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グレパ生保労組、サンライフグレパと団体協約締結

UNIに加盟するフィリピン銀行労組(NUBE)の単組、グレパライフ生保労組(GPLEU)は、6か月に及ぶ交渉を経て、サンライフグレパファイナンシャル社と団体協約を結ぶに至った。交渉は幾度も行き詰ったが、ストを回避し、このほど2017年から2020年までの賃金改定に同意した。

交渉は、アルカンタラGPLEU委員長を筆頭に、ニデアNUBE委員長をスポークスマン兼交渉責任者として進められた。GPLEUは、フィリピンの保険産業の標準より高い賃金・手当を勝ち取ることができた。

妥結に時間を要したのは、経営側が成果に基づく賃上げに拘ったからである。GPLEUは、組合が成果給に同意した他の会社の従業員が抱える多くの問題を懸念し、経営側の提案に反対した。最終的にGPLEUは、3年間で計3,300ペソにのぼる固定月例賃金引上げ、その他付加給付額の引上げを勝ち取った。

組合員は6か月の厳しい交渉期間中、GPLEUから絶えず交渉状況を知らされていた。そのため、交渉が暗礁に乗り上げた際にはストに入る可能性を含め、組合の立場は幅広く支持されていた。


UNIの新たな未来に、ブレイキングスルー!

2018年2月27日、第19回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等約80人が出席した。2017年度活動報告、会計報告に続き、「UNIの新たな未来に、ブレイキングスルー!」をコンセプトとした2018年度活動計画及び予算が承認された。また、新メンバーを歓迎した。

UNI本部からフィリップ・ジェニングスUNI書記長、UNI Aproからクリストファー・ウン地域書記長が来賓として出席した。今年6月にリバプールで開催される第5回UNI世界大会で退任予定のジェニングスUNI書記長は、他の友誼組織からの参加者も含めた約130人を前に、「労働の未来を私たちの手に」と題して講演を行った。松浦議長が司会を務め、釘本UNI Apro青年委員会副議長(日放労中央執行委員)、杉山UNI Apro女性委員(全印刷企画部長)がインタビューする形で進められた。ジェニングスUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる英国・リバプールの街と世界大会の概要、英国の労働運動が直面する課題、UNIの『労働の未来』の取組み等について熱く語った。

リバプールは、英国の北西部に位置し、綿や機械製品輸出の拠点であり、新大陸への移民を乗せた船が出発し、アフリカからの奴隷貿易の中継港として発展してきた世界遺産にも登録されている歴史的な都市。世界大会は港近くのコンベンションセンターで開催され、大会テーマ「Making It Happen!(実現しよう)」の下、組織化、労働の未来、平和等について議論が行われる。また、ネルソン・マンデラ生誕100周年、女性参政権獲得100周年、英国ナショナルセンターTUC設立150周年等を祝い、コービン労働党党首やノーベル平和賞を受賞したICAN代表等、多彩な来賓を迎える予定である。

英国の労働運動は18世紀の産業革命がきっかけで発展し、今年はTUC設立150周年にあたる。TUCが強さを誇るのは公共部門で、民間部門は20%の組織率に留まり、労働協約で守られている労働者は30%に過ぎない。こうした状況を打破するため英国の労働組合は組織化に力を入れ、公共部門では17万人、民間部門では、一般労働者10万人、運輸労働者12万人、小売店労働者8万人の組織化に成功している。現在、英国はEU離脱がもたらす経済の影響や、ゼロ時間契約(オンコール労働)、格差拡大などの課題に直面している。

「労働の未来」は非常に重要な問題であるが、そもそも国際社会において「労働」を政治的な議論の場の中心におくこと自体が困難であり、「賃上げがなければ経済回復はない」という国際労働運動のメッセージは長年軽視されてきた。そうした中で、UNIは「労働の未来」について他に先駆けて取組みを始め、AIの倫理的活用、労働者/消費者データの保護の必要性等を訴えてきた。ジェニングスUNI書記長は退任後も2019年まで、ILOの仕事の未来世界委員会の委員として、デジタル化が進む中で労働者が「誰一人取り残されない社会」を目指していく、と抱負を述べた。

最後に、日本の加盟組合へのメッセージとして、「UNI-LCJの皆さんには今後もいっそう国際労働運動に積極的に取組み、UNI、UNI Aproにおいてリーダーシップを発揮してほしい」と、アジアおよび世界の労働運動の牽引役としての役割を期待した。また、2010年の長崎世界大会以来UNIとしても力を入れている平和の取組みの重要性にも言及し、「日本から世界へ平和のメッセージを発信し続けてほしい」と訴えた。

レセプションでは、本多厚生労働省総合政策・政策評価審議官、逢見連合会長代行、ウンUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。また、ジェニングスUNI書記長の長年の功績に感謝し、野田UNI-LCJ副議長から記念品が贈呈された。2010年のUNI世界大会の長崎開催にあたり、地元の取りまとめ役を務めた宮崎連合長崎会長(元情報労連長崎県連絡協議会議長)は、長崎大会開催にまつわるジェニングスUNI書記長との思い出を振り返り、国際労働運動に直に触れることができた貴重な体験だったと感謝した。


第6回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第6回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2017年10月26~27日、台湾・台北の中華電信本社体育館で開催された。日本、韓国、台湾、香港より136人(うち女性21人、女性参加率15%)が出席し、「第4次産業革命の時代に、包括的な成長を遂げるために」というメインテーマの下、報告・議論を行なった。日本からは、12加盟組合より総勢48人(うち女性17人、女性参加率35%)が参加した。

開会式では、ホスト国・台湾のUNI加盟3労組代表、中華電信社長等から歓迎挨拶を受けた。松浦昭彦UNI-LCJ議長は、フォーラム開催の準備に尽力した台湾の3加盟組織に感謝を述べ、「政労使の対話を通じ、我々の未来は我々が創るという意気込みでデジタル化のメリットを最大化し、デメリットを最小化する取組みを始めよう」と、東アジアにおいて建設的かつ有意義な意見交換ができることを期待した。

まず各国の最近の「政治・経済・社会的課題への対応」を共有した。日本については金子晃浩UNI-LCJ副議長が、先の衆議院議員選挙の結果を報告すると共に、労働力が不足する中、日本経済の持続可能性を高めるためには生産性の向上が喫緊の課題であり、政府の「働き方改革実現計画」の下、労働組合としても長時間労働の是正や多様な働き方への意識改革を推進していること等を説明した。韓国、台湾、香港からも、急激な少子高齢化、労働人口の減少、長時間労働、非正規労働の増加、男女間格差、若年労働者の失業問題等、類似の課題が挙げられた。韓国からは、労働組合や市民による「ろうそく革命」によって10年近く続いた保守政権を打倒し、革新系政権の下で労働者寄りの政策へと転換を図っていく決意が述べられた。一方、中国返還後20年が経過した香港では、団体交渉権をはじめとする労働者の基本的権利が侵害されている苦境が報告され、連帯支援が要請された。

「デジタル化の、雇用と仕事への影響:企業、産業、国レベルでの対応」のセッションでは、リウ・シーハオ銘伝大学教授が基調講演を行った。特にクラウドワークの増加により、多くの企業は新規採用の必要性がなくなり、雇用・労働形態の変化により、従来の労使関係の対象外の労働者が増加する。また、プライバシーの保護も課題であり、インターネットにアクセスすることにより個人情報が流出するリスクが高まっていると警鐘を鳴らした。梅原貴司全印刷委員長は、デジタル化による、日本の労働者や労働法制への影響について分析し、テレワークの普及等により、勤務時間や勤務場所の自由度が高まる反面、長時間労働が懸念される点や、複数企業に所属する場合の雇用・労使関係に課題を提起した。渡辺由美子JP労組書記次長は、支払審査業務やコールセンター業務へのAI(ワトソン)導入事例、作業負担軽減のためのロボットスーツ導入事例について紹介した。技術の進化により、労働力不足や労働時間短縮等、組合員が働きやすい環境づくりに役立つと期待するものの、働き方や労働力の在り方、価値観も大きな影響を受けることから、柔軟な対応が必要だと述べた。

韓国の、キム・ヨンスKPWU労使交渉部長は、無人郵便局等のAI導入事例や物流網の改変に伴う人員削減への反対、韓国政府による第4次産業革命への対応策について報告した。コン・クワンキュKFIU副委員長は、金融部門におけるフィンテックの拡大等、急激なデジタル化への移行状況と金融労働者の雇用危機、労働組合の対応について、シティ銀行の店舗閉鎖問題を例に報告した。台湾のハミルトン・チェンTPTSEU執行委員は、公共放送部門のデジタル化に関する投資及び労働者教育が不十分であることを懸念した。香港のキャロル・チャンRCCIGU委員長は、政府主導で進む小売業におけるデジタル化によって、雇用削減や返品不可能という消費者へのサービス低下等の弊害が発生していると指摘した。

「デジタル経済における組織化」と題するセッションの導入報告として、柴田謙司情報労連書記長は、日本に200万人以上存在するクラウドワーカーの現状について、2016年12月の連合による調査をもとに報告した。収入面に不満がありながらも、時間や場所を選ばず働ける点に魅力を感じている労働者が多いが、半数近くがトラブルを経験している。今後求められる対応として、政府による更なる実態把握と法整備、個人加盟ユニオンの設置、SNS等インターネットを活用した組織化等を提言した。中村正敏日放労委員長は、デジタル経済における新しい組織化について、産業、会社、個人の各レベルにおける持続可能性の視点から、ディーセントワークに基づく労働の概念の問い直しが求められていると提起した。

カン・ヨンベ韓国KHMU教育宣伝部長は、「高齢化が進み介護人材が不足する中、組合員拡大の機運は高まっており、組織拡大に注力している。SNS等を通じたデジタル化時代に対応した組織化が課題だ」と報告した。リン・シューフェン台湾CTWU執行委員は、中華電信の子会社「宏華会社」へのアウトソーシングによって雇用危機に直面したものの、会社との協議により解決した経験を挙げ、デジタル経済においても労働者の権利擁護と代弁という組合の基本理念と存在意義は変わらない、と地道な活動の重要性を訴えた。

「労働の未来―未来に向けて労働者はいかに備えるべきか」のセッションは、ウンUNI Apro地域書記長が導入報告を行い、「デジタル化による変化や雇用代替は不可避だが、労働者がいかに包括的で公正かつ持続可能な方法で変化に対応し、長期的な雇用可能性(エンプロイアビリティー)を構築できるかが鍵だ」と強調した。安藤賢太UAゼンセン流通部門執行委員は、深刻な人手不足に直面する日本の流通産業におけるAIの活用事例として、レジの無人化や無人店舗、ロボットによる接客、気象データ分析を利用した効率的な発注等を紹介し、AI活用により産業全体を高度化させ、生産性と労働価値を向上させるためにも、産業の未来を創造できる人材育成を推進すべきだと述べた。谷知美損保労連中執は、損保産業や組合員を取り巻く環境変化や多様な価値観に対応するため、組合員自らが働き方を考え行動することが重要だとして、損保労連が推進する「めざす働き方」の実現に向けた取組みを紹介した。

ピーター・チョイUNI Aproインターン(仁川大学)は、技術革新による失業が一定程度発生することは避けられず、社会全体の問題として解決するための一つの方策として、ユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)の可能性を提起した。UBIは、政府が収入・仕事の有無に関わらず基本所得を無条件に全ての市民に支給する制度で、年金や生活保護等、既存の社会保障制度に比べ透明性が高く、行政の負担軽減、貧困削減効果といったメリットがある一方、働く意欲の喪失やインフレを引き起こす懸念といったデメリットも指摘されている。世界では試験的な導入も始まっており、格差が拡大し非正規労働者が増加する中で、一選択肢として検討の価値があるのではないかと提言した。続く質疑応答では、韓国の政権交代による今後の労働政策面での期待感や、日本の正規・非正規労働の格差、UBIの課題等について質問やコメントが出された。

閉会式では、フォーラム参加者は満場一致で共同宣言を採択した。第7回フォーラムは2018年に日本で開催する予定で、労組だけでなく社会パートナーを招待することが確認された。合わせて、韓国メディア労組/KBS労組及びMBC労組への連帯、香港の団体交渉法復活闘争への連帯を表明する声明を採択した。


UNIインド加盟協/UNI-LCJ共同セミナー

2015〜2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性に沿って、3年目となるUNIインド加盟協(UNI-ILC)との共同セミナーが、インドのUNI組織化センター(UNI-DOC)の所在地ハイデラバードで開催された。UNI-LCJからは、宮井UNI-LCJ副議長(損保労連委員長、UNI Apro金融部会議長)を団長に、才木情報労連/KDDI労組副委員長、柴田UAゼンセン短時間組合員総合局副部長、岡田自動車総連政治局部長が講師として参加した。UNI-ILCからは、ミリンドUNI-ILC議長をはじめ加盟組織役員、銀行・保険労組、郵便労組、商業労組、IT労連(NCU)・ITを専攻する学生等総勢40人が参加した。

宮井UNI-LCJ副議長は、グローバルな政治・経済課題やデジタル化に対応するには、労働組合もグローバルに結束して情報・経験交換し、世界中の労働者の明るい未来のために英知を出し合うことが重要だと挨拶した。

UNI-DOCは、長年インドのIT労働者の組織化に取組んできた。IT業界の使用者は反労組的であり、IT労働者は組合に加入すれば解雇されると思っているため、組合結成は非常に難しかった。そのような中、ハイデラバード、バンガロール、ムンバイ等が存在する5州でIT労組を組織し、2013年に全国レベルのNCU(全国IT労連)を結成するに至った。今回初めて、商業労組、全国IT労連から多くの若手・女性組合員が参加した。プラサドUNI-DOC所長は、両国のIT労働者の現状と課題について活発な情報交換ができることを期待した。

開会式に続いて、ジャワハルワール・ネルー技術大学(ハイデラバード・エンジニアリング学部)のゴバルダン学長から「インドのIT産業における労働環境」について基調講演を受けた。欧米に比べIT人材の人件費が安いため、インドではIT関連の仕事が急成長し、若年層に雇用の機会を提供し、インド経済に大きく貢献してきた。しかし高給だが、ピラミッド型の労働力構成で、年齢を重ねるほどポジションが少なくなり、突然解雇通知をつきつけられることが多い。IT産業に就職する若者は、そのような将来を予測しておらず、60歳まで同じ仕事ができると思っていた。技術の進化によって、新しい機会が創出され、機械化・自動化により、人間の作業が楽になる反面、新しい技術を常に学び続け、マルチスキルでなければ、失職するプレッシャーもある。50歳になれば20代の若者と同じように学ぶことはできないが、経験を活かした別の機会もあるだろう。どのようなキャリアパスがあり、そのために何をすべきか予測ができれば、適切な対応も可能だ。ゴバルダン学長は、将来を予測する必要性とビジョンの重要性を強調し、2日間のセミナーでの議論が労働組合の政策提言に活かされることを期待すると共に、政府の諸機関でデジタル化が推進され、様々な公的サービスもオンライン化されているが、インフラとそれを使いこなす人材の研修が不十分である点も指摘した。

日本からは、宮井団長が「日本の労働運動の概要と今日的課題」、柴田講師が「職場や社会における格差の是正のために労働組合ができること」、才木講師が「デジタル化時代におけるデジタル化ツールを活用した組織化」、岡田講師が「日本のパートナーシップ労使関係」、小川UNI-LCJ事務局長が「UNIの紹介、労働組合の国際連帯・国際協力」についてそれぞれ講演した。また、講演を受けて、インド人参加者は産業別にグループ討論を行い、発表した。

今回は参加者構成が、既存の確立された国営企業労組(銀行、生保、郵便等)と、新たに結成された民間のITや流通部門の労組に分かれており、固有の課題をそれぞれ共有し、新たな視点から議論を行うことができた。例えば、「既存の労働法が適用されないIT産業で働く契約労働者や派遣労働者こそ組合に入るべき」であり、「彼らに組合に関する正しい情報を伝え、組合のブランディング(知名度向上)やマーケティング(勧誘)をするには、SNSのようなデジタルツールの活用は効果がある」という意見もあれば、「デジタルツールはあくまでも補完的なもので、対面する会議や紙のニュースは必要だ」という意見もあった。また、政府は、諸機関や国営企業でデジタル化を推進しているが、そのためにマルチタスクを要求されること、新しいソフトや導入されたシステムの使い方を習得しなければならないこと、そのための職員への訓練が不足していること、デジタル技術の習熟度に世代間で差があること、デジタル化のインフラが未整備であること、システムエラー等により労働時間が長時間化すること等の課題が挙げられた。

2日間という短い時間ではあったが、組合の歴史の異なる部門の青年男女が、組合の意義、身近な課題の認識から、日本のパートナーシップ労使関係に基づく労働組合運動、UNIを通じた組合のグローバルな連帯の必要性、デジタル化等、若い世代の雇用・労働に影響する課題等について、若い世代の視点から幅広く意見を交換し、「組合は保険ではなく投資だ」、「職場に変化を起こしたいなら、自分自身がまず変わらなければ」、「組合にどのような改革が必要かを、組合の中で議論にしなければ」といった前向きな議論が展開された。

宮井団長は最後に、「労働組合の役割は、現場から綺麗な情報だけ経営陣に伝えるのではなく、事実を伝えることだ」、「企業の発展無くして労働者の明るい未来はない」と、パートナーシップに基づく労使関係の意義を強調した。ミリンドUNI-ILC議長からは、UNI-LCJ講師陣の有益な情報提供に感謝が述べられた他、来年のセミナーをデリーで開催する提案を受けた。


UNI Apro、ミャンマー労働省と「パートナーシップ労使関係」に関する三者社会対話

2017年8月3~4日、UNI Aproはミャンマー労働省と共催で、ミャンマーにおける健全な労使関係の構築と、「パートナーシップ労使関係」の理念を普及する目的で、三者社会対話会議をネピドーで開催した。労働省、商工会議所、労働組合から70人が参加し、UNI Aproからは野田地域会長、ウンUNI Apro地域書記長ら、更には講師として、イオン労使、フィリピン、インドネシア、米国等から使用者または労組代表が出席した。

次の4つのテーマについて、パネルディスカッション形式で報告、議論した。

  • 第四次産業革命の新たな波において発生した経済・社会問題:いかに使用者と労働組合組合は対応すべきか
  • AECからRCEPへと地域経済統合の新たな波において発生した経済・社会問題:いかに使用者と労働組合は対応すべきか
  • 調整とパートナーシップに関する経験
  • 「労働の未来」への挑戦における、変化するミャンマーの社会契約

議論の中で認識されたのは、民主化、市場開放後に労働組合が急激に増加したが、労働法制面で不備があること、労使関係構築の営みに政府が参画していくことは有意義であること、各国の経験を参考にしながら、ミャンマーらしい制度を作り上げるべきこと、技術革新、第四次産業革命が労働者に与える影響を考慮する必要があること、等である。

閉会式には、ウー・テイン・スウェー労働大臣が挨拶し、「政労使三者構成主義の意義を認識している。ミャンマーにおいてパートナーシップ労使関係の普及に労働省も取組んでいく」と述べた。

「AECの中で経済・社会が変化しており、第四次産業革命により、更なる市場変革が起こる。労働法の適正化に取組む必要がある。」


UNI-LCJ「労働の未来」フォーラム

2017年8月1日、UNI-LCJは「労働の未来」フォーラムを開催し、UNI-LCJ加盟組織から役員をはじめ、連合、JILAF、GUF等80人を超える労働組合関係者が出席した。UNI本部から、デジタル化及び貿易協定等の部会横断的課題を担当するクリスティーナ・コルクロフ担当部長が来日し、人工知能(AI)、ビッグデータ、ロボット化等によって、いかに仕事や求められるスキル、働き方が変わるかを中心に講演を行なった。コルクロフ部長は、データ保護の重要性を強調し、なぜUNIが従業員のデータに関する使用者のガバナンスを定める国際基準づくりについて、IEEEと協力し始めたかを説明した。

「多くの企業が従業員から引き出したデータを使い、モニターし、蓄積している。個人が識別できる情報だ。業務の流れやパターンをモニターすることによって得られるデータもある。世界のどこでも、従業員は自分達に関するデータへのアクセス権がない。会社を辞める場合に個人データの消去を依頼することもできない。これは変えなければならない。IEEEと協力し、望ましい職場におけるデータのガバナンスに関する、世界中で適用可能な基準づくりができれば、と期待している。」

コルクロフ部長は、日本で非正規労働者が4割に達していることに驚愕し、世界中で同じように非正規雇用が拡大しているが、我々は一丸となって現行の社会保障システムの改変を要求していくべきだと述べた。

「多くの労働者が、ただ自営業であるということだけで、或いは標準的でない働き方をせざるを得ないというだけで、社会保障システムの対象から部分的に、或いは完全に外れている。これも我々は変えていかねばならない。全ての労働者が、雇用形態に関わらず、しっかりした同じ社会的・基本的権利を持たなければならない。デジタル経済の進展によって、労働市場の門戸がまさにグローバルに開かれ、未来の労働が更に流動的で柔軟になる中、社会保障制度を改革し、現状に合わせなければ、破壊的な結果をもたらすだろう。それは容認できない。」

コルクロフ部長のプレゼン資料

コルクロフ部長の講演に続き、経済産業省産業人材政策室の伊藤参事官から、「第4次産業革命と『働き方改革』をめぐる動向」について講演を受けた。デジタル化時代に向けて、日本政府は多くの取組みを行なっている。とりわけ伊藤参事官は、正規社員の労働時間短縮の必要性を強調した。一方で、収入が不安定で断片的な仕事に就く非正規労働者も増えていることは矛盾しているように見える。

日本における急速な人口減少が、日本企業や労働者が職場におけるロボットやAIの導入に前向きな理由の1つである。しかし、多くの中小企業が直面する課題は山積しており、伊藤参事官は良き解決策を見出すために、労使の建設的な協力が不可欠だと述べた。デジタル化が労働者に及ぼす影響についての政府の取組みはこれからである。

これらの講演を受けて、フロアからは多くの意見や質問が出た。将来の社会契約はどのようなものであるべきか?という質問に、コルクロフ部長は「全ての労働者が社会的・基本的権利によって守られるようにしなければならない。自営業であろうと、雇用形態に関わらず、全ての労働者に訓練の権利と機会が与えられるよう要求すべきだ。労働者の要求が尊重されるには、労使関係においてパワーバランスが図られなければならない。そのためには組織化、組織化、組織化だ!」と繰り返した。

伊藤参事官には、TiSA(新サービス貿易協定)への日本政府の立場についての質問が出された。UNIの最近の報告書は、TiSAが及ぼす労働者及び労働条件への影響だけでなく、データ保護やデータの権利に対する負の影響について警鐘を鳴らしている。なぜ日本政府は、WTOをはじめ様々な貿易交渉において、データの自由な流通に異議を唱えないかについては明確な答弁はなかった。

「労働の未来」はUNIの重点課題の1つである。UNIは世界のサービス産業で働く仲間の声を代弁しており、常に新たな分野に踏み出してきた。ビッグ6と言われる世界の大手テクノロジー企業との新たな展開があるかもしれないので、UNIの「労働の未来」ウェブサイトにご注目を!


UNI-LCJ青年・女性、アジアの仲間と情報交換

2017年7月22~24日、福島で開催された第17回UNI-LCJユース英語セミナーに参加するため、ミシェル・ベリーノUNI Apro青年活動担当部長をはじめ海外から7人の講師が来日した。

セミナーの翌日、東京で、「アジア太平洋地域の労働組合運動と青年・女性の参加」をテーマに、UNI-LCJ青年・女性意見交換会が行なわれた。

ベリーノ部長から、UNI Aproの青年活動について概要報告を受けた後、アロック・マーラUNIネパール加盟協(UNI-NLC)コーディネーターは、2015年に発生したネパール大地震の直後から、同加盟協が取組んでいる被災地支援活動について報告すると共に、日本をはじめ世界中のUNIの仲間からの支援に感謝した。

スリランカのツシャンティカ・バンダラ郵便労組(UPTO)支部執行委員及びジャナス・プラサンカ銀行上級職労連(FBOSL)執行委員は、UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)の青年・女性活動について報告した。特にJP労組関東地本が支援している奨学金プロジェクトについては、奨学生の選考過程から授与式まで、UNI-SLAC青年委員会が全面的に関わっており、UNI-SLAC青年委員の育成にも役立っている。JP労組関東地本の長年の支援に感謝した。

また、マレーシアのフランシスカ・ドゥラウ・サバ銀行労組(SBEU)支部執行委員及びアスリワン・ナントン同支部執行委員、ローレンス・サイマン・ゲンティン労組財務次長は、UNIマレーシア加盟協(UNI-MLC)及び自組織の青年・女性活動について報告した。

日本人参加者は、スリランカのスーパーで働く非正規労働者の組織化や、女性組合員・役員の参加を増やす取組み、ネパールの被災地支援等について、積極的に質問し、各国の状況について理解を深めた。

ベリーノ部長は、「UNI Apro青年委員会に参加するだけでなく、このような機会やSNSを活用し、日本の青年・女性のみなさんも積極的にUNIの海外の仲間と情報共有をしてほしい」と呼びかけた。


第17回UNI-LCJユース英語セミナー、福島で初の開催

 

2017年7月22~24日、第17回UNI-LCJユース英語セミナーが福島で開催され、10組織から45人の参加者と、海外から講師7人(ミシェル・ベリーノUNI Apro青年活動担当部長、マレーシア3人、ネパール1人、スリランカ2人)が参加した。

ふだん国際労働運動になじみのない若手組合役員/組合員が、日本にいながらにして経験できる貴重な機会として、またUNIに集う他産別の同年代が苦楽を共にすることが好評を博している。今年9月に福島で印刷・パッケージング部会大会とUNI Aproメディア部会大会が開催されることになっており、特に両部会加盟組織からの参加者が多かった。

冒頭、松浦UNI-LCJ議長から英語で激励の言葉をいただいた。参加者は緊張しながらも、「“連帯”を体感し、多くの友人を作り、楽しもう!」というメッセージをしっかり受け止め、2泊3日の英語漬け合宿がスタートした。

英語レベルも組合経験もバラバラな参加者が、東南アジア訛り、南アジア訛りの様々な英語に苦労しながら、UNI、UNI Aproの青年活動、スリランカやマレーシア等における青年・女性の組合参加促進活動等について学んだ。グループワークでは互いに助け合い、全員参加で発表を行なった。夜は歌やダンスで大いに盛り上がった。国や産業は違っても、青年や女性の課題には共通点もあることを知った。アロック・マーラUNIネパール加盟協コーディネーターから、2年前の大地震後の被災地支援活動について聴き、「困っている人がいたら助ける」という労働運動の原点をあらためて認識した。

中村UNI Aproメディア部会議長(日放労委員長)からは英語で、福島の日本における歴史的位置や、豊かな自然に恵まれ多くの有名な俳句や和歌ができたこと、そして東日本大震災後の悲劇について説明を受けた。

最終日にはグループ別に学んだ内容を、ドラマやミュージカル風等、様々なスタイルで表現した。参加者による投票でトップ3のグループが表彰された。海外講師も、日本人参加者と相部屋を経験し、勇気をもって大浴場や食べたことのない日本の食べ物にチャレンジするなど、日本文化を満喫することができた。日本人のチームワーク、時間厳守、真面目さ、規律、ホスピタリティ(おもてなしの心)に感銘を受け、日本の大ファンになって帰国した。

 


UNIモンゴル加盟協(UNI-LCM)青年代表団、日本のパートナーシップ労使関係を学ぶ

2017年7月3~7日、UNIモンゴル加盟協(UNI-LCM)よりガントゥルガ団長以下、青年代表団7人が来日、UNI-LCJ加盟組合を訪問し、日本のパートナーシップ労使関係を学んだ。

松浦UNI-LCJ議長は、初日の歓迎夕食会で、過去20年近いモンゴル労組支援の歴史を振り返り、モンゴル社会の変化と共に、次世代のリーダー育成や組織拡大など新たな課題が出てきているとして、未来を担う代表団メンバーを激励した。

代表団は、情報労連、UAゼンセン、自動車総連、損保労連を訪問し、日本の労使関係、組織化、国際活動の理解促進、広報、人材育成など幅広い分野について講義を受け、積極的に質問して、理解を深めた。

最終日の総括で、ガントゥルガ団長(ゴビ労組)は、今回の訪問についてUNI-LCJに感謝し、「全体を通じて日本とモンゴルの共通の課題は、組織化だということが分かった。今回の訪問で学んだことをモンゴルに持ち帰り、仲間に伝え、自分たちの活動に活かしていきたい。UNIやUNI Aproの活動に積極的に取り組んでいくために英語力を強化し、加盟組合間のコミュニケーションを取りながら、活動を進めていきたい」と力強く語った。

次回のセミナーは、2018年夏にウランバートルで開催予定。


UNI-LCJ金融部会、欧州のフィンテック等に関する情報収集

2017年7月3~4日、宮井UNI Apro金融部会議長(損保労連委員長)を団長とし、全信連、JP労組から成るUNI-LCJ金融部会代表団が、ベルギー・ブリュッセルにおいて、金融部門の現状と今後、労働組合の課題・取組み等を見聞した。特に、「第4次産業革命」「デジタル革命」等と称されるAIの飛躍的な進化、フィンテックの出現、国際金融危機後の規制強化等が金融部門の労働者に及ぼす影響を、労働組合及びEUはどう分析し、対策をとっているかを、ベルギーの金融関係労組、欧州中央銀行労組、UNI欧州地域書記長、UNI欧州金融部会担当、欧州委員会(通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局「デジタル経済及びスキル」課)等から聞き、意見交換を行なった。

欧州におけるフィンテックのハブはロンドンとストックホルムだが、ブリュッセルの銀行経営者はフィンテックを脅威とは見ておらず、買収するか協業すればよいと考えているとのことである。遅れをとっていたデンマークは2016年、コペンハーゲンに欧州規模または世界規模のフィンテックハブをつくり、資本だけでなくスキルも集める目的で、政労使が協力して「コペンハーゲン・フィンテック」を設立した。フィンテックの動向・情報収集と、それに従事する労組に関心のない若い人に接触する場ができることに、金融労組も参加する意味がある。フィンテックに関わる若い人に労組のメリットを説明する機会はできたが、同時に今までのオルグのアプローチでは難しいことがわかった。

欧州委員会はまだフィンテックを規制すべきかどうかを決めかねている。いずれは必要となるだろうが、規制してしまうと、結果として欧州以外に移ってしまうのではないかという懸念や、法律制定までにかかる時間と、それを凌ぐ技術革新のスピードが問題だ。フィンテックが雇用に及ぼす長期的影響の評価も難しい。

 

 


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