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UNI-Aproスタッフ会議


UNI-LCJapan年次総会、フィリップ・ジェニングスUNI書記長記念講演 「グローバル経済における欧州金融危機のインプリケーション」

 

2012年2月2日、東京で、第13回UNI-LCJ年次総会が開催され、2011年度活動報告、及び会計報告、監査報告、2012年度活動計画、予算が承認された。本部及び地域組織からはジェニングスUNI書記長とウンUNI-Apro地域書記長が駆けつけた。

「グローバル経済における欧州金融危機のインプリケーション」と題したジェニングス書記長記念講演には加盟組合を含め100名を超える参加者が集まった。
東日本大震災以降、初来日となった今回、ジェニングス書記長は冒頭、被災者とその家族へ深い哀悼の意を表すると共に、日本の労働運動を長年主導してきた芦 田氏、宇佐美氏の逝去に対し、両氏のご冥福を祈った。UNI-Apro会長に就任した加藤情報労連委員長には激励を、UNI-LCJの国際会議開催貢献賞 受賞については祝福の言葉を述べた。

世界各地で政治変革が起こり、市民による社会格差に不満を訴えるオキュパイ運動が拡大する中、今年のダボス会議ではディストピア(逆理想郷)という言葉が 使われた。ジェニングス書記長は「完全雇用やディーセントワークが実現する世界がユートピアであるなら、金融危機によって人々が憤り不平等が蔓延する今日 の欧州はディストピアの状態だ」と述べた。

欧州の長年の夢であったEU統合は、政治・経済的統合そして共通通貨ユーロ導入により域内の市民に様々な恩恵をもたらした。しかし、2008年金融危機が発端となり、銀行が破綻し、公的債務危機も加わって、緊縮財政、失業率増大につながり、悪循環に陥っている。

このような状況下で欧州労働運動は経済成長計画を求め、正しい選択がなされるよう闘っている。ジェニングス書記長は、「UNIは国際機関で発言力を強化 し、そして各地域、各部会がブレイキングスルー戦略のもと、各国内の政策決定プロセスで発言力を強化していかなければならない。協調した対応が不可欠だ」 とさらなる連帯を呼びかけた。

質疑応答で、柿田JP労組ユースネットワーク議長は、欧州での若年失業問題に対する組合の対応について質問した。「欧州金融危機の最大の被害者は若者であ る。多くの企業はコスト削減のため、採用を見送っている。欧米のビジネス界は、2兆ドルもの現金の山にあぐらをかいているが、先行きが不透明なためそれら 財源が投資されずにいる。今こそ、経済成長のために労働者に再投資されるべきである。緊縮財政では根本的な解決にならない。欧州の組合は、全ての若者に雇 用と教育の機会を確保するよう求めている。」

橋本JSD国際局部長が、インド小売業界における外資参入規制について見解を求めたのに対し、ジェニングス書記長は、「インドにおける小売のグローバル化 についてUNI代表団がデリーで政府関係者に意見提起した。インド世論の反発による外資の自由参入阻止が背景にある。6億人の中産階級を抱えるインドは小 売業最後の未開拓地である。UNIは、外資参入に当たり、インド側と知見を分かち合いながら、節度ある政策を立てるようインド政府に提言している。」また LCJの全部会に対し、日系企業の海外進出をつぶさに見ていき、進出先でも国内と同様、強力な労働組合運動そしてパートナーシップ労使関係を普及するよう 鼓舞した。

続いて行われたレセプションでは、落合UNI-LCJ議長が「UNI-LCJ組織の純増で101万7200人となった。ブレイキングスルー戦略の下、加盟 組合と共に更に前進したい」と開会挨拶を行い、続いて妹尾厚生労働省総括審議官、古賀連合会長そしてウンUNI-Apro地域書記長より連帯挨拶を受け た。ウン地域書記長は、加藤新会長の強力なリーダーシップのもと、ブレイキングスルー戦略を邁進していく決意を述べた。

写真はFlickr参照。


インドネシア大学アリヤナ・サトリャ氏、日本のUNI加盟組合インタビュー

 

 

インドネシア人研究者アリヤナ・サトリャ氏が、2011年12月から1月にかけ日立の奨学金を得て来日、UNI-LCJ加盟組合でインタビューを行った。

アリヤナ氏は、インドネシア・テレコム出身であり、Aspekとも親しい関係にあり、現在はインドネシア大学経済経営学科、経営管理部で講師を務めている。大学では、労使関係、経営管理、人材管理など多くの教科を教えている。

今回のフィールドワークの目的は、日本の労働組合の現状、課題、特にパートナーシップ労使関係や非正規労働者の組織化について調査することであった。 UNI加盟組合以外では、東京大学、明治大学、早稲田大学などの労使関係を専門とする学者からのヒアリングや、国際労働財団や労働政策研究・研修機構など の労働関連機関で調査を行った。

以下のUNI-LCJ加盟組織を訪問した。

・1月12日午後  サービス・流通連合(杉山政策局長、瀬戸政策局部長、檀上国際局部長)
・1月16日午後  自動車総連(神戸副事務局長、市ノ渡国際局長、平川国際局部長、川下国際担当)
・1月17日午後  損保労連(關中央執行委員長、澤木事務局長、窪田国際担当)
・1月19日午前  全印刷(宇田川書記長、荒川参与、西山書記)
・1月19日午後  JP労組(栗原国際担当)
・1月20日午前  UIゼンセン同盟(田村副書記長、中野国際局部長、生井国際局副部長)
・1月20日午後  情報労連(縄倉政策局長、宇田中央執行委員・木村国際担当)

アリヤナ氏の研究はパートナーシップ労使関係実現のうえで、UNI-LCJapanの目標と共通点が多く、非常に有意義なインタビューとなった。帰国後、調査報告をまとめるとのこと。インドネシアの労働運動に生かされることを期待すると共に、加盟組合のご協力に感謝する。


底辺への競争を巻き返せ! UNI-Apro金融部会大会、対応を議論



今回のグローバル金融危機は、返済力を無視した借り入れを促し、投資銀行が住宅ローンを組み替えた高利回り商品を作り世界中の投資家に売りつけたことに 起因する。この数十年間は、各国で、金融ビッグバンと称して規制を緩和してきた経緯があり、規制や監督が適切に機能しなかったといえる。
「貯蓄を重視し、収入に相応しい消費を行う」という伝統的なアジアの価値観も、今回のグローバル金融危機の波及を防ぐことはできなかった。
加えて、労働法制に至るまでの規制緩和や、社会保障制度の見直しなどにより労働者を擁護する多くの制度・思想を一掃され、新たな資本主義の考え方が広まった。
この『新自由主義』は社会的な動揺をもたらし、ワーキングプア階級(格差社会)を生み出すなど社会問題化している。

「この危機への対応として、各国政府は国民の消費を促すための政策を実施している。今こそ政府と使用者は、労働組合を通して団体交渉を行い、労働者に適 正な報酬が配分されるように再考するにふさわしい時期だ。労働組合も組織化を推進し、交渉力を高めなければならない」と、開会挨拶でクリストファー・ウン UNI-Apro地域書記長は述べた。また、社会的責任を共有するASEAN経済共同体の関与は、UNI-Aproにとって需要な優先課題の1つであると 続けた。三者構成による社会対話を通してASEAN経済共同体の構築プロセスに貢献することは、我々労働組合の重要なミッションである。
この思いを踏まえ、ASEAN結成42年の歴史上初めて、三者構成会議がUNI-Apro金融部会大会に先立ちバンコクにおいて開催された。2009年 10月23~24日、ASETUC(ASEANサービス労組協議会)、BWI(国際建設・林業労組連盟)及びPSI(国際公務労連)と共に、UNI- AproはFES(フリードリヒエーベルト財団)の後援を受け、三者会議を開催した。ASEAN加盟7カ国から人材開発担当省の役員が参加し、2つの使用 者団体も出席した。今日ASEAN経済共同体は「労働組合は底辺への競争を巻き返し、利益追求より人間を第一とし、地域経済統合プロセスに社会的側面をも たらすために重要な役割を果たしている」と認識するようになった。

オリバー・レティクUNI世界金融部会担当局長は次のように述べた。「利益のみ追求し、消費者や従業員のことを考えない。こうした新自由主義が、グロー バル経済に破綻をもたらした。今我々が力を集結し底辺への競争を巻き返すことは大きなブレイキングスルーであり、2010年の長崎世界大会のスローガン “ブレイキングスルー”に合致する。」
欧州の多くの大手銀行マネジャーは、「顧客のためではなく、銀行利益のための最良の取引とは何か」を常に考えている。金融商品に関する適切なアドバイスを顧客へ提供することが銀行員の役割であるが、彼らは「ただ販売すればよいのだ」と主張する。
このように利益のみを優先する金融機関経営に対して適切な規制・監督を行ない、倫理的で責任ある金融産業を目指すことが、UNI金融部会の優先課題である、とレティクUNI局長は強調した。

アメリカで空前の住宅ローンブームの中、信用力の低い人々に貸し出されたサブプライムローンが含まれていたにもかかわらず金融工学上の技術革新により、 借り手にローン返済能力があるか否かは全く問われることなく融資が繰り返された。さらに投資銀行は、住宅ローンを組み替えたパッケージ商品を作り、高利回 り商品として世界中の投資家に売りつけた。また格付け機関も、適切な商品の格付けを実施することができなかった。開会挨拶の中で、石川耕治UNI Apro金融部会議長は、不誠実な企業活動をチェックする機能がはたらかなかったためにそれがグローバルな金融危機への引き金となった、と分析した。石川 議長は、UNI-Apro金融部会が優先課題とする、「金融商品の責任ある販売と、責任ある金融システムの構築」について講演を行った。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI-Apro金融部会担当部長は、ジャカルタ開催の延期以降、短期間で再調整し、今大会に参加してくれた代議員全員に感謝の意を表した。

フィリピン大学のレネ・オフレネオ教授は、1997年からこれまでのアジア金融危機から学んだ教訓を発表した。金融危機の原因と影響について分析し、今 回のグローバル金融危機の類似点を10の教訓として挙げた。また、アジア太平洋地域の金融産業におけるGATSの影響と、それを真似た AFAS(ASEANサービス枠組み協定)の雇用状況に関し、UNI-Aproが研究していることを評価した。
さらに同氏は、「UNI金融部会はグローバルユニオンとして組織を強化・拡大し、発言力と影響力を有することが重要だ。そして影響力を行使して、銀行業 本来の役割であった『貯蓄家と投資家の橋渡し』へと回帰するように、さらには市場万能主義をやめるよう、G20に働きかけるべきである」と強調した。

大会では、下記のテーマについて議論を行った。
責任ある持続可能な金融システム
銀行における責任ある販売
保険労組ネットワーク
ジェンダー平等の促進

日本の代議員は、次の通り発表を行った。
UNI-LCJ金融部会、シンガポール調査報告:
労済労連書記長 照沼光二
日本における責任ある販売キャンペーン:
生保労連 金堀守男
日本の生保業界における世界金融危機の影響と現状:
生保労連副書記長 津田栄治
三井住友海上労組における非正規労働者の組織化:
損保労連中央執行委員 神先智雄
損保ジャパン労組におけるジェンダー平等促進の取組み:
損保労連中央執行委員 高田千鶴

 保険労組ネットワークのセッションでは、日本の保険業界および労組の取組みとして、津田生保労連副書記長と神先損保労連中執より、それぞ れ報告がなされた。これを受けて、韓国、シンガポール、パキスタン、フィリピン、マレーシアから、自国の取組み等について発言があり、積極的な意見交換が 行われた。まとめとして、オリバー・レティクUNI世界金融部会担当局長より、アジアの保険関係労組においてもアクサの欧州労使協議会のような連携強化を 進めたいとの構想が語られた。

 ジェンダー平等の促進のセッションでは、高田損保労連中執が女性専従者の登用や女性部会の設置など具体的取組みを紹介した他、ニュージー ランド、マレーシア、シンガポールにおける取組みが報告された。小川UNI-Apro女性担当部長は、UNIにおけるジェンダー平等主流化の取組みと、具 体的アクションとして女性代表40%達成の決議が世界大会に提出されることを報告した。

前進するUNI-Apro金融部会のセッションで、石川議長は長崎世界大会の準備状況について報告した。また、2009~2013年度のUNI-Apro金融部会の行動計画も承認された。

大会は、UNI世界金融部会規則の変更に合わせて、UNI-Apro金融部会規則を修正し採択した。新規則では、UNI-Apro金融部会運営委員会の メンバーの3分の1は女性の委員でなくてはならない。石川損保労連委員長は、UNI-Apro金融部会議長として再選された。

資格審査委員会報告
参加国数14カ国、参加組織数23組織
代議員30名(男性26名、女性4名)、オブザーバー8名(男性6名、女性2名)、ゲスト23名(男性13名、女性10名)  ラオス人民民主共和国からもオブザーバーとして1名参


「ブレイキングスルー」の勝利、日本の政治に大きな変化の兆し

UNIは今日、54年間にわたり政権の座に就いてきた自由民主党に民主党が勝ったという感動的な勝利の知らせを受け、日本のメンバーに心からお祝いを申し上げたい。
 最終的には、労働組合が支援する民主党は、衆議院480議席中、308議席を獲得した。
 これは日本にとって歴史的な出来事で、UNIとしても選挙運動に奔走した仲間の皆さんを祝福したい。日本の労働組合はこれから、労働者を支える政治的アジェンダを推し進めるために、政府と共に協力していく絶好の機会を手にした。
 UNIは2010年、11月9~12日、長崎で世界大会を開催する。
 「大会のテーマは『ブレイキングスルー』だが、日本の政治におけるこれほど見事なブレイクスルーは願ってもいないことだ」と、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は述べた。「この選挙結果によって、日本の労働組合が確実にブレイキングスルーを遂げており、真の政治的変化を起こしたい、起こす準備はできている、起こす力を持っていることが示された。」
 日本のナショナルセンター、連合は、総選挙の勝利を喜ぶと共に、大きな責任も自覚している。新政権には深く関わり、「雇用の安定こそ社会の安心・安全の最大のポイントであり、着実な景気回復も図っていかなければならない」と声明の中で述べている。
 UNIとしても、労働者を中心とした政治を発展させ実行していくための日本の労働組合や政府の取組みをサポートしていく、とジェニングス書記長は述べた。
 ジェニングス書記長は選挙運動の終盤まで日本に滞在しており、UNI加盟組合や連合役員を訪問した。
 「加盟組合は、民主党を支持するキャンペーンに全力を挙げてきた。」「雇用情勢は戦後最悪の状況にあるが、加盟組合は日本の労働政策を見直すために新政権と協力することを期待している。日本で歴史的な変革が起こったこの時期に、歴史的な町でUNI世界大会を開催することができ大変意義深い。加盟組合と共に準備を進めているところだ。」
 民主党に祝意を表すると共に、UNIは来年のUNI世界大会開会式で、新しい首相に演説をしてもらうことを期待している。


ニヨンで世界平和と核軍縮を呼び掛ける日本の高校生

日本の高校生グループが核兵器廃絶と世界平和を推進する運動の一環として、8月19日、ニヨンのUNI本部を訪れた。高校生平和大使は平和のメッセージを世界中で訴えている。平和大使の一人、大渡ひかるさんは「平和への願いや核兵器廃絶を多くの人に伝えたい。広島と長崎の悲劇が繰り返されないよう核兵器はただちに廃止されるべき」と訴えた。
 大渡さんは被爆三世である。被爆者とは原爆の生存者とその子孫を表す言葉で、被爆二世は生存者の子供、被爆三世は孫である。
 平和大使の多くは長崎市の出身。米国は第二次世界大戦末期、広島と長崎に原爆を投下した。日本人学生12人、韓国人学生1人、長崎の原爆生存者3人、広島の生存者1人が訪れた。
 彼らは毎年、国連や欧州各地で核軍縮を訴えているが、ニヨンのUNI本部訪問も恒例行事となっている。
 平和大使の訪問をUNI本部で受け入れている間、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は長崎におり、11月にニヨンで開催されるUNI世界執行委員会で演説してもらうよう長崎市長を招待した。
 「平和は、グローバルユニオンとして、よりよい世界をつくるための基盤だ。私たちが原爆の恐怖を決して忘れないよう、平和のメッセージを伝えるための若者の役割は極めて重要だ」とフィリップ・ボイヤーUNI副書記長は述べた。
 UNIは過去4年に渡り、平和大使の訪問を歓迎してきた。2010年11月には日本の長崎でUNI世界大会が開催される。
 世界大会を控え、UNIは平和大使と日本のナショナルセンター連合等が推進する平和活動に参加する。潘基文国連事務総長に宛てた、核兵器廃絶と恒久平和を求める嘆願書に1000万人の署名を集めることである。国連は2010年5月にニューヨークで核拡散防止条約再検討会議を開く。
 大使たちは、ダニエル・ロゼラ・ニヨン市長からも歓迎を受け、ニヨンの若者とも交流した。


平和への呼びかけ -長崎原爆の日-

フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、2009年8月10日、長崎で行なわれた第7回平和市長会議総会にて、核戦争の終結を訴えた。
 8月9日、長崎は64回目の原爆の日を迎えた。
 ジェニングス書記長は、「長崎を世界最後の被爆地に」と呼びかけた。
 長崎で始まった平和市長会議は、世界3,000都市の市長が核兵器廃絶の闘いのために集結している。
 正義と人権を追求する取組みの一環として、UNIは世界平和推進の様々な活動に寄与してきた。平和のメッセージを伝えるため、UNIは2010年11月の世界大会の開催地に長崎を選択した。
 「皆さんの活動は、世界中の市民が核兵器を非人道的なものと認識し、その廃絶を求めていることを全ての権力者に訴える市民活動だ。UNIは、互いにどのような協力的な行動をとれるか考えていきたい」と、ジェニングス書記長は、平和市長会議で述べた。
 UNIは毎年、長崎平和大使の訪問をスイスのニヨン本部で受け入れている。平和大使とは、ジュネーブの国連に核兵器廃絶と世界平和のメッセージを届ける日本の若者である。今年は、ダニエル・ロゼラ・ニヨン市長も、平和大使を歓迎することになっている。
 2010年11月の長崎世界大会を前に、UNIは連合が呼びかけた平和イニシアティブに参画している。その目的は、世界の核兵器廃絶と恒久平和を求める潘基文国連事務総長宛の嘆願書に1000万の署名を集めることである。国連は、2010年5月、ニューヨークで核不拡散条約(NPT)運用検討会議を開催する。
 「平和を願う市長、グローバルユニオン運動、世界中の市民が一体となって、核兵器の無い世界を実現しよう」と、ジェニングス書記長は呼びかけた。
 ジェニングス書記長は8月、2010年長崎世界大会準備に加え、平和集会に参加したり、加盟組合を訪問したりする。また、8月7日には、核兵器廃絶2009平和ナガサキ大会にてスピーチを行なった。


UNI書記長、日本の平和活動に国際的支援

newsImage ジェニングス書記長は8月に日本を訪れ、日本の組合や平和活動家が推進する核兵器廃絶のグローバルキャンペーンにUNIも賛同することを訴えていく。


連合の高木会長と


構成詩


UNI世界大会の開催を来年に控え、UNIは平和活動に重点的に取り組んでいる。
2009年8月7日、核兵器廃絶2009平和ナガサキ大会において、世界2000万人の労働者を代表するUNIのフィリップ・ジェニングス書記長は 「UNIは平和メッセージを世界に伝えている」と述べた。フォーラムは、日本の労働組合ナショナルセンターである連合と原水禁(原水爆禁止日本国民会 議)、核禁会議(核兵器禁止平和建設国民会議)の共催により、長崎で開催された。
「労働者にはディーセントワークを求めるという世界共通の願いがあると認識している。ディーセントな仕事があれば、個人及び家族は安定した収入を得、思 いやりのある社会の中で住居、食事、教育、医療、ゆりかごから墓場までのサポートのある生活を維持できる。労働組合はこれを実現するための手段を提供する が、そのためには平和、寛容、相互理解という基盤が必要である。」
ジェニングス書記長は8月に日本を訪れ、日本の組合や平和活動家が推進する核兵器廃絶のグローバルキャンペーンにUNIも賛同することを訴えていく。長崎では桜田UNI-LCJ議長と共に様々な平和集会に出席する。
失業や貧困が増加する一方、武器に大金が投入されており、軍事競争は収拾がつかない状態である。世界的な貧困を尻目に1999年より45%増の1兆4640億ドルが核・非核兵器につぎ込まれた。
しかしUNIは、オバマ大統領が7月にロシアの学生に対するスピーチの中で、米国は核の拡散を防止し、最終的には核兵器のない世界を目指し、核弾頭やミ サイルを削減するロシアとの新たな条約調印を宣言したことに勇気づけられた。また、2009年G8サミットでも核拡散問題が取り上げられた。
「これは、希望への第一歩である。私たちは平和への取り組みを各国の労働者に広め、労働者はそれを政治指導者に働きかけていかなければならない」とジェニングス書記長は述べた。
2010年11月の長崎世界大会を前に、UNIは連合が呼びかけた平和イニシアティブに参画している。その目的は、世界の核兵器廃絶と恒久平和を求める 潘基文国連事務総長宛の嘆願書に1000万の署名を集めることである。国連は、2010年5月、ニューヨークで核不拡散条約(NPT)運用検討会議を開催 する。
UNIは、平和推進都市である長崎を大会開催地とした。
「2010年は、核兵器のない世界へ向けて、真のブレークスルーとなる年にしたい。労働組合のグローバルなアクションによって、人間の活動を通じて世界 を建て直すことができると信じている。2010年、平和をイマジン(想像)し、ブレークスルーを達成する私達の夢のために行動し続けよう」とジェニングス 書記長は訴えた。
ジェニングス書記長は8月、2010年長崎世界大会準備に加え、平和集会に参加したり、加盟組合を訪問したりする。その他の平和イベントでも講演を行う。

UNI加盟組合、全国大会でUNIを周知

 



UNIは毎年、日本の加盟組合の全国大会において「UNIデスク」を設置し、UNIの周知活動を行っている。合わせて、カンパを募り、寄付してくださった方にUNIロゴグッズを差し上げている。
2008年度は、「モンゴル加盟協ITセンター建設支援」として寄付を募り、1,259,489円がモンゴル加盟協に寄付された。2009年5月17 日、桜田UNI日本加盟協議長がウランバートルを訪問し、コミュニケーターズセンター(ITセンターの正式名称)開所式に立会った。6月29日には、 UNI日本加盟協代表団が青年・女性セミナーのためウランバートルを訪問、同センターを視察し、設立までの経緯やセンター活用の計画について説明を受ける と共に、モンゴルの仲間から、日本の加盟組合のご支援に対し感謝の意が示された。パソコンの使い方だけでなく外国語学習プログラムも提供する予定とのこ と、組合員どうしの連携強化と同時にエンプロイアビリティ向上に役立てられることが期待される。
2009年度は、2010年長崎で開催される第3回UNI世界大会・同女性大会、第3回UNIアジア太平洋地域青年大会に、アジア太平洋地域からより多 くの青年・女性の参加を支援するために、寄付を募っている。途上国の労働組合は、来日のための旅費補助を必要とする場合が多く、特に青年・女性役員には、 なかなかチャンスがない。
他の国の青年委員会も、独自にカンパを始める予定である。JP労組、JSDは6月に、NTT労組、情報労連は7月にそれぞれ大会を開催した。各加盟組織の配布したチラシはRelated Filesに掲載。

FNIU2009 UIZ2009 NWJ2009 JSD2009 JPGU2009


フィリピンからの看護・介護労働者受け入れをめぐって

2009年6月25日、「国際移住とグローバルユニオン ~フィリピン看護・介護労働者の受け入れをめぐって~ 」と題したPSI-JCとUNI-LCJの共同セミナーが行われた。


2009年6月25日、UIゼンセン会館において、「国際移住とグローバルユニオン~フィリピン看護・介護労働者の受け入れをめぐって~」と題した PSI-JCとUNI-LCJの共同セミナーが行われ、約120人が参加した。本セミナーでは、日比経済連携協定(JPEPA)によりフィリピンから 273名の看護・介護労働者が来日したことを背景に、国際移住の現状や両国労組の対応のあり方が議論された。
最初に岡部PSI-JC議長が開会の挨拶の中で、外国人労働者は受入国と送出国の双方で労働者の搾取の問題があるとし、「連合の長谷川さん、京都大学安 里先生に考え方をお聞きして、パネルディスカッションでそれぞれの国の事情や課題を共有したい。」と述べ、外国人労働者に関わる問題は労働組合として取組 む必要のある課題であると訴えた。
次に、長谷川裕子連合総合労働局長による「連合の外国人労働者に対する当面の考え方について」の講演が行なわれた。長谷川局長は外国人労働者の受入国と 送出国の双方のあり方に焦点をあて、受入国に対しては、外国人労働者の人権を尊重し日本人と同等の労働条件を確保するべきである、また送出国に対しては、 人材流出を防ぎディーセントワークを推進する出稼ぎのない政策を目指すべきであると論じた。現在、日本の介護・看護労働は、激務であり離職率が高い。日本 人が魅力を感じない職場に外国人を受け入れるべきでなく、労働条件・就業環境の改善が求められると強調した。さらに外国人労働者技能研修制度については、 国際貢献という趣旨に反し技術向上につながらない単純反復作業が中心となっている、また低賃金の温床であることで、労働者は生活のために休日出勤や深夜労 働を余儀なくされる現状がある、と厳しく指摘した。この現状を打破するためには外国人労働者に対し、労働条件や生活環境などの正しい情報を与え、労働者保 護の法律について理解可能な言語で説明することが求められると訴えた。
そして、安里和晃京都大学大学院文学研究科准教授による「看護・介護のグローバル化と日本の位置づけ~互恵的な人材の受け入れは可能か~」と題する基調 講演が行なわれた。台湾、シンガポールなどのアジア諸国では女性の就業率が高く、家事労働や在宅介護のために外国人労働者を多く受け入れている。高失業率 下においても海外移転ができない介護労働に対する需要は増大しており、送出国は、貧困対策・外貨獲得・雇用対策の点から人の移動を好意的に見ている。しか し同時に、優秀な人材の流出や高齢化などの問題も残っている。また、自国への送金のため、移民労働者の離職率は低く、受入国の期待もきわめて高い。だが、 日本の場合、外国人看護師・介護福祉士候補者士については、特に前者について地位に関する曖昧さが残っていたこともありの特定の地位が定められていないた め、賃金のトラブルや社会的地位の低下などの問題点が見受けられる。安里准教授は、この状況を分析し、「外国人看護師・介護士は基本的なスキルを持ってい るものの、日本の資格を有していないことが問題となっている。ところが、日本の看護資格を日本語で受験して取得するには基礎的日本語だけではなく、日本人 にも難解な医学用語を修得した上で、試験に臨む必要がある。そのためには継続的な学習を可能とする条件整備が必要である。現在、受入機関で研修を行ってい るが、研修のあり方は基本的に受入機関に丸投げであり、受け入れの在り方に関して熱心な施設とそうでない施設の二極化が生じている。受入機関や研修者に対 する研修が求められる」と提言した。
続いて、アリス・チャンUNI-Apro商業部会担当部長の司会の下、ノーマン・グレッシャスAFW副委員長、佐藤克彦PSIアジア太平洋地域事務所長、ジュン・ウマリUNIフィリピン加盟協事務局長によるパネルディスカッションが行なわれた。
グレッシャスAFW副委員長は、「フィリピンの現状と課題」として、看護師の海外流出対策のための人材プール創設を提案した。また、移民労働者に対するディーセントワーク順守に重点を置き、特に日本人と同じ社会的保護を与え、労働組合に加入させるべきであると主張した。
佐藤PSIアジア太平洋地域事務所長は、「PSIの政策と活動」について報告した。グローバル化により物・金・情報と労働者が国境を越えることが加速度 的に増えている昨今、途上国では貧困、ディーセントワーク不足と高失業率の問題がある。雇用ミスマッチの原因は、使用者は雇用の柔軟性や低賃金を期待し、 労働者は高賃金・均等待遇・ディーセントワーク・能力を活かせる場を求めているからである。日比政府間の協議に較べて日比労働組合間の協議と協力は極めて 不十分であり、日比労組連携協定(JPUPA)こそが重要であると強調した。
ウマリUNIフィリピン加盟協事務局長からは、日本の組合へ具体的な意見提起がなされた。フィリピンの労働組合は今後、日本で働こうとする労働者の選考 から渡航前説明会までの一連のプロセスに関わり、派遣に対する適切な情報が得られるようにモニタリングしていきたいと述べると共に、日本の労働組合にも、 労働組合への加入を促し、日本の労働法や労使関係に関する情報を提供することによって、フィリピン人労働者を支援してほしいと要請した。同時に、海外から 看護・介護労働者を受け入れたことで日本人の労働条件が悪化しないよう、日本とフィリピンは国境を越えた協力をしていくべきだと訴えた。
これら意見提起に対し、アリス・チャンUNI-Apro商業部会担当部長は、移民労働者の人権保護が第一であるという共通点を見出し、送出国・受入国がお互いに労働条件を改善する基盤づくりをするべきであるとまとめた。
最後に、桜田高明UNI-LCJ議長が閉会の挨拶をした。「日本人の看護師・介護福祉士の過酷な労働条件や外国人労働問題への対応など重い課題はあるものの、今日を出発点に、これらの問題と向き合っていかなければならない」と強い決意と共に締めくくった。

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