ネパールのUNI加盟組織であるカジノ労組(CWU)は、組合員を新たに600人以上獲得した。直近では、カトマンズのマリオット・ホテルにあるデルティン・カジノで325人の労働者を組織化し、マヘンドラナガーとネパールガンジのハッピーアワー・ミニカジノでも組織化に成功した。
COVID-19の影響を被り、ネパールのカジノは1年半以上閉鎖されていたが、昨年、営業再開の許可が下りた。カジノ業界では、約12,000~15,000人が雇用されているとされる。
ネパール人のギャンブル行為を禁じられている中、CWUは、低賃金で汚名を着せられるゲーム産業で働く従業員の権利と福祉のために闘っている。組合に加入することで、カジノ労働者は使用者との団体交渉や協議のプラットフォームを得て、賃金や労働条件の改善、キャリア成長の機会を得ることができるようになる。
デルティン・カジノにおける勝利について、CWUのディネシュ・アチャリヤ・マリオットホテル支部委員長は、「デルティン・カジノで労働者を組織化する上で多くのハードルに直面してきた。だが、賃金改善や外部委託の廃止に向けた懸命な取組みとプラットフォームを通じ、組合加入について全労働者を説得することができた」と喜びを語っている。
加えて、ケム・カドカCWU委員長は、「使用者と国が労働組合運動を弱めようとしている中で、 我々には2つの選択肢しかない。強くなるために組織化するか、搾取されるか。強い発言権を得ることで、尊厳がもたらされる。我々が選ぶのは、常に前者だ」と言い切った。
ネパールのカジノ労働者は、2014年のカジノの全面禁止、2015年の壊滅的な大地震、そしてCOVI-19による業界閉鎖など、この10年間、厳しい試練に直面してきた。その結果、多くのカジノ労働者が職を失い、転職やネパール国外のカジノでの職探しを余儀なくされてきた。
CWUはUNIネパール加盟協に積極的に参加し、今年初めにはUNI Aproが主催したワークショップ『ネパールの文脈における労働者の効果的な組織化』には、同労組も出席している。キャンペーンの効果的な展開のために必要な知識と実践的スキルは、新規組合員を組織化する際にうまく活用された。
ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「厳しい環境の中、ネパールのカジノ産業で何百人もの新規組合員を獲得したCWUに、心から祝福を送りたい。彼らの地道で優れた組織化活動が実を結び、カジノ労働者は今回、成功を勝ち取り、組合の恩恵を受けることになるだろう」と述べた。
ネパールのカジノは、1963年のギャンブル法で規制されており、指定の5つ星ホテルでのみ、カジノの運営が許可されている。ミニカジノは、主に首都圏以外の4つ星ホテルで運営されているゲーム・ルームである。ネパール政府は、これらの施設を管理・監督し、フェアプレーと責任あるギャンブルを保証している。