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トルコのロイター労働者がストライキ準備

2023年4月26日にトルコのロイター通信の労働者が、同社がトルコにおけるインフレ高騰に対応した賃上げを行わなければ、5月10日にストライキを実施すると発表した。

トルコにおける3月の公式インフレ率は50.51%、独立調査機関によると112.51%を記録しているにもかかわらず、幾度ものも交渉を経て、経営陣は25%以上の賃上げを拒否している。

ロイター通信の労働者を代表するトルコのUNI加盟組織TGSは、声明の中で次のように述べている。「今日、我々はストライキの決定だけでなく、ストを実施する決意をも宣言する。もし組合員が相応の割合で賃上げを受けられず、またロイター経営陣から問題解決に向けた前向きな措置が見られない場合、我々は5月10日にストライキ行動を開始することを公に発表する。(中略)我々は相応の措置を得るまで決して譲らない」

UNIメディア部会の一団が、トルコ・イスタンブールでロイター労働者に加わり、組合は必要であればストライキを行う旨を宣言した。

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ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、UNIを代表してTGSに宛てた連帯書簡の中で、ロイター経営陣が誠実に交渉せず、インフレの現状と事態の緊急性に対応した提案を打ち出さないことを非難した。また、「声を上げるために残された唯一の選択肢がストライキしかない。そこまで状況が差し迫っていることを理解し、TGSの仲間の抗議、ストライキ、正当な賃金と尊厳ある労働条件を要求する権利を、全面的に支持する」と連帯の意を表し、「我々はロイターに対し、最後には誠実に団体交渉に臨み、労働者に経済的持続可能性をもたらす提案を行うよう、求める。我々は、ロイターが提案について再検討し、公平でトルコの経済状況を反映した賃上げを提示することを強く求める」と述べた。

他にもTGSは、トルコのAFP通信経営陣が経済危機と実質インフレ率を考慮した合理的な解決策を提案しない限り、同国のAFP通信労働者は、世界報道自由デーの5月3日にストライキを行うと発表している。


UNIとアジア太平洋放送連合、気候変動対策とジェンダー平等の協力に向けて、新たな道筋

UNIとアジア太平洋放送連合(ABU)は、メディア・放送業界における気候変動への取組みを促進し、同部門におけるジェンダー平等の推進に向けた共同作業の強化における協力について、初めて合意した。両組織は、4月25日にマレーシアのクアラルンプールで覚書に署名した。

UNIメディア部会は、世界140以上の労働組合やギルドに所属する50万人以上の労働者を代表している。ABUは、60か国の約250の放送局や放送メディア関係者の連合組織で、全世界で30億人以上にアプローチできる影響力を持っている。

マレーシア首都にあるABUの本部で、クリスティ・ホフマンUNI書記長とアーメド・ナディームABU事務局長が覚書に署名した。UNIとABUはこれまでも連携してきたが、今回の覚書では2023年6月から2年間の共同活動プログラムの枠組みが設定され、協力関係を深めている。

気候変動への対応が急務となる中、両組織はこの問題を初めて議題とした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「気候変動への取組みとジェンダー平等を2つの重要な優先課題として掲げるABUとの持続的な協力のため、このような覚書を締結することができ、大変誇りに思う。メディアは、報道と情報提供を通じて気候危機を緩和する上で強力な役割を担っており、メディアやエンターテインメント業界の多くが、自社の制作における二酸化炭素排出量を削減する方法を検討している。現実的なレベルでどのように行えるか、ABUと連携して指針提供できることを期待している。ジェンダー平等と多様性は、カメラに映る部分でも、そうでない部分においても重要であり、我々はこの分野におけるABUとの協力関係を拡充し、地域の放送局や組合の活動を支援する新しいプロジェクトに尽力する」と述べた。

アーメド・ナディームABU事務局長は、「我々は気候危機の中で生きており、人々はより頻繁で強度のある、さらに予測不可能な気候関連の災害に対処しなければならなくなっている。メディアで働く我々の義務は、気候変動対策や災害への備えと予防のため、質の高いで正確かつ適切なコンテンツを、視聴者に提供することだ。同時に、メディア関係者がこの重要な仕事をする際の安全を確保し、二酸化炭素排出量と持続可能性を考慮しなければならない。UNIとの共同作業に気候変動対策を含めたのは、政策や戦略を根本的に変え、気候の緊急性に対処するためには、幅広いパートナーシップ、世界的な運動が必要であると認識してのことだ」と語った。

作業プログラムでは、メディア機関がどのように気候変動対策や防災を推進し、また自らの活動において環境的に持続可能な慣行を導入できるかに、焦点が当てられる予定だ。

UNIとABUのジェンダー平等に関する共同活動は、女性メディア労働者の安全衛生、スクリーン内外のメディアにおける女性の表象、女性のメディア業界へのアクセスおよびキャリア開発に対する支援等を中心に行われる予定だ。この活動は、ABUが長年続けている「Women With the Wave」の取組みを通じ、平等を促進するための継続的な活動を強化するものである。

この覚書を歓迎したカイルザマン・モハメドUNI Aproメディア部会議長は、「UNIとABUはこの10年間、社会対話と団体交渉の促進に向けて、一歩一歩協力を強めてきた。実現してきた取組みと良好な協力関係により、気候変動の影響に対処することでこのトップレベルの協力を拡大し、また放送のあらゆる分野におけるジェンダー平等の向上に向けた協力を強化していくことができる」と喜んだ。

覚書の中で両組織は、グッドガバナンスと倫理、労使対話の促進、地域のメディアと放送産業の発展に関する知識と情報の共有、政策策定とメディア専門性や優れたメディア運営の文化の発展に向けて、協力して取組むとしている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「覚書の一部である2年間の作業プログラムは、両組織の協力に焦点を当てている。アジア太平洋地域の労働組合にとって、この覚書の意義と影響は、大きい。気候変動対策、職場の安全、ジェンダー平等に関するABUとUNIの明確な共通目標が明示されたことで、組合は、特に前向きな変化をもたらす方法について知識を得ていれば、職場でこうした問題を提起しやすくなるだろう」とその重要性を指摘した。


日本のUNI加盟組織、賃上げを要求し歴史的な動きを牽引

日本のUNI加盟組織が、4月の新年度を前に、予想を上回る賃上げ要求で国内のアナリストや観測筋を驚かせている。

毎年2月~3月にかけて行われる年次賃金交渉(「春闘」と呼ばれる)では、これまで日本の労働組合は控えめな賃金要求を選択していたため、今回の要求は波紋を広げている。

これまでの春闘は、1990年代後半の日本のデフレ経済に端を発したものである。2022年の世界的なインフレによって日本の消費者と家計がコスト増に見舞われるようになり、ここ最近の数か月まで、その傾向は続いていた。

日本では、コアインフレ率(食費を除く)は4%を超え、中央銀行の目標値を超え、41年ぶりの高水準に達している。この状況は多くの日本の労働者にとって、給与がインフレに追いつかない場合、実質賃金が目減りする危険性があることを意味する。

政府は、インフレに連動した賃上げを企業側に公然と求めており、国民感情も、家計が生活費の上昇を乗り切れるような措置を望んでいる。日本の労働組合、特に主要なサービス産業部門を抱えるUNI加盟組織は、30年近く続いた賃金の横ばいサイクルを断ち切るための機会と捉えている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2月に開催された日本UNI加盟組織連絡協議会の年次総会で日本の加盟組織と会談し、春闘交渉を前にした前向きな姿勢に感銘を受け、次のように語った。「日本の加盟組織が力を示し、労働者の賃金・労働条件の歴史的な改善を実現するためのこの好機を捉えていることは非常に素晴らしい。特に、ここ数十年で日本が経験したことのない高い賃上げを率先して求めて闘った加盟組織を誇りに思う。」

日本の加盟組織はすでに成果を上げており、例えばUAゼンセンは過去10年で最大となる4.56%の賃上げを獲得した(3月16日時点)。多くの流通・サービス加盟組合の交渉が集中回答日に先行して要求のほぼ満額で妥結しており、全体の賃金闘争を牽引している。とりわけ短時間(パートタイム)組合員の処遇については、UNIがGFAを結んでいる髙島屋労組で5.64%、イオンリテールワーカーズユニオンでは7%、と高い水準での賃上げを達成し、雇用形態間格差是正の流れが加速している。

自動車総連も、組織化する製造部門において例年にない高水準での妥結が進んでおり、続いて販売部門も魅力向上と人材確保に向けて交渉を続けている。

JP労組は、正社員に関し、定期昇給と社員一人当たり4,800円のベースアップを勝ち取った。なお、ベースアップは新卒初任賃金・若年層の賃金改善に傾斜配分し、これにより初任賃金は1万円以上改善となる。一時金年間は4.3月。また、全社員に、特別一時金70,000円の回答を引き出した。


インフレ時の団体交渉:労働組合の対応

UNI欧州の新たな調査報告、『すべてが上がる – 欧州の団体協約における自動賃上げ』は、高いインフレ率の時代に、労働組合がどのように交渉するかについて、焦点を当てるものだ。

欧州では2021年以降、生活費の急激な高騰に見舞われている。COVID-19パンデミックによるサプライチェーンの混乱、ウクライナ紛争後のエネルギー価格の上昇、企業収益の増加などが原因となり、インフレ率は多くの地域で2桁に達した。こうした状況が労働者の購買力に大きな影響を及ぼしているため、団体交渉の主要なテーマとなっている。

従来、労働組合は定率の賃上げを交渉の対象としている。しかし、予測不可能な高インフレの時代には、このアプローチは困難に直面する。解決策の1つとして、インフレ率に連動した(半)自動賃上げの実施が考えられる。このような方式は、「賃金の物価スライド」または「生活費調整(COLA)」と呼ばれる。

団体協約にこうした条項を盛り込むことで、将来のインフレ率に合わせて賃金が調整され、実質的な賃金保障と名目的な柔軟性がもたらされる。高インフレ下でも、労働者の購買力は保証される。同時に、交渉当事者は、交渉期間中に賃金がどれだけ上昇するか正確に知ることはできない。インフレ率が高い時期には、概して賃金の物価スライドやCOLA条項が好まれる。

報告書ではまず、多くの国で現在、労働組合がこうした条項を導入していることを紹介している。同時に、賃金をインフレに連動させる範囲と方法の両方において、かなりの多様性がみられる。だが、賃金連動方式は以前考えられていたよりも広範囲に普及している一方で、社会パートナーが団体協約にこのような条項を盛り込むことに反対している多くの国々では、依然としてこの方式は存在しない。

本報告書は、高インフレの影響と闘う上で、団体交渉がどのように貢献しうるのか、具体な事例を示すことで労働組合を支援することを目的としている。
報告書(英文)は、こちらから


UNI、反ファシズムの労働組合ネットワークに参加

UNIとUNI欧州が、反ファシズム労働組合の国際ネットワークのマニフェストに署名した。マニフェストは、集団的な行動を通じて、社会正義の推進、人権の擁護、民主主義の強化に取組むものだ。

近年、世界各地で、強権化、反対派の弾圧、民主主義制度の弱体化を目論む指導者を擁する、危険な権威主義体制の台頭が憂慮されている。また欧州では、極右グループややファシスト組織の脅威が高まっており、暴力やヘイトスピーチを用いて過激な主張を推進するグループもある。

ネットワークは、イタリア労働総同盟(CGIL)が、ファシストによるローマ本部への襲撃事件から1年を機に発足させたものだ。民主主義の擁護、人権の促進、あらゆる形態の人種主義、性差別、差別との闘いに取組んでいく。ネットワークの参加組織は、極右イデオロギーの拡散に対する連携した対応と、民主的価値を保護する必要性を強調している。

ローマでネットワークの結成に参加したオリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「労働組合は民主主義の拠り所だ。ファシストが組合運動を嫌うのは、そのためだ。排除を説き、最も弱い立場の者を責め立てようとする者は、働く人々の間に分断の種をまこうとするものであり、我々の友人ではない。彼らは、排除と不平等を生み出している真の責任者から、人々の注意をそらそうとしている。我々の答えは、常に民主主義を支持し強化するということだ。職場における民主主義と社会における民主主義は、同じコインの表裏の関係にある。団体交渉はポピュリズムに対する解毒剤だ」と訴えた。

UNI 欧州は昨年、「民主主義の支持と強化」をテーマに、欧州の組合が一堂に会する会議を開催し、職場やそれ以外の場所でこの目標に向かってどのように取組んでいるか、意見交換を行った。


UNI、国際家事労働者連盟のエリザベス・タン書記長に全面的に連帯

UNIは、国際家事労働者連盟(IDWF)および世界の労働組合運動の仲間とともに、優れた組合指導者であるエリザベス・タンIDWF書記長の状況を、憂慮しつつ注視している。同書記長は、2023年3月9日、「国家の安全を脅かす」との嫌疑で香港の警察当局に逮捕され、現在は保釈中で進展を待っている。

UNIと同書記長の協力関係は、彼女が香港労働組合連盟を率い、そのエネルギッシュで若いチームが、警備員や清掃員の労働基準を引き上げる世界的なキャンペーンを積極的に支持していた20年近く前まで遡る。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、タン書記長について、「献身的な労働組合活動家であり、極めて誠実な人柄。幸運にも2000年代にタン書記長と密接に仕事をすることができたが、彼女は常に、取り残されて『見えなくされている』弱い立場の労働者に、とりわけ焦点をあててきた。彼女のアプローチは一貫して、より恵まれた環境にいる労働者だけでなく、すべての労働者の賃金と条件を引き上げなければならないというものであり、UNIの全幅の信頼を得てきた」と語った。

UNIは、世界で最も強い信念を持つ優れた労働組合活動家の女性の一人であるタン書記長に、全面的に連帯を表明する。

タン書記長は、UNIと世界中の2000万人の組合員の全面的な支持を受けている。我々は、この状況の前向きな解決と、世界中の労働者の権利促進に向けて、共に取組みを続けていく機会を待ち望んでいる。


アルゼンチン:テレビ関係の労働者が38%の賃上げを獲得

アルゼンチンの放送労組SATSAIDは、国内の無料TV放送チャンネルや独立系テレビ制作会社で働く組合員に対し、38%の賃上げと537米ドルの一時金支給を獲得した。

全国に生中継されたテレビシリーズ「ビッグブラザー」の撮影現場でのデモを含む、一連の動員やストライキを経て実現したものだ。

SATSAIDは、2023年3月3日に労働省にて、アルゼンチン独立テレビ制作者協議会(CAPIT)およびアルゼンチン・テレラジオ放送協会(ATA)との間で、新たな賃金協定に調印した。賃上げは2023年1月から遡及適用され、4段階で6月まで適用される予定だ。組合は、争議に関連して組合のストに参加した労働者から賃金を差し引かないことも、使用者に約束させた。

オラシオ・アレセコルSATSAID事務局長は、「今回の協定は、争議が始まった当初から闘争のすべての行動に参加してきた労働者の確固たる取組みと積極的な支援の成果だ」と述べ、「我々はついに、労働者にとって公正な賃上げに到達することができた」と喜んだ。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「SATSAIDは、組合員を動員して勝利を勝ち取る力を見せてくれた。公正な賃上げのための今回の協定は、組合に入って一丸となって取組めば、労働者がインフレの代償を支払う必要がないのだということを、世界中の労働者に示している」と成果を祝福した。


芸術・娯楽部門におけるディーセントワーク:ILO会合で、雇用改善に向けたグローバルな基礎を構築

2023年2月、ILOでの1週間の交渉を経て、労働組合、使用者、政府は、芸術・娯楽産業において「ディーセントワークの欠如」を生み出している長時間労働、低賃金、社会的保護の欠如、不平等を認め、これらの是正に向けた一連の結論に合意した。

この成果は、2月半ばにスイス・ジュネーブで行われた、芸術・娯楽部門における仕事の未来についての5日間のILO技術会議の後に、2月23日に文書として発表されたものである。会議には、3つのGUFs(UNI、国際俳優連合(FIA)、国際音楽家連盟(FIM))の傘下で、この産業に従事する100万人以上の労働者を代表する組合指導者が集まった。

今後、政府は使用者および労働組合と協力し、労働時間を規制する法律や規制を促進・強化し、自営業者を含むこの部門すべての労働者に包括的社会保護制度への普遍的アクセスを提供し、この部門のスキル不足を解消するための公的資金を確保していくことが必要となる。

また、今回の結論は、団体交渉がディーセントワーク実現の鍵であることを認識するとともに、政府が芸術・娯楽産業における団体交渉権の実質的な承認を確保し、ILOが同部門における団体交渉実施に関する政策指針を提供するためのアクション・ポイントも含まれている。

放送、メディア、エンターテインメントの労働者を代表する英国のBECTUで委員長を務めるフィリッパ・チャイルズUNI世界メディア部会副議長は、「我々は多くの前進を遂げることができた。この結論によって、我々の主要課題、特にこの部門における長時間労働の問題に関して、使用者と政府に圧力をかけることができるようになる。パンデミックによって労働者は自らの状況を顧みることになり、長時間労働がワークライフバランスに与える影響について、真剣に考えるきっかけとなった。多くの人々がこの業界を去り、また戻ってくるかどうかもわからないため、英国だけでなく世界的でスキルが不足する状況になっている。この状況を好転させるためには、労働条件と機会を改善する必要がある」と訴えた。

オンラインストリーミングによって従来のライセンスモデルが時代遅れになる中、今回の結論は芸術・娯楽分野における著作権および関連する諸権利の重要性についても強調しており、法定報酬や団体交渉を通じて、プロデューサー、パフォーマー、著作者に実施的に報酬が与えられる形でこれらの権利が実現されるよう、政府に要求している。

また、ILOの結論は、産業全体の労働者に影響を与える新しいテクノロジーや人工知能の導入に対して、人間中心のアプローチを求めている。

今回、労働側のスポークスマンを務めたFIA執行委員のダンカン・クラブトリー氏は、「人工知能は並外れた可能性をもたらすが、現実の脅威もつきつけている。AIに対する人間中心のアプローチは、我々の業界の未来にとって極めて重要だ。こうした変革的な技術は、人間の創造性を補完するものでなければならず、それに取って代わるものではない。今こそ、ILOがこの問題に取組み、すべての労働者のためのディーセントワークと団体交渉へのアクセスを促進するためのより広い課題の一環として、公正さと持続可能性を確保する枠組みをさらに進めるのを支援する時だ」と強調した。

また政府は、ビザや労働許可証の障壁を含む労働者の国境を越えた移動における課題、また社会保障受給資格の国境を越えたポータビリティ(持ち運び)や二重課税の課題に取組むべきである。

ブノワ・マシュエルFIM事務局長は、「採択された結論は、団体交渉権の承認およびすべての労働者の社会的保護への普遍的なアクセスについて勧告しており、我々の中核的な懸念に応えるものであることを特に喜ばしく思う。国境を越えたポータビリティと職業病に関する条項も、我々が代表する職業に就く人々にとって非常に好ましいものだ」と述べた。

他の条項の中でも、今回の結論は、職場における暴力やハラスメントへの効果的な対応を含め、安全で衛生的な労働環境を推進するための強力な労働監督制度を確保することを求めている。さらに、この成果は、急激な技術革新が進む環境に優しい産業への公正な移行を可能にするための官民の投資の重要性を強調するものである。

ブラジルの組合SINDCINEで委員長を務めるソニア・サンタナUNI世界メディア部会副議長は、「今回の成果は、労働協約へのアクセスを確保する上で大きな役割を果たすと同時に、労働者の権利を擁護し、特に女性の平等、人種の平等、先住民の平等を推進し、使用者との関係を深めるための他の手段を与えてくれるものだ」と評価した。

この文書は、特に差別を受けやすい人々に対するこの部門の不平等を認め、この部門が「多様性、平等、包摂性というレンズを通して」仕事のあらゆる側面にアプローチするよう求めている。

カナダのIATSE国際副会長を務めるジョン・ルイスUNI 世界メディア部会委員は「これは前向きな成果てあり、この業界で働く世界中の人々に影響を与える、団体交渉へのアクセス改善や、著作権保護の強化、長時間労働への対処など、各国政府と他の議論を始めるための出発点を作るものだ」と強調した。


労働組合は、アルゴリズムについて交渉が必要

テクノロジーの発展は、我々の生活にますます強い影響を及ぼしており、それは仕事も例外ではない。正しく使えば、より効率的で魅力的な仕事につながるが、非常に多くの場合、テクノロジーによって仕事は単調で負担の大きいものになり、強い統制下に置かれている。スウェーデンでは、商業労組のHandelsが「Human-machine work」と題した報告書を発表し、新しいテクノロジー、特にアルゴリズムに基づくテクノロジーを職場でどのように導入するかを決定する際に、従業員を参加させることの重要性を明らかにしている。

この報告書には、倉庫の労働者を対象としたアンケート調査の結果が含まれており、それによると、労働者の大半は、アルゴリズム、ロボット、組み立てラインが作業を制御・監視するデジタルシステムを使用の中で働いている。システムがうまく機能すれば、従業員はスキルアップしてより高度な仕事をこなし、デジタルシステムと共に仕事を管理することができるが、うまく機能しない場合、従業員は人権侵害的な監視にさらされ、人間的な行動や思考の余地はほとんど残されていない。

問題は、新しいテクノロジーが導入される際に、従業員のニーズやスキルが必ずしも考慮されないことだ。その結果、従業員と企業の双方に利益をもたらすのでなく、労働環境が悪化してしまうのである。職場で定期的な能力開発の機会を得ている従業員はわずか17%で、10人中8人は新たな業務を遂行するための能力開発を望んでいる。

リンダ・パルメッツホーファーHandels委員長は、報告書の著者と共著の意見記事の中で「労働環境に影響を与える他の条件について交渉したいのと同様に、我々は職場のアルゴリズムやハイテクシステムについても交渉したいのだ」と、述べている。

Handelsの報告書は、職場におけるテクノロジーの発展が従業員に利益をもたらすようにするためのいくつかの方策を提案している。一点目は、アルゴリズムで管理されたシステムの導入や使用方法について、従業員に影響力を持たせるため、アルゴリズムについて交渉することだ。二つ目に、新しいシステムが導入される際には、従業員の知識と経験が活用されるようにしなければならない。そして最後に、従業員は、職場で新しいテクノロジーを使うためのスキルアップの機会を得るべきである。

同委員長は、「新しいテクノロジーは、より良い、より魅力的な仕事をもたらしうる。だが、その場合、従業員はテクノロジーが開発される時に、それがどのように使用されるかについて、関与していかなければならない」と指摘した。

Handelsによる報告書『Human-machine work』は、結びとして、職場におけるテクノロジーの発展から従業員がどのように恩恵を受けることができるかについて、洞察を示している。アルゴリズムの交渉、従業員の知識や経験の活用、スキルアップ機会の提供は、より良い職場環境へ向けた、重要なステップだ。


共に立ち上がろう!Rising Together!~第24回UNI-LCJ年次総会、記念講演、レセプション~

2023年2月17日、第24回UNI-LCJ年次総会が東京で開催された。コロナ禍により、昨年および一昨年は、会場出席者を制限したハイブリッド開催であったが、今会は3年ぶりの対面開催となった。各加盟組織より運営委員および総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。2022年度活動報告、会計報告の承認に続き、2023年度活動計画および予算が承認された。また今次年次総会では、2023~2027年度UNI-LCJアクションプランが採択された。

年次総会後に開催した記念講演には、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。4年ぶりの来日となったホフマンUNI書記長は、他の友誼団体からの参加者を含めた約90人を前に、今年8月に開催される第6回UNI世界大会に向けた講演を行った。

ホフマンUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる米国・フィラデルフィアの歴史や、米国の労働運動が直面する課題、またUNI世界大会の動議案の概要を解説した。「これら動議は、今後の私たちUNIの活動の方向性をしっかり示すものだ。UNIの各部会はそれぞれ加盟組合の強化・育成に取組んでおり、社会的・経済的意義に対する責任をもって活動している。強い部会や地域組織なくしてUNIの成功はありえない」と熱く語り、日本の加盟組織が各部会や地域活動に多く関わり貢献していることに感謝の意を表した。

質疑応答のセッションでは、中山敬裕労済労連副中央執行委員長(UNI-LCJ運営委員)、大窄新二印刷労連中央書記長、山下茂美日放労中央執行委員(UNI-LCJ運営委員)より、以下質問があった。

Q:今年のダボス会議の印象や、会議でUNIとして訴えてきたことは何か。

A:印象的だったのは、出席していた企業代表や労働大臣が、団体交渉を通じた労働協約の重要性を訴えていたことだ。労働者に対して有効的な関係が築けていることが背景にあるからだと思うが、以前の会議とは違い、様々な姿勢や雰囲気を感じ、今年の会議は非常に特別なものになった。また、AIについての可能性が議論されたので、この会議に出席していた他のGUFやITUC代表と共に「AIが職場に及ぼす影響やAIの導入方法などの議論は、労働者の意見を聞きながら進めてもらいたい」と訴えてきた。以前と比べ、より多くの企業が労働組合にアプローチをかけてきており、労働組合と向き合う姿勢を強く感じるので、労働組合がまさにつかむべきチャンスであると考えている。

Q:人権デューデリジェンスに関して:

  • UNIが行っている投資家への働きかけの内容とは?
  • UNIが推進しているGFA(グローバル枠組み協定)は、人権デューデリジェンスを推進するのに効果的なスキームであると思うが、国連グローバルコンパクトやOECDガイドライン等と比べた違いは何か

A:投資家は、人権デューデリジェンスを遵守していない企業には投資してはならないというルールがある。具体的には投資家たちに悪質企業があるなど情報提供をしている。現在300の企業があり、場合によってはその投資家を集めて、問題になっている企業に対して行動をとることもある。具体的には、例えば介護分野においては、約4兆ドルを管理するアセットマネージャーに情報提供して取り組んでいる。また、テレパフォーマンス社においては、株価が大幅に下落したことがあったが、4年間働きかけをしてきた結果、今は助言や情報提供依頼を求められている。

 GFAには、労働者の基本的権利の尊重等の原則について関する協定であり、最も重要なのは、モニタリングと対話が組み込まれていることだ。世界中で遵守されるべきと考える。国連グローバルコンパクトは企業が一方的に宣言するもので、具体的にはモニタリングが確立されておらず、結社の自由の補償についての具体的な措置が盛り込まれていない。企業に責任を負わすことができず、現実価値のないものと考える。OECDガイドラインは、1~2年かけて紛争を解決していく場合には有効なツールであると考える。しかし、日常的な問題には実践的ではなくGFAの方が優れている。ただUNIは他の枠組みで上手く解決しない時には、このガイドラインを活用することがあり、バックアップとして有効であると考えている。

Q:リモートワークについて、日本では厚生労働省によるガイドラインはあるが法的拘束力はない。欧州は法整備が進んでいると聞くが、状況を教えてほしい。

A:欧州が進んでいるのは、コロナ禍前に「つながらない権利」についての法整備が確立していたためである。現在は、使用者側が労働者に行う監視カメラをどう制限していくかが、大きな課題となっている。監視カメラがオンでないと賃金を払わない使用者もいる。欧州では、このような行為は違法である法律で定められている。

「リモートワークの主要原則」を1年前に発表したが、リモートワークに関する労働協約を蓄積してまとめてあり、データベースはいつでも閲覧できる。例えば、イタリアの金融労組は、長期間交渉したリモートワークに関する労働協約を策定しており、このデータも閲覧することができるので、参考にしていただきたい。

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官(国際担当)から来賓挨拶を、また清水秀行連合事務局長、郷野晶子ITUC会長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。


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