーツ人権センターの理事としてスポーツにおける人権を推進し、ILOの仕事の未来世界委員会の委員として労働者の声を代弁するなど、多忙を極めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「フィリップの受賞を誇りに思う。彼は常にUNIとラ・コートのコミュニティの間に強い根を張ることに尽力しており、今回の受賞は、その取組みが大きな成果を収めていることが認められたものだ」と語った。


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