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2010年長崎に向けてチャレンジ-UNI-Apro青年委員会 マグダレン・コーン新担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機を、どのようにお考えですか?
UNIの一員、及びUNIアジア太平洋地域組織の青年活動担当部長となり、大変うれしく思っております。アリス・チャン現商業部会担当部長が築いた、青年活動の強固な礎を引き継ぎ、大役を仰せつかりました。
2009年は、誰にとっても厳しい年となることは明白です。世界的な金融危機を背景に、労働運動は、雇用の安定が脅かされ、労働市場が緩和されるなど、大変な難問に直面するでしょう。今後、アウトソーシング/オフショアリングがますます一般化し、非正規雇用の拡大により、さらなる困難な時代を経験することになるでしょう。
しかし、物事には常に二つの局面があるもので、逆境の中にもチャンスはあると思います。苦しいときこそ労働運動にとって、グローバル化の主導権を握り、経済発展を見直し、もっと現実的な代替案や持続可能な開発戦略を助言するチャンスであると思います。
その過程で労働組合は、世界的問題の解決策だけでなく、新しいタイプの労働者を組織化する、創造的で革新的な戦略を模索しなければならなくなるでしょう。様々な形態の非正規雇用が急速に広がっていますが、これは労働組合にとって組織改革と、組合主義の考えを広めるチャンスです。
アジアをリードする日本の労働組合の役割は、この時代、非常に重要です。人々の関心が東アジアに移る中、グローバルプレーヤーの一員として、日本が果たす役割に大きな期待が寄せられています。労働組合運動においても同じことが言えます。

2009年の活動計画をお聞かせください。
国際労働組合運動を持続させるために、青年組合役員の参加と成長を無視することはできません。私たちは、若い人々に関わる問題は何であるかに的をしぼり、彼らの意見を聞く必要があります。自分達が若かった頃の問題とは、違うことがよくあります。それゆえに、今の若い人々の要望を把握しサポートしていかなければなりません。
UNI-Aproでは、青年組合員の育成に全力を注いでいます。今年7月25日、UNI-Apro4部会大会に合わせて、青年委員会を開催します。青年が、アジア太平洋地域の組合役員と交流するよい機会でもあります。今年も、南アジア、及び東南アジアの青年組合員向けの、UNI-Apro/FES後援の研修コースが開催されます。

日本の青年メンバーにメッセージをお願いします。
2010年長崎での世界大会は、素晴らしい大会になると確信しております。この重要な大会の準備で、日本のUNI-Apro青年委員が中心的役割を果たしていることに敬意を表します。UNIの活動そして労働運動全体に、若い人たちが関わるすばらしい機会です。アジア太平洋地域からより多くの青年組合員が長崎大会に参加し、日本の青年と交流を深めることができるよう、UNI-Apro青年大会を世界大会と合わせて開催することにしました。
青年活動の担当部長として、より多くの若者が、チャレンジに一歩前進し、ステップアップする覚悟があれば、そしてビジョンを表明するしかるべき仕組みがあれば、前途は明るいと楽観しています。皆さんと近いうちにお会いして、意見交換することを楽しみにしています。

マグダレン・コーン―シンガポール出身。2009年1月、青年活動担当部長に就任。シンガポール国立大学で社会学修士号取得後、同社会学部で授業助手を務めた。学生時代には活動的な学生リーダーであっただけでなく、卒業研究のフィールドワークのために様々な場所で暮らし、東南アジアの労働者や移民の家族と交流を深めた経験がある。


成長を続ける流通産業の新たな展望-UNI-Apro商業部会 アリス・チャン新担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、商業労働者にどのような影響を与えていますか?
昨年来の世界的な金融危機によって2009年も、全ての商業労働者にとって困難な時期となるでしょう。しかし、これまでも様々な困難を乗り越え成長を続けてきたグローバルユニオンとして、UNI及びUNI-Aproは加盟組織とともにこの新たな問題に積極的に対応していけると確信しています。当然、企業は成長を維持するためにリストラや戦略変更を余儀なくされるでしょう。UNI-Aproはこれを、労働者を組織化しディーセントな(働きがいのある人間らしい)労働条件を実現することにより、企業の「資産」である労働者が自分の企業の成長に貢献できるようにする機会であると考えています。

これまでのUNI-Apro商業部会の成果と、2009年の活動計画をお聞かせください。
UNI-Aproは、以下の国々の商業部門組織化に取り組んできました。
マレーシアでは、10社以上の商業企業において労組結成に成功しました。2009年には、団体協約の締結、積極的な組合員拡大、組合承認に向け努力し、持続可能な労組へと強化を図っていきます。
ベトナムでは、ベトナムに進出する多国籍商業企業の労組との関係を構築し、同時にナショナルセンター(VGCL)と協力して、これら多国籍商業企業の全国レベルの産別労連を設立することにより、両方のレベルで労使関係を発展させ、従業員の労働条件など問題を解決していきたいと思います。
インドネシアでは、加盟組織であるヘーロースーパーマーケット労組が使用者との模範的な協調的労使関係を構築しており、私たちはこれを、他の使用者、労働者、労働組合に普及していきたいと思います。引き続き、既存の商業労組の強化と、新たな商業労組の組織化に取り組みます。
タイも、組織化戦略を見直す重点国であり、UNI-Aproは商業部門の調査を始めようとしています。タイにおいても成長産業である商業部門の組織化戦略について議論しているところです。
インドではUNICOMEを結成し、組織化の対象企業を絞りました。2009年からは、ニューデリー、ハイデラバード、バンガロールで大々的な組織化を始めます。
他の国については、時機を見て商業部門組織化の機会を検討します。
UNI-Aproは、各国の加盟組合協議会を通じ、UNI-Aproの全ての加盟組織と連帯し、商業部門の労働者の組織化に取り組んできました。組織化にご協力くださったUNI-Apro加盟組織及び連帯組織のご支援に大変感謝しています。
商業部門は、労働者の多くがシフト勤務や非定型な労働条件で働く女性と若者であり、それぞれの職場において労働運動への関心を持ってもらうには、独創的な方法が必要です。私は商業部門の組織化活動を、女性や青年を労働運動に参加させるための場でもあると考えています。そのため、これは「商業部会」の組織化だけでなく、UNI-Aproの女性・青年グループを強化する機会でもあります。

商業部会担当部長としての抱負を教えてください。
私は常に自分をオルグであると思っていますので、組合活動における目標は変わることはありません。つまり、組合員の組織化と勧誘。組織労働者は健全な労使関係を構築する基盤を持つからです。
組合員の育成。「休眠」組合員ではいけません。労働運動を信望し、組合員と労働者にとって有益な組織にするため積極的に労働運動に参加する、変革推進者でなければなりません。
既存の労組を強化することにより、差別や偏見無く連帯して、他の産業や全ての労働者を組合に加入させることが重要です。

日本の商業部会加盟組合へメッセージをお願いします。
私はUNI-Aproで働く中で、すばらしい組合役員や進歩的な組合と活動する喜びと幸運に恵まれ、自分自身を成長させることができました。人生には課題が山積していますが、UNIとUNI-Aproの同僚や加盟組織からのご協力と連帯支援をいただき、「連帯」を共有することによって、「課題」は私たちにとって「機会」に変わりました。UNI-Apro商業部会とUNI-Aproの発展に向け、微力ながら新たな任務に邁進していきたいと思いますので、2009年も皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

アリス・チャン―マレーシア出身。香港上海銀行勤務時代は、サバ銀行労組で交渉部長、教育部長、執行委員を歴任、APRO-FIET時代から女性・青年コーディネータ、教育トレーナーとして活躍。1997年から、APRO-FIET及びUNI-Aproにおいて女性・青年担当部長を務める。2009年1月、商業部会担当部長に就任。


世界的な金融危機に立ち向かう労働組合の共同戦略-UNI-Apro金融部会 ジャヤスリ・プリヤラル担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、金融部門にどのような影響を与えていますか?
国際金融市場の崩壊によって、今や主要国経済は不況に陥っています。危機に対処しようと各国政府はバラバラで相反する行動をとっています。過去、保護主義を打破する自由市場理論を擁護した国は、逆に自国の利益を保護する動きをとっています。多くの人にグローバルエコノミーは存在すると思われていたものが、実は単にグローバル市場に過ぎなかったのです。グローバル化のプロセスを推進してきた規制緩和や自由化の動きは、急に止まってしまいました。労働組合はこれまでずっと、企業の押し進める非情な競争、倫理に反する利潤極大化に大いに懸念を抱いてきました。工業化の時代から始まり現在の「金融化」に至るまで、危機の際に最も打撃を受けたのは労働者です。それでも労働組合は、社会における変化の悪影響を軽減する勢力として生き残ってきました。21世紀になってもその事実は変わりません。投資を惹きつける目的の新しい金融商品は、リスクの高いデリバティブでした。プロモーターも投資家も有毒な金融デリバティブ商品に潜むリスクがどれほどかを理解していませんでした。これが、現在の混乱の原因のひとつと言えます。
銀行に加え規制当局の側のモラルハザードについても、UNIは非常に懸念しています。投資家の信頼を損なうことは、ビジネスに大きな影響を及ぼすだけでなく、北米及び欧州の金融産業に携わる従業員の雇用を危険に晒すことになり兼ねません。UNI金融部会は既に、国際金融市場における同様の不正取引を防止し二度とこうした大惨事を繰り返さないよう、有効な規制システムの導入を関係当局に働きかける取組みを実行しています。多くの商業銀行には国際的なガイドラインに基づくリスク測定システムがあるようですが、リスク管理と破綻回避の有効なシステムや手続きはないように思われます。

2008年の成果、および2009年の課題をお聞かせください。
UNI金融部会は、銀行、保険、金融機関の従業員を代表する組合を関わらせ、ボトムアップの規制システム導入に尽力する先駆者です。我々は、企業の長期的持続性を犠牲にして、ただ株価をつり上げるため短期的利益を追求する「プロフィット・エンジニアリング」はやめるべきだと主張しています。従業員全員の利益を代表する組合として経営側と協力し、顧客に最大限の利益を確保すると共に、銀行の持続的成長を透明性あるやり方で管理監督するよう、規制当局に働きかけていくべきです。
このような危機に直面し、労働組合は現場の組合員のために考え、グローバルに行動する必要があります。UNIは金融産業の持続的発展に好ましくない傾向を反転させるべく、グローバルに行動するための基盤です。金融の安定は公益であり、市場の力に任せておくことはできません。日本を含めアジア太平洋地域のUNI加盟組合は、今こそ手を携えて影響力ある役割を果たしていかなければなりません。
2008年8月に、UNI-Apro金融部会委員会が東京で開催され、石川議長(損保労連委員長)が議長を務めました。金融部会委員会は毎年会合を行い、地域の活動を計画・実施しています。委員会では、日本も含め、アジア太平洋地域各国における金融危機のインパクトについて情報を共有しました。2009年の優先課題は、インド、インドネシア、フィリピンにおける組織化です。昨年8月の時点では、アジア太平洋地域の銀行にとって、それ以前の金融危機ほどの甚大な影響はなかったようですが、市場の統合が加速する中、新たな問題が起こりつつあります。従って、UNI-Apro金融部会としては、金融産業の労働組合が油断することなく状況を監視し続けると共に、各国の規制当局に対し、金融産業において顧客及び社会に責任ある安定した金融サービスを提供するため、「監視と透明性を求めるボトムアップ・アプローチ」というUNIの呼びかけを支持するよう働きかけるべく、対話を始める必要性を繰り返し主張してきました。
日本では、ゆうちょ、労働金庫、共同組合、都市銀行、信託銀行など、貯金から投資まで様々な金融機関が存在していることに感銘を受けました。日本社会に、貯蓄と倹約という豊かな伝統があるためでしょう。金融産業における多様性は適切な監視と有効な規制をもって継続されるべきです。そのために金融労組は、良き倫理的慣行を促進するために積極的な役割を果たすことができます。一方で、何万人という市民の年金記録に関する事故が発生したことにも驚かされました。このような事故を防ぐには、労働組合が『内部告発者』としての役割を果たす必要もあるでしょう。

日本の金融部会加盟組合へメッセージをお願いします。
世界300万人の金融労働者を代表するUNI金融部会は、日本の加盟組合の皆さんと協力し、労働組合の監視の下、責任あるビジネス慣行に関する憲章を促進していきたいと思っています。
本年7月25~27日にはジャカルタで、第3回UNI-Apro金融部会大会が開催されるので、日本からも多くの皆さんの参加をお待ちしています。大会では、現下の金融危機への労働組合の対応を議論し、互いの経験を学ぶことが期待されます。そして、我々の課題を克服し、金融産業を強化するための共同戦略を立てたいと思います。今年もご支援ご協力よろしくお願いいたします。

ジャヤスリ・プリヤラル―スリランカ出身。コロンボのインド銀行に25年間勤務し、国際貿易ビジネス及び財務等を担当。1984年よりセイロン銀行労組(CBEU)の執行委員、副委員長を歴任。国際労働運動との関わりは1990年、APRO-FIETで青年コーディネータを務めたのがきっかけ。2006年より、UNI-Apro金融部会及びUNI-Apro専門職・監督職(P&MS)委員会担当部長。


重要な日本のプレゼンス アドリアーナ・ローゼンツヴァイクUNI印刷部会担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、印刷関連産業にどのような影響を与えていますか?
グローバルな経済・金融危機は、印刷関連産業にも大きな影響を与えています。少数の多国籍企業による寡占化、生き残りをかけた中小企業の価格破壊、コンピューター化、デジタル化といった技術革新は、この数年間進んできた事態ですが、この傾向はさらに強まっています。仕事内容に大きな変化が生じているばかりではなく、雇用の削減が進んでいます。新しい労働者の組織化と彼らへの職業訓練の提供が組合にとって喫緊の課題となっています。
この事情は、全ての印刷サブセクターに共通しています。新聞産業でも、発行部数の減少、M&A、広告収入の減少が進んでいます。新しい技術の到来による仕事内容の変化、アウトソーシングが全世界的に進んでいます。又他の産業と非常に密接な関係にあるパッケージング産業は、顧客企業の移動に伴い他国へ移転することが多い部門です。紙幣や証券などセキュリティーペーパー分野でも、多国籍企業のシェアが拡大しています。このように印刷関連産業の動向は多国籍企業の行動に大きく左右されており、UNI印刷部会としても多国籍企業の組織化、関係作りを重要な戦略としています。

2008年の活動の成果をお話ください。
昨年の最も重要な会議の一つは、11月に開催されたセキュリティーペーパー会議でした。この会議の開催は、2007年UNI印刷部会代表団が日本の全印刷を訪問した際の討論の結果です。この分野で大きな影響力をもつ、ギーセック、デラル、ABCという3つの多国籍企業の分析を行い、ギーセックとデラルの労働組合ネットワーク形成に結びつきました。民営化された国、民営化と闘っている国もあり、官民で対立してはならず、各国の違った動きを認識することが基本です。一つのモデルを全ての国に押し付けるわけにはいきません。日本の全印刷は、セキュリティー印刷部門を公的部門に維持するために闘っており、それを支持することは、UNI印刷部会の重要な任務です。セキュリティー印刷分野労働組合ネットワークを作りながら対応したいと考えています。今年5月ドイツでギーセックの会議を開催し、ネットワークの強化を図ります。この分野は、紙幣や官報の印刷に限らず、クレジットカードやスマートカードの分野にも拡大しており、発展する分野です。
アジア太平洋地域の印刷部会も前進しています。アムコール、キンバリークラーク、SIGなどの多国籍企業における組合強化にも取り組みました。ベトナムでは、11月にパッケージング・製紙部門会議を開催しました。キンバリークラークに焦点を当てましたが、ベトナム代表団からは、「ベトナムに来る多国籍企業は、ベトナムの労働組合法を守らねばならない」との発言があり、ビラの配布や、家族も参加するレクやパーティで組織化を行っているとの報告がありました。キンバリークラーク労組運営委員会がこの会議で結成され、今後の発展を分析していきます。
2009年1月27日UNI印刷部会は、スウェーデンのイーランダース社とグローバル協定の締結に成功しました。同社は、中国やインドでも展開しており、今後の発展が期待されます。

日本の印刷部会加盟組合へメッセージをお願いします。
日本からアジアに進出している企業も多く、アジアにおける日本のプレゼンスは非常に重要だと認識しております。竹井全印刷委員長におかれましては、昨年ザグレブで開催されたUNI-Apro印刷部会運営委員会で副議長に、UNI世界印刷部会執行委員会で印刷部会世界執行委員に選出されことを改めてお祝い申し上げると共に、今後も是非アジアの印刷部会活動を牽引されご活躍いただきますよう祈念いたします。全印刷労組には、2006年11月のUNI印刷部会中国ミッションの成功など、大きな貢献をして頂いております。中国とUNIの関係も新しい方向が見えつつあり、今後ともご支援よろしくお願いいたします。
さて今年の予定です。昨年11月にもミュラーUNI世界印刷部会議長、ローゼンツヴァイクUNI世界印刷部会担当局長、トミー・スウェーデン印刷労組委員長が訪日し、セミナーを開催すると共に、日本の印刷労組の皆さんと交流しました。この取り組みは今年も継続し、日本の加盟組合の皆さん、及び印刷労連や印刷関連の皆さんとの対話と理解を更に進めていきたいと考えています。
今年もインド、ベトナム、マレーシア、タイなどでの組織化セミナーを開催します。又今年4月には、ベルリンでパッケージング分野の労組会議、9月には、インドでUNI世界印刷部会委員会、UNI-Apro印刷部会委員会と共に、アジア太平洋新聞労組会議を開催する予定です。全ての日本の加盟組合の皆さん、関係労組の皆さんの参加を期待しています。


アジア太平洋地域におけるUNIメディア部会の活動と今後の展望 ヨハネス・ストゥディンガーUNIメディア部会副部長に聞く

これまでのUNIメディア部会の成果をお聞かせください。
これまで、UNIメディア部会は組織化に焦点を当て、新しいキャンペーンを展開してきました。組織化はメディア・娯楽関連労組の支援と、欧州以外の地域での組合員を拡大することが目的です。
アジア太平洋地域では、東南アジアの放送業界労組のネットワークを構築し、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)との協力を強化するために、マニラで放送労働者会議を開催しました。香港ディズニーランド従業員の組織化キャンペーンは、世界的なエンターテイメント企業、ディズニーのテーマパーク従業員をグローバルな労組同盟結成にむけてまとめるのに大きな一歩となりました。2008年4月に香港で開催された会議には東京を含む全てのディズニーランド労組代表者が参加しました。会社側と会って、組合が香港ディズニーの敷地に自由にアクセスできるよう要求しましたが、認められませんでした。ディズニー組織化キャンペーンの最終目的は労組ネットワーク構築や香港の仲間達への支援だけではなく、世界中で組合のアクセス権が認められるようなグローバル枠組み協定の締結が長期的な目標です。
アジア太平洋以外の地域では地域ごとの運動および、南アフリカ、ブラジル等の映画製作労働者を対象とした国別プロジェクトを推進しています。地域キャンペーンが情報交換や協力を促進する組合間のネットワーク構築を目的としているのに対し、国別プロジェクトは組合の組織化支援に重点を置いています。米州では脚本家、監督、映画製作技術者の組織化に、欧州では東欧の映画・放送産業労働者の組織化に取り組んでいます。
この他にも2008年は各地でさかんに活動が行われました。多くが公共放送(PBS)擁護の活動でした。フランス、韓国、ニュージーランド、英国でUNIメディア部会は持続可能な財源、質の高い番組作り、編集上の独立性を守ろうとする加盟組織を支援しています。欧州レベルでは、EU関係機関および各国政府によってPBSへの資金供給に関する新たな規定が議論されています。UNIメディア部会は、こうした議論で大きな存在感を示し、IFJと連携して活動しています。1月16日にはPBSの財源に関する共同声明を発表しました(www.union-network.org/meiをご覧下さい)。私達は、知的所有権保護にもさらに力を注いでいます。海賊版に立ち向かい、作品を使用したら公正な報酬が支払われるよう各国法および国際法(EUと世界知的所有権機関)の整備を他の関係団体とも協力して促進してきました。また、国内・国際レベルで著作権協会とも強力な連携を築いています。海賊版については国際プロデューサー連盟のIVF、FIAPFと共に活動しました。商業放送分野においては、業界のグローバル化を調査し、グローバルな労組ネットワークに向けて活動を始めました。そのターゲット企業であるRTLとNews Corpはどちらもアジアに進出しています。放送業界全般については、2012年のロンドン夏季オリンピックでのメディアの労働条件に対策を講じています。国際オリンピック委員会と交渉し、あらゆるメディア労働者を含む協定の調印を目指しています。オリンピック期間中、国際放送センターには世界各国から20,000人が集まると見込まれています。
2007年10月の部会大会で、UNIメディア部会加盟組織は2011年の次回大会までにUNI-Aproと協力してアジア太平洋地域の部会を組織化することを明記した宣言を採択しました。UNIメディア部会には欧州、米州の2地域組織があります。2008年、アジア太平洋地域で様々な労組や未加盟団体と新たな関係を構築してきました。日本の加盟組織との情報交換は非常に有意義です。
同時に、UNIメディア部会は日本のメディア・娯楽産業の未加盟組織・団体にも協力を呼びかけています。2008年3月、ジム・ウィルソンUNIメディア部会担当部長と私は、日放労、民放労連の他、未加盟組織も訪問し、UNIメディア部会の世界的・地域的課題と活動を説明すると共に、日本のメディア・娯楽部門労働者が直面する課題について理解を深めました。私はまた、11月に米国脚本家組合(WGA)のチャールズ・スロッカム副書記長と、かつてのMEI加盟組織、広告業界の労働者、映画製作会社の労組を訪問し、関係を強化することが出来ました。さらに、監督と脚本家両方の製作者団体と初めて意見交換を行いました。この対話を維持し、アジア太平洋地域および他地域の映画製作者労組・団体との架け橋にしたいと考えています。当面は、私達のグローバルなアジェンダ、活動、キャンペーンに関する情報を定期的に提供したいと思います。今後は域内のイベントに参加するよう提案し、アジア太平洋地域のみならずそれ以外の地域の仲間達と情報共有できる場を設ける予定です。

2009年以降の活動計画をお聞かせください。
UNIメディア部会は昨年の訪問で得られた経験を足場にして、今後日本の加盟組合及び未加盟組合との連携・協力関係を強化していきます。昨年2度の来日に当たり、UNI日本加盟協にご協力いただき感謝しております。2010年に世界中から加盟組織が日本に集まる機会を利用し、UNI長崎世界大会の前後で2日間の会議を開催したいと計画しています。1日目はUNIメディア部会執行委員会、もう1日は日本のメディア・娯楽産業に関するセミナーです。
2009年にアジア太平洋地域で予定されている活動としては、2月にインドの映画・TV製作労働者との大規模な安全衛生プロジェクトが発足します。UNI-AproとUNIインド加盟協の協力を得て、大手映画製作会社がある州のほとんどで個別にイベントを開催します。7月初旬には、韓国で映画産業労働者のためのセミナーがあります。アジア太平洋地域の映画製作者・技術者を団結させるためのこのセミナーに日本の加盟組織のみならず未加盟組織からも是非ご参加ください。域内の映画産業労働者が経験を共有し、共通の目標と連携に向けた課題を話し合うことが目的です。また、年の前半にマレーシア、インドネシアのとりわけ民間放送労働者の組織化プロジェクトがあります。
全地域にわたってメディアの多元性、公共的価値、知的所有権の保護といった普遍的政策目標を強化していくつもりです。そして、グローバル同盟、グローバル枠組み協定に向けて前進していきたいと考えています。

ヨハネス・ストゥディンガー―ドイツ出身。2000年1月、UNIメディア部会副部長に就任。フリードリヒ・ナウマン財団ブリュッセル事務所、グラハム・ワトソン欧州議会議員事務所、欧州委員会事務局に勤務した経験をもつ。


女性の力をステップアップ!-UNI-Apro女性委員会 小川陽子新担当部長に聞く

ジェンダー平等を求めて闘う女性労働者にとって、昨今の経済のグローバル化、経済・金融危機は大きなインパクト
アジア太平洋地域は、特に女性労働者にとって組合活動への参加にいまだ多くの障壁がある地域の一つと言えます。社会的、文化的、伝統的障壁によって女性の参加が阻まれ、結果、女性労働者の声が反映されにくい男性中心の組合になっているのが現状です。また、アジア太平洋地域には中国及びインドという世界の2大市場が存在し、成長の中心地であると同時に、質の高い安価な商品を生み出す源にもなっています。従って、先進国、途上国に関わらず利益のみを追求する多国籍企業が押し寄せ、生産コストを抑え安価な労働力を搾取するようになっており、グローバル化の勢いに便乗したいと願う政府もこれを後押ししています。こうした動きは労働者にかつてない悪影響を及ぼしています。底辺への競争によって貧富の格差は広がり、特に貧困の女性化が進行しています。多くの国で女性が、労働市場、特にスキルを必要としないサービス産業に参入するにつれて、男女格差、男女不平等が広がっています。
女性への差別や不平等の原因は何千年も前から社会的に継承されてきた規範や慣行によるもので、歴史的にも文化的にも深く根ざしており、女性に対する見方や女性自身の考えを変えるのは容易ではありません。特に貧しく識字率の低い国においてはとりわけ、この傾向が顕著に見られます。概して、女性の権利や女性の問題について、女性労働者自身も、女性組合員も組合役員も余り関心を持ってきませんでした。女性が無関心である背景には、一家の稼ぎ手であり主婦でもあるという二重の負担を負わなければならない経済的・文化的理由も存在します。そこで、余暇を仕事や家庭以外のボランテイィアや組合活動に当てる余裕はないのです。また、そうしたことをしたいと思っても、男性(夫や父親)の許可を得なければいけないという状況も、積極的な組合参加を阻害する一因となっています。

女性のエンパワーメント
UNI及びUNI-Aproはその結成当初から、女性及び青年労働者にも組合活動にもっと積極的に参画してもらうこと、意見がきちんと反映されるよう意思決定プロセスに関わることを目標に、主に女性・青年の教育活動とリーダー育成に力を入れてきました。アジア太平洋地域においては、日本のように自由で独立した民主的な労働組合活動を行うことすらできない国や、反組合的な態度の使用者が少なくありません。そのような状況下にあって、また経済がグローバル化し、企業も労働者も国を超えて移動する現在、女性と青年の組織化・エンパワーメント、組合活動への積極的な参画とそれによる組合自体の活性化は、労働運動の弱体化に歯止めをかけるのみならず、新しい時代に組合が存続するためにますます重要になっています。
UNI-Apro女性委員会は、昨年の委員会で、退任した宮本尚子議長(NTT労組)の後任に、インド・ステート銀行労組ムンバイ地本委員長を務めるアンジャリ・ベデカーさんを新議長として承認しました。アンジャリ議長は、UNI-Aproがインド国内及び南アジア地域で実施した様々な組合研修に参加し、女性リーダーとして後輩の女性メンバーを勇気付け、女性労働者のネットワークを拡大し、ステート銀行労組初の重職に選ばれた、まさに草の根から男性中心の組合のトップに就いた方です。彼女とは、昨年、インドの郵便労組女性セミナーに講師として共に参加しましたが、組合活動に積極的でない理由を分析した時に参加者が述べた「組合から情報が届かない」とか「組合は男性だけで運営されている」という文句に対し、「女性労働者に組合への関心を深めてもらうには、同じ悩みを共有する女性自身が話しかける(オルグする)方がよい」、「良い組合リーダーとは、人の話を聴くことができる人」だと、労働者どうし有効なコミュニケーションをはかり、仲間の女性メンバーを増やしていくにはどうしたらよいかを、わかりやすい言葉で自らの経験から説明し、最後には郵便労組の女性参加者から「産業を超えて女性どうし結束を高めていこう」という力強い意見が多く出されました。

日本の女性メンバーの皆さんへ-ブレイキングスルー@長崎!
国を超えても同じことが言えると思います。UNI-Apro女性委員会における活動とは、共通の問題を抱える女性が各国の経験から学び、互いにサポートしていくことに他なりません。日本の労働組合が日々奮闘している女性、若年労働者や非正規労働者の組織化をはじめ、男女間格差の是正、均等待遇要求、育児支援政策、ワークライフバランス達成に向けた取組みなど多面的な経験は、他の国でも非常に参考になります。北欧やオーストラリアなどのように、男性も育児や家事に参加するという文化・習慣や、シンガポールのような国を挙げてのワークライフ・ハーモニー・プログラムなどは、私たちにも参考になるでしょう。最近結婚した、シンガポール人と韓国人の若い夫婦が、それぞれの母国で暮らさず、オーストラリアでの生活を選択するに至った理由を、「シンガポールや韓国では、仕事と生活を両立したライフスタイルが不可能だから」と言っていました。皆さんは、どう思われますか?
さて、2010年には長崎で世界中のUNI女性メンバーが結集する、第3回UNI世界女性大会が世界大会前段に開かれます。世界大会のメインテーマは「ブレイキングスルー」。女性大会のテーマはこれを、「ガラスの天井」を打破する、「階級の壁」を打破する、「家父長制」を打破する、というように各国の状況に照らして解釈し、女性をもっと組合活動へ参画させ、労働組合においてジェンダー平等を達成し、女性組合員がパワーを得るための行動計画を立てることになっています。
日本のUNI-Apro女性委員会メンバーは、既に世界大会・女性大会の準備に積極的に関わっています。女性メンバーからは、海外参加者に日本の労働運動の到達点、特に男女共同参画社会とワークライフバランスの達成に向けた取組みの成果を示すことに加え、長崎の街や歴史・文化を知ってもらったり、ローカルな職場に案内するなどして地元との交流を図ったりするための、様々なアイデアが出され、実施に向けて検討を重ねています。世界の女性からも、「折り紙などの日本文化を象徴するような装飾」や、「開会式には日本女子サッカーチームに来てほしい」とか、国際労働運動の象徴である“平和とパンと薔薇”を日本流になぞって、「“平和像、カステラ、菊”を記念品にしてはどうか」などの要望も出されており、日本開催への期待も大きくなっています。アジア太平洋地域の女性活動をリードし、長崎で「日本の女性はスゴイ!」と言われるよう、STEP UPしていきましょう。

小川陽子-津田塾大学卒業後、日野自動車勤務を経て、1997年よりUNI創設パートナーのひとつPTTI東京事務所に入職。2000年のUNI統合後は、UNI-Apro女性・青年活動コーディネーターとしてアリス・チャン同部長を補佐、2009年1月からUNI-Apro女性委員会担当部長に就任。


米国労働運動と共にEFCAキャンペーンを支持しよう!

皆様に、米国の12の主要労組トップが発表した共同声明をご紹介したいと思います。この声明は、2009年1月7日、ワシントンDCにあるUFCW(北米合同食品商業労組)本部にて開かれた会議の中でまとめられた、米国における労働運動の統一を目標とするものです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

北米労組トップ会議の共同声明
1月7日、下記北米労組トップが一堂に会し、その会議に関する共同声明を発表した。

全米通信労働組合   ラリー・コーエン
全米鉄鋼労働組合   レオ・ジェラルド
全米自動車労働組合   ロン・ゲッテルフィンガー
北米合同食品商業労働組合   ジョー・ハンセン
チームスターズ労組(全米運輸労組)   ジェームス・ホッファ
全米州郡市町村職員組合       ジェラルド・マッケンティ
国際建設労働者組合   テリー・オサリバン
北米ホテル・レストラン労組   ブルース・レイナー
国際サービス労働組合   アンディ・スターン
全国教育協会   デニス・ヴァン・ロイケル
米国教職員組合   ランディ・ワインガーデン
国際電気労働者友愛組合   エド・ヒル

「この会議の目標は、米国労働者が直面する重要問題に関して、全国的な発言力と影響力を持つことのできる、統一労働運動を構築することである。我々は最大の労組を代表しており、統一には幅広い参加が不可欠であると認識している。また、我々の組合員は、それぞれの住まいや職場がある支部各所で活発に活動していることも認識している。我々は、そのような現場の組合員にも働きかけていきたい。」

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American Rights at Workのデイビッド・ボニア氏が仲介した会議には、AFL-CIO(米国労働総同盟・産別労組会議)のジョン・スウィニー会長と、CTW(勝利のための変革)のアンナ・バーガー議長も出席しました。
3年以上にわたって、AFL-CIOとCTWという2つの連合が存在しております。今回のこの統一の呼びかけは、米国経済の危機的状況下、バラク・オバマ次期大統領の就任を2週間後に控え、政治状況が大きく変わろうとするこの時期に、行われました。
私は1月12日の週に、IMF(国際通貨基金)及び世界銀行も参加する金融改革に関する一連の会議が開かれる、首都ワシントンに参ります。
滞在の間には、米国労働組合の提唱するEFCA(勤労者自由選択法案)の支持を世界的に拡大するための特別会議が開かれます。このキャンペーンには、ITUC(国際労働組合総連合)、グローバルユニオン(国際産業別労働組合組織)、AFL-CIO、CTW、そして米国のUNI加盟組織が参画しています。
UNI会長、ジョー・ハンセン氏は、先のUNI世界執行委員会で、EFCAの制定が米国労働運動の将来にとっていかに重要であるかを報告しました。
米国労働組合が再度結束を強化することは、我々にとって重要であります。EFCA制定はこの戦略の重要な要素です。しかし、EFCAキャンペーンは、国内及び世界中の米国商工会議所からの猛反発に直面しています。
EFCAキャンペーンへの国際的支援をどのように構築するかについて、具体案は別途ご報告いたします。
(UNI書記長 フィリップ・ジェニングス)

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EFCA(勤労者自由選択法案)の制定は世界的な組合結成の要である
UNIは、使用者からの報復を恐れずに労働組合に加入できるようになる米国の法律の制定に向け、世界的な連帯キャンペーンの構築をUNI1500万加盟組合員が支援すると誓約した。
「米国におけるEFCA制定は世界中の労働者の利益となる」とフィリップ・ジェニングスUNI書記長は言う。
1月13日、ジェニングス書記長は、法案可決のために協力しているAFL-CIO(米国労働総同盟・産別労組会議)とCTW(勝利のための変革)それぞれに加盟している米国の労働組合の代表者会議の議長を務めた。UNI会長でもあるジョー・ハンセンUFCW(北米合同食品商業労組)会長と、ジョン・スウィニーAFL-CIO会長は、ITUC(国際労働組合連合)と世界中のナショナルセンターの代表も出席した会議の開会式で挨拶した。
労働組合とナショナルセンターは、EFCAの法制化を推進するためのグローバルアクションを支援するタスクフォースを形成した。労働組合の組織化と承認を支援するために、他の国においてもこのモデルを使うつもりである。
「米国において組合を結成する労働者の権利を守る法律は、世界中で労働組合を認めさせ交渉権を勝ち得るために、極めて重要である」とジェニングス書記長は言う。「米国の企業は、ひどい労働慣行を、海外進出先の国に持ち出しており、海外企業は米国に参入すると、その慣行をひたすら容認してきた。労働者保護の法がなければ、多国籍企業が労働者を可能な限り不当に扱うことは明白である。」
法案が可決されれば、EFCAは米国の労働者に、労働組合を組織する自由で平等な機会を与え、反労働組合の使用者に説明責任を課し、交渉を長引かせることを阻止できるであろう。
米国の労働者の半数以上が、もし可能であればすぐにでも労働組合に加入したいが、米国企業は、たいてい労働者が労働組合を組織する権利や団体交渉権を認めていない、と言っている。現在の米国の労働法では、こういった企業が組合寄りの労働者を解雇することができるし、組合承認選挙前には賃金で労働者を脅かすような反組合キャンペーンを認めている。たとえ組織化がうまくいっても、企業がそれに異議をとなえ、結果、何年も先延ばしされたり、組合賛成票が無効となってしまったりすることもあり得る。
ウォルマートのような米国を拠点としている使用者は組合と対立し、アルゼンチン、メキシコ、中国などの国で、違法な慣行を続けている。
欧州の企業は、米国内に参入すると、競うように労働条件を落とすようになる。ドイツの労働組合ver.diとドイツ本国においては団体協約を結んでいるドイツテレコムは、米国の子会社Tモバイルでは、悪質な反組合キャンペーンを行なっている。
「あまりに長期にわたって、米国は労働者の権利を競って底辺に落とし続けてきた」とジェニングス書記長は言う。「新しい法律の制定は、米国の労働者にとって重要な勝利であり、世界的不況の真っ只中においては、かつてないほど重要である」
UNIは世界中の加盟組織が各国政府指導者に働きかけ、オバマ政権にEFCA制定を最重要項目として推進させるよう呼びかけている。
(2009年1月14日)


桜田UNI-LCJ議長より新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
グローバル金融・経済危機の中、疾風怒濤の2009年が幕を開けました。このお正月、皆さんはどのように新年を迎えたでしょうか。おそらく新しい決意と希望を持って、新年を迎えられたことと思います。
世界を見ると、おそらく「これからどうなるのか」と、多くの人々が不安の中に新年を迎えたことは間違いありません。一頃羽振りを利かせたウォールストリートのトレーダーが、「ファイナンシャル・アルマゲドン・コム」というウェブサイトを立ち上げたら、大反響というニュースがありました。アルマゲドンとは、世界の終末に善の神と悪の神が戦うという新約聖書の用語です。終末論的な雰囲気が世界を覆っています。
同時に、「原点に帰る」動きが盛んです。ドイツでも日本でも突然マルクスの「資本論」が売れ始めました。「この経済危機は、景気循環の一コマか、資本主義の終焉か」という議論が、日本ばかりではなく、世界的に行われています。つい最近まで世界を覆っていた「儲かるなら何をしても良い」、「金儲けを邪魔する規制はすべて撤廃」といった議論は影を潜め、政府の役割に注目が注がれています。次は、ポストクライシス、金融・経済危機後にどのような世界を作るのかが、議論の中心となることでしょう。
私たちUNI-LCJは、来年に迫った第3回UNI世界大会(長崎)までに、「100万人の達成」、「日本の多国籍企業との間でグローバル枠組み協定の締結」、「国際的なリーダーシップを発揮できる青年活動家の育成」を達成すべく、運動を進めてきました。おかげさまで2009年UNI-LCJは加盟人員数985,200名まで到達できました。各加盟組合のご努力に感謝いたします。
昨年の最大の成果の一つは、髙島屋労使、JSD、UNIとの間でグローバル枠組み協定が締結されたことです。先ほど申し上げた「原点に帰る」「ポストクライシス」の議論とも関係しますが、今国際的にCSRが討論され、2010年に出発が予定されているISO26000では、SRという言葉が中心になります。つまり企業ばかりでなく、あらゆる団体が、社会的責任を意識した活動を行うことにより、社会をよりディーセントで、社会的にもフェアに変えていこうという理念です。SR社会が、ポストクライシスの社会像となると思われます。我々はUNIとして、大胆にSR社会のビジョンを打ち出す必要があります。来年の長崎世界大会のサブテーマの一つは、このビジョンです。
言うまでも無く、UNIはサービス産業をカバーするGUF(国際産業別組織)であり、インフォーマルセクターからP&MS(専門職監督職)まで、幅広い職種、グループを抱えています。この多様性を一つの運動にまとめ、ディーセントなSR社会に向け、それぞれがそれぞれの場所で努力し、それがシナジーとなって拡大しているところが、UNIの魅力であり、楽しさです。2008年の成果を活かし、UNI-LCJをさらに発展させ、2010年UNI世界大会の成功へ向け、一歩一歩進みましょう。今年もよろしくお願いいたします。


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