アルゼンチンの組合に連帯!公共放送と民主主義を守ろう

UNIはメディア部会の加盟組織に対し、アルゼンチンの公共放送を守るために闘う同国の労働組合を支援するよう、呼びかける。

アルゼンチンの極右大統領ハビエル・ミレイ氏が、アルゼンチンの公共放送グループであるラジオ・テレビジョン・アルヘンティーナ(RTA)の解体を宣言したのである。これには、51の公共ラジオ局や、カナル7(アルゼンチンで最も古いテレビネットワークで、民間企業がカバーしない遠隔地への放送に長年の歴史がある)などの有名チャンネルが含まれる。この他、スポーツ専門チャンネルのdeportv、教育専門チャンネルのencuentroとpaka pakaも危機に瀕している。

アルゼンチンでは現在、採択されれば政府に公共メディア組織を民営化・解体する権限を与える法案が審議されている。何千人もの雇用を脅かし、民主主義への攻撃となる動きだ。

しかし、行動を起こすのに遅すぎるということはない。アルゼンチンのUNI加盟組織は、公共放送と独立メディアに対するこの攻撃に反撃するため、国際的な連帯を訴えている。

アルゼンチンの議員に書簡を送ることで支援を示そう。公共放送は存続の必要があることを議会に説得するよう、働きかけよう。そして、この重要な問題について世論を喚起するため、以下のハッシュタグを使用し、ソーシャルメディア上で我々のメッセージを広めよう。#defendamoslosmediospublicos #lapatrianosevende

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「公共放送を破壊しようとするミレイ大統領の策略は阻止しなければならない。強固で独立したメディアは、民主主義が十分に機能するために不可欠である。独立したメディアによって、文化の多様性が促進され、信頼できる情報への普遍的なアクセスが可能になる。我々はアルゼンチンの加盟組織とともに、この国の豊かな公共メディアを次世代のために守るよう、議員に呼びかける」と、コメントした。

マシュー・ローブUNI世界メディア部会議長は、議員に宛てた書簡の中で「世界中が、公共放送に対するこの攻撃の動向と、この局面においてアルゼンチン議会が果たしている重要な役割を注視している。我々は、アルゼンチンの組合SATSAID、すべての姉妹組合、アルゼンチンの公共メディア労働者と連帯し、彼らを支援する。(…中略…)政府が、アルゼンチン国民にとって有害なこうした政策を進めるの全力で阻止するよう、お願いしたい」と述べている。

ホラシオ・アレセイゴルSATSAID書記長は、「アルゼンチンの公共メディアはまさに崖っぷちの状況にある。雇用を守り、表現の自由、文化の多様性、民主的価値観の原則を守るために闘う中、UNIと加盟組織の支援に非常に感謝している」と述べた。

ミゲル・パニャグァUNI米州メディア部会議長は、SATSAID、SALCO、AATRAC、SUTEPとともに公共放送を守るべく団結している部会内の結束力を強調するとともに、民主主義の質はこの集団的な取組みにかかっていると述べ、文化的多様性と言論の自由を尊重するメディアの必要性を訴えた。


韓国コストコ労組、2度目のストライキと米大使館ピケを実施

UNI加盟組織である韓国サービス労連(KFSU)傘下の韓国コストコ労組は、2023年6月に韓国コストコで発生した熱中症による若年労働者の死亡事故後に、真摯な対応を欠き強硬な姿勢をとっている同社に対し、2024年4月27日に2度目のストライキを実施した。

2月に行われたストライキでは、1000人以上の労働者の時給が引き上げられた他、新たな組合支部が結成されるなど、前向きな変化が見られた。しかし、同社は依然として新たな団体協約の交渉を拒否している。

2度目のストライキは、ソウルのコストコ本社である光明店の前で行われ、全国から集まった韓国コストコの労働者とストを支持する組合が力強く結集し、「労災死亡事故について謝罪せよ!不当な労働慣行をやめろ!労働環境を改善せよ!団体協約を勝ち取れ!」という力強い訴えの下で団結した。

コストコ支部の闘いへの連帯を示す80本以上の横断幕に囲まれたストライキ集会では、米国大使館へのアピールハガキを書いたり、参加者が紙飛行機に願いを書き込む象徴的なパフォーマンス等が行われたりした。集会では、4月24日に韓国コストコ闘争を支援するため採択されたUNI Apro商業部会の決議も発表された。

集会は、カン・ギュヒョクKFSU委員長が、韓国コストコのチョ・ミンスCEOに向けて、「我々はこれ以上、この状況を容認できない。即刻の回答を!」と力強く呼びかけ、締めくくられた。

組合はストライキ後の2024年4月30日に、米国大使館前で記者会見を開いた。カンKFSU委員長とイ・ミヒョン・コストコ労組委員長は、韓国で活動する米国企業が現地の労働法を尊重するよう、ソウルの米国大使館に要請した。また、4月27日のストライキで書かれた数百枚のハガキを届けようとしたが、大使館前で機動隊員に阻止された。

韓国コストコ労組の闘いを支持するUNIおよびUNI Aproは、暑さによる若年労働者の死亡事故は単独の案件ではなく、多国籍企業がグローバルな事業活動において増大している気候リスクに対処できない場合に労働者が直面する結果を象徴的に示す、悲劇的かつ予防できる可能性の高い事例であると認識している。この悲劇は、気候変動に直面する労働者の安全衛生を、企業が優先課題とすべきであることを示している。


ドミニカで介護労働者向け総合研修プログラムを開始

ドミニカ共和国の全国女性労働者連盟(FENAMUTRA)は、2024年3月に、「訪問介護入門と労働リスクの予防」と題した1年間のワークショップ・シリーズを開始した。この取組みは、UNIが支援し、医療・介護部門における熟練した労働力を育成することで女性の経済的安定性の向上を目指す『Together We Care』を通じ、USAIDが資金を提供している。

UNI加盟組織のFENAMUTRAは、家事、保育、高齢者介護、医療部門の従業員など、多様なケア労働者の専門能力を標準化し、向上させることを目指している。ルース・ディアスFENAMUTRA委員長は、「我々は、変化よりも、これまでやってきたことすべてに革新をもたらし、介護部門における研修プロセスのパイオニアであり続けたい」と述べ、「労働者を保護し、より良いサポートを提供し、労働者一人ひとりの生活の質の向上に貢献するあらゆる公共政策に影響を与え続けることが目標」と付け加えた。

ルシア・リンドナーUNI米州ケア部会担当部長は、この部門の発展における研修の重要な役割を強調し、「研修はUNIにとって基本的なものであり、歴史的に軽視されてきたこの部門の正規化と専門職化に向けた新たな一歩。このプログラムが、この地域全体で模範となることを願っている」と研修の意義を説明した。

この取組みは、特に2009年の家事サービス専門研修センター(CEFESD)の設立を通じて、介護労働者のスキルを向上させてきたFENAMUTRAの実績に基づくものだ。CEFESDは、労働者の義務と権利について労働者を教育し、労使の双方に利益をもたらすことを目的としている。

全国高齢者協議会(CONAPE)およびドミニカ労働リスク予防・保護協会(IDOPPRIL)と連携して行われた発足イベントでは、プログラムの継続的な改善を図るため、参加者の期待やフィードバックを収集するためのアンケート調査が行われた。

ディアナ・メヒアCONAPE総合開発・高齢者保護担当部長は、「我々がこの介護労働者向けプログラムを実施できることは、介護労働者たちが正規雇用を得るための知識を身につけるという意味で、非常に意義があり、非常に重要なこと」とコメントし、「このプログラムは、単にこれらの労働者の技術を向上させ、専門化させるということだけでなく、高齢者の生活の質を向上させるという意味でも重要だ」と述べ、社会的意義についても付け加えた。


メーデーによせて:右翼過激派を撃退し、平等を促進し、民主主義を前進させよう

クリスティ・ホフマンUNI書記長が、2024年のメーデーに以下のメッセージを発信する。

労働組合は今日、反撃と前進を勝ち取るため街頭に繰り出す。我々は今日、労働者が社会の中で力を勝ち取るべく団結する重要性について祝福する。そして、我々の権利を剥奪し、生活水準を低下させ、民主主義を破壊しようとする右翼アジェンダの台頭にも反撃する。

世界の3,000人の億万長者が2020年以降34%も富を増やしている一方で、労働者の権利はあらゆる尺度で後退している。インフレは労働者の賃金を大きく奪い、公的支出の削減は貧困削減を停滞させている。政府に対する信頼が急落し、それに伴って民主主義に対する信頼が低下しているのも不思議ではない。

あまりにも多くの労働者が現状への怒りに駆られ、民主主義の価値観を共有せず、生活水準の低下を「よそ者」のせいにし、人種差別やナショナリズムの炎をあおることを好む、欺瞞に満ちた政治指導者を受け入れている。女性やLGBTQ+コミュニティの権利も同様に攻撃を受けている。

しかし右翼勢力は、労働組合員による動員と反撃、民主主義を取り戻すための力と決意を過小評価すべきではない。 例えばアルゼンチンでは、極右指導者ミレイが、まず労働組合を破壊しなければ痛みを伴う「改革」を実施できないと決定した。以来、何十万人もの労働者がゼネストに参加しており、ミレイ政権はあらゆる場面で抵抗に直面するだろう。

我々は、組合が民主的な職場にとって不可欠であることを知っている。労働組合は、職場における使用者の権力をチェックする重要な役割を担っている。アマゾンの労働者がよく言うように、労働組合は、労働者がロボットとしてではなく、人間として扱われるようにすることを保証しているのだ。

しかし、労働組合が行うのは賃金や労働条件の交渉だけではない。組合は教育し、動員する。そして今、それがこれ以上ないほど重要なのだ。世界経済フォーラムは、誤った情報が我々の未来と民主主義に対する世界的リスクのトップであると指摘した。労働者が自らの尊厳が剥奪されつつあると感じはじめると、誤った物語は助長されてしまうのだ。我々は、経済的圧力が人種、国、宗教に沿った亀裂を広げ、人々が富裕層や権力者ではなく、移民やマイノリティをスケープゴートにして政策を決定することを知っている。

組合は包摂性を擁護し、尊厳を守り、地域社会全体の経済的公平性を強化する。労働組合は、人種的怨恨や外国人排斥が高まりがちなコミュニティにおいて連帯を育んでいる。

だからこそ、このメーデーに労働組合として取組むべきことは、職場の権利を守ることだけではない。我々はコミュニティにおける正義を前進させるために闘わなければならない。我々は運動を組織化し、成長させることによって、そして民主主義を求める闘いを共有することによって、それを実現していく。

だから今日、街頭や組合の集会で結集しよう。使用者や議員に、労働者の声に耳を傾けるよう要求しよう。民主主義は投票で終わるものではなく、そこから始まるのだということを示そう。


UNI世界商業部会、Eコマース労働者の組織化に向けた野心的な活動計画を採択

2024年3月21~23日にシンガポールで開催されたUNI世界商業部会委員会では、Eコマース労働者の組合の力を拡大し、変化し続ける小売業の世界がもたらす課題に取組むための活動計画が、満場一致で採択された。

活動計画では以下の点が掲げられている;
●既存の3つのサブセクター(食品小売り、ファストファッション、自動車販売)に加え、世界商業部会内に新たなサブセクター「Eコマース」を創設する。
●新しいサブセクターには、ダーク・ストア、消費者への食品小売の直接配送、その他ダイレクト・コマース関連の活動が随時含まれる。
●Eコマースの組織化キャンペーンを支援する。
●Eコマース労働者の組織化・交渉に関するベストプラクティスを特定し、加盟組織に広める。

常に変化し続ける小売業に対応するため、活動計画には、UNIをグローバルな小売部門における研究、政策、交渉のベストプラクティスのハブとすることも掲げられている。
●商業部門のあらゆる側面に関する研究プロジェクトと報告。
●会議や大会、研修での興味深くダイナミックなパネル、ゲストスピーカー、プレゼンテーション。
●デジタル化、AI、シフト組みなどの主要トピックについて、商業部門における団体交渉や部門別交渉のための重要な戦略を収集し、共有すること。
●商業部門に影響を与える最新の革新的な法改正について注視し、報告すること。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「商業部門における技術革新のペースが速いことを考えると、我々にとって未来は今である。我々は加盟組織とともにこの活動計画を実施し、変化のペースに対応し、労働組合として可能な限り最良の対応を実現する」と述べた。

また委員会では、食品小売部門で急速に拡大するフランチャイズ化の影響について議論し、フランチャイズ化に関する宣言が採択された。これは、フランチャイズ化のさらなる拡大を阻止し、フランチャイズ店舗で働く労働者を支援・代表するUNI世界商業部会の取組みを強調するものであり、同宣言は、「労働者は売り物でも貸し物でもない」と指摘し、フランチャイズ化に関するいかなる決定も、労働組合と交渉し、その合意を得なければならないことを要求している。

シンガポールのUNI加盟組織SSMWUがホストした今回の会議には、世界各地の商業労組の役員が結集した。

同委員会においてクリスティ・ホフマンUNI書記長は、この分野における最近の組合の勝利について言及し、「グローバルな連帯で団結すれば、私たちを止めることはできない。共に、立ち上がり続けよう」と訴えた。

会議では、既存のサブセクターの活動、イケアとアマゾンの組織化、商業部門における暴力とハラスメン トに反対するキャンペーン、部門別対話、デュー・ディリジェンスの実施、数多くのUNIの連帯プロジェクトについても取り上げられた。


英国でGMB労組が組合選挙に向けたゴーサインを獲得-アマゾン、歴史的な組合躍進に直面

英国の労使間の団体交渉を管轄する政府機関である中央仲裁委員会(CAC)が、アマゾンのコベントリー倉庫におけるGMB労組の組合承認投票申請を支持する裁定を下した。2024年4月19日、UNI加盟組織である英国のGMB労組が発表した。GMB労組が、アマゾンでは欧州初の公認組合に一歩近づいたことを意味する。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「この日は、英国および世界中のアマゾン労働者の権利にとって分水嶺となる瞬間だ。英国政府がコベントリーにおけるGMBの組合承認申請を受理したことは、アマゾンの労働者が労働条件と生活の形成において発言権を持つことを可能にする歴史的な一歩だ。この勝利は、アマゾンのような企業の責任を追及する集団行動の重要な役割を強調するもの。労働者と社会にとって真に意味のある変化を実現するために、我々は、労働者の声を聞き、尊重する、このような組合の取組みをさらに求めて闘い、支援し続けなければならない」とコメントした。

アマンダ・ギアリングGMB労組シニアオルグは、「GMBがアマゾンで組合の権利を求めて闘いはじめた初日から、それは現代のダビデとゴリアテの戦いだった。アマゾンの執拗な反組合的プロパガンダに労働者が立ち向かい、1年経った今が本当に歴史的な瞬間だ。労働者は不利な状況に打ち勝ち、アマゾンでは欧州初の公認労組の結成について、法的拘束力のある発言権が与えられることになった。(…中略…)アマゾンの経営陣は、貧困賃金と危険な労働条件を拒否し、職場の尊厳と自らを代表する組合を要求するのだという、明確かつ率直なメッセージを自社の労働者から突き付けられたのだ」と語った。

1年以上にわたる大規模な労働者の動員を経て、アマゾンのコベントリー施設における組合員数は急増した。

英国のアマゾンにおける組織化の推進は、より広範な世界的な取組みの一環である。2023年11月にGMB労組は、各国の組合と国際連帯し、ブラックフライデーに「Make Amazon Pay」のスローガンの下、ストライキと抗議行動を実施した。UNIが共同提唱したこのグローバル・キャンペーンは、世界中のアマゾン労働者の労働条件改善と公正な待遇を求める広範な要求を示している。


UNI世界ICTS部会大会:2日目‐今後4年間の方針を決定

UNI世界ICTS部会大会の2日目では、同部会の今後4年間の方向性が決定した。95か国のICTS労働者を代表する代議員は、新しい指導部を選出し、テレコム、テック、ビデオゲーム開発、ビジネスサービスの各部門における労働者の力を構築するロードマップとして機能する戦略的行動計画を採択した。

この日は、安藤京一UNI Apro ICTS部会議長(情報労連)が、新たなテクノロジーによる同部門の変革と、それに対応する労働力スキルの進化に焦点を当てたセッションを導入して幕を開けた。国際電気通信連合(ITU)のフレッド・ワーナー氏が基調講演を行い、世界の電気通信を調整するITUの役割と、労働力に直接影響するAI標準設定への同組織の関わりを強調した。また、ITUが他組織とともに「AI for Good」を立ち上げ、国連の持続可能な開発目標を推進するためにAIを活用する具体的な方法を策定した経緯を説明した。

ワーナー氏の講演に続いて、ヨハネス・ホフマイスター氏(オーストリア、GPA)が、テレコム部門における新技術の導入に向けた欧州電気通信事業者協会(ETNO)の連携した取組みについて報告した。同氏は、テレコム部門の二酸化炭素排出量を削減し、持続可能性を高めるための取組みについて強調した。

次のパネル・ディスカッションでは、ソー・ソウルマンUNIアフリカICTS部会議長が進行役を務め、安全な労働の確保におけるICT労組の役割に焦点が当てられた。

いずれもセネガルからSNTPT労組のローズマリー・デューフ氏とSYTS労組のネネ・コイタ氏は、COVID-19パンデミックの際、両労組がオレンジの安全衛生グローバル協定をどのように実施したかについて詳述した。10年以上前に締結されたこの協定によって、オレンジの全事業所で安全衛生委員会を通じ、パンデミック関連の課題に関する意思決定プロセスや安全確保の中心的役割を、労働者が担えるようになった。

このセッションでは、ICTS部門のさまざまな分野における課題について検討された。フランスの組合STJVのアントワヌ・ディオセント氏は、ビデオゲーム開発における「クランチ・タイム」(ストレスや燃え尽き症候群など、健康に重大な影響を及ぼす業務上のプレッシャーの強い時期)について議論し、「労働者に対する影響について、管理がなされていない。上司は、労働者は生産が終わればスタジオを去るのだから、長期的な影響に対処する必要はないと考えている。労働者は使い捨てとみなされている」と訴えた。フランス全土、そして世界中のビデオゲームの開発に携わる労働者が、労働者を大切にし、労働者の権利を尊重する業界にすべく、組織化を進めている。

ベンソン・オクワロ氏(ケニア、COWU)は、コンテンツモデレーターが直面するメンタルヘルス上のリスクを強調した。こうした労働者は、想像を絶する過激で恐ろしいコンテンツにさらされていると同時に、インターネットから偽情報を取り除く最前線にいる。彼らがこの労働に対して受ける見返りは、低賃金とトラウマであることがあまりにも多い。COWUはケニアでこうした労働者の組織化を支援し、フォード財団の支援を受けて、国際的な安全衛生基準の確立を主導している。

UNIアフリカ女性委員会議長を務めるパトリシア・ナイマン氏(南アフリカ、SACCAWU)は、セッションの最後に、第三者からの暴力、特にその女性への影響の問題を取り上げた。顧客や取引先からのこうした暴力には、ハラスメントや身体的脅迫が含まれ、これを抑制するには包括的な職場のガイドラインと強力な組合活動が必要である。

この後、大会参加者はUNI世界ICTS部会の2024~2028年の5本柱となる戦略計画について討議し、承認した。

1.ICTS部門の主要多国籍および地域企業における組合の力の構築: ソー・ソウルマン氏が再び登壇し、多国籍企業で労働者を組織化し、これらの企業内で人権の適用を強化し、テレコム部門の技術的・構造的変化を通じて組合を支援するこの動議について説明した。この戦略には、組織化キャンペーンや、特に外部委託に関して労働者の権利を保護するためのグローバル協定や人権デュー・ディリジェンスの活用が含まれる。

2.ビジネスサービス部門における組織化と基準の引き上げ:マリカルメン・ラマスUNI米州ICTS部会議長(メキシコ、STRM)は、コンタクトセンターやコンテンツモデレーター等、ビジネスサービス部門における労働条件改善に向けた取組みを強調した。活動領域を拡大し、テレパフォーマンスのグローバル協定を実施し、特にオンラインプラットフォームの安全性とコンテンツモデレーションに関する業界標準を設定する計画である。

3.グローバルなテック企業およびゲーム開発企業で、共に立ち上がる: アンディ・カーUNI世界ICTS部会議長が動画で発表したこの3つ目の戦略計画は、UNIをテックおよびゲーム開発労働者のハブとし、大手テック企業での組織化・団体交渉を支援することを目指すものだ。戦略には、可視化活動の取組み、組織化・交渉訓練の提供、労組アライアンスの構築が含まれる。

4.ICTS 労働者のための政治的影響力と経済力の構築:フグリ氏(スイス、Syndicom)は、尊厳ある労働、良好な賃金と労働条件を促進し、 人権とILO基準を擁護する必要性について議論した。この行動計画では、政策立案時に労働者の懸念が代表されるようにするため、選出された指導者、規制当局、社会対話メカニズムの関与を求めている。

5.デジタル時代におけるディーセントワーク戦略の構築:安藤京一UNI Apro ICTS部会副議長がこの動議について説明し、AIや新たな労働形態による悪影響を緩和し、産業の変化に適応するためのスキル開発の促進に焦点が当てられた。行動としては、団体交渉の促進、リモートワーク慣行に関するデータベースの維持、グローバル協定を通じた継続的な能力開発の提唱などが含まれる。

大会参加者はその後、一連の動議を採択し(テックおよびゲーム開発業界における大規模解雇の中止を求める緊急動議を含む)、新議長を選出した。

UNI世界ICTS部会創設以来、初めてアフリカ大陸から選出されたソー・ソウルマンUNI世界ICTS部会新議長は、「我々はこの先に待ち受ける課題の大きさを知っているが、これはすべての地域の支援を得て進めていく課題であることも知っている」とスピーチした。

退任するアンディ・カー議長は、過去9年間の在任期間中のテレコムおよびテック部門の変化を振り返りながら、エリクソン、テレパフォーマンス、グーグル、マイクロソフトといった大手企業との大きな進展について語り、「団結した労働者は決して負けることはない。そのことを決して忘れてはならない」と締めくくった。参加者は、世界の労働組合運動に対するカー前議長の多大な貢献を称えた。


UNI世界ICTS部会大会:1日目

UNI世界ICTS部会大会は、2024年4月15日、南アフリカ・ケープタウンで活気あふれる地元バンドの演奏とともに幕を開けた。今後4年間の戦略的優先課題を設定し、新議長を選出するため、世界中から230人以上の組合指導者が結集した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、冒頭のスピーチの中で、IT、テック、テレコム、ビジネスサービスの労働者を含むこの部会における組織化の取組みについて改めて強調した。「こうした産業の変化・進化にあわせて、組合も変化することができる。我々は、この産業で働くすべての労働者の組織化を支援する決意を固め、重点的に取組んでいる。この部会は注目を集めており、仕事の世界における移行の中心にある」と訴え、「AIは人間の仕事を代替するのではなく、人間の仕事を補強するものでなければならず、AIの恩恵は億万長者がため込むのではなく、みなに共有されなければならない。我々にはこれを実現する方法がある」と鼓舞した。

ジンギスワ・ロシ南アフリカ労働組合総連合(COSATU)会長も、新たな現実に適応する必要性を唱え、「現在と未来の闘いに備えるため、我々は過去の道を歩み続けることはできない。我々は革新を遂げ、労働者を組織化し、労働者の声に耳を傾けなければならない」と呼びかけた。

ソー・ソウルマンUNIアフリカICTS部会議長(ブルキナファソ、SYNATEL)は、UNIがこの分野で過去5年間に成し遂げてきた「とてつもない進歩」について説明するとともに、ケニア、ナイジェリア、南アフリカ、モロッコ等の国々が世界のテック企業の重要な拠点となっており、大陸におけるテック産業の成長についても強調した。ビジネスサービス部門では、モロッコとチュニジアはフランスのコールセンターにとって重要であり、モーリシャスとマダガスカルでも産業が成長している。しかし、ソウルマン議長は、多国籍企業が市場に参入する際、外部委託やプラットフォーム労働によって、アフリカにおける非正規労働の問題が悪化することは許されないと警告した。また、労働者が正規の雇用契約を結べるようにすることを各組合に求めた。

クロード・カミングス全米通信労組(CWA)委員長は、テック産業における組織化の議論を主導し、米国における労働組合への支持の高まりを強調した。「今は世界中のすべての労働者にとって困難な時代であり、テック産業も同様だ。しかし、我々は労働者がこの難局に立ち向かい、力をつける方法として組織化や団体交渉を受け入れているのを目の当たりにしている」と語り、「CWAはこのチャンスを活用すべく、労働者が職場で組合の声を得るための取組みを支援している。CWAはテック部門で大きな躍進を遂げ、グーグルで数千人の労働者を組織化し、マイクロソフトと新たに買収したゲーム会社アクティベーション・ブリザード・キング(ABK)では中立保持協定を確保した。この協定により、ABKで1,000人以上の労働者を組織化することができ、協定は同社の他の部門にも拡大されている」と報告した。

討議において、英国Unite the Unionのルイーザ・ブル委員が、リモートワークであっても、同労組では組織化を支援するために多くの古くからの戦略を用いていると述べ、「テックは組合にとって比較的新しい部門かもしれないが、テック労働者は他の労働者と同じ問題を多く抱えている」と語った。

グーグル労働者を組織化しているスイス Syndicomのダニエル・フグリIT部門担当部長は、2年前と比較して、労働者は自らの利益を共有し、社内の労使間の溝を意識するようになっていると述べた。

Engineers of Swedenのハンネリ・リンドホルム国際担当委員は、労働者の組織化を支援し、労働者の連携を強化する上で、UNIのグーグル労組アライアンスの重要性を強調し、「グーグル等の企業のテックワーカーは、国境を越えたチームで働き、話をするので、組織化も国境を越える必要がある」と訴えた。

ICTS部会大会1日目はこの後、ビジネスサービス部門の労働者を対象とし、テレパフォーマンスとのグローバル協定に焦点が当てられた。 この協定は世界最大のコンタクトセンター企業で働く50 万人以上の労働者を対象としている。コロンビア、ドミニカ共和国、フランス、ガーナ、フィリピンの労働者や組合指導者は、この協定が自国での組合結成と権利行使への扉を開いていることを強調した。この協定は2022年12月に締結されて以来、コロンビア、エルサルバドル、ジャマイカ、ポー ランド、ルーマニアで展開され、成功している。


英国の介護労働者19,000人が初日の傷病手当を獲得

UNI加盟組織のGMB労組が、英国最大の介護施設運営事業者であるHC-Oneの介護労働者19,000人に対し、初日の傷病手当を勝ち取った。2024年3月22日に発表されたこの新しい協約は、傷病休暇初日からの手当を保証しており、介護労働者が体調不良時にも働かざるを得ないことで、高齢入居者に感染拡大のリスクが及ぶ状況にも対処している。

英国政府は2023年5月に、COVID-19感染拡大抑止策として導入していた病欠初日からの傷病手当金の支給を停止しており、会社側は従業員が病気になって最初の3日間は手当を支給していなかった。

だが、この状況を変えなければならないのは明らかであった。最近、GMB労組が行った調査では、HC-Oneの介護労働者の4人に1人が、「貧困賃金」 を理由に離職を考えていることが明らかになった。

GMB労組役員のナタリー・グレイソン氏は、「初日から支給される傷病手当は、介護部門で働く労働者に最低限支払われるべきものであるにもかかわらず、英国全土で、介護労働者は支給されずに生き延びることを余儀なくされてきた。今回の動きは大きな勝利であり、介護部門全体の風土における画期的な転換だ」と述べ、続けて「だが我々はここで立ち止まりはしない。介護に尽力している専門職の時給が、少なくとも15ポンドになるまで、闘いをやめない」と固い決意をみせた。

この勝利は、介護専門職の最低時給15ポンドを確保するためにGMB労組が展開している『15ポンドを目指す闘い』における重要な一歩であり、集団的な行動によって変革が起こりうることを示している。

アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は 「多くの労働者にとって、病気休暇の一日目に手当がないということは、自分自身や介護を受ける人々の健康にとって最善のことと、請求書の支払いができるのかということの間で苦しい選択を迫られるということ」と今回の勝利の背景を強調し、「我々は、HC-Oneの労働者とGMB労組の勝利を祝福し、英国の介護制度の労働条件改善を推し進める仲間と連帯していく」と述べた。


韓国の医療従事者、研修医によるストライキの即時終結を要求

UNI加盟組織の韓国保健医療労組(KHMU)と韓国医療産業労組(FKMTU)が、韓国における医療サービスの即時正常化と研修医によるストライキの終結を求めている。

毎年2000人の医学生を追加で養成するという政府計画に対して、 2024年2月に、約1万2000人の研修医とインターンの病院医師が、大学では対応しきれず長期的には医療サービスに悪影響を及ぼすとして、抗議のデモ行進を行った。今週、数百人の上級医師がストに同調して職を辞したが、KHMUはこれに強く反対している。

KHMUは以前から、韓国の医療制度全体、特に農村地域や高齢化社会を考慮すると、より多くの医師が必要であると主張してきた。医学部の定員は過去20年間、固定されている。

そしてストライキは、すでに医師不足の矢面に立たされている医療システムの看護師たちに無理な負担を強いている。韓国のニュース専門チャンネルYTNのインタビューの中で、チェ・ヒソンKHMU委員長は、「看護師は過重労働にひどく苦しんでおり、病院の研修医が行うべき医療行為を違法に行わされることに怯えている」と訴えた。

KHMUは3月26日に発表した声明の中で、5週目に入った現在の危機の原因を政府に求め、看護師の搾取をやめるよう要求している。また、政府に対し、対話を始めるために正式な検討機関を設置して紛争を解決し、韓国医療の将来について包括的な計画を立てるよう、求めている。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「病院労働者と患者は、始まるべきでなかったストライキの代償を払っている。研修医に職場復帰を求めるとともに、韓国政府に対しては、可能な限り早期に建設的な対話をはじめ、韓国の強力な医療制度に向けた納得のいく道筋を構築するよう求める」と述べた。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ