ドイツ多国籍小売業リドル、オランダで従業員の労働負荷軽減を命じられる

低価格スーパーマーケットチェーンの多国籍小売業リドルが、オランダ労働局から裁定を受け、同国内の店舗で働く従業員の労働負荷の軽減と安全衛生の改善に向け、1年間の猶予期間を与えられた。

今回の裁定は、オランダのUNI加盟組織FNVからの苦情申入れを機に行われたリドル店舗内の労働検査で、従業員に対する高い労働負荷と業務量に関連した法令違反が見つかったことを受けたものだ。同社は、2024年2月末までに問題を是正しなければならない。

FNVによる2019年の報告書『コード・レッド・ワークロード(厳戒警報の業務量)』に照らし、同労組は、リドルが労働条件の改善に向けた交渉を拒否したことを受けて、苦情を申し立てた。この調査では、リドル労働者の72%が極めて高い業務量に直面しており、同様の職種の全国平均52%をはるかに上回っていることが明らかになっている。

また報告書では、リドル従業員の実に20%が定期的に無給の労働をしており、87%がここ数年で業務量の増加を認識していることも明らかになった。組合によると、業務量の増加は、労働災害や怪我など、多くの安全衛生上の懸念につながっている。

この報告を受けてFNVは、労働安全衛生リスク評価で、従業員に対する労働負荷や業務量に関する法的義務を果たしていない点も指摘している。

「非常に良いニュースだ」と喜ぶFNV役員のファトゥマ・ブダイチェ氏は、「経営陣に数え切れないほどの報告書や調査結果を提出してきたが、これらは無視されてきた。ようやくリドルは、多くの従業員に高レベルのストレスと健康問題を引き起こしている不健康な業務量について、何らかの対策を取らなければならなくなった」と述べた。

検査官は、同社が必要な措置をとったかどうかを確認するため、フォローアップ検査を行い、措置がとられていない場合は罰金も科しうる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「リドルは、従業員がまっとうで合理的な業務量と労働条件を確保できるよう、FNVと交渉し、協力していかなければならない」と述べ、「残念ながら、高い労働負荷や労働安全衛生の問題、組合と適切な関わりを構築できていない状況は、オランダのリドルに限ったことではない。リドルのグローバルネットワークを通じて、我々は欧州と米国の加盟組織と協力し、リドル労働者の適正な労働条件と賃金の確保に取組んでいく」と改めて決意を語った。

ドイツに本社を置くリドルは、オランダ国内の440店舗と7つの配送センターで約2万人の労働者を雇用し、欧州と米国の31か国では約35万人の労働者を雇用している。


コロンビアで労働改革を主導する女性たち

国際女性デーの一環として、2023年3月上旬にUNI米州は、コロンビアにおけるジェンダー不平等に取組むべく、フォーラムを開催した。近々、グスタボ・ペトロ新政権が、大きな期待を集める労働改革を発表するのを前に、フォーラムは特に重要な意味を持っていた。

フォーラムでは、労働組合や社会団体が、コロンビアにおける構造的なジェンダー不平等に取組むよう政府に要請するとともに、職場でのハラスメントや暴力に関するILO第190号条約の批准の重要性を強調した。

コロンビアでは、女性の収入は男性よりも20%低く、女性は職場で暴力やハラスメントに晒されることが多い。マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「加盟組織がこのILO条約をツールとして活用できるようにし、またコロンビア社会で取り残されてきた労働者が声をあげられるようにしていきたい」と述べた。

マグダ・アルベルト労働省機会均等担当顧問は、 「労働省にとって、労働改革の中に取り入れられるよう、ジェンダー平等と労働格差について話し合うことは、非常に重要なこと」と強調した。

労働改革について、労働省は、多様な社会団体や組織から4,000を超える提案を取りまとめており、この公開協議では、コロンビアで初めてLGBTI+の労働者やセックスワーカーの意見が考慮され、不安定労働やインフォーマルな労働契約に関する改革の必要性が強調された。    

この点について、ILOコロンビア事務所のダイアナ・サルセド氏は、「今度の労働改革では、雇用の安定を図るために、無期限の雇用契約を雇用関係の基本ルールとしなければならない」と指摘した。

現行のコロンビアの労働法は、雇用契約を結んでいる労働者のみを対象としており、労働組合は、この新しい改革にあらゆる形態の雇用関係を含めることを求めている。

コロンビアのUNI加盟組織は、同国の労働改革を推進する上で、積極的な役割を担ってきた。「我々は、守るべき労働のアジェンダを作ってきた」と述べるアイーダ・ガルソンACEB書記長は、「この歴史的なチャンスを捉えて活用し、教育、法律、訓練を通じて、これらの労働改革がすべての主要な問題を網羅するようにしなければならない」と訴えた。

最後に、マフェ・カラスカル下院議員は「労働者を保護するために立ち上がり、取組んでいく覚悟があるのだということを、我々は世界に示さなければならない。ILO第190号条約の批准を推進し、コロンビアが必要とする仕事の世界に向けて、取組みを続けていく」と締めくくった。


アルゼンチン:テレビ関係の労働者が38%の賃上げを獲得

アルゼンチンの放送労組SATSAIDは、国内の無料TV放送チャンネルや独立系テレビ制作会社で働く組合員に対し、38%の賃上げと537米ドルの一時金支給を獲得した。

全国に生中継されたテレビシリーズ「ビッグブラザー」の撮影現場でのデモを含む、一連の動員やストライキを経て実現したものだ。

SATSAIDは、2023年3月3日に労働省にて、アルゼンチン独立テレビ制作者協議会(CAPIT)およびアルゼンチン・テレラジオ放送協会(ATA)との間で、新たな賃金協定に調印した。賃上げは2023年1月から遡及適用され、4段階で6月まで適用される予定だ。組合は、争議に関連して組合のストに参加した労働者から賃金を差し引かないことも、使用者に約束させた。

オラシオ・アレセコルSATSAID事務局長は、「今回の協定は、争議が始まった当初から闘争のすべての行動に参加してきた労働者の確固たる取組みと積極的な支援の成果だ」と述べ、「我々はついに、労働者にとって公正な賃上げに到達することができた」と喜んだ。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「SATSAIDは、組合員を動員して勝利を勝ち取る力を見せてくれた。公正な賃上げのための今回の協定は、組合に入って一丸となって取組めば、労働者がインフレの代償を支払う必要がないのだということを、世界中の労働者に示している」と成果を祝福した。


3月8日は国際女性デー:女性の安全衛生のために、共に立ち上がろう!

2023年3月8日の国際女性デーを迎え、UNIは職場における女性の労働安全衛生に、スポットライトを当てている。

ILOは2022年6月、安全衛生を労働における基本的権利の一つとして加えた。そしてUNI機会均等局は今年、労働安全衛生にジェンダー視点を取り入れるためのガイドブックを作成した。

ジェンダーの視点を持たない従来の安全衛生の取組みでは、職場における女性の特定の健康課題が軽視されがちであった。こうした状況は多くの場合、年齢、人種、差別など、女性に影響を与える他の相互作用する複合的要因によって、いっそう強化されてしまうのである。

女性は、職場で暴力やハラスメント、特にセクシャルハラスメントの被害を受けやすくなっている。個人防護具は、男性の身体に合うように設計されていることが多いため、女性にとっては装着が厄介であり、効果も薄れてしまう。米国での研究によると、女性労働者は仕事に関連した筋骨格系の怪我をするリスクが非常に高く、業務上の反復運動による怪我の63%を占めている。

さらに多くの場合、妊娠中、月経中、更年期の女性に対するサポートは、不十分もしくは欠如している。英国では、10人に1人の女性が更年期障害を理由に仕事を辞めている。

ガイドブックは、安全衛生における不平等を検証し、特に女性の心理社会的リスク、有害物質の使用、不適切な作業資材や制服、性と生殖に関する健康などの影響について、重点的に取り上げている。また、労働組合が会議やワークショップでこうした問題について検討を始め、女性労働者の保護に役立てるための実践的な演習も含まれている。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「あまりに長い間、職場の安全衛生に関して、女性の特別なニーズは無視されてきました。ジェンダーの視点を加え、包括的な安全衛生のアプローチをとることで、女性が安心できる、守られていると感じることのできる、より良い職場にしていくことができる」と語った。

『労働安全衛生にジェンダー視点を―労働組合員のための実践的ガイド』は、ドイツ労働総同盟の支援を受けて作成されたもので、こちらからダウンロードすることができる(英語版)。


オーストリアのIT労働者、インフレ打破の賃上に成功

オーストリアの IT労組GPAが、ICT産業全体で大幅な賃上げを勝ち取った。

最も賃金水準の低い労働者は17%の賃上げ、部門別最低賃金を上回る賃金水準の労働者は7.7%の賃上げとなり、約65,000人の労働者が対象となる。協約は2月に締結されたが、2023年1月1日から遡及して適用される。

男女間の賃金格差を是正
この協約のもう一つの大きな改善点は、差別撤廃条項に関するものだ。以前は、使用者は最低賃金を超える賃金を受け取っている人のうち10%について、交渉による賃上を差し控える権利を持っており、そうした労働者の中には多くの女性が含まれていた。

GPAは、当該部門の労使協議会から提供された賃金データを分析し、こうした慣習がこの部門における著しい男女間賃金格差の原因となっていることを明らかにした。これを解消するために組合は、交渉による賃上げをすべての人に適用し、従来の差別的な慣行をなくすよう働きかけてきた。

これが決定打となり、マスコミの大きな注目を集めたが、報道によって使用者団体は守りの反応を示した。しかし、証拠に基づく強力な主張と明確なコミュニケーションにより、組合は非常に好意的な報道を獲得し、使用者側に世論の圧力をかけることができたのである。

バーバラ・タイバーGPA委員長は、「一般的に、IT企業の女性は男性より賃金が低いのであり、テック産業の女性にとって不利な環境が作り出されている。人手不足に陥っている今こそ、文化を変え、女性にとって魅力的な産業にする時だ」と訴えた。

強まる決意
IT 労働者は、自らの職業人生を形作る部門や会社の決定に関与することに、ますます強い関心を寄せており、この世界的な動きは、オーストリアでも影響を及ぼしている。交渉に先立ってGPAは、優先事項を決定するために労働者への調査を実施したが、非常に高い回答率となった。労使協議会の労働者代表と協力し、調査や部門のマッピングの実施も鍵となった。また、要求に対する団結の象徴として、第1回交渉の際に交渉担当者が着用したTシャツに、労働者代表全員が署名をした。

キャンペーン期間中、ソーシャルメディアでは、組合がリアルタイムでやりとりし、最新情報を受け取ったり、事務局に直接質問したりすることができたため、エンゲージメントも高まった。労働者は特に、意欲的で解決策に基づく提案によく反応を示しており、こうした積極的なやりとりは、多くの人々が参加した2回のデモに結実したのである。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「この素晴らしい協約は、前途を照らすものだ。交渉担当者が、労働者の強い支持を得ていることを確認できれば、強力な前進が可能であるということを、欧州全土で目の当たりにしている。今回、労働者は最初から、すべての段階において関与してきたことで、組合の要求を自分事として認識することができた。いざ要求を支える時がきたら、労働者はその呼びかけに応じる準備ができているのだ」と述べた。

オーストリアのIT部門には、2つの異なるタイプの使用者がいる。一方は、多国籍企業ATOSのような独立系企業で、多様な顧客を抱えている。他の27%はアウトソーシング/子会社で、他部門(通常は金融部門)の主要企業によって設立され、その企業へのサービス提供のみを目的として運営されている企業だ。例えば、ライファイゼンは、このような形で外部委託のIT企業を有している。こうして部門をマッピングすることで、GPAは使用者側の状況について洞察を得ることができただけでなく、労働者への対応に役立つ職場のダイナミクスを把握することができた。

UNI欧州は、欧州の組織化センターであるEPOCを通じて加盟組織と連携し、労働者参加と戦略的マッピングを組み合わせた戦略を構築し、団体交渉を強化している。GPAのIT部門は、2021年初頭からEPOCと連携してきた。


芸術・娯楽部門におけるディーセントワーク:ILO会合で、雇用改善に向けたグローバルな基礎を構築

2023年2月、ILOでの1週間の交渉を経て、労働組合、使用者、政府は、芸術・娯楽産業において「ディーセントワークの欠如」を生み出している長時間労働、低賃金、社会的保護の欠如、不平等を認め、これらの是正に向けた一連の結論に合意した。

この成果は、2月半ばにスイス・ジュネーブで行われた、芸術・娯楽部門における仕事の未来についての5日間のILO技術会議の後に、2月23日に文書として発表されたものである。会議には、3つのGUFs(UNI、国際俳優連合(FIA)、国際音楽家連盟(FIM))の傘下で、この産業に従事する100万人以上の労働者を代表する組合指導者が集まった。

今後、政府は使用者および労働組合と協力し、労働時間を規制する法律や規制を促進・強化し、自営業者を含むこの部門すべての労働者に包括的社会保護制度への普遍的アクセスを提供し、この部門のスキル不足を解消するための公的資金を確保していくことが必要となる。

また、今回の結論は、団体交渉がディーセントワーク実現の鍵であることを認識するとともに、政府が芸術・娯楽産業における団体交渉権の実質的な承認を確保し、ILOが同部門における団体交渉実施に関する政策指針を提供するためのアクション・ポイントも含まれている。

放送、メディア、エンターテインメントの労働者を代表する英国のBECTUで委員長を務めるフィリッパ・チャイルズUNI世界メディア部会副議長は、「我々は多くの前進を遂げることができた。この結論によって、我々の主要課題、特にこの部門における長時間労働の問題に関して、使用者と政府に圧力をかけることができるようになる。パンデミックによって労働者は自らの状況を顧みることになり、長時間労働がワークライフバランスに与える影響について、真剣に考えるきっかけとなった。多くの人々がこの業界を去り、また戻ってくるかどうかもわからないため、英国だけでなく世界的でスキルが不足する状況になっている。この状況を好転させるためには、労働条件と機会を改善する必要がある」と訴えた。

オンラインストリーミングによって従来のライセンスモデルが時代遅れになる中、今回の結論は芸術・娯楽分野における著作権および関連する諸権利の重要性についても強調しており、法定報酬や団体交渉を通じて、プロデューサー、パフォーマー、著作者に実施的に報酬が与えられる形でこれらの権利が実現されるよう、政府に要求している。

また、ILOの結論は、産業全体の労働者に影響を与える新しいテクノロジーや人工知能の導入に対して、人間中心のアプローチを求めている。

今回、労働側のスポークスマンを務めたFIA執行委員のダンカン・クラブトリー氏は、「人工知能は並外れた可能性をもたらすが、現実の脅威もつきつけている。AIに対する人間中心のアプローチは、我々の業界の未来にとって極めて重要だ。こうした変革的な技術は、人間の創造性を補完するものでなければならず、それに取って代わるものではない。今こそ、ILOがこの問題に取組み、すべての労働者のためのディーセントワークと団体交渉へのアクセスを促進するためのより広い課題の一環として、公正さと持続可能性を確保する枠組みをさらに進めるのを支援する時だ」と強調した。

また政府は、ビザや労働許可証の障壁を含む労働者の国境を越えた移動における課題、また社会保障受給資格の国境を越えたポータビリティ(持ち運び)や二重課税の課題に取組むべきである。

ブノワ・マシュエルFIM事務局長は、「採択された結論は、団体交渉権の承認およびすべての労働者の社会的保護への普遍的なアクセスについて勧告しており、我々の中核的な懸念に応えるものであることを特に喜ばしく思う。国境を越えたポータビリティと職業病に関する条項も、我々が代表する職業に就く人々にとって非常に好ましいものだ」と述べた。

他の条項の中でも、今回の結論は、職場における暴力やハラスメントへの効果的な対応を含め、安全で衛生的な労働環境を推進するための強力な労働監督制度を確保することを求めている。さらに、この成果は、急激な技術革新が進む環境に優しい産業への公正な移行を可能にするための官民の投資の重要性を強調するものである。

ブラジルの組合SINDCINEで委員長を務めるソニア・サンタナUNI世界メディア部会副議長は、「今回の成果は、労働協約へのアクセスを確保する上で大きな役割を果たすと同時に、労働者の権利を擁護し、特に女性の平等、人種の平等、先住民の平等を推進し、使用者との関係を深めるための他の手段を与えてくれるものだ」と評価した。

この文書は、特に差別を受けやすい人々に対するこの部門の不平等を認め、この部門が「多様性、平等、包摂性というレンズを通して」仕事のあらゆる側面にアプローチするよう求めている。

カナダのIATSE国際副会長を務めるジョン・ルイスUNI 世界メディア部会委員は「これは前向きな成果てあり、この業界で働く世界中の人々に影響を与える、団体交渉へのアクセス改善や、著作権保護の強化、長時間労働への対処など、各国政府と他の議論を始めるための出発点を作るものだ」と強調した。


労働組合は、アルゴリズムについて交渉が必要

テクノロジーの発展は、我々の生活にますます強い影響を及ぼしており、それは仕事も例外ではない。正しく使えば、より効率的で魅力的な仕事につながるが、非常に多くの場合、テクノロジーによって仕事は単調で負担の大きいものになり、強い統制下に置かれている。スウェーデンでは、商業労組のHandelsが「Human-machine work」と題した報告書を発表し、新しいテクノロジー、特にアルゴリズムに基づくテクノロジーを職場でどのように導入するかを決定する際に、従業員を参加させることの重要性を明らかにしている。

この報告書には、倉庫の労働者を対象としたアンケート調査の結果が含まれており、それによると、労働者の大半は、アルゴリズム、ロボット、組み立てラインが作業を制御・監視するデジタルシステムを使用の中で働いている。システムがうまく機能すれば、従業員はスキルアップしてより高度な仕事をこなし、デジタルシステムと共に仕事を管理することができるが、うまく機能しない場合、従業員は人権侵害的な監視にさらされ、人間的な行動や思考の余地はほとんど残されていない。

問題は、新しいテクノロジーが導入される際に、従業員のニーズやスキルが必ずしも考慮されないことだ。その結果、従業員と企業の双方に利益をもたらすのでなく、労働環境が悪化してしまうのである。職場で定期的な能力開発の機会を得ている従業員はわずか17%で、10人中8人は新たな業務を遂行するための能力開発を望んでいる。

リンダ・パルメッツホーファーHandels委員長は、報告書の著者と共著の意見記事の中で「労働環境に影響を与える他の条件について交渉したいのと同様に、我々は職場のアルゴリズムやハイテクシステムについても交渉したいのだ」と、述べている。

Handelsの報告書は、職場におけるテクノロジーの発展が従業員に利益をもたらすようにするためのいくつかの方策を提案している。一点目は、アルゴリズムで管理されたシステムの導入や使用方法について、従業員に影響力を持たせるため、アルゴリズムについて交渉することだ。二つ目に、新しいシステムが導入される際には、従業員の知識と経験が活用されるようにしなければならない。そして最後に、従業員は、職場で新しいテクノロジーを使うためのスキルアップの機会を得るべきである。

同委員長は、「新しいテクノロジーは、より良い、より魅力的な仕事をもたらしうる。だが、その場合、従業員はテクノロジーが開発される時に、それがどのように使用されるかについて、関与していかなければならない」と指摘した。

Handelsによる報告書『Human-machine work』は、結びとして、職場におけるテクノロジーの発展から従業員がどのように恩恵を受けることができるかについて、洞察を示している。アルゴリズムの交渉、従業員の知識や経験の活用、スキルアップ機会の提供は、より良い職場環境へ向けた、重要なステップだ。


共に立ち上がろう!Rising Together!~第24回UNI-LCJ年次総会、記念講演、レセプション~

2023年2月17日、第24回UNI-LCJ年次総会が東京で開催された。コロナ禍により、昨年および一昨年は、会場出席者を制限したハイブリッド開催であったが、今会は3年ぶりの対面開催となった。各加盟組織より運営委員および総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。2022年度活動報告、会計報告の承認に続き、2023年度活動計画および予算が承認された。また今次年次総会では、2023~2027年度UNI-LCJアクションプランが採択された。

年次総会後に開催した記念講演には、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。4年ぶりの来日となったホフマンUNI書記長は、他の友誼団体からの参加者を含めた約90人を前に、今年8月に開催される第6回UNI世界大会に向けた講演を行った。

ホフマンUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる米国・フィラデルフィアの歴史や、米国の労働運動が直面する課題、またUNI世界大会の動議案の概要を解説した。「これら動議は、今後の私たちUNIの活動の方向性をしっかり示すものだ。UNIの各部会はそれぞれ加盟組合の強化・育成に取組んでおり、社会的・経済的意義に対する責任をもって活動している。強い部会や地域組織なくしてUNIの成功はありえない」と熱く語り、日本の加盟組織が各部会や地域活動に多く関わり貢献していることに感謝の意を表した。

質疑応答のセッションでは、中山敬裕労済労連副中央執行委員長(UNI-LCJ運営委員)、大窄新二印刷労連中央書記長、山下茂美日放労中央執行委員(UNI-LCJ運営委員)より、以下質問があった。

Q:今年のダボス会議の印象や、会議でUNIとして訴えてきたことは何か。

A:印象的だったのは、出席していた企業代表や労働大臣が、団体交渉を通じた労働協約の重要性を訴えていたことだ。労働者に対して有効的な関係が築けていることが背景にあるからだと思うが、以前の会議とは違い、様々な姿勢や雰囲気を感じ、今年の会議は非常に特別なものになった。また、AIについての可能性が議論されたので、この会議に出席していた他のGUFやITUC代表と共に「AIが職場に及ぼす影響やAIの導入方法などの議論は、労働者の意見を聞きながら進めてもらいたい」と訴えてきた。以前と比べ、より多くの企業が労働組合にアプローチをかけてきており、労働組合と向き合う姿勢を強く感じるので、労働組合がまさにつかむべきチャンスであると考えている。

Q:人権デューデリジェンスに関して:

  • UNIが行っている投資家への働きかけの内容とは?
  • UNIが推進しているGFA(グローバル枠組み協定)は、人権デューデリジェンスを推進するのに効果的なスキームであると思うが、国連グローバルコンパクトやOECDガイドライン等と比べた違いは何か

A:投資家は、人権デューデリジェンスを遵守していない企業には投資してはならないというルールがある。具体的には投資家たちに悪質企業があるなど情報提供をしている。現在300の企業があり、場合によってはその投資家を集めて、問題になっている企業に対して行動をとることもある。具体的には、例えば介護分野においては、約4兆ドルを管理するアセットマネージャーに情報提供して取り組んでいる。また、テレパフォーマンス社においては、株価が大幅に下落したことがあったが、4年間働きかけをしてきた結果、今は助言や情報提供依頼を求められている。

 GFAには、労働者の基本的権利の尊重等の原則について関する協定であり、最も重要なのは、モニタリングと対話が組み込まれていることだ。世界中で遵守されるべきと考える。国連グローバルコンパクトは企業が一方的に宣言するもので、具体的にはモニタリングが確立されておらず、結社の自由の補償についての具体的な措置が盛り込まれていない。企業に責任を負わすことができず、現実価値のないものと考える。OECDガイドラインは、1~2年かけて紛争を解決していく場合には有効なツールであると考える。しかし、日常的な問題には実践的ではなくGFAの方が優れている。ただUNIは他の枠組みで上手く解決しない時には、このガイドラインを活用することがあり、バックアップとして有効であると考えている。

Q:リモートワークについて、日本では厚生労働省によるガイドラインはあるが法的拘束力はない。欧州は法整備が進んでいると聞くが、状況を教えてほしい。

A:欧州が進んでいるのは、コロナ禍前に「つながらない権利」についての法整備が確立していたためである。現在は、使用者側が労働者に行う監視カメラをどう制限していくかが、大きな課題となっている。監視カメラがオンでないと賃金を払わない使用者もいる。欧州では、このような行為は違法である法律で定められている。

「リモートワークの主要原則」を1年前に発表したが、リモートワークに関する労働協約を蓄積してまとめてあり、データベースはいつでも閲覧できる。例えば、イタリアの金融労組は、長期間交渉したリモートワークに関する労働協約を策定しており、このデータも閲覧することができるので、参考にしていただきたい。

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)から来賓挨拶を、また清水秀行連合事務局長、郷野晶子ITUC会長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。


英コベントリーのアマゾン労働者、再びストライキ

英国コベントリーのアマゾン・フルフィルメントセンターの労働者は、2023年2月28日、3月2日、3月13日~17日の合計7日間、ストライキを実施する。

UNI加盟組織GMBが組織する350人以上の従業員が、ストに踏み切る。GMBの組合員は、1月25日に英国のアマゾンでは初となるストライキを決行、新たな歴史を作った。労働者たちが望むのは、アマゾンの経営陣が自分たちの組合を認め、少なくとも時給15ポンドという公正な賃金を交渉することだ。

アマンダ・ギアリングGMB組織化担当は、「この前例のない7日間のストライキが示すのは、コべントリーのアマゾン労働者の怒りだ。彼らは世界で最も利益を上げている企業の一つで働いているにもかかわらず、自らの生活を維持するために24時間働かなければならない」と訴え、「コベントリーのアマゾン労働者が2023年4月に、全国最低賃金をわずか8ペンス上回るだけの賃金しか得られない状況は、不愉快でしかない。アマゾンの上司は正しいことを行い、労働者と適切な賃上げを交渉することで、この労働争議を止めることができる」と述べた。

UNIのアマゾン・グローバル労組アライアンスのメンバーであるGMBは、アマゾンの労働条件改善を長年にわたって提唱してきた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「コベントリーの問題は、一つの倉庫にとどまらない、世界的な問題」と指摘し、「だからこそ、世界中の労働者がこのGMB組合員と連帯している。ともに我々は闘うことで、我々勝利する。ともに闘うことで、アマゾンに適正な賃金を支払わせる」と結んだ。


スト継続中のモンテネグロのテレコム労働者に連帯支援を

モンテネグロにあるドイツテレコム子会社のツルノゴルスキ・テレコム(CT)の労働者は、3か月以上にわたってストライキを実施している。

ジェリコ・ブリッチCT労組委員長は、「CT経営陣は、我々の労働協約と法を破ったが、我々の意思まで砕くことはできない。組合を潰したいのだろうが、そうはさせない」と強固な意志を見せ、「我々は15年間、経営陣と交渉してきたが、今、CTとその親会社であるドイツテレコムは聞く耳を持たない。そのせいで、労働者の家族は苦しんでいる」と訴えた。

ストライキは2022年11月15日に始まり、それ以来、労働者は賃金を受け取っていない。 ある労働者は「我々の組合の存続を守るためにストを行っている」と語る。

モンテネグロの475人のCT従業員は、電話回線やインターネット回線の設置・修理を行う技術者が中心だ。彼らはパンデミックの間も、自国の回線を維持するために働き続けてきた。だがCTは、労働者の働きに対し、組合を潰し、雇用安定を守る労働協約の大部分を一方的に取り消すという仕打ちをしている。

ストに参加する労働者が求めるのは、以前の労働協約の雇用保護に戻すことと、30%の賃上げである。労働者は2008年以来、賃上げを受けていないが、この間にバルカン諸国のインフレ率は50%上昇し、労働者の実質賃金は切り下げられた。しかし、経営陣と株主は大きな利益を得ている。

CT労組によると、経営陣はそうして得た資金を使ってスト破りの要員を違法に雇用している。同社はまた、御用組合を設立するとともに、ストに参加した労働者には、法的に要求される社会給付を支払っていない。

さらに、経営陣は組合が会社敷地内に集まることを許可せず、組合から労働者への連絡手段も遮断している。CTによる組合潰しがあまりに過激になったため、組合はCT経営陣を刑事告発し、最高で1年の禁固刑が下る可能性がある。

ブリッチ同委員長は、「このような悲惨な状況だからこそ、我々は立ち上がった。裁判所に訴え、労働監督官を呼び、交渉の場にも出たが、今のところ会社は動かない。我々が経営側に求めるのは、交渉する意志と法律を遵守する意志だ」と述べ、「生活の維持と権利保護のために闘う我々に、国際的な連帯をお願いしたい」 と続けた。

UNIは、組合を守り、より良い労働条件を求めてストライキを決行する労働者たちの家族を支援するため、連帯基金を設立した。UNIはこの問題を、ドイツテレコムの一子会社における交渉の問題ではなく、業界の基準を維持・向上させるための闘いであると認識している。寄付の方法については、こちらをご覧ください。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ