UNI Apro、南オーストラリア州首相に当選したマリナウスカス氏を祝福

UNI Aproは、先般の南オーストラリア州選挙において、南オーストラリア労働党を勝利に導いたピーター・マリナウスカス氏を祝福する。

マリナウスカス氏が率いる労働党は、労働者の中核的な問題、特に健康とクリーンエネルギーの雇用に焦点を当て、選挙キャンペーンを展開した。

UNI Aproは、賃金窃盗の刑罰化、業務上過失致死罪の導入、偽装請負に関する規則の強化、看護師対患者比の改善など、選挙で提起された一連の労使関係政策に称賛を送る。これらは労働者の日常生活に深く影響する問題であり、有権者からの圧倒的な支持を得た。

また、政労使の三者社会対話アプローチに長年取組み、各当事者、そして最も重要な南オーストラリア州の人々の利益になるバランスをとるべく、連携して取り組んできた同氏を称える。UNI Aproは、このアプローチがマリナウスカス政権を支え、州の経済競争力を高め、働く人々の生活を向上させることにつながると確信する。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、同氏が勝利演説の中で、オーストラリア自由党について「対抗関係にあるが敵ではない」と表現した、その融和的アプローチを賞賛し、 「この平和的アプローチと建設的な三者関係の構築を求める姿勢は、ますます二極化する世界において民主主義を維持する上で不可欠であり、アジア太平洋地域の政府、企業、組合にとって素晴らしい手本だ」と述べた。

政界入りする前、同氏はUNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)の南オーストラリア支部の役員を務めた。そこでの最大の功績のひとつは、クリスマスと大晦日の半日祝日を法制化するキャンペーンを展開したことだ。マリナウスカス氏は、2018年にクロイドンの議員に初当選し、その直後に同州の労働党首となった。

UNI Aproは、南オーストラリア州新政府の今後の活躍を期待する。


セイロン銀行労組HSBC支部、経営陣に対する行動を強化

セイロン銀行労組HSBC支部は、HSBCスリランカの経営陣が2021~2023年の団体協約締結を遅らせていることへの不満を表明し、Wear Black(黒リボン着用)キャンペーンを開始した。

組合側は、3月上旬に予定されていた協議で前向きな結果が出ることを期待していた。しかし、3月中旬になっても解決のめどが立たないことから、組合は交渉決裂とみなし、より目に見える形での行動強化が必要との判断に至った。

セイロン銀行労組HSBC支部は、組合員に抗議の意思を示す黒リボンを着用させ、独自の「ブラックフライデー」を立ち上げた。4月1日以降、組合員は黒リボンを着用して出勤し、昼休み中も行動を共にしている。

スリランカ独立以来最悪の経済危機によって、組合の不運な状況はさらに悪化している。深刻な外貨不足のため、輸入品の食料、燃料、その他必需品を購入できない中、品不足と電力の途絶が人々の怒りを煽り、3月中、首都やその他の地域で抗議デモが発生した。

銀行のトップが多額の報酬等の利益を得た一方で、銀行の一般従業員は、甚大な危機の影響を緩和する団体協約への合意を拒否されたのである。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、こうした事態の進展に懸念を示し、「UNI Aproは、セイロン銀行労組HSBC支部のキャンペーンを全面的に支持する。HSBCスリランカの経営陣は、この経済危機の中、思いやりを持ち職員を助けるべきだ。その最善の方法は、これ以上の遅滞なく、組合と公正な団体協約を迅速に締結することだ」と述べた。


ドイツの文化・映画・メディア部門の労使、難民向け求人ポータルサイトを開設

ドイツの文化・映画・メディア部門の使用者団体と労働組合のネットワークが、パートナー組織のJobnet AGとともに、難民向けの求人情報をまとめたポータルサイトを開設した。戦火でドイツに避難せざるを得なくなったウクライナ難民を対象に、多言語(ウクライナ語、ドイツ語、英語、ロシア語)で情報を提供している。

労働組合ver.diのクリストフ・シュミッツ中央執行委員は、「戦争によって母国で働けなくなったウクライナの文化、映画、メディア分野の労働者やジャーナリストに、強い連帯のシグナルを送りたい。労働組合と使用者は、我々の社会に避難してきた人々が、従来の職業について生活できるように支援したい。避難という過酷な状況と今も続くウクライナの戦争は、我々全員に関わることだ。だが、我々のところに避難してきた仲間は一人ではない。劇場、オーケストラ、映画制作、ラジオ局、メディア企業、出版社における将来の同僚として、仲間を迎えたい」と語った。

この求人ポータルサイトは、ドイツにいる文化・映画・メディア部門の求人情報を掲載し、実際的な連帯を提供するものだ。サイトの開設時からドイツの関連部門で約5万件の求人があり、今後もネットワークのメンバーが継続的に求人情報を追加する予定だ。

ポータルサイトのさらなる充実に向けて、コミュニティページや語学基礎講座などの機能も、近い将来に追加予定だ。包囲されたキーウやリヴィウ等の都市にいるウクライナのJobnet AGの従業員も、ここ数週間、このサービスの開発に取組んできた。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「避難民は豊富なスキルやノウハウを持っている。心の傷を抱えて戦火を逃れてきても、人々の職業経験を消し去ることはできない。受入国は、難民を見て見ぬふりするのではなく、人々の経験を活かすことができるし、活かさなければならない。難民を社会の隅に追いやって、その脆弱な立場につけこんで搾取するような事態を許してはならない」と訴え、「このサイトは、組合と使用者が連携して人々の能力を評価し、ディーセントワークの機会を通じて、難民が望む安心できる生活を提供できることを示す、良い事例だ」と取組みに期待した。


テレパフォーマンス従業員、年間1000万ユーロ相当の無給労働-新たな報告書が推定

3月25日にUNIが発表した報告書『働きがいのある会社ではない:テレパフォーマンスでのより良い職場作りに向けた事例』には、全世界で40万人の従業員を抱えるテレパフォーマンスのコールセンター事業における広範な労働者の権利問題が詳述されており、中でも労働者が同社のシステムにログインする際の無給の労働時間は年間推定1000万ユーロにのぼるとしている。

この調査では、11か国における無給労働、安全衛生に関する苦情、労働者に対する過度の監視、積極的な労働組合回避が報告されており、3月下旬に行われた同社主要株主との非公開会議で初めて発表された。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この報告書は、世界中の労働者がテレパフォーマンス社の雇用改善を求めて組織化している理由を示している」と述べ、「同社の労働慣行には根本的な問題がある。同社の巨大な事業規模、グローバルな展開、仕事の未来に対する影響力の増大を考えると、組合や株主を含むすべての利害関係者が一丸となって変革を推し進めることが急務だ」と力を込めた。

英国に拠点を置くコーポレート・ガバナンスの分野で優れたコンサルティング会社PIRCが、「ソーシャル・ウォッシング」に関する調査結果を発表した1週間後に、今回の報告書『働きがいのある会社ではない』が発表された。PIRCの調査報告では、テレパフォーマンスが『働きがいのある会社』認定を労働力管理に関する主要な指標として使用していることが不適切である点が強調されている。

UNIの調査は、フランスのOECD連絡窓口が2021年8月に、結社の自由と安全衛生に関して労働慣行を改善するようテレパフォーマンスに勧告を出した後も、同社に深刻な問題が残っていることを示すものだ。これらの継続的な懸念に取組むため、UNIは社会的責任のある投資家に対し、同社への関与を強化するよう求めている。

同社の年次株主総会は4月14日に開催される予定だ。

数百万ドルの未払い労働

推定1000万ユーロ相当の無給の労働時間は、テレパフォーマンスの未払い賃金全体のごく一部であると考えられる。この数字は、同社が事業展開する80か国以上のうち、7か国でのログイン時間に対するものである。これらの国の従業員によると、業務に必要な複数のモニタリングやカスタマーサービス・プログラムへのログインは1日に10〜20分かかるが、この作業は 「勤務時間外」になるという 。

無給のログイン時間に加えて、同社では他にも数種類の無給労働が確認されている。例えば、シフト終了時刻を過ぎても通話が続く場合には賃金が支払われない、厳しいノルマを達成するために休憩時間も仕事にあてられる、インターネットや電力網が停止した場合も給与が差し引かれる在宅勤務、支払われるはずの賞与を受け取れない、無給のトイレ休憩などだ。

ポルトガルのある労働者は次のように語っている。「定時に仕事を開始できるよう、シフトの15~20分前にログインしなければならないのですが、このログイン時間には賃金が支払われません。(中略)シフトの終了時刻を過ぎても電話の応対をしている場合、その分の賃金も支払われません(中略)もちろん、これはきつい状況です。わずかな賃金しか払われていない上に、会社はこの時間外労働も支払わないので」

テレパフォーマンスで働く厳しい現実

パンデミック第一波の際のテレパフォーマンスにおける安全性の問題はよく知られているが、それに加えてこの報告書は、労働者の健康に影響を与える新たな危険、すなわち人間工学的に適切でない在宅勤務環境に関連する問題にも触れている。

テレパフォーマンスは、おそらく世界で最も多くの在宅勤務従業員を抱える企業の一つであり、UNIは、キッチンテーブルやプラスチック製の庭用家具、さらにはスーツケースを在宅勤務用に使用している労働者の事例を集めた。適切な人間工学的配慮を欠いた長時間のシフトは、手根管症候群や筋骨格系の問題、長期的な痛みを労働者に引き起こす恐れがある。

テレパフォーマンスの労働者は、過度の自宅監視によるストレスの増加や、ノンストップの仕事文化による身体的負担の増加についても報告している。ジャマイカのある労働者は、「10時間勤務で15分間の休憩すらないこともありました。(中略)会社は労働者を酷使しているし、精神的に虐待している。だって、36歳の大人の女性が、トイレで用を足しに行くのにも立ち上がれないなんて言われたら、笑えませんよね。(中略)多くの人が膀胱炎を訴えています。(中略)膀胱炎になって医者にかかると、給料がすっかり消えてしまいます」と証言している。

根強く残る組合忌避

組合による代表と団体交渉が実施されれば、労働者はこうした問題によりよく対処することができるだろう。だが、強力な組織化の取組みにもかかわらず、テレパフォーマンスが事業展開する80か国以上の国の大半で、労働者は組合に代表されていない。そして、ポーランドやアルバニア、コロンビアなどのように組織化されている場合には、報復、組合との交渉・対話の拒否、組織化に対する妨害などを経験してきた。

「OECDガイドラインに規定されている労働者の結社の自由と団体交渉の権利を尊重する」よう勧告が出ているにもかかわらず、労働者による組織化の取組みを挫き、テレパフォーマンスは従来の行動パターンを今も継続しているのである。

提言

UNIはテレパフォーマンスに対し、世界の従業員に以下の点を保証し、報告書に記載された問題に対処するよう求める。

・ ログイン時間やシフト終了後の延長時間分を含む、すべての労働時間に対する賃金の支払い 
・ 選出された労働者安全衛生委員会
・ 労働者に対する監視は、会社のセキュリティ上の必要性を超えない範囲であること
・ 在宅勤務の場合でも、労働組合を組織する結社の自由があること
・ UNIとのグローバル枠組み協定を通じ、あらゆる国で結社の自由や団体交渉の自由など、ILOの中核的労働基準を尊重し、適用すること


安全衛生を通じ、労働者の力を構築

UNIの新しい報告書では、労働安全衛生の改善に向けた組織化を通じ、組合がどのようにパンデミックに関わる課題に立ち向かい、力をつけてきたかを示している。

3月31日にUNI商業部会とケア部会が共催したウェビナーの中で、報告書『より安全な仕事と強い組合-安全衛生を通じた労働者の力の構築』が発表された。その中では、労働組合の昨今のキャンペーンに焦点が当てられ、安全衛生の諸課題が、世界中で自らの権利を求めて戦う労働者の結集点となってきた状況が浮き彫りになっている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「パンデミック中、労働安全衛生の諸課題が引き金となり、労働者の活動や組合の取組みが行われてきた。この報告書は、致命的なウイルスに直面した労働者を保護するため、UNI加盟組織がどのように立ち上がり、成果を勝ち取ったかを示すものだ。組合の戦略が功を奏し、組合員は、個人防護具へのアクセスが改善し、有給で病気休暇や検査や隔離のための休暇を取得し、重要な社会的役割を認識されるようになった。今後に向けて、組合はこうした成果を基に、より強力な労働運動を展開していくことができる」と述べた。

この報告書は、パンデミックの最前線で労働者が重要な役割を担っているUNIの2部会として、商業とケアの組合に焦点を当てており、労働組合が労働者の力を構築し、安全衛生を改善するため成功した5つのアプローチを示している。
1) 使用者との団体交渉で労働安全衛生を強調する。
2) 政界の指導者に、改革へ向けた圧力をかける。
3) 地域組織との共同行動に参加する。
4) 労働安全衛生委員会を組織化の触媒とすること。
5) メンタルヘルスの問題は、身体的な健康と同様の重要性があると定義する。

このウェビナーでは、アルゼンチンの商業サービス労連FAECYSのシーザー・グエレロ安全衛生担当が、講演の中で「労働組合がなければ、パンデミックはより致命的なものとなり、労働条件は安全性の損なわれたものとなり、エッセンシャルワーカーは得られるべき尊厳や公正な賃金を得ることができなかっただろう」と述べた。

FAECYSのロビー活動によって、アルゼンチン議会はすべての職場で安全衛生委員会の設置を義務付ける法案を検討している。可決されれば、労働者は職場において安全衛生委員会の委員を選出・任命する権利を持つことになる。

同国ではヘルスケア部門の組合FATSAの取組みにより、医療従事者が賃上げだけでなく、パンデミック時の尽力に対する一時金を受け取ることができた。FATSAのミゲル・ズビエタ 教育担当は、「組合は決してあきらめず、先頭にたち、COVID-19を労災として認定させるために取組んできた。これは、労働者が効果的な個人防護具を確保し、正当な賃金を受け取り、病気休暇を利用できるようにするために、絶対に欠かせない取組みだった」と振り返った。

米国では、全米食品商業労組(UFCW)が、食料品店の労働者が地域社会に食料や生活必需品を提供する役割について認識を高め、危険手当を交渉した。スタンリー・ガセックUFCWグローバル戦略シニアアドバイザーは、「正義は決して与えられるものではなく、勝ち取るものであり、我々は組合員のために正義を要求し続けなければならない」と述べた。

また日本からは、UAゼンセンに加盟するイオングループ労連の森木雅子社会政策局長は、カンボジア・イオンリテールワーカーズユニオンの安全衛生の取組みを報告した。従業員から現場の課題を集め、組合会議で分析と解決提案を考え、労使協議で発表、意見交換を行うなど、従業員目線の課題を話し合い、労使が協力して解決していくプロセスが、具体例を交えて共有された。

ネパールでは、UNI加盟組織の医療部門の組合UniPhinが、労働者がPPEやメンタルヘルスのサポート、休暇を確保できるよう支援した。プラティマ・バッタUniPhin財政兼オルグ担当は「多くの労働者にとって、UniPhinは希望の源であり、困難な時期に新しい組合員を組織することができた」と、述べた。

この報告書は、オープン・ソサエティ財団の資金援助を得て作成された。

報告書をダウンロードするには、ここをクリック。(英語)


アルゼンチンの金融労組、フィンテックのオープンバンクと協約締結

アルゼンチンでは3月下旬、UNI加盟組織のラ・バンカリアが、100%デジタルのオープンバンクとの間で、画期的な協約の締結に至った。この協約により、オープンバンクの労働者は銀行の従業員として認められ、今後は銀行部門の産別労働協約18/75の適用を受けることになる。この協約は、完全なデジタル企業の従業員の職業能力を促進するため、トレーニングの継続的な実施に重点を置いている。

UNI米州金融部会議長を務める、ラ・バンカリアのセルジオ・パラッツォ書記長は、「今回の協約は、銀行事業の成長や、デジタル社会における新しい働き方に向けた労使のコミットメント、そして労働者の職業能力の向上と生活の改善に対する共通の関心を反映したものだ」と語った。

加えて、ギジェルモ・マフェオUNI米州金融部会担当部長は、「オープンバンクのような100%デジタルの銀行とラ・バンカリアの間で結ばれた協約は、フィンテック企業で働く銀行員の地位を認める大きな一歩であり、当地域における我々の取組みの中でも最も重要なものだ」と祝福した。

この協約により、アルゼンチンの全銀行に適用される産別労働協約が、オープンバンクの労働者に適用されることになる。また協約には、養子縁組のための休暇、父親休暇、性的暴力や家庭内暴力の被害者のための休暇の権利が含まれている。また、育児費用、アルゼンチン金融システムの銀行が上げた利益の分配、長期休暇のために労働者に追加の支給を行うことが規定されている。

マフェオUNI米州金融部会担当部長は、「今回締結したのは、持続可能で安定した雇用を目指す今日的な意義を持つ協約であり、将来を見据え、包摂、ジェンダーの多様性、環境への配慮に重点を置いている」と強調し、「すべてのフィンテック労働者が協約でカバーされることになり、銀行従業員としての権利が尊重されるようになると確信している」と締めくくった。


韓国の宅配労組、過労死にNO

3月上旬、UNI加盟組織の韓国サービス労連(KFSU)傘下のCJ大韓通運宅配労組が、団体協約を締結した。韓国の物流分野で過労死を引き起こしている労働条件について、一歩前進である。

同労組は2021年12月28日、韓国最大の物流企業であるCJ大韓通運に対し、労働者への不当な扱いに抗議し、ストライキを開始していた。CJ大韓通運の代理店連合が、さらなる事業損失を抑制するために、最終的に組合に和解交渉を持ちかけたことで、2か月余りに及ぶストは2022年3月3日に終了した。組合員の9割以上が、今回の協約を承認した。

協約の主な条項は以下の通り。
1.組合員は「標準雇用契約書」に署名後、職場に復帰する。
2.CJ大韓通運を代表する代理店連合は、週6日勤務と当日配達保証という有害な条項に対処する補完的な協約について、組合と協議を行う。
3.すべての組合員は、組合員に対するいかなる法的請求についても責任を負わない。

組合声明の中で、ジン・キョンホ同労組委員長は、「我々は、過労死に至るような奴隷的な条件には戻らない。協約の締結を機に、社会の全面的な後押しを得て、過労死防止に向けた取組みを強化したい」と決意を述べている。また、カン・ギュヒョクKFSU委員長は、「配達員が尊厳のある人間らしい暮らしを営み、過労死の不安を抱えなくてすむよう、我々はこの闘いに加わる」と語った。

過労死の問題が再燃したのは、多くの企業がパンデミック時にEコマースに目を向け、当日または翌日の配達を顧客に約束したためだ。配送需要は、2021年に1983億ウォン(1億6210万米ドル)という記録的な営業利益を懐に入れたCJ大韓通運のような一部の企業を潤した。だが同時に、何千人もの物流労働者の仕事量は、指数関数的に増加した。物流企業は配達員に対し、実際の配達が行われる前に、商品の仕分けや分類といった労働を無給で行うよう、圧力をかけている。

こうした労力を要する作業は4~5時間にも及び、配達業務と合わせると、多くの配送員が法律で定められた週60時間労働(うち残業12時間)を大幅に超えて働いている。大きなプレッシャーがかかり、休息時間もほとんど取れない中、パンデミック1年目の2020年には22人の配達員が過労死に至った。

このような悲劇的で回避可能な死を防ぐために、2021年に三者構成による社会的合意が結ばれた。配達前の品目分類作業を改善する指針や、週あたり労働時間の上限を60時間とすること、配送料を1個あたり170ウォン(0.14米ドル)引き上げることなどが盛り込まれている。

だが、現場での実施は遅々として進まず、問題は続いていた。

配達員に無給で品目分類を行うよう要求し続けているターミナルもある。CJ大韓通運などの企業は、配送料を242.5ウォン(0.20米ドル)引き上げたが、同社が雇用する配達員は、1個あたり40.2ウォン(0.03米ドル)しか受け取れず、社会協定で推奨されている1個当たり170ウォン(0.14米ドル)とは、かけ離れた金額となっている。

会社が組合との対話を拒否したため、同労組は、中央労働委員会に申し立てを行った。委員会は、CJ大韓通運は元請として、組合と交渉する義務があるとの裁定を下した。しかし、同社はこの裁定を不服として行政訴訟で対抗した。配達員は下請業者として雇用され、当日配達の保証や週6日労働などの有害な条項を含むサービス基準契約を伴う個別契約を結ばされている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「組合の取組みに全面的に連帯する。パンデミックから2年が経過するが、この状況は我々が望むニューノーマルではない。エッセンシャルワーカーである配達員をタダ働きで搾取し、過労死させるようなことがあってはならない。CJ大韓通運のような大手企業は、雇用のあり方を見直し、配達員を下請業者ではなく、労働者として扱わなければならない」と述べた。


ジェニングス前UNI書記長、スイスの地方紙ラ・コートの「パーソナリティ・オブ・ザ・ディケード」賞を受賞

2018年まで、18年間にわたりUNI書記長を務めたフィリップ・ジェニングス氏は、UNIを労働者の権利のための強力な組織に育て上げ、人生をかけて平和と世界の労働者のために闘っている。

ジェニングス氏は、労働組合の強化に尽力してきた長年にわたる優れた経歴の中で、労働者の権利、平和、正義の世界的な闘士として知られるようになった。

ジェニングス前書記長は、「この賞を受賞することができて、本当に光栄だ」と喜びを語り、「ここで生まれたわけではないが、ラ・コートを故郷と呼べることを大変嬉しく、誇りに思う」と述べた。また、UNI本部のあるニヨンを含むラ・コートについて「このような活気に満ちた、国際的で心地よいコミュニティに根ざしていなければ、これほどグローバルなインパクトを与えることはできなかったと思う」と触れた。

国際平和ビューローの共同代表として、ジェニングス氏は受賞の機に、ウクライナの和平推進を全ての関係者に呼びかけた。

ジェニングス氏は、2018年のリバプール世界大会でUNI書記長を退任後、国際平和ビューローの共同代表として強力に平和を擁護し、スポーツ人権センターの理事としてスポーツにおける人権を推進し、ILOの仕事の未来世界委員会の委員として労働者の声を代弁するなど、多忙を極めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「フィリップの受賞を誇りに思う。彼は常にUNIとラ・コートのコミュニティの間に強い根を張ることに尽力しており、今回の受賞は、その取組みが大きな成果を収めていることが認められたものだ」と語った。


中南米のメディア・舞台芸術関連の労働者、約9割が暴力やハラスメントの被害に

UNIメディア部会と国際俳優連合(FIA)が3月18日に発表した調査報告書が、中南米の視聴覚・舞台芸術部門において労働者に悪影響を及ぼしている根深い性差別、差別、暴力、ハラスメントの文化に、スポットライトを当てた。この産業における暴力とハラスメントに関して、初めて組合が行った調査であり、最も被害を受けているトランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者を含めたものとして、初の地域レベルの取組みとなった。

調査は、中南米16か国を対象とし、1,423人から回答を得た。ただし、回答の大半は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー、ウルグアイの7か国から寄せられたものであり、その他の国からの回答は36件である。

調査によると、回答者の89.4%が、職場で暴力やハラスメントの状況を経験したことがあると答えている。その内訳は、トランスジェンダーまたはノンバイナリーの労働者が95%、女性が87%、男性が70%であった。

回答者の37.4%が、職場でセクシャルハラスメントの被害を受けたことがあると答えた。また42%が、職場のハラスメントやセクハラ、ジェンダーに基づく暴力の事例を拒絶し、または報告するために介入したことがあると答えた。メキシコでは、半数以上の54%が、職場でセクシャルハラスメントを受けたことがあると回答した。

回答者の半数以上となる55.4%が、職場環境におけるセクシャルハラスメントの状況を認識したことがあると回答し、最も多いのはメキシコの68.5%であった。

ペルーでは、回答者の65.4%が、自分または同僚の誰かが暴力やハラスメントの被害を受けたために、仕事に行くのが怖い、または行きたくないと思ったことがあると回答した。その割合が最も低いウルグアイでも、半数以上の52%が同様に回答した。地域全体では、その割合はトランスジェンダーおよびノンバイナリーの人で86.5%、女性で61.7%に上った。

女性の81%、トランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者の76%が、職場環境で「マイクロマチズモ」(男性優位社会の日常生活に埋め込まれた、言葉使い、思考、意識、ふるまいや習慣的行動のこと)を経験したことがあると答えたのに対し、男性で同様の回答をしたのは、26%であった。これは、男性優位の思考やマッチョな行動が常態化しており、女性やトランスジェンダー、ノンバイナリーの回答者が、萎縮、抑圧させられ、追いやられた立場に置かれている状況を示すものだ。

トランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者の73%が、「上司や同僚の誰かに無視されたり、過小評価されたりしたことがある」と回答しており、女性の61%、男性の41%に比べ、その割合は高い。

また、トランスジェンダーおよびノンバイナリーの労働者の75.7%が、ジェンダーに基づく暴力によってキャリア形成が制限されたことがあると答え、女性の55%に比べて高い割合となっている。同じ理由でキャリア形成を制限されたと感じたことがあると答えた男性は27.5%であり、ちょうど女性の半数である。

暴力やハラスメントに対する苦情を言うことについて、回答者の70%が「内部告発は悪い結果につながる可能性がある」と考えている。さらに、使用者はこうした事例に対して取るべき措置を心得ていて信頼できる、と答えた回答者は、わずか26%であった。この2つの傾向は、調査で確認されたすべての国、部門で見られた。

UNI世界メディア部会副議長を務めるブラジルのソニア・サンタナSindcine委員長は、「今回の取組みは、中南米の各国に対する非常に重要な調査であり、職場の暴力やハラスメントを理解し、それに立ち向かっていくための知識を与えてくれる。中南米には全体的にマッチョな文化があり、立ち向かっていかなければならない。ハラスメントの形態を明らかにすることは、そのための方法の1つだ」と、調査の意義について語った。

アリシア・ドリオッティFIA副会長は、「職場環境における女性やトランスジェンダー、ノンバイナリーの労働者に対する暴力は、嫌がらせ、セクハラ、差別待遇、賃金差別、雇用制限、ガラスの天井など、さまざまな形で現れている。我々は、具体的な政策を推進していくために、明確で正確な分析を緊急に必要としていた。この調査は、より公平で望ましい労働条件を生み出し、安全で尊厳のある、平等で多様性を尊重する職場づくりをしていくために、分析を行い、必要なネットワークを構築していく上で、素晴らしいツールだ」と述べた。

また、この報告書には、こうした問題に関する教育・訓練・広報活動、プロトコル、団体交渉、地域間の労組ネットワークなど、組合に対する重要な提言も盛り込まれている。

調査で集まった匿名の証言:

―妊娠を理由に、2つのコメディーから、リハーサル途中で「引退勧告」を受けた。

―ある面接で部長からキスを求められ、断ると「本当にこの仕事がしたかったら、どんなことでもするはずだ」と言われた。

―役に起用する代わりに、飲みに誘ってくるプロデューサー

―監督の挨拶時に「社交上の義務」としてハグをする際、適切な時間よりも長かったり、合意のないまま接触する等の不適切な行為があった。

―舞台上での不当な扱い、冗談や軽蔑を含んだ口調での嘲笑や侮辱

―部下は全員男性で、私が上司になるのを嫌がっている。私の指示には疑問を持つが、男性が同じ指示を出せばそれに従う。

関連資料:UNIおよびFIAによる中南米における暴力とハラスメントについての調査(英文)


英コンサル企業の報告書、テレパフォーマンスの役員報酬指標に一石

欧州最大級の独立系コーポレートガバナンス・コンサルティング会社PIRCの調査は、『Grate Place to Work』(働きがいのある会社、略称:GP2W)の認定は、離職率や、CEO:従業員の給与比率といった、厳密で検証可能な指標の代わりにはならないことを明らかにした。

コーポレートガバナンスの分野で優れた実績をもつPIRCは今週、テレパフォーマンス等の企業が巨額の役員報酬を正当化し、企業イメージを「ソーシャルウォッシング」するために用いている疑わしい指標について、調査を発表した。

この調査は、FTSE EuroFirst指数に含まれる大手上場企業12社の報告書と報酬に関する方針を調査したものである。PIRCが明らかにしたのは、役員報酬を設定したり、不適切な慣行や規制リスクから注意をそらしたりするために、多くの場合これらの企業が、不透明で検証不可能な「ブラックボックス」のデータが横行する、規制の整備されていない巨大な認定業界に依存しているという実態だ。

労働分野の専門家であるPIRCのアリス・マーティン氏は、「雇用基準を評価する場合、企業側の主張や、企業に雇われた営利目的のプロバイダーの評価を、文字通り受け取ってはならない」とし、「世界的な巨大使用者であるテレパフォーマンスは、従業員の使用する画面を監視・記録していると非難されているが、この事例は、企業が行った従業員意識調査が、従業員の実際の処遇について意味あることを何も教えてくれない理由を示している」と鋭く指摘し、「このような欺瞞的な尺度に基づいて役員報酬を支給することは、ソーシャルウォッシングに等しい」と批判した。

ビジネスサービス大手のテレパフォーマンスが、『GP2W』認定を利用しているのは、まさにその典型的なケースだ。40万人近い従業員を抱えるこのフランス企業は、事業を行う80か国以上で定期的に『GP2W』の認定を公表している。テレパフォーマンスは、こうした認定に関連し、手数料を支払っている。

同社は、前年度の認定件数と、子会社を対象とした従業員意識調査「E.sat」を用いて、役員報酬を決定している。ダニエル・ジュリアン会長兼CEOは、これらの指標を基にした非財務的指標に関する業績に対し、2021年に262万5千米ドルを受け取った。

しかしPIRCは、Grate Place to Work Instituteが採用しているE.sat等の従業員意識調査は、透明性に欠け検証不可能であり、価値の低い情報を提供していることが多いと指摘している。また、テレパフォーマンスのように監視の厳しい職場の従業員は、こうした調査は機密性に欠けていると感じている可能性がある。

国際的なメディアで取り上げられ、OECDのフランス連絡窓口に提出された、労働者に対する数々の虐待的な待遇の記録に照らせば、テレパフォーマンスが従業員意識調査データを使用することには限界があるのは明らかだろう。

『働きがいのある会社』認定は、労働慣行に関する2つの重要な指標である、従業員離職率および、CEO対従業員の給与比率とも矛盾しているようだ。テレパフォーマンスの2021年の離職率は90.55%と極端に高く、世界中の事業所でほぼすべての労働力が毎年入れ替わっている。4分の3以上の労働者が、1年以内に辞めているのだ。フランスの週刊誌Politisは、同社のCEOと従業員の給与比率が1255:1と、他のCAC40企業(ユーロネクスト・パリに上場する銘柄の中から、時価総額上位で出来高の大きい40銘柄で構成される)の10倍以上であることを明らかにした。 ジュリアンCEOの給与は2019年に195%跳ね上がり、今年も上昇する予定であることを考えると、この巨大格差が縮まったとは考えにくい。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「PIRCの調査が我々に気付かせてくれるのは、『働きがいのある会社』と呼ばれているからと言って、まっとうな職場であるとは限らないということだ」と述べ、「この調査が示しているのは、ESG(環境・社会・ガバナンスを考慮した)投資家は、企業慣行を真に理解するためには、売買される従業員満足度調査ではなく、労働組合など現場のステークホルダーと連携しなければならないということだ」と強調した。


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