労働組合と平和―UNIは平和への取組みを続ける

7年ぶりに長崎を再訪したフィリップ・ジェニングスUNI書記長は、「核兵器の終わりか、それとも、私たちの終わりか」という、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞した際の、ベアトリス・フィン事務局長の演説の一節を引用した。長崎は、2010年のUNI世界大会の開催地。その大会でUNIは、核兵器のない世界を創る取組みを確認した。「私たちが終わる」脅威。世界中にはまだ1万5千発を超える核兵器が存在する。ジェニングスUNI書記長は、長崎の平和大使として世界に核兵器廃絶を訴え続けてきた。

UNI-LCJは3月1日、長崎で、ジェニングスUNI書記長の再訪を歓迎する会を開催し、当時のUNI長崎連絡会役員及び加盟組織役員等40人が集まった。中村法道長崎県知事、田上富久長崎市長も出席した。田上市長は挨拶の中で、「分断された世界において、平和の構築に労働組合の声は極めて重要だと認識している」と述べた。生存する被爆者が減っても、平和へのメッセージが忘れられてはならない。ジェニングスUNI書記長は、「労働組合は平和運動と連携し、長崎及び広島の被爆者の経験を語り継いでいく義務がある」と訴えた。

中村県知事は、UNIが長崎で大会を開催したことにあらためて感謝した。その上で、6月に退任するジェニングスUNI書記長に、今後も「長崎奉行」として長崎の思いを世界に発信し続けてほしいと期待を寄せた。

2010年以降も、UNIと長崎との友好関係は続いており、毎年スイスにあるUNI本部に長崎からの平和大使を受け入れ交流している。UNIはICANとIPB(国際平和ビューロー)のメンバーでもある。「平和」は6月に英国・リバプールで開催される第5回UNI世界大会の議題としても取り上げられる。平和はUNIの取組みの中心にある。なぜなら、社会正義がなければ平和が構築できるはずがないからだ。「平和なくして正義なし、正義なくして平和なし。」

UNI運動の目標は150か国から集う加盟組織の間に連帯を構築することである。2017年だけで15万7千人もの尊い命が紛争で失われた。犠牲になるのは人々であり、荒廃した国を再建するのも人々である。150年前、英国・マンチェスターで初の労働組合会議が開催された時から、労働運動は常に平和運動の推進者でもあった。

世界を見れば、労働運動はいつも勇気をもって危険をかえりみず、平和を求める闘いの中心にあった。独裁者に立ち向かい、民主主義と人権を求めて闘い、時には命を落とすこともあった。コロンビア、南アフリカ、北アイルランド、チュニジア、チリ、ブラジル、アルゼンチン、フィリピン、ネパール、インドネシア…労働組合がいかに民主主義、社会正義、そして平和のために立ち上がったかはあまり語られないが。

2007年のICAN創設以来、より多くの平和・核兵器廃絶推進団体が連携を図り、2017年7月7日、122か国が賛成し、核兵器禁止条約が採択された。現在まで50を超える国が批准した。地雷及びクラスター爆弾禁止条約もこの動きを後押しした。

2010年のUNI長崎世界大会で、核兵器のない世界の構築に向けた新たな勢いが感じられた。世界週末時計が深夜まであと2分と迫る中、我々はこの取組みを継続していかなければならない。

ジェニングスUNI書記長は最後に、2017年のノーベル平和賞受賞式で演説した広島の被爆者、サーロー節子氏の言葉を引用した。「今日私は皆さんに、広島と長崎で非業の死を遂げたすべての人々の存在を感じていただきたい。皆さんに、私たちの上にそして私たちの周りに、 25万人の魂の大きな固まりを感じ取っていただきたいと思います。その一人ひとりには名前がありました。一人ひとりが、誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしてはなりません。」

UNIリバプール世界大会では、 時が流れても、犠牲者の死が決して無駄にならないよう、我々は取組みを進めていくことを示す。


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