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「労働者の声に耳を傾けよ」:ローマから呼びかけ

2022年10月上旬、イタリア労働総同盟(CGIL)本部へのファシストによる襲撃から1年を迎え、何千人ものデモ隊がローマの街頭に結集した。デモ参加者は、イタリアや欧州各国の政策決定者に対し、労働者のニーズに耳を傾けるよう求めた。

労働者が提示した10項目の要求の中でも、生活費危機に対処するための団体交渉の強化と公正な税制、そしてイタリアにおける不安定な状況に対処し、社会保障と公共サービスを強化することは、特に優先課題だ。ここには、公共契約や民間企業への補助金に対する社会的条件の導入も含まれている。

UNI欧州は、デモ行進に加わるとともに、集会「労働者の権利と民主主義のための反ファシスト国際ネットワーク」にも参加した。オリバー・レティクUNI欧州地域書記長が講演を行い、極右グループによる分裂を煽る企てを阻止するための、欧州各地の労組の戦略・戦術について、洞察を語った。

マリア・グラツィア・ガブリエリFILCAMS書記長は、「改めて仕事を中心に据えたプロジェクトが必要だ。不安定な状況との闘い、そしてより良い労働条件や尊厳ある賃金も必要だ。この国に別の未来を切り開くということは、若者、女性、そしてすべての働く人々に展望と未来を与えるということだ」と訴えた。

レティク地域書記長は、「ローマの街頭から、欧州全体に向けて、働く人々は警鐘を鳴らし、尊厳を要求している。生活費の危機は、多くの人々を深刻な経済難に陥れている。労働者を主役に据えることで、この問題に取り組まなければならない。団体交渉はその解決策だ。今こそ、職場の民主主義を強化するための行動を起こすべき時だ」と力強く呼びかけた。


投獄されたミャンマーの労働組合員を解放せよ!

2022年10月10日、UNI、IndustriALL、国際食品関連産業労連(IUF)、国際公務労連(PSI)の代表らがジュネーブの国連前に結集し、投獄された労働組合員の解放と、国連によるミャンマーの国民統一政府の承認を要求した。

国際建設林業労連(BWI)、国際運輸労連(ITF)、国際家事労働者連盟(IDWF)を含む世界の労働組合運動は、以下の声明を発表した。

世界の2億人の労働者を代表するグローバルユニオンは、ミャンマーの全ての政治犯、特に2021年のクーデター以降、軍事政権によって不当に投獄されている60人以上の労働組合員の即時釈放を要求する。我々は、投獄された全ての民主化活動家に対するでっち上げの容疑を直ちに取り下げ、刑務所内における健康と安全を強力に保証すること、ならびに、彼らが家族のもとに迅速かつ安全に帰還できるようにすることを要求する。

活動家が収監され続けている状況は、正義の茶番であり、民主主義に対する愚弄である。労働組合の権利は、世界人権宣言ならびに労働における基本的原則および権利に関するILO宣言よって、世界的に認識され、保証されたものである。民主主義を守るためにこうした権利を行使したがゆえに労働者や労働組合員が投獄されることは、決して許されてはならない。人権および労働組合の権利は提案ではなく、差別や弾圧の恐怖を抱くことなく全ての労働者に適用されなければならない、普遍的で不可侵の権利である。

労働組合の権利は、民主主義の環境下においてのみ、発展していくことができ、民主的プロセスと法の支配にコミットする政府の下でのみ、成長し繁栄することができる。したがって、グローバルユニオンは、ミャンマーの国民統一政府(NUG)をミャンマー国民の唯一かつ真の民主的政府として承認するよう、国連総会に求めることを再確認するのである。NUGを承認することにより、我々はミャンマーの労働者の人権と労働組合権を保護し、軍事政権の残忍な独裁と国際社会における偽りのミャンマー代表にきっぱりと終止符を打つことができる。

またグローバルユニオンは、刑務所の内外でミャンマーの民主化活動家に対して蔓延する人権侵害、拷問、殺害を、可能な限り強い言葉で非難する。我々は、国連および全ての関連する国際的な人権機関に対し、この問題に関して強力な対応を取り、これら非道な行為に関して責任を持つ全ての者を裁くよう、強く要請する。

労働組合は、世界中のすべての労働組合員が抑圧や基本的権利の侵害から解放されるまで、決して休んではならない。民主主義は、すべての労働者にとっての権利である。専制政治が敷かれている場合には、いつ、いかなる場所にあっても、労働組合は団結と連帯をもって対応する。


世界の労働組合運動、イラン当局の残虐行為を非難-投獄された全労働組合員の釈放を要求

国際労働組合総連合(ITUC)、OECD労働組合諮問委員会(TUAC)およびGUFsは、イラン当局が自国民に対して繰り返している蛮行を非難し、国際社会からのイラン政権に対するより強力な圧力を求める。

国の厳しい服装規定に従わなかったことで、22歳のマーサ・アミニさんが宗教警察によって殺害された。この事件で国民の怒りが沸騰する中、約100人が殺され、多くの人々が負傷した。

シャラン・バローITUC書記長は、「全ての国際労働組合運動は、イラン専制政治の指導者による悪質な弾圧に立ち向かう勇敢な人々に敬意を表する。この抵抗運動を主導しているのは、身の危険を冒して、宗教的・政治的エリートの本質である女性差別および基本的権利の抑圧に終止符を打とうとする女性や少女たちだ。彼女たちに敬意と連帯の意を表したい」と述べた。

グローバルユニオン評議会(CGU)の議長を務めるスティーブ・コットン国際運輸労連(ITF)書記長は、「イランや世界中で労働組合員が逮捕されている。これは、批判者を黙らせ、国民の怒りは外部によって作られたものだと主張しようとする政権による、切羽詰まった試みだ。イランの労働者と世界中の仲間たちは、真実を理解している。彼らの即時解放を求める」と訴えた。

労働者の権利に関して、世界でも最も悪い状況にあるイランでは、あらゆる部門の労働者が、権利を求める闘いの先頭にたっている。

労働者の基本的権利を主張したがゆえに、多くの労働組合員が服役中であり、イランは2022年のITUC世界労働権利指数において、「労働者の権利が保証されていない」国の1つに入っている。

我々は、イランで投獄されているすべての労働組合員、その他不当に拘束されているすべての人々の釈放を求める。


EUで自営業者の団体交渉に道筋

UNI欧州は、公正な賃金と労働条件を求めて団体交渉を行う自営業者の権利保護に向けた欧州委員会の動きを歓迎する。同委員会は2022年9月29日、EU競争法の適用に関するガイドラインを発表し、自営業者の団体交渉に関する法的障壁を取り払った。

これまでEU競争法の解釈が争われてきたが、EU域内の約2400万人の自営業者の多くが、団体交渉の対象から除外されてきた。その結果、労働力の二重構造が生じ、使用者がより低い条件で自営業者に外注するという状況が誘発されてきた。これによって使用者は、各産業における雇用基準を回避しうるためだ。

今回、ガイドラインで明確化されたことで、真の自営業者が団体交渉を行う基本的権利が保護されることになる。UNI欧州は、各国の加盟組織および欧州労働組合連合(ETUC)とともに、今回の重要な改正を主張してきた。

ドイツのフランク・ヴェネルケver.di委員長は、「欧州委員会のガイドラインによる明確化は、団体交渉の道を開くものだ。労働組合として我々の権限も強化される。EU競争法を根拠に、使用者が交渉を回避できる時代は終わった」と歓迎した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「これは、人々の尊厳を競争の領域から解放する上で欠かせない一歩だ。働く者の賃金や条件が、競争上の優位性を得るための経費としか見なされなければ、底辺への競争が助長されることになる。強力な団体交渉が解決策となる。働く人々は共に、あらゆる人々のための尊厳ある共通の基準を確保するため、交渉することができる」と述べた。

欧州委員会はこのガイドラインにより、企業の従業員と共に同じ職場で働く自営業者が協定を交渉できること、また自営業者を既存の労働協約に組み込めることを明確に示したことになる。これは、例えば、従業員と自営業者が同じ職場で働くことが一般的となっている視聴覚部門の労働者にとっては、大きな一歩となる。さらにガイドラインは、企業に経済的に依存している自営業者を保護する必要性を認めている。

またUNI欧州は、欧州委員会が、特定の部門、あるいは文化・クリエイティブ産業の労働者など特定のカテゴリーの自営業者の団体交渉を規定する国内法およびEU法に干渉しないとした点についても、評価している。

これは、あらゆるサービス部門における真の自営業者にとって重要な前進であり、ギグエコノミーの労働者が、賃金や労働条件について団体交渉する際の法的根拠を提供するものであるが、他方でUNI欧州は、今後も欧州における偽装自営業の根絶に向けた取組みを強力に進めていく。


英国の人材派遣業界の社会パートナー、スト破りに「NO」を表明

2022年7月11日、派遣労働者を使ったストライキ打開計画が、英国議会で承認された。だが、7月上旬に人材派遣数社が、この提案への明確な反対を表明している。

英国最大手の人材派遣数社のCEOは、ビジネス・ エネルギー・産業戦略相であるクワシ・クワーテン氏への書簡の中で、数十年にわたりストライキ中の労働者の替わりに派遣労働者を使用することを禁止してきた規則を後退させることになる今回の政府案に反発を示した。

この政府案に対する反対意見は、人材派遣会社だけでなく、労働組合も含めて広く受け入れられている。世界雇用連合(WEC※)のベッティーナ・シャラー会長は、「国際的な社会パートナーである2組織(WECとUNI)は、この問題に対応するため、適切なレベルで建設的な三者間社会対話の必要性を訴えている」と述べた。世界雇用連合の企業会員とUNIの間で2008年に締結された覚書は、国および企業レベルでの部門別社会対話の重要性を強調しているが、これは現在の労働市場の課題に取組む上で不可欠である。

UNIと世界雇用連合の企業会員は、「国内の法律や慣行を損なうことなく、ストライキ中の労働者を派遣労働者に置き換えることを禁止する」など、業界の適切な規制に関する指針を定めた長期的な協定を締結している。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「スト破りを容易にしようとする英国政府の試みは、英国内に広がる不満の火に油を注ぐだけだ」と指摘し、「人材派遣会社が、こうした組合潰しは、ビジネスにとっても労働者の権利にとっても間違ったことであると非難しているのは、まったくもって正しい。人材派遣会社が自らの価値観を守り続け、このようなひどい行為を認める法律の改悪に抵抗していくことを求める」と述べた。

※世界雇用連合(WEC)=世界各国の人材ビジネス業界の団体及び同業界トップ6社で構成される、人材ビジネス業界を代表するグローバル組織。2016年に国際人材派遣事業団体連合(CIETT)から改称した。


UNI-LCJ女性ネットワーク会議を開催

2022年7月15日、UNI-LCJ 加盟組織におけるジェンダー平等やダイバーシティ推進を担当する役員同士の交流・情報交換の場として、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催された。2018年以来、4年ぶりの開催となった今回は、印刷労連、生保労連、UAゼンセン、損保労連、大日本印刷労組とUNI-LCJ事務局から計11人が参加した。

参加者自己紹介の後、5月にスイス・ニヨンで開催されたUNI世界女性委員会にUNI Apro女性委員会副議長として出席した須齋弥緒損保労連事務局次長が、同会議について報告した。日本のテレワークの状況や課題について各国の委員に共有したことや、会議を通じて女性の活躍やILO第190号条約の批准に向けた取組み等、日本が各国と比べ遅れをとっていると実感した点について述べるとともに、米国で女性の人工中絶の権利を認める法律が破棄されたことについて反対する声明が採択されたことについても、報告した。

続いて各組織の参加者が、ジェンダー平等や多様性推進の活動と課題について共有した。

はじめに須齋事務局次長が、損保労連におけるジェンダー平等推進計画の取組み状況について報告した。執行部に占める女性役員の比率は22%であるが、女性が事務局長を務める単組も出てきている等、男女関係なく役割を担っていくという点では着実に前進していること、一方、課題として、限られた人数で業務を行っているために長時間労働の傾向がある点を挙げた。また男性の育休取得については、法改正などの趣旨や背景を皆が理解できるよう周知することで、男性が取得しやすい職場づくりに向けて取組んでいると述べた。

続いて、印刷労連より古賀初代副書記長が報告した。印刷労連の役員における女性比率は依然として低いものの、各地域の地方協議会レベルで活躍している女性は増加傾向にあると報告した。2017年より男女平等の取組みを掲げ、取組み方針を共有し意見交換をしてきたが、2020年はオンラインで会議を開催したことで、これまで参加できなかった育児世代の女性も参加できたというメリットもあった。こうした活動を経て、2021年度は、印刷労連としての現状に基づいたジェンダー平等推進計画を策定すべく取組みを進めてきた。今後は、ジェンダー平等推進委員会設置に向け、男性メンバーも含めて意見交換の場を設け、相互理解を促進しつつ取組んでいくことが重要だと述べた。

生保労連の山本由美中央副執行委員長は、同労連が進める意思決定の場への女性の参画と、組合活動におけるワークライフバランスの推進の取組みについて報告した。2025年までに本部女性役員を30%にするとの目標の下で女性役員の積極登用を進めており、2016年に初の女性専従役員が選出され、2020年には女性役員が2名になる等、少しずつ前進している。会議が長時間に及ぶ現状などから、組合運営の効率化を進め、女性が活躍しやすい環境整備を進めていく必要があると言及した。また、女性組合員同士のネットワーク構築が図れるよう工夫をしている点についても紹介した。さらに、同労連の中島麻紀子中央副執行委員長は、ワークライフバランスの実現に向けた、男性の育休取得促進の取組みについて説明した。男性の育休取得については、2025年8月までに各組合で取得率100%の目標を掲げて促進しており、すでに100%を達成している組合については平均取得日数を増やすこと、取得日数1か月以上の組合員を増やすことなどを目標として取組んでいる状況などを共有した。

続いてUNI Apro女性委員を務める寺嶋雪乃UAゼンセン男女共同参画局副部長は、UAゼンセンの約半数が短時間勤務の女性組合員である点に触れた上で、男女共同参画推進キャンペーンの取組みについて紹介した。特に、女性の活躍や定着に関する調査を実施し、その調査結果を今後の方針に反映させ、単組が労使交渉の際にデータ活用できるようにしていきたいと述べた。また、今年4月の法改正に合わせて発行された「男性の育児休業取得促進のためのガイド」では、法改正の解説やチェックリストのみならず、自身が連続育休を取得した男性や、部下が育休を取得した場合のマネジメントの仕方などについてリアルな事例を共有していると紹介した。
さらに今回の参院選にあたり、部門や都道府県支部の男女共同参画委員を対象にウェブ意見交換会を開催して組織内議員に声を届ける取組みや、公示から投票日までの連日、全組合員を対象にウェブ意見交換会を実施したこと等を報告し、成果として、横のつながりの構築、優秀な人材の発掘、新しい形の選挙運動の展開などを挙げた。また、所謂パート労働者の「収入の壁」問題について、状況改善の必要性について認識共有できたこと、更年期障害を理由に退職する女性従業員が多い状況に対する取組みが最優先課題の一つとして浮彫りになったことなどを報告した。

UNI Apro女性委員を務める大日本印刷労組の三﨑友香里書記次長は、初めに同労組の女性役員の比率とその課題について言及した。執行部のうち女性は約13%であるが、組合の機関会議で議決権を持つ中央委員を含む組合委員では女性は27.5%を占めている。2019年に初めて三﨑書記次長を含め2名の女性が初めて専従役員に選出される等、この10年間で女性比率の状況は改善しつつある。一方で、組合活動が業務時間外に実施される点など、活動参加における高いハードルについても指摘し、多様な働き方に対応した組合活動にしていく必要性があると述べた。また、組合におけるダイバーシティ推進の取組みとして、外部講師を招いて幼児を子育て中の組合員向けのセミナーを実施したこと、また会社と協力して独身層向けに婚活支援アプリの導入が検討されていることにも言及した。

最後に、森川容子UNI LCJ事務局次長よりUNI機会均等局のジェンダー平等、ダイバーシティ実現の取組みが報告された。また、2022年8月10日にオンライン開催されるUNI Apro女性委員会、2023年8月25~26日に米国・フィラデルフィアで開催される世界女性大会等、今後の予定を共有した。UNIのネットワークを活用し、今後もジェンダー平等実現のために国内外で情報交換・交流を行くことを共有し、会議は閉会した。


EUで最低賃金と団体交渉について政治的合意

適切な最低賃金に関する指令の法案について、暫定的な政治合意が成立した。欧州理事会と欧州議会の交渉担当者は6月上旬、このEU法の採択に向けた大きな一歩となる合意を発表した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「この法案は、団体交渉の強化に向けたシグナルとなるものだ。EUの目標は、各加盟国において団体交渉によって保護される労働者が全体の80%となるようにすること。これは、多くの加盟国において、団体交渉と労働組合の支援に向けた政府の行動を要求するものであり、まさに欧州全体で労働者が必要としているものだ」と述べ、「これを実現する上で、公的機関には公共調達という非常に有効な手段がある。公共契約を獲得するすべての企業に、労働者との団体協約の締結を義務づけることが必須だ。これこそUNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公共契約なし』が目指すところであり、この指令は、この取組みに弾みをつけるものとなる」と期待した。

団体交渉が適用される労働者の範囲を表すグラフ(下)は、EUと各国が行動を起こすべき時期に来ていることを示している。職場における民主主義は攻撃にさらされ、職場で発言権を持つ労働者の数は過去10年間で劇的に減少した。

レティク同書記長は、「良い賃金と労働条件を確保する最善の方法は、労働者が集団として強い発言力を持つことであるということを、我々は知っている。法律や政策が繁栄を共有するためには、労働者が組合に参加するのを阻害するのではなく、促進しなければならない。EUの法律が、すでに労働者や組合のために機能している各国の団体交渉制度を混乱させるようなことは決して望まない。この指令が各国の団体交渉制度を保護することが極めて重要である。欧州の社会モデルを前進させるため、EUは団体交渉を通じて前進しなければならない」と力説した。

加盟各国において団体交渉によって保護される労働者を全体の80%にするというEUの目標が達成されるためには、多くの国の労使関係に関する政策において、労働者寄りのシフトが必要である。部門別・複数事業主間の交渉は、すでにこの目標を達成している国々の中核をなすものである。労働組合が部門全体の最低条件を団体交渉できるようになれば、労働条件を攻撃することで競合相手を打ち負かそうとする企業を切り捨てるメカニズムが生まれる。

また、この指令はEUの公共調達に関する規則を修正する措置をとるものであることも報告されている。UNI欧州は1年以上にわたり、労働者に団体交渉での発言権を与えない企業が公契約から外れるよう、訴えてきた。100人以上の欧州議会議員が組合の要求を支持し、欧州全土の人々が支持を示すなど、勢いは増している。このキャンペーンを支援する署名は、こちらから。


各国の労働組合、「気候変動と雇用に強い職場づくり」のグローバル・アクションデーに、緊急行動を要求

生活費危機、戦争、ますます壊滅的な異常気象への懸念が高まる中、今こそ気候変動と雇用に強い職場づくりを

6月22日、「気候変動と雇用に強い職場づくり」グローバル・アクションデーにおいて、UNIはITUCおよび世界中の組合とともに、気候変動に関する緊急行動を要求する。

放置すれば地域全体が居住不能となり、暮らしを脅かし、地域社会を破壊することになる、ますます拡大する気候変動に対応すべく、世界は時間との闘いに直面している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「環境保護と労働者の権利を第一に据えた公正な移行を実現するため、今こそ緊急の気候変動対策が必要だ」と訴え、「労働者と組合は、地球の未来を形作る決定が、この緊急事態に取組むのに十分な持続可能性と強制力を備え、野心的なものであるようにすべく、使用者や政府と共にテーブルにつく必要がある」と主張した。

CEPOWとは、世界中の何千人もの労働者が、環境に配慮した持続可能な事業計画について、使用者と世界最大の対話をすることである。労働者と組合は、安全衛生、雇用確保、排出量の削減、そして次世代のための安心できる未来が最優先課題とすべく、闘っているのである。

グローバル・アクションデーの一環として、UNIはすべての加盟組織に対し、使用者に働きかけ、職場の二酸化炭素排出量を削減し、気候変動と闘う方法について話し合いを始めるよう促している。

シャラン・バロウITUC書記長は、「我々には時間がない。今こそ力を合わせ、直面する問題や、気候変動と雇用に強い職場づくりに取組む時だ。我々の唯一のふるさとである地球を守るためには、協力が必要」と訴えた。

#CEPOWのハッシュタグで、気候変動と雇用に強い職場づくりの取組みが世界中で共有されている。CEPOWキャンペーンの詳細はこちらから。


「公共善のための団体交渉」世界経済フォーラムでUNIのメッセージを発信

5月下旬にダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会において、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ウクライナ戦争による生活費の高騰に人々が直面する中、団体交渉、エッセンシャルワーカーの再評価、税制による富の再分配の重要性を改めて訴えた。

ホフマン書記長は、スイスの山村で開催された世界経済フォーラムにおいて、今年のテーマ「歴史的転換点」を念頭に、次のように訴えた。

「世界的に、労働者は転換点にいるのではなく、危機的状況にある。厳しい経済状況の中、もう何年も苦しんでいる。今こそ、政界・財界のエリートの行動と政策に、この現実を反映させるべき時だ。各国で物価上昇が賃金上昇より速いペースで進み、またプライバシーを侵害するようなテクノロジーが、労働者に対する圧力を高め、労働基準を引き下げている。労働者の権利に対する攻撃は強まり、企業の権力はこれまでになく少数の手の中に集中している」

また、アイルランドのレオ・バラッカー元首相も参加した『エッセンシャルワーカーの再評価』と題するパネルにおいて、同書記長は、「団体交渉が公共善であるとの認識が、パンデミックで社会が得た重要な成果でなければならない。労働組合はパンデミック時に、エッセンシャルワークを変革し、エッセンシャルワーカーを保護するために基本的な役割を果たしてきた」と強調した。

また、すでに危険なほどの資金不足・人員不足に陥っていた介護施設部門に対する投資の欠如が、パンデミックによって露呈したことをふまえ、「介護部門への投資は、さらに多くの女性が労働市場に参入する上で不可欠だ」と述べ、「だがいずれにしても、介護部門にはもっと資源を投入し、介護の仕事を良い雇用にしていく必要がある」と主張した。

2つ目のパネル『ハイブリッド・ワーキング:次に起こること』の中で、ホフマン書記長は、ほとんどのエッセンシャルワーカーにとって、選択肢は職場に出勤する以外にないが、一方で、多くの労働者が劣悪な状況でリモートワークに従事していることも指摘した。そして、コールセンター業界で働くUNI加盟組織の組合員の事例を紹介し、在宅勤務中の監視強化や人工知能による過剰な監視にさらされている状況を踏まえ、「我々が望むのは、新たなテクノロジーが、懲罰的で、プライバシーを侵害するような管理技術をデフォルトとするようなことではない」と述べ、「そうではなく、我々が望むのは、新しいテクノロジーによって繁栄が皆に共有されるようになることだ」と力説した。

さらに同書記長は、リモートワークに保護措置を講じる必要性についても提起した。多くの労働者が職場での勤務時間よりも長い時間をリモートで働く中、労働時間に際限がなくなる事態を避けるためだ。さらに、女性は育児や介護といった家庭の責任を背負っているがゆえに在宅勤務の柔軟性を活用する傾向があるが、意思決定のプロセスから孤立したり、昇進の機会を逃したりすることがないよう、対策を講じる必要があると指摘した。

ダボス会議でも、ウクライナ戦争は議論の焦点となった。戦争で貧困と所得格差が拡大し、経済的苦境がもたらされるのであり、雇用、賃金、労働条件を守るため、労働者の組織化はこれまで以上に重要性を増している。


第30回UNI Apro執行委員会、戦略目標、政策活動、アドボカシー活動の強化を確認

2022年4月20~21日、標記会議が開催され、12か国の組合指導者が地域全体の動向を共有し、組織化や団体交渉の拡大、また民主主義や人権、連帯の強化に向けた取組みを再確認した。

会議の冒頭、松浦昭彦UNI Apro会長は、COVID-19の犠牲になったすべての人々、組合員、労働者、ミャンマーの軍事クーデターと最近のロシアのウクライナ侵攻によるすべての民間犠牲者に追悼の意を表した。また、3月に64歳で亡くなったヤン・ビョンミン韓国金融労組(KFIU)前委員長を偲んだ。

会議のハイライト

松浦UNI Apro会長、クリスティ・ホフマンUNI書記長、ゲストスピーカーの吉田昌哉ITUC-AP書記長は、過去1年間にアジア太平洋地域で起きた民主主義と労働者の権利に対する攻撃に関して、最近の情勢に触れた。

香港、アフガニスタン、ミャンマー、フィリピンでは、労働組合と組合員は依然として厳しい圧力下にあり、またインドやインドネシアなどの国では、労働者の権利が損なわれる危険性がある。

世界的に見ると、新たな危機が人々の関心をパンデミックから遠ざけている。ロシアのウクライナ侵攻によって世界秩序に混乱と再編がもたらされ、世界経済に影響を与えるだろう。これらの新しい地政学的・経済的課題に加え、労働組合運動は、組織化と組合強化という既存の優先課題に引き続き取組みつつ、パンデミックによる現在進行中の問題に対処する具体的な措置を講じ続ける必要がある。

UNI Aproの組織化・組合強化計画

会議では、今後数年間の新たな組織化計画が承認された。この中には、他地域のUNIの組織化センターをモデルとして、南アジアと東南アジアに2つの組織化センターの設立が含まれている。また、地域の加盟組織のオンラインでの組織化活動を補完・支援するために、デジタルオルグ担当が配置される。

UNI Aproは引き続き、安全で持続可能な雇用の創出に向けて、建設的な社会パートナーシップと労使関係を追求し、グローバル協定の効果的な実施と、多国間ガイドラインを組織化ツールとして活用することによって、これらの取組みを強化していく。

またUNI Aproは、パンデミックの沈静化に伴い、UNIと連携して、地政学や気候変動の観点からの正義や、その他の現代的課題に関する政策提言活動に再び力を入れていく。加盟組織が集中的に関わりながら、アジア太平洋の文脈に適した政策の方向性を打ち出していく予定だ。

加盟組織からの報告

会議の中で加盟組織は、直面する課題と獲得した成果について報告した。

ネパール唯一の金融労組であるFIEUNは、組織化イニシアティブを通じたUNI/UNI Aproの支援により、2021年にはUNI加盟人員を400%近く増やすことに成功した。台湾のテレコム労組であるCTWUは、中華テレコムの再編計画について組合と対話するよう圧力をかけるべく、ストライキを開始したにもかかわらず、賃上げと複数の手当を獲得したと報告した。

また、自国の労働者の権利にかかわる法律について、前向きな動きを報告した加盟組織もあった。

インドネシアの憲法裁判所は2021年末に、雇用創出に関するオムニバス法は違憲であり、2年以内に是正する必要があるとの判決を下した。ASPEKインドネシアは、この展開を注意深く見ており、労働者の権利を害する法律の条文が削除されるよう、関係する全ての社会パートナーと対話している。

ベトナム情報通信労組(VNUICW)は、最近の労働法改正により、どの産別交渉単位でもカバーされていない労働者への福祉給付の適用が拡大されたことを紹介した。残業時間の上限は、ほとんどの産業で年間200~300時間となっている。また、同国は2023年にILO第87号条約(結社の自由及び団結権の保護)を批准予定だ。

同様に、韓国の金融産業労組(KFIU)は、2022年4月20日にILO第29号条約(強制労働の禁止)、87号条約(上記)、98号条約(団結権及び団体交渉権)が発効したと報告した。これらの条約は、韓国の組合が国内法や政策について改善を要求していく力をさらに強化するものとなる。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)は、商業労働者に対する第三者からの暴力に対する罰則を強化する法案が成立したと報告した。同様に、多くの加盟組織が、ILO第190号条約の批准に向けて、自国政府への働きかけを行っている。

民主主義、人権、労働組合の情勢について

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がミャンマーの最新情勢を報告し、同国に関する新たな声明が全会一致で採択された。声明は、2021年2月1日の軍事クーデターに対する非難を改めて表明し、国際的・地域的な努力にもかかわらず、1700人以上が殺害され、数万人が恣意的に拘束され、40万人以上が避難している状況が改善していないことを指摘した。また、アジア太平洋地域のすべての指導者に対し、民主的に選出された文民指導者に政権を返還するようミャンマー軍事政権への圧力を強化すること、またグローバル及び地域の企業に対しては、ミャンマー国民の人権に対する軍事政権の攻撃に資金提供するような事業を一切行わないよう求めている。そして最後に、ミャンマーのすべての人々に対する連帯を再び強調した。

この声明を地域の全加盟組織に配布し、自国内でのロビー活動のツールとして活用するよう、奨励することが合意された。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、報告と声明文に謝意を表し、この声明を次回のUNI世界運営委員会に提出し、さらなる支持を得る予定だと述べるとともに、UNIは対話中の多国籍銀行に対し、ミャンマーでの金融事業を停止または縮小するよう、引き続き圧力をかけていくと約束した。

会議ではさらに、韓国とフィリピンの加盟組織が最新状況を報告した。韓国では最近の大統領選で保守派の候補者が当選したが、この候補者は反組合的な公約を掲げてきた。一方、フィリピンでは、大統領選の有力候補として独裁者フェルディナンド・マルコス元大統領の息子が、副大統領には麻薬撲滅のため血みどろの戦争を展開した前大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ氏があがっている。また、会議は、2020年に成立した国家安全維持法によって、加盟組織が安全かつ積極的に国際会議に参加することが妨げられている香港の困難な状況に留意した。

第6回UNI Apro地域大会の準備について

第6回UNI Apro地域大会に向けた準備を開始すること、パンデミックによる混乱を考慮し、2023年ではなく2024年に地域大会を開催することに合意し、会議を終了した。


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