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2022年8月10日、オンラインで標記会議が開催され、UNI Apro女性委員、オブザーバー、事務局等含め50人以上が参加した。日本からは、須齋弥緒副議長(損保労連)、福田千秋委員(JP労組)、寺嶋雪乃委員(UAゼンセン)、三﨑友香里委員(大日本印刷労組)が発言した。
はじめに、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長、ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長が、開会および連帯の挨拶を述べた。また、昨年10月より新たに委員となった須齋副議長と三﨑委員の参加を歓迎した。
UNI Apro女性委員会の活動報告
アンジャリ・ベデカーUNI Apro機会均等部長が、南アジアで開始したメンタリング・プログラムや、国際女性デーの取組み、16日間の行動、南アジアやUNI-LCJの女性ネットワーク会議などについて報告した。また、ビヌタ・パニヤディ委員が、5月に開催されたメンタリング・プログラムについて報告し、様々な暴力の形態やチームビルディングの大切について学ぶことができたと成果を述べると共に、より多くの女性が組合活動に参加するための取組みについて説明した。
UNI世界女性委員会の報告
須齋副議長が、5月にスイス・ニヨンのUNI本部で開催されたUNI世界女性委員会について報告した。ILO第190号条約の批准に向けた各国の取組みや批准状況、労働安全衛生の取組み、コロナ後の女性の未来についてのセッション等について共有するとともに、「アメリカ合衆国における女性の自己決定権と選択の自由に関するUNI世界女性委員会声明」を全会一致で採択したことを報告した。
各組織より活動報告
テーマ1「働く女性の安全衛生問題と労働組合の対応」
始めに、ベロニカUNI機会均等局長が、3月8日の国際女性デーの取組みについて概要を述べ、ジェンダーの視点を女性の労働安全衛生の取組みに入れていく必要性について訴えた。
●オーストラリアのビドルストン委員は、安全衛生を組織化の枠組みに組み込んできたと述べ、特に顧客からの暴力に関する「誰も叱責されるいわれはない」キャンペーンでは、安全衛生についての調査実施、労働者や一般の人々を対象にした意識啓発、広告キャンペーンや業界声明、ロビイング活動など、各方面に幅広くアプローチしたと、その成果を報告した。
●寺嶋委員は、「女性の健康と働き方に関する取組み」をテーマに、更年期障害や生理など女性特有の問題、そして加盟組合の取組みについて報告し、UAゼンセンとして、「女性の健康について理解促進、配慮がある職場環境の整備、女性検診の実施、相談しやすい体制づくり、柔軟な働き方の実現」に向けて、取り組んでいきたいと述べた。
●須齋副議長は、日本のテレワーク状況や、テレワーク環境や柔軟な働き方等の整備に向けた組合の取組みについて報告するとともに、男性の育休取得や女性の活躍推進に向けたワークライフバランス改善に向けた動きについて共有した。

テーマ2「ともに力を構築しよう:ジェンダーの課題に関する組合の取組み」
●福田委員は、組合運動におけるジェンダー平等の視点の重要性について訴えるとともに、組織内の機関である「女性フォーラム」による、政策提言の取組み等について共有した。現状では女性役員も少なく十分に女性の声が反映されていないことを踏まえ、女性の視点で現場の声を元に、誰もが働きやすい職場を作るべく、提言していきたいと発言した。
●三﨑委員は、女性が組合役員を務める上でのハードルが依然として存在すると指摘した上で、多様な働き方に応じた組合活動の在り方を検討していく必要があると発言した。また、組合が企画して好評を博したパパママ向け子育てセミナーについて共有した。
● ネパールのニューパン委員は、DV増加やメンタルヘルス悪化などパンデミックの影響について報告し、女性が組合活動に参加する際の障壁についても共有した。またネパール加盟協女性委員会による、気候変動やジェンダーに基づく暴力への取組み等、女性志向の活動を紹介した。
●シンガポールのタン・ポーレイ委員は、女性の職場復帰支援や、女性が特技によって生計を立てられるよう支援するP to Pイニシアティブ、メンタリング・プログラム、柔軟な勤務形態や職場における授乳スペースの確保など、女性のためのより良い職場の確保に向けた、シンガポールの労働運動による多様な取組みを紹介した。
特別報告
ベルナデットUNI Apro青年委員会議長が、7月にUNI Apro青年委員会および交渉に関する研修がバンコクで対面開催されたことを共有した。ベロニカUNI機会均等局長は、UNIの40 for 40キャンペーンやその成果、メンタリング・プログラムの実施状況やその意義、暴力に反対するキャンペーン、ILO第190号条約批准に向けた取組み等について報告した。また、スリランカのガガリニ委員は、生活費の高騰や食料・燃料不足でかつてない危機が続く同国の現状と女性労働者への影響、組合による抗議活動について報告した。
最後に、ミラ議長が参加者に謝意を表しつつ、次回は対面での開催を祈念し、閉会した。