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労働者の権利とジェンダー平等の最前線を行くアルゼンチンの銀行労使

セルジオ・パラッツォUNI米州金融部会副議長が率いるアルゼンチンの銀行労組ラ・バンカリアが、同国の国立銀行(BNA)との間で、BNA労働者の権利を拡大・創出する、ジェンダーに強く焦点を当てた新たな職員休暇制度の導入について、合意に至った。今回の成果は、ラ・バンカリア(BNA労組委員会)の代表が、理事会の重役、ジェンダー・多様性・人権管理部門および銀行経営陣とともに、長年にわたって活動してきた取組みの集大成である。

BNA労組委員会ブエノスアイレス支部のパブロ・レニエ書記長は、「BNA労働者の生活の質を向上させるこの新たな成果を祝すと同時に、ニュアンスや違いがあっても、問題解決の方法として、対話と議論を今後も維持していく」と述べた。BNA労組委員会は、公的金融機関を守る中南米銀行労組アライアンスのメンバーでもある。

今回、新たに導入された休暇制度の中には、非妊娠労働者の出産休暇の延長、養子縁組手続きのための休暇の延長(性別問わず)、医学的な生殖補助の手続きや技術を包括的に利用するための休暇等が含まれる。

さらに、養子縁組手続きのための休暇、障害者手帳の交付/更新のための休暇、出産または養子縁組のための休暇に続く妊娠していない方の親または里親のための育児休暇、産休の延長、合法的中絶へのアクセスのための休暇、妊娠能力のある従業員への新たな休暇、法律27,610号に基づく中絶前後のカウンセリングへの参加を保証するための休暇、また、性自認に応じた身体適応処置のための休暇も含まれる。

ギジェルモ・マフェオUNI米州金融部会担当部長は、「ラ・バンカリアとBNAの協約は、常に群を抜いて優れたものであり、国立銀行の他の組合に道を示すものだ」と述べ、「BNA労組委員会の取組みは、公的金融機関の組合が辿るべき道を照らし出し、どのような労働者の権利、社会的な権利が保護されるべきかを示している。BNAの労働者がこうした権利を得ることができたのは、決して偶然などではない。組合の代表性、その政治的な取組み、組合活動の成果だ」と締めくくった。


UNI世界女性委員会、ニヨンで開催

2022年5月9日、UNI世界女性委員会がスイス・ニヨンでハイブリッド開催され、正委員、予備委員、オブ、スタッフ等、9カ国25人が出席した。日本からは、 須齋弥緒UNI Apro女性委員会副議長(日本、損保労連) 、上田智亮UNI-LCJ事務局長が対面で参加した。

冒頭、パトリシア・ナイマンUNI世界女性委員会議長(南アフリカ、SACCAWU)は、ウクライナとロシアの女性労働者に連帯と哀悼の意を表明すると共に加盟組織の様々な支援に深く感謝を述べ、「 我々は一方的な労働の世界の変化に対応しなければならず、来年開催のUNI世界大会、同世界女性大会で議論する戦略計画において「女性」を中心に据えることが重要である。我々はひとり一人が労働運動家であり、仕事に見合った対価の獲得、労働安全衛生の確保、ディーセントワークの実現に取組むべきである 」と述べた。

続いてクリスティ・ホフマンUNI書記長は、ウクライナの仲間へ連帯を表明し、「今後はコロナ禍の中、エッセンシャルワーカーとして働き続けた労働者、特に女性の低賃金労働者や不安定雇用の労働者が尊厳ある仕事を続けられるように闘い続ける。優先課題としては、①ILO190号条約批准の取組み、②労働安全衛生の取組み、③2023年8月、UNI世界大会米国フィラデルフィア開催が挙げられる。今後はGFA締結交渉や各国加盟組織訪問を復活させていく」と述べた。

「COVID-19パンデミック後の女性労働者の未来」に関するセッションでは、 須齋弥緒UNI Apro女性委員会副議長(日本、損保労連) が金融業界を中心に日本で働く女性労働者の状況を報告し「日本全体では、コロナ禍を契機としてテレワークが定着してきており、政府はポストコロナにおいても、ガイドラインや助成金などでテレワークの普及を促進している。金融業界では、働き方の選択肢も増えてきている一方で、窓口業務や依然として残る紙の業務等は、相対的に女性労働者が従事し、出社せざるを得ない状況がある。労働組合は、政府が改正した育児・介護休業法を契機に、男女ともにより一層活躍できる環境整備に労使で取組みを進めている。」と述べた。

「労働の世界における暴力ILO190号条約及び206号勧告の最新情報と批准プロセス」のセッションにおいて、モニカ・ポール委員(ノルウェー、YS/Negotia)は、 1973年の「ロー対ウェイド事件(女性が人工中絶を選択する権利)」に対する米国最高裁判決が覆されそうになっており、UNI世界女性委員会として米最高裁宛に声明を発信することを提案し、「アメリカ合衆国における女性の自己決定権と選択の自由に関するUNI世界女性委員会声明」を全会一致で採択した。

この他、UNI機会均等局行動計画、各地域(アフリカ・米州・アジア太平洋・欧州)別活動報告、「職場の暴力撲滅のための16日間行動」キャンペーン、UNI世界女性委員会の規則の改正、労働安全衛生の優先事項、LGBTIQ+について等の議題について議論を行った。

次回は2023年4月、UNI世界女性委員会をスペイン・マドリードにおいて開催し、UNI世界女性大会( 2023年8月 米国・フィラデルフィア)の準備を行う旨を確認し閉会した。


LGBTI+の労働者とともに、UNIはあらゆる人々の平等を求めて闘う

5月17日の国際反ホモフォビア・トランスフォビア、バイフォビアの日(IDAHOBIT)にあたり、UNIは、活動家、市民社会、世界の労働運動とともに差別と不平等に反対し、世界中のLGBTI+の労働者に連帯して立ち上がった。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「世界中の労働組合は、LGBTI+に対する偏見や差別との闘いにおいて、重要な役割を担っている」と述べ、「組合にはLGBTI+の権利を求めて取組んできた長い歴史があるが、すべての労働者が職場における恐怖、ハラスメント、偏見から解放されるよう、今後も最大限の取組みを続けていく」と決意を新たにした。

LGBTI+の労働者は、不安定な雇用形態で社会から取り残されていることが多く、ハラスメントや暴力の対象となっている。多くの当事者は、攻撃やハラスメント、解雇を恐れて、自分自身についてオープンに語ることさえできないでいる。

だが、今年初めに実施されたUNIの調査で、LGBTI+に対する差別と闘い、より包摂的な職場を確保する上で、組合が極めて重要であることが明らかになった。調査では1,300人以上が、LGBTI+に対する差別との闘いにおいて、強力な組合と、LGBTI+の権利を明記した条項を団体協約に盛り込むことの重要性を強調している。

今年のIDAHOBITのテーマ『私たちの体、私たちの生活、私たちの権利』は、誰もが自分自身の身体と生活について自己決定する権利を持たねばならないということを確認するものだ。そして、それこそまさに、労働者が組合として団結し、自らに影響を及ぼす問題を改善するために集団で組織化するときに実践していることである。

世界中の何百万人ものLGBTI+の人々は、職場や地域社会、家庭において、日常的に偏見や差別、暴力に苦しみ続けている。COVID-19パンデミックの出口が見え始めているが、社会的排除と暴力が不平等を深め、世界中の何百万人ものLGBTI+の人々の暮らしを悪化させていることが明らかになっている。

LGBTI+の労働者に対する差別が増加する中、労働組合はすべての人のために安全で健康的な職場を構築するために立ち上がることができるのであり、またそうしなければならない。世界中の労働組合が、暴力とハラスメントに関するILO第190号条約の批准と実施に向けて、取組みを続けている。この条約は、 LGBTI+の労働者を職場で保護する上で画期的なゲームチェンジャーとなりうるものだ。


第30回UNI Apro執行委員会、戦略目標、政策活動、アドボカシー活動の強化を確認

2022年4月20~21日、標記会議が開催され、12か国の組合指導者が地域全体の動向を共有し、組織化や団体交渉の拡大、また民主主義や人権、連帯の強化に向けた取組みを再確認した。

会議の冒頭、松浦昭彦UNI Apro会長は、COVID-19の犠牲になったすべての人々、組合員、労働者、ミャンマーの軍事クーデターと最近のロシアのウクライナ侵攻によるすべての民間犠牲者に追悼の意を表した。また、3月に64歳で亡くなったヤン・ビョンミン韓国金融労組(KFIU)前委員長を偲んだ。

会議のハイライト

松浦UNI Apro会長、クリスティ・ホフマンUNI書記長、ゲストスピーカーの吉田昌哉ITUC-AP書記長は、過去1年間にアジア太平洋地域で起きた民主主義と労働者の権利に対する攻撃に関して、最近の情勢に触れた。

香港、アフガニスタン、ミャンマー、フィリピンでは、労働組合と組合員は依然として厳しい圧力下にあり、またインドやインドネシアなどの国では、労働者の権利が損なわれる危険性がある。

世界的に見ると、新たな危機が人々の関心をパンデミックから遠ざけている。ロシアのウクライナ侵攻によって世界秩序に混乱と再編がもたらされ、世界経済に影響を与えるだろう。これらの新しい地政学的・経済的課題に加え、労働組合運動は、組織化と組合強化という既存の優先課題に引き続き取組みつつ、パンデミックによる現在進行中の問題に対処する具体的な措置を講じ続ける必要がある。

UNI Aproの組織化・組合強化計画

会議では、今後数年間の新たな組織化計画が承認された。この中には、他地域のUNIの組織化センターをモデルとして、南アジアと東南アジアに2つの組織化センターの設立が含まれている。また、地域の加盟組織のオンラインでの組織化活動を補完・支援するために、デジタルオルグ担当が配置される。

UNI Aproは引き続き、安全で持続可能な雇用の創出に向けて、建設的な社会パートナーシップと労使関係を追求し、グローバル協定の効果的な実施と、多国間ガイドラインを組織化ツールとして活用することによって、これらの取組みを強化していく。

またUNI Aproは、パンデミックの沈静化に伴い、UNIと連携して、地政学や気候変動の観点からの正義や、その他の現代的課題に関する政策提言活動に再び力を入れていく。加盟組織が集中的に関わりながら、アジア太平洋の文脈に適した政策の方向性を打ち出していく予定だ。

加盟組織からの報告

会議の中で加盟組織は、直面する課題と獲得した成果について報告した。

ネパール唯一の金融労組であるFIEUNは、組織化イニシアティブを通じたUNI/UNI Aproの支援により、2021年にはUNI加盟人員を400%近く増やすことに成功した。台湾のテレコム労組であるCTWUは、中華テレコムの再編計画について組合と対話するよう圧力をかけるべく、ストライキを開始したにもかかわらず、賃上げと複数の手当を獲得したと報告した。

また、自国の労働者の権利にかかわる法律について、前向きな動きを報告した加盟組織もあった。

インドネシアの憲法裁判所は2021年末に、雇用創出に関するオムニバス法は違憲であり、2年以内に是正する必要があるとの判決を下した。ASPEKインドネシアは、この展開を注意深く見ており、労働者の権利を害する法律の条文が削除されるよう、関係する全ての社会パートナーと対話している。

ベトナム情報通信労組(VNUICW)は、最近の労働法改正により、どの産別交渉単位でもカバーされていない労働者への福祉給付の適用が拡大されたことを紹介した。残業時間の上限は、ほとんどの産業で年間200~300時間となっている。また、同国は2023年にILO第87号条約(結社の自由及び団結権の保護)を批准予定だ。

同様に、韓国の金融産業労組(KFIU)は、2022年4月20日にILO第29号条約(強制労働の禁止)、87号条約(上記)、98号条約(団結権及び団体交渉権)が発効したと報告した。これらの条約は、韓国の組合が国内法や政策について改善を要求していく力をさらに強化するものとなる。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)は、商業労働者に対する第三者からの暴力に対する罰則を強化する法案が成立したと報告した。同様に、多くの加盟組織が、ILO第190号条約の批准に向けて、自国政府への働きかけを行っている。

民主主義、人権、労働組合の情勢について

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がミャンマーの最新情勢を報告し、同国に関する新たな声明が全会一致で採択された。声明は、2021年2月1日の軍事クーデターに対する非難を改めて表明し、国際的・地域的な努力にもかかわらず、1700人以上が殺害され、数万人が恣意的に拘束され、40万人以上が避難している状況が改善していないことを指摘した。また、アジア太平洋地域のすべての指導者に対し、民主的に選出された文民指導者に政権を返還するようミャンマー軍事政権への圧力を強化すること、またグローバル及び地域の企業に対しては、ミャンマー国民の人権に対する軍事政権の攻撃に資金提供するような事業を一切行わないよう求めている。そして最後に、ミャンマーのすべての人々に対する連帯を再び強調した。

この声明を地域の全加盟組織に配布し、自国内でのロビー活動のツールとして活用するよう、奨励することが合意された。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、報告と声明文に謝意を表し、この声明を次回のUNI世界運営委員会に提出し、さらなる支持を得る予定だと述べるとともに、UNIは対話中の多国籍銀行に対し、ミャンマーでの金融事業を停止または縮小するよう、引き続き圧力をかけていくと約束した。

会議ではさらに、韓国とフィリピンの加盟組織が最新状況を報告した。韓国では最近の大統領選で保守派の候補者が当選したが、この候補者は反組合的な公約を掲げてきた。一方、フィリピンでは、大統領選の有力候補として独裁者フェルディナンド・マルコス元大統領の息子が、副大統領には麻薬撲滅のため血みどろの戦争を展開した前大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ氏があがっている。また、会議は、2020年に成立した国家安全維持法によって、加盟組織が安全かつ積極的に国際会議に参加することが妨げられている香港の困難な状況に留意した。

第6回UNI Apro地域大会の準備について

第6回UNI Apro地域大会に向けた準備を開始すること、パンデミックによる混乱を考慮し、2023年ではなく2024年に地域大会を開催することに合意し、会議を終了した。


4月28日、安全衛生をILOの基本的権利に!

国際労働災害犠牲者追悼日の4月28日、世界中の労働組合は、業務中に死傷・罹患した人々を思い起こし、職場の安全衛生に向けた闘いを強化する日としている。今年、世界の労働組合運動は、「労働安全衛生をILOの基本的権利にしよう」のメッセージを発信している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「人々は仕事で尊厳と自信を得るべきであって、怪我や病気をしたり、まして死んではならない」と述べ、「安全衛生を国際労働機関(ILO)の中核的権利とすることで、労働者の死や病気が1つでも多すぎるということが明確になる。また、特にパンデミックの発生以来、より安全な仕事を求めてきた労働組合と協力するよう、使用者と政府にメッセージを送っている」と強調した。

世界では、業務に関連した病気や事故で毎年300万人以上の労働者が死亡しており、3億7,400万人が業務中に負傷したり病気に罹患したりしている。労働安全衛生に関連したサービスを受けられるのは、わずか2割に過ぎない。

4月28日のグローバルな行動を調整しているシャラン・バローITUC書記長は、「我々は、ILOが労働安全衛生を職場における基本的権利として採択することを要求する。労働安全衛生は、結社の自由や、強制労働、児童労働、雇用における差別の撤廃と同様に重要な課題だ」と述べた。

ILOは政労使の三者構成組織である。労働安全衛生をILOの基本原則および権利として制定することで、加盟国は、関連する他のILO条約を批准しているかどうかにかかわらず、この権利の尊重、促進に責任を持つことになる。また多くのILO加盟国は、基本的な基準を憲法に組み込んでおり、基準が実現され、人々の生活を向上させることを保証している。

2019年のILO創設100周年記念宣言では、すべての労働者にとっての労働安全衛生の重要性が認識された。以来、COVID-19パンデミックと、業務上のテクノロジーの使用拡大によって生じた危険が相まって、安全衛生を基本的権利とすることに新たな緊急性が加わった。過去2年間の経験から、この権利の実現と行使にあたって、組合が不可欠であることも示された。

パンデミックの間、UNIはすべての部会で安全衛生の指針を発表した。UNIは、安全衛生を基本的権利とすることを一貫して求めており、最近では、テレパフォーマンスにおけるリモートワークが健康に及ぼす影響に関する研究、アマゾン等におけるプライバシーを侵害するような監視行為が労働者の健康に及ぼす影響、そしてエッセンシャルワーカーの保護に向けた組合の取組みに関する部会横断的調査を発表している。


UNIマレーシア加盟協、使用者による在宅勤務者の賃金削減案に反撃

経済再開に伴い、在宅勤務を選択する労働者の賃金を削減するという、マレーシア経営者連盟(MEF)のショッキングな提案に対し、 UNIマレーシア加盟組織連絡協議会(UNI MLC)が 反発している。

モハメド・シャフィーUNI MLC議長は、この提案に対し「在宅勤務は、安い賃金で働くということではない」と猛反発し、地元メディアもこの発言を取り上げている。

「パンデミックの2年間、労働者は使用者に協力し、賃金が減らされても文句を言わず、状況が厳しいことを理解して、昇給やボーナスを要求することもなく、いつも通り在宅勤務を続けてきた。使用者のために犠牲を払い続けた後、今MEFは労働者に不当な扱いをしようとしている。従業員は休暇をとっていたわけではなく、仕事を家に持ち帰っていたのだ」と語気を強めた。

MEFは、在宅勤務の従業員の賃金を10~12%減額することを提案している。会社によっては交通費を支給し続けており、通勤しないならば支給額を減らすべきだとして、この不必要な賃金カットを正当化しようとしている。

これに対してシャフィー議長は、パンデミック時に多くの労働者がリモートワークを行うことで家計の負担が増え、健全でない環境で仕事をしていたことを引き合いに出し、反論している。

組合がパンデミック時に団体協約を交渉する際の指針となるよう、UNIは2021年2月初旬にリモートワーク主要原則を発表している。この原則は10の勧告からなり、そのうち4つは今回のMEFの提案に特に関連している。

・リモートワークは、雇用の権利と雇用関係を損なうものであってはならない。
・作業機器とリモートワークスペースの費用は、使用者が負担しなければならない。
・ リモートワークは「ジェンダーに中立」で、全ての人に開かれたものでなければならない。
・リモートワークのルールを導入または拡大する前に、労使はその影響を徹底的に評価し、文書化しなければならない。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UNI MLCがこの提案に強く反対していて頼もしい。マレーシアの使用者側の動きは非常に残念なことだ。パンデミックはまだ正式に収束しているわけではなく、状況によっては在宅勤務への復帰が求められる可能性があることを忘れてはならない」と述べた。


スリランカ情勢に関するUNI Apro声明

UNI Aproは、スリランカの政治経済状況の悪化について、深い憂慮を表明する。

スリランカは、独立以来最悪の経済危機に直面している。深刻な外貨不足により、食料、燃料、その他の生活必需品の輸入代金を支払うことができない状況に陥っている。

物資の不足と停電は国民の不満に拍車をかけ、首都をはじめ全国各地で非暴力抗議運動が勃発し、コロンボでは、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の退陣を求める平和的デモが行われている。

その後の政治的混乱によって、国民の怒りはさらに高まった。2022年4月3日、首相を除く内閣の全26閣僚が総辞職し、続いて4月5日(火)には、同盟政党の40人以上の議員が、連立政権への支持を取り下げた。

セイロン銀行労組(CBEU)や郵便労組(NPTWU、SLPTSU、UPTO)など多くのUNI加盟組織が、スリランカの政治経済崩壊の終結を求めて連帯している。

UNI Aproは、同国のすべてのUNI加盟組織との連帯を拡大する。スリランカ政府に対し、国民の声に応えて人々の苦難を直ちに和らげる施策を立案・実施し、法と秩序を回復させると同時に、表現および結社の自由に対する人々の権利を抑制するいかなる措置も取らないよう、求める。


UNI Apro、南オーストラリア州首相に当選したマリナウスカス氏を祝福

UNI Aproは、先般の南オーストラリア州選挙において、南オーストラリア労働党を勝利に導いたピーター・マリナウスカス氏を祝福する。

マリナウスカス氏が率いる労働党は、労働者の中核的な問題、特に健康とクリーンエネルギーの雇用に焦点を当て、選挙キャンペーンを展開した。

UNI Aproは、賃金窃盗の刑罰化、業務上過失致死罪の導入、偽装請負に関する規則の強化、看護師対患者比の改善など、選挙で提起された一連の労使関係政策に称賛を送る。これらは労働者の日常生活に深く影響する問題であり、有権者からの圧倒的な支持を得た。

また、政労使の三者社会対話アプローチに長年取組み、各当事者、そして最も重要な南オーストラリア州の人々の利益になるバランスをとるべく、連携して取り組んできた同氏を称える。UNI Aproは、このアプローチがマリナウスカス政権を支え、州の経済競争力を高め、働く人々の生活を向上させることにつながると確信する。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、同氏が勝利演説の中で、オーストラリア自由党について「対抗関係にあるが敵ではない」と表現した、その融和的アプローチを賞賛し、 「この平和的アプローチと建設的な三者関係の構築を求める姿勢は、ますます二極化する世界において民主主義を維持する上で不可欠であり、アジア太平洋地域の政府、企業、組合にとって素晴らしい手本だ」と述べた。

政界入りする前、同氏はUNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)の南オーストラリア支部の役員を務めた。そこでの最大の功績のひとつは、クリスマスと大晦日の半日祝日を法制化するキャンペーンを展開したことだ。マリナウスカス氏は、2018年にクロイドンの議員に初当選し、その直後に同州の労働党首となった。

UNI Aproは、南オーストラリア州新政府の今後の活躍を期待する。


ジェニングス前UNI書記長、スイスの地方紙ラ・コートの「パーソナリティ・オブ・ザ・ディケード」賞を受賞

2018年まで、18年間にわたりUNI書記長を務めたフィリップ・ジェニングス氏は、UNIを労働者の権利のための強力な組織に育て上げ、人生をかけて平和と世界の労働者のために闘っている。

ジェニングス氏は、労働組合の強化に尽力してきた長年にわたる優れた経歴の中で、労働者の権利、平和、正義の世界的な闘士として知られるようになった。

ジェニングス前書記長は、「この賞を受賞することができて、本当に光栄だ」と喜びを語り、「ここで生まれたわけではないが、ラ・コートを故郷と呼べることを大変嬉しく、誇りに思う」と述べた。また、UNI本部のあるニヨンを含むラ・コートについて「このような活気に満ちた、国際的で心地よいコミュニティに根ざしていなければ、これほどグローバルなインパクトを与えることはできなかったと思う」と触れた。

国際平和ビューローの共同代表として、ジェニングス氏は受賞の機に、ウクライナの和平推進を全ての関係者に呼びかけた。

ジェニングス氏は、2018年のリバプール世界大会でUNI書記長を退任後、国際平和ビューローの共同代表として強力に平和を擁護し、スポーツ人権センターの理事としてスポーツにおける人権を推進し、ILOの仕事の未来世界委員会の委員として労働者の声を代弁するなど、多忙を極めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「フィリップの受賞を誇りに思う。彼は常にUNIとラ・コートのコミュニティの間に強い根を張ることに尽力しており、今回の受賞は、その取組みが大きな成果を収めていることが認められたものだ」と語った。


中南米のメディア・舞台芸術関連の労働者、約9割が暴力やハラスメントの被害に

UNIメディア部会と国際俳優連合(FIA)が3月18日に発表した調査報告書が、中南米の視聴覚・舞台芸術部門において労働者に悪影響を及ぼしている根深い性差別、差別、暴力、ハラスメントの文化に、スポットライトを当てた。この産業における暴力とハラスメントに関して、初めて組合が行った調査であり、最も被害を受けているトランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者を含めたものとして、初の地域レベルの取組みとなった。

調査は、中南米16か国を対象とし、1,423人から回答を得た。ただし、回答の大半は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、ウルグアイの7か国から寄せられたものであり、その他の国からの回答は36件である。

調査によると、回答者の89.4%が、職場で暴力やハラスメントの状況を経験したことがあると答えている。その内訳は、トランスジェンダーまたはノンバイナリーの労働者が95%、女性が87%、男性が70%であった。

回答者の37.4%が、職場でセクシャルハラスメントの被害を受けたことがあると答えた。また42%が、職場のハラスメントやセクハラ、ジェンダーに基づく暴力の事例を拒絶し、または報告するために介入したことがあると答えた。メキシコでは、半数以上の54%が、職場でセクシャルハラスメントを受けたことがあると回答した。

回答者の半数以上となる55.4%が、職場環境におけるセクシャルハラスメントの状況を認識したことがあると回答し、最も多いのはメキシコの68.5%であった。

ペルーでは、回答者の65.4%が、自分または同僚の誰かが暴力やハラスメントの被害を受けたために、仕事に行くのが怖い、または行きたくないと思ったことがあると回答した。その割合が最も低いウルグアイでも、半数以上の52%が同様に回答した。地域全体では、その割合はトランスジェンダーおよびノンバイナリーの人で86.5%、女性で61.7%に上った。

女性の81%、トランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者の76%が、職場環境で「マイクロマチズモ」(男性優位社会の日常生活に埋め込まれた、言葉使い、思考、意識、ふるまいや習慣的行動のこと)を経験したことがあると答えたのに対し、男性で同様の回答をしたのは、26%であった。これは、男性優位の思考やマッチョな行動が常態化しており、女性やトランスジェンダー、ノンバイナリーの回答者が、萎縮、抑圧させられ、追いやられた立場に置かれている状況を示すものだ。

トランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者の73%が、「上司や同僚の誰かに無視されたり、過小評価されたりしたことがある」と回答しており、女性の61%、男性の41%に比べ、その割合は高い。

また、トランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者の75.7%が、ジェンダーに基づく暴力によってキャリア形成が制限されたことがあると答え、女性の55%に比べて高い割合となっている。同じ理由でキャリア形成を制限されたと感じたことがあると答えた男性は27.5%であり、ちょうど女性の半数である。

暴力やハラスメントに対する苦情を言うことについて、回答者の70%が「内部告発は悪い結果につながる可能性がある」と考えている。さらに、使用者はこうした事例に対して取るべき措置を心得ていて信頼できる、と答えた回答者は、わずか26%であった。この2つの傾向は、調査で確認されたすべての国、部門で見られた。

UNI世界メディア部会副議長を務めるブラジルのソニア・サンタナSindcine委員長は、「今回の取組みは、中南米の各国に対する非常に重要な調査であり、職場の暴力やハラスメントを理解し、それに立ち向かっていくための知識を与えてくれる。中南米には全体的にマッチョな文化があり、立ち向かっていかなければならない。ハラスメントの形態を明らかにすることは、そのための方法の1つだ」と、調査の意義について語った。

アリシア・ドリオッティFIA副会長は、「職場環境における女性やトランスジェンダー、ノンバイナリーの労働者に対する暴力は、嫌がらせ、セクハラ、差別待遇、賃金差別、雇用制限、ガラスの天井など、さまざまな形で現れている。我々は、具体的な政策を推進していくために、明確で正確な分析を緊急に必要としていた。この調査は、より公平で望ましい労働条件を生み出し、安全で尊厳のある、平等で多様性を尊重する職場づくりをしていくために、分析を行い、必要なネットワークを構築していく上で、素晴らしいツールだ」と述べた。

また、この報告書には、こうした問題に関する教育・訓練・広報活動、プロトコル、団体交渉、地域間の労組ネットワークなど、組合に対する重要な提言も盛り込まれている。

調査で集まった匿名の証言:

―妊娠を理由に、2つのコメディーから、リハーサル途中で「引退勧告」を受けた。

―ある面接で部長からキスを求められ、断ると「本当にこの仕事がしたかったら、どんなことでもするはずだ」と言われた。

―役に起用する代わりに、飲みに誘ってくるプロデューサー

―監督の挨拶時に「社交上の義務」としてハグをする際、適切な時間よりも長かったり、合意のないまま接触する等の不適切な行為があった。

―舞台上での不当な扱い、冗談や軽蔑を含んだ口調での嘲笑や侮辱

―部下は全員男性で、私が上司になるのを嫌がっている。私の指示には疑問を持つが、男性が同じ指示を出せばそれに従う。

関連資料:UNIおよびFIAによる中南米における暴力とハラスメントについての調査(英文)


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