重要な日本のプレゼンス アドリアーナ・ローゼンツヴァイクUNI印刷部会担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、印刷関連産業にどのような影響を与えていますか?
グローバルな経済・金融危機は、印刷関連産業にも大きな影響を与えています。少数の多国籍企業による寡占化、生き残りをかけた中小企業の価格破壊、コンピューター化、デジタル化といった技術革新は、この数年間進んできた事態ですが、この傾向はさらに強まっています。仕事内容に大きな変化が生じているばかりではなく、雇用の削減が進んでいます。新しい労働者の組織化と彼らへの職業訓練の提供が組合にとって喫緊の課題となっています。
この事情は、全ての印刷サブセクターに共通しています。新聞産業でも、発行部数の減少、M&A、広告収入の減少が進んでいます。新しい技術の到来による仕事内容の変化、アウトソーシングが全世界的に進んでいます。又他の産業と非常に密接な関係にあるパッケージング産業は、顧客企業の移動に伴い他国へ移転することが多い部門です。紙幣や証券などセキュリティーペーパー分野でも、多国籍企業のシェアが拡大しています。このように印刷関連産業の動向は多国籍企業の行動に大きく左右されており、UNI印刷部会としても多国籍企業の組織化、関係作りを重要な戦略としています。

2008年の活動の成果をお話ください。
昨年の最も重要な会議の一つは、11月に開催されたセキュリティーペーパー会議でした。この会議の開催は、2007年UNI印刷部会代表団が日本の全印刷を訪問した際の討論の結果です。この分野で大きな影響力をもつ、ギーセック、デラル、ABCという3つの多国籍企業の分析を行い、ギーセックとデラルの労働組合ネットワーク形成に結びつきました。民営化された国、民営化と闘っている国もあり、官民で対立してはならず、各国の違った動きを認識することが基本です。一つのモデルを全ての国に押し付けるわけにはいきません。日本の全印刷は、セキュリティー印刷部門を公的部門に維持するために闘っており、それを支持することは、UNI印刷部会の重要な任務です。セキュリティー印刷分野労働組合ネットワークを作りながら対応したいと考えています。今年5月ドイツでギーセックの会議を開催し、ネットワークの強化を図ります。この分野は、紙幣や官報の印刷に限らず、クレジットカードやスマートカードの分野にも拡大しており、発展する分野です。
アジア太平洋地域の印刷部会も前進しています。アムコール、キンバリークラーク、SIGなどの多国籍企業における組合強化にも取り組みました。ベトナムでは、11月にパッケージング・製紙部門会議を開催しました。キンバリークラークに焦点を当てましたが、ベトナム代表団からは、「ベトナムに来る多国籍企業は、ベトナムの労働組合法を守らねばならない」との発言があり、ビラの配布や、家族も参加するレクやパーティで組織化を行っているとの報告がありました。キンバリークラーク労組運営委員会がこの会議で結成され、今後の発展を分析していきます。
2009年1月27日UNI印刷部会は、スウェーデンのイーランダース社とグローバル協定の締結に成功しました。同社は、中国やインドでも展開しており、今後の発展が期待されます。

日本の印刷部会加盟組合へメッセージをお願いします。
日本からアジアに進出している企業も多く、アジアにおける日本のプレゼンスは非常に重要だと認識しております。竹井全印刷委員長におかれましては、昨年ザグレブで開催されたUNI-Apro印刷部会運営委員会で副議長に、UNI世界印刷部会執行委員会で印刷部会世界執行委員に選出されことを改めてお祝い申し上げると共に、今後も是非アジアの印刷部会活動を牽引されご活躍いただきますよう祈念いたします。全印刷労組には、2006年11月のUNI印刷部会中国ミッションの成功など、大きな貢献をして頂いております。中国とUNIの関係も新しい方向が見えつつあり、今後ともご支援よろしくお願いいたします。
さて今年の予定です。昨年11月にもミュラーUNI世界印刷部会議長、ローゼンツヴァイクUNI世界印刷部会担当局長、トミー・スウェーデン印刷労組委員長が訪日し、セミナーを開催すると共に、日本の印刷労組の皆さんと交流しました。この取り組みは今年も継続し、日本の加盟組合の皆さん、及び印刷労連や印刷関連の皆さんとの対話と理解を更に進めていきたいと考えています。
今年もインド、ベトナム、マレーシア、タイなどでの組織化セミナーを開催します。又今年4月には、ベルリンでパッケージング分野の労組会議、9月には、インドでUNI世界印刷部会委員会、UNI-Apro印刷部会委員会と共に、アジア太平洋新聞労組会議を開催する予定です。全ての日本の加盟組合の皆さん、関係労組の皆さんの参加を期待しています。


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