7月 2025のお知らせ

12カ国の労働組合がアメリカ・モビルとのグローバル協定を要求

メキシコの通信大手アメリカ・モビルに対しグローバル協定の締結を要求するため、アルゼンチンやオーストリアを含む12カ国のUNI加盟組合が結集した。

同社がサービス拡大と利益急増を進める中、12カ国の14労組はそれぞれ現地の経営陣に書簡を送り、アメリカ・モビルに対しUNIとのグローバル協定の締結を求め、「グローバルおよび国内レベルでの安定的で建設的な労使関係」を確保するよう働きかけている。

労働組合は、以下の内容を盛り込んだグローバル協定を要求している:

• 同社が行うすべての事業において、労働組合を結成し、団体交渉を行う権利を認めること。
• 労使紛争を対話を通じて解決するための手続きを確立すること。
• 労働安全衛生、生活賃金、雇用安定を含む共通の最低労働条件を保障すること。
• 労働組合代表者をいかなる報復措置からも保護すること。

アメリカ・モビルは、メキシコの億万長者カルロス・スリム氏が所有する企業であり、中南米、中東欧の22カ国で事業を展開している。この書簡の送付は、2025年7月8日にコロンビアで開催されたアメリカ・モビル労組の会議で、協定の目標を表明したことに端を発している。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「アメリカ・モビルは成長を続け、莫大な利益を上げているが、その成長が労働者の権利を犠牲にしたものであってはならない。中南米と欧州の労働組合は、公正な待遇、安全な労働条件、組織化の根本的な権利の尊重を保証するグローバル協定を求め、団結している。これだけの規模と影響力を持つ企業は、すべての労働者に対して同じ基準を遵守する責任があり、UNIとのグローバル協定がそれを可能にする」と訴えた。

アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、ブルガリア、コロンビア、クロアチア、グアテマラ、メキシコ、ニカラグア、北マケドニア、ペルー、スロベニアのUNI加盟組織は、7月22日に各国経営陣に対し、この要求を盛り込んだ書簡を送付した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「アメリカ・モビルは、欧州であれ中南米であれ、労働者の権利と基準を遵守しなければならない。我々は、団結権、団体交渉権、生活賃金、雇用安定を保証するグローバル協定を求める」とコメントした。

アメリカ・モビルは、モバイル加入者数とサービス接続数において世界最大の通信企業である。UNIは多国籍企業との間で50件を超えるグローバル合意を交渉し、そのグローバルな事業展開において労働者の権利を保障し、履行させるための取り組みを進めている。


インドの銀行労組、AIの課題に対処するため全国セミナーを開催

2025年6月20日、インド全土のさまざまな銀行労組から約400人の組合活動家や役員がチェンナイに集まり、「AIの導入に影響力を及ぼし労働者の権利保護を目指す労組間のグローバルな連携」と題した全国セミナーが開催された。

セミナーは、全国銀行従業員連合(NCBE)が、インド国営銀行、インド海外銀行、バローダ銀行、DBSインド銀行など、複数の大手銀行のUNI 加盟組織とともに共同で開催した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長とラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は基調講演の中で、金融部門における人工知能(AI)の未来を形作る上で、労働組合の関与が急務であることを強調した。そして、労働者の権利を保護し公正な成果を保証する方法でテクノロジーが導入されなければならないと訴えた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「チェンナイが技術と金融のハブとしての役割を果たす中、労働組合はAIの導入方法と時期を決定する上で重要な役割を果たす。これは単なる変化への適応ではなく、労働者を保護し、力を与える方向へ導くことだ」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「我々全員が、デジタル変革が公正な変革となるようにする責任を負っている。これはインドの金融部門全体でディーセントワークと利益の共有を実現するための変革だ」とコメントした。

セミナーの中でインドの労働組合のリーダーは、AIが銀行部門に与える影響に関する実際の経験と洞察を共有した。議論は、職務役割、データ利用、アルゴリズム管理、スキル向上に関する新たな課題に焦点が当てられた。セミナーでは、AISBISFおよびNCBEのチャンドラセカル書記長、バラジNCBE委員長兼AIOBEU書記長、 ミリンド・ナドカルニAIBOBEF書記長兼UNIインド加盟協議長、およびバスカルDBSインド銀行従業員組合書記長から発言があった。

このセミナーは、UNIのグローバルキャンペーンの一環として開催された。労働組合がデジタル化に積極的に対応するためのツールと知識を提供し、職場における技術革新が労働者の権利と尊厳を損なうのではなく、後押しするものになるようにすることを目的としている。


スリランカにおけるケア部門の組織化推進に向け、新たなデスクを設立

2025年7月10日、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長による簡素な開所式が、スリランカにおけるケア部門の組織化推進において静かではあるが重要な節目となった。

コロンボのナラヘンピタにある政府助産師サービス協会(GMSA)で開催された式典では、GMSAの施設内にUNIケア部会のオルグ専用スペースが開設された。この新たなスペースは、全国規模で労働組合の組織化を支援するため、UNIケアによるアウトリーチ、調整、能力向上活動の中核拠点として機能する。

地域におけるこの取組みは、2025年初頭に地域全体のコミュニティヘルスワーカー(CHW)による運動を活性化するため設立された「UNIアジア・太平洋地域南アジアネットワーク」の一環である。同ネットワークは、女性主導の組織化、連合体の形成、構造的な労働改革を求める持続的な提言活動を優先課題としている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、GMSAのリーダーシップを称賛し、UNIがスリランカでの運動の勢いを支援する決意を再確認した。そして「デスクの開設は、ケア部門における労働組合を強化し、すべての医療介護労働者の権利、尊厳、適切な労働条件を擁護するため、加盟組織を支援する重要な一歩だ」と述べた。

UNI Aproは、スリランカでより広範で影響力のあるケア部門の連合体を構築するため、加盟組織およびパートナー組織と緊密に連携していく。


南アジアの金融労組、人間を中心にした金融改革を目指し団結

2025年7月9日、スリランカ・コロンボにて第2回南アジア金融労組協議会(SAFSUC)の会議が開催された。南アジア各地の金融部門の労働組合は、社会的責任ある金融と地域連帯への共通のコミットメントを再確認した。

「社会に焦点を当てた金融:南アジアの持続可能な開発を推進する」をテーマに開催されたこの会議には、スリランカ、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュから労働組合のリーダーと代表者が参加した。

会議は、UNIスリランカ加盟協(UNI SLAC)のチャナ・ディサヤナケ議長が率いるスリランカ銀行従業員組合(CBEU)の多大な支援により実現した。

さらにアンジェロ・ディ・クリストUNI世界金融部会担当局長、アーネ・フレドリク・ハーシュタイン・ノルウェー金融労組副委員長、モーリーン・ヒックUNI欧州金融部会担当部長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書長、 北村聡太UNI Apro金融部会議長、ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長が出席した。

今回の会議は、地域の金融労働組合運動が、デジタル化の加速、気候変動の影響、労働権の縮小、公共財政機関の弱体化などといった課題に共同で対応する重要な場となった。こうした課題は、国営企業への圧力の高まり、デジタルプラットフォームへの不安定な移行、金融システムにおける格差の拡大によりさらに複雑化している。

地域戦略の策定

プログラムの基調となる2つの円卓討議セッションを通じて、後退的な労働改革から金融労働者が既存の法的保護から排除されている問題まで、共通の課題が議論された。また、伝統的なセクターと新興セクターの両方で組織化を拡大するための戦略も探求された。主な優先課題として、BPO やフィンテックなど組合の組織化が進んでいない分野での組合の存在感の強化、およびこの分野における若者や女性のリーダーシップの育成が指摘された。

この会議の重要な成果は、セイロン銀行従業員組合(CBEU)とネパール金融機関従業員組合(FIEUN)との間で覚書(MoU)が締結されたことだ。この協定は、金融部門における国境を越えた組合の協力、相互学習、集団的アドボカシーを強化するものである。

今後の道筋

会議は、SAFSUC委員会の選出で幕を閉じた。執行委員会は、今後数年間、組織化の取組みを調整し、政策改革を提唱し、南アジア全域の公共金融機関の社会的使命を擁護しながら、評議会の活動を活性化していく予定である。

SAFSUC委員会は、新たに設立された「UNI Apro保険労組ネットワーク作業部会」と協力し、2025年10月15~16日にフィリピン・マニラで開催される第7回UNI Apro金融部会大会で提示する共同作業計画を策定する。


アジアの保険労組がデジタル化と気候変動の混乱の中、地域連携を強化

2025年7月8日にスリランカ・コロンボで第5回UNI Apro保険労組ネットワーク会議が開催された。インド、ネパール、スリランカ、日本、パキスタン、シンガポール、フィリピンの保険労組から46名の参加者およびUNIとUNI Aproのスタッフが参加し、北村聡太UNI Apro金融部会議長が座長を務めた。

「デジタル変革と気候変動:アジア・太平洋地域の保険業界への影響」をテーマに開催された今回の会議は、業界を再編する共通の圧力に対応する上での、地域連携の活性化を象徴したものとなった。

参加した組合は、AIによる雇用不安の拡大、農村部における保険利用の格差、代理店の不正行為、リスクと保護に関する一般市民の理解不足など、深刻な懸念を強調した。

参加者はまた、これらの問題に関する社会対話への労働組合の参画を強化する必要性を強調した。具体的には、公共教育への労働組合のより積極的な関与、代理店の責任強化、技術移行計画時の早期協議の重要性が指摘された。

スリランカ保険一般従業員組合(SGEU)のディワカラ・エトゥガラ氏は議論の中で、「労働組合は単に雇用を守るためだけにあるのではない—より良い業界を築くことも目指している」と述べた。

保険に関するフォーカスグループ討論が行われ、組織化、協力、包摂的なアウトリーチに関する労働組合の成功事例が共有された。

会議の主要な成果として、UNI Apro保険労組ネットワーク作業部会が設立され、シャム・スンダル・モハパトラ氏(インド、GIOAIA)とカラナ・タパ氏(ネパール、FIEUN)が共同議長に選出された。このグループは、SAFSUC執行委員会と緊密に連携し、2025年10月15~16日にマニラで開催される第7回UNI Apro金融部会大会で発表するための作業計画を策定する。

今回の会議は、セイロン銀行従業員組合(CBEU)の支援を受けてUNI Apro金融部会が開催したものである。


プロジェクト支援でウガンダHTS労組が活動を加速

ウガンダにおけるUNI商業部会加盟組織が最近実施した組織化キャンペーンは、組合加入率の向上、2件の新たな団体協約の締結、女性と若年労働者の職場リーダーシップへの参加拡大につながった。

2025年6月2日~10日の間、HTS労組は全国で数多くの職場を訪問し、カルフールスーパーマーケットの支店、ブリタニア・アライド・インダストリーズ、シニベルスーパーマーケット、チャーチル・コートホテル、グルーのボマホテルといったスーパーマーケット、観光、食品、ホテル業界の労働者数百人を動員した。

この組織化キャンペーンは、スウェーデンの連帯支援組織「Union to Union」が援助するUNIアフリカプロジェクトの一環として実施された。同プロジェクトは、ウガンダとナイジェリアで組織化を通じて団体交渉力の強化、ジェンダー平等を実現し、若年労働者を労働組合に参画させることを目的としている。

キャンペーンの成果は以下の通り:

  • 345人の労働者(うち女性152人、35歳未満の参加者229人)が労働組合と労働者の権利について学んだ。
  • 81人が新たに組合に加入 。
  • 2つの新たな団体交渉協定(CBA)を締結。ジャズ・スーパーマーケットとアドマス・グランド・ホテルとの間で、労働者の権利、様々な福利厚生と保護、親の権利に関する規定が定められた。
  • 7月に更新が予定されているカルフールとの団体協約の改定に向けた提案を収集した。
  • 新たに作成された労働組合資料(労働安全衛生に関する基本ガイドとリーダーシップマニュアルを含む)を配布した。

特に重要な点は、このキャンペーンが次世代の労働組合リーダーの育成を促進したことだ:

  • 対象を絞ったリーダーシップ訓練を実施し、女性と若年労働者が職場選挙で職場代表に選出された。
  • 参加者は労働者の権利、安全衛生、団体交渉の実務に関する訓練を受けた。
  • 現場での直接的な関与を通じて、労働組合の可視性と信頼が向上した。

HTS労組はキャンペーン期間中に、ウガンダの労働担当国務大臣が正式に承認した新たな労働安全衛生ハンドブックを発行した。このハンドブックは、労働者が職場の事故を予防し報告する能力を強化する内容となっている。ハンドブックは全組合員に配布され、組合の定期大会で採択された。

キャンペーンは目標を達成し、現場における組合の力を強化した。また新規会員からの組合費増収を通じて財政的持続可能性にも貢献した。

モーゼス・R・マウクHTS労組書記長は、「このキャンペーンは、労働者の安全衛生に関する教育を実施し、女性と若者の指導部への参画を促進し、数百人の労働者に組合を紹介できたという点で、着実な進展となった。労働者からの関心の高まりは我々にとって非常に励みになり、新たに加入した80人の組合員には、我々のメッセージが響いていると思う」と喜んだ。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、この取組みを称賛し、次のようにコメントした。「HTS労組のキャンペーンは、労働者がいる場所で力を築き、団体交渉を通じて実際の成果を勝ち取り、女性と若者が参加しリーダーシップを発揮できるようにする・・・草の根の組織化の模範的な事例だ。これが、アフリカ全土で労働者階級の力を強化するやり方だ」


解雇に反対するTikTok労働者、ベルリンでデモを実施

2025年7月17日、TikTok労働者は同社のベルリン本社前で、解雇に反対するデモを実施した。『我々はTiktokの機械を訓練した – 我々に正当な報酬を!』というスローガンを掲げたデモ行進は、解雇対象となっている約150人の「Trust and Safety」部門(コンテンツモデレーション)の従業員と、TikTok Live部門の従業員の一部(約15人)を支援する目的で行われた。

この人員削減は、ソーシャルメディア企業がコンテンツモデレーションにおける人工知能への依存を強め、この業務を第三者の業者に外注する計画を進める中で実施されるものだ。

コンテンツモデレーター(特に第三者の業者に雇用されている従業員)の労働条件は、近年批判を受けている。暴力、ポルノグラフィー、ヘイトスピーチなど、心理的にストレスの多いコンテンツに継続的に曝露されることは、トラウマを含む深刻な健康問題を引き起こす可能性がある。そのため、最近策定された『コンテンツモデレーションのための安全衛生プロトコル』で示されたように、従業員にとって良好な労働条件と強力な心理的支援が不可欠である。

ドイツの労働組合ver.diは、アウトソーシングによるコスト削減措置が、賃金低下や健康予防への投資削減につながる可能性があると警告している。

AIをコンテンツモデレーションに活用する際、人間による十分な監視が欠如すると、不適切なコンテンツが適切に検出されないリスクがある。TikTokは最近、ルーマニアの大統領選キャンペーンで偽アカウントを使用して極右政治家を宣伝するためにプラットフォームが利用された件で批判を浴びた。これを受けて労使協議会は経営陣に対し、政治的・社会的に重要なコンテンツの監視を担当する職種の維持を提案した。この分野では、政治的・文化的文脈の理解が特に重要である。経営陣はこれまで、このような提案をすべて拒否している。

解雇の脅威にさらされている従業員にとって、解雇は単に職を失うこと以上の意味を持つ。TikTokのグローバルな労働力において、職を失うことは一部の従業員の居住資格を脅かす可能性がある。

ver.diで交渉を担当するカトレン・エッガーリング氏は、「TikTokのコスト削減計画は、利益最大化を目的としたもので、従業員と社会に対する責任を欠いたもの。これにより、不適切なコンテンツがますます増加するリスクがある」と警告する。

ver.diはTikTokの経営陣に対し、社会補償協定に関する交渉に入るよう求めている。再訓練措置の必要性と一部の従業員の在留資格への潜在的な脅威を考慮し、ver.diの交渉委員会は解雇予告期間を1年に延長し、3年分の給与に相当する退職金を支払うよう要求している。

経営陣はこれまでver.diとの交渉を拒否している。これに対しver.diはストライキの準備を進めており、経営陣が拒否を継続する場合には、最初のストが間もなく実施される可能性がある。

エッガーリング氏は、「経営陣が我々との交渉を完全に拒否していることはスキャンダルだ。だがTikTok労働者はこのような状況に備えている。最近数ヶ月間で、労働組合の組織化が著しく進展した。ver.diの組合員数が増加し、行動を起こす意欲も高まっている。必要とあらば闘争に備えている」と結論付けた。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「コンテンツモデレーターはインターネットを安全で利用可能なものにする上で不可欠な存在だが、TikTok等の企業は彼らの労働条件を悪化させ、専門業務を軽視しがちだ。今回の抗議行動は、コンテンツモデレーターが、TikTokユーザーを守るために果たしてきた役割と献身を認めさせる上で重要だ。我々はver.diおよび世界中で組織化し、声を上げ、反撃するモデレーターに連帯する」と表明した。


UNI、ブラジルの組合運動に連帯-トランプ政権による貿易政策の政治利用を非難

UNIは、ブラジルの労働組合運動と連帯し、米国が収支黒字国であるブラジルに対して50% の関税を課すというトランプ政権による脅迫を非難する。驚くべきことにトランプ大統領は、この措置は経済とは無関係であり、右派権威主義の同盟者であるボルソナロ前大統領の起訴を阻止することが目的であると認めたのである。

トランプ大統領の無謀な権力乱用はブラジルの民主主義を弱体化させるだけでなく、ボルソナロ支持派のクーデター未遂を捜査する法的手続きを妨害するために貿易政策を利用することは、新たな一線を越える危険なものだ。

 これはブラジル国内の二極化を助長し、ルラ大統領の政権を不安定化させようとする右翼過激派グループを勢いづかせるだけである。2億1100万人の国民全体を、ささいな政治的報復のために犠牲にするものだ。これはブラジルの主権を侵害するものであり、民主主義の後退を示す新たな憂慮すべき兆候だ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「トランプ大統領の気まぐれや不満が、世界貿易のルールを決定してはならない。ブラジルに対する彼の脅迫は、ルールをリセットすることがいかに急務であるかを如実に示している。労働者の権利、民主主義、持続可能性を最優先とする、強固な多国間機関が必要だ‥‥(中略)‥‥我々は、この危機を平和的、多国間、かつ公正な解決に向けた、ブラジルの労働運動とルラ政権による取り組みを引き続き支援していく」と述べた。


フィリピン・マニラの民間病院労組が大勝利

フィリピンの医療分野の労働組合運動が大きな進展を遂げる中、マニラ首都圏の民間医療従事者が労働運動の新たな章を開いている。

2025年7月8日、フィリピンのUNI加盟組織UFSW傘下のディリマン・ドクターズ・ホスピタル従業員協会が、組合認証選挙で179票を獲得し、病院従業員の唯一の交渉代理機関として正式に認定された。多くの労働者にとって、これは単なる数字の集計ではなく、長年続いた沈黙の中の不満解消を意味する瞬間であった。

ロリー・リラガン委員長は「圧倒的な喜びだ。言葉に尽くせない。長年、我々は存在を無視されてきた。しかしこの勝利で、我々の声がようやく届いた」と感無量だ。

その1週間前の6月30日、UFSW傘下のマリキナ・バレー医療センター従業員協会は、経営陣との初の団体交渉を開催した。議論は基本的なルールから始まった——形式的な手順のように見えるかもしれないが、長年平等な立場で交渉のテーブルに着くことを待ち望んでいた労働者たちにとって、このことは極めて重要な意味を持っていた。

レイ・ジョン・ロチェ・エンビレ委員長は「最初の会議は順調だった。経営側は誠意を持って交渉する用意があることを表明してきた」と語り、「ここに至るまで経験した全てを考えると、そのことだけで我々にとっては希望だ。我々は準備が整っている」と語る。

こうしたブレイクスルーは、UNI加盟の民間医療労組の連合体であるUFSWの勢いが拡大していることを示している。

ジーザス・オビエンUFSW委員長は、「このような勝利は、我々をケアする人々を軽視するシステムに反撃するものだ。ディリマンでの勝利とマリキナにおける交渉は、民間医療従事者が尊厳と正義を求めて組織化できるし、組織化をしていくのだという証拠だ」と述べた。

ローランド・デラクルスUNIフィリピン加盟協議長は、これらの勝利は単発のものではなく、大きな波の一部であると強調し、「我々が目撃しているのは、変化の始まりだ。恐怖から力へ、沈黙から行動へ。医療従事者は単に組織化しているだけでなく、自らの労働生活へのコントロールを取り戻している。我々は最後まで彼らに連帯し続ける」と訴えた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「フィリピンのケア労働者の勇気と決意に感銘を受けている。彼らの勝利は、環境がどれだけ過酷でも、団結した労働者は常に前進できるということを思い出させてくれる。ディリマンとマリキナは、単なる始まりに過ぎない」と述べた。

民間部門の医療従事者が全国で組織化を続ける中、次の段階に注目が集まっている—投票での勝利だけでなく、他者を癒しケアする人々の生活に意味のある改善を勝ち取ることだ。最前線の労働者が団結すれば、真の変革は単なる可能性ではなく、必然となるからだ。


歴史的勝利:カナダでアマゾン労組が承認を獲得

カナダのブリティッシュコロンビア州デルタにあるアマゾン倉庫の労働者は、同州の労働委員会が労働組合Uniforの主張を支持し、企業が組合結成プロセスに介入したと判断したことで、組合承認を獲得した。この画期的な判断は、カナダにおける労働者の組合代表権を確立するだけでなく、世界中のアマゾン施設での組合結成運動にも影響を与える可能性がある。

ラナ・ペインUnifor委員長は「アマゾンで働く労働者は非常に困難な状況下で組織化を推進してきたが、ついに巨人を倒した。…(中略)…この判決は、労働者をいじめる企業は最終的に自滅するだけだという明確なメッセージを企業に送っている」と述べた。

ブリティッシュコロンビア州労働関係委員会は、アマゾンがYVR5施設での組織化キャンペーン中に実施した急激な採用拡大や反組合メッセージなど、一連の措置が投票の公正性を損なったと判断した。これにより、委員会は州の労働法に基づき、自動的な組合承認を付与した。 この判決により、デルタの倉庫はカナダで初めて組合代表を獲得したアマゾン施設となった。

アマゾン・グローバル労組アライアンスを率いるクリスティ・ホフマンUNI書記長は 「ブリティッシュコロンビア州でのこの判決は、労働者が団結し、法が彼らの権利を擁護する際に何が起こるかを明確に示す事例だ」と述べ、「アマゾンの干渉は失敗し、労働者が勝利した。これは、同社のグローバルな反労組戦略にもかかわらず、組織化は可能であるということ、そして組織化は世界中で進行中であることを示すものだ」とたたみかけた。 同労組アライアンスは、20カ国以上で組織化活動を支援する労働組合のネットワークである。

デルタにおける組合の認定は、ケベック州ラヴァルの施設での以前の取組みに続くものだ。同施設では労働者が労組結成に賛成票を投じたが、アマゾンはその後、倉庫を閉鎖する報復措置を講じた。カナダ全土の民間労働者を代表するUniforは、最初の団体交渉協定の交渉準備を開始すると表明した。

今回の事例は、アマゾンにおけるグローバルな労働力の組織化を目指す国際的な取組みの文脈の中で発生したものだ。UNIアマゾン・グローバル労組アライアンスに加盟する労働組合は、20カ国以上でストライキや抗議行動を主導し、労働条件や気候変動関連安全リスクなどに関する国境を越えたキャンペーンを展開している。

UNIはまた、「Make Amazon Pay」行動デーを共催し、労働組合、市民団体、環境団体を結びつけ、労働基準の改善、税の公平性、気候変動への責任を訴える活動を展開している。


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