11月 2024のお知らせ

アマゾンの反労働者・反民主主義的慣行に対する「Make Amazon Pay」世界的抗議行動とストライキに参加を!

1年の中で最大のショッピングウィークの一つ、ブラックフライデーからサイバーマンデーにかけての期間に、6大陸にまたがるアマゾンの労働者と仲間たちが、「Make Amazon Pay」(=アマゾンに支払わせよう)の旗印の下、ストライキと抗議行動を行う。UNIとプログレッシブ・インターナショナルの主導で、2024年11月29日から12月2日にかけて実施されるこの行動は、アマゾンの労働者への虐待、環境破壊、民主主義への脅威について、責任を追及することが目的だ。

労働組合や税の正義を求める団体、反貧困、衣料品労働者の権利を守る団体などが、米国、英国、ドイツ、日本、ブラジルの主要都市を含む20カ国以上でデモを計画している。ドイツでは今年、グラベン、ドルトムント・ヴェルネ、バート・ヘルスフェルト、ライプチヒ、コブレンツ、ラインベルクのアマゾン倉庫で数千人の労働者がストライキを行う。ニューデリーでは数百人のアマゾン労働者が集会を開き、7月の夏の大熱波の際にアマゾンが労働者を酷使したことを受けて、公正な待遇を要求する。 フランスでは、ATTAC(金融取引に課税を求める団体)がフランス全土の複数の都市で抗議行動を行う。また、バングラデシュでは、衣料品労働者が街頭で抗議行動を行う。

今年で5年目となるMake Amazon Pay世界行動デーは、ブラックフライデーから週末にかけて継続される。このキャンペーンは、世界中でアマゾンの責任を追及する運動を活発化させている。過去には、ドイツ、フランス 、スペイン、英国、イタリアの各施設で数千人の労働者がストを行い、バングラデシュでは衣料品労働者が街頭に立ち、米国では労働者がストを実施した。また、世界中のアマゾン事務所建物にMake Amazon Payのロゴ、そしてジェフ・ベゾスの邸宅には「pandemic profiteer=パンデミックで暴利を貪る者」の文字が投影され、気候変動活動家が欧州3カ国のアマゾン倉庫の封鎖を行った。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は 「アマゾンのあくなき利益追求は、労働者、環境、民主主義を犠牲にしている」と批判、「ベゾスの会社は、労働者の組織化を阻止するために何百万ドルもの資金を費やしてきたが、世界中で起きているストライキや抗議行動は、労働者の正義への願い、つまり組合によって代表されることへの願いを止めることができないということを示している。アマゾンが労働者を公平に扱い、基本的権利を尊重し、全ての労働者を保護する制度を弱体化させないよう、我々は一致して要求する。Make Amazon Pay世界行動デーは、アマゾンの権力乱用に対する世界的な抵抗行動だ」と語った。

そして、最近のいくつかの出来事によって、アマゾンの民主主義への影響力がクローズアップされている。アマゾンが欧州全域でロビー活動への支出を 数百万ドルも過少に報告していることが報告され、また同社が公聴会への参加を拒否していることから、欧州議会は同社のロビイストを追放した。米国では、アマゾンが全国労働関係委員会(NLRB)の合憲性を争う訴訟を起こしたことで、米国のすべての労働者の保護が弱まる恐れがある。

労働者や組合は、世界各地でアマゾンの組合潰しに抵抗している。米国では、アラバマ州の倉庫労働者に対するアマゾンの戦術があまりに極端だったため、連邦政府は最初の組合投票を無効とし、2回目の選挙と今回の3回目の選挙を強行した。カナダ、ドイツ、英国では、アマゾンが労働者を脅迫して組合結成を阻止したとして非難されている。例えば、ドイツの労組ver.diは、アマゾンに団体交渉基準を遵守するよう10年間求めてきた。インドでは、UNIが支援するインドアマゾン労組のメンバーが、酷暑の中での労働条件の改善を求めている。

グローバルな抵抗の日
プログレッシブ・インターナショナルのヴァーシャ・ガンディコタ・ネルトラ共同事務局長は「アマゾンはいたるところにあるが、我々もいたるところにいる。国境を越えて我々の運動が団結すれば、アマゾンにやり方を変えさせるだけでなく、ジェフ・ベゾスの銀行残高ではなく人間の尊厳を優先する世界の礎を築くことができる」と述べた。

このキャンペーンの要求は、規制当局の共感も呼んでおり、進歩的な立法の勝利を後押ししている。米国では、カリフォルニア、ミネソタ、オレゴン、ニューヨーク、ワシントンなど、複数の州がアマゾン倉庫における劣悪な労働条件に直接対処する法律を可決した。英国では、労働組合の認定手続きを簡素化する従業員権利法案が現在議会で審議中であり、EUでは、欧州におけるアマゾンの安全対策が調査されている。

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同で呼びかける「Make Amazon Pay 」には、UNI、プログレッシブ・インターナショナル、グリーンピース、350.org、タックス・ジャスティス・ネットワーク、アマゾン・ワーカーズ・インターナショナルなど、80を超える労働組合、市民団体、環境保護活動家、税制監視団体が参加する。このキャンペーンは、アマゾンが労働者に公正な賃金を支払い、労働組合への加入権を尊重し、適正な税金を支払い、真の環境持続可能性に取り組むという共通の要求を掲げて団結している。

Make Amazon Pay 世界行動デーについて
Make Amazon Pay 世界行動デーは、2020年のブラックフライデーに UNIとプログレッシブ・インターナショナルによって開始された。毎年、この運動は拡大し、アマゾンに対して利益よりも人々を優先するよう求める労働組合、活動家、支援者団体の取組みを結びつけている。30以上の労働組合、環境保護団体、市民団体が参加する Make Amazon Pay世界行動デーは、体系的な変化を求める結束した呼びかけで、アマゾンの力に挑戦する日となっている。


ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の行動:2024年は「生理、出産、更年期」3つのMに焦点

11月25日の「女性に対する暴力撤廃国際デー」は、ジェンダーに基づく暴力の根絶のための16日間キャンペーンの始まりを告げる日だ。2024年の今回、UNIは、差別、暴力、偏見のない職場の構築に向けて、ジェンダーの視点を取り入れた労働安全衛生政策に焦点を当てる。

特に、生理(Menstruation)、出産(Maternity)、更年期(Menopause)の3つのMを中心に、女性の健康を支援し、安全な職場を作り、差別をなくすため、労働組合がどのように組織化し、キャンペーンを行っているかを紹介する。

3つの「M」はすべて自然な生物学的現象であるにもかかわらず、多くの文化や職場では依然としてタブー視されている。これは多くの場合、労働者の権利やニーズの軽視につながり、暴力の根本原因のひとつである差別を生み出している。

ヴェロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「生理、出産、更年期という自然なプロセスは世界人口の半分に影響を与えている。これらについて、負のレッテル貼りがなされたり差別が生まれたり、サポートが欠如していると、ジェンダー平等が損なわれ、ジェンダーに基づく暴力の一因となりえる。これらの問題に対処するには、包括的な政策、教育、そして我々の経験に対するより大きな包摂性と尊重に向けた文化の変革が必要だ」と訴える。

UNIは、ILO条約第190号(C190)および勧告第206号(R206)の批准と実施を要求するだけでなく、一連のマニュアルを通じて、職場におけるより良い政策と支援制度を求めて闘う労働組合を支援している。

1:生理マニュアル                     

生理中の労働者が直面する職場での課題について、誤解を解き、取り組むことを目的としている。このマニュアルでは、適切な衛生設備を利用できないこと、生理に対する偏見が依然として続いていること、そしてこれらの要因が子宮内膜症や貧血などの健康状態を悪化させることを説明している。また、生理休暇に関する規定の交渉、衛生設備の利用の確保、職場でのプライバシーと尊厳の擁護など、生理中の労働者を支援する方法についてのガイドラインを労働組合に提供している。

2:出産マニュアル
ここでは、出産が労働者に与える影響や、妊娠中および授乳中の女性が直面する制度上の不平等について考察している。 安全な労働条件や有給休暇など、出産保護の実施に関する実践的な指針を提供している。 また、代理出産、養子縁組、世界中の女性が直面する育児危機を考慮したより良い出産政策の推進における労働組合の役割についても論じている。 産前、産中、産後の女性に適切な権利を確保するための団体交渉の重要性について論じている。。

3:更年期マニュアル
更年期マニュアルでは、更年期に関連する生物学的、心理学的、社会的変化についての洞察を紹介し、職場認識や支援の欠如、ハラスメントや差別など、更年期の女性が直面する課題を取り上げる。リスク評価の交渉、柔軟な勤務形態の確立、換気の不備や快適性を欠く制服など症状を悪化させる可能性のある職場環境への対処を通じ、労働組合が更年期の労働者を支援するための枠組みを提供している。

※日本語版のマニュアルは、「出版物」のページ下部よりアクセスできます。


UNI Apro地域大会最終日、変革の原動力を生み出す

第6回UNI Apro地域大会において、UNI加盟組織は、次の4年間で変革を起こすべく、団結し、共に立ち上がった。2024 年11月20~22日にかけてタイ・バンコクで開催された第6回UNI Apro地域大会には、22カ国の組合からおよそ600名が参加した。

デジタル時代のディーセント・ワークのために、共に変革しよう(動議4)
地域大会の最終日は、デジタル時代におけるディーセントワークの実現に向けた、公正な移行に関する議論から始まった。

パネル討議に参加した鈴木克彦代議員(日本、情報労連)は、「日本では労働人口が減少する中、自動化やAIはプロセスを効率化し、労働力不足に直面する産業をサポートするツールとして期待されている」としつつ、倫理性の欠如によって労働者の権利を蔑ろにするリスクをはらんでいることを指摘した。そして、AIが労働者を支え、労働者の権利を守り、労働環境を改善するためのツールとなるよう、労働組合が積極的に関与し、会社と協議していかなければならない、とまとめた。

デニス・マガ代議員(ニュージーランド、FIRST Union)は、労働者がスキルアップや再技能教育プログラムを受けたり、つながらない権利を行使できるようにするための団体交渉の必要性を強調した。さらに、AI関連の移行を管理する上での労働組合と使用者間の強固な対話の重要性を強調し、AI主導の変化の影響を受ける労働者を保護するための社会所得保険や積極的労働市場プログラムなどの制度的な措置の必要性を訴えた。

フロアから発言した橋本大樹代議員(日本、損保労連)は、緊急性が高くない場合であっても、評価を気にして上司からの連絡に対応してしまう等、「つながらない」ことを選択しづらい状況が存在している実態を指摘し、勤務時間外のおけるコミュニケーションツールの使用等に関するルール策定の整備を進め、つながらないことを選択しやすい環境整備の重要性を訴えた。

暴力やハラスメントのない健康で安全な職場のために、共に変革しよう(動議5)
並木泰宗UNI Apro副会長(日本、自動車総連)がセッション司会を務め、「安全で衛生的な職場で働くことは基本的権利であり、UNIと加盟組織は、世界中でこの権利の実現に向けて立ち上がり続けなければならない」と挨拶した。

ILOバンコク事務所の氏田由可 労働安全衛生上席専門家が、2022年にILOが基本的人権として定めた労働安全衛生について、基調講演を行った。「労働安全衛生は、組合が職場における基本的人権の意識を高めるための非常に良い出発点となる」と述べた上で「毎年、過重労働が原因で、25万人が心臓病や脳卒中で命を落としている。アジア太平洋地域では、世界でも最も深刻な過重労働の問題に直面しており、この地域にとって喫緊の課題だ」と指摘した。

パネリストの永島智子代議員(日本、UAゼンセン)は、「サービスを受ける側も提供する側も共に尊重される社会を創る!」をコンセプトにしたカスタマーハラスメントの取組みについて報告した。アンケートによる実態調査を基に、厚労省や地方自治体行政への要請や、同組織出身の議員による国会での課題提起などを行った結果、2022年には厚労省のカスタマーハラスメント対策が予算化され、政府による広報ツール等が作成され、社会的にも認知されるようになったこと、東京都が日本初の「カスタマーハラスメント防止条例」を成立させ、2025年4月から施行されること等を共有した。

プレムカラ・サンバハンペ代議員(ネパール、NTEAN)は、労働組合が交渉によって、負傷した技術者の医療費負担を含む労働者の福祉の大幅な改善を実現した経緯を説明し、「安全な職場は、業績、評判、コンプライアンスを向上させ、労働安全衛生への投資を不可欠なものとする」と述べた。

また、熊谷芙美子代議員(日本、自動車総連)は、同組織による労働災害撲滅の取組みについて報告した。類似災害発生防止のために事例を共有し、加盟組織の安全衛生担当者と必要な対策を協議していると述べ、今後は重大災害の発生原因をさらに深く分析し、職場での再発防止意識を徹底するなど、より一層の取組みが必要だと発言した。

社会対話やパートナーシップ労使関係を通じて、持続可能な未来のために共に変革しよう(動議6)
最終セッションでは、技術革新と世界的な不確実性の時代における社会対話の重要性が強調された。

ゲストスピーカーとして参加したロドラ・ババランASEAN人材開発局長は、AI、自動化、リモートワークがもたらす変化は、使用者や政策立案者だけでなく、労働組合も適応する必要があり、そうすることで労働者が団体交渉権やディーセントワークを享受できると述べた。

スブラマニアム代議員(シンガポール、UTES)は、シンガポールの強固な三者構成の枠組みを紹介し、政労使が協力し、2025年の目標である2,500社を上回る2,700社以上の企業研修委員会を設立、労働者の研修プログラムを共同で策定していると報告した。また、「労働者にスキルアップや再教育を奨励することで、彼らの雇用可能性が将来の仕事にも対応できることを保証している」と付言した。

パネリストの市川勝也代議員(日本、生保労連)は、労使が連携して諸課題に対応していくことが重要との認識から、金融産業では初となる「働き方改革に向けた生保産業労使共同宣言」が採択され、また2024年には「社会的使命達成に向けた生保産業労使共同宣言」の採択が実現したことを報告した。そして地域社会の諸課題の解決に向けた「地域社会共創フォーラム」を開催し、労使共同宣言を共に交わした経営者団体である生命保険協会もパネラーとして参加、労使一体となって課題解決策を話し合ったことなどを共有した。

同じくパネルに登壇した深見正弘代議員(日本、全労金)は、同組織が参加する協同組織産別・単組連絡会の活動について説明するとともに、雇用創出や持続可能な開発に貢献し、UNI やUNI Aproの運動とも合致する協同組合の意義について語った。そして国連の定める2025年の国際協同組合年に向けて、協同組合の貢献について認知度を高め、持続可能な開発に向けて協同組合が発展するよう、政府や関係機関に働きかけていくことについて、ともに取組むことを提起した。

また、労済労連の上杉雄太代議員も、「協同組合は生活をより良くしたいと願う人びとが自主的に集まって事業を行い、その事業の利用を中心にしながら、みんなで活動を進めていく、営利を目的としない組織」であると説明した。また連絡会による今年のシンポジウムでは、協同組合の社会的責任と可能性をテーマに学んだことを報告し、最後に「2025国際協同組合年」を盛り上げていくことを大会に要請した。

磯山直樹代議員(日本、UAZ)は、職場の課題については、企業別労組がパートナーシップ労使関係に基づき、経営側と労使協議や団体交渉を行い、解決に取組んでいるとした上で、税金や社会保障、労働法制、カスタマーハラスメント等の社会課題については、政治活動に積極的に取組む必要があると発言した。ただし若い組合員の政治への関心の低さが課題であるとし、所属する企業別労組では、若手組合員を対象に、国会見学などの政治研修会を実施していることを紹介した。

全ての動議について採択が行われ、満場一致で承認された。最後に、UNI Aproの新たな執行部について選挙が行われ、過去5年にわたってこの地域におけるUNIの取組みを主導してきた成果と実績が認められ、UAゼンセンの松浦明彦UNI Apro会長と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が再選された。また、UNI Apro執行委員会の新メンバーも大会で承認された。

安藤京一UNI副会長は、閉会挨拶の中で、気候変動や民主主義への脅威、一部の巨大多国籍企業による不当行為といったリスクにさらされ続ける中、すべての労働者が安心・安全に働けるようにするためには、グローバルな連帯が必要であり、UNI Aproに集う加盟組織がこれまで以上に一致団結しなければならないと訴えた。そして、新たに選出されたUNI Apro執行部を祝福し、UNI Aproの運動を牽引し、より良い将来の構築に向けてイニシアチブを発揮して頂きたいと述べ、締めくくった。


UNI Apro地域大会2日目:アジア太平洋地域における労働者の力を高める鍵は、連帯と組織化

激動する世界における国際連帯の緊急性は、UNI Apro地域大会2日目でも繰り返し取り上げられた。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、基調講演の中で「我々は、AI、気候変動、労働組合を消滅させようとする圧政や少数独裁政治といった課題に直面し、今も組織化と成長という困難な闘いに立ち向かっている。地政学的な緊張関係が、あらゆる方向に発展する可能性がある。だからこそ、我々は互いを必要としている。世界はこれまで以上に労働組合運動の断固たる決意を必要としており、UNIはその中心となっていこう」と呼びかけた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、企業欲に駆られた市場主導の親企業政策の台頭、労働基準を弱体化させる多国籍企業の前例のない影響力など、この地域における多くの課題を指摘した。同時に、各国政府は団結権に対する規制を強めており、ギグエコノミーの急速な拡大により、この問題はさらに深刻化している。物流、配送、Eコマースなどの分野では、プラットフォームワーカーやギグワーカーが深刻な搾取に直面している。同書記長は「この地域が経済的に成長するにつれ、エリート層だけでなく、すべての人々がその恩恵を受けられるよう、我々は闘っていく」と力強く宣言した。

組合の力を高めるために、共に変革しよう(動議1)
Apro地域における組織化の成功例が、数多く紹介された。

ダルメンドラ・クマール代議員(インド、アマゾン労組)は、組合潰しにも負けず組合を結成し、州のデジタル決済システム入札へのアマゾンの参加阻止、アマゾンが施設を閉鎖した際に解雇された800人以上の労働者に対する5か月分の賃金獲得など、数多くの成果を挙げたことを強調した。

ニコール・マクファーソン代議員(オーストラリア、金融産業労組)は、デジタル時代における労働者保護に関する組合の取組みについて報告した。同労組は、データセキュリティ、雇用保護、AIに関する労働者を交えた協議について、業界初の権利を獲得し、これにより、組合員は職場でのAIの利用方法を確実に管理できるようになる、と述べた。

木村美咲代議員(日本、UAゼンセン)は、自身が中央副書記長を務めるスギ薬局ユニオンの組織化について報告した。従来パート社員の組織率は5%であったが、パート社員組織化の重要性について会社側に説明して協定書を締結、店長の協力を得てパート社員一人ずつに丁寧に説明した結果、昨年パートタイム社員全員の組織化が実現した。SMSで気軽に労働相談ができるよう環境を整え、パート組合員向けのイベントを新たに企画する等、組合活動参加・参画への入り口を広げる活動にも取組んでいる。

平等と包摂のために、共に変革しよう(動議2)
はじめに中田綾子女性委員会議長(日本、UAゼンセン)が、座長として前日の女性大会の成果を報告するとともに、動議2の概要を説明した。

UNI Apro女性委員会議長代行に選出されたバブニート・カウール・アラン代議員(インド、AIBOBOA)は、過去3年間で1,300人以上の女性を支援し、51人の女性リーダー誕生につながったUNIのメンタリング・プログラムの成果を強調し、「若い女性のリーダーシップに投資すれば、職場での平等を推進する有能なリーダーの強固なパイプラインを構築できる」と訴えた。

また、パネルに参加した山口由紀子代議員(日本、UAゼンセン)は、組合員の6割が女性であるにも関わらず、女性の組合リーダーが少ないという課題について、同組織が取組む『女性ネクストリーダー会議』について説明した。同会議では、ジェンダー平等の実現と、女性トップリーダーの育成に向けた課題と必要な対応について議論し、その結果を流通部門の執行委員会に提案している。また、働く女性の健康支援の取組みとして、加盟組合への啓発活動を進めており、その成果は積立有給休暇を不妊治療に適用拡大することや、生理休暇の名称を変更し、更年期症状にも使えるようにすることなど、団体交渉にも表れている、と発言した。

同じくパネリストの三﨑友香里代議員(日本、大日本印刷労組)は、「性別や働き方に関わらず、すべての人が誇りをもって働けるように」との思いから始まった同組織の「MiMoSa」プロジェクトについて共有した。女性だけに焦点を当てるのではなく、セミナーではマイノリティと言われる人たちが感じた壁や必要とするサポートに多くの人が耳を傾け、共感したり、気づきを得たりするような取組みを行っている。

また永渕達也代議員(日本、情報労連)は、若者の過労死や、いわゆるブラックバイト等の状況に触れ、学生に対する労働教育が重要であるとの観点から、同労連による「明日知恵塾」の取組みを紹介した。労働に対する想像と現実のギャップを埋めるため、社会に出ていく学生に対して労働者としての実体験を共有し、労働組合の存在や必要性について伝えている。今後も労働組合の立場から、若者に対するワークルール教育に携わっていきたいと語った。

フロアから発言した藤原達矢代議員(日本、大日本印刷労組)は、同組織における男性育休制度の理解促進と、育休取得満足度の向上にむけた活動について紹介した。男性育休取得率は大幅に増加しているとしつつ、取得期間については満足度の低い人もいることから、育休取得経験者の声をもとに、体験談のシェア、収入面や人事評価への影響、復帰後の働き方などを伝える活動をしている。

民主主義、人権、労働組合の権利のために、共に変革しよう(動議3)
石川幸德UNI Apro副会長(日本、JP労組)が司会を務めた本セッションでは、はじめにユユン・ワヒュニンラムASEAN人権政府間委員会インドネシア代表が基調講演を行った。「世界がアジア太平洋地域を世界的な成長の原動力として注目する中、この進歩が包摂的で公正なものとなるようにしていく必要がある。搾取ではなく公平性、排除ではなくエンパワーメントに根ざしてたものにしていかなければならない」と呼びかけ、議論の口火を切った。

フィル・ロバートソン・アジア人権労働擁護団体事務局長は、この地域の深刻な人権状況について説明し、国際労働組合総連合(ITUC)が2024年に発表した『グローバル・ライツ・インデックス』において、労働者の権利ワースト10の中にアジア3カ国が挙げられていることに言及した。その一つ、現在2万人以上の政治犯が収監されているミャンマーにおいては、労働組合は禁止され、何千人もの民間人が殺害され、数百万人が国外に流出しており、同氏はミャンマーの人々を支援するよう国際社会に強く求めた。

地域大会には、マウン・マウン・ミャンマー労働組合総連合(CTUM)会長からのビデオメッセージが寄せられ、ミャンマーの労働者と民主主義を支援するUNIの取組み、特に多国籍銀行に対して軍事政権に関与する企業から投資撤退を要請する取組みについて、感謝の意が表された。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「組合の強さ、団結、正義への献身が、アジア太平洋地域のすべての労働者のより良い未来のために闘う我々を導いてくれる。皆さんのたゆまぬ努力、勇気、そして揺るぎない連帯に感謝したい。共に、すべての人にとって公平で公平な仕事の世界に向けて前進し続けよう、共に変革を!」と国際連帯の重要性を強く呼びかけた。

一方、フロアから発言した安達正美代議員(日本、JP労組)は、同労組が行っているウクライナ郵便労組へのカンパ活動や、「連合」を通じた平和4行動、平和についての次世代への継承活動、学習会などを通じた政治への関心を高め民主主義を守る取組み等を紹介し、民主主義・人権・労働組合の権利のために、引き続き尽力していきたいと語った。


変革のために、共に立ち上がろう!第6回UNI Apro地域大会がバンコクで開幕

2024年11月20日、『変革のために、共に立ち上がろう』(Rising Together to Transform)をテーマに開催された第6回UNI Apro地域大会の開幕に合わせ、Apro地域全体から600人を超える労働組合のリーダーが、タイ・バンコクに集結した。

11月20~22日まで開催される地域大会は、地域全体のUNI加盟組織が、連帯、組織化、団体交渉を通じて経済を変革するための舞台を整えるものとなる。

開会式では、タイ現代舞踊の美しいパフォーマンスに続き、スウィット・ミンモルUNIタイ加盟協議会議長が、タイのUNI加盟組織を代表して、参加者を歓迎した。

満員の会場でクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「『トランスフォーム』という言葉は、我々がただ変化を望んでいるのではなく、もっと大きな変革を望んでいるということを意味する。経済を変革しなければなりません。組合の役割と力を変革しなければならない。そして、組合そのものを変革し、若者や女性をより多く受け入れられるよう、組合そのものを変革していかなければならない」と呼びかけた。

来賓のシラポップ・ドゥアンソッドスリ労働副大臣は 、デジタル経済がもたらす変革の中で、スキルアップ、リスキリング、労働者福祉の向上に関する政府の取組みを強調した。また、法制化によって労働者の権利を向上させる計画についても言及し、「現在策定中の独立労働法の草案は、タイを国際労働基準に沿った労働基準を持つ国にし、すべての人にディーセント・ワークを創出することを目的として いる。(…中略…)タイ政府を代表し、三者構成で労働団体と協力し、タイの労働問題に関わるミッションを着実かつ持続的に推進していく」と述べた。

松浦昭彦UNI Apro会長は 、パンデミック、政情不安、気候危機、経済格差の拡大など、かつてない激動の時代を乗り切るには、連帯が不可欠だと強調し、「労働組合は、団結し、共に変革を目指すことで労働者の権利を守ることができる。仲間を増やし、各国の組合同士が連帯することで、私たちの声を社会に響かせることができる。組織化を通じた労働者の権利の保護と労働条件の向上を実現しよう」と力強く呼びかけた。

パヌッダ・ブーンパラILOアジア太平洋地域事務所副事務局長は基調講演の中で、すべての労働者は暴力やハラスメントから解放されるべきだと述べ、「ILOは、特に移民労働者、非正規労働者、若年労働者がハラスメントの被害を最も受けやすい産業において、安全で包摂的な環境づくりに向けて継続的に取組んでいるUNI Aproの活動を称賛する」と述べ、職場における差別、ハラスメント、虐待の撲滅に向けた組合の取組みに対するILOの支援継続を約束した。

吉田昌哉ITUC-AP書記長は、 この地域の民主化闘争と組合の勝利に注目し、ミャンマーで軍事政権に抵抗する国民統一政府が前進したこと、インドネシアで労働法の改善を新たに提唱した組合が成功したこと、タイがOECD加盟を申請したことを称賛した。しかし、香港ではリー・チャクヤンのような活動家や組合指導者が不当に投獄されていることを非難し、「逆境の時こそ、我々は背筋を伸ばし、歴史から力を引き出し、前進しなければならない」と強調した。

もう一人の講演者、ヘニング・エフナー・フリードリッヒ・エーベルト財団タイ事務所長は、同財団がこの地域で長年にわたって築いてきたパートナーシップについて語り、「FESは皆さんと連帯し、社会正義、ディーセント・ワーク、労働組合の権利のために、アジア太平洋地域および世界中で組合の闘いを支援し続ける」と述べた。

マノップ・クエラットタイ国営企業労連委員長は、グローバルな自由市場の資本主義が悪化させた不平等の拡大について懸念を表明し、「短期雇用、雇用不安、労働権侵害、不当な賃金は、不平等の拡大につながっている。貧困層と富裕層の格差は拡大し続けている」と述べた。

ジェラルド・ドワイヤーUNI会長は、 タイ労働省の三者構成による取組みについて、「政府、使用者、労働者が協力し合うことができれば、それこそが最高の社会だ」称え、開会式を締めくくった。


UNI Aproの女性たち、変革を求める

UNI Apro女性大会の2日目は、参加者が新たな議長を選出し、変革に向けた野心的な道筋を描くなど、ダイナミックな議題が展開された。主な優先課題には、安全な職場の確保によるジェンダー平等の推進、ジェンダーに対応した労働安全衛生アプローチの採用、労働組合で指導的役割を担う若い女性を後押しする取組みの強化などがある。

会議の冒頭、アルケ・べシガーUNI副書記長は、5年前のUNI Apro女性大会以降、女性の地位向上が進展していることを強調し、「UNIの40 for 40キャンペーン、40%ルールの一貫した適用、そしてメンタリング・プログラムは、UNIの会議やUNIの意思決定機構における女性の参加率の大幅な上昇を実現する上で大きな力となった。(…中略…)昨年フィラデルフィアで開催されたUNI世界大会では、史上初めて女性の参加者が男性を上回った」と語った。

ジェンダー平等と安全な労働環境のために変革しよう
労働組合による一致した行動により、2019年に仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に向けて新たにILO第190号条約が採択された。しかし、この地域でより多くの政府に条約を批准させ、女性の保護を優先させるために、まだやるべき事は多い。

ルクサナ・パーベン代議員(バングラデシュ、GPEU)は、「ジェンダー平等と安全な労働環境のために変革しよう」に関する動議を説明し、女性や少女に対する暴力は依然として最も蔓延した人権侵害のひとつであり、女性の権利の実現と2030年の持続可能な開発目標の達成を大きく妨げていると主張し、次のように述べた。「経済的自立は暴力から逃れる道筋となり得るが、多くの被害者は仕事を中断したり不安定な状況に直面したりしており、生産性の低下や経済的不安定につながっている。これらの課題に取り組むため、UNI Aproは、ILO第190号条約の実施を支援し、暴力に反対するキャンペーンへの積極的な参加を促進し、重要な条約の批准を提唱していく」

この動議に関する討議で、スラッカナ・ラジャパクシャ代議員(スリランカ、銀行従業員労連)は、「職場でハラスメントや虐待を受けた場合、その人が自分が虐待されていることを認識するためには多くのことが必要だ。労働組合として、労働者を教育し、受入れ、必要な時にはNOと言えることがスキルだと認識させることは、我々の義務だ」と指摘した。

キム・テヒ代議員(韓国、金融産業労組)は、ストレスや仕事量など、職場における安全性の欠如につながる別の要因も、女性や社会に悪影響を及ぼしていると説明した。韓国の出生率は1人当たり0.72人まで急落し、OECD加盟38カ国の中で最低となっている。同氏は、「長時間労働のために子どもに十分な時間や気持ちを割くことができない環境では、出産・子育ての負担は必然的に増大する」と 説明するとともに、組合では週休4日制と労働時間の短縮を推進し、親が家族のための時間をもっと多く確保し、ワークライフバランスを実現できるよう働きかけていると付け加えた。

松井美里代議員(日本、生保労連)は、組合員の9割が女性で構成される同組織では、職場における女性管理職占率が高まることで、女性にとって長く働きやすい環境が整備されていくと考えている。現状は道半ばであるが、引き続き職場におけるジェンダー平等にむけた取組みを進めていく、と述べた。

伊藤美幸代議員(日本、JP労組)は、ジェンダー平等推進計画によって、中央本部の女性役員配置率や定期全国大会における女性代議員参画率について30%を達成したことを報告すると共に、ハラスメント根絶にむけて、定期的に中央本部と本社の間で意見交換を行い、意識合わせを行っていると共有した。

組合を変革する女性たち
労働組合の構築における女性の役割は、女性大会の重要な焦点となった。シャニカ・シルバ代議員(スリランカ、セイロン銀行従業員組合)は、「女性は組合の問題に独自の視点をもたらすことができる。職場におけるジェンダー不平等は賃金格差にとどまらず、指導的役割に就けないこと、昇進における不当な待遇、仕事と家庭生活の両立の難しさなどが挙げられる。組合で女性が声をあげることで、こうした問題に正面から取組むことができるようになる。我々が声を上げることで、女性だけでなく家族や地域社会にも影響を与える懸念を広めていくことができる」と訴えた。また、地域の協力とエンパワーメントを促進するための重要な取組みとして、南アジア専門職女性ネットワークについて紹介するとともに、UNIのメンタリング・プログラムは、女性にリーダーシップ・スキルを身につけさせる上で有効だと強調した

ジャケリナ・ビンティ・ラジウム代議員(マレーシア、郵便労組)は、「女性は単なる参加者ではなく、組合を変える触媒だ。女性の役割を理解し、ジェンダー特有の問題に取組むことで、組合はより包摂的で、対応力のある、効果的な組織になれる」と主張した。

阿部路子代議員(日本、UAゼンセン)は 、かつてわずか16%だった商業部門の女性代表を増やすための同労組の取組みについて語った。女性リーダーの育成を急務とし、「女性ネクストリーダー会議」を立ち上げ、メンバーがリーダーとして経験を積む場を設けるなどの取組みを通じ、女性役員の比率が向上したことを報告した。

小川友世代議員(日本、自動車総連)は、男性が多数を占める組合本部で、男性役員の常識を変えるべく、働く中で感じたことや改善点などを話し合いの場で伝えてきた自らの経験を振り返った。また、女性からいざ声があがってきても、それに対する優先順位が低くなりがちな状況を踏まえ、女性役員の意見交換会を開催したことや、今では、女性だけでなく多様な背景をもつ人が参画しやすい活動を話し合う委員会へと引き継がれていることを共有した。

フロアから発言した相宅幽香代議員(日本、損保労連)は、女性の意見がより労働組合活動に反映されるよう、同労連では組合の意思決定機関に参加する女性の割合を高める活動を進めてきたと報告した。取組みの結果、全国大会の代議員に占める女性の割合が3年前から1.6倍となる45%を超え、また半数以上の加盟単組の執行部に占める女性の割合が40%を超え、かつ三役に女性が登用されるようになったことを共有した。

万人のための安全:ジェンダーに対応した労働安全衛生
UNI機会均等局は、労働安全衛生をジェンダーに配慮した視点でとらえることを提唱している。生理(Menstruation)、出産(Maternity)、更年期(Menopause)という3つのMに焦点をあて、女性の職業生活に対する労働組合の支援強化を目的とした新たな実践的マニュアルを発表している。

カリヤニ・シェテ代議員(インド、RMS)は、南アジアの女性が直面する労働安全衛生に関する深刻な課題を強調し、「衛生設備へのアクセスは基本的人権だが、女性労働者の多くはそれを利用できないため、尿路感染症や骨盤内炎症性疾患、腎結石、下腹部痛、女性生殖器関連の問題など、さまざまな健康問題に苦しんでいる」と訴え、 労働組合がこうした状況に対処するための行動を起こすよう呼びかけた。

ヘレン・クーニー代議員(オーストラリア、店舗流通関連労組)は、法改正を推進する上での調査主導のアドボカシーの力を強調し、労働組合がオーストラリアのフェア・ワーク法にジェンダー平等の支店を組み込むことに成功した事例を紹介した。研究に基づく労働組合主導の取組みが、労働安全衛生政策をより包摂的なものに変える可能性を示したのである。

川島加津美代議員(日本、UAゼンセン)は、サービス業の女性労働者は、立ち仕事や強い冷房、不規則な勤務時間のため、ホルモンバランスの乱れから不調を起こしやすいとした上で、同組織で重点政策の一つに掲げる「働く女性の健康サポートの強化」について説明した。労働条件交渉の基本方針の中に女性の健康サポートに関する項目が盛り込まれていることを共有した他、女性の健康課題についての正しい情報共有のために、啓発リーフレットや動画による理解促進を図り、ライフステージごとの健康づくりや、企業における女性の健康支援の事例についてセミナーを開催したことなどを報告した。

三﨑友香里代議員(日本、大日本印刷労組)は、同労組で取組んでいる「生理痛体験」について報告した。性別に関わらず不調の原因や度合いは人それぞれであり、つらさの度合いを勝手に決めつけるのは違う、ということを体感的に理解することが目的である。「共に働く仲間は、それぞれ何かしらの不調を抱えているかもしれない。その不調はその人に様々な影響を与えているかもしれない」と想像できる優しさを持つことが重要だと訴えた。

若い女性のために変革しよう

ベルナデット・レイズ代議員(フィリピン、NUBE-IFO)は、「我々は今日、若者が社会の変革の担い手として果たす重要な役割を再認識するために集った。世界の若者の約60%がアジア太平洋地域に集中しており、我々は、ディーセントで持続可能な労働が優先され、若い女性の声に耳が傾けられ、女性が評価される未来を形成する、かつてない機会を手にしている」と述べ、動議6に関する討議の口火を切った。

パネリストとして登壇した入江優妃代議員(日本、情報労連)は、UNI-LCJユース英語セミナーに参加して学んだことを共有すると共に、日本において、若い女性を労働組合に参加させることの重要性について触れた。また、「昔のルール」が女性の活躍を阻害するのであれば、それを女性自身の声と行動で変えていくことが必要だと訴えた。

フロアから発言した横内愛咲代議員(日本、UAゼンセン)は、同組織が次世代リーター育成のために開催している弁論大会について紹介した。また、女性の健康やハラスメントの問題など、女性が安心して悩みを相談でき、活動に参加し、発言ができる機会や場所を設ける必要性についても言及した。またより組合員に近い単組において、女性に寄り添って参加を促すことが第一歩であるとし、UAゼンセンとしても単組の取組みを支援したいと述べた。

マルタ・オチョアUNI青年委員会担当局長は、「労働組合として、我々には義務がある。賃金格差と闘い、ジェンダーに基づく暴力を撲滅し、女性が成長し活躍できる機会を創出する義務がある。若い女性の声が届き、評価されるような指導、訓練、リーダーシップの道を提供する義務がある。そして同様に重要なことは、組合内に安全なスペース、つまり若い女性が恐れることなく組織し、指導し、活躍できるスペースを作る義務だ」と訴えかけた。

UNI機会均等局のメンタリング・プログラムは、3年前にUNI Aproの9カ国、28組合で開始し、メンティーの43%が指導的立場に昇進している。ヴェロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、その効果について次のように述べた:「その成果は、数字だけでなく、参加者の人生、前進したキャリア、参加者一人ひとりにもたらされた自信に表れている。メンティーは見識とスキルを身につけ、背筋が伸びるようになった。メンターも成長し、指導に新たな目的を見出すようになった。我々は共に、個人に力が与えられれば、組合が発展するということを証明してきた」

女性大会の最後に、中田綾子代議員(日本、UAゼンセン)が UNI Apro女性委員会議長に、バヴニート・カウール・アラン代議員(インド、AIBOBOA)が議長代行に選出された。

多様性に富んだ地域から集まったUNIの参加者たちは、女性大会で得たアイデア、戦略、抱負を母国で実現する準備を整えた。


障壁を打ち破り、平等を築こう: UNI Apro女性大会、バンコクで変化を促す

2024年11月18日、タイ・バンコクで第6回UNI Apro女性大会が開幕した。『ジェンダー平等のために、ともに変革しよう』をテーマに、20カ国から200人以上の女性が結集した。

UNIタイ加盟協を代表して、ニライモル・モントレカノン氏が参加者を歓迎し、「Su!Su!(闘おう!)」と唱和し、職場や組合で女性の力を高めるよう、呼びかけた。

中田綾子UNI Apro女性委員会副議長(日本、UAゼンセン)は、開会挨拶の中で「私たちは、女性を経済的、社会的、政治的にエンパワーする政策を提唱しなければなりません。特に、アジアでは歴史的にも、文化的にも、女性の立場が低い状況にありました。アジアの女性がおかれている環境は、世界と比較しても、まだ解決すべき課題があります。私たちは、暴力やハラスメント、差別、そして労働組合だけでなく社会全体への女性の全面的な参加を妨げるあらゆる障壁と闘っていかなければなりません」と述べ、ジェンダー平等への困難な道のりの中で女性のエンパワーメントを求める積極的な提言を行って大会の流れを導いた。

司会を務めたチャニサ・モンタマニー氏(タイ郵便労組)は、この大会がタイの民主的な労働組合運動にとって歴史的な瞬間であると称え、「UNI Aproによるこの素晴らしい国際交流の機会を利用し、私たち自身を豊かにしよう。障壁を打ち破り、より多くの女性が組合に参加し、意思決定の地位につけるよう道を切り拓いている、南アジアと東南アジアからメンタリング・プログラムに参加した姉妹を歓迎したい」と述べた。

UNI機会均等局のメンタリング・プログラムは、この地域で目覚ましい成果を上げており、わずか3年間で参加者の半数近くが意思決定に関わる役職を得て、その革新的効果を示している。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、バングラデシュにおける安全な工場の構築、インドネシアの清掃労働者の賃上げ、日本での数千人のパートタイム労働者の組織化など、この地域における組合の成功を強調し、「UNIと加盟組織が、働く女性が直面している緊急問題に取組んでいることは、我々の誇りだ。我々は勝利する。組合の課題、UNIの課題は、女性の課題だ」と語った。

暴力、ハラスメントとの闘い
キャロル・シェファー UNI世界女性委員会議長(アイルランド・CWU)は、女性の安全と生活に深く影響する職場のハラスメントや家庭内暴力との闘いを出席者に呼びかけ、「職場のセクハラに立ち向かっていこう。もうたくさんだ、と叫ぼう。職場に忍び寄る家庭内暴力に立ち向かおう。一人ひとりが変革の担い手となろう。なぜなら、皆さんには力があるから」と呼びかけた。

ジェラルド・ドワイヤーUNI会長兼UNI Apro会長代行は、顧客と接する業務に就く女性に非常に大きな影響を与える、顧客からの攻撃という根強い問題について強調し、「真のディーセントワークとは、暴力や脅迫がないこと。顧客による攻撃は我々全員にとって災いであり、反撃していかなければならない。UNI Aproは、加盟組織のSDAとUAゼンセンが率先してこの課題に取組んでおり、非常に誇らしい」と述べた。また、20を超える加盟組合が、女性や若者に大きな影響を与える顧客からの暴力や攻撃に反対する広範なキャンペーンを展開していることを付け加えた。

男女間の賃金格差への取組み
ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、女性の経済的自立、強さと力を制限する男女間賃金格差の是正がこの地域の喫緊の課題であることを強調し、「サービス産業の女性は、同じ仕事でも男性より低賃金であることが多い。我々は、同一賃金政策と賃金の透明性を通じて、男女賃金格差の是正に注力している」と述べるとともに、仕事の世界における暴力やハラスメントと闘うため、より多くの国にILO 第190号条約の批准を迫る必要性を強調した。

2024~2028年の戦略的優先課題
大会初日には、2024年~2028年の戦略的優先課題から始まる2つの動議に関して、討議が行われた。

主な目標は以下のとおり:

  1. 組合における女性代表の増加: UNI機会均等局の「40for40」やメンタリング・プログラムなどのキャンペーンは、女性リーダーの地位向上を目指している。
  2. 暴力とハラスメントの撲滅: ILO第190号条約の批准に向けたアドボカシー、職場における暴力に関する教育、団体協約への原則の盛り込みが引き続き重要である。
  3. 女性のために取組む組合: ジェンダーに焦点を当てた団体交渉や、賃金格差、年金、安全衛生の課題に取組む政策が不可欠な戦略として強調された。

ディーセントで持続可能な未来のために、変革しよう
チュン・ライハ代議員(香港、HKRRCGU)は、ジェンダー平等を通じたディーセントワークと持続可能性の実現に焦点を当てる2番目の動議について説明し、「知識集約型経済において、ディーセントな雇用の推進と人材への投資は、経済成長と社会的包摂にとって非常に重要だ。ジェンダー平等は、持続可能な未来のためだけでなく、気候変動に直面する中で公正な移行を達成するためにも欠くことはできない」と述べた。

パネリストとして登壇した白國富美代 代議員(日本、UAゼンセン)は、同組織で6割を超えるパートタイムリーダーの育成に向けた取組みについて共有し、 ベストプラクティスの共有と ネットワークの構築を通じ、経験とモチベーションをアップさせていると語った。 そして、誰かに託すのではなく、パートタイム労働者が自ら自分たちの労働条件について考え、声を上げ、変えていくこと が重要だと訴えた。

外﨑文美子代議員(日本、自動車総連)は、相互理解のある職場づくりをする上で対話の果たす重要性について言及した。考えを発信しやすい環境を整えることがカギの一つだとし、そうすることで働きやすい職場の土台となり、活力が生まれ、職場の成長が促されると発言した。

UNI Apro女性大会は2日目(2024年11月19日)に続く。


UAゼンセンがブレイキング・スルー賞を受賞:パートタイム労働者の組織化に尽力

UAゼンセンが、「UNIブレイキング・スルー賞」を受賞した。より高い賃金とより良い雇用を求めて商業部門のパートタイム労働者の組織化を支援する同組織の取組みを称えるものである。

2023年9月に開催された前回の定期大会以来、約190万人の労働者を代表する同組織は、4万6,500人以上の商業労働者を新たに組合員とし、この新規組合員の89%はパートタイム労働者である。

永島智子UAゼンセン会長は、「ブレイキング・スルー賞の受賞は大変名誉なことであり、UAゼンセンの仲間と喜びを分かち合いたい。『組織化』と『賃上げ』は最優先課題であり、今後も仲間づくり、同一価値労働同一賃金実現に向け、UNIと連携して取り組みを進めたい」とコメントした。

多くの職場で、UAゼンセン加盟組合はパートタイム労働者一人ひとりに労働組合加入の重要性を説明しており、スーパーマーケットや専門店など商業部門のさまざまな分野で組合員数が増加している。特筆すべきは、日本で約 1,700 のドラッグストアを展開するスギ薬局ユニオンにおける約16,400名の組合員の拡大である。

パートタイム従業員は現在、UAゼンセンの組合員総数の61%以上を占めている。こうした組合員数の増加によって、力も増している。

UAゼンセンは2024年の労働条件交渉(春闘)でインフレ率を上回る賃金を取り決め、150万人を超える労働者の生活条件の改善を確保した。従来、パートタイム労働者はフルタイム労働者よりも賃金が低いが、パートタイム組合員の加重平均賃上げ率は5.75%と、前年6月末時点の賃上げ率を大幅に上回った。組合の交渉によって正社員とパートタイム従業員の賃金格差が縮小したのは、今年で9年連続となった。

これらの成果は、労使が対等な立場で互いを尊重し、信頼関係を築くというUAゼンセンの労使関係のコンセプトに基づいている。両パートナーは正社員だけでなくパートタイム組合員にも公正・公平に成果を配分するよう交渉し、事業・産業の発展のために日常業務と生産性の向上に協力している。UAゼンセンは、パートタイム労働者が組合に加入し、安定した労使関係を構築することの利点を使用者に示すことに成功した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「パートタイム労働者の組織化におけるUAゼンセンの成功から、世界中の組合がインスピレーションを得ることを願っている。職種や労働時間に関係なく、組合がすべての労働者に働きかければ、労働者は賃金と労働条件の改善を勝ち取ることができるということが証明された。UAゼンセンはブレイキングスルーによって、同組織のみならず日本経済全体を強化した」と称賛した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UAゼンセンの功績は、組合がパートタイム、フルタイムを問わず、すべての労働者のために力をつけることを優先すれば何が可能であるかを示している。アジアだけでなく世界中に強力な模範を示している。UAゼンセンがこのような賞を受賞することを誇りに思う。UAゼンセンと協力し、 労働者の生活向上を支援し続けていきたい」と同組織の受賞を喜んだ。


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