南アジアにおける循環型経済について対話の道を開くUNI Apro金融部会

2023年4月5日、ラジェンドラ・アチャリャUNI APRO地域書記長と北村聡太UNI APRO金融部会議長が率いるUNI APRO金融部会の代表団が、ネパール・カトマンズの南アジア地域協力連合(SAARC)の事務所を表敬訪問した。

表敬は、UNI Apro南アジア金融労組協議会(SAFSUC)とネパール金融労組(FIEUN)全国大会の開催に併せて行われた。
なおSAFSUC会議及びFIEUN全国大会には、UNI-LCJ金融部会から8名がゲストとして出席し、参加者と意見交換するなど交流を深めた。

SAARCは、南アジア8か国の経済・政治地域組織で、地域の経済成長、社会進歩、文化的発展の促進を目的とし、1985年に設立された。バングラデシュ、インド、ネパール、パキスタン、スリランカの金融部会の労組役員を含む代表団を、エサラ・ウィーラクーンSAARC事務局長が、温かく迎え入れた。

UNI APRO金融部会代表団は、ウィーラクーンSAARC事務局長に、持続可能な開発のための循環型経済について、SAARCと協力していきたい旨を伝えた。このテーマは、最近開催された第6回南アジア金融労組協議会(SAFSUC)や、ネパールのUNI加盟組織FIEUNの第9回全国大会でも基調講演として取り上げられたものだ。

ウィーラクーン事務局長はこうした提案を歓迎し、SAARCとの関わりについて前向きな意見と助言を述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI APRO地域書記長は、SAARC事務局長への訪問の機会を喜び、「今回、初めて前向きな良い意見交換の場を持つことができた。近い将来、共通の課題についてより良い社会対話を促進するため、この関係をより発展させていくことを楽しみにしている」と述べた。


モンテネグロのテレコム社員、補償と権利向上を獲得し、136日間のストライキを終了

モンテネグロのテレコム労働者は、労働者の権利、労働組合の権利に関する改善要求を実現し、136日間にわたるストを終えた。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「ツルノゴルスキ・テレコムの労働者がストライキを成功させ、労働者と労働組合の権利について改善要求を達成したことに、祝意を表したい。この勝利が示すのは、集団行動の力と、社会的・経済的正義を実現する上での連帯の重要性だ。労働者の闘いを支援できたことを誇りに思うとともに、今後も労働者の権利と職場における公正な待遇を提唱していく」と喜んだ。

2022年11月16日に始まった今回のストライキは、2023年3月31日に解決し、ツルノゴルスキ・テレコムの従業員はスト期間中の補償を受け取った。モンテネグロのテレコム労組は、闘争中にUNIやOTU等の組合から受けた連帯支援に感謝の意を表し、今回のストの成果が、労働者と労働組合の権利をさらに改善していく契機となることを期待している。

2027年末を期限とする今回の協約では、賃金の引き上げ、冬季手当、目標達成賞与、従業員の福利厚生の向上が盛り込まれている。任意加入となっている民間の健康保険は継続され、2023年末にその延長について検討される予定だ。


韓国産業銀行労組、同行の強制移転に反対

韓国産業銀行(Korea Development Bank: KDB)を首都ソウルから南部の港湾都市プサンに移転するという政府決定に対し、UNI加盟組織である韓国金融産業労組(KFIU)傘下のKDB労組は、過去300日以上にわたって闘いを続けてきた。

この移転計画は、地方都市への投資と開発を強化するという韓国政府の新政策の下での決定であり、KDBは対象となる公共団体の一つとなっている。

KDBは現在、銀行、証券会社、資産運用会社、会計事務所、コンサルティング会社など主要な金融機関が集まる、ソウル市ヨイド区にある。

2023年3月22日に民主党のキム・ハンギュ議員との間で行われた協議では、KFIUは移転計画について大きな懸念を表明し、KDB労組の立場を支持することを表明している。

その際にキム・ヒョンジュンKDB労組委員長は、移転計画が成功しない理由について、次のように説明した。
‐産業銀行がソウルから移転することは、金融の中心地であるソウルの戦略的立地を手放すことになる。
‐ソウルからの移転を望まない優秀なスタッフが去り、既存の顧客にも悪影響が及ぶ。また、緊急時の政策調整もより困難になる。
‐地方の強化が重要であることには同意するが、このような政策には、KDB等の影響を受ける団体の特性を考慮しない一律のものでなく、特別で的を絞った対策が必要。

パク・ホンベKFIU委員長も、「KDBの移転計画が進めば、KDB事業の基本的な強みが損なわれ、長期的には国民経済のためにならない」と同意した。

UNI Aproは、KFIUやKDB労組の取組みを全面的に支持し、「組合に連帯するとともに、影響を受ける職員や、職員の懸念を代表する組合との協議が不足しているであろうことを懸念する。我々は、KDB経営陣と関係当局に対し、この移転が国の金融および産業に与える影響と、職員や家族に与える影響を真剣に考慮するよう求める」との声明を出した。

1954年に設立されたKDBは、国内有数の金融機関であり、政策金融やリストラクチャリング計画を通じて産業発展を促進し、特に港湾、造船、自動車、鉄鋼製造部門への融資において、韓国経済において歴史的に主導的な役割を担ってきた。また同行は、破綻すれば経済・社会に壊滅的な影響を広範囲に与えることになるような経営難に陥った韓国企業の救済という重要な役割を果たしてきた。


UNIフィリピン加盟協、上院議会に地域医療従事者を保護する法案の承認を要請

UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)は、同国の上院議会に対し、バランガイ医療従事者のマグナカルタ(上院版)の承認を早めるよう、要請した。この法案は、数十万人のバランガイ医療従事者(BHW)の福祉と利益を守ることを目的とする画期的な法案であり、2022年12月12日に、下院の第3読会と最終読会で承認されている。

BHWは、応急処置、母子・新生児保健、小児保健、予防接種を含む地域ベースのケアなど、国内の数百万人に地域医療を提供しており、COVID-19パンデミックにおいては、草の根で活動した医療界の名もなき英雄である。現在、246,333人のBHWがおり、そのうち242,966人が女性である。

増加するフィリピンの人口はこの記事を書いている時点で1億1700万人を超えている。人口20人に対して1人のBHWという割合が理想とされているため、フィリピン人の医療ニーズに十分に対応するには、現在のBHWはあまりにも少なすぎると言える。

BHWのマグナカルタ法案(HB6557)は、BHWに包括的でより良い手当を提供することを目的としており、従来の法律に記載された条件から大幅に改善されたものだ。提供される手当の中には、危険手当、交通手当、生活手当、退職一時金、健康手当、保険適用、休暇・産休手当、現金賞与、障害者手当、5年以上継続勤務したBHWSへの公務員資格の付与などがある。

さらにこの法案は、内務・地方政府省および地方政府単位に、差別行為やBHWの不当解雇に関する苦情処理機構を設置することを義務づけている。また、保健省を通じて、BHWの継続教育や研修プログラムも提供される。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、この動きを歓迎し、「経済面その他の社会保護給付の拡大や、法案の下でのBHWの雇用、結社の自由、公務員資格へのアクセスを保護する苦情処理機関の設立は、BHWの非正規雇用から正規雇用への公正な移行に向けた歓迎すべき進展だ」と語り、「パンデミックのさなかに、マスクや手袋、防護服などの適切な個人防護具を持たないBHWは、COVID-19の患者を自宅から地方や都市の保健センターや病院に連れて行っただけでなく、政府による大規模なCOVID-19ワクチンキャンペーンにおいても、主要な推進力だった」と付け加えた。

レイニア・クルスUNI-PLC事務局長は、 UNIやUNI Aproの支援を受けたこのプロジェクトは、UNI-PLCの優先プロジェクトの1つであり、BHWのマグナカルタ法制化を積極的に推進していくと述べ、「時間が肝心であり、強く働きかけていく。我々の英雄であるBHWに 多くの感謝を返すべく、正当な社会的保護、社会対話、雇用保障、結社の自由が与えられなければならない」と決意を語った。

UNIは、UNI Aproを通じて、アジア太平洋地域、特にネパール、インド、パキスタンの労働条件、社会対話、福利厚生の改善を求めるキャンペーンを展開している。COVID-19パンデミックにより、これらの労働者は、適切な個人保護具を持たずに都市部や農村部でCOVID-19の患者をケアすることが多かったため、より大きなリスクに晒されてきた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UNIは、UNI-PLCや地域医療従事者に連帯する。この法案が成立することで、世界中のケアワーカーに勝利と刺激をもたらす。フィリピン上院に対し、法案への『賛成』を投じる呼びかけに、我々も賛同する」と力を込めた。


UNI世界女性委員会、フィラデルフィア世界女性大会に向けて

2023年3月27~28日、スペイン・マドリードでUNI世界女性委員会が開催され、19か国からUNIの全部会を代表する約40名が参加した。2023年8月25~26日にフィラデルフィアで開催されるUNI世界女性大会の前に、女性委員が集まるのは今回が最後だ。

会議では、UNIの次の4年間の戦略的優先課題に焦点があてられた。具体的には、UNI組織における女性の参加と40%ルールの継続・維持・拡大や、暴力とハラスメントの根絶に関するILO第190号条約批准のためのキャンペーン、メンタリング・プログラムの推進などが含まれる。

女性委員会では、8月の大会で投票に付すための多くの動議が取りまとめられており、安全衛生におけるジェンダーの視点、組合活動における女性参加の強化、女性に対する暴力やハラスメントを無くすための行動、同一労働同一賃金や生涯学習へのアクセスを含むディーセント・ワークのための闘い、労働組合運動における若手女性の能力開発などが含まれる。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「今後4年間の野心的な計画を策定している。8月の大会に向け、部会や大陸も様々な何百人もの姉妹と協力し、世界中の女性の労働条件を改善できるよう、提案をまとめていくことを楽しみにしている」と語った。


グーグル初の欧州労使協議会、労働者の代表性を強化

スイスや英国を含む欧州のグーグル労働者は、まもなく史上初の欧州労使協議会の協約対象となる。これによって従業員は、自らの利害に影響を与える決定について、情報を提供され、協議を行う権利を持つことになる。 2023年3月下旬に締結された今回の新しい協約は、この巨大テック企業が従業員への適切な通知や従業員からの十分な意見聴取もなく欧州全域で解雇を実施する中、極めて重要なものだ。

このグローバルな人員削減プログラムは、特にグーグルにとって欧州の3大拠点である英国、アイルランド、スイスにおいて、組合員数が加速度的に増加する一因となっている。

協約によって、同社で初の欧州労使協議会(EWC)が設立される。EWCは、欧州に拠点を置く企業の従業員を代表するものであり、企業はEWCを通じて情報を共有し、労働者代表と協議しなければならない。また欧州レベルでの雇用や労働条件に影響を与える可能性のある決定について、労働者代表はEWCを通じて協議することができる。EWCを従業員が開始した場合、2つ以上のEU加盟国で事業を行う企業には、法的義務が発生する。

労使協議会を設置する協約は、欧州で活動するさまざまな国の労働者代表で構成される特別交渉機関(SNB)で交渉される。SNBのグーグル労働者代表は、ユナイト労働組合でEWCを担当するジョナサン・ヘイワード氏の支援を受けており、同氏は3年以上にわたってSNBと同社の交渉を支援してきた。ユナイト労組も、グーグル労働者の組織化を支援してきた。

英国は、欧州でも最も大きな労働力を抱える国の一つであり、SNBのグーグル従業員は例外的に、英国とスイスというEU非加盟の2か国を含める交渉に成功した。 ヘイワード氏は、「グーグル経営陣との間で、英国とスイスの労働者を含めるという合意を得るとともに、その他多くの重要な改善が協約に盛り込まれ、大きな飛躍となった」と述べた。

グーグル労働者は、今後6か月以内に、EWC代表を投票する予定であり、選挙後すぐに、EWCは運用を開始する。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「労組による組織化や、全国的な協約の推進について、UNIは支援を続けていくが、今回の協約は欧州レベルで労働者の声を反映させる上で大きな一歩となる」と述べた。

UNIは長年、欧州および世界中のグーグル労働者を含むテックワーカーの国境を越えた組織化を支援してきた。今回のEWCの新たなスタートにより、組合は『Googlers getting organized(組織化されたグーグル社員)』という検索フレーズが広まるだろうと見ている。

グーグル労働者を代表する労働組合は、グーグルなどの規模や重要性、影響力を持つ企業は、広く仕事の世界に影響を与えることから、これをテック業界における大きな進展と捉えている。

ユナイト労組は、組織内のデジタル及びテックワーカーの活動家や専任役員を通じ、デジタル経済の最前線に組合を位置付けていく構えだ。


日本のUNI加盟組織、賃上げを要求し歴史的な動きを牽引

日本のUNI加盟組織が、4月の新年度を前に、予想を上回る賃上げ要求で国内のアナリストや観測筋を驚かせている。

毎年2月~3月にかけて行われる年次賃金交渉(「春闘」と呼ばれる)では、これまで日本の労働組合は控えめな賃金要求を選択していたため、今回の要求は波紋を広げている。

これまでの春闘は、1990年代後半の日本のデフレ経済に端を発したものである。2022年の世界的なインフレによって日本の消費者と家計がコスト増に見舞われるようになり、ここ最近の数か月まで、その傾向は続いていた。

日本では、コアインフレ率(食費を除く)は4%を超え、中央銀行の目標値を超え、41年ぶりの高水準に達している。この状況は多くの日本の労働者にとって、給与がインフレに追いつかない場合、実質賃金が目減りする危険性があることを意味する。

政府は、インフレに連動した賃上げを企業側に公然と求めており、国民感情も、家計が生活費の上昇を乗り切れるような措置を望んでいる。日本の労働組合、特に主要なサービス産業部門を抱えるUNI加盟組織は、30年近く続いた賃金の横ばいサイクルを断ち切るための機会と捉えている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2月に開催された日本UNI加盟組織連絡協議会の年次総会で日本の加盟組織と会談し、春闘交渉を前にした前向きな姿勢に感銘を受け、次のように語った。「日本の加盟組織が力を示し、労働者の賃金・労働条件の歴史的な改善を実現するためのこの好機を捉えていることは非常に素晴らしい。特に、ここ数十年で日本が経験したことのない高い賃上げを率先して求めて闘った加盟組織を誇りに思う。」

日本の加盟組織はすでに成果を上げており、例えばUAゼンセンは過去10年で最大となる4.56%の賃上げを獲得した(3月16日時点)。多くの流通・サービス加盟組合の交渉が集中回答日に先行して要求のほぼ満額で妥結しており、全体の賃金闘争を牽引している。とりわけ短時間(パートタイム)組合員の処遇については、UNIがGFAを結んでいる髙島屋労組で5.64%、イオンリテールワーカーズユニオンでは7%、と高い水準での賃上げを達成し、雇用形態間格差是正の流れが加速している。

自動車総連も、組織化する製造部門において例年にない高水準での妥結が進んでおり、続いて販売部門も魅力向上と人材確保に向けて交渉を続けている。

JP労組は、正社員に関し、定期昇給と社員一人当たり4,800円のベースアップを勝ち取った。なお、ベースアップは新卒初任賃金・若年層の賃金改善に傾斜配分し、これにより初任賃金は1万円以上改善となる。一時金年間は4.3月。また、全社員に、特別一時金70,000円の回答を引き出した。


インフレ時の団体交渉:労働組合の対応

UNI欧州の新たな調査報告、『すべてが上がる – 欧州の団体協約における自動賃上げ』は、高いインフレ率の時代に、労働組合がどのように交渉するかについて、焦点を当てるものだ。

欧州では2021年以降、生活費の急激な高騰に見舞われている。COVID-19パンデミックによるサプライチェーンの混乱、ウクライナ紛争後のエネルギー価格の上昇、企業収益の増加などが原因となり、インフレ率は多くの地域で2桁に達した。こうした状況が労働者の購買力に大きな影響を及ぼしているため、団体交渉の主要なテーマとなっている。

従来、労働組合は定率の賃上げを交渉の対象としている。しかし、予測不可能な高インフレの時代には、このアプローチは困難に直面する。解決策の1つとして、インフレ率に連動した(半)自動賃上げの実施が考えられる。このような方式は、「賃金の物価スライド」または「生活費調整(COLA)」と呼ばれる。

団体協約にこうした条項を盛り込むことで、将来のインフレ率に合わせて賃金が調整され、実質的な賃金保障と名目的な柔軟性がもたらされる。高インフレ下でも、労働者の購買力は保証される。同時に、交渉当事者は、交渉期間中に賃金がどれだけ上昇するか正確に知ることはできない。インフレ率が高い時期には、概して賃金の物価スライドやCOLA条項が好まれる。

報告書ではまず、多くの国で現在、労働組合がこうした条項を導入していることを紹介している。同時に、賃金をインフレに連動させる範囲と方法の両方において、かなりの多様性がみられる。だが、賃金連動方式は以前考えられていたよりも広範囲に普及している一方で、社会パートナーが団体協約にこのような条項を盛り込むことに反対している多くの国々では、依然としてこの方式は存在しない。

本報告書は、高インフレの影響と闘う上で、団体交渉がどのように貢献しうるのか、具体な事例を示すことで労働組合を支援することを目的としている。
報告書(英文)は、こちらから


UNI、反ファシズムの労働組合ネットワークに参加

UNIとUNI欧州が、反ファシズム労働組合の国際ネットワークのマニフェストに署名した。マニフェストは、集団的な行動を通じて、社会正義の推進、人権の擁護、民主主義の強化に取組むものだ。

近年、世界各地で、強権化、反対派の弾圧、民主主義制度の弱体化を目論む指導者を擁する、危険な権威主義体制の台頭が憂慮されている。また欧州では、極右グループややファシスト組織の脅威が高まっており、暴力やヘイトスピーチを用いて過激な主張を推進するグループもある。

ネットワークは、イタリア労働総同盟(CGIL)が、ファシストによるローマ本部への襲撃事件から1年を機に発足させたものだ。民主主義の擁護、人権の促進、あらゆる形態の人種主義、性差別、差別との闘いに取組んでいく。ネットワークの参加組織は、極右イデオロギーの拡散に対する連携した対応と、民主的価値を保護する必要性を強調している。

ローマでネットワークの結成に参加したオリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「労働組合は民主主義の拠り所だ。ファシストが組合運動を嫌うのは、そのためだ。排除を説き、最も弱い立場の者を責め立てようとする者は、働く人々の間に分断の種をまこうとするものであり、我々の友人ではない。彼らは、排除と不平等を生み出している真の責任者から、人々の注意をそらそうとしている。我々の答えは、常に民主主義を支持し強化するということだ。職場における民主主義と社会における民主主義は、同じコインの表裏の関係にある。団体交渉はポピュリズムに対する解毒剤だ」と訴えた。

UNI 欧州は昨年、「民主主義の支持と強化」をテーマに、欧州の組合が一堂に会する会議を開催し、職場やそれ以外の場所でこの目標に向かってどのように取組んでいるか、意見交換を行った。


クレディ・スイスの従業員に救済措置を

スイス政府が積極仲介したUBSによるクレディ・スイスの買収により、クレディ・スイスとUBSの従業員は、大きな不安を抱えることになった。UNI加盟組織のスイス銀行従業員協会(SBEA)は、両行の幹部やスイス政府と連絡を取り合っている。SBEAは、従業員の救済策を取りまとめるため、銀行、社会パートナー、当局を含むタスクフォースの設立を要求している。

従業員が買収に伴う影響によって取り残されないよう支援するため、SBEAは以下の優先目標を発表した:

  1. 雇用喪失は、必要最小限に抑えなければならない。
    SBEAは、2023年末まで解雇を凍結し、その後にソーシャルプランの一環として回避不能な解雇の実施を求める。再就職が特に困難な55歳以上の従業員に対しては、解雇に対する特別かつ強力な保護が必要である。可能であれば、金銭的な補償のある早期退職を最初の選択肢とすべきである。
  2. 人員削減の影響は、可能な限り軽減されなければならない。
    早期退職などによる人員削減が不可避な場合や実施される場合には、UBSとクレディ・スイスは、影響を受ける従業員に対し、徹底した再教育などを通じて、新しい職への移行を容易にするための取組みをする必要がある。金融部門では熟練労働者が不足しているが、買収によって、銀行部門の労働市場が吸収できないような規模の人員削減が行われる恐れがある。
  3. 十分な試行を重ねた社会保障制度を、さらに拡充しなければならない。
    クレディ・スイスとUBSの全従業員に追加措置を適用することが必要である。UBSとクレディ・スイスの現行のソーシャルプランは、通常のリストラにおいては良い手段であるが、今回の買収はそれをはるかに超える規模のものであり、社会パートナーであるSBEAと追加措置について交渉する必要がある。

さらに、国が将来の雇用を保証しなければならない。企業が税金で保護されて、従業員は手ぶらで出て行くという状況は、容認できない。銀行の救済は、雇用の救済を意味するものでなければならない。スイス政府による10億フランの保証は、従業員に利益をもたらす条件とリンクさせるべきであり、政府はその費用を直接負担すべきである。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「我々は、クレディ・スイスの従業員と労働組合SBEAを全面的に支援する。他がすでに対処を受けているのに、従業員にツケを回させるわけにはいかない。労働者の税金が投入されるのであれば、労働者の利益を第一に考える必要がある」と強調した。


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