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UNIがポーランドのUNHCRと連携、労働者の権利に関する知識を普及 

ウクライナの戦禍から逃れた労働者を支援するためにUNIが設立したユニオンズ・ヘルプ・リフュージーズ(UHR)は、ポーランドの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のコンサルタントとケースワーカーを対象に、労働組合の権利と労働法に関する研修を実施した。

この研修プログラムは、ポーランドの主要3都市(ワルシャワ、ルジェズフ、ポズナン)で実施され、約60人が参加した。ワルシャワでの研修には、コンサルタント、ウクライナ・ハウスの代表、ウクライナ領事館職員が参加した。

研修で焦点が当てられたのは、ポーランドの労働法の実践的な活用方法と、良好な労働条件を求めて闘う労働者を支援する方法である。特に、初回の労働裁判の開廷までゆうに2~3年かかるポーランドでは、労働関連の問題に対処する効果的な解決策として、労働組合との連携が重視された。

ラファル・トマシャクUNI中欧組織化センター所長は、「UNHCRとの研修提携は、労働争議におけるウクライナ難民支援における我々の専門性が、世界最大かつ最も知識の豊富な難民組織である国連機関に認められたことを示すものであり、UHRにとって重要な一歩だ。UNHCRのコンサルタントに対する研修は、難民支援の合理化に役立つだけでなく、迅速な支援と労働者の生活向上のための重要なメカニズムとしての労働組合について、視野を広げるものになった」と、その意義を語った。

UNHCR向けの研修に関する合意の一環として、またその専門知識を活用するため、UHRはコンサルタントが業務で使用できるよう、 手続き上のガイドラインを盛り込んだ包括的なマニュアルも作成しており、得られた知識を集約した実践的ガイドとして活用されることになる。


台湾の公共メディア部門で労働者が力を獲得

UNI加盟組織である台湾公共テレビ労組(TPTSEU)が、2023年6月29日、台湾公共テレビ(PTS)理事会の役員を務める組合代表の指名・選出を規定する新付則について、圧倒的多数で承認した。

この新しい規約は、PTS理事会に選出された労働者代表を登用し、台湾の公共メディアの良好なガバナンスと独立性を確保することを求めてきた同労組の17年にわたるキャンペーンにおいて、極めて重要な節目となる。

今回のTPTSEUの成果は、2023年5月26日に立法院で、公的資金で運営される公共テレビ事業基金の役割、機能、組織について定めた公共テレビ法(PTA)が改正されたことで実現した。PTAはまた、公共テレビ事業財団(PTS)の理事会構成についても規定している。

2023年5月26日に行われた重要な変更は、PTA第2条第13項において、11~15人の理事会のうち、1人は労働者代表でなければならないと規定されている点だ。改正された規定では、労働者代表を指名するTPTSEUの権限についても認めている。

改正前の2007年にTPTSEUは政府と協定を結び、11~15人で構成される理事会の代表を指名できるようになっていたが、この取決めは善意に基づくものであり、TPTSEUの候補者は、理事として承認される前に、立法院の審査委員会の承認を得る必要があった。

だが、今回のPTA改正によって、労働者代表を理事に指名する権利が法で認められ、制度化されることになったのである。

UNI Aproメディア部会副議長を務めるTPTSEUのハミルトン・チェン氏は、「この勝利は我々にとって画期的であり、組合の独立した公正な選考プロセスが尊重され、労働者とその代表が、メディア産業のガバナンスに積極的に貢献できるようになる」と喜んだ。

台湾PTSは、Apro地域でABCオーストラリアに次いで2番目に、労働組合の推薦による従業員が理事に就任した公共メディア機関となった。


欧州:メディア・芸能部門におけるフリーランス労働者の組織化

2023年6月上旬、スペイン・マドリードで、メディア、娯楽、芸術の各分野のグローバルユニオンが一堂に会し、これらの部門で働くフリーランサーや自営業者が直面する課題と、組合が組織化を行う上で直面する障害を克服する方法について、議論が交わされた。

UNI、国際俳優連合(FIA)、国際音楽家連盟(FIM)、欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)が参加した今回の会議は、この部門の非典型労働者に関する3年間のEUプロジェクトの集大成である。

これまで多くの国で、この分野のフリーランス労働者は組合に加入することが法的に認められておらず、また競争法によって労働者が団体交渉を行うことができなかった。しかし、2022年に9月に欧州委員会が策定した「単独自営業者の団体協約に対するEU競争法の適用に関するガイドライン」によって、EU競争法による障壁が取り除かれ、こうした労働者のために組合が代弁し、団体交渉を行う可能性が開かれた。ガイドラインの起草にあたっては、今回会議に参加した各組織が、協議を受けている。

この会議の重要な要素は、非典型労働者に効果的に働きかけ、特にデジタル手段を通じて、フリーランサーの権利と利益を代表できるようにするための、優れた戦略の決定である。

この会議で発表された新たな調査報告では、デジタル化と新しい働き方が非典型労働者に及ぼす影響、特にソーシャルメディアや多くの制作がストリーミング・プラットフォームに移行していることによる業界の収入と労働条件への影響が、浮き彫りになった。

EUプロジェクトには充実した訓練も含まれており、参加組合は非典型労働者の組織化に関する個々の状況に対応した個別訓練を受け、組合は能力とリソースを強化した。会議ではキャンペーンの成功事例や組合成長に関する報告も、共有されている。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、 「いくつものプロジェクトで姉妹組織と連携できたことで、非典型労働者をめぐる問題を掘り下げて調査する継続性が生まれ、労働環境の変化に取組む機会が得られた」と振り返り、「今後もパートナーシップを継続し、成果を土台に共同戦略を練り上げていくことを期待している」と語った。


ベラルーシは、投獄された労働組合員の釈放を!

2023年6月中旬にジュネーブで、UNIは世界中の組合や労働組合活動家とともに、ベラルーシにおける労働者の権利の抑圧に抗議し、投獄されたベラルーシの労働組合員の即時釈放を求めた。

今回の釈放要求は、ベラルーシ政府が20年間にわたって不作為を続け、労働者の権利を無視し、無数の労働組合員を逮捕していることについて、ILOが同憲章第33条に基づく決議を採択するという歴史的な決定を受けたものである。このプロセスは、ILOの100年を超える歴史の中で、過去に一度だけ適用されたことがある。 今回の動きによって、結社の自由を侵害するベラルーシに対する制裁と、同国で労働者の権利を守るために迫害されている人々への支援が、強化されることが期待される。

マクシム・パズニアコウ・ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)会長代行は、集会の中で、「刑務所にいる人たちにとって、皆さんからの支援は非常に重要だ。『外から支援を受けている自分たちは、決して孤独ではない』と感じることができる」と挨拶した。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「ベラルーシ政府は、労働者の基本的権利を守るために立ち上がったために投獄された労働組合員全員を、直ちに釈放しなければならない。UNIは国際社会に対し、ILOの歴史的な決定をフォローアップし、ベラルーシの人々の自由を守り、同国のすべての労働者が基本的権利を自由に行使できるよう、必要なすべての措置を講じていくことを求める」と訴えた。

ベラルーシにおける労働組合の権利を求める闘いについて、詳細はこちらから(英文)。


米国脚本家組合のストに、世界中から連帯

2023年6月14日のグローバル行動デーに合わせ、 35か国以上の労働組合が、UNI加盟の全米脚本家組合(WGA)に対し、非常に強力な連帯行動を示した。

5月2日からストライキを続けているWGAを支援するため、チリから日本、アイルランドからアルゼンチンまで世界中のUNI加盟組織が、集会、ソーシャルメディア上のキャンペーン、映画・テレビスタジオでのピケに加わった。

米国の脚本家たちは、賃金改善、AIからの保護、脚本家部屋の適切な人員配置などを求めて、映画テレビ製作者連盟(AMPTP)と争っている。

UNIメディア部会、欧州脚本家連盟、国際脚本家連盟に対するメッセージの中で、メレディス・スティーム米国西部脚本家組合委員長は、「対面あるいはソーシャルメディア上で、我々のストライキへの支持を示してくれた世界中のすべての組織、脚本家、その他の労働者に、心から感謝したい。素晴らしい行動に感激し、写真や連帯の言葉を見聞きすることで、組合員は闘いに向かう力を得ることができた。共に立ちあがってくださり、感謝に尽きない」と述べている。

韓国では、韓国脚本家組合、オンライン漫画作家組合、全国メディア労働組合放送作家支部などのUNI加盟組織が、首都ソウルのネットフリックス社前行動を実施し、国際的に注目を集めた。

英国では、UNI加盟組織であるBECTUが、英国脚本家組合とともにレスター・スクエアで抗議活動を行い、人気ドラマ『ブラックミラー』のクリエイターであるチャーリー・ブルッカー氏や、『サクセション』を手掛けたジェシー・アームストロング氏といった脚本家らが参加した。

マイケル・ウィンシップ東部脚本家組合委員長は、「これほど多くの人々が、世界中のあらゆる場所から、我々の闘いを支持してくれたことに、本当に身が引きしまる思いだ。行動を起こし、世界各地から強力なメッセージをAMPTPに送ってくれた一人一人に、非常に感謝している」と述べた。

アルゼンチンでは、UNI加盟組織であるSUTEP、SATSAID、SICA APMAとアルゼンチン脚本家組合(SADA)が共同で、ブエノスアイレスのネットフリックス社前で集会に参加した。

SUTEP委員長を務めるミゲル・パニアグアUNI米州メディア部会議長は、「6月14日のグローバル行動デーに、欧州脚本家連盟や国際脚本家連盟と共に、 このような素晴らしい連帯を示して大きなインパクトを与えることができたことについて、UNI加盟組織を大変誇りに思う。脚本家のストライキは世界的な闘いだ。脚本家の懸念は米国のみならず世界中の脚本家が共有しており、米国内だけで終わる闘いではない。再度、我々はAMPTPに対し、世界中の脚本家の声に耳を傾け、我々が愛し、賞賛する素晴らしいエンターテインメントを創造するために、脚本家が公正な報酬と待遇を受け、最高の条件が与えられるよう、強く求めていく」と語気を強めた。

トーマス・マクラフリン国際脚本家連盟議長は、「作家を搾取し、衰退させようとする企業は世界規模だが、我々の取組みも世界規模だ。そして、米国での勝利は、世界中の脚本家にとっての勝利となるだろう」と呼びかけた。

ドイツの脚本家カロリン・オットー欧州脚本家連盟委員長は、「欧州の脚本家は、現在直面している継続的な攻撃から自らの職業を守り抜くために闘う、全米脚本家組合の仲間たちの組織、決意、連帯に敬意を表する。我々は、脚本家としてのキャリアを持続不可能にする脅威となる攻撃について、身に染みてよく理解している。欧州、そして世界中で、脚本家は仕事にコミットすることで搾取されており、全米脚本家組合のストを全面的に支持する。彼らの闘いは我々の闘いであり、彼らの勝利をともに分かち合いたい」と、連帯の意を示した。


UNI、米国の監督組合に連帯

UNIおよびUNIメディア部会は、全米映画テレビ製作者同盟(AMPTP)との間で公正な協約を求めて闘う米国監督組合(DGA)への連帯を表明する。UNIは、世界中で150のメディア関連の労組/ギルドを代表している。

同じくUNI加盟組織である米国脚本家組合が、しかるべき尊厳、敬意、報酬を求めてAMPTPに対してストライキを行う中、DGAの現行の3年間の協約は、2023年6月30日に期限を迎える。脚本家組合と同様、Netflixやアマゾンなどの動画配信サービスに対する未払いの報酬も、今回の交渉の重要な課題の1つだ。

ジョン・アヴネットDGA交渉担当共同部長は「今年の交渉は、今後3年間のために強力な協約を交渉するだけではない。我々の業界の将来の方向性を定め、何十万もの組合員の雇用の持続可能性を確保しようとするものだ」と語り、トッド・ホランド同共同部長は「我々は、新しいグローバルな未来から公平な分け前を受け取るために闘っている」と加えた。

DGAは交渉の中で、インフレに見合った賃上げ、医療・年金制度の保護、テレビ・映画産業における危険なまでの長時間労働に対処する安全衛生の向上を求めている。同産業の長時間労働は、UNIの調査でも明らかになっている。

今回の交渉は、映画俳優/テレビ・ラジオ芸能組合(SAG-AFTRA、同じく6月30日に協約の期間が満了となる)とAMPTPの交渉が6月7日に開始されるのを前に、協約締結までの期間が短く、非常に複雑な状況下で行われている。

これまでの交渉とは異なり、動画配信は、かつて映画やテレビで利益を公平に分配していた従来のライセンスモデルを根底から覆すため、交渉は、非常に重大だ。一方でAIは、制作のあらゆる側面を変容する脅威となっている。カレン・ガビオラDGA交渉担当共同部長は、19,000人の組合員に向けた動画の中で、「世界中で爆発的に普及した映像配信は、我々の作品がどこでどのように視聴されるのかを、一変させた。我々の協約は、変化する制作と配信に対応したものでなければならない」と語る。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、UNIを代表してDGA組合員に宛てた連帯書簡の中で、「皆さんの闘いは私たちの闘いです。公正な賃金の確保、職場における組合員の権利と尊厳の保護は、UNI メディア部会の加盟組織のキャンペーンの中核を成しており、しばしば同じグローバル企業を相手にしています。映像配信への移行が進む中、現場のアーティストや労働者は圧迫されています。労働組合は、世界中の娯楽産業の労働者に影響を及ぼしている、仕事へのさらなる圧力、持続不可能な報酬モデル、危険なまでの長時間労働と闘うため、断固たる態度で臨んでいます」とエールを送った。

2000年の設立以来、DGAはUNIで積極的に活動しており、UNIメディア部会と協力し、世界中の監督組織の成長を支援し、団体交渉を後押ししてきた。UNIメディア部会の加盟組織が共にキャンペーンを展開している、世界の娯楽産業の公正な変革において、現場のアーティストと労働者の未来を守る強力で公正なDGAの協約は、極めて重要である。

マシュー・ローブUNI世界メディア部会議長(米国、IATSE) は、「我々は、AMPTPとの交渉を続けるDGAを支持する。我々の願いは、グローバルな映画スタジオが、このグローバル産業の未来を反映した公正な報酬、医療保険・年金への拠出、著作権、多様性、安全な撮影環境に合意することだ。我々はともに立ち上がる!」と強力な連帯を示した。


新たな報告書:世界中の労働組合がアルゴリズム管理の問題に回答

近年、アルゴリズム管理システムの利用がさまざまな産業で劇的に加速し、使用者は労働者の福利厚生やプライバシー、賃金を犠牲にして生産性を優先させる新たな方法を手にしている。

こうした問題に緊急に対処する必要性から、UNIは新たな報告書『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』を発行した。 報告書は、既存の法的枠組みや交渉メカニズムを用いて、組合がどのようにアルゴリズム管理システムに対抗しうるのか、有益な指針を提供するとともに、今後の団体交渉に向けた具体的な提言も行っている。

アルゴリズム管理システムは、広範な監視とモニタリングによって、労働者と管理者にリアルタイムでパフォーマンス情報を提供している。しかし、このようなシステムでは、非現実的な生産性目標が課されることが多く、従業員に多大なプレッシャーを与え、身体的・精神的健康の悪化に繋がっている。

世界中の労働組合がこうした状況に立ち上がり、より安全な労働条件を要求し、これらのテクノロジーがもたらす生産性の利益の公正な分配を提唱している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この重大な局面における組合の意義を強調し、「アルゴリズムによる管理は深刻な新しい課題を突き付けているが、こうした新たなリスクに立ち向かう上で、労働者を代表する従来のツールは今なお重要である。労働組合には、テクノロジーの利用をめぐる交渉の長い歴史があり、何年も前に機能していた原則が、今日においても鍵となっている。労働組合は、交渉権に加えて、休憩や安全に関する既存の保護規定や、データ保護やプライバシーをカバーする新しい法律にも目を向けている。この報告書が目指すのは、こうした取組みの好事例をまとめ、互いに学び、職場における尊厳をすべての人にもたらすことだ」と語った。

グローバルな調査を通じて、UNIは、過剰なアルゴリズム管理に対処するための4つの重要なツールを特定した。
1:使用者の不公正かつ/または人権侵害的な行為を規制するデータ保護法
2:休憩や休息時間を義務付ける公正労働基準
3:安全衛生に関する規制
4:新しいテクノロジーの使用に関する交渉や協議の義務についての規定

報告書には、アルゴリズム管理が労働者に与える影響に関する交渉の指針も盛り込まれている。テクノロジー導入前に通知を受ける権利、差別の可能性を含むテクノロジーのリスクやその他の影響を評価する期間、透明性と情報を得る権利、安全衛生関する懸念に対処するための独立した労働者委員会の設置、意思決定プロセスにおける人による監督の要求などである。

UNIは組合によるアルゴリズム管理への対応について調査を継続しており、加盟組織に対し、新しい団体協約や提案、アルゴリズム管理に関する取組みなど、あらゆる情報を共有し、この進行中のプロジェクトへの参加を呼びかけている。

報告書(英文)はこちらから、日本語訳はこちら


ホフマンUNI書記長、「組合は重要なデジタル・ガードレール」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2023年5月初旬にオンラインで開催されたパネルディスカッション『データ・オン・パーパス2023:労働者のためのテック・ワークを実現する』の中で、新たなテクノロジーが仕事を変えていく中で、労働者の権利を守る上で、強力な組合と団体交渉が不可欠であると語った。

ホフマン書記長は、ミーラ・ジョシュ・ニューヨーク市副市長、オックスフォード大学フェアワーク・プロジェクトのカビタ・ダッタニ博士研究員 とともに、パネルディスカッション『労働者のためのデジタル・ガードレールの構築』の中で講演した。

特にアルゴリズム管理システムなど、テクノロジーを使った職場におけるデータ収集範囲や人権侵害はここ数年で急速に変化しているが、同書記長は、テクノロジーが労働者に及ぼす多くの課題は、既存の解決策で根本的に解決できると訴えた。

「労働組合は何十年も前からテクノロジーをめぐる交渉を行ってきた。例えば、製造業では1980年代にロボットが導入され始めたが、その頃からの重要な原則(通知、リスク評価、実施と影響に関する交渉)の多くは、現代においても有効だ。(中略)例えば、ドイツでは、労使協議会が、アルゴリズム管理システムによって収集された個人データの使用を制限し、日単位や時間単位の個人指標としてではなく、チームレベルの実績を長期的に評価するためにのみ使用できるようにしてきた。」

また、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)の協定について紹介し、モニタリングは毎月特定の時間に限定すること、モニタリングが行われる際には労働者に通知すること、モニタリングは懲戒ではなくフィードバックを目的とすることを求めていると述べた。

さらに、UNIが最近、大手コールセンター企業と締結したグローバル協定で、業務上の監視が業務上の必要性と比較して「不釣り合い」であってはならない旨を定めている点も例に挙げ、 「勤務時間中ずっとカメラで監視されているようなことを、受け入れるべきではない」と強調した。

また、こうした監視によって労働者は心理社会的ストレスにさらされ、また身体的なダメージにつながる可能性もあり、極端な監視で労働者の生産ペースを押し上げているアマゾンでは、負傷率が高くなっている。人間離れした目標を達成しなければならないというプレッシャーから、労働者は法律で義務付けられている休憩をとれなくなることもある。

企業によるこうした行き過ぎた行為を組合が止められるよう、UNIは今後数週間以内に、世界中の労働者が集団の力を使ってテック・ワークをどのように自らにとってより良いものにしてきたかについて、詳述した資料を発行する予定だ。

最後にホフマン書記長は、「企業がビジネスのやり方を変える際は、労働者と話をしなければならない。組合と対話を行い、新しいツールを適切に導入し、発生した問題を解決するために、強力で独立した安全衛生委員会、あるいは技術委員会が設置される必要がある」とまとめた。


Make Amazon Pay、ストライキ中の米国作家組合と連帯

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同提唱する、80以上の組合、市民社会組織、環境保護団体、税金監視団体からなるグローバル連合「Make Amazon Pay」(アマゾンに支払わせる)が、米国東部・西部脚本家組合(WGA)のスト参加メンバーおよび世界中の組合員との連帯を示すため、力を結集している。

2023年5月15日(月)に行われるこの世界行動デーの目的は、アマゾン・スタジオ( アマゾンの子会社で、テレビ・映画制作・配給会社)が制作する番組に関わる作家の公正な報酬と労働条件の改善を求めるWGAの要求を後押しすることだ。加えて、英国、スペイン、ドイツなどの国々で、長年にわたって公正さと尊重を求めるキャンペーンを展開してきた組合員の継続的な闘いに焦点を当てている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「米国の作家たちは、欧州におけるアマゾン倉庫でストライキを決行した労働者とともに、アマゾンの事業全体で公正さと権利の尊重が喫緊に必要であることを示している。彼らの仕事はそれぞれ異なるが、正当な賃金を求め、テクノロジーが仕事にどのように影響するかについて発言を求めるなど、共通の要求で団結している。アマゾンの責任を問う運動の一環として、我々は、尊厳、公正な報酬、労働条件の改善を求める労働者たちの闘いに連帯する。アマゾンに、作家、梱包作業者、荷揚げ業者、ドライバー、すべての労働者への賃金を支払わせる時が来た」と、ストライキ中の作家や組合員への連帯を表明した。

プログレッシブ・インターナショナルのダニエル・コップMAP共同コーディネーターも、「Make Amazon Payが主導する世界規模の行動デーが発しているのは、『国境を越えた労働者が、正義、公正な賃金、労働条件の改善を求めて団結している』という強力なメッセージだ。アマゾン・スタジオ内の作家と組合員に対する搾取は、我々が直面している体系的な問題のほんの一例に過ぎない。共に企業権力に挑戦し、労働者の権利が守られ、尊重されるより公正な世界を築いていこう」と意気込む。

アマゾン・スタジオで働く作家や組合員は、アマゾンのエンターテインメント事業の成功にとって、欠かせない存在である。しかし、賃金が削減され、低い労働条件で働く中、世界規模でストライキや抗議行動を引き起こしている。Make Amazon Pay連合は、ストライキを起こした作家や組合員に団結し、アマゾンを含むスタジオが、彼らの仕事によって生み出された計り知れない価値を認識し、公正な報酬、労働条件の改善、相応の敬意を与えることを要求している。

この世界行動デーは、個人や組織が様々な方法で参加することを奨励している。支援者は、ポスターを持った写真を共有し、#MakeAmazonPay、#WGAStrike、#UnionRightsのハッシュタグを使い、オンラインで連帯を示すことができる。さらに公式請願書に署名し、WGAおよびアマゾン労働者を代表する他の組合に、直接支持を表明することもできる。

Make Amazon Pay連合は、アマゾンのビジネス慣行が相互に関連し、世界の労働条件に影響を与えていると認識している。労働者と同志が共に立ち上がることで、国境や業種を超えた強力な運動を構築し、すべての人の尊厳、公正な賃金、労働条件の改善、組合の権利を擁護することができる。

共に闘うことで大きな影響を与え、Make Amazon Pay運動の集団的な力を示すことができるよう、2023年5月15日(月)の世界行動デーに参加する個人、組織、支援者を募っている。世界行動デーに参加する方法とリソースへのアクセスに関する詳細は、https://makeamazonpay.com/its-writers を参照。


国際労働災害犠牲者追悼日: 安全衛生委員会を通じ、より安全な仕事に向けた組織化を

世界中の組合が昨年、安全衛生をILOの基本的権利とすることに成功した。そして今、労働者はより安全な仕事を求めて組織化し、特に安全衛生委員会を設置し、苦労して得た成果を現実のものとしている。

UNIは、4月28日の国際労働災害犠牲者追悼日(労働安全衛生世界デー)に、職場で命を落とした人々を追悼し、負傷した人々を見舞うとともに、仕事における被害を防止するための取組みをさらに強化していく。安全衛生委員会は、危険な労働環境に対する第一の防衛線である。

安全衛生委員会は、パンデミック以降、かつてなく重要性を増している。パンデミックのピークが過ぎ去ったとはいえ、個人用保護具の不足、第三者による暴力の増加、長時間労働、過酷な労働ペース、労働者のメンタルヘルスへの負荷の増大は、根深く深刻な問題となっている。

しかし、労働者は反撃に転じおり、労働組合を通じ、自らの仕事をより安全なものにしようと取組んでいる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「生活費の危機は、ストライキや職場での行動に拍車をかけたが、それと同じくらい重要なのは、パンデミックが安全衛生をめぐる組織化を再活性化させたことだ」と述べ、「職場でウイルスに感染したために、数え切れないほどの労働者が死亡し、また長期に及ぶ影響を受けたりしている。しかし、労働者が直面している深刻なリスクはOCVID-19だけではない。労働者は、より少ない時間と賃金で、より高い生産性を求める使用者によって、限界まで追い込まれている。このような厳しい状況は、労働者の身体に負担をかけるとともに、精神衛生もむしばんでいる」と指摘した。そして、「我々が世界中の労働組合とともに、仕事をより安全なものにし、安全衛生委員会を強化するために立ち上がっているのは、そのためだ。仕事は尊厳とエンパワーメントの源であるべきで、被害や病気、死をもたらすものであってはならない。負傷者も死亡者も、たった一人であっても、望ましくない」と語気を強めた。

昨年UNIは、アウトソーシング顧客サービス大手のテレパフォーマンスと画期的なグローバル枠組み協定に合意した。この協定には、職場で働く労働者とリモートワーカーの双方の従業員の問題に対処する、選挙で選ばれた組合の安全衛生委員会の設立が含まれている。また、安全衛生委員に対する研修や、職場のあらゆる危険を特定し改善するためのプロセスも規定されている。

また協定では、心理社会的リスクに対処するため、業務上の監視について「業務上の必要性に応じて」、「労働者のプライバシー権を尊重する」として、これを制限している。テレパフォーマンスは、カメラやAIモニタリングなどの監視ツールを会社がどのように使用するか、また、そのデータをどのように実績評価に使用するかについて、労働者に通知することになっている。

UNIは、より安全な仕事とより強力な組合のために組織化能力を高めている世界中の加盟組織とともに歩んできた。例えば、ネパールのUniPHINに支援を行ってきたが、安全衛生委員会が病院労働者の組織化において重要な役割を果たすようになっている。UniPHINは、パンデミックのピーク時である2021年に、労働者の安全衛生に関する研修を開始した。この研修を通じて、組合は安全衛生委員会を創設し、労働者は個人防護具、メンタルヘルス支援、休暇を得られるようになった。

オルグも務めるプラティマ・バッタUniPHIN財務部長は、「多くの労働者にとって、UniPHINは希望の源であり、困難な時期にも新しい組合員を組織することができた」と述べる。

ペルーのトトゥス・ハイパーマーケット労組は、2016年から同社の従業員に対し、自らの安全衛生代表を選ぶ権利について教育するキャンペーンを行ってきた。その結果、会社側からの干渉にもかかわらず、組合代表が安全衛生委員会に十分に参画できるようになった。同労組は、労働安全衛生の課題をめぐって労働者の訓練と組織化に投資したことで、負傷者が減少し、また組合も強化された。

労働安全衛生の取組みによって刺激を受けた若い組合員が、全国のトトゥス店舗で座り込みを行い、組合の力が発揮された。新協約の交渉で会社に譲歩を迫った結果、大幅な賃上げが実現したのである。組合員が連帯し決意を示した結果、安全衛生委員会が労災を防ぐだけでなく、他の問題をめぐって組織化できるということを示したのである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働安全衛生は基本的権利であるが、組合がなければ、労働者の権利が軽視されることを我々は目の当たりにしてきた。国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、我々は世界中の組合と協力し、組織化を通じて安全な仕事を確保し、安全衛生委員会の重要性を強調したい」と力を込めた。

ITUCの国際労働災害犠牲者追悼日の資料はこちらから。


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