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第10回UNI Apro東アジア労組フォーラムを東京で開催!(1日目)

UNI Apro東アジア労組フォーラムは第10回目を迎え「Rising Together! 共に立ち上がろう!東アジアにおける公正な分配と働き方改革の実現を目指して」をテーマに、2023年10月26~27日、東京・神田明神ホールにて開催され、日本、韓国、台湾、香港、モンゴルより延べ約160名(日本から14組織約100名)が参加した。

■開会式
ホスト国を代表し、石川幸德UNI-LCJ議長は4年ぶりの対面開催となった今回のフォーラム参加者を歓迎し、「実り多い経験の共有と交流の機会になることを期待する」と冒頭の挨拶をした。各国代表より、韓国からシン・ソンイルUNI-KLC議長が、台湾からジョン・フージー台湾金融労連(TFFU)委員長が、モンゴルからオユンバヤル・チュルテムドルジUNI-MLC議長が、そして香港から挨拶があった。続いて、松浦昭彦UNI Apro会長は「UNIファミリーのネットワークを活用し、東アジア共通の諸課題の解決に向けて、労働者の声をよりよく反映させていこう」と連帯挨拶を述べた。

■基調講演
「アジア太平洋地域の労働者を取り巻く環境と課題」と題して、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がについて講演した。デジタル化等によって急速に変化する仕事の世界において、労働者の新たなスキルを強化して公正な移行を確保すること、ギグ・エコノミーやリモートワークの普及によって組織化が困難になった労働者層を代表していくこと、監視によるプライバシー侵害から労働者を保護すること、正規雇用であったものが非正規化されていくことを阻止すること、などの重要性に言及した。

■テーマ別セッション:3つのテーマについて、各国の加盟組織より報告が共有された。

テーマ1:東アジアの労働者を取り巻く政治・経済・社会の現状と課題
●日本(浅香朋子 JP労組中央執行委員):デフレ経済と停滞する賃金水準、格差拡大、少子高齢化と生産年齢人口の減少といった日本ンの社会経済の抱える課題、政府政策等を概説した。賃上げ機運を継続するために組織拡大が重要である。
●韓国(ユン・チャン KFIU/KDB銀行労組副委員長):反労働保守政権による労働政策改悪の状況と韓国の経済状況や少子高齢社会について言及し、労働弾圧に立ち向かう組合の活動や韓国産業銀行移転阻止に向けた取組みについて紹介した。
●台湾(ハン・シューシェン TFFU事務局長):台湾におけるメーデーの取組み、Mee too運動、インフレに伴う基本給の引き上げについて触れるとともに、2024年の総統選に向けて与党が最低賃金法を提出していること、交渉中の台米貿易協定の状況等について概説した。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):政府は経済発展、人材育成、産業推進などの分野で2050年の達成を目標に掲げている。全人口の約半数が労働可能人口であるが、高度人材の不足が課題となっている。組合は賃上げ実現に尽力し、2023年7月に国家公務員の賃上げを獲得、高齢者の年金の均一化も図られた。また都市部での渋滞解消のためにも組合として柔軟な勤務時間の導入に取組んでいる。


イスラエルとガザにおける戦争に関するUNI声明

以下の声明が、2023年11月8日に開催されたUNI世界執行委員会で採択された。

UNIは、イスラエルとガザで生じている悲劇に衝撃を受け、驚愕している。我々は、イスラエルとパレスチナのすべての暴力による犠牲者に思いを寄せ、連帯する。我々は、国際法の完全な適用に基づく平和と民主主義が実現する恐怖のない平和な世界に強くコミットしている。この目的を達成するため、我々全員が取り組みを強化する必要性は、かつてないほど高まっている。

敵対行為の即時停止が不可欠であり、国際社会は、すべての当事者が国際法の基本原則を守り、すべての民間人が保護されるよう、介入すべきである。

我々は、ハマスによるイスラエル市民に対する残忍な攻撃と殺害を非難し、すべての人質を即時且つ無条件に無事解放することを要求する。

ハマスによるイスラエル市民の殺害も、イスラエル政府によるガザ市民への砲撃も、恒久的な和平をもたらすものとはならない。

ガザでは今、破滅的な状況が続いている。 住民は容赦ない爆撃下に追い込まれ、ガザの医療体制は、必死に助けを求める人々を治療することがますます困難となり、電気、水、食料の遮断は、多数の男性、女性、子どもの死を引き起こしかねない広範な人道危機につながっている。ガザへの人道回廊を開き、切実に支援が必要な人々に援助を提供することが急務である。

UNIは、国連安全保障決議に則った公正で持続可能な和平と、占領の終結を求める長年の方針を掲げている。イスラエル、パレスチナ、そして国際社会が、何世代にもわたって続いてきたこの紛争の公正な解決の実現にこれまで失敗し続けてきたことは、あらゆる立場の多くの人々に影響を与えてきた暴力、トラウマ、殺戮の継続を意味する。

すべての国々は今、平等、民主主義、人権と労働権の尊重を促進する包括的かつ恒久的な和平に向けた取り組みを一層強化しなければならない。我々は、この地域全体のコミュニティを荒廃させてきた暴力の連鎖を終わらせなければならない。

世界中で反ユダヤ主義やイスラムへの嫌悪がエスカレートしていることに我々全員が警鐘を鳴らしている。だが我々は、この危機を利用して分断を煽ろうとする勢力を決して許さない。戦争、暴力、そしてあらゆる形の人種差別に反対する我々の断固たる姿勢は、すべての人のための平和と正義を希求する闘いにおいて、我々全員を団結させるに違いない。

ガザへの人道支援、人質の解放、そして即時停戦は、この危機を脱するための第一歩である。戦争と暴力から抜け出し、我々を平和な未来へと導く道である。


ファッションブランド企業、国際アコードの長期的な将来と拡大を約束

世界の労働組合とファッション・ブランド企業および小売業者は、繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定(国際アコード)で合意に達した。再度交渉されたこの協定は、10年後までの活動を確保し、労働者のための苦情処理メカニズムを強化し、他国への拡大に関するコミットメントを含むものとなっている。

2023年11月1日から発効する3年間の法的拘束力のある協定は、3年後に交渉の必要なく自動的に更新される。ブランド企業は、バングラデシュとパキスタンで安全衛生プログラムを継続し、他国でもプログラムに向けてコミットする。他国への拡大条件は、実現可能性についての調査と協定の既存国におけるプログラムの進捗状況に基づく。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「今回の合意は、サプライチェーン規制のアコード・モデル(ブランドとグローバル・ユニオンの間の、拘束力を有する合意)が持続力を持つことを証明するものだ。多くの人々は、この合意について、ラナ・プラザの危機に対応するための一過性のものだと考えていた。しかし今日、両当事者はプログラムの対象地域とその範囲内の問題の両方を拡大する6年間の合意に達した。昨今、サプライチェーンにおけるデューディリジェンスの要件が導入される中、このアコードが実績あるモデルであることに、世界中の使用者は留意すべきだ」と述べた。

新しい国際アコードは今後も、独立した工場検査、是正措置、安全訓練、効果的な労働者苦情処理メカニズムなど、アコードを実効的なものにしてきた基盤の上に構築されていく。

労働者の権利を後押しするため、試験的調査の後、苦情処理メカニズムは、結社の自由など、労働安全衛生以外の問題にも拡大していく予定だ。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、「10年前の発足以来、アコードは縫製産業の安全性向上に役立ってきた。我々は今、新たな国々への展開や、苦情処理メカニズムや訓練プログラムの中核的な構成要素として労働における基本原則と権利を盛り込むことにより、協約の長期的かつ持続可能な解決策を手にすることになる」とその意義を強調した。

国際アコードは新たな枠組みのもとで、各国の安全プログラムのための付則を伴う独立した枠組み協定として機能する。これらの国から製品を調達しているすべてのブランド企業は、国際アコードに加えてこれらの付則にも署名するよう求められている。この協定は、アムステルダムに本部を置く国際アコード基金とその事務局、および各国の事務所を通じて実施される。

アコードはまた、国際労働機関(ILO) が、各国のプログラムが確実に実施され、効果的なものとなるよう支援する上で、強力な役割を果たすことも想定している。ILOは長年にわたり、アコード運営委員会において中立的な立場として委員長を務めている。

●アコードについての以前の記事はこちらから
ラナ・プラザの災害から10年、さらに多くのブランド企業が国際アコードに署名を!

バングラデシュで実績ある国際アコード、パキスタンに拡大

70社以上のブランドが署名する衣料品産業労働者の安全衛生に関する国際協定が発効


国連貧困専門家、アマゾンなどの企業による労働者の待遇に懸念を表明

国連が任命した極度の貧困と人権に関する権威であるオリヴィエ・ドゥ・シュッター氏は、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOをはじめ、ドアダッシュやウォルマートなどのグローバル企業の最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡の中で、「不十分な賃金、積極的な組合つぶし戦術、労働者を『自営業者』として誤分類している」という疑惑について、説明を求めている。

同氏は、「地球上で最も豊かな国のひとつにある、世界で最も収益性の高い企業の一つで働く労働者が、食べるにも家賃を払うにも苦労していることを非常に憂慮している」と述べ、警鐘を鳴らした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、これらの書簡に対して、「労働者に対する権利侵害は人権の侵害であり、国連の独立した専門家が、最悪の人権侵害企業に対して責任を追及していることは、心強い」と歓迎し、「団結権にせよ、安全な仕事に就く権利にせよ、アマゾンの米国での蛮行はひどいものだが、残念なことに、アマゾンはその非道なビジネスモデルを世界中に輸出している。アマゾンに労働組合を尊重させ、まともな賃金を支払わせようとする動きが高まっているのは、そうした理由からだ」と指摘した。

デ・シュッター氏は、米国で増加する「ワーキングプア」を強調した最近の国連報告書を引用し、非標準的な雇用契約が蔓延し、働く貧困層を助長していることに懸念を表明した。また、政府による医療補助や食糧補助を利用している人数は、この3社が最も多いとした米国政府の調査結果にも言及した。「雇用は貧困から抜け出す道筋を与えるはずのものだが、3社ともビジネスモデルは、悲惨な低賃金を補うために政府の給付金に頼ることで、運営コストを国民に転嫁しているようだ」と痛烈に批判した。

さらに同氏は、アマゾンとウォルマートの従業員が賃金改善を求めて交渉する際に直面する困難を指摘し、その原因は両社の組合つぶし戦術にあると指摘した。これらの企業は、従業員の組合結成を阻止するために多額の投資を行っていると言われており「アマゾンは倉庫で反組合的な行動をとってきた長い歴史があると言われている。これには、『囚われの聴衆会議』において労働者に対して恒常的かつ継続的に反組合的メッセージを発信したり、組合選挙結果に対して積極的に異議を申し立てたり、労働者は組合を通すよりもアマゾンと直接取引した方が良いという説明などが含まれる」と言及した。

国連特別報告者と独立専門家は国連人権理事会によって任命され、特定の国の人権状況やテーマ別の人権状況について、調査・報告を行う専門家である。


UNI、AI安全サミットに労働者の声を反映させるよう呼びかけ

2023年10月末、UNIとUNI欧州は、世界中の100を超える市民団体とともに、英国政府が開催するAI安全サミットについて「チャンスを逃した」と非難した。

リシ・スナク英国首相に宛てた公開書簡の中で、各団体は、AIによって最も影響を受ける地域社会や労働者がサミットから疎外されている一方で、一部の企業がルールを形作ろうとしている、と警鐘を鳴らした。

2023年11月1日、2日にロンドン近郊で開催予定のAI安全サミットでは、政治家やテック企業幹部を中心に、オープンAIのChatGPTのような高度なAI技術のリスクについて、議論がなされる予定だ。

ケイト・ベルTUC書記次長は、「AIはすでに、我々の働き方、雇用や解雇のされ方など、人々の人生を変えるような決定を下している。しかし、働く人々にはまだその交渉の席が与えられていない」と述べ、「このイベントは、幅広い声を集め、差し迫った脅威にどう対処し、いかにしてAIがすべての人に利益をもたらすようにするかを議論する機会となるべきだった。AIの未来を形作るのは、技術者や政治家だけであってはならない」と指摘した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「サミットから労働者の声を排除することは恥ずべきこと」と批判し、「AIを経済全体に展開する計画があるなら、労働者は初日からそのテーブルにつく必要がある。 AIは多くの人々にとって仕事が改善される機会を提供するが、それは適切な保護が導入され、労働者が利益を共有する場合に限られる」と強調した。


MAKE AMAZON PAYサミットで、労働組合と関連団体がブラックフライデーのストとアマゾンに対する抗議行動を発表

2023年10月27日に英国・マンチェスターで開催されたMake Amazon Pay(アマゾンに支払わせる、MAP)サミットにおいて、労働組合と政治指導者が、11月24日のブラックフライデーにあわせて世界30か国以上でストライキを行い、アマゾンに抗議する計画を発表した。

これはアマゾンが10月26日に四半期決算を発表したことに伴うものであり、アマゾンの収益は1431億ドルに達し、利益はほぼ3倍になった。

同サミットの共同主催者であるクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働組合、政治指導者、NGOからなるこのコミュニティが一堂に会し、アマゾンの労働者に対する横暴と地域社会への影響をなくすために、我々の総力を結集して戦略を練ることは非常に重要だ。アマゾンのビジネスモデルは環境を破壊し、中小企業を潰し、倫理も説明責任もないまま、独占だけが残っていく。これは我々の時代の重要な戦いであり、我々は力を結集してアマゾンに支払わせることができる」と挨拶した。

ブラックフライデーに開催されるMAPの世界行動デーは、史上最大規模となる予定だ。昨年、この連合体はブラックフライデーに35か国で135以上のストライキと抗議行動を組織した。そして今年、アマゾンはさらなる混乱に直面することになるだろう。労働者が仕事を放棄し、活動家がアマゾン・ウェブ・サービスの環境破壊的行為に抗議し、市民がアマゾンに税金の支払いを要求し、中小企業や独立系書店がアマゾンの反競争的行為を非難するからだ。

アマゾンは、その不正行為に対する大規模の異議申し立てに直面している。各国では、労働者が一丸となって賃金や労働条件の改善、労働組合の承認を求めている。様々な都市や州、国において、規制当局や立法者が、労働者、地域社会、地球環境に対する損害の代償をアマゾンに払わせるため、行動をとり始めている。

昨年、英国では倉庫労働者がストライキを行った。ドイツでは、プライムデーに国中の事業所でストライキが行われた。米国では、アマゾンの配送ドライバーが史上初のドライバー労組を結成し、賃金改善、安全な仕事、組合承認を求めてピケットを張った。同時に、全米脚本家組合の脚本家たちは、アマゾンをはじめとする映画・テレビ制作スタジオに大勝利を収め、かつてまともな仕事であったはずの労働条件が、テクノロジーによって引き下げられるのを防いだ。インドのニューデリー郊外では、数百人の倉庫労働者による大規模な抗議行動がアマゾンに大幅な譲歩を迫った。バングラデシュでは、衣料品労働者が自身の安全を守るため、アマゾンに対して国際アコードに署名を求めて世界中の仲間とともに立ち上がった。また、アマゾンのシアトル本社のテックワーカーは、アマゾンのグリーンウォッシングの試みに抗議してストを行った。

バルセロナでは先進的な自治体が、アマゾンのラストワンマイル配送のための「無料」公共スペース利用に課税を実施した。ミネソタ州の議会は、米国で最も強力なアマゾン倉庫労働者に対する保護法案を可決した。アイルランドの上院は、アマゾンによる新品・未使用品の投棄を禁止する法律を可決した。また、米国と欧州の両方で、市場における競争についてアマゾンに対する画期的な調査が進行中であり、アマゾンの独占的慣行を阻止できる可能性がある。

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同で主催するMAPキャンペーンは、労働、税制、気候、データ保護、人種的な観点で公正を目指す80以上の団体と、400人以上の国会議員、数万人の支持者を世界中から集めている。2020年以降、このキャンペーンは4回の世界行動デーを開催し、そのたびにアマゾンが労働者、地域社会、地球から搾取するのを阻止するため、惑星規模の運動を拡大してきた。

バーニー・サンダース米上院議員は、MAPサミットの中で次のように発言した。「アマゾンほど、米国、英国、そして世界中で見られる企業の貪欲さと傲慢さの見本となる企業はない。(中略)この企業の価値は1兆3000億ドル以上だ。単位を見誤ってはいけない。アマゾンは昨年、120億ドル以上の利益を上げた企業だ。昨年60億ドル以上を、労働者の生活向上や倉庫の安全性向上のためではなく、裕福な株主をさらに金持ちにするための自社株買いに費やした企業だ。アマゾンの労働者が組合に加入したり、最初の協約を結んだりするのを阻止するために、反組合コンサルタントや弁護士に1400万ドル以上を費やした会社だ。(中略)兄弟姉妹の皆さん、もしベゾス氏が豪邸やヨットやロケット船を買う余裕があるのなら、私がどう思うかお分かりでしょう。アマゾンの労働者が組合結成に投票した時、ベゾス氏は公平で公正な団体協約が結ばれるようにすることができるはずなのだ。ベゾス氏は、アマゾンで働くすべての労働者が、充実した福利厚生と安定したシフトで生活できる賃金を得られるようにし、アマゾンが世界で最も危険な職場ではなく、最も安全な職場となるようにすることができるはずなのだ」


オーストラリアのアップル小売労働者、新たな団体協約で雇用改善

12か月を超える交渉の末、UNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)とオーストラリアサービス労組(ASU)が、アップルとの全国協約に調印した。協約により、賃金や労働区分、休暇取得の改善、より予測可能なシフトと労働時間の公正化、時間外労働、週末労働、深夜労働、祝祭日労働に対する賃上げが小売労働者に供される。

2023年8月にアップル労働者の圧倒的多数が賛成票を投じてこの協約が支持され、オーストラリア公正労働委員会が10月16日に団体協約を承認した。協約は2023年10月23日に発効する。

協約のハイライトは以下の通り:
●協約は、対象となるすべてのアップル従業員に対し、2023年の最低賃上げ率を5.75%(2023年7月1日に遡及)とし、正社員の最低初任給を時給29.23豪ドルとする。2023年以降、労働者は公正労働委員会の最低報酬の引き上げ、または少なくとも2%の年間最低賃上げのいずれか高い方を保証される。

●協約は、現行の年次休暇20日を恒久的な権利として確保することに加え、傷病、介護、生理に使用できる有給休暇を年間5日、追加導入する。さらに、労働者は、小売業労働者では初となる2日間の有給学習休暇と、10日間のジェンダー・アファーメーション休暇(トランスジェンダーの労働者のための移行期間)を獲得する。

アップルのグローバルな規定である20日間の有給家族介護休暇と、10日間の有給忌引休暇の方針も協定に組み込まれ、オーストラリアのアップル労働者の恒久的な権利として設定された。忌引休暇は、アボリジニおよびトレス海峡諸島民が伝統的な儀式や慣習に従って家族の喪失を悼むためのものだ。

協定は、より予測可能で公正な労働時間を規定している。フルタイム従業員は2週間に1度、希望すれば自由な週末が保証され、発表後のシフト変更はできない。パートタイム従業員には労働時間の保証が強化され、勤務は自身が示した労働可能な時間帯でなければならず、すべての労働者のシフトは4時間より短くすることはできない。

協約は、週末、祝祭日、およびほとんどの深夜労働について、法定最低賃金と同等か、それを上回る割増賃金を確保し、125%から250%の間で変動する。また、フルタイム、パートタイム、非正規労働者についても時間外手当の対象が拡大され、最初の2時間の時間外労働については150%、それ以降の労働については200%の割増賃金が支払われる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「オーストラリアの加盟組織が多くの困難に直面しながらも、この協約を締結したことを祝福したい」と述べ、「この協約は、アップルの小売労働者に力強い成果をもたらすだけでなく、使用者側が押し付ける不誠実な取引に打ち勝つ上で、団体交渉が大きな違いをもたらすことを示している」と語った。

SDA書記長を務めるジェラード・ドワイヤーUNI会長は、「強力な賃金と良好な労働条件を供する包括的な協約が締結され、オーストラリアのアップル従業員にとって画期的なことだ」と祝福した。労働者が組合の下に結集し、公正さを求めて訴えを起こすことが強力な力となることが、改めて示された。

アップル小売労働者の企業レベルの団体協約は、直近では2014年に締結された。2022年8月に同社は、新たな条件を交渉したい旨を労働者に通告した。組合と公正な交渉を行うのではなく、基準以下の条件を押し付けようとしたのである。これに対してUNIは、オーストラリアのSDAやASUとともに、最初に同社が提示した案に反対を示してきた。


米連邦取引委員会と17州、独占的慣行でアマゾンを提訴

2023年9月下旬、米連邦取引委員会(FTC)と17州の検事総長が、Eコマース大手のアマゾンを相手取り、同社が広範な反競争的慣行に関与しているとして訴訟を開始、 画期的な法的措置に乗り出した 。

クリスティ・ホフマンUNI書記長はこの提訴について、「この重要な訴訟を起こしたリナ・カーン委員長とFTC、そして検事総長たちに敬意を表したい。アマゾンはフェアプレーの意味を理解していない。アマゾンの威圧的な戦術とルールに従わない態度は、労働者、競合他社、そしてアマゾンのEコマース・プラットフォームで商品を販売する企業のすべてが、同社の権力乱用による厳しい打撃を感じていることを意味する。アマゾンが販売業者の値下げを制限しているため、顧客でさえも高い支払いを強いられている。今こそ、これを終わらせる時だ」とコメントした。

共同訴状は、アマゾンがその規模だけでなく、競合他社の成長を妨げ、新規参入を阻む戦術によってEコマース市場を支配していると主張している。 訴状によると、このため、同社のプラットフォーム上の商品に関しては、価格、種類、品質に関する競争が制限されているという。

リナ・カーンFTC委員長は、「我々の訴状は、アマゾンが違法に独占を維持するために、いかに過酷で強圧的な戦術を駆使してきたかを明らかにしている。この訴訟は、こうした独占的慣行についてアマゾンの責任を追及し、失われた自由で公正な競争の約束を回復することを求めるものだ」と語った。

訴状では、アマゾンの反競争的行為が重要な市場、つまり同社のルールが競争を制限するように設計されている、消費者向けのオンライン・スーパーストアと、販売者向けのオンライン・マーケットプレイス・サービスの2つに及んでいると主張している。また、アマゾンは、販売者が他でより安い価格を提供することを妨げ、販売者にアマゾンの配送サービスを利用するよう圧力をかけ、自然な検索果を有料広告に置き換えることで顧客体験を低下させているとしている。

競合他社は地位の確立に苦心しており、オンラインで商品を販売する小規模ビジネスにとって、アマゾンが唯一の選択肢であることが多い。このためアマゾンは、自社のプラットフォームで販売するために独占的な手数料を請求しうるのだ。

FTCと各州は、このような行為に終止符を打ち、競争を回復させるため、連邦裁判所に永久差し止め命令を求めている。

連邦取引委員会のジョン・ニューマン競争局副局長は、「米国の反トラスト法の歴史において、1つの訴訟がこれほど多くの人々のためになる可能性を持つことは、非常に稀なことだ」と述べ、訴訟の意義を強調した。

アマゾンに対するこの訴訟は、公正な競争を求める闘いにおける決定的な瞬間であり、デジタル・マーケットプレイスに広範囲に影響を及ぼすものだ。

2020年にUNIは、欧州委員会に対し、デジタルサービス法が労働者の権利を保護し、欧州の社会モデルを維持するよう、包括的な勧告を提出した。

EUはすでに、アマゾンとの2022年の反トラスト法上の和解やデジタル市場法を通じて、FTCの訴訟で求められている措置の一部を講じている。公平な競争条件を確立し、確実に実施されるようにするためには、さらに多くの課題が残されている。


アマゾン倉庫の賃金問題: 新調査で明らかになった深刻な賃金格差

米国を拠点とする民間非営利団体の全米雇用法プロジェクト(NELP)が2023年9月下旬に発表した新しい報告書によると、アマゾンの賃金は「他の倉庫の使用者に比べて不十分であり、労働者が勤務する郡の平均的な収入に近づくにも不十分である」ことが明らかになった。

『良い暮らし:アマゾンは中間所得層の暮らしを可能にすることができるし、そうしなければならない』と題されたこの調査報告は、米国国勢調査のデータを用いて、アマゾンが操業している郡の倉庫労働者の月収が、その郡の全労働者の平均月収よりも26%低いことを明らかにしている。

同社が進出していない郡の倉庫労働者と比較すると、アマゾンが進出している郡の倉庫労働者の月収は、アマゾンが存在しない郡の倉庫労働者の月収よりも約18%低く、約822米ドルも低い。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「これこそ、まさに組合がずっと主張してきたことだ。アマゾンが倉庫労働者の賃金を引き下げているのだ。アマゾンは初任給を自慢したがるが、現実には、同社が事業を展開する地域のすべての倉庫労働者にとって、まともな生活が手の届かないものになっている。この状況を変えられるのは、強力な組合と団体交渉だけだ」と語気を強めた。

NELPの上級研究員で政策アナリストのアイリーン・タン氏とヤネット・ラスロップ氏は、アマゾンの存在が平均所得の低下に大きな影響を及ぼしていることを明らかにするとともに、多国籍テック企業であるアマゾンに対し、そのリソースを活用して、米国の労働者に経済的不安定から抜け出す道を提供するよう、促している。

アイリーン・タン研究員は、「アマゾンは、人々の経済的脆弱性と、国内の多くの場所で雇用機会が欠如していることを利用し、信じられないほど過酷な労働に対し、このような低賃金を支払うだけで済ませてきた。だが、莫大な資金を自由に使えるのであれば、アマゾンは米国の労働者たちに、不安定なその日暮らしの生活から抜け出すための真の命綱を提供することができるはずだ」と非難した。

アマゾンは最近、倉庫労働者の最低初任給を時給17米ドルに引き上げると発表した。これは報告書で指摘された問題に対処しているように見えるが、著者は、インフレを考慮すると、この「引き上げ」と称される賃金は、2022年のアマゾンの以前の初任給16米ドルと比較すると、実質的な価値は低いと指摘した。

さらに報告書は、アマゾンの劣悪な賃金が、米国労働者の大部分を占める黒人やラテンアメリカ系労働者に非常に大きな影響を与えていることを示している。ラスロップ氏は、「アマゾンの賃金政策は、米国全体の労働市場の不平等を強化し、永続させているのではないか」と述べた。

この調査でNELPは、アマゾンが労働者の団結権を尊重し、賃金を少なくとも25%引き上げることで、労働者の賃金を中所得水準に近づけるよう求める提言を行っている。加えて調査報告では、賃金と人種的公平性に関するデータの透明性を同社に求めている。

報告書に掲載されたアマゾン従業員の声は、同社が労働組合と労働者福祉へのアプローチを緊急に変革する必要性を訴えている。アマゾン倉庫の労働者であるウェンディ・テイラー氏は、生活費を稼ぐために現在も奮闘していると話し、「毎日が闘いです。だから私は組合を求めて闘い、同僚たちとともにアマゾンでの賃上を要求しているのだ」と強調した。


グローバルユニオン、イランで高まる人権・労働権および市民的自由の侵害を非難

グローバルユニオン評議会(CGU)による声明 (2023 年 9 月 12 日付)

グローバルユニオン評議会(CGU)は、国際労働組合総連合(ITUC)、国際産業別労働組合組織(GUFs)、経済協力開発機構(OECD)労働組合諮問委員会(TUAC)を通じ て2 億人以上の労働者を代表し、イランの様々な当局による労働組合指導者・ 活動家の人権・労働権および市民的自由の侵害がエスカレートしていることを、非難する。

特に、ジナ・マハサ・アミニさんが超法規的に死亡に至った2022年9月16 日から1年となる節目の日が近づいていることに鑑み、教員、ジャーナリスト、労働組合活動家、学生活動家、女性の権利擁護者を標的とした弾圧措置の強化に対し、CGUは深い懸念を表明する。我々は、この弾圧を糾弾し、その即時停止を要求する。そうすることで、労働組合員が、あらゆる民主主義社会の礎石である労働者の権利をイランにおいて擁護し、支持することができるようになる。

我々はまた、「道徳警察」の影響力の増大と、強制ハビド法の施行によって女性への嫌がらせが行われ、教育へのアクセスが妨げられていることを懸念する。

特に、教育インターナショナル(EI)、国際運輸労連(ITF)、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)の加盟組織、すなわち、イラン教職員組合連絡協議会、テヘラン・郊外バス会社労働組合(VAHED労組)、イランジャーナリスト協会(AOIJ)は、執拗な嫌がらせ、逮捕、長期拘留、刑務所での拷問に直面している。

さまざまなグローバルユニオンの加盟組織、指導者、各部門の労働者は、以下を含む同様の人権侵害を報告している:

教師や労働組合の権利活動家を標的にした解雇: イランでは、教師や労働組合の権利活動家が不当に標的にされ、解雇されることで、彼らの生活が著しく損なわれている。強制的な「自白」の公開放送など、拘禁中に肉体的・精神的拷問が行われている。恣意的な不定期刑の下で、劣悪な環境で、医療を受けられずに投獄されている。

労働者の集会や平和的なデモを攻撃し、労働活動家、ジャーナリスト、抗議する労働者を威嚇し、恣意的な略式解雇を行い、労働組合活動家を逮捕し、「公の秩序を乱す」、「国家に反対するプロパガンダ」、「国家の安全に反する行為」などの罪で起訴されている。死刑を含む厳罰が科されることもある。

組合活動に関するニュースの自由な伝達が妨げられ、政権が支援する並列組織が設立されて善意の労働組合が妨害されている。メーデーに関連するものを含め、組合が公的行事を開催しようとする試みが、攻撃されている。

囚人の権利の侵害: 労働組合活動家を含むすべての被拘禁者は、国際法が規定する敬意と尊厳をもって処遇されるべきである。不法に拘留されている教師、学生、労働組合活動家、人権擁護者は、釈放されるべきである。また、すべての拘置所において、拷問を禁止すべきである。

労働組合指導者の家族に対する圧力:活動家の家族に対する圧力が高まっていることは、深く憂慮すべき事態である。家族には、報復の恐怖から解放され、平穏に暮らす権利がある。

組織化し、集会を開く権利:イランの労働組合員には、迫害の脅威なしに組合を組織し、総会を開く基本的権利が認められるべきである。

労働者の要求を敵視する政府:労働者の正当な要求と退職者の要求に無関心であることは不当である。我々は、公平な待遇と尊厳ある生活に値するすべての労働者・退職者と連帯する。

我々はイラン当局に対し、国際労働基準、特に結社の自由を尊重し、人権、正義、尊厳、 公正の原則が優先されるよう、求める。CGUは特に、民主的で公正な社会を求める女性の権利擁護者の闘いに対し、連帯を表明する。

我々は結束して、イランと世界の労働者、女性、教育者、ジャーナリスト、権利擁護者、活動家の権利擁護に取組む。


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