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UNI Apro女性委員会を開催

2022年8月10日、オンラインで標記会議が開催され、UNI Apro女性委員、オブザーバー、事務局等含め50人以上が参加した。日本からは、須齋弥緒副議長(損保労連)、福田千秋委員(JP労組)、寺嶋雪乃委員(UAゼンセン)、三﨑友香里委員(大日本印刷労組)が発言した。

はじめに、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長、ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長が、開会および連帯の挨拶を述べた。また、昨年10月より新たに委員となった須齋副議長と三﨑委員の参加を歓迎した。

UNI Apro女性委員会の活動報告

アンジャリ・ベデカーUNI Apro機会均等部長が、南アジアで開始したメンタリング・プログラムや、国際女性デーの取組み、16日間の行動、南アジアやUNI-LCJの女性ネットワーク会議などについて報告した。また、ビヌタ・パニヤディ委員が、5月に開催されたメンタリング・プログラムについて報告し、様々な暴力の形態やチームビルディングの大切について学ぶことができたと成果を述べると共に、より多くの女性が組合活動に参加するための取組みについて説明した。

UNI世界女性委員会の報告

須齋副議長が、5月にスイス・ニヨンのUNI本部で開催されたUNI世界女性委員会について報告した。ILO第190号条約の批准に向けた各国の取組みや批准状況、労働安全衛生の取組み、コロナ後の女性の未来についてのセッション等について共有するとともに、「アメリカ合衆国における女性の自己決定権と選択の自由に関するUNI世界女性委員会声明」を全会一致で採択したことを報告した。

各組織より活動報告

テーマ1「働く女性の安全衛生問題と労働組合の対応」

始めに、ベロニカUNI機会均等局長が、3月8日の国際女性デーの取組みについて概要を述べ、ジェンダーの視点を女性の労働安全衛生の取組みに入れていく必要性について訴えた。

●オーストラリアのビドルストン委員は、安全衛生を組織化の枠組みに組み込んできたと述べ、特に顧客からの暴力に関する「誰も叱責されるいわれはない」キャンペーンでは、安全衛生についての調査実施、労働者や一般の人々を対象にした意識啓発、広告キャンペーンや業界声明、ロビイング活動など、各方面に幅広くアプローチしたと、その成果を報告した。
●寺嶋委員は、「女性の健康と働き方に関する取組み」をテーマに、更年期障害や生理など女性特有の問題、そして加盟組合の取組みについて報告し、UAゼンセンとして、「女性の健康について理解促進、配慮がある職場環境の整備、女性検診の実施、相談しやすい体制づくり、柔軟な働き方の実現」に向けて、取り組んでいきたいと述べた。
●須齋副議長は、日本のテレワーク状況や、テレワーク環境や柔軟な働き方等の整備に向けた組合の取組みについて報告するとともに、男性の育休取得や女性の活躍推進に向けたワークライフバランス改善に向けた動きについて共有した。

テーマ2「ともに力を構築しよう:ジェンダーの課題に関する組合の取組み」

●福田委員は、組合運動におけるジェンダー平等の視点の重要性について訴えるとともに、組織内の機関である「女性フォーラム」による、政策提言の取組み等について共有した。現状では女性役員も少なく十分に女性の声が反映されていないことを踏まえ、女性の視点で現場の声を元に、誰もが働きやすい職場を作るべく、提言していきたいと発言した。
●三﨑委員は、女性が組合役員を務める上でのハードルが依然として存在すると指摘した上で、多様な働き方に応じた組合活動の在り方を検討していく必要があると発言した。また、組合が企画して好評を博したパパママ向け子育てセミナーについて共有した。
● ネパールのニューパン委員は、DV増加やメンタルヘルス悪化などパンデミックの影響について報告し、女性が組合活動に参加する際の障壁についても共有した。またネパール加盟協女性委員会による、気候変動やジェンダーに基づく暴力への取組み等、女性志向の活動を紹介した。
●シンガポールのタン・ポーレイ委員は、女性の職場復帰支援や、女性が特技によって生計を立てられるよう支援するP to Pイニシアティブ、メンタリング・プログラム、柔軟な勤務形態や職場における授乳スペースの確保など、女性のためのより良い職場の確保に向けた、シンガポールの労働運動による多様な取組みを紹介した。

特別報告

ベルナデットUNI Apro青年委員会議長が、7月にUNI Apro青年委員会および交渉に関する研修がバンコクで対面開催されたことを共有した。ベロニカUNI機会均等局長は、UNIの40 for 40キャンペーンやその成果、メンタリング・プログラムの実施状況やその意義、暴力に反対するキャンペーン、ILO第190号条約批准に向けた取組み等について報告した。また、スリランカのガガリニ委員は、生活費の高騰や食料・燃料不足でかつてない危機が続く同国の現状と女性労働者への影響、組合による抗議活動について報告した。

最後に、ミラ議長が参加者に謝意を表しつつ、次回は対面での開催を祈念し、閉会した。


UNI機会均等局、南アジア・東南アジアの女性リーダー育成に向けた新プログラム

UNI機会均等局が、南アジアと東南アジアの女性活動家を対象に、新たなメンタリング・プログラムを開始した。

ドイツ労働総同盟(ドイツのナショナルセンター)の連邦教育機関であるDGB Bildungswerkと提携し、UNI Apro地域で、スリランカ、インド、バングラデシュ、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、フィリピン、パキスタンの9か国の指導者とともに、4回シリーズの国内・地域ワークショップを開催した。

このプログラムでは、活動家が組合への関わりを深め、リーダーシップに関するスキルの習得を後押しすることを目指している。

一連のワークショップの最終回が、タイのバンコクで開催され、ジェンダー主流化、コミュニケーションの改善、業務上の暴力やハラスメントの解消、リーダーシップ強化のための行動計画策定に関するトレーニングセッションが行われた。

東南アジアのワークショップに参加した102人の女性活動家は、1対1のメンタリングを通じて学んだスキルを強化する、51のタンデムを組んだ。

メンターを務めるスリランカのセイロン銀行従業員労組のシャニカ・シルバ氏は、「メンタリング・プログラムは、人生を変える経験だった。他の人を支えるリーダーとして成長することができた。さらに、人脈を広げることができたことも、このプログラムから全ての参加者が得た大きなメリット」と、その成果を強調した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「我々が実施しているメンタリング・プログラムは、国連の持続可能な開発目標、特にジェンダー平等に関する目標5に向けて役立つものだ。平等を実現することは、開発の他の成果においても不可欠だ。近年、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントが持続可能な開発にとって極めて重要であることが認識されるようになった。その結果、職場全体でジェンダー主流化のアプローチを制度化する取組みが高まっている」と指摘した。

UNIメンタリング・プログラムは、UNI機会均等局が、THAT’S WHY キャンペーンの一環として、より多くの女性に労働組合運動への参加を促し、エンパワーするために創設したプログラムである。この新たなワークショップにより、メンタリングに参加した女性は、世界56か国で1,200人以上に達した。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「自らのストーリーを共有することでエンパワーされたと感じる、強くて一所懸命な女性たちとともに取組んでいくことほど、やりがいのあることはない」と語り、「ともに笑い、泣くことを恐れない女性。強く、疲れを知らず、進しいことに取組んでいく気概にあふれた女性。同じ障壁に直面し、解決策を見つけるために協力する女性たちこそ、我々の社会をより公正で平等なものにしていく」と力説した。


国際青少年デー:世界中の若年労働者は、より良い条件を求めて組合とともに立ち上がる

国際青少年デーにあたり、UNIグローバルユニオンは、より良い尊厳ある条件、職場の声、生活賃金、意義ある仕事を求めて組織化を進め、世界中で増え続ける若い労働者たちとともに立ち上がる。

UNIユースは、世界各地で研修やメンタリング・プログラムを通じて、こうした取り組みを支援している。

「労働者であることは、自分の仕事に誇りを持つことであると同時に、私たちが組合に入れば、労働条件を改善し、より良い賃金を求めて戦うことができるということを認識することだ」と、フランスのFOのポール・ブライエは述べた。

Covid-19は特に若い労働者に大きな打撃を与えた。

OECDによれば、危機は若者の失業率を押し上げ、若年労働者は一般の2倍以上となった。

しかし、労働条件の悪化に伴い、組合への支持は高まっている。

「組合に加入していれば、バックアップや支援が必要なときに組合に頼ることができる」と、SSFアイスランドのヨハンナ・ジョンスドッティルは言う。

国際青少年デーの今日、私たちは世界中の若年労働者のために、より良い労働条件、組合による代表、強い組合を求める声に賛同する。

今こそ、すべての労働者のために組合の力と団体交渉力を高め、強化する時だ。

UNIユース動画 「若者にとって、労働者である意味、組合員である意味、とは?」


広島・長崎への原爆投下から77年目-UNIは原爆犠牲者を追悼し、軍縮の要求を新たに

UNIは、77年前の今週、日本への核攻撃で亡くなった22万5千人の人々を追悼する。 

また、第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、9日に長崎で行われた原爆投下によって、長期にわたる放射線の影響を受け続けた数千人以上の犠牲者に心を寄せる。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「原爆投下が引き起こした言いようのない恐怖を決して忘れてはならないし、世界で混乱と核の脅威が高まる中、このような非道な行為が二度と起こらぬよう、平和と核軍縮を訴え続けなければならない」と述べた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現を積極的に求めるとともに、核兵器廃絶のための国際キャンペーンに参加している。また、2010年に長崎で開催されたUNI世界大会以来、UNIは長崎市や国際平和運動と強い絆を築いてきた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「我々はこの厳かな節目の日に、失われた人命を追悼するとともに、我々の地域、そして世界中の安全で民主的な未来のために、核兵器を歴史の灰の山に追放しなければならないのだということを改めて表明する」と語った。


韓国の労働組合、外国人投資法の改正を要求

韓国の労働組合が、不均衡で外国企業に有利な投資環境を是正するため、現行の外国人投資法の改正を求めている。

韓国の主要なナショナルセンターである韓国労働組合総連盟(FKTU)と韓国全国民主労働組合総連盟(KCTU)、そしてUNI韓国加盟組織連絡協議会(UNI-KLC)が、7月12日に国会図書館セミナールームで開催された、外国企業の労使関係に関する第3回合同フォーラムで、法改正の要求を表明した。

2019年末の政府統計によると、韓国における外資系企業は14,341社、その総売上高は韓国経済の13.2%にまで上昇したが、雇用および研究開発(R&D)における貢献は、それぞれ6.0%と5.2%と停滞している。

組合によると、1999年の金融危機以降、地方自治体は外国直接投資(FDI)を誘致するため、特別待遇や特権を与えてきた。しかし、この間、無責任な事業撤退、技術盗用、大量解雇を伴う一方的なリストラ計画や、組合活動に対する弾圧など、多くの負の問題が生じてきた。これらの問題は、製造業、金融業、小売業といった部門を横断して生じている。

20年近く負担を強いられてきた外資系企業の労働者は、国内の最低労働基準が遵守されるよう、外資法の改正を一致して求めるとともに、政府が外資系企業に対して新たな立場をとることも要求している。

フォーラムでは主に、地方政府が提供する投資便益や条件を規制するために法改正すること、使用者が団体交渉の義務を意図的に回避したり遅らせたりした場合の監督と罰則を強化すること、未公開株式投資ファンドの買収に対する規制を強化すること、海外送金の自由を保証しつつ、外国投資の流出に対する規制を強化すること、などの提言がなされた。

この分野の専門家であるホン・ソクマン氏は、フォーラムの中で、現在の枠組みにおいては、外国人投資家が不当な労働慣行を行っても、法的責任を容易に逃れることができるため、労働者の権利が損なわれてしまうと指摘した。そしてこの事は、外国資本に支えられた未公開株式投資ファンドによる買収や売却が容易にできてしまう状況によって、促進されているのである。

韓国事務金融労連(KFCLU)傘下キャピタル労組のキム・サンス氏は、「我々は長年、組合弾圧、技術盗難、やみくもな資産売却、本社への高額の移転価格を見てきた。だが政府は、労働市場の規制緩和は、韓国への外国投資水準を維持するために必要であると、同じ理屈を繰り返している」と述べた。

外資系企業の労働組合を率いるファン・ボクヨンKFCLU副委員長は、「法改正には時間がかかる。すべての外資系企業労組と連帯していくため、コミュニケーションを拡大する必要がある」と付け加えた。


UNI Apro、スリランカにおける平和的デモ参加者への攻撃を非難

UNI Aproは、コロンボの大統領公邸付近の公式なデモ宣言地域で、2022年7月22日に平和的なデモ参加者が攻撃されたことを、強く非難する。

UNI Aproは、これまで100日間にわたって表現の自由という正当な権利を行使し、平和的かつ非暴力的な方法で抗議の意思を示し、市民の生きる権利のための基本的ニーズを提供しない政府を非難してきたスリランカの人々に連帯し、敬意を表する。

我々は、政府治安部隊による非武装の市民に対する圧倒的な武力の行使を全面的に非難する。

現地からの報告によると、今回の残忍な攻撃では特に、7月22日のデモを取材していたメディア関係者、ジャーナリスト、外国メディアの記者、ソーシャルメディアの活動家が標的となった。

我々は、新たに就任したラニル・ウィクラマシンハ大統領率いる政府に対し、武装治安部隊による罪のない市民に対するあらゆる暴力を直ちに停止するよう求める。

また政府に対し、スリランカで深刻な苦境にある国民の声に応えるため、あらゆる平和的な機会を早急に模索するよう、要請する。


UNI-LCJ女性ネットワーク会議を開催

2022年7月15日、UNI-LCJ 加盟組織におけるジェンダー平等やダイバーシティ推進を担当する役員同士の交流・情報交換の場として、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催された。2018年以来、4年ぶりの開催となった今回は、印刷労連、生保労連、UAゼンセン、損保労連、大日本印刷労組とUNI-LCJ事務局から計11人が参加した。

参加者自己紹介の後、5月にスイス・ニヨンで開催されたUNI世界女性委員会にUNI Apro女性委員会副議長として出席した須齋弥緒損保労連事務局次長が、同会議について報告した。日本のテレワークの状況や課題について各国の委員に共有したことや、会議を通じて女性の活躍やILO第190号条約の批准に向けた取組み等、日本が各国と比べ遅れをとっていると実感した点について述べるとともに、米国で女性の人工中絶の権利を認める法律が破棄されたことについて反対する声明が採択されたことについても、報告した。

続いて各組織の参加者が、ジェンダー平等や多様性推進の活動と課題について共有した。

はじめに須齋事務局次長が、損保労連におけるジェンダー平等推進計画の取組み状況について報告した。執行部に占める女性役員の比率は22%であるが、女性が事務局長を務める単組も出てきている等、男女関係なく役割を担っていくという点では着実に前進していること、一方、課題として、限られた人数で業務を行っているために長時間労働の傾向がある点を挙げた。また男性の育休取得については、法改正などの趣旨や背景を皆が理解できるよう周知することで、男性が取得しやすい職場づくりに向けて取組んでいると述べた。

続いて、印刷労連より古賀初代副書記長が報告した。印刷労連の役員における女性比率は依然として低いものの、各地域の地方協議会レベルで活躍している女性は増加傾向にあると報告した。2017年より男女平等の取組みを掲げ、取組み方針を共有し意見交換をしてきたが、2020年はオンラインで会議を開催したことで、これまで参加できなかった育児世代の女性も参加できたというメリットもあった。こうした活動を経て、2021年度は、印刷労連としての現状に基づいたジェンダー平等推進計画を策定すべく取組みを進めてきた。今後は、ジェンダー平等推進委員会設置に向け、男性メンバーも含めて意見交換の場を設け、相互理解を促進しつつ取組んでいくことが重要だと述べた。

生保労連の山本由美中央副執行委員長は、同労連が進める意思決定の場への女性の参画と、組合活動におけるワークライフバランスの推進の取組みについて報告した。2025年までに本部女性役員を30%にするとの目標の下で女性役員の積極登用を進めており、2016年に初の女性専従役員が選出され、2020年には女性役員が2名になる等、少しずつ前進している。会議が長時間に及ぶ現状などから、組合運営の効率化を進め、女性が活躍しやすい環境整備を進めていく必要があると言及した。また、女性組合員同士のネットワーク構築が図れるよう工夫をしている点についても紹介した。さらに、同労連の中島麻紀子中央副執行委員長は、ワークライフバランスの実現に向けた、男性の育休取得促進の取組みについて説明した。男性の育休取得については、2025年8月までに各組合で取得率100%の目標を掲げて促進しており、すでに100%を達成している組合については平均取得日数を増やすこと、取得日数1か月以上の組合員を増やすことなどを目標として取組んでいる状況などを共有した。

続いてUNI Apro女性委員を務める寺嶋雪乃UAゼンセン男女共同参画局副部長は、UAゼンセンの約半数が短時間勤務の女性組合員である点に触れた上で、男女共同参画推進キャンペーンの取組みについて紹介した。特に、女性の活躍や定着に関する調査を実施し、その調査結果を今後の方針に反映させ、単組が労使交渉の際にデータ活用できるようにしていきたいと述べた。また、今年4月の法改正に合わせて発行された「男性の育児休業取得促進のためのガイド」では、法改正の解説やチェックリストのみならず、自身が連続育休を取得した男性や、部下が育休を取得した場合のマネジメントの仕方などについてリアルな事例を共有していると紹介した。
さらに今回の参院選にあたり、部門や都道府県支部の男女共同参画委員を対象にウェブ意見交換会を開催して組織内議員に声を届ける取組みや、公示から投票日までの連日、全組合員を対象にウェブ意見交換会を実施したこと等を報告し、成果として、横のつながりの構築、優秀な人材の発掘、新しい形の選挙運動の展開などを挙げた。また、所謂パート労働者の「収入の壁」問題について、状況改善の必要性について認識共有できたこと、更年期障害を理由に退職する女性従業員が多い状況に対する取組みが最優先課題の一つとして浮彫りになったことなどを報告した。

UNI Apro女性委員を務める大日本印刷労組の三﨑友香里書記次長は、初めに同労組の女性役員の比率とその課題について言及した。執行部のうち女性は約13%であるが、組合の機関会議で議決権を持つ中央委員を含む組合委員では女性は27.5%を占めている。2019年に初めて三﨑書記次長を含め2名の女性が初めて専従役員に選出される等、この10年間で女性比率の状況は改善しつつある。一方で、組合活動が業務時間外に実施される点など、活動参加における高いハードルについても指摘し、多様な働き方に対応した組合活動にしていく必要性があると述べた。また、組合におけるダイバーシティ推進の取組みとして、外部講師を招いて幼児を子育て中の組合員向けのセミナーを実施したこと、また会社と協力して独身層向けに婚活支援アプリの導入が検討されていることにも言及した。

最後に、森川容子UNI LCJ事務局次長よりUNI機会均等局のジェンダー平等、ダイバーシティ実現の取組みが報告された。また、2022年8月10日にオンライン開催されるUNI Apro女性委員会、2023年8月25~26日に米国・フィラデルフィアで開催される世界女性大会等、今後の予定を共有した。UNIのネットワークを活用し、今後もジェンダー平等実現のために国内外で情報交換・交流を行くことを共有し、会議は閉会した。


医療・介護部門の女性の収入は、同部門の男性より24%も少ない

男女間の賃金格差を是正する方法は、団体交渉

世界保健機関と国際労働機関による新たな共同報告書によると、医療・介護部門の女性は、他の経済部門と比べて男女間賃金格差が大きく、同部門の男性の収入より平均24%も少ないことが明らかになった。

この調査は、医療・介護部門における男女間の賃金格差について、世界で最も包括的な分析を行ったものである。女性は医療・介護部門の労働力の67%を占めており、介護部門に特化して見ると、女性の占める割合はさらに高く、約90%にのぼる。

賃金格差の多くは説明のつかないものであり、おそらくは女性に対する差別が原因であると報告書は指摘している。医療・介護部門の賃金は、他の経済部門と比較して全般的に低い傾向にあり、女性が大半を占める経済部門では賃金が低いことが多いとの調査結果と一致している。

『医療・介護部門における男女賃金格差:COVID-19時代におけるグローバル分析』では、COVID-19パンデミックが発生し、医療・介護部門の労働者が非常に重要な役割を果たしているにもかかわらず、2019~2020年の間にみられた賃金格差の改善は、ごく僅かなものであったことが分かった。

この調査について、エイドリアン・ドゥルチUNIケア部会担当局長は、「介護部門における男女間の賃金格差を是正する最も効果的な方法は、労働組合そして団体交渉だ。使用者と交渉する際、同一賃金に関する強力な条項を盛り込むことで、個人単位ではなく、集団単位で女性の賃金水準を押し上げていくことができる。UNIがブラジル、チェコ、コロンビア、インド、ネパール、ポーランドなど16か国で介護労働者を組織化しているのは、そのためだ」と強調した。


EUで最低賃金と団体交渉について政治的合意

適切な最低賃金に関する指令の法案について、暫定的な政治合意が成立した。欧州理事会と欧州議会の交渉担当者は6月上旬、このEU法の採択に向けた大きな一歩となる合意を発表した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「この法案は、団体交渉の強化に向けたシグナルとなるものだ。EUの目標は、各加盟国において団体交渉によって保護される労働者が全体の80%となるようにすること。これは、多くの加盟国において、団体交渉と労働組合の支援に向けた政府の行動を要求するものであり、まさに欧州全体で労働者が必要としているものだ」と述べ、「これを実現する上で、公的機関には公共調達という非常に有効な手段がある。公共契約を獲得するすべての企業に、労働者との団体協約の締結を義務づけることが必須だ。これこそUNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公共契約なし』が目指すところであり、この指令は、この取組みに弾みをつけるものとなる」と期待した。

団体交渉が適用される労働者の範囲を表すグラフ(下)は、EUと各国が行動を起こすべき時期に来ていることを示している。職場における民主主義は攻撃にさらされ、職場で発言権を持つ労働者の数は過去10年間で劇的に減少した。

レティク同書記長は、「良い賃金と労働条件を確保する最善の方法は、労働者が集団として強い発言力を持つことであるということを、我々は知っている。法律や政策が繁栄を共有するためには、労働者が組合に参加するのを阻害するのではなく、促進しなければならない。EUの法律が、すでに労働者や組合のために機能している各国の団体交渉制度を混乱させるようなことは決して望まない。この指令が各国の団体交渉制度を保護することが極めて重要である。欧州の社会モデルを前進させるため、EUは団体交渉を通じて前進しなければならない」と力説した。

加盟各国において団体交渉によって保護される労働者を全体の80%にするというEUの目標が達成されるためには、多くの国の労使関係に関する政策において、労働者寄りのシフトが必要である。部門別・複数事業主間の交渉は、すでにこの目標を達成している国々の中核をなすものである。労働組合が部門全体の最低条件を団体交渉できるようになれば、労働条件を攻撃することで競合相手を打ち負かそうとする企業を切り捨てるメカニズムが生まれる。

また、この指令はEUの公共調達に関する規則を修正する措置をとるものであることも報告されている。UNI欧州は1年以上にわたり、労働者に団体交渉での発言権を与えない企業が公契約から外れるよう、訴えてきた。100人以上の欧州議会議員が組合の要求を支持し、欧州全土の人々が支持を示すなど、勢いは増している。このキャンペーンを支援する署名は、こちらから。


第36回UNI世界運営委員会開催。労働安全衛生、組織化など議論。ミャンマーへの支援を確認

2022年5月11~12日、スイス・ニヨンUNI本部において、第36回UNI世界運営委員会がハイブリッド開催された。

「3年ぶりに対面会議が実現し、みなさんと直接お会いできてうれしく思う。様々な議題・スピーカーを用意しているので、積極的な議論を期待したい」と、ルーベン・コルティナUNI会長の冒頭挨拶で始まった会議には、11カ国から運営委員及び地域書記長21名、オンライン参加の運営委員、UNI部会担当局長、事務局等が出席した。日本からは、松浦昭彦UNI Apro会長(UAゼンセン)、安藤京一UNI副会長(情報労連)、中野英恵UAゼンセン国際局長、木村富美子情報労連国際部長、上田智亮UNI-LCJ事務局長が出席した。

次にクリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、コロナ禍やウクライナ問題、組合員の減少や賃金が上昇しないなどの労働組合の現状に触れ、「25,000人が参加した組織化トレーニング(オンライン)は有意義であったが、複雑な議論や信頼関係の構築には対面活動は欠かせない。今後はバランスを取りつつ取組んでいくと共に、①多国籍企業との協働・対話、②組織化推進、③政策活動への取組み(新しい労働の世界、人権デューデリジェンス、労働安全衛生、気候危機)、④内部の業務改革・構造改革、⑤2023年UNI世界大会(米フィラデルフィア)を活動の柱として取組む」と述べた。

「組織化報告」のセッションで、アインディ・スノディUNI SCORE(組織化)担当局長が「組織化センターは、それぞれの地域でオルガナイザーの育成、組織化活動に取組み、成果を出している。特に中欧組織化センター(COZZ)は、活動を拡大し、ウクライナ難民の支援を行っている。」と報告した。
安藤UNI Apro ICTS部会議長は、「マレーシア系多国籍通信事業者アシアタ社の組織化に関し、6か国・2万5千人を雇用する巨大通信事業者に対し、同部会は『アシアタ労組アライアンス会議』を定期開催し情報交換を行っているが、更に強化していく。特にバングラデシュは人口が多く、今後も成長が見込まれることから対応強化が必要である」と強調した。また、ネパールで団体交渉の能力開発を実施する予定であり、カンボジアでの組織化活動も2023年初の開始を目指して準備中であることも報告し、今後のUNI本部及びSCOREの支援を求めると述べた。

「労働安全衛生」のセッションで松浦UNI Apro会長は、カスタマーハラスメント(カスハラ)撲滅に関するUAゼンセンの取組みについて報告した。「カスハラは、働く人や企業に被害・損害を与えるだけでなく、消費者など一般社会にも不快感や悪影響を及ぼしており、社会全体でカスハラをなくしていくことが重要である。この問題を解決するため、UAゼンセンでは労使で話し合うよう加盟組織に働きかけ、流通部門74組合の内、約8割がカスハラ問題に関する労使協議会を行い、相談窓口設置等などの取組みが進んでいる。我々の運動もあり、社会に認知されるようになったが、法整備には議論が不足しており、組織内国会議員と連携し、社会全体におけるカスハラ防止対策の強化と法制化を求めている。また今年2月、厚生労働省が『カスハラ対策マニュアル』を発表したことは大きな一歩だった。今後も他産別と連携し、労働界全体でこの問題に取組んでいく」と報告した。

「UNI世界大会および世界女性大会」のセッションでは、ホフマンUNI書記長より大会の準備状況の報告があり、また2023-2027年の戦略計画(※)、UNI世界大会の開催時期およびUNIの非営利団体としての明記に関する規約の改正案を動議として提案し、承認された。

※戦略計画
①全ての人のために組合の力を強化しよう(組織化・多国籍企業との関係構築・団体交渉)②企業に説明責任を負わせるため、ルールを変更しよう(人権デューデリジェンス)③公正で包摂的なグローバル経済のため、ルールを変更しよう(ディーセントワーク、社会保護、持続可能な経済、デジタル化)④安全衛生のために共に立ち上がろう(労働安全衛生、つながらない権利)⑤平和、民主主義、人権のために共に立ち上がろう⑥不平等、人種差別、不公平な扱いに反対し、共に立ち上がろう(人種差別、青年、女性、LGBTIQ+)⑦持続可能な世界のために団結しよう(気候変動)

松浦UNI Apro地域会長

これを受け松浦UNI Apro会長は、UNI Apro会長として本案に賛意を示し、「2年にも及ぶパンデミック下で、多くの国、あらゆる産業・雇用形態の労働者が影響を受けた。そして多くの国で、失業保険や退職金制度、休業中の賃金保障等の社会保護の不備が明らかとなった。特に、アジアの開発途上国ではブランドや多国籍小売企業からの発注の激減によって多くの衣料産業労働者が解雇されたが、失業保険制度がない、使用者が法律を守らず解雇補償を支払わないケースが多発した。インダストリオールではパンデミック期間中、支払われなかった賃金・補償金についてブランドが責任を負うよう要求している。しかし、社会保護は国の制度に負うところが大きく、一つのセクター・企業との交渉で国の制度を代替するのは困難である。また、社会保護はすべての産業に共通する問題である。従って、UNIで社会保護の取り組みを進めるにあたっては他のGUFやITUCとの連携を強化すべきだ」と述べた。

「地域報告」のセッションでは、UNIアフリカ、UNI米州、UNI欧州の各地域から報告があり、UNI Apro地域報告ではラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が、昨年の6部会大会でパートナーシップ労使関係を促進し社会対話を強化するために、他の社会パートナーとのギャップを埋め、当同社の力を構築し、組織化を拡大する戦略を採択したことを報告した。また、「コロナやウクライナ問題だけではない。スリランカ経済状況やフィリピンが独裁政権になる可能性、香港などに注視しなければならない。不安定雇用に従事するエッセンシャルワーカーへの組織化の取組みおよび青年・女性のエンパワーメント活動を推進していく」と述べた。

「平和、民主主義、人権」のセッションでは、アナトリー・ヤドヴィ氏(ウクライナ、CWU)の報告に続き、カイン・ザール氏(ミャンマー、CTUM-IWFM)から「2021年2月のクーデター以来、市民権のはく奪、公務員の失職、飢餓などの市民の抑圧が続いているが、我々は民主主義を回復するために闘っている。経済制裁を含め軍事政権を止めるための支援をお願いしたい」とミャンマーの現状について報告と支援要請があった。
松浦UNI Apro会長は、「UNI Aproは、軍の弾圧に屈することなく抵抗するミャンマーの組合の仲間、市民に心からの敬意と彼らへの強い支持を表明する。その他にもアジアには、香港における民主主義の否定、フィリピンにおける組合活動家の殺害と迫害など憂慮すべき深刻な状況がある。UNI Aproとして、これからも基本的人権と平和・民主主義を守るために行動し続けなければならない。UNI及び世界のUNIの仲間の支援を引き続きお願いする」と述べ、UNI世界運営委員会でも、UNI Apro執行委員会による「ミャンマーに関する決議」が採択された。

この他、「アマゾン・キャンペーン」「ビジネスと人権」「新しい労働の世界」など様々な議論を行い、今後のスケジュール確認が行われ、閉会した。


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