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ネパールの金融労組が社会対話を開催―金融部門の課題、解決策、将来戦略に取組む

ネパール金融労組(FIEUN)が、同国の緊迫した経済情勢を受け、ネパール金融部門に特化した社会対話の取組みを開催した。

このイベントには、金融部門の企業別労組の代表者、経営陣、CEO、財務大臣、ネパール中央銀行総裁代理など、90人が参加した。関係者が一堂に会して課題に取組み、実現可能な解決策を明らかにし、ネパールの今後の金融政策に貴重な見識を提供することが主な目的である。

プラカシュ・シャラン・マハト財務大臣は、金融危機は投資家や銀行のみならず、全ネパール国民に影響を及ぼすことを強調した。金融部門のすべての関係者がそれぞれの役割と責任を理解することが不可欠である。そのため、社会対話では、金融部門におけるこれらの責任に効果的に対処することが重視された。

ナーバハドゥル・タッパ・ネパール中央銀行(NRB)前理事は、ネパールの金融部門の課題、解決策、将来戦略について論じたワーキングペーパーを発表した。ニラム・ドゥンガナ・ティミルシナ・NRB総裁代行は、インフレ抑制、対外収支の維持、金融部門の安定確保におけるNRBの役割を強調した。

パダム・ラジ・レグミFIEUN委員長は、政策決定プロセスにおいて労働組合を軽視しないよう強調しつつ、特に危機の際には、透明性、説明責任、包摂性を最優先にする統治システムの強化が必要であるとの重要なメッセージを発信した。

シャンカール・ラミッチャン UNIネパール加盟協議長は、ネパール銀行協会、NRB、政府機関、組合間の協力的パートナーシップの重要性を強調した。金融業には10万人以上の労働者が従事しており、職場と生計を守る上で、労働者は極めて重要な役割を担っている。


UNI、ソシエテ・ジェネラルとグループ従業員の権利を強化する新たなグローバル協定を締結

2023 年 6 月 27 日、UNIとソシエテ・ジェネラルは、2015 年および 2019 年の従来の協約を基礎とする、従業員の権利に関する新たな世界規模の協定に調印した。この協定は、同行の「配慮義務」計画におけるUNIのステークホルダーとしての役割を強化し、グループ従業員の新たな権利を確立し、労働組合の権利を近代化するとともに、新たな働き方の増加の中で実施される同行の取組みを確認するものである。

フランス・パリに本社を置くメガバンク、ソシエテ・ジェネラルの66か国、11万7,000人の従業員を対象とする新協定は、「善管注意義務」計画の公表前に、銀行の人的資源の柱に関するフィードバックを行い、潜在的なリスクと緩和策の特定といったUNIのステークホルダーとしての役割を、正式な枠組みを通じて強化するものである。

この4年間の協定は、結社の自由、社会対話、労働組合のアクセス権など、従業員の基本的権利に対するソシエテ・ジェネラルの取組みを強化する。母親の14週間の産休、父親の1週間の産暇(いずれも固定給の全額支給)、および最高で固定給の2年分の死亡給付金(既存の地域制度をカバーまたは補完)など、グループ従業員の社会権保障について新たな最低基準を定めている。また協定には、安全衛生、職業生活、差別防止、ハラスメントや不適切な行為、多様性、ジェンダー平等の発展など、その他多くのテーマも盛り込まれている。

金融部門の大規模なデジタル化によって業務編成が変化する中、同グループはリモートワークの取組み促進にコミットしている。また協定は、結社の自由、社会対話、責任あるデジタル・アプローチの枠組みにおけるデジタルツールの責任ある利用を提唱している。

アンヌ・ソフィー・ショヴォー・ガラス同行グループ人事部長は、「責任ある使用者として、ソシエテ・ジェネラルは、基本原則にとどまらず、全地域の従業員の利益のための業務実施ガイドラインを含む、グローバルな従業員の権利に関する新協定を歓迎する。2015年以来、ソシエテ・ジェネラルとUNIは、継続的かつ前向きで実りある関係を築き、維持してきた。この新しい協定は、グループ全従業員に対する社会的権利の保証と保護の共通基盤を提供するものだ」と述べた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ソシエテ・ジェネラルとの間で強化された本協定により、UNIは人材に関する同行の配慮義務の中核を担うことになる。また、リモートワーク、AI、デジタル化に関する労働組合の権利を初めて世界的規模で確立し、金融労働者保護の新たな基準を打ち立てるものだ。仕事の世界が電光石火のスピードで変化する中、労働者が取り残されることのないよう、また従業員が新技術の恩恵を共有できるようにすることは、不可欠だ。我々が達成したのは、現在と未来にふさわしい協定だ」と語り、協定の意義を強調した。


ベラルーシは、投獄された労働組合員の釈放を!

2023年6月中旬にジュネーブで、UNIは世界中の組合や労働組合活動家とともに、ベラルーシにおける労働者の権利の抑圧に抗議し、投獄されたベラルーシの労働組合員の即時釈放を求めた。

今回の釈放要求は、ベラルーシ政府が20年間にわたって不作為を続け、労働者の権利を無視し、無数の労働組合員を逮捕していることについて、ILOが同憲章第33条に基づく決議を採択するという歴史的な決定を受けたものである。このプロセスは、ILOの100年を超える歴史の中で、過去に一度だけ適用されたことがある。 今回の動きによって、結社の自由を侵害するベラルーシに対する制裁と、同国で労働者の権利を守るために迫害されている人々への支援が、強化されることが期待される。

マクシム・パズニアコウ・ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)会長代行は、集会の中で、「刑務所にいる人たちにとって、皆さんからの支援は非常に重要だ。『外から支援を受けている自分たちは、決して孤独ではない』と感じることができる」と挨拶した。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「ベラルーシ政府は、労働者の基本的権利を守るために立ち上がったために投獄された労働組合員全員を、直ちに釈放しなければならない。UNIは国際社会に対し、ILOの歴史的な決定をフォローアップし、ベラルーシの人々の自由を守り、同国のすべての労働者が基本的権利を自由に行使できるよう、必要なすべての措置を講じていくことを求める」と訴えた。

ベラルーシにおける労働組合の権利を求める闘いについて、詳細はこちらから(英文)。


新たな報告書:世界中の労働組合がアルゴリズム管理の問題に回答

近年、アルゴリズム管理システムの利用がさまざまな産業で劇的に加速し、使用者は労働者の福利厚生やプライバシー、賃金を犠牲にして生産性を優先させる新たな方法を手にしている。

こうした問題に緊急に対処する必要性から、UNIは新たな報告書『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』を発行した。 報告書は、既存の法的枠組みや交渉メカニズムを用いて、組合がどのようにアルゴリズム管理システムに対抗しうるのか、有益な指針を提供するとともに、今後の団体交渉に向けた具体的な提言も行っている。

アルゴリズム管理システムは、広範な監視とモニタリングによって、労働者と管理者にリアルタイムでパフォーマンス情報を提供している。しかし、このようなシステムでは、非現実的な生産性目標が課されることが多く、従業員に多大なプレッシャーを与え、身体的・精神的健康の悪化に繋がっている。

世界中の労働組合がこうした状況に立ち上がり、より安全な労働条件を要求し、これらのテクノロジーがもたらす生産性の利益の公正な分配を提唱している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この重大な局面における組合の意義を強調し、「アルゴリズムによる管理は深刻な新しい課題を突き付けているが、こうした新たなリスクに立ち向かう上で、労働者を代表する従来のツールは今なお重要である。労働組合には、テクノロジーの利用をめぐる交渉の長い歴史があり、何年も前に機能していた原則が、今日においても鍵となっている。労働組合は、交渉権に加えて、休憩や安全に関する既存の保護規定や、データ保護やプライバシーをカバーする新しい法律にも目を向けている。この報告書が目指すのは、こうした取組みの好事例をまとめ、互いに学び、職場における尊厳をすべての人にもたらすことだ」と語った。

グローバルな調査を通じて、UNIは、過剰なアルゴリズム管理に対処するための4つの重要なツールを特定した。
1:使用者の不公正かつ/または人権侵害的な行為を規制するデータ保護法
2:休憩や休息時間を義務付ける公正労働基準
3:安全衛生に関する規制
4:新しいテクノロジーの使用に関する交渉や協議の義務についての規定

報告書には、アルゴリズム管理が労働者に与える影響に関する交渉の指針も盛り込まれている。テクノロジー導入前に通知を受ける権利、差別の可能性を含むテクノロジーのリスクやその他の影響を評価する期間、透明性と情報を得る権利、安全衛生関する懸念に対処するための独立した労働者委員会の設置、意思決定プロセスにおける人による監督の要求などである。

UNIは組合によるアルゴリズム管理への対応について調査を継続しており、加盟組織に対し、新しい団体協約や提案、アルゴリズム管理に関する取組みなど、あらゆる情報を共有し、この進行中のプロジェクトへの参加を呼びかけている。

報告書(英文)はこちらから、日本語訳はこちら


ホフマンUNI書記長、「組合は重要なデジタル・ガードレール」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2023年5月初旬にオンラインで開催されたパネルディスカッション『データ・オン・パーパス2023:労働者のためのテック・ワークを実現する』の中で、新たなテクノロジーが仕事を変えていく中で、労働者の権利を守る上で、強力な組合と団体交渉が不可欠であると語った。

ホフマン書記長は、ミーラ・ジョシュ・ニューヨーク市副市長、オックスフォード大学フェアワーク・プロジェクトのカビタ・ダッタニ博士研究員 とともに、パネルディスカッション『労働者のためのデジタル・ガードレールの構築』の中で講演した。

特にアルゴリズム管理システムなど、テクノロジーを使った職場におけるデータ収集範囲や人権侵害はここ数年で急速に変化しているが、同書記長は、テクノロジーが労働者に及ぼす多くの課題は、既存の解決策で根本的に解決できると訴えた。

「労働組合は何十年も前からテクノロジーをめぐる交渉を行ってきた。例えば、製造業では1980年代にロボットが導入され始めたが、その頃からの重要な原則(通知、リスク評価、実施と影響に関する交渉)の多くは、現代においても有効だ。(中略)例えば、ドイツでは、労使協議会が、アルゴリズム管理システムによって収集された個人データの使用を制限し、日単位や時間単位の個人指標としてではなく、チームレベルの実績を長期的に評価するためにのみ使用できるようにしてきた。」

また、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)の協定について紹介し、モニタリングは毎月特定の時間に限定すること、モニタリングが行われる際には労働者に通知すること、モニタリングは懲戒ではなくフィードバックを目的とすることを求めていると述べた。

さらに、UNIが最近、大手コールセンター企業と締結したグローバル協定で、業務上の監視が業務上の必要性と比較して「不釣り合い」であってはならない旨を定めている点も例に挙げ、 「勤務時間中ずっとカメラで監視されているようなことを、受け入れるべきではない」と強調した。

また、こうした監視によって労働者は心理社会的ストレスにさらされ、また身体的なダメージにつながる可能性もあり、極端な監視で労働者の生産ペースを押し上げているアマゾンでは、負傷率が高くなっている。人間離れした目標を達成しなければならないというプレッシャーから、労働者は法律で義務付けられている休憩をとれなくなることもある。

企業によるこうした行き過ぎた行為を組合が止められるよう、UNIは今後数週間以内に、世界中の労働者が集団の力を使ってテック・ワークをどのように自らにとってより良いものにしてきたかについて、詳述した資料を発行する予定だ。

最後にホフマン書記長は、「企業がビジネスのやり方を変える際は、労働者と話をしなければならない。組合と対話を行い、新しいツールを適切に導入し、発生した問題を解決するために、強力で独立した安全衛生委員会、あるいは技術委員会が設置される必要がある」とまとめた。


国際労働災害犠牲者追悼日: 安全衛生委員会を通じ、より安全な仕事に向けた組織化を

世界中の組合が昨年、安全衛生をILOの基本的権利とすることに成功した。そして今、労働者はより安全な仕事を求めて組織化し、特に安全衛生委員会を設置し、苦労して得た成果を現実のものとしている。

UNIは、4月28日の国際労働災害犠牲者追悼日(労働安全衛生世界デー)に、職場で命を落とした人々を追悼し、負傷した人々を見舞うとともに、仕事における被害を防止するための取組みをさらに強化していく。安全衛生委員会は、危険な労働環境に対する第一の防衛線である。

安全衛生委員会は、パンデミック以降、かつてなく重要性を増している。パンデミックのピークが過ぎ去ったとはいえ、個人用保護具の不足、第三者による暴力の増加、長時間労働、過酷な労働ペース、労働者のメンタルヘルスへの負荷の増大は、根深く深刻な問題となっている。

しかし、労働者は反撃に転じおり、労働組合を通じ、自らの仕事をより安全なものにしようと取組んでいる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「生活費の危機は、ストライキや職場での行動に拍車をかけたが、それと同じくらい重要なのは、パンデミックが安全衛生をめぐる組織化を再活性化させたことだ」と述べ、「職場でウイルスに感染したために、数え切れないほどの労働者が死亡し、また長期に及ぶ影響を受けたりしている。しかし、労働者が直面している深刻なリスクはOCVID-19だけではない。労働者は、より少ない時間と賃金で、より高い生産性を求める使用者によって、限界まで追い込まれている。このような厳しい状況は、労働者の身体に負担をかけるとともに、精神衛生もむしばんでいる」と指摘した。そして、「我々が世界中の労働組合とともに、仕事をより安全なものにし、安全衛生委員会を強化するために立ち上がっているのは、そのためだ。仕事は尊厳とエンパワーメントの源であるべきで、被害や病気、死をもたらすものであってはならない。負傷者も死亡者も、たった一人であっても、望ましくない」と語気を強めた。

昨年UNIは、アウトソーシング顧客サービス大手のテレパフォーマンスと画期的なグローバル枠組み協定に合意した。この協定には、職場で働く労働者とリモートワーカーの双方の従業員の問題に対処する、選挙で選ばれた組合の安全衛生委員会の設立が含まれている。また、安全衛生委員に対する研修や、職場のあらゆる危険を特定し改善するためのプロセスも規定されている。

また協定では、心理社会的リスクに対処するため、業務上の監視について「業務上の必要性に応じて」、「労働者のプライバシー権を尊重する」として、これを制限している。テレパフォーマンスは、カメラやAIモニタリングなどの監視ツールを会社がどのように使用するか、また、そのデータをどのように実績評価に使用するかについて、労働者に通知することになっている。

UNIは、より安全な仕事とより強力な組合のために組織化能力を高めている世界中の加盟組織とともに歩んできた。例えば、ネパールのUniPHINに支援を行ってきたが、安全衛生委員会が病院労働者の組織化において重要な役割を果たすようになっている。UniPHINは、パンデミックのピーク時である2021年に、労働者の安全衛生に関する研修を開始した。この研修を通じて、組合は安全衛生委員会を創設し、労働者は個人防護具、メンタルヘルス支援、休暇を得られるようになった。

オルグも務めるプラティマ・バッタUniPHIN財務部長は、「多くの労働者にとって、UniPHINは希望の源であり、困難な時期にも新しい組合員を組織することができた」と述べる。

ペルーのトトゥス・ハイパーマーケット労組は、2016年から同社の従業員に対し、自らの安全衛生代表を選ぶ権利について教育するキャンペーンを行ってきた。その結果、会社側からの干渉にもかかわらず、組合代表が安全衛生委員会に十分に参画できるようになった。同労組は、労働安全衛生の課題をめぐって労働者の訓練と組織化に投資したことで、負傷者が減少し、また組合も強化された。

労働安全衛生の取組みによって刺激を受けた若い組合員が、全国のトトゥス店舗で座り込みを行い、組合の力が発揮された。新協約の交渉で会社に譲歩を迫った結果、大幅な賃上げが実現したのである。組合員が連帯し決意を示した結果、安全衛生委員会が労災を防ぐだけでなく、他の問題をめぐって組織化できるということを示したのである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働安全衛生は基本的権利であるが、組合がなければ、労働者の権利が軽視されることを我々は目の当たりにしてきた。国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、我々は世界中の組合と協力し、組織化を通じて安全な仕事を確保し、安全衛生委員会の重要性を強調したい」と力を込めた。

ITUCの国際労働災害犠牲者追悼日の資料はこちらから。


UNI-LCJ金融部会、DBS銀行労使代表団と情報交換会

2023年4月13日、シンガポールのUNI金融部会加盟組織の1つ、DBS銀行労組のノラ・カーン名誉委員長率いる執行委員メンバーら16人とDBS銀行人事担当1人が来日し、UNI-LCJ金融部会メンバーと情報交換を行った。シンガポール屈指の同銀行は、多くの女性が活躍することで知られている。

北村聡太UNI-LCJ金融部会議長(損保労連)は、昨年8月にUNI-LCJ金融部会メンバーが海外調査のためシンガポールを訪問した際、歓迎を受けたことを深謝した。「DBS労使はデジタル化の対応など、世界の金融業界のトップランナーであり、日本の金融産業で働く我々は多くを学ぶことができる。アジア太平洋地域の金融業界で働く者同士が意見交換し、ネットワークを構築することは重要だ。この交流会がアジアを始めシンガポールと日本との更に強い連帯になることを期待する」と挨拶し、2017年以来6年ぶり3度目の来日になる労使団を歓迎した。

ノラ・カーンDBS銀行労組名誉委員長は、UNIとの歴史について語り「知り合った当時は日本には女性の中執がいなかったが、今会場にいる参加者の中に女性中執がおり嬉しく思う。大きな前進で敬意を表したい。日本とは真逆でDBS銀行労組は男性が少ないので努力しなければならない。今会では、2つのテーマで、DBS銀行人事担当がプレゼンするコロナ禍の取組みなど参考にしていただきたい」と挨拶した。

2020~2021年のコロナ禍における労使の連携した取組みについて、須齋弥緒損保労連事務局次長はコロナ禍に損保労連が実施した労使の意見交換の内容や労連の対応について説明し、「現在は多くの組合員や社員が、自身の事情や業務上の生産性をふまえながら、出社とテレワークを主体的に選択している。多様な働き方を実現するためには、それぞれの価値観や状況に応じた働き方が選択できる環境整備に取り組んでいく必要がある」と報告した。

続いて中野剛損保ジャパン労組執行副委員長は、労組内で階層別に行っている労使協議の仕組みや『環境変化に応じた働き方』や、『Diversity & Inclusionの推進』などの課題解決に向け職場単位で協議を行った取組みについて具体例を挙げながら説明し、「道半ばだが、今後も工夫を講じながらより良い形を模索し続ける」と報告した。

タン・ベン・レイDBS銀行人事担当は、シンガポールでは金融産業だけでなく国全体でデジタル化が加速し、サービスの役割が急速に進展したことに触れ、DBS銀行ではこの現状に対応するため、経営陣と連携を取りながら組合員の再配置や教育(スキルアップとリスキリング)を進めたことを説明し、組合員の満足を得られたアンケート結果を報告した。また、 組合員に『最高の自分になるための力を与える』取組みとして、キャリア形成などの環境や各組合員の生活環境を考慮した福利厚生についても説明した。

福本耕介全信連副書記長は 、2023年度の新しい取組みおよび新制度等について、日本における人的資本を取り巻く環境を説明し、社会的価値および経済的価値創出の源泉となる重要な資本を人的資本と捉え、社員のWell-beingを起点とした人的資本投資に取り組む三井住友信託銀行の事例を報告した。

最後に安達正美JP労組書記長は、「シンガポールの取組みは、日本の春闘交渉でも参考にしている。今会でも参考にしたい内容を得ることができ、非常に有意義だった。今後もUNIファミリーの絆を更に深めながら情報交換していきたい」とまとめた。情報交換会終了後は、屋形船で昼食交流会を開催し、懇親を深めた。


南アジアにおける循環型経済について対話の道を開くUNI Apro金融部会

2023年4月5日、ラジェンドラ・アチャリャUNI APRO地域書記長と北村聡太UNI APRO金融部会議長が率いるUNI APRO金融部会の代表団が、ネパール・カトマンズの南アジア地域協力連合(SAARC)の事務所を表敬訪問した。

表敬は、UNI Apro南アジア金融労組協議会(SAFSUC)とネパール金融労組(FIEUN)全国大会の開催に併せて行われた。
なおSAFSUC会議及びFIEUN全国大会には、UNI-LCJ金融部会から8名がゲストとして出席し、参加者と意見交換するなど交流を深めた。

SAARCは、南アジア8か国の経済・政治地域組織で、地域の経済成長、社会進歩、文化的発展の促進を目的とし、1985年に設立された。バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカの金融部会の労組役員を含む代表団を、エサラ・ウィーラクーンSAARC事務局長が、温かく迎え入れた。

UNI APRO金融部会代表団は、ウィーラクーンSAARC事務局長に、持続可能な開発のための循環型経済について、SAARCと協力していきたい旨を伝えた。このテーマは、最近開催された第6回南アジア金融労組協議会(SAFSUC)や、ネパールのUNI加盟組織FIEUNの第9回全国大会でも基調講演として取り上げられたものだ。

ウィーラクーン事務局長はこうした提案を歓迎し、SAARCとの関わりについて前向きな意見と助言を述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI APRO地域書記長は、SAARC事務局長への訪問の機会を喜び、「今回、初めて前向きな良い意見交換の場を持つことができた。近い将来、共通の課題についてより良い社会対話を促進するため、この関係をより発展させていくことを楽しみにしている」と述べた。


韓国産業銀行労組、同行の強制移転に反対

韓国産業銀行(Korea Development Bank: KDB)を首都ソウルから南部の港湾都市プサンに移転するという政府決定に対し、UNI加盟組織である韓国金融産業労組(KFIU)傘下のKDB労組は、過去300日以上にわたって闘いを続けてきた。

この移転計画は、地方都市への投資と開発を強化するという韓国政府の新政策の下での決定であり、KDBは対象となる公共団体の一つとなっている。

KDBは現在、銀行、証券会社、資産運用会社、会計事務所、コンサルティング会社など主要な金融機関が集まる、ソウル市ヨイド区にある。

2023年3月22日に民主党のキム・ハンギュ議員との間で行われた協議では、KFIUは移転計画について大きな懸念を表明し、KDB労組の立場を支持することを表明している。

その際にキム・ヒョンジュンKDB労組委員長は、移転計画が成功しない理由について、次のように説明した。
‐産業銀行がソウルから移転することは、金融の中心地であるソウルの戦略的立地を手放すことになる。
‐ソウルからの移転を望まない優秀なスタッフが去り、既存の顧客にも悪影響が及ぶ。また、緊急時の政策調整もより困難になる。
‐地方の強化が重要であることには同意するが、このような政策には、KDB等の影響を受ける団体の特性を考慮しない一律のものでなく、特別で的を絞った対策が必要。

パク・ホンベKFIU委員長も、「KDBの移転計画が進めば、KDB事業の基本的な強みが損なわれ、長期的には国民経済のためにならない」と同意した。

UNI Aproは、KFIUやKDB労組の取組みを全面的に支持し、「組合に連帯するとともに、影響を受ける職員や、職員の懸念を代表する組合との協議が不足しているであろうことを懸念する。我々は、KDB経営陣と関係当局に対し、この移転が国の金融および産業に与える影響と、職員や家族に与える影響を真剣に考慮するよう求める」との声明を出した。

1954年に設立されたKDBは、国内有数の金融機関であり、政策金融やリストラクチャリング計画を通じて産業発展を促進し、特に港湾、造船、自動車、鉄鋼製造部門への融資において、韓国経済において歴史的に主導的な役割を担ってきた。また同行は、破綻すれば経済・社会に壊滅的な影響を広範囲に与えることになるような経営難に陥った韓国企業の救済という重要な役割を果たしてきた。


日本のUNI加盟組織、賃上げを要求し歴史的な動きを牽引

日本のUNI加盟組織が、4月の新年度を前に、予想を上回る賃上げ要求で国内のアナリストや観測筋を驚かせている。

毎年2月~3月にかけて行われる年次賃金交渉(「春闘」と呼ばれる)では、これまで日本の労働組合は控えめな賃金要求を選択していたため、今回の要求は波紋を広げている。

これまでの春闘は、1990年代後半の日本のデフレ経済に端を発したものである。2022年の世界的なインフレによって日本の消費者と家計がコスト増に見舞われるようになり、ここ最近の数か月まで、その傾向は続いていた。

日本では、コアインフレ率(食費を除く)は4%を超え、中央銀行の目標値を超え、41年ぶりの高水準に達している。この状況は多くの日本の労働者にとって、給与がインフレに追いつかない場合、実質賃金が目減りする危険性があることを意味する。

政府は、インフレに連動した賃上げを企業側に公然と求めており、国民感情も、家計が生活費の上昇を乗り切れるような措置を望んでいる。日本の労働組合、特に主要なサービス産業部門を抱えるUNI加盟組織は、30年近く続いた賃金の横ばいサイクルを断ち切るための機会と捉えている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2月に開催された日本UNI加盟組織連絡協議会の年次総会で日本の加盟組織と会談し、春闘交渉を前にした前向きな姿勢に感銘を受け、次のように語った。「日本の加盟組織が力を示し、労働者の賃金・労働条件の歴史的な改善を実現するためのこの好機を捉えていることは非常に素晴らしい。特に、ここ数十年で日本が経験したことのない高い賃上げを率先して求めて闘った加盟組織を誇りに思う。」

日本の加盟組織はすでに成果を上げており、例えばUAゼンセンは過去10年で最大となる4.56%の賃上げを獲得した(3月16日時点)。多くの流通・サービス加盟組合の交渉が集中回答日に先行して要求のほぼ満額で妥結しており、全体の賃金闘争を牽引している。とりわけ短時間(パートタイム)組合員の処遇については、UNIがGFAを結んでいる髙島屋労組で5.64%、イオンリテールワーカーズユニオンでは7%、と高い水準での賃上げを達成し、雇用形態間格差是正の流れが加速している。

自動車総連も、組織化する製造部門において例年にない高水準での妥結が進んでおり、続いて販売部門も魅力向上と人材確保に向けて交渉を続けている。

JP労組は、正社員に関し、定期昇給と社員一人当たり4,800円のベースアップを勝ち取った。なお、ベースアップは新卒初任賃金・若年層の賃金改善に傾斜配分し、これにより初任賃金は1万円以上改善となる。一時金年間は4.3月。また、全社員に、特別一時金70,000円の回答を引き出した。


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