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SEIU、政治的報復を理由に不当に拘束されている労働者の解放を要求

UNI加盟組織の全米サービス従業員労組(SEIU)が、トランプ政権による移民労働者の不当な拘束に抗議している。SEIU組合員も不当に拘束されいている。

200万人の組合員を擁する同労組は全米で抗議行動を展開し、ルメイサ・オズトゥルク氏の釈放を要求している。同氏はタフツ大学大学院生でSEIU509支部の組合員だ。連邦当局は2025年3月、ボストンでトルコ国籍のオズトゥルク氏を強制的に拘束した。

エイプリル・ヴェレットSEIU会長は声明の中で、オズトゥルク氏について次のように説明している。「…火曜日の夜、ラマダン礼拝に向かう途中、マスクをした連邦移民当局に突然連行されました。罪状もない彼女の逮捕は、中東政策を批判しただけで人々を標的とし黙らせるために移民措置を利用しようとするこの政権の、またしても寒気を覚えるような事例となった。トルコ出身のオズトゥルク氏は有効な学生ビザを所持しており、彼女の弁護士は彼女がどこに連行されたのか、なぜ連行されたのか全く知りません。彼女は最近、パレスチナの人々を支援する学生新聞の論説を共著で執筆していました。」

米国政府はオズトゥルク氏の拉致を正当化する証拠を一切提示していない。ワシントン・ポストは漏洩した国務省メモを報じ、オズトゥルクに不正行為はなかったと指摘し、彼女の逮捕が政治的動機に基づくものとの懸念をさらに強めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「米国務長官は、職権を濫用して大学院生の意見表明を封殺しようとしている。これは極めて恐ろしい事態であるのみならず、許しがたい行為だ。ルメイサが安全でないなら、安全な人はどこにもいない」と非難した。

SEIUはまた、2月から拘束されている50年間のグリーンカード保持者でSEIU 925支部組合員のレウェリン・ディクソン氏の釈放を要求している。米国移民・関税執行局(ICE)は、母国フィリピンから帰国したこのワシントン大学職員を逮捕した。

4月1日、SEIUはワシントンD.C.の本部ビルに「言論の自由、労働者の自由」というスローガンを投影した。32BJ を含む複数のSEIU地方支部も、オズトゥルク氏とディクソン氏のICE拘束からの解放を要求する行動に参加した。

マサチューセッツ州知事、ボストン市長、そしてタフツ大学のユダヤ系学生団体と共和党学生団体を含む政治的立場を超えた団体が、オズトゥルク氏の釈放を公に支持している。

4月半ばには、27の米国ユダヤ系団体( UNI世界商業部会議長のスチュアート・アッペルバウムRWDSU会長が議長を務めるユダヤ労働委員会 も含む)が、オズトゥルク氏の釈放を支援する強力な意見書を提出し、次のように述べている。

「21世紀のマサチューセッツ州でオズトゥルク氏が逮捕された事件は、オデッサ、キシニエフ、ワルシャワなど多くの地を故郷として離れた我々の先祖が直面した独裁政権の抑圧的な手法を想起させる。州当局が、多くのユダヤ系アメリカ人を力付けたまさにその基本的人権を侵害するのを目撃することは戦慄を覚える。そしてそれがユダヤ民族の名の下に行われているという事実は、深く憂慮すべきだ」

オズトゥルク氏を法的に支援する基金への寄付はこちらからTake action! Support Rumeysa’s legal fund.


UNI欧州、米国による貿易戦争に対抗し「アマゾン税」の導入をEUに要請

アマゾンは、EUにおける二重の不当な経済的優位性、すなわち不均衡な低税率と欧州の納税者負担による有利な公共契約から、利益を得続けている。

そうした中、欧州のサービス業従事者700万人を代表するUNI欧州は、米国との貿易摩擦の激化に対抗する措置として、包括的なデジタルサービス税(通称「アマゾン税」)の導入を欧州委員会に要請した。

UNI欧州は、欧州委員会のステファン・セジョルネ氏、ヴァルディス・ドンブロウスキス氏、ヘナ・ヴィルクネン氏に宛てた書簡の中で、米国の大手デジタル企業、特にアマゾンはEUにおいて、あまりに低い税率や欧州の納税者が負担する有利な公共契約など、不当に経済的優位性を享受し続けていると主張した。Financial Timesもいち早く報じている。

UNI欧州は、「欧州全域で、米国の大手デジタル企業は平均税率約9.5%の税金を納めている一方で、欧州の競合企業は2.5倍の税率を課されている」と主張し、欧州委員会に対して米国の関税に対抗する形でデジタル大手に課税するよう促した。

アマゾンは2022年だけで500億ユーロ以上の収益を上げているにもかかわらず、2018年から2022年の間、ルクセンブルク本社では法人税を一切支払っていない。UNI欧州は、アマゾン・ウェブサービスが2019年から2021年の間に13億ユーロ以上の公共契約を獲得し、2020年から2022年の間にはEUのさまざまな機関との直接取引で3000万ユーロ近くを獲得したという調査結果も引用している。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「アマゾンは、租税回避をしながら公的資金を得ているという、二重の不正の最も悪質な事例だ」と述べ、「税金を納め、労働者を適切に扱い、労働組合と関わる欧州の競合企業が、不利な立場に置かれている。だからこそ『アマゾン税』は公正であるだけでなく、欧州の経済主権と社会モデルを守るために必要だ」と訴える。

同地域書記長は、このような税金を課すことで、規則に従い、団体交渉や社会対話を維持する欧州企業にとって公平な競争条件が整うと強調した。欧州政策研究センター(CEPS)の報告によると、デジタルサービスに5%の税金を課すことで、EUに年間375億ユーロの追加収入をもたらす可能性があるという。

UNI欧州は、今後数週間のうちに欧州委員会から書面による回答と提案についてさらに詳しく協議するための会議を要請した。

昨年からアマゾンは、自社の倉庫での労働条件に関する欧州議会のヒアリングを拒否したことでブリュッセルで非難の的となっており、ヒアリングと視察が行われるまでロビイストの入館バッジを回収する措置が取られている。


UNI、アマゾンのEU公共契約への入札資格のはく奪を呼びかけ

米欧貿易関係の緊張が高まる中、UNI欧州は欧州諸機関に対し、米国企業との公共調達契約(アマゾンウェブサービス=AWSとの契約を含む)の包括的な見直しを行うよう強く求めている。トランプ米大統領が2025年4月2日にEU輸出品に対する包括的な関税を発表する予定であるという報道を受け、UNI欧州は、欧州が自国の経済主権、民主的価値、労働者の権利を保護するための断固とした措置を講じる必要があると確信している。

4月1日、欧州委員会のウルスラ・フォン・デア・ライエン委員長は「強力な報復策」を示唆する発言を行い、米国のテック企業を公共調達契約から除外するなど、米国のサービス部門における黒字を標的にする可能性がある。AWSは、2019年から2021にかけて13億ユーロ以上の公共契約を獲得し、2020~2022年の間には、さまざまなEU総局との間で結んだ契約で約3000万ユーロを獲得している。

同社は一貫して、欧州の社会モデルを支える原則そのものを軽視してきた。世界中で、アマゾンは労働組合に対して攻撃的な悪名高いキャンペーンを展開し、労働者の団結権、団体交渉権といった基本的な権利を否定してきた。このような行動は、労働の尊厳、社会対話、公正な労働条件に対する権利を掲げる欧州の価値観とは完全に矛盾したものだ。これらの原則を積極的に侵害する企業と公共契約を結ぶことは容認できない。最近の調査では、EU市民の83%が、組合潰しや低賃金企業を公共契約から排除すべきだと回答している。

さらにアマゾンは、欧州議会への出席を繰り返し拒否し、ついには同社のロビイストバッジが取り上げられるまでに至っており、欧州機関と誠意を持って関わる意思があるのかという重大な疑念が生じている。このような結果に直面したのは、モンサントという企業だけである。これは、アマゾンがEUのガバナンスと説明責任を軽視していることの深刻さを浮き彫りにしている。

アマゾンの経営陣の政治的信条も厳しく精査されるべきである。創業者ジェフ・ベゾス氏とアンディ・ジャシーCEOの下、アマゾンはトランプ政権と密接に連携している。トランプ政権は、貿易戦争から欧米の同盟関係の意図的な弱体化まで、欧州の利益に敵対する政策を公然と追求している政府である。EUは、アマゾン経営陣が再び欧州の社会モデルに対する義務よりもワシントンへの政治的忠誠を優先するリスクを無視することはできない。

とりわけ、アマゾンが米国の国家安全保障機構と深く関わっていることは、欧州のデータ保護に関して重大な懸念を提起している。AWSは、情報機関を含む米国政府の主要な請負業者であり、アマゾンのサーバーに保存されている欧州の機密情報が、米国の政治的または安全保障上の利益から保護されていると信じるに足る理由はない。大西洋を挟んだ貿易関係に敵対的な力学が現れていることを踏まえると、AWSに欧州の重要なデータを管理させることは容認できないリスクをはらんでいる。

このような背景を踏まえ、我々は欧州委員会およびその他の関連機関に対し、以下の措置を検討するよう呼びかける。

  • AWSとの既存および計画中の公共契約について、徹底的な見直しを行う。
  • 公契約の締結及び継続にあたっては、労働者の権利に対する同社のこれまでの経緯を重要な基準として考慮する。
  • 団体協約の交渉や実施を拒否する企業が公共契約から排除されることを保証する。
  • EUの中核的価値を損なう企業に公的資金が渡らないよう、既存の規制手段の利用を検討する。

欧州連合には、戦略的な自立性を維持する義務と手段がある。欧州の強みは、その経済規模のみにあるのでなく、社会的な公正さ、民主的ガバナンス、人権の尊重に対する取り組みにもある。公共調達は、これらの慣行を反映したものでなければならない。デジタル領域における主権、労働者の権利、民主的価値を、これら3つすべてに対して敵意を示してきた企業の手に委ねるわけにはいかない。


労働者の権利を強化する人権デューディリジェンス・コンピテンス・センターを開設

2025年3月20日、世界の労働組合とドイツ政府代表は、今年後半に開設予定の「人権デュー・ディリジェンス・コンピテンス・センター」の設立を正式に発表する。同センターは、グローバルなバリューチェーンや企業活動全体で労働者の権利を確保するため、サプライチェーンにおける企業のデューディリジェンス義務に関するドイツ法やEUの企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)などの国内法・EU法を活用する労働組合を支援する。

UNIとインダストリオールは、ドイツのプロジェクト・パートナーであるフリードリヒ・エーベルト財団(FES)とドイツの労働総同盟 DGBとともに活動しており、初期資金はドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)が支援するGIZプログラム「グローバル連帯イニシアティブ」から提供された。

アルケ・べシガーUNI副書記長は「ドイツや欧州における任意のガイドラインから人権デューディリジェンスの義務化への移行は、世界の労働者の権利にとって画期的な出来事。我々は今、多国籍企業がバリューチェーンや事業全体にわたって人権を尊重することに対して真に責任を負うべき法的枠組みを手に入れた。この転換は、労働者の権利を擁護する世界の労働組合運動の能力を大きく押し上げるだけでなく、競争の土俵を平らにすることによって企業にも役立つ。この転換は、世界中の労働者を弱い立場に置く破壊的な底辺への競争にブレーキをかけるものだ」と語り、その意義を強調した。

3月20日のイベントでは、組合指導者、政策立案者、使用者が、デューディリジェンス法がグローバル・サプライチェーンをより弾力的で公正かつ説明責任のあるものにするためのセンターの役割について議論する。

アトレ・ホーイ・インダストリオール書記長は、「グローバルな労働組合運動は、人権デューディリジェンス法を活用し、世界中で労働者の権利を強化することに強い関心がある。他のグローバル・ユニオンと協力することで、ドイツなどのこれらの法律が生まれた国の組合と、人権侵害が最も蔓延しているサプライチェーンの組合との間のギャップを埋めることができる。新しいコンピテンスセンターは、人権デューディリジェンス義務がグローバル・バリューチェーン全体の労働条件の具体的な改善につながるよう、能力構築と法的専門知識を提供する重要なリソースとなる」と語った。

ヤスミン・ファヒミDGB書記長は「強力な法律が労働者に真の変化をもたらすためには、強力な連携が必要だ。人権デューディリジェンス・コンピテンス・センターの設立は、法的枠組みを具体的な行動に移す中での、労働組合、連邦経済協力開発省、FES財団の連携の力を証明するものです。専門知識とリソースを結集することで、このセンターは人権デューディリジェンス法が単なる机上の空論ではなく、グローバル・サプライチェーンにおける労働者の権利と企業の説明責任を強化する強力なツールとなることを保証することになる」と述べた。

UNI、インダストリオール、DGBで構成されるセンターの運営委員会は、以下3つの主要目標に焦点を当てる:

  1. 人権デューディリジェンス法を導入している国(ドイツを皮切りにグローバル・サプライチェーン全体)で労働組合の能力を構築し、労働者の権利擁護において企業のデューディリジェンス義務をより効果的に活用できるようにする。
  2. 優先順位の高いバリューチェーンにおいて、労働者の権利を保護し違反を防止するために 人権デューディリジェンスを利用した戦略的介入を支援する。
  3. 企業や政策立案者による効果的な人権デューディリジェンスの実施を提唱する。

幅広い代表性と連携を確保するため、労働組合や専門家を顧問グループに招き、センターの戦略策定や必要な行動の調整に役立てる。
コンピテンス・センターはオランダの非営利財団として登録され、事務所を持たずにバーチャルに運営される。2025年第4四半期に正式に発足する予定である。

背景
ドイツのサプライチェーン・デューディリジェンス法は2023年1月から施行されており、当センターの活動の重要な焦点となる。サプライチェーン法では、大企業(従業員1,000人以上)に対し、グローバルな事業活動やサプライチェーンにおける人権侵害や環境破壊のリスクを特定、緩和、防止するための人権デューディリジェンスの実施を義務付けている。

EUの企業サステナビリティ・デューディリジェンス指令(CSDDD)は2024年6月に採択され、2026年以降すべてのEU加盟国が実施しなければならない。CSDDDが施行されれば、センターの任務は拡大される。2025年2月、欧州委員会は、CSDDDを含む複数のサステナビリティ関連法を改正する「オムニバス提案」を発表した。オムニバス提案の目的は官僚主義を削減することだとされているが、提案されている改正案は指令の主要な条項を弱めるものであり、労働組合や市民社会団体からはオムニバス提案に大きな反対の声が上がっている。


イタリアでイケア従業員が大規模なストライキを実施

イタリアのイケア従業員が2025年3月半ばの週末に24時間ストライキを実施し、労働組合によると一部店舗では80%以上の従業員が参加した。UNI加盟組織のFILCAMS CGIL、FISASCAT CISL、UILTUCSが呼びかけた今回のストでは、3月15日に数千人の従業員が職場を放棄し、複数の店舗で業務が停止した。ミラノ、ローマ、ナポリのイケア店舗では大規模な抗議デモが行われ、公正な賃金とより良い労働条件を求める数百人のデモ参加者が結集した。

このストライキは、2018年以降宙に浮いたまま失効状態となっている団体協約の更新をイケアに迫るキャンペーンの一環だ。18か月にわたる交渉にもかかわらず、イケアは有意義な話し合いに応じず、主要な要求を拒否している。

労使紛争の主な問題
イケアはイタリア国内の40店舗、8つの遠隔カスタマーサービス拠点、2つの配送センター、および本社で約7,500人の従業員を雇用している。労働組合は、以下を含む複数の懸念を提起している。
●不平等な賃金:新規採用の従業員は、同僚と同じ業務を行っていても、賃金が低い。
●キャリア形成の欠如:イケアは職業能力開発の機会を縮小している。
●病欠に対する保護縮小:イタリアでは一般的な慣行に反して、イケアは病欠1日につき医師の診断書提出の義務化を提案している。
●休日出勤の義務化:従業員は祝祭日にも出勤を求められ、公私のバランスが崩れている。
●組合に対する弾圧と雇用保障への懸念:イケアは、都市部の小規模店舗における組合活動を制限し、追加の労働時間を提示せずにパートタイム契約の割合を高く維持し、地元の労働代表者との関わりを最小限にしているとして批判されている。

継続中の労働者の行動
2025年3月15日のストライキは、2月24日の24時間ストライキ(複数のイケア店舗で抗議行動が行われた)に続く過去最大の動員であった。3月17日には、イケアの遠隔地のカスタマーサービス拠点および本社の労働者もストに参加し、交渉の場に戻るよう同社への圧力を強めた。

多くの労働者が参加したものの、イケアは未だに組合の要求に応えていない。組合側は、イケアが公正な交渉に応じない限り、さらなる動員を行うと警告している。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、ストライキ中の労働者たちに連帯を示し、「イタリアのイケア労働者は、強力なメッセージを発信している。公正な団体協約を勝ち取るまで、決して諦めないというメッセージだ。今回のストライキには多数の従業員が参加し、団結と決意、そして強さを示した。イケアは従業員を無視するのをやめ、誠意を持って交渉のテーブルに戻らなければならない。公正な賃金、雇用の安定、組合の権利の尊重は、妥協の余地がない。オランダからイタリアまで、イケアの従業員は反撃に出ている。UNIは、彼らをあらゆる面で支援していく」と語気を強めた。


ver.di、小売業におけるAIに関する会議を開催

デジタル化と人工知能が小売部門を変革するなか、ドイツのUNI加盟組織ver.diは、2025年3月11~12日にベルリンでドイツ全土の労使協議会を対象とした会議を開催した。この会議には、メトロ、イケア、カウフランド、ザラ、アマゾン、H&Mなど、大手小売企業の労働者代表が結集した。

「小売業におけるデジタル化と人工知能」と題されたこの集会では、参加者は「小売業の労働者は、この技術的進化をどのように形づくることができるのだろうか?」という重要な問題に取り組んだ。

ver.diで小売部門を担当するシルケ・ツィマー委員は「小売部門では、技術革新のほとんどが、従業員はおろか労使協議会も関与せずに導入されてきたが、これではいけない。労働者は、デジタル変革のプロセスに積極的に関与しなければならない」と、述べた。

また同氏は、使用者がデジタル・ツールを導入する際に、労働者のプライバシーを保護する必要性を強調した。労働者のあらゆる行動を常に監視・分析することは、統制を強化することになる。このデータは従業員とのやりとりをすべて報告し、組合をつぶす可能性があり、従業員の将来の行動について管理者が予測することもできる。

さらに、「このような進展の中、労働者を無防備な状態にしてはならず、だからこそデジタル化の際には労使協議会による共同決定が必要だ。従業員は、単にデジタル技術の結果に直面するのではなく、こうしたプロセスの形成に積極的に関与しなければならない。2022年にH&Mと交渉したデジタル化に関する団体協約は、この問題に取組むことを目指すものだ」と強調した。

ビジネス、科学、政治の著名な専門家との対話やワークショップを通じて、参加者はデータ保護、共同決定とトレーニング機会の確保、デジタル移行に際して権利を主張するための労働者の動員など、新技術の利用に関するテーマに取り組んだ。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「サプライチェーンからロジスティクス、カスタマーサポートから店舗での体験に至るまで、AIは商業のあらゆる側面を変えつつある。ここで学んだことを世界中の組合に伝えたい」と述べた。

2025年2月にパリで開催されたAIアクション・サミットでは、クリスティ・ホフマンUNI書記長も労働者中心のAIの必要性を強調し、「人々は生活基盤だけでなく、生き方までも失うことを恐れている。だが職場で声を上げることで、恐怖に対処し、リスクを最小限に抑えることができる。労働組合はこれまでも非常に長い間、職場で新しいテクノロジーについてうまく交渉してきた」と述べている。


クリスティUNI書記長、ラジェンドラUNI Apro地域書記長の記念講演 ~第26回 UNI-LCJ年次総会~

クリスティUNI書記長とラジェンドラUNI Apro地域書記長

★講演1:「生成AIがもたらす労働の未来」 クリスティ・ホフマン UNI書記長

現在、世界は激動の時を迎えており、米国のトランプ政権は政府機構を解体し、国際機関からの脱退を進めています。その影響は世界中に及び、AIを含む技術革新にも大きな影響を与えている。

特に、AIの職場への導入については、労働組合の関与が不可欠だ。その理由は、①最良の結果を得るため、②労働者への悪影響(解雇など)に対応するため、③生産性向上の利益を労働者と共有するためである。しかし、使用者側は「テクノロジーについて交渉するのは非現実的」として反対しているが、それでもフランスの70以上の企業が社会対話に合意するなど、前向きな動きもある。

AI技術の中でも特に影響が大きいのはアルゴリズム管理と生成AIだ。アルゴリズム管理は、監視や労働者への圧力に利用され、Amazonの倉庫やコールセンターなどで広く導入されている。一方、Chat GPTなどの生成AIは、文章作成やデータ分析などを自動化し、多くの業務の一部を代替する可能性がある。IMFの予測によると、全雇用の40~80%が何らかの形で生成AIの影響を受ける、特に事務職やバックオフィス業務がリスクが高いとされており、コールセンターやプログラマーも影響を受けており、今後、経済全体への普及が加速する可能性がある。

労働組合は、AI導入に関する交渉を進めるべきだ。既にいくつかの成功例もある。例えば、米国の脚本家組合はAIの使用を制限する協約を勝ち取り、オーストラリアやドイツの労働組合もAIに関する協議の枠組みを確立した。これにより、AIが労働者に与える影響を最小限に抑えつつ、技術の利点を生かす道が開かれると期待している。しかし、多くの国ではまだAIに関する労働規制が整っていない現状もある。そのため、労働組合の活動を奨励し、雇用主が技術導入の際に労働者と協議することを義務化するなどの政策が求められている。労働者のスキル向上を支援し、新たな仕事を創出するためのインセンティブも必要だ。

テクノロジーの発展は不可避ですが、それが労働者にとって公平で持続可能な形で進められるよう、労働組合は交渉の場に立ち、積極的に関与することが重要である。UNIは今後もこの課題に取り組み、労働者の利益を守るために国際的な対話を推進していきたい。

★講演2:「平和・人権・民主主義」 ラジェンドラ・アチャリャ UNI Apro地域書記長

アジアにおける民主主義の状況は国によって異なり、日本、韓国、インドは民主主義を維持しているが、他の国々では依然として厳しい状況が続いている。

ミャンマーでは、軍事クーデターから4年が経過し、大規模な避難、暴力的な弾圧、そして活動家の投獄が続いている。労働組合は民主主義勢力とともに、民主主義を復活させるための国民統一政府(NUG)を結成した。香港では、中国の国家安全法の下で制限が強化され、言論の自由や報道の自由が制約されている。バングラデシュでは、政治的な状況が不安定であり、前政権は反対派の声を抑圧していたことで批判された。現在の指導者は、同様の手段に頼ることなく、安定した政治運営を行うことが重要である。

アジアにおける平和は依然として不安定であり、国境を巡る争いや南シナ海での緊張や、朝鮮半島における終わりの見えない紛争の脅威が地域の安定を脅かしている。 また、ミャンマー、アフガニスタン、フィリピン、パキスタンの一部地域では内戦が続いており、平和と安全を取り戻すための障壁となっている。

人権:続く闘い

アジア全体で人権侵害が広がっており、政府は言論の自由を制限し、報道機関を弾圧し、人権活動家を迫害している。また、監視体制や強制労働、政治的抑圧が根強く存在している。多くの国々で進展が見られる一方、依然として女性やジェンダー平等に対する制約が続いている。

労働組合の権利と労働条件:

アジアの労働者は、特に労働保護が不十分な国や権威主義的な国々で重大な課題に直面しており、多くの国では団体交渉が制限され、労働者は搾取され続けている。湾岸諸国では移民労働者が非人道的な労働条件に苦しんでいる。しかし、バングラデシュのラナ・プラザ事故後、繊維業界の安全基準が改善され、国際安全衛生協定はバングラデシュとパキスタンで進展を見せている。

国際労働基準と人権デューデリジェンス:

アジアにおける国際労働基準の施行は国によって異なる。いくつかの国々は主要な国際労働機関(ILO)の条約を批准しているが、その実施は一貫していない。強制労働、児童労働、そして安全でない労働環境は、繊維、農業、建設業、さらにはサービス業でも依然として続いている。人権デューデリジェンスは注目を集めており、日本、韓国、オーストラリアは企業責任規制を強化している。

デジタル時代における労働と労働組合の権利:

技術革新、デジタル化、自動化はアジアの労働市場に変革をもたらし、製造業やサービス業で雇用の安定性が脅かされている。ギグエコノミーの拡大に伴い、特に新興経済国で労働者保護が不十分だ。職場の監視やアルゴリズム管理には倫理的懸念があり、強力な規制が求められている。労働組合は、技術革新が労働者の権利を守りつつ進むよう役割を果たすべきである。

UNI Apro: 私たちの役割と取り組み

UNI Aproは、民主主義、人権、労働組合の自由を守るため、ミャンマーの強制労働問題やフィリピンの労働組合弾圧に対する活動を行っている。インドネシアのオムニバス法に挑戦し、香港のRCCGUを支援。さらに、フィリピン、インド、パキスタン、ネパールで労働組合権利強化を進めている。

アジアにおける民主主義、平和、人権、労働組合の自由の闘いは続いており、権威主義や労働搾取は依然として課題である。労働組合の強化、国際労働基準の施行、デジタル変革の責任ある導入が重要だ。

講演後には、福井洋損保労連事務局長は、アルゴリズムによる労働管理が日本に導入される可能性について言及し、「その際に労働者の納得感や働きがいに差が生じるかどうか。もし差が生じる場合、労使協議で特に重視される観点は何か、またアルゴリズム導入後に従業員からフィードバックを得る仕組みや、働きがいを高めるためにどのような工夫がされているか」と質問した。

また、UNI Apro青年委員を務めている横内愛咲UAゼンセン運動推進局局員は、UAゼンセンの多くの組合が若者への教育機会を設けているものの、意思決定機関に若者を参加させる進展が低い現状を報告し、「青年が意思決定機関に参加するために一番大切なことは何か、また海外での先進的な青年活動の事例」について質問した。


第26回UNI-LCJ年次総会開催~変革のために、共に立ち上がろう!

クリスティUNI書記長、ラジェンドラUNI Apro地域書記長とUNI-LCJ幹部会メンバー

2025年2月26日(水)、第26回UNI-LCJ年次総会が全電通労働会館ホール(東京都千代田区)で開催され、各加盟組織より運営委員、総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。

UNI-LCJ年次総会と監査報告をする戸口監査委員

2024年度活動報告、会計報告の後、UNI-LCJ内部監査員である戸口剛全印刷書記長より2024年度の会計監査報告があった。続いて2025年度活動計画および予算が承認された。

質疑で発言する川口日放労書記長、古賀印刷労連副書記長、中田UNI Apro女性委員会議長(UAゼンセン国際局副部長)

質疑の時間において、川口哲矢日放労中央書記長は、昨年11月タイ・バンコクで開催されたUNI Apro地域大会・女性大会と併催のメディア部会委員会の内容に触れ、「組合の役割は注目度が高まっており、連帯を高めるための活動は重要である。海外の仲間と様々な知見を共有し議論できるのは、日本の組合員にとってもとても有益である。今年度は、自組織の若手組合員と海外メディア労組との交流会の開催を期待したい」と述べた。

古賀初代印刷労連副中央書記長は、UNI Apro女性大会で中田綾子UAゼンセン国際局副部長がUNI Apro女性委員会議長に就任したことに触れ、「UNIの女性の取組みについては、印刷労連でも方針の柱の1つにしている。毎年UNI-LCJが開催している、青年・女性ネットワーク会議やユース英語セミナーを通じて、産業や組織の枠を超えたコミュニティの場が設けられており、非常に有益に感じている。グローバル化やDXなど新たな課題が山積だが、これからも、しっかり取り組んでいただきたい」と期待した。

中田UNI Apro女性委員会議長がこれに続き、インドネシアASPEK訪問の際聞いた、ASPEKが新しく始めた女性支援の取組みについて報告し「とても良い事例なので5月にシンガポールで開催されるUNI Apro女性委員会で報告ができるよう働きかけている。良い事例などあったら、今後も積極的に取り込んで情報共有していきたい」と述べた。

クリスティUNI書記長とラジェンドラUNI Apro地域書記長
(UNI-LCJ年次総会 記念講演)

続いて開催された記念講演には、UNI本部よりクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproよりラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。クリスティ書記長は「生成AIがもたらす労働の未来」について、またラジェンドラ地域書記長は「平和・人権・民主主義」について講演した。

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レセプションで乾杯の発声をする永島智子UNI-LCJ副議長(UAゼンセン会長)

記念講演終了後、会場近くのレストラン(グッドビューダイニング Good View Dinning、中央大学駿河台キャンパス19F)に場所を移し、レセプションを開催した。

レセプション開会の挨拶をする石川UNI-LCJ議長(JP労組中央執行委員長)

UNI-LCJ議長である石川幸徳JP労組中央執行委員長は「厚生労働省、連合、ITUCのご来賓に迎え、またUNI書記長・地域書記長から貴重な講演をいただだいた御礼を述べ、「今後もパートナーシップ労使関係を基盤とした労働運動の発展に向け、UNI-LCJも尽力していきたい」と冒頭の挨拶した。

来賓および連帯挨拶

続いて、秋山伸一厚生労働省大臣官房統括審議官(国際担当)に来賓の挨拶を、また、清水秀行日本労働組合総連合会事務局長、および、郷野晶子国際労働組合総連合会長より連来の挨拶をうけた。

全国農団労への感謝と司会進行を務めた永渕達也UNI Apro青年委員(情報労連中央執行委員)

また上田智亮UNI-LCJ事務局長は、全国農団労の川岸正徳代表および大谷篤史氏へ感謝の意を述べ「いつでもUNIファミリーに戻ってきてほしい」と言葉を贈った。

レセプションの中締めをする安藤京一UNI-LCJ副議長(情報労連中央執行委員長)

UNI欧州の調査:人々は公的資金が賃金と労働条件の改善につながることを望んでいる

2025年3月上旬に発表された欧州全域を対象とした調査(UNI欧州が委託したもの)の結果によると、EU市民の大多数(72%)が、団体交渉を通じて労働者の生活を強化する公共調達を支持していることが明らかになった。

この調査結果は、民間企業への公契約の発注を管理するEU調達規則の改革に 欧州委員会が着手した矢先の発表となった。調査結果は、調達規則の中に団体協約を有する企業を優先し、労働組合潰しやダンピングを行う企業を排除する社会的条項を求める労働者や組合の声を後押しするものとなる。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「今回の調査結果は、緊急の行動を求める呼びかけであり、欧州委員会は欧州の有権者の声を聞くべきだ。公的資金は、公正な競争を阻害し労働組合を弱体化させる企業ではなく、質の高い雇用を支援すべきだ」と述べ、「最善の方法は、労働組合と団体協約を結んでいる良心的な雇用主を優先することだ」と付言した。

EUでは、公契約を通じて何百万人もの労働者が雇用されている。公共調達は、民間部門全体の賃金や労働条件に影響を与える基準をつくっている。

調査の主な結果:
• 回答者の65%が、公契約は価格、品質、環境、社会基準に基づいて発注されるべきだと回答
• これらの基準のうち、賃金と労働条件は最優先事項であり、回答者の46.4%が、価格が高くても正当化されると回答
• 回答者の83%が、組合潰しの企業や低賃金の企業を排除することを希望
• 回答者の72%が、公共機関が団体協約のある企業を優先することを希望
• 公共入札において価格以外の要素を考慮することを希望する市民の割合は、2011年の同様の調査以来、52%から65%へと大幅に増加

この調査は、欧州全域で700万人の労働者を代表するUNI欧州の委託により、独立系の世論調査会社オピニアが実施した。チェコ、フランス、ドイツ、アイルランド、ポーランド、スペインの6か国より6,080人以上の回答者から回答を得た。

調達をより社会的なものにするという人々の希望は、労働者や労働組合の要求と一致している。2024年10月1日、9か国から1,000人以上のエッセンシャルワーカーが賃金と労働条件の改善を目指す公共調達改革のためにブリュッセルに結集した。しかし、UNI欧州の調査では、EU全域の公共入札の半数が、最低価格のみに基づいて行われており、これは調達規則に起因する場合が多い。

トマ・ピケティやイザベラ・ウェーバーなど100人以上の世界屈指の経済学者が、公開書簡の中で「入札において最低価格のみにフォーカスしすぎること」を批判し、規則の改革に向けて「団体交渉の強化」を求める労働者の要求を支持した。労働集約型の清掃、警備、ケータリング産業の使用者団体ですら、価格のみに焦点を当てることをやめる必要性を強調している。

レティクUNI欧州地域書記長は「欧州の人々は、エッセンシャルワーカー、世界有数の経済学者、そして使用者とともに、EU規則は最低価格のみに焦点を当てるのではなく、労働条件、賃金、サービスの質に関する欧州全体の基準を設定すべきだ、と訴えている」と主張した。そして、「これは規則を簡素化するという欧州委員会の目標を推し進めることにもつながる。例えば団体協約の尊重といった明確な基準は、単に煩雑な役所仕事を減らすだけでなく、ヨーロッパの数百万人のサービス労働者の賃金と労働条件を改善することにもつながる」と訴えた。


オランダの労働者がイケアの合意回避に抗議

UNIは、公正な昇給と増大する業務量への対策を求めてIKEAとの間で合意のとりまとめに取組んでいるオランダのイケア労働者に連帯する。

オランダのUNI加盟組織FNVは、従業員の購買力を守るために7%の賃上げを要求してきた。しかしイケアの最新の提示額は、2025年1月1日からのわずか0.4%の昇給に続き、2025年7月1日には2%の昇給というものであり、これはオランダ統計局が1月に報告した3.3%のインフレ率を考慮すると、労働者が必要としている額を大幅に下回るものだ。

昨年FNVはイケアに最終通告を突き付けたが、クリスマス休暇直前に合意に達することなく期限切れとなった。以来、組合は活動を活発化させ、この抗議の象徴的なビジュアル・シンボルである巨大な6メートルの黄色いアヒルのバルーンが登場するなど、話題を呼んでいる。過去2週間、ハーレム、ユトレヒト、グローニンゲン、デルフトのイケア店舗で、従業員による終日ストライキが行われるなど、活動は拡大している。

こうした取組みによってIKEAは交渉のテーブルに戻ったものの、同社は当初の提示額を改善していない。

さらなる行動
IKEAが譲歩しないため、FNVは労働者の要求をさらに強めるためのさらなる行動を計画している。ダニエル・ヴィークFNV Handel役員は、公正な賃金とより良い労働条件を求める闘いはまだ終わっていないと明言し、「これまでの行動やストライキにもかかわらず、オランダのイケア経営陣は依然として、労働者に公正で適切な労働協約を提示することを拒否している。我々の要求が満たされるまで、行動を継続していく。提示されている2.4%の賃上げ率2.4%は、到底受け入れられるものではない。イケアの労働者は、家賃や食料品を買う余裕がなければならない。すべての波は行動から始まる。我々は力を合わせて、この波をより大きく、より強力なものとし、労働者にふさわしい公正な待遇と補償を勝ち取るまで闘い続ける」と述べた。

闘いが続く中、FNVの支援を受けるイケアの従業員は、正当な賃金と職場保護を勝ち取るまで、断固として立ち向かう決意だ。

UNI の支援
マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「オランダのイケア従業員は、自らのためだけでなく、企業による人員削減や不当な賃金と闘うすべての労働者のために立ち上がっている。UNIは、尊厳と敬意、公正な賃金を要求すべく行動を起こすFNVと勇敢なイケア従業員を全面的に支援する。イケアは非常に利益率の高い企業であり、従業員により良い待遇を提供しなければならない。公正な待遇を勝ち取るまで、我々はあらゆる面で闘争を支援していく」と述べて、公正な待遇を求めるFNVとイケア労働者に連帯を表明した。


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