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UNI Aproメディア部会、マレーシア加盟組合ワークショップ

2017年4月6〜7日、マレーシア・クアラルンプールにおいて、UNI Aproメディア部会はマレーシア加盟協(UNI—MLC)の協力を得て、ワークショップを開催した。開会式で、UNI Aproメディア部会の中村議長は、連帯の挨拶を行ない、今年9月に福島で開催予定のUNI Aproメディア部会大会への積極的な参加を呼びかけた。

メインテーマは「マレーシアのメディア部門における組織化」。メディアプリマ(TV3、プリマワークスタジオ)やアストロプロダクションの一般職労組及び管理職労組、国営ベルナマ通信労組、アルヒジュラ労組、作家協会、新聞労組等から30人が参加した。参加者は自己紹介の後、それぞれの組合の概要と直面する課題について報告した。

ヨハネス・ストゥディンガーUNIメディア部会担当局長は、UNIメディア部会の紹介と、組織拡大・組合強化の戦略計画について説明した。参加者は2日間のワークショップで、グループ議論を行い、2017〜2018年度のアクションプランをまとめる予定である。

ワークショップに先立ち、4月6日午前中、中村UNI Aproメディア部会議長率いるUNI代表団がアジア太平洋放送連合(ABU)を訪問し、モッタギ事務局長とUNI Aproメディア部会の協力分野について意見交換を行なった。UNI Aproメディア部会とABUは既に協力の覚書を結んでおり、モッタギ事務局長からは、メディアが果たせる役割として、「ジェンダー平等に関する啓発」、「多様な文化を持つアジア太平洋地域における平和の実現」等への貢献が挙げられた。また、メディアと民主主義、災害リスク軽減・防止、デジタル格差是正の分野での協力も提案された。


UNI Apro執行委員会、「労働の未来」を議論

2017年4月4~5日、シンガポールにおいて、第30回UNI Apro運営委員会、第23回UNI Apro執行委員会が開催された。昨年11月のUNI世界執行委員会における「労働の未来」議論を踏まえ、UNI Aproにおいても「労働の未来」フォーラムが開催された。

ジェニングスUNI書記長による基調講演

ビッグ6(グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフト、フェイスブック、IBM)があらゆるデータを独占している。彼らは責任あるビジネス行動とはいかなるものか、わかっていないようだ。競争だけでなく税制面でも規制をみていかなければならない。4人に1人しか正式な社会的保護を受けておらず、大儲けをしている企業が税逃れをし、更に仕事が機械に置き換わったら、人間はどうやって生きていけばよいのか。最低所得保障の議論があるが、組合の中でも懐疑的な人もいる。このような状況の中、ディーセントワークを確保するためには、組合を成長させるしかない。組織化基金を活用し、下請け労働者や専門職・監督職等も組織していかねばならない。他人に任せてはいけない。

UNIのアクション

ケープタウン世界大会で、労働の未来を取り上げることを決定した。世界経済フォーラムでも訴えた。そのため、14の産業で500万人が失職するという報告が出された。UNI欧州地域組織も調査をしている。ILOも100周年記念イニシアチブとして「仕事の未来」プロジェクトを推進しており、今後、世界委員会が立ち上げられる。我々はこのような国際機関に絶えず強力なメッセージを出し続けていかなければならない。

我々は、組合がデジタル革命の中でいかに戦略を変えようとしているか、現状に適用させようとしているか、調査している。労働者の権利、社会契約のあり方、我々のデータへのアクセス、シンギュラリティ、AIの倫理等、デジタル・マニフェストを作りたい。そのための取組みとして、①新たに「労働の未来」専用ウェブサイトを立ち上げ、②「デジタル化専門家グループ」への参加を加盟組合から募っている。これらはUNIの専門知識のハブとして、リバプール世界大会までに解決策をまとめていく。

「アクションを起こすのは我々だ。解決策を提示するのは我々だ!」

パトリック・テイ氏によるシンガポールの状況報告

シンガポール加盟協(UNI-SLC)からは27人が傍聴した。代表して、パトリック・テイ商業労組書記長(シンガポール全国労働組合会議SNTUC副書記長)が、SNTUCの取組みについて報告した。シンガポールは貿易やグローバル化に依存しており、不確実性の時代に、欧米、中国、東南アジアの動向から大きな影響を受ける。3D(①Demand、②Destruction、③Demographic)という言葉があり、大きく襲い掛かっている。①グローバルなDemand(需要)が下がった。②デジタル化の影響で、以前はトップ企業といえば石油会社だったが今はハイテク企業にその座を譲り、弱肉強食ではなく、等しく食べられてしまう。シェアリング・エコノミーが増え、大手多国籍企業ばかりでなく小規模スタートアップ企業も増えている。技術革新によりシンガポールでは43%の雇用が代替可能と言われており、破壊的状況(Destruction)だ。③急速な高齢化、出生率低下(Demographic)。

これらを克服するための対応として、将来のスキル訓練と、産業別政労使三者委員会による取組みを紹介した。

将来のスキル訓練は、失業者保護だけでなく、将来の失業者防止のためである。組合だけでなく、政労使、学者、コンサルタント、専門家、フリーランス、中小企業等と共に、弾力性をもって新たな雇用に備え準備していく試みを今年1月から開始した。

23の産業別政労使三者委員会を設置した。例えば金融委員会であれば、財務省、金融機関、中央銀行、組合が委員会に入り、政策提言に関与する。それぞれの産業の変革マップをつくっている。生産性について考え、労働者がデジタル化を受け入れるにあたり、マルチスキルにする。6部門で既にマップができあがり、来年3月には17部会もできる。

パトリック氏は、三者主義で取組む重要性を強調し、ILOやUNIの取組みと足並みを揃えていると述べた。

これらの報告を受け、松浦UNI-LCJ議長からは日本の状況について簡単に報告すると共に、UNI-LCJとして8月頃「労働の未来」シンポジウムを開催し、リバプールUNI世界大会までにUNI-LCJとしての見解をまとめる予定であると述べた。

ジェニングスUNI書記長は、デジタル資本主義に関する調査を行い、リバプールまでに結果をまとめると述べた。UNI Aproでは今年の部会大会で「労働の未来」を議論することになっており、各国でUNI Aproのリーダーが取組みの中心となることに期待を寄せた。

夕食会には、退任した鈴木ITUC-AP前書記長を招き、野田UNI Apro地域会長から感謝の盾が贈られた。

 


フェミニストでよかった! 組合員でよかった!

2017年1月21日、ワシントンで100万もの女性が、更には世界中で500万を超える女性が立ち上がり、女性の権利に関する法規制から、移民政策、医療、環境、人種差別、宗教の自由、労働者の権利まで啓発する世界規模のデモが行われた。

抗議の発端は、トランプ米大統領の女性に関する発言と見解に対するもので、1日のデモとしては米国史上、最大規模のものとなった。

このデモの前日にダボスで開催されていた世界経済フォーラムで、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は同様な力強いメッセージを打ち出した。「みんなフェミニストになるべきだ。男女共に平等を勝ち取るために闘おう。」

職場で女性は50%を占めるが、未だに女性の管理職は少なく、また女性であるがために差別や暴力を受け、賃金格差も存在する。しかし、組合員として社会正義と平等を求めて共に闘うことで、世界中の何百万人もの女性労働者の立場を良くするよう、変えていくことができる。

そこで、UNIは今年3月8日の国際女性デーに、女性が社会において平等な立場を勝ち取るための闘いを記念し、UNI機会均等局のキャンペーン「フェミニストでよかった!組合員でよかった!」を立ち上げるので、是非参加してほしい。

何百万人もの男女が、公園で記念行事を開催したり、カラフルに着飾ったり、デモ行進をしたり、世界各地で様々なイベントに参加する。人間は皆平等であると信じるなら、あなたもフェミニスト。一緒に国際女性デーのUNIキャンペーンを盛り上げよう。

下記のSNSで、写真を共有し、ハッシュタグ(#proudtobeafeminist、#proudofmyunion)を使って、UNIをフォローしよう。

「みんなでいっしょにやればできる!」

Twitter: @uni_women

Instagram: @uniequal

Facebook: UNI Equal Opportunities


第18回UNI-LCJ年次総会、松浦新議長を選出

2017年2月13日、第18回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等71人が出席した。2016年度活動報告、会計報告に続き、『サービス産業における「労働の未来」を創る』をコンセプトとした2017年活動計画、予算が承認された。今年は役員改選年であり、UNI-LCJ運営委員会役員が確認され、松浦UAゼンセン会長が第8代議長に選出された。

年次総会にはUNI本部からクリスティ・ホフマンUNI副書記長と、UNI Aproよりクリストファー・ウン地域書記長がゲストとして出席した。ホフマンUNI副書記長は、他の友誼組織からの参加者も含め130余人を前に、「労働の未来~課題と可能性~」と題する基調講演を行った。現在我々が直面する課題として、格差、デジタル化、非標準型雇用の拡大等を挙げ、これに対するUNIのアクションを説明し、日本の加盟組合の積極的な参加を奨励した。

格差に関しては、オックスファム(世界の貧困者を支援する国際NGO)が世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に先駆けて発表した最新の報告書から、「世界で最も裕福な8人が、世界の貧しい半分(の36億人)に匹敵する資産を所有している」と引用した。世界経済フォーラムが発表した「職の未来」報告書は、今後5年で減少または増加する職種を予測している。デジタル化やテクノロジーの進化により、人間が遂行し報酬を得ている定型業務や肉体労働等の45%が自動化されるという。また、パート労働、有期雇用、派遣労働、下請け労働、オンコール(呼び出し)労働、臨時雇用といった非標準型雇用も増大している。ウーバー運転手のように、インターネットを通じて単発の仕事を請け負うギグ・エコノミーも顕在化している。

「このままでいけば、将来、人間の行う仕事が減り、収入が不安定になり、労使関係が不明瞭になる。全ての労働者が技術革新をはじめとする変化の恩恵を受けられるよう、既存の団体交渉の範囲を拡大し、雇用関係を維持・強化していく必要がある。政府は格差を是正するため、富の再分配をし、ディーセントワークを確保するよう社会政策を練り直すべきだと、UNIは声を上げていく」と、ホフマン副書記長は述べた。

「UNIはデジタル化の専門家をインターネット上で募り、その知見を共有し、対策を考えるため、専門のウェブサイトを立ち上げる。加盟組合から英知を結集し、AIに関する倫理規範や、今後必要となるスキルの国際基準を作りたい」と述べ、日本の加盟組合にも積極的な参加を呼びかけた。

レセプションでは、松浦議長の挨拶に続き、厚生労働省の勝田総括審議官(国際労働担当)、連合の神津会長より連帯挨拶を受けた。ウンUNI Apro地域書記長は、小俣前UNI-LCJ議長のUNIへの多大な貢献に感謝し、記念の盾を贈呈した。

写真はFlickrを参照


野田UNI Apro会長、スタッフを激励

2013年以来3年ぶりにUNI Aproスタッフ会議が、香港UNI加盟協の協力を得て、2016年11月28~30日に香港で開催された。UNI Aproスタッフ、各国加盟協コーディネーター、UNI本部SCOREスタッフら計22人が参加し、2016年度の各国における労働組合強化活動、組織化活動の現状と課題を共有し、UNI Apro部会大会を含む2017年の活動計画について議論した。

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初日には、参加者は野田UNI Apro会長の講演を受けた。

「激動の時代の中で労働運動の任務は変化しているが、雇用確保、労働条件の改善、人間らしく生きられる社会を作るという労働組合の基本理念は変わらない。」

「ウン地域書記長の下、加盟組合・連絡協議会と各国スタッフが連携し、UNI Aproの組織強化を進め、地域経済統合プロセスに労働者の声をしっかり反映させていくことが重要だ。」

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最後に野田会長は、『百聞は一見にしかず、百考は一行にしかず』ということわざを引用し、見る、聞く、考えるだけでなく、実行し成果を出していくことが最も大切だ」と述べ、実行力のある国際労働運動を共に進めていこうと呼びかけた。


ジェニングスUNI書記長、トランポノミクスの嘘の公約を糾弾

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フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、スイス公共放送RTSの主要テレビ番組「Toutes Taxes Comprise(税込価格の意)」で放映された、ドナルド・トランプの大統領選勝利から予想される崩壊に関する討論に参加した。

ジェニングスUNI書記長は、トランプの公約である米国での4%の成長は、ディーセントな労働条件と公正な賃金、自由に交渉ができる労働組合がなければ現実的ではない、と指摘した。

「我々が懸念しているのは、うまくいかないことが明らかなトリクルダウン経済の新たな局面だ。労働条件と賃金の改善無くして、米国は4%の成長は達成できない。」

ジェニングス書記長は、米国では組合が発言の機会を与えられず、社会対話が欠如していると懸念を示した。

「トランプは、ラインス・プリーバス、ポール・ライアン、スティーブ・バノンといった組合潰しに長けている極右の政治家を主要ポストに任命した。」

トランプの勝利を受けて、世界はどこへ向かうのか、我々はどのようなグローバル化を望むのか、あらためて考え直さなければならない。

「ネオリベラル・モデルはわずか1%の富裕層の利益のために、大量の失業、不安定雇用、富裕層に偏った富の配分を引き起こし、人々を失望させた。トランプの政策はこれらの差し迫った課題を全く取り上げていない。」

ジェニングス書記長は、「我々は気候変動対策の必要性や人権を訴え続け、安心・安全をもたらすようなグローバル化を求めていく。」

※番組(フランス語)は以下のサイトから視聴可

edition of RTS’s ‘Toutes Taxes Comprise’  


トランプ時代に「将来の仕事の世界」は⁉︎

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UNIは2016年11月15日、世界執行委員会の前日にスイス・ニヨンのUNI本部で「将来の仕事の世界」をテーマにリーダーサミットを開催した。フィリップ・ジェニングスUNI書記長は冒頭、「ドナルド・トランプが選ばれたことで、我々の前途は大きく変わってしまった」と懸念を述べた。トランプ政権は、新たな仕事の世界が深く結びついている全ての国際的課題 に政治的、経済的、環境的に影響を及ぼす可能性がある。

「将来の仕事の世界」は、UNIが2018年のリバプール世界大会に向けて取組む重点課題の1つである。スティーブン・ホーキンス博士は「完全な人工知能を開発できたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」と警鐘を鳴らしている。サミットの講演者の1人、ロンドンのインペリアル・カレッジで感情的行動コンピューティングを専門とするマジャ・パンティック教授は、課題は教育で、開発者が人間の価値やモラルを心に留めておくようにすることが重要だと指摘した。また、トゥエンテ大学のバネッサ・エベルス教授は、新たな仕事の世界を明るいものにするようなロボットを開発するエンジニアを支援するよう、参加者に呼びかけた。

※ツイッターでフォローする場合、#FWOWでどうぞ


ドナルド・トランプの勝利という厳しい現実から学ばなければならない

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フィリップ・ジェニングズUNI書記長は、米大統領選挙でのドナルド・トランプの勝利を受けて、次のように述べた。

「前兆はしばらく前からあった。1%の人に有利な経済、賃金の停滞、労働者の子供達は親の世代より暮らしが悪くなるとの恐れ、拡大の一途を辿る大きな格差、こうした懸念要素が政治的反発を引き起こした。この脆弱性によって、人々に不安や経済的正義に対する怒りが生まれた。それに勢いづいた右派が憎悪、分断、人種差別、外国人排斥の言葉で扇動したのだ。

我々は米国の組合の仲間の皆さんを支持する。資本主義を再考し、人々に希望をもたらす計画を立てるなど強力な経済的代替案を要求する我々の取組みは極めて重要だ。平和、正義、ディーセントワークを求めるグローバルな闘いは終わらない。」

UNI世界執行委員会は来週の会議で、この予期せぬ結果がもたらす大きな影響について検討する。


UNI Aproメディア部会委員会、デジタル化の影響を議論

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UNI Aproメディア部会委員会は、2016年9月29~30日、タイ・バンコクで開催され、9か国から20人の参加者が集まった。

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29日には、昨年のUNI世界メディア部会大会、UNI Apro地域大会やUNIの活動方針を踏まえ、「メディア産業における仕事の未来」と題するフォーラムを開催した。ゲストにはタイ・マスコミュニケーション公団総裁のスヴィット・ミンモル氏を迎えてスピーチを受けた。フォーラムでは、事前に要請されていたデジタル化の影響に関する基礎調査(アンケート)を踏まえ、デジタル化が急速に進み、産業構造も仕事の内容も大きく変わっている現状が各国から報告された。パキスタンや韓国など、放送やメディアに対する国家の統制上の課題を大きなものとして抱え、そこにどのように対抗していくか、という困難に直面している地域もあれば、タイのように、デジタル化によって周波数オークションなど急激な市場参入が政府によって促進されたことにより、雇用や賃金ばかりか、制作するコンテンツも不安定さにさらされている地域もあり、持続可能な形で産業を維持するバランスの難しさが地域特有の課題として示された。また共有の課題としては、フリーランス、特に若い世代のフリーランスとどのような連帯を図り、意識をもつことができるかが討議された。ヨハネス・シュトゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長からは、同様の課題に向き合ってきた欧州の事例が紹介された。

30日にはUNI Aproメディア部会委員会が開催され、クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長から、「変革は必然で、批判をしているような余裕はない」と前進を促す挨拶がされた。各国からも積極的に発言があり、とりわけマレーシアやネパール、韓国などにおける労組の成長の支援を継続すること、アジア放送連盟(ABU)との連携などを今後も進めていくことが確認された。中村議長は、「私たちには経験が必要だが、個々人が経験できるペース以上に状況の革新が進んでいる。各地域の経験を共有することで、組織全体の経験値を高めていく必要がある」とコメントし、会議を締めくくった。


UNI-LCJ/UNIインド加盟協(UNI-ILC)セミナー

2016年9月24~25日、インド・チェンナイでUNIインド加盟協(UNI-ILC)の青年・女性組合員を対象とするエンパワーメントセミナーが開催され、UNI-ILCの郵便労組、銀行労組、ラジオ・TVエンジニア労組、IT専門職労組から36人が参加した(女性20人、男性16人)

sadai-5-s日本からは、定居美稚子情報労連/NTT労組中執を団長に、浅川淳UAゼンセン総合サービス部門執行委員、三浦聡自動車総連組織局部長、高木晋JP労組労働条件担当部長、事務局・小川陽子UNI-LCJ事務局長から成る代表団が講師として出席した。

開会式では、チェンナイ出身のテアガラジャン郵便労組書記長(UNI-ILC事務局長)及びミリンド・バローダ銀行労組委員長(UNI-ILC議長)がUNI-ILCを代表して歓迎の挨拶を行い、UNI-LCJの支援に感謝した。定居団長は、グローバル化が加速する中、成長著しいインドにおいても格差の拡大等、負の側面が明らかになっており、その克服に向けて労働組合が国を超えて連帯する必要があると挨拶した。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記次長はUNI Aproを代表して連帯の挨拶を行い、インドの青年・女性メンバーの強化はインドのみならず共通の課題を持つ南アジア全体の労働運動の活性化に重要だと述べ、積極的な参加を奨励した。

続いて、郵便労組を退職した役員から基調講演が行われた。「IT化の進展で仕事のやり方は大きく変化し、生活も便利になる中で、働き方も変わっていく。労組の活動も変化していくはずだ。かつて経営者が労働者のことを考えなかったことに対して、労働者は団結し組合として経営側に働きかけることができるようになった。今ではインドにも組合が多くできたが、新しい会社には無いところも珍しくない。組織化を進め、より多くの人々が権利意識を持つようになれば、政府も無視できなくなる」と自らの経験から若年世代に訓示した。

UNI-LCJ講師からは以下のプレゼンを行った。

・定居団長:①日本の家庭、学校、職場、社会に至る格差・不平等―労働組合はどのような役割を発揮できるか? ②青年の組織化

・浅川講師:①日本の労働組合の概要、機構、今日的課題、②女性の組織化

・三浦講師:グローバル化と労働組合の対応-組合の国際協力と国際連帯

・高木講師:日本におけるパートナーシップ労使関係

参加者からは、インドで目にする日本製の自動車やハイテク製品等のイメージから、日本に貧困や格差があることやプレゼンで示された統計データが信じられないとの感想が相次いだ。また、ITの進化に伴う事業への影響、日本でストライキを余りしない理由、非正規労働者の労働条件、組合員へのコミュニケーション方法、産別においてライバル企業の労組どうしがなぜ一緒に活動できるのか?といった質問が出された。05seminar-13-s

インドの参加者も、「インドにおける格差や不平等の現状と、組合は何ができるか」、「組合の女性・青年活動」、「グローバル化と労働組合の対応」、「インドでパートナーシップ労使関係はうまくいくか?」についてグループで話し合い、発表した。インドは民主主義国家であり、全ての人が平等であるはずだが、家庭でも社会でも階層があり、現実にはまだ差別が存在する。特に、女性参加者から「家庭やコミュニティにおいて、女児を歓迎しない地域がある。特に農村部では男性は富、女性は負担と思われる。女性の服装はコミュニティが決めるが、男性には制限がない。女性の帰宅時間が遅いと文句を言われる。家族の面倒を見ることは女性の仕事だという考えが根強い。男性が女性の仕事を決め、男性の合意があれば女性は外で働くことができる。育児のサポートが無いため、結婚・出産後、仕事を続ける女性は少ない。農村部でも都会でも、女性の夜間外出は許されない」といった意見が出された。また、教育の不足、貧困等により、労働組合に関する認識が低い。「組合活動でも意思決定は男性が行っている。女性は家庭があるため、まだまだ参加できていない。組合は女性の参加を歓迎するが、女性が遠慮している。」との意見が多かった。これを変えていくには、「子供の頃から男女同じように育てるべき。認識の改善、特に男性の意識改革が必要。女児・女性にも教育を受ける環境作りが必要。組合は行動を起こして政策を変えていかなければならない。女性セミナーを行い、女性の組合参加を奨励すべき」との意見が出された。

パートナーシップ労使関係は、「インドでは政権が変わると方針が変わるため不可能だ」という意見と、「組合が強いリーダーシップを発揮すれば可能だ」という両方の意見が出された。例えばIT業界は若者が多く働いているが組合が組織されにくい。若いエンジニアを使い捨てにすることが多いので、組織化され抵抗されると面倒だから会社や政府が許さないのだ。労働者が搾取されているIT業界こそ組合が必要だ、という意見が出された。

グローバル化に対しては、「会社と協力しWin-Winとなるようにしなければならない。利益を得るためにグローバル化は必要だが、契約社員等の弱者に対しても組合は交渉していくべき。グローバル化の負の影響を受けやすい中小企業も守るべき」という意見が出された。

また組合内のコミュニケーションについては、最近のSNSの普及に伴い、組合の委員長のメッセージや情報が瞬時にして組合員に送られるとのことである。参加者は早速WhatsApp(インドではFacebookやLINEより普及している)グループを作り、交流を始めた。

今年は、昨年の反省を踏まえ、若手組合員を中心とし女性が半数を超えた。日本人講師への質問やグループ発表、その後のコメントも女性参加者の積極性が目立った。残念ながら、テレコム部門と商業部門からの参加者はいなかった。UNI-ILCからは、来年はUNITES(IT専門職労組)の存在するハイデラバードでの開催を打診された。

今回はテアガラジャン郵便労組書記長の地元チェンナイでの開催ということで、セミナー前日(23日)には、チェンナイ郵便局を訪問し、J.T.ベンカテスワラル事業開発部長からインドポスト概要について説明を受けた他、局内を視察した。また、最近インドポストが力を入れている法人営業の一環として、ディーラーを見学した。ベル技術大学を訪問し、ラメシュ教授及びIT学科の学生20余人と、組合やIT産業、グローバル化等について対話する機会もあった。また地元ラジオ局をラジオ・TVエンジニア労組の案内で視察し、経営側とも意見交換を行った。

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