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桜田UNI-LCJ議長より新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
グローバル金融・経済危機の中、疾風怒濤の2009年が幕を開けました。このお正月、皆さんはどのように新年を迎えたでしょうか。おそらく新しい決意と希望を持って、新年を迎えられたことと思います。
世界を見ると、おそらく「これからどうなるのか」と、多くの人々が不安の中に新年を迎えたことは間違いありません。一頃羽振りを利かせたウォールストリートのトレーダーが、「ファイナンシャル・アルマゲドン・コム」というウェブサイトを立ち上げたら、大反響というニュースがありました。アルマゲドンとは、世界の終末に善の神と悪の神が戦うという新約聖書の用語です。終末論的な雰囲気が世界を覆っています。
同時に、「原点に帰る」動きが盛んです。ドイツでも日本でも突然マルクスの「資本論」が売れ始めました。「この経済危機は、景気循環の一コマか、資本主義の終焉か」という議論が、日本ばかりではなく、世界的に行われています。つい最近まで世界を覆っていた「儲かるなら何をしても良い」、「金儲けを邪魔する規制はすべて撤廃」といった議論は影を潜め、政府の役割に注目が注がれています。次は、ポストクライシス、金融・経済危機後にどのような世界を作るのかが、議論の中心となることでしょう。
私たちUNI-LCJは、来年に迫った第3回UNI世界大会(長崎)までに、「100万人の達成」、「日本の多国籍企業との間でグローバル枠組み協定の締結」、「国際的なリーダーシップを発揮できる青年活動家の育成」を達成すべく、運動を進めてきました。おかげさまで2009年UNI-LCJは加盟人員数985,200名まで到達できました。各加盟組合のご努力に感謝いたします。
昨年の最大の成果の一つは、髙島屋労使、JSD、UNIとの間でグローバル枠組み協定が締結されたことです。先ほど申し上げた「原点に帰る」「ポストクライシス」の議論とも関係しますが、今国際的にCSRが討論され、2010年に出発が予定されているISO26000では、SRという言葉が中心になります。つまり企業ばかりでなく、あらゆる団体が、社会的責任を意識した活動を行うことにより、社会をよりディーセントで、社会的にもフェアに変えていこうという理念です。SR社会が、ポストクライシスの社会像となると思われます。我々はUNIとして、大胆にSR社会のビジョンを打ち出す必要があります。来年の長崎世界大会のサブテーマの一つは、このビジョンです。
言うまでも無く、UNIはサービス産業をカバーするGUF(国際産業別組織)であり、インフォーマルセクターからP&MS(専門職監督職)まで、幅広い職種、グループを抱えています。この多様性を一つの運動にまとめ、ディーセントなSR社会に向け、それぞれがそれぞれの場所で努力し、それがシナジーとなって拡大しているところが、UNIの魅力であり、楽しさです。2008年の成果を活かし、UNI-LCJをさらに発展させ、2010年UNI世界大会の成功へ向け、一歩一歩進みましょう。今年もよろしくお願いいたします。


UNIプライベートエクイティ・グループ会議(2008年11月10日、ニヨン)

2008年11月10日、ニヨンで標記委員会が世界執行委員会の前段に開催された。UNIプライベートエクイティ(PE)・グループは、ラーナー議長(米国SEIU)を中心に年1回会議を開催しており、関心あるUNIメンバーは誰でも参加できる。日本からの参加者は以下の通り。日本からは今回初めてこの種の会議に参加した。

NTT労組 中央執行委員長   加藤友康
NTT労組 国際担当   木村富美子
UIゼンセン同盟 副書記長   橋本和秀
UIゼンセン同盟 国際局部長   中野英恵
自動車総連 事務局長   相原康伸
自動車総連 企画室国際グループ長   村山恵一
損保労連 中央執行委員長   石川耕治
サービス・流通連合 事務局長   八野正一
サービス・流通連合 国際局部長   本田小枝子
サービス・流通連合 中央執行委員   村田善郎
サービス・流通連合/髙島屋労働組合中央執行委員 小熊栄
UNI-Apro東京事務所 所長   伊藤栄一

開会
ラーナー議長が欠席したため、ジェニングス書記長が開会した。
PEを扱うマルチメディア・プレゼンテーションの後、ジェニングス書記長は、「2007年は、まずミュンヘンで開催されたPEのスーパーリターン会議に対する対抗会議から始まった。また米国PE協議会のグループと4回の会合を持ち、その結果労働問題を扱う小グループができた。メンバーはGUF代表と法律家、学識者である。一連の対案を出したが、回答はまだ完全な形では来ていない。デンマーク、フランスでも対話を行っている」と述べた。
続いて、2008年7月17日に米国SEIUによって呼びかけられ、全世界で取組まれた「KKRグローバルアクションデー」の報告が映像で行われた。マイケル氏(SEIU)は、この取組みを評価すると共に、「SEIUはKKRと直接対話することが出来たが、結果が出ているわけではない」と報告した。

テーマ1「金融危機におけるプライベートエクイティ」 カレル・ウィリアムス・マンチェスター大学教授
PEによる企業買収の構造と現状を説明した。金融危機におけるPEの行動については、クレジットクランチと金融危機の中で、多くのファンドが資金繰りに苦しんでいるほか、ポートフォリオ企業も破綻し、損害が出ている。しかし2006~07年に巨額の資金調達が出来たPEは、新しい投資先を求めている。限られたPEに資金が集まっている状況である。

テーマ2「規制改善を求めるキャンペーン」 ピエール・ハバードOECD研究員
借金で繁栄する方法はだめだということが明らかになった。自ら仕組み商品(Structured Product)を勝手に作り、リスク商品をパッケージにして販売するなど、規制された金融市場の売買ではなかった。格付け機関が楽観的な評価を与えていたことも問題だった。金融には非規制の世界と規制の世界が出来ており、ごまかしは体質化した。リーマンブラザース理事会の10人中2人しか金融の知識が無かったという事実を聞くと、ガバナンスの古典的な問題が問われているといわざるを得ない。また中央銀行がバブルを阻止できなかった点も、市場の自然機能に依存しすぎだったと指摘できる。今後、金融のセーフガード強化、プルデンシャルルールの見直し、オフショアの規制、規制当局のスタッフィングなど規制政策の改善が重要である。

テーマ3「プライベートエクイティにおける労働基準の促進」 デイモン・シルバース氏(AFL-CIO)
負債によって資金調達し、企業を買い上げ、コントロールするというレバレッジドバイアウト・モデルが崩れた。銀行は、リスキーな人には貸さない方針に転換し、PEは資金繰りに苦慮、さらに株価が低迷しているのでエグジットも出来ない。PE、ヘッジファンド産業自体が崩壊の危機にある。
討論では、橋本UIゼンセン同盟副書記長が、「日本でもPEの資金力が落ちており、運転資金が借りられないという問題が発生している。我々が関係している企業の中には、緊急に資金を必要とする場合もあり、欧米ファンドの日本コーディネーターと交渉したいが、なかなか出来ない事情がある。事業会社との交渉を強化し、ファンドの担当者を動かすように交渉力を高めたい。これまでのファンドの行動を見ると、日本型労使関係を無視して買収を行っても、例えばスティールパートナーズのように失敗例が多い。規制については、PEだけの規制は難しいと思う。労働法制を守らせることをポイントとする方が現実的であろう」と発言した。
石川損保労連委員長は、「英国と米国では規制の形が違う。30%以上買収する場合は現金を必要とする英国型規制は、グリーンメーラー的買収を阻止する上で有効性があるのでは」とコメントした。
ジェニングス書記長は、UNI欧州の「金融市場の規制に関する13の要求」をベースにUNIとしての規制強化の要求を行う方向を示した。「来年はシアトルのWTO反対デモから10年。サイクル的に、大衆運動が高揚することが予想される。どういう社会であるべきか。新しいブレトンウッズをいかに作るか。我々は、幅広いアライアンスを作るべきである」と述べた。

テーマ4「年金基金に影響を与える」
年金基金がPEに投資している問題については、多くの参加者が危惧を表明した。金融問題に詳しいNGOのAVAAZを代表して出席したポール・ヒルダー氏は、「我々は新しい世界に生きている」と語った。ドイツVer.diのラインブレヒト氏は、公的な年金システムを充実させ、金融商品ではなく、生産とインフラに投資すべきであると主張した。

2009年のUNIプライベートエクイティ・グループの活動は、2月4日ベルリンで開催されるスーパーリターン対抗会議から始まる。金融・経済危機の進展に対応し、適切なキャンペーンを行っていくことが討論された。


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ(2008年10月3~5日、フィリピン・マニラ)

2010年のUNI世界大会長崎開催に向けたUNI-LCJアクションプランに掲げられた目標の中に、「国際労働運動の一般組合員への普及」と「大会成功を支えるボランティアの育成」がある。その目標達成のため2006年より年2回ユース英語セミナーを継続開催しているが、5回を終了した時点で中間フォローアップの意味で、毎回講師派遣に協力してもらっているフィリピン加盟協青年・女性委員会とのユースワークショップを開催した。その目的は、
1.UNI-LCJユース代表団としてのチームワーク作り
2.フィリピン加盟協ユース及びUNI-LCJユースとのネットワーク作り
3.英語によるコミュニケーション力のステップアップ
4.異なる業種、文化を持つ人たちを理解し、共通の目標を達成する
である。
日本からの参加者は、英語セミナーやUNI-LJC郵便テレコム部会国際労働学校など、UNI-AproとUNI-LCJが共催する若手訓練セミナーの参加者が中心である。昨年のモンゴル派遣のユース代表団と同様、女性が半数を占めた。

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団長        サービス・流通連合(クレディセゾン労組中央執行委員)   牧田真由美
アドバイザー  損保労連中央執行委員長   石川 耕治
メンバー     KDDI労組 企画部長   後藤 一宏
メンバー     UIゼンセン同盟(ファッション労連事務局次長)   大田 光晴
メンバー     JP労組九州地本宮崎中央支部宮崎県連協女性フォーラム   長倉 史
メンバー     JP労組九州地本福岡かんぽサービスセンター支部   里 永
事務局      UNI-Apro青年・女性コーディネータ/UNI-LCJ   小川 陽子

フィリピン側は、銀行労組、郵便労組、テレコム労組、AFWなど、青年委員会から12人、女性委員会から8人の計20人が出席した。

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事前レクチャー
日本人は東京、大阪、九州からの参加で、マニラに到着して初めて全員が顔を合わせることになった。そこで自己紹介後、セミナー主旨やプログラム進行、各自の役割分担などを確認し、ILO東南アジア・太平洋小地域事務所(マニラ)の石橋通宏・労働活動局シニアスペシャリストから、フィリピンの社会・政治・経済全般から専門の労働分野の事情まで幅広くレクチャーを受けた。

ワークショップ第1日目(10月3日)
開会式ではまず、UNI-PLCのジュン・ウマリ事務局長が、「フィリピン加盟協(UNI-PLC)は日本加盟協(UNI-LCJ)から常日頃ご支援をいただいているが、日本で実施されている英語セミナーへの講師派遣というかたちで日本のユースの英語力アップにささやかながら貢献できることを光栄に感じている。今回、英語セミナーの参加者が英語学習の成果を発揮するため、マニラで合同ワークショップを開催することになり、皆さんを心から歓迎する。」と挨拶した。
続いて、フィリピン加盟協青年委員会のレイナー・クルス議長(第1回UNI-LCJユース英語セミナー講師)から、「青年活動は楽しく学ぶことが大切。日本とフィリピン両国の友好を更に深め、たくさんの友達を作り、互いの経験を共有していこう。」と挨拶があった。
UNI-LCJユース代表団を代表して、牧田団長(JSD)は、「各国で青年労働者の組合離れや無関心さという共通の問題を抱えているが、お互いの良い経験を共有し学びたい。過去5回のUNI-LCJユース英語セミナー参加者総数は130人を超えた。フィリピンからは毎回講師をお招きしており、今回講師や活発な青年・女性委員会の皆さんと会えることを楽しみにしている。特に、パヤタスにおけるボランティア活動に参加する機会があるので、見、聞き、感じたことを仲間に伝えたい」と抱負を述べた。

基調講演「ILO-国際労働基準の促進と労働組合の青年・女性組合員の役割」
ILOの石橋氏から、ILOは第一次世界大戦後、社会正義の促進により平和を実現するために創設された国連の専門機関であること、国連組織において唯一三者構成主義を持つことが解説された。180を超えるILO条約の批准数は、フィリピンより日本の方が若干多いが、8つの中核的労働基準についてはフィリピンが全て批准しているのに対し、日本は105号と111号が未批准である理由が説明された。米国はわずか7条約しか批准していない点も参加者には興味深く感じられた。参加者からは「ILOには組合に入っていなくても個人として提訴できるのか」、「フィリピンのようにたくさんのナショナルセンターがある場合は、どれがフィリピン労働界を代表するのか」など質問が出された。石橋氏は、「三者構成主義のメリットを組合は最大限活用すべきだ。組合は条約作りから、各国政府による批准、批准後の実施の監視に至るまであらゆるプロセスに積極的に関わるべきだ。よくILOの職員である私にこうしてほしいとの要望が出されるが、ILOの仕組みの中では皆さん労働組合が主体とならなければならない。」と強調した。最後に、青年や女性は自分たちの問題をよく認識しているので、組合(及び役員)がこうした問題に適切に対応しているかを常に監視し問題提起する絶好の立場にあると述べ、組合における役割の発揮を奨励した。

「UNI-Aproの青年活動、長崎大会に向けたUNI-LCJの青年活動」
小川UNI-Apro青年・女性コーディネータは、UNI-Aproの青年活動(主に青年の組織化、教育訓練、キャンペーン、社会貢献活動など)を紹介し、特に日本における青年活動の一例として、長崎大会に向けた若手ボランティア育成のためのユース英語セミナーをはじめ、モンゴルやフィリピンにおける交流プログラムや、ユースネットワーク維持のEメールグループやブログによる情報交換を挙げたUNI-Aproではユース対象の訓練コースは随時開催されており、積極的な参加が期待されている。

セッション1「組合のユース活動と社会貢献」
UNI-PLC及びUNI-LCJ(UIゼンセン同盟、JSD、JP労組)がそれぞれ、ユース活動について報告し、意見交換を行った。


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ 第2日目(2008年10月4日、フィリピン・マニラ)

ワークショップ第2日目(10月4日)
参加者は全員、報告委員会、プログラム委員会、ソーシャルファン委員会のいずれかに属し、ワークショップ運営を支えることになっている。まず、ソーシャルファン委員会がエナジャイザー(ウォーミングアップ)の音頭を取った。報告委員会は、前日の内容をパワーポイントを使って要約報告した。プログラム委員会は、会議室の整理整頓と遅刻者からの罰金徴収が主な任務である。

セッション2「ワークライフバランス」
日本人参加者はあらかじめ、UIゼンセン同盟作成のワークライフバランス・チェックシートのアンケートに本人だけでなく職場の同僚などからも回答を得て、30人分のデータを収集した。フィリピン人参加者からは19人のデータを収集した。3つのグループに分かれ、それぞれ「仕事」、「生活」、「組合」をテーマに日比両国の結果について討論した。グループ討論後、各グループの代表が討論結果を報告した。結果に若干の差が出た項目としては、フィリピンの方が選挙に参加すると答えた人が多かった(理由:大統領も直接選挙で選ぶことができるので権利を行使すべきだという考えが強い。一方、賄賂も横行しており投票率が高いという一面もある)。親が病気になった場合、娘や妻(女性)が仕事を辞め介護すべきと思うか?との質問には、フィリピンは「仕事を辞めたら収入源がなくなるので辞めるべきではない」という答えが多かった。
その後、損保労連及びKDDI労組から日本の取組み事例が報告された。
引き続き、UNI-LCJ代表団は、UIゼンセン同盟組合員が描いた「女性の組合参画」紙芝居をロールプレイしながら上演した。参加者は事前に自分のパートを練習し、マニラで初顔合わせ後、リハーサルをして本番に臨んだ。
UNI-PLC女性委員会メンバーも、女性組合員の勧誘場面をスキットで再現した。

まとめ
最後に参加者から、「2日間は短かったが充実した内容だった」、「当初の目標である仲間作りは達成されたので、今後もネットワークを維持していこう」、「互いの文化や経験を知ることができ有意義だった」、「青年労働者の抱える問題は国が違っても共通であることがわかった。ワークショップで学んだ経験を今後の活動に活かしたい」、「ユース活動は楽しい要素も重要」など、前向きなコメントが聞かれた。
レイナーUNI-PLCユース議長は、「今後もLCJユース・メンバーの英語の勉強を励ますため、Eメールやブログを通じて情報交換していこう。長崎大会での再会を楽しみにしている」とまとめた。
ウマリUNI-PLC事務局長も、全員の積極的な参加とワークショップの成功をたたえ、今後の両国加盟協の発展と協力関係の強化、UNI-Aproにおける貢献を祈念した。


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