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南アジア組織化会議:労働者の権利と組織化の拡大

Apro地域の組織化活動を前進させ、南アジア組織化センター設立の土台を築くため、スリランカ・コロンボで会議が開催され、南アジア地域のオルグが結集した。

会議では、特にインフォーマルセクター、エッセンシャルワーカー、コミュニティワーカー、介護部門の労働者などのニーズに対応することに主眼が置かれた。参加者は、GDPに対するインフォーマルワーカーの貢献についての認識、ギグ・エコノミーにおける労働者が直面する課題への対処、南アジア組織化センターを通じて組合を強化し、社会対話を強化する戦略の考案など、様々なテーマを掘り下げた。

会議では、南アジア地域全体で労働者の組織化が大きく進展していることが強調された。特筆すべきは、スリランカではショッピング・コンプレックス従業員組合が成長し、インドではインフォーマルセクター労働者より多くなったことである。ネパールでは、ギグワーカーやライドシェア・サービス労働者の組織化が、また多くの南アジア諸国で、介護部門のコミュニティワーカーの組織化に向けた取組みが進行中である。

地域における組織化の取組みを促進するため、議論は南アジア組織化センターの設立に焦点が当てられた。このセンターは、組織化キャンペ ーンを促進し、労働者の権利について教育し、労働条件を改善するために必要な資源と支援を提供する上で重要な役割を果たす。オルグを育成し、地域特有の制度的知識を深めることで、プロジェクトが円滑に実施されるようにし、加盟組織による効果的で継続的な組織化の取組みを確保していく。

会議では参加者にビジョンが共有され、南アジア組織化センターは、労働者が組織化と社会対話の推進を通じ、力と連帯を構築できるようにし、正義と尊厳と平等を促進していくことが合意された。

最後に、南アジアの組織化について、オルグの人数、新規組合員の獲得目標、部門別組織化目標などに関する各国の具体的な目標が設定された。また、ギグ・エコノミーとプラットフォームワーカーは、政策活動にとって極めて重要な分野であり、組合が注視を強めていく必要性が認識された。


UNIがポーランドのUNHCRと連携、労働者の権利に関する知識を普及 

ウクライナの戦禍から逃れた労働者を支援するためにUNIが設立したユニオンズ・ヘルプ・リフュージーズ(UHR)は、ポーランドの国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のコンサルタントとケースワーカーを対象に、労働組合の権利と労働法に関する研修を実施した。

この研修プログラムは、ポーランドの主要3都市(ワルシャワ、ルジェズフ、ポズナン)で実施され、約60人が参加した。ワルシャワでの研修には、コンサルタント、ウクライナ・ハウスの代表、ウクライナ領事館職員が参加した。

研修で焦点が当てられたのは、ポーランドの労働法の実践的な活用方法と、良好な労働条件を求めて闘う労働者を支援する方法である。特に、初回の労働裁判の開廷までゆうに2~3年かかるポーランドでは、労働関連の問題に対処する効果的な解決策として、労働組合との連携が重視された。

ラファル・トマシャクUNI中欧組織化センター所長は、「UNHCRとの研修提携は、労働争議におけるウクライナ難民支援における我々の専門性が、世界最大かつ最も知識の豊富な難民組織である国連機関に認められたことを示すものであり、UHRにとって重要な一歩だ。UNHCRのコンサルタントに対する研修は、難民支援の合理化に役立つだけでなく、迅速な支援と労働者の生活向上のための重要なメカニズムとしての労働組合について、視野を広げるものになった」と、その意義を語った。

UNHCR向けの研修に関する合意の一環として、またその専門知識を活用するため、UHRはコンサルタントが業務で使用できるよう、 手続き上のガイドラインを盛り込んだ包括的なマニュアルも作成しており、得られた知識を集約した実践的ガイドとして活用されることになる。


スイス:ジェンダー平等を求める数十万人の女性がストライキ

2023年6月14日、スイスで30万人以上の女性が街頭で「フェミニスト・ストライキ」を実施した。欧州の富裕国スイスにおいても、ジェンダー平等は現実にはほど遠く、平均的な女性の収入は、依然として男性よりも5分の1程度低い。

全国各地の職場行動やその後の大規模な集会で、女性労働者は、尊厳ある賃金と年金、公正な労働時間、差別とセクハラの撲滅などを要求した。

ルツェルンでは、25人の女性が職場の同僚を率いて、始業時に職場であるSOSクリーニングの入り口を封鎖し、同一賃金、嫌がらせや差別の撲滅を求めるとともに、移動時間の未払いや賃金支払いの遅延に抗議した。こうした行動が功を奏し、会社は要求に同意し、組合Uniaとの間で協約を結んだ。

ベルン州ドッツィゲンの民間介護施設テルティアヌムで働く女性たちは、昼休みを延長し、経営者に要求リストを提出した。介護労働者は、人員配置の強化と尊厳を得るために闘っている。ラ・ショー・ド・フォンの町では、さまざまな介護施設から集まった50人以上の女性が、午後に一斉に職場を離れ、介護部門の労働条件改善を求めて集会を開いた。

小売業に従事する女性労働者もスイスの複数都市で抗議行動を行い、ローザンヌとジュネーブの主要なショッピング街で最大規模の行動を実施した。労働組合Uniaの支援の下、小売業における賃金改善、正規雇用、ワークライフバランスの改善を求めて闘っている。

ヴォー州では、准薬剤師がより良い条件を求めて闘っており、ローザンヌやルトリなどの地域では、低賃金と不当な労働条件について注意を喚起し、団体協約を求めてストライキを行った。大きな責任を伴う業務であるにもかかわらず、それに見合った評価が得られていないのである。

郵便・ロジスティクス部門で働く女性労働者は、所属する組合syndicomとともに、ベルンのスイスポスト本社や、ヘルキンゲンとミューリンゲンのレターセンター前など全国でジェンダー平等と同一賃金を求める行動を行った。

フェミニスト行動日には、syndicomはスイス最大の通信会社スイスコムに公開書簡を届け、同社で働くすべての労働者の均等待遇を実現するための追加措置を求めた。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、ローザンヌのデモ行進において、「フェミニスト・ストライキにおける大規模な女性の参加と、職場での力強い行動の数々は、女性がジェンダー平等の実現に、待ちくたびれていることの現れだ。政府と使用者は、職場の水準引き上げのために、今すぐ行動しなければならない。我々は、スイスをはじめ世界中の加盟組織とともに、女性の尊重、権利、同一賃金を求めていく」と語った。


ベラルーシは、投獄された労働組合員の釈放を!

2023年6月中旬にジュネーブで、UNIは世界中の組合や労働組合活動家とともに、ベラルーシにおける労働者の権利の抑圧に抗議し、投獄されたベラルーシの労働組合員の即時釈放を求めた。

今回の釈放要求は、ベラルーシ政府が20年間にわたって不作為を続け、労働者の権利を無視し、無数の労働組合員を逮捕していることについて、ILOが同憲章第33条に基づく決議を採択するという歴史的な決定を受けたものである。このプロセスは、ILOの100年を超える歴史の中で、過去に一度だけ適用されたことがある。 今回の動きによって、結社の自由を侵害するベラルーシに対する制裁と、同国で労働者の権利を守るために迫害されている人々への支援が、強化されることが期待される。

マクシム・パズニアコウ・ベラルーシ民主労働組合会議(BKDP)会長代行は、集会の中で、「刑務所にいる人たちにとって、皆さんからの支援は非常に重要だ。『外から支援を受けている自分たちは、決して孤独ではない』と感じることができる」と挨拶した。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「ベラルーシ政府は、労働者の基本的権利を守るために立ち上がったために投獄された労働組合員全員を、直ちに釈放しなければならない。UNIは国際社会に対し、ILOの歴史的な決定をフォローアップし、ベラルーシの人々の自由を守り、同国のすべての労働者が基本的権利を自由に行使できるよう、必要なすべての措置を講じていくことを求める」と訴えた。

ベラルーシにおける労働組合の権利を求める闘いについて、詳細はこちらから(英文)。


新たな報告書:世界中の労働組合がアルゴリズム管理の問題に回答

近年、アルゴリズム管理システムの利用がさまざまな産業で劇的に加速し、使用者は労働者の福利厚生やプライバシー、賃金を犠牲にして生産性を優先させる新たな方法を手にしている。

こうした問題に緊急に対処する必要性から、UNIは新たな報告書『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』を発行した。 報告書は、既存の法的枠組みや交渉メカニズムを用いて、組合がどのようにアルゴリズム管理システムに対抗しうるのか、有益な指針を提供するとともに、今後の団体交渉に向けた具体的な提言も行っている。

アルゴリズム管理システムは、広範な監視とモニタリングによって、労働者と管理者にリアルタイムでパフォーマンス情報を提供している。しかし、このようなシステムでは、非現実的な生産性目標が課されることが多く、従業員に多大なプレッシャーを与え、身体的・精神的健康の悪化に繋がっている。

世界中の労働組合がこうした状況に立ち上がり、より安全な労働条件を要求し、これらのテクノロジーがもたらす生産性の利益の公正な分配を提唱している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この重大な局面における組合の意義を強調し、「アルゴリズムによる管理は深刻な新しい課題を突き付けているが、こうした新たなリスクに立ち向かう上で、労働者を代表する従来のツールは今なお重要である。労働組合には、テクノロジーの利用をめぐる交渉の長い歴史があり、何年も前に機能していた原則が、今日においても鍵となっている。労働組合は、交渉権に加えて、休憩や安全に関する既存の保護規定や、データ保護やプライバシーをカバーする新しい法律にも目を向けている。この報告書が目指すのは、こうした取組みの好事例をまとめ、互いに学び、職場における尊厳をすべての人にもたらすことだ」と語った。

グローバルな調査を通じて、UNIは、過剰なアルゴリズム管理に対処するための4つの重要なツールを特定した。
1:使用者の不公正かつ/または人権侵害的な行為を規制するデータ保護法
2:休憩や休息時間を義務付ける公正労働基準
3:安全衛生に関する規制
4:新しいテクノロジーの使用に関する交渉や協議の義務についての規定

報告書には、アルゴリズム管理が労働者に与える影響に関する交渉の指針も盛り込まれている。テクノロジー導入前に通知を受ける権利、差別の可能性を含むテクノロジーのリスクやその他の影響を評価する期間、透明性と情報を得る権利、安全衛生関する懸念に対処するための独立した労働者委員会の設置、意思決定プロセスにおける人による監督の要求などである。

UNIは組合によるアルゴリズム管理への対応について調査を継続しており、加盟組織に対し、新しい団体協約や提案、アルゴリズム管理に関する取組みなど、あらゆる情報を共有し、この進行中のプロジェクトへの参加を呼びかけている。

報告書(英文)はこちらから、日本語訳はこちら


第24回UNI Apro女性委員会

UNI Apro女性委員会が、2023年4月下旬に4年ぶりにシンガポールで開催され、正委員、予備委員、オブ、スタッフを含め12か国28人が出席した。日本からは、UNI Apro女性委員会副議長の須齋損保労連事務局次長、UNI Apro女性委員の寺嶋UAゼンセン多様性協同局部長、三﨑大日本印刷労組書記次長、福田JP労組中央執行委員が出席し、各組織のメンタルヘルスやジェンダーに関する取組みについて報告し、多くのコメント・質問を受けた。また、大日本印刷労組より市村委員長、植田常任執行委員、秋枝執行委員がオブ出席した。

開会:
ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長は、4年ぶりに再会できたメンバー、新たに加わったメンバーを歓迎した。続いて、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長、アルケ・ベシガーUNI副書記長、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長が、激励の挨拶を行った。

UNI Apro女性委員会活動報告:
アンジャリ・ベデカーUNI Apro機会均等部長は、昨年来、特に、女性の労働安全衛生、特にメンタルヘルスを優先課題として取り組んできたこと、各国の女性委員会の取組みのハイライト、南アジアを中心に実施しているメンタリング・プログラムの進捗状況、グローバルレベルの活動やキャンペーンへの参加状況について報告し、8月のUNI世界大会での女性参加率40%達成に向け、各労組リーダーに引き続き働きかけるよう、協力を呼び掛けた。

UNI世界女性委員会報告:
ジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリアSDA)は、3月27~28日にスペイン・マドリッドで開催されたUNI世界女性委員会について報告した。同委員会では世界女性大会準備、特に動議の修正に関する議論が中心に行われた。

働く女性のメンタルヘルスと労働組合の対応:
●オーストラリアSDA(ケイティ・ビドルストン委員):職場におけるハラスメントに関するアンケート調査を実施し、実態把握に努めている。8割が日常的に言葉による暴力を受けており、その多くは性的な内容で、特に若い女性が被害を受けやすく、メンタルヘルスに影響を与えている。調査に基づきキャンペーンを行い、団体協約に具体的な条項を盛り込むよう求め、労使交渉を行っている。審議会への参加や国会議員へのロビー活動も積極的に行い、法改正にもつながった。例えば、ジェンダーに基づくハラスメントも不法労働行為とみなされ、使用者に対策が義務付けられるようになった。また、南オーストラリアでは、小売労働者への業務中の暴行は過重暴行としてみなされ、最長懲役7年の刑事罰が科せられることになった。
●ネパールFIEUN(ジータ・バスネット委員):メンタルヘルスに関して、まず気軽に話ができる環境作りが重要だ。組合に求められる役割として、プライバシー保護、組合員との信頼関係の構築、相手の立場を考慮した傾聴力、基準策定等を通じた安全な職場づくり、団体交渉の優先課題(有給の病気休暇等)に取り入れること等がある。
●韓国KPWU(オ・ソジョン委員):顧客に直接対応する職場で求められる「感情労働」は、ストレスが大きく、様々なメンタルヘルス症状を引き起こす要因となっている。2018年10月に感情労働者保護法が成立し、使用者は対策を取ることが義務付けられた。KPWUは会社と協議を行い、職場でのポスター掲示、窓口担当者のバッジ着用、苦情処理方法の確立、法的な措置等を申し入れた。感情労働休暇や手当を申請することもできる。KFSWU(金融サービス労組)では、会社側への啓発活動としてコールセンター労働者の状況を扱ったドキュメンタリー映画上映会を実施した。
●大日本印刷労組(三﨑友香里委員):育休明けの社員を集めたランチ会を開催し、同じ境遇にある社員同士が仕事と育児を両立する上での悩み等を共有できる場づくりの取組みを始めた。また、活力ある職場風土づくりやチーム力の強化に向けた優れた取り組みを表彰するヘルスウェルビーイング大賞という会社の新しい制度には、組合も審査等に積極的に関わり、社員の心身の健康増進や多様な人材活用を推進していきたい。

共に立ち上がろうージェンダー問題に関する組合の取組み:
●オーストラリアSDA(ジュリア・フォックス副議長):政権交代が実現したことにより労働法の改正など労働組合が求めてきたことが実現しつつある。フェアワーク法におけるジェンダー平等の主流化、セクハラ防止のための使用者の積極的な義務が求められるようになったこと、フェアワーク法に職場におけるセクハラ防止策が盛り込まれたことなどは、特に大きな成果。
●JP労組(福田千秋委員):女性の視点で課題の共有や情報交換を行い、組織活性化と男女共同参画の実現に取り組む「女性フォーラム」に集まった声を基に、会社と交渉し、勝ち取った成果を報告している。①6か月以上の育児休業を取得した場合に人を配置する仕組みを整備。男性社員の配偶者が出産した際にサポートするため、3日間の育児休業取得と会社による4週間以上の育児休業の取得勧奨および意向確認を義務化した。②生理休暇を取得した場合の職場での理由明示を廃止し、女性社員に配慮したものに改善した。③更年期障害への理解を深める研修やガイドブックの作成等の意識啓発活動の実施。
●シンガポールSBEU(スージー・フー委員):シンガポールではWAFというプラットフォームを通じて働く女性を支援する様々な取り組みを行っている。2022年からNTUC傘下の組合女性役員同士のメンター制度を開始し、現在10地域、総勢250人が参加している。使用者と連携し、女性の復職・求職支援、産後支援のためのケアワーカー育成等も行っている。
●UAゼンセン(寺嶋雪乃委員):50%近くを占める女性の短時間組合員の課題として、生理や更年期等女性の健康に関する取組みを強化している。昨年の男女共同参画推進キャンペーンの意見交換会で初めてこの問題を取り上げたが、男女ともに反響が大きく、特に男性からは対応方法について戸惑っているとの声があった。そこで、性別に関わらず参加できる女性の健康と働き方セミナーを開催し、正しい知識の普及や対応に困ったこと、配慮の仕方等について話し合った。7月に開催予定の2回目は、女性の健康支援が女性活躍にもつながり、会社にとってもメリットが大きいことを伝えたい。カスタマーハラスメント対策では、顧客との対等な関係作りの第一歩として、売り場でのポスター掲示の取組を行っている組合もある。
●韓国KPWU(ソン・ソヨン委員):KFSWU(韓国金融サービス労組)が女性の採用や管理職に関する職場アンケート調査を行い、金融機関で働く女性達の業務内容は男性に比べて限定的で雇用形態も不安定であることが分かった。出生率が下がり続ける中、出産や育児を社会全体で公平に負担し、女性差別撤廃のための効果的な制度政策(例えば、女性の昇進に関する割当制度、雇用拡大、男性の育児休暇取得促進等)が必要だ。韓国メディア労組では、メディアにおけるジェンダーに関するガイドラインを策定し、広く配布した。
●損保労連(須齋弥緒副議長):日本では2022年4月から介護・育児休業法が改正された。男性が育児休業を取得しやすくすることにより、主体的に育児・家事に関わり、女性の就業継続やキャリア形成につなげるためである。損保労連では、会社側と男性の育児休業取得推進について論議し、男性が育児休業を取得するために必要な支援策やワークライフ・バランスのとれた働き方ができる風土醸成の必要性について確認した。各社では独自の制度整備や人事部からのフォロー体制などが構築され、男性の1か月超の育児休業取得も少しずつ見られるようになった。一方、男性の育児休業取得への理解が十分でない実態もあり、男性の育児休業の必要性の理解や、取得しやすい風土醸成を更に進めていくことが必要だ。
●バングラデシュ・グラミンフォン労組(ルクサナ・パーヴェン委員):バングラデシュUNI加盟協女性委員会では、SNSグループを作り、月例会をズームで開催、ハラスメントや環境問題、メンタルヘルス等のテーマで研修等を行った。グラミンフォン労組では、女性比率が18%まで増加し、新規組合員の9割が女性である。


国際労働災害犠牲者追悼日: 安全衛生委員会を通じ、より安全な仕事に向けた組織化を

世界中の組合が昨年、安全衛生をILOの基本的権利とすることに成功した。そして今、労働者はより安全な仕事を求めて組織化し、特に安全衛生委員会を設置し、苦労して得た成果を現実のものとしている。

UNIは、4月28日の国際労働災害犠牲者追悼日(労働安全衛生世界デー)に、職場で命を落とした人々を追悼し、負傷した人々を見舞うとともに、仕事における被害を防止するための取組みをさらに強化していく。安全衛生委員会は、危険な労働環境に対する第一の防衛線である。

安全衛生委員会は、パンデミック以降、かつてなく重要性を増している。パンデミックのピークが過ぎ去ったとはいえ、個人用保護具の不足、第三者による暴力の増加、長時間労働、過酷な労働ペース、労働者のメンタルヘルスへの負荷の増大は、根深く深刻な問題となっている。

しかし、労働者は反撃に転じおり、労働組合を通じ、自らの仕事をより安全なものにしようと取組んでいる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「生活費の危機は、ストライキや職場での行動に拍車をかけたが、それと同じくらい重要なのは、パンデミックが安全衛生をめぐる組織化を再活性化させたことだ」と述べ、「職場でウイルスに感染したために、数え切れないほどの労働者が死亡し、また長期に及ぶ影響を受けたりしている。しかし、労働者が直面している深刻なリスクはOCVID-19だけではない。労働者は、より少ない時間と賃金で、より高い生産性を求める使用者によって、限界まで追い込まれている。このような厳しい状況は、労働者の身体に負担をかけるとともに、精神衛生もむしばんでいる」と指摘した。そして、「我々が世界中の労働組合とともに、仕事をより安全なものにし、安全衛生委員会を強化するために立ち上がっているのは、そのためだ。仕事は尊厳とエンパワーメントの源であるべきで、被害や病気、死をもたらすものであってはならない。負傷者も死亡者も、たった一人であっても、望ましくない」と語気を強めた。

昨年UNIは、アウトソーシング顧客サービス大手のテレパフォーマンスと画期的なグローバル枠組み協定に合意した。この協定には、職場で働く労働者とリモートワーカーの双方の従業員の問題に対処する、選挙で選ばれた組合の安全衛生委員会の設立が含まれている。また、安全衛生委員に対する研修や、職場のあらゆる危険を特定し改善するためのプロセスも規定されている。

また協定では、心理社会的リスクに対処するため、業務上の監視について「業務上の必要性に応じて」、「労働者のプライバシー権を尊重する」として、これを制限している。テレパフォーマンスは、カメラやAIモニタリングなどの監視ツールを会社がどのように使用するか、また、そのデータをどのように実績評価に使用するかについて、労働者に通知することになっている。

UNIは、より安全な仕事とより強力な組合のために組織化能力を高めている世界中の加盟組織とともに歩んできた。例えば、ネパールのUniPHINに支援を行ってきたが、安全衛生委員会が病院労働者の組織化において重要な役割を果たすようになっている。UniPHINは、パンデミックのピーク時である2021年に、労働者の安全衛生に関する研修を開始した。この研修を通じて、組合は安全衛生委員会を創設し、労働者は個人防護具、メンタルヘルス支援、休暇を得られるようになった。

オルグも務めるプラティマ・バッタUniPHIN財務部長は、「多くの労働者にとって、UniPHINは希望の源であり、困難な時期にも新しい組合員を組織することができた」と述べる。

ペルーのトトゥス・ハイパーマーケット労組は、2016年から同社の従業員に対し、自らの安全衛生代表を選ぶ権利について教育するキャンペーンを行ってきた。その結果、会社側からの干渉にもかかわらず、組合代表が安全衛生委員会に十分に参画できるようになった。同労組は、労働安全衛生の課題をめぐって労働者の訓練と組織化に投資したことで、負傷者が減少し、また組合も強化された。

労働安全衛生の取組みによって刺激を受けた若い組合員が、全国のトトゥス店舗で座り込みを行い、組合の力が発揮された。新協約の交渉で会社に譲歩を迫った結果、大幅な賃上げが実現したのである。組合員が連帯し決意を示した結果、安全衛生委員会が労災を防ぐだけでなく、他の問題をめぐって組織化できるということを示したのである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働安全衛生は基本的権利であるが、組合がなければ、労働者の権利が軽視されることを我々は目の当たりにしてきた。国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、我々は世界中の組合と協力し、組織化を通じて安全な仕事を確保し、安全衛生委員会の重要性を強調したい」と力を込めた。

ITUCの国際労働災害犠牲者追悼日の資料はこちらから。


UNI世界女性委員会、フィラデルフィア世界女性大会に向けて

2023年3月27~28日、スペイン・マドリードでUNI世界女性委員会が開催され、19か国からUNIの全部会を代表する約40名が参加した。2023年8月25~26日にフィラデルフィアで開催されるUNI世界女性大会の前に、女性委員が集まるのは今回が最後だ。

会議では、UNIの次の4年間の戦略的優先課題に焦点があてられた。具体的には、UNI組織における女性の参加と40%ルールの継続・維持・拡大や、暴力とハラスメントの根絶に関するILO第190号条約批准のためのキャンペーン、メンタリング・プログラムの推進などが含まれる。

女性委員会では、8月の大会で投票に付すための多くの動議が取りまとめられており、安全衛生におけるジェンダーの視点、組合活動における女性参加の強化、女性に対する暴力やハラスメントを無くすための行動、同一労働同一賃金や生涯学習へのアクセスを含むディーセント・ワークのための闘い、労働組合運動における若手女性の能力開発などが含まれる。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「今後4年間の野心的な計画を策定している。8月の大会に向け、部会や大陸も様々な何百人もの姉妹と協力し、世界中の女性の労働条件を改善できるよう、提案をまとめていくことを楽しみにしている」と語った。


日本のUNI加盟組織、賃上げを要求し歴史的な動きを牽引

日本のUNI加盟組織が、4月の新年度を前に、予想を上回る賃上げ要求で国内のアナリストや観測筋を驚かせている。

毎年2月~3月にかけて行われる年次賃金交渉(「春闘」と呼ばれる)では、これまで日本の労働組合は控えめな賃金要求を選択していたため、今回の要求は波紋を広げている。

これまでの春闘は、1990年代後半の日本のデフレ経済に端を発したものである。2022年の世界的なインフレによって日本の消費者と家計がコスト増に見舞われるようになり、ここ最近の数か月まで、その傾向は続いていた。

日本では、コアインフレ率(食費を除く)は4%を超え、中央銀行の目標値を超え、41年ぶりの高水準に達している。この状況は多くの日本の労働者にとって、給与がインフレに追いつかない場合、実質賃金が目減りする危険性があることを意味する。

政府は、インフレに連動した賃上げを企業側に公然と求めており、国民感情も、家計が生活費の上昇を乗り切れるような措置を望んでいる。日本の労働組合、特に主要なサービス産業部門を抱えるUNI加盟組織は、30年近く続いた賃金の横ばいサイクルを断ち切るための機会と捉えている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2月に開催された日本UNI加盟組織連絡協議会の年次総会で日本の加盟組織と会談し、春闘交渉を前にした前向きな姿勢に感銘を受け、次のように語った。「日本の加盟組織が力を示し、労働者の賃金・労働条件の歴史的な改善を実現するためのこの好機を捉えていることは非常に素晴らしい。特に、ここ数十年で日本が経験したことのない高い賃上げを率先して求めて闘った加盟組織を誇りに思う。」

日本の加盟組織はすでに成果を上げており、例えばUAゼンセンは過去10年で最大となる4.56%の賃上げを獲得した(3月16日時点)。多くの流通・サービス加盟組合の交渉が集中回答日に先行して要求のほぼ満額で妥結しており、全体の賃金闘争を牽引している。とりわけ短時間(パートタイム)組合員の処遇については、UNIがGFAを結んでいる髙島屋労組で5.64%、イオンリテールワーカーズユニオンでは7%、と高い水準での賃上げを達成し、雇用形態間格差是正の流れが加速している。

自動車総連も、組織化する製造部門において例年にない高水準での妥結が進んでおり、続いて販売部門も魅力向上と人材確保に向けて交渉を続けている。

JP労組は、正社員に関し、定期昇給と社員一人当たり4,800円のベースアップを勝ち取った。なお、ベースアップは新卒初任賃金・若年層の賃金改善に傾斜配分し、これにより初任賃金は1万円以上改善となる。一時金年間は4.3月。また、全社員に、特別一時金70,000円の回答を引き出した。


インフレ時の団体交渉:労働組合の対応

UNI欧州の新たな調査報告、『すべてが上がる – 欧州の団体協約における自動賃上げ』は、高いインフレ率の時代に、労働組合がどのように交渉するかについて、焦点を当てるものだ。

欧州では2021年以降、生活費の急激な高騰に見舞われている。COVID-19パンデミックによるサプライチェーンの混乱、ウクライナ紛争後のエネルギー価格の上昇、企業収益の増加などが原因となり、インフレ率は多くの地域で2桁に達した。こうした状況が労働者の購買力に大きな影響を及ぼしているため、団体交渉の主要なテーマとなっている。

従来、労働組合は定率の賃上げを交渉の対象としている。しかし、予測不可能な高インフレの時代には、このアプローチは困難に直面する。解決策の1つとして、インフレ率に連動した(半)自動賃上げの実施が考えられる。このような方式は、「賃金の物価スライド」または「生活費調整(COLA)」と呼ばれる。

団体協約にこうした条項を盛り込むことで、将来のインフレ率に合わせて賃金が調整され、実質的な賃金保障と名目的な柔軟性がもたらされる。高インフレ下でも、労働者の購買力は保証される。同時に、交渉当事者は、交渉期間中に賃金がどれだけ上昇するか正確に知ることはできない。インフレ率が高い時期には、概して賃金の物価スライドやCOLA条項が好まれる。

報告書ではまず、多くの国で現在、労働組合がこうした条項を導入していることを紹介している。同時に、賃金をインフレに連動させる範囲と方法の両方において、かなりの多様性がみられる。だが、賃金連動方式は以前考えられていたよりも広範囲に普及している一方で、社会パートナーが団体協約にこのような条項を盛り込むことに反対している多くの国々では、依然としてこの方式は存在しない。

本報告書は、高インフレの影響と闘う上で、団体交渉がどのように貢献しうるのか、具体な事例を示すことで労働組合を支援することを目的としている。
報告書(英文)は、こちらから


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