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UNI-LCJ金融部会、シンガポール金融部門を調査

newsImage 第3回UNI-Apro金融部会大会を控え、UNI-LCJ金融部会としてどう貢献できるかを考え、シンガポールの金融部門の調査を行った。


調査の背景とコンセプト
今般の世界的金融危機により、米国・ヨーロッパ地域との関係において世界経済の成長セクターであるアジアの存在感が増大する中、UNI-LCJ金融部会 としてアジア太平洋地域に貢献する必要があるとの認識を持つに至った。損保労連の石川中央執行委員長・山崎事務局長、全労金の河野書記長、全信連の佐藤議 長、労済労連の照沼書記長、UNI-LCJの伊藤事務局長でチームを組織、アジアの金融のハブ機能を担うシンガポールの金融労働組合、金融機関、金融監督 当局などを訪問し、世界的な金融危機の影響や国際的な金融規制のあり方、ならびに金融機関における人材育成の実態調査を行うことを決めた。なお、コンセプ トは、①労働組合以外の金融規制当局などを含めた様々な組織へのアクセス力強化、②金融機関が誠実で正しい事業運営を行うための社会性のある人材育成の調 査、③労働組合としての影響力拡大のために組織化を行い、地域内のUNIメンバーを増やすこと、の3点である。

調査の概要
2009年6月8日(月)~10日(水)の日程で、計10箇所を訪問した。

クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長とのミーティング
ウン地域書記長よりADB(アジア開発銀行)へのアプローチの重要性について提起があった。この点では、「最終的にアジア太平洋地域のGUF(グローバ ルユニオン)が共同して影響力を拡大するために意思統一し、PSI(国際公務労連)が前面的に役割を果たしながら取り組めることとなったこと。具体的に 2009年2月の理事会では、ADB・GUF・ITUC-APの対話の会議を持つことができたこと。また、対話の結果、ADBの教育プログラムにGUFか ら講師派遣することができ、かつADBに労働組合デスクを置くことができそうで、それらを通じてコーディネートする動きも出てきたこと」などの報告があっ た。

アクサ・シンガポール支社での経営側とのミーティング
持続的な成長のための世界的戦略として人材育成を強化しているアクサのシンガポール現地法人のCEO、「世界的な金融危機の中でのアクサのアジア地域の 状況と各国の事情に合わせた戦略」、「人材育成のためのカリキュラムや社員対象の『スコープ』というアンケート」、「持続的発展のための労使対話・協議の しくみや社員との直接の関係づくり」などの説明があった。なお、MASに対しては、「活動は活発で職員研修を含めて様々な指摘をしてくる。レギュラーベー スで監査が行われる。そういう意味で少しやり過ぎ感はあるが、大変プラグマティックで、実際に良い規制であると受け止めている」との見方が紹介された。ま た、急遽、アクサ・アジア太平洋キャンパス(アジア太平洋地域の人材の能力開発・発展を目的に500万ユーロをかけて建設されたもの)見学の機会を得るこ とができた。また学長より、全世界の社員とアクサの経営理念を共有するために「アクサカルチャーというプログラムを重視していることや、毎年各地域のトッ プが集まってアクサバリューを確認した上で、経営トップ自らが各国を訪問しアクサの価値観を伝えることで企業コンセプトや戦略を徹底している」という話が 印象的であった。

NTUC(シンガポール全国労働組合会議)及び関連組織
NTUCは労働者の理解と経済的競争力のバランスを重視しており、金融危機を受けて「人員削減数がアジア通貨危機時の29,000人に達しないようにし よう」、「失業率が過去最悪だった5.2%に届かないようにしよう」、「回復に努力しよう」の3つを柱とする「Up turn」戦略を確認・実行しているとの説明があった。また、1972年からスタートした政労使の三者構成が機能しており、そこで作成される賃上げ交渉等 のためのガイドラインの位置づけも極めて高いことがわかった。その他、「NTUCとして女性が働きやすいように再雇用の取り組みを促進していること。ま た、組合費を払わない労働者が多い中で『nEbo』というティーンエイジの集まりを形成していること」などの紹介があった。
この他、NTUCクラブ(1986年に設立されたNTUCの12ある社会企業の一つで、レジャーと娯楽を受け持っており、安価でレクリエーションの機会を提供し、そのことで労働運動の強化に寄与することをミッションとしている)や、NTUCインカム労組も訪問した。
NTUCインカム労組からは、第一世代は利益もあげないし、労働者も大事にしないという考え方、第二世代は利益をあげてメンバーに貢献するという考え方、 第三世代は社会的企業という考え方で、社会的な目的は変わっていないものの、協同組合の形態は変わってきているとの説明があった。特に、シンガポールで は、グローバルな保険会社と戦わなければならず、買う内容を強調した戦略が求められるようになってきているとのことであった。現在、「文化革命」と呼んで いて文化自体を変えようとしているということで、オンラインを活用したしくみ等により、若い人たちをターゲットにしたり、商品も高品質化をすすめたりして いるとのことである。「100%新しい企業に生まれ変わろうとしている」との言葉が印象的であった。なお、シンガポールでも協同組合としての税制面での優 遇幅はなくなってきているようだが、アドバンテージということではやはり労働組合とのつながりが大きく、NTUCがバックにいて存在が保証されており、し かも、政労使という三者構成の枠組みがきっちり機能しているので、結果的に政府の保証も得ていることになるとの説明があった。また、メンバーが常に特権を 受けられるようにしなければならないということで、「LUV」という組合員むけの掛金の安い商品を用意しているとの紹介もあった。なお、NTUCインカム では、パブリック(一般加入者)・メンバー(職域加入者=労働組合の組合員)ともに商品の掛金は基本的に両者で同一であるのに対し、利益は徹底的にメン バーのみに還元されている。パブリックは基本的に高所得者が多いということで、中低所得者が多いメンバーのみに利益を還元することで、結果的にNTUCイ ンカムが社会保障に代わる所得分配機能も有していることがわかった。

SIEU(シンガポール保険労働組合)
冒頭、政府が実行している「Jobs Credit」(会社に雇用の義務を守らせるためのもの)と「Spur」(職業訓練期間中の補助)という2つのプログラムの紹介があった。また、保険産業 への特徴的な影響として、生保は「セールスが減少しており、投資に直結する商品が売れない中、トラディショナルな商品に回帰する傾向があること。また、金 融危機を受けて、以前は政府とMASの規制に対して行き過ぎではないかという声もあったものの、現在は『規制があって良かった。そのおかげで破綻が避けら れた』という捉え方がされていること」、損保は「海運の落ち込みが激しく、投資のリターンも戻ってこない状態となっているが、業界全体としては悪い状況で はないこと。ただ、自動車保険損害率が悪化していることや、不法入国者などによる業務上災害保険への意図的な請求が増えていること」などの報告があった。

SBEU(シンガポール銀行労働組合)・SBOA(シンガポール銀行上級職員協会)
SBEU、SBOA共に「良好な労使関係の構築」、「労働条件の改善」、「企業の発展」の3つを共通の目的としているとの紹介があった。そのうえで、銀 行産業への特徴的な影響として、「現在の状況はそこまでひどくはないものの、サービスインクルメントの交渉は9月まで据え置きとなっていること。また、経 営側の意向として労働組合に助けてもらいたいということがあり、例えば休日に働いても代休で処理していること」などの説明があった。なお、顧客との関係と いう点では、間違いなくリーマンの破綻で人々の考え方は変わり、MASによる規制の結果、銀行として投資性商品を扱えなくなったとの報告もあった。さら に、MASは日本の金融庁と同様にかつては資産査定がメインだったものの、最近では商品の売り方を含むコンプラインスを重視する傾向があり、そうした観点 での職員教育まで求めてきているとのことであった。

DBSSU(DBS銀行労組)
金融危機による影響として、DBS銀行では昨年人員削減が行われたものの、該当者に新しい職に就いてもらえるように、DBSSUはNTUCと一緒に 「e2i」を通じて協力しているとの紹介があった。シンガポールでは最初の四半期で約10,000人が人員削減にあったが、そのうち約1/3が労働組合の 組合員で、DBS銀行が一番多いとのことである。2008年に、政府が実施するベイビーボーナス(子育て援助)口座を他の銀行が引き受けるようになったた めで、関連取引もすべてその銀行に移ってしまうことが大きいとのことであった。また、セールスはダウンしていて、MASの規制によって販売スタイルも変わ り、具体的にはサービスにフォーカスが集まっているとの報告もあった。

シンガポール通貨庁(MAS)
金融危機によるシンガポールにおける損保への影響として、シンガポールの経済は全体的に日本と似ており、例えば貿易の落ち込みにより海運業が落ち込んで いる。一方で、建設ラッシュにより建設業は好調であるなど日本との差異も説明があった。そのうえで、損害率の悪化から自動車保険料が高騰しており、適切な ロスコントロールしなければならない問題や、高齢化がすすむ中での適切な医療保険の提供という課題があるとの報告があった。ただし、幸いシンガポールでは それほど金融危機によるダメージはなく、それはサブプライム関連商品をあまり積極的に買っていなかったという事情によるようである。しかし、他の投資家は “津波”(今回の世界的金融危機)で多くの損を被ったため、MASとしてはコアビジネスにフォーカスするよう、すなわち保険会社は保険業に特化するように 指導しているとのことであった。また、グローバル化がすすむ中での監督する立場としては「すべての領域に関心を持っている。どこかに集中して監督するより 全般にわたって強化することが重要」とのコメントがあった。さらに、日本の金融庁とは緊密に連携をとっていてお互いに情報交換を行っており、「今後はより アジア全体を重視したい。国際的基準を策定する時に金融庁との連携は重要であると考えている」との意向が示された。なお、消費者教育にも力を入れており、 新聞の紙面を活用したり、コミュニティーセンターに出向いたり、また、学校レベルから教育をスタートしたりしているとのことであった。この点に関しては、 保険会社がセンターを立ち上げて紛争の調停にあたっているものの、MASとしてはもっとお客様の声を聞いて問題が起きないようにするよう指導しているとの 説明があった。

まとめ(前進するUNI-LCJ金融部会)
MASからは日本の金融庁と緊密に連携をとっており、そのうえで、今後はよりアジア全体を重視したいとのコメントがあった。当然、労働組合側もUNI- Aproの枠組みでの情報の共有化と一層の連帯が重要となる。そのためにも、UNI-LCJ金融部会は、金融庁をはじめ様々な組織へのアクセス力、政労使 の三者構成での発信力を強化することで、労働組合の存在感を拡大していかなければならないと自覚する。アジア各国には日本から多くの金融機関が進出してお り、日本の経営方針がアジア全体に影響することになる。企業内労使関係でもそうしたことを念頭に置いて労使協議を行わなければならない。
金融行政が消費者契約者保護やサービス面を重視する傾向にあるのは恐らくアジア共通である。金融商品は形がないことから、言わば「信頼」を売っていること になる。そこに携わる従業員が顧客からの「信頼」に足る存在でなければならない。経営者が「ヒト」である従業員を大事にすれば、従業員も「ヒト」である顧 客を大事することができる。逆に言うと、従業員を大事にできない企業が顧客を大事にできるわけがない。したがって、企業戦略としても、人材育成のための教 育や安心して働けるための労働条件を整えるための投資は惜しむべきではない。一度培った「経営と従業員」、「従業員と顧客」の信頼関係は簡単に崩れること はない。そうした確かな信頼関係を一つひとつ積み上げていくことが「責任ある持続可能な金融システム」の構築につながると確信する。


UNI世界運営委員会

2009年5月7~8日、スイスのUNI本部においてUNI世界運営委員会が開催された。世界各地から約50名(運営委員とオブザーバー)が参加し、UNIブレーキングスルー、GFA、金融危機、世界大会、UNI財政・運営事項等について議論された。日本からは、UNI世界副会長の山口委員長、佐々木国際部長と栗原国際担当スタッフが参加した。
冒頭、ジェニングス書記長は、「我々は時代の転換期にある。経済的、社会的、雇用の観点からも大きな転換期にある。グローバルの危機には、単独では解決することが不可能である。グローバルな解決策が必要である」と述べた。
山口委員長は、運営委員会で、UNI会費について、「世界的な景気後退が進む中で、各国でリストラや非正規社員が多く発生し、各産別、単組は組織の減少が起きており、財政面で大変厳しい環境下にある。この時期の会費の値上げを提案することが適切であるのか」と疑問を呈した。
2010年の長崎大会においては、平和が重要なテーマとなっている。日本は世界で唯一の被爆国であり、日本の連合は毎年、平和を願って、長崎、広島において、
平和集会を開催している。連合は、来年に結成20周年を迎えることもあって、1000万人署名を実施する。今、核の現状を再認識し、核を廃絶し、平和を維持するために連合が実施する。そのため、UNIにも参加して頂きたいと協力要請を行った。
これらの提案に対して、UNIからは、会費については、8月にジェニングス書記長の来日の際に、説明したいとの回答があった。また、署名活動については、物理的に、署名を集めることは困難であるので、オンライン上で10万人の署名を目指したいと述べた。


米国PE協会、信用投資ガイドライン発表

米国プライベートエクィティ協会(USPEC)は、信用投資のガイドラインを発行した。このガイドラインは、労働組合を代表して行動規範を求める交渉に取組んでいるUNIのものと混同してはならない。参考になる点があるとしても、USPECのガイドラインは我々のイニシアティブとは別物である。
USPECの信用投資についての新ガイドラインの作成は、責任投資原則(PRI)に調印した投資家グループによって決定され、藩基文国連事務総長のイニシアティブによるものである。巨大な年金ファンドを含め、投資家は責任投資の原則に署名し、支持するよう促されている。このコンセプトは、以下の通りである。

責任投資原則
我々は機関投資家として、受益者が長期的に最大限の利益を得られるように努力する責任がある。この受託者の役割として、我々は環境・社会・コーポレートガバナンス問題が投資ポートフォリオのパフォーマンスに影響を及ぼすことがあると確信している。(企業、産業、地域、資産クラスや時期によって程度は異なる。)また、この原則を適用することで、投資家がより広範囲の社会目的を果たすことができるだろうと認識している。よって、受託者責任に従い、我々は以下の事項へコミットメントを宣言する。
1.我々は、投資分析と意思決定のプロセスに環境・社会・コーポレートガバナンス問題を組み込む。
2.我々は、積極的な所有者になり、所有権の方針や慣習に環境・社会・コーポレートガバナンス問題を組み込む。
3.我々は、投資対象に環境・社会・コーポレートガバナンス問題についての適切な情報開示を求める。
4.我々は、投資産業の中で本原則が受け入れられ、実行されるよう働きかける。
5.我々は、本原則を効果的に実行できるよう協働する。
6.我々は、本原則を実行する際の活動と進捗状況を報告する。

順守もしくは説明のアプローチには、どのように原則を実行していくか報告する、もしくは従わない理由の説明をすることが求められる。
責任投資原則は、環境・社会・コーポレートガバナンス問題が投資に対して与える影響が大きくなっていると認識している、国際機関投資家グループによって作成された。このプロセスには、国連事務総長も関与した。
本原則に署名するにあたり受託者責任によって、我々は投資家としてこれを採択し実行することを公的に約束する。さらに、我々は内容の効果を評価し、改訂することを約束する。これによって受益者に対するコミットメントの質を向上していく、そして我々の投資活動が広範囲にわたる社会的利益に合致するものと確信している。
我々は他の投資家にも本原則を採択するよう推奨する。


第10回UNI-LCJ年次総会

2009年2月18日、第10回UNI-LCJ年次総会が開催され、桜田JSD会長が議長を務めた。活動報告では、日本で初めての髙島屋グローバル協定調印を中心に、海外活動の成果などが報告され、活動計画では、いよいよ100万人達成へ最後の年との認識で、諸課題に取組むことが決定された。UNI-LCJは、今年985,200人を達成し、第3回UNI世界大会(2010年、長崎)に向けて着実に歩を前に進めている。総会は、ステートメントを採択、経済危機に対し闘う決意を固めた。
また、特別講演として髙島屋労組の村田委員長、小熊執行委員が、DVDによる上演を含め、「髙島屋グローバル協定」について説明した。総会に引き続き、レセプションが開催され、クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長も参加、「ASEANにおけるUNIの前進」を報告、その後参加者との懇親を深めた。


ILO金融部門フォーラム

2009年2月24~25日、スイス・ジュネーブのILO本部において、金融部門労働者に対する金融危機のインパクトに関するILOグローバル対話フォーラムが開催され、政労使約150人が参加した。日本からは損保労連・石川委員長、久保田事務局次長、生保労連・加藤書記長、井坂政策局員、UNI-Aproの伊藤東京事務所長が出席した。
本フォーラムは、以下の3つの議題について、政労使それぞれの立場から対話を行った。
①金融危機が世界レベル、地域レベル、国レベル、企業レべルで金融産業にどのような影響を与えているか。
②政労使は、金融労働者が危機に対処するのをいかに支援できるか。
③危機からいかなる教訓が得られ、どのような政策が有効であるか。また政府、使用者、労働者団体、ILOの役割はどうあるべきか。
本フォーラムは以下の通り結論文書を採択した。

結論
1.世界は、深刻化する金融・経済危機に直面している。先行きは不安な状態で、既に雇用と生活に直接の影響を受けている国もある。その度合は、国によっても産業によっても異なる。ILOと三者会議構成者は今後の展開を監視し、目下の国や産業の枠組みを超えて社会的・労働的影響を予測する必要がある。銀行への信頼を取り戻し、金融システムの今ある問題を解決することが、世界経済を復興させる第一歩である。

Part1.金融危機に関する討議でILOと三者会議構成者に発言権を与えること
2.金融システムを安定させ改正することは、経済・規制だけに関わる問題ではない。変化は、銀行・保険会社・その他金融サービスの労働及び社会的側面(仕事、雇用、社内業務手順と労働条件など、慣例、技能の必要性、社会的保護などへの影響)に作用し、また影響もされる。
3.金融安定化フォーラム、G20やその他フォーラムなどは現在の危機を招いた問題を回避するため、規制を改善し、金融市場を安定化する方法を活発に議論している。改革は広範囲に渡り、国際的なものになるだろう。金融サービス部門の全ての機関・労働者に影響する可能性がある。ILOは積極的にこれらのフォーラムに関わり、世界対話フォーラムの結果が配慮されるように努めなければならない。
4.世界、地域、国家レベルで、ILOは金融危機が雇用に与える問題に取組むために三者連携を促進する活動を行う。国際機関の中でILOは、組織もその構成者も充分関与できるように、国際的議論の場において、構成者の仕組みと専門性をもつ機関である。今後は金融・経済危機がその他部門に与える社会的及び労働への影響を調査していく。

Part 2. ILOの対応
5.金融部門の社会パートナーと連携し、金融危機の影響や雇用改革、部門の社会的及び労働面の調査をする一連の流れを作るべきである。
6.ILOは金融部門の情報を収集し、雇用傾向を観察、分析する。また、国際機関による金融危機対策に対し、雇用・社会及び労働面において助言を与える。ILO金融部門構成者は、このことに大いに関わっていかなければならない。そしてILOは結果を直ちに周知させなければならない。
7.ILOはこれからの2年間、また次の2年間に渡って金融危機による社会・労働面への影響に関する取組みを最優先とする。また、政府や社会パートナーと連携し、問題点に対する特別な行動計画を展開していく。
8.ILOは、政府や社会パートナーが、金融危機と改革プロセスの社会・労働面の問題に取組むための地域及び国家レベルでの援助を行う。

Part3.効果的政策対応
9.危機的事態を落ち着かせるための、国の補助金や救済措置などの改革プロセスにおいて、団結権、団体行動権、団体交渉権を含んだ「1998年労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を十分に考慮すべきである。更に、労働・社会面に関しては、マクロファイナンスから多国籍企業、民間企業から公営企業まで広範囲に渡って社会パートナーと連携していく。
10.社会対話には金融危機の影響を和らげ、解決策を探すという重要な役割がある。同様に情報と協議も多国籍企業においては重要であり、任意のグローバル枠組み協定が鍵となり得る。組織再編は、経営側、労働組合、労働者代表間の対話に基づいて適正な方法で行われるべきである。協議が遂行できるように、組織再編の情報公開は彼らに適切な時機に行われなくてならない。
11.過剰人員についてはよく配慮し、解雇は最終手段とする。また、労働契約は尊重されなければならない。
12.政府、使用者、労働団体は社会対話の中で、労働者が変化に対応していけるように支援するため、技能強化、生涯学習、活発な労働市場政策を通じて労働者の雇用可能性を守らなければならない。解雇の問題に取組むために、全ての労働者に訓練または再訓練の機会が与えられ、労働市場の要求に応えられる技術を身に付けられるようにする。そのための訓練方法と資金繰りについては検討する。
13.現在、金融サービス業で組織再編が行われる中、多くの女性従業員が危険にさらされている。適正な政策の基本方針がゆるがないように特別な配慮がなされるべきである。また、非正規労働者も公平に扱われなければならない。
14.国の補助金や政府の救済措置は市場原理に基づき、産業の部門や国を超えて、労働分野の社会パートナーの自主性に関して公平でなければならない。
15.政策の首尾一貫性と、地域または国際協調によって金融危機を悪化させる保護貿易への対策ができる。
16.「多国籍企業と社会政策に関する三者宣言(ILO・MNE宣言)」、「1998年労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、「2008年公正なグローバル化のための社会正義宣言」は、ILOが政策対応に貢献できるような基本方針である。「2007年持続可能な企業の促進に関する国際労働会議の結論」も同様である。


第11回UNI-Apro執行委員会

2009年3月29~30日、シンガポールで標記会議が開催された。
デブリュン会長は開会挨拶で、シンガポール商業労組(SMMWU)50周年に祝意を表し、執行委員会参加者が海外ゲストとして、首相以下シンガポールの主な閣僚も出席した歴史的なイベントに立ち会うことができたことを喜んだ。また、2月にオーストラリアで発生した山火事被害に触れ、世界中から届いた見舞いの言葉や、ジェニングス書記長及び日本加盟協からの寄付に対し、オーストラリアの労働組合と地域社会を代表して感謝した。
UNI-Apro活動報告の中でウン地域書記長は、インドネシアにおいて「組合は会社にとっての障害ではなくパートナーになりたい」というコンセプトで、ヒーロースーパーマーケットに労使パートナーシップ文化を作るのに成功し、これがインドネシア小売業全体に影響を及ぼすことができ、UNI-Aproの評価が高まったことや、2008年10月マニラにおける移民労働者会議に他のGUFと連携して参加した経験を報告した。
ジェニングスUNI書記長は、「ブレイキングスルー-パワーを構築する」と題するプレゼンを行った。オーストラリアの組合改革を手助けした経験のあるポール・ゴーター氏に依頼し、本部及び地域スタッフ一人一人との面接を経て、「組織の目的は何か、パワーをどう構築するか、地域、部会レベルでどうパワーをつけるか」を話し合った結果、整合性に欠けていることがわかった。今後、組織の目的を達成するために、プロセスを見直し、整合性を持ったビジョン、戦略企画・実施のできる体制を作っていく。シカゴで「UNIグローバルユニオン」となった。2009年3月、人間を表すロゴに変更し、ウェブサイトも大幅に変更した。本部スタッフ・局長、アフリカ及び米州地域書記長人事も変更した。しかし、規約を変更するわけではない、と強調した。
加藤UNI-Apro副会長や、落合UNI-Apro副会長は、UNI本部の機能、権限、役割が地域組織にどう関わるか、本部と地域のスタッフや資金配分についての説明を求め、組織化は国や地域、現場の実情を無視してはできない点を強調した。
ジェニングス書記長は、執行委員会2日目にはG20に労働組合も参加し、世界金融危機の教訓と対策・要求を各国首脳に訴えるロビー活動を行うため、ロンドンへ向かった。
この他、鈴木ITUC-AP書記長から、ITUC-APの重点活動についてプレゼンがあり、UNI-Apro執行委員会メンバーと意見交換を行った。


新しいUNIロゴへ

3月2日、UNIのロゴ・ホームページが新しくなりました。多くの情報を分かりやすくまとめ、組合や労働者・経済問題の動画閲覧・新しいウェブツールからの情報入手・ニュース配信・会議の予定組み・発行物閲覧が出来ます。
サイトのメインは、UNIのニュースと活動報告です。
サイトは全く新しく生まれ変わりました。サイト内のナビゲートやサーチは、英語・スペイン語・フランス語・スウェーデン語・ドイツ語などの多言語で簡単に行えます。更に、アラビア語圏・インド・日本・ロシア独立国家共同体向けのサイトもあります。


UNI欧州金融部会、金融危機への対応

UNI欧州は、EBF(欧州銀行連盟)、BCESA(Banking Committee for European Social Affairs)、ESBG(欧州貯蓄銀行グループ)とのハイレベル会合を行ない、金融危機の影響と今後について意見交換を行なった。
銀行業界の広範囲にわたる問題の解決や、今後の活動について意見、情報交換するために、これらの団体が一同に会すのは、史上初のことである。
「現在の難問に共に取り組むことは、非常に重要だ。銀行労使は、同じ懸案事項を抱えており、双方ともいかに危機を乗り越え、金融部門を将来的に安定させるかに、関心をもっている」アラン・バンクUNI金融部会議長は、このように述べた。
1月28日にブリュッセルで行なわれた会議では、UNIヨーロッパ金融部会と3つの使用者団体が、金融危機の進展を監視するとともに、今後も建設的な対話を継続することを表明した。また、金融部門の雇用動向に関する情報を収集し共有していくことで合意した。
「金融危機に立ち向かうにあたり、企業は労働者によって運営されているということを無視してはならない。彼らは内部の人間であり、銀行の顔である」とオリバー・レティクUNI金融部会担当局長は言う。金融機関の信頼を回復させ、銀行を長期的に安定させるためには、すべての労働慣行を見直さなければならない。これは、労働者、使用者、双方にとって共通の課題である。
我々は、金融システムの改革に直面している。労働者は、規制の影響と効果を見極めるにあたって、職場からの視点を補足的に示すことが可能である。これまで何が間違っていて、将来、同様の危機を回避するために何をすべきか、包括的に見極めるためにも、職場からの視点は不可欠である。

UNI欧州金融部会は、38カ国150万人を組織する100以上の欧州の銀行・保険産業の労働組合で構成されている。
(UNI金融部会担当局長 オリバー・レティク)


世界的な金融危機に立ち向かう労働組合の共同戦略-UNI-Apro金融部会 ジャヤスリ・プリヤラル担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、金融部門にどのような影響を与えていますか?
国際金融市場の崩壊によって、今や主要国経済は不況に陥っています。危機に対処しようと各国政府はバラバラで相反する行動をとっています。過去、保護主義を打破する自由市場理論を擁護した国は、逆に自国の利益を保護する動きをとっています。多くの人にグローバルエコノミーは存在すると思われていたものが、実は単にグローバル市場に過ぎなかったのです。グローバル化のプロセスを推進してきた規制緩和や自由化の動きは、急に止まってしまいました。労働組合はこれまでずっと、企業の押し進める非情な競争、倫理に反する利潤極大化に大いに懸念を抱いてきました。工業化の時代から始まり現在の「金融化」に至るまで、危機の際に最も打撃を受けたのは労働者です。それでも労働組合は、社会における変化の悪影響を軽減する勢力として生き残ってきました。21世紀になってもその事実は変わりません。投資を惹きつける目的の新しい金融商品は、リスクの高いデリバティブでした。プロモーターも投資家も有毒な金融デリバティブ商品に潜むリスクがどれほどかを理解していませんでした。これが、現在の混乱の原因のひとつと言えます。
銀行に加え規制当局の側のモラルハザードについても、UNIは非常に懸念しています。投資家の信頼を損なうことは、ビジネスに大きな影響を及ぼすだけでなく、北米及び欧州の金融産業に携わる従業員の雇用を危険に晒すことになり兼ねません。UNI金融部会は既に、国際金融市場における同様の不正取引を防止し二度とこうした大惨事を繰り返さないよう、有効な規制システムの導入を関係当局に働きかける取組みを実行しています。多くの商業銀行には国際的なガイドラインに基づくリスク測定システムがあるようですが、リスク管理と破綻回避の有効なシステムや手続きはないように思われます。

2008年の成果、および2009年の課題をお聞かせください。
UNI金融部会は、銀行、保険、金融機関の従業員を代表する組合を関わらせ、ボトムアップの規制システム導入に尽力する先駆者です。我々は、企業の長期的持続性を犠牲にして、ただ株価をつり上げるため短期的利益を追求する「プロフィット・エンジニアリング」はやめるべきだと主張しています。従業員全員の利益を代表する組合として経営側と協力し、顧客に最大限の利益を確保すると共に、銀行の持続的成長を透明性あるやり方で管理監督するよう、規制当局に働きかけていくべきです。
このような危機に直面し、労働組合は現場の組合員のために考え、グローバルに行動する必要があります。UNIは金融産業の持続的発展に好ましくない傾向を反転させるべく、グローバルに行動するための基盤です。金融の安定は公益であり、市場の力に任せておくことはできません。日本を含めアジア太平洋地域のUNI加盟組合は、今こそ手を携えて影響力ある役割を果たしていかなければなりません。
2008年8月に、UNI-Apro金融部会委員会が東京で開催され、石川議長(損保労連委員長)が議長を務めました。金融部会委員会は毎年会合を行い、地域の活動を計画・実施しています。委員会では、日本も含め、アジア太平洋地域各国における金融危機のインパクトについて情報を共有しました。2009年の優先課題は、インド、インドネシア、フィリピンにおける組織化です。昨年8月の時点では、アジア太平洋地域の銀行にとって、それ以前の金融危機ほどの甚大な影響はなかったようですが、市場の統合が加速する中、新たな問題が起こりつつあります。従って、UNI-Apro金融部会としては、金融産業の労働組合が油断することなく状況を監視し続けると共に、各国の規制当局に対し、金融産業において顧客及び社会に責任ある安定した金融サービスを提供するため、「監視と透明性を求めるボトムアップ・アプローチ」というUNIの呼びかけを支持するよう働きかけるべく、対話を始める必要性を繰り返し主張してきました。
日本では、ゆうちょ、労働金庫、共同組合、都市銀行、信託銀行など、貯金から投資まで様々な金融機関が存在していることに感銘を受けました。日本社会に、貯蓄と倹約という豊かな伝統があるためでしょう。金融産業における多様性は適切な監視と有効な規制をもって継続されるべきです。そのために金融労組は、良き倫理的慣行を促進するために積極的な役割を果たすことができます。一方で、何万人という市民の年金記録に関する事故が発生したことにも驚かされました。このような事故を防ぐには、労働組合が『内部告発者』としての役割を果たす必要もあるでしょう。

日本の金融部会加盟組合へメッセージをお願いします。
世界300万人の金融労働者を代表するUNI金融部会は、日本の加盟組合の皆さんと協力し、労働組合の監視の下、責任あるビジネス慣行に関する憲章を促進していきたいと思っています。
本年7月25~27日にはジャカルタで、第3回UNI-Apro金融部会大会が開催されるので、日本からも多くの皆さんの参加をお待ちしています。大会では、現下の金融危機への労働組合の対応を議論し、互いの経験を学ぶことが期待されます。そして、我々の課題を克服し、金融産業を強化するための共同戦略を立てたいと思います。今年もご支援ご協力よろしくお願いいたします。

ジャヤスリ・プリヤラル―スリランカ出身。コロンボのインド銀行に25年間勤務し、国際貿易ビジネス及び財務等を担当。1984年よりセイロン銀行労組(CBEU)の執行委員、副委員長を歴任。国際労働運動との関わりは1990年、APRO-FIETで青年コーディネータを務めたのがきっかけ。2006年より、UNI-Apro金融部会及びUNI-Apro専門職・監督職(P&MS)委員会担当部長。


米国労働運動と共にEFCAキャンペーンを支持しよう!

皆様に、米国の12の主要労組トップが発表した共同声明をご紹介したいと思います。この声明は、2009年1月7日、ワシントンDCにあるUFCW(北米合同食品商業労組)本部にて開かれた会議の中でまとめられた、米国における労働運動の統一を目標とするものです。

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北米労組トップ会議の共同声明
1月7日、下記北米労組トップが一堂に会し、その会議に関する共同声明を発表した。

全米通信労働組合   ラリー・コーエン
全米鉄鋼労働組合   レオ・ジェラルド
全米自動車労働組合   ロン・ゲッテルフィンガー
北米合同食品商業労働組合   ジョー・ハンセン
チームスターズ労組(全米運輸労組)   ジェームス・ホッファ
全米州郡市町村職員組合       ジェラルド・マッケンティ
国際建設労働者組合   テリー・オサリバン
北米ホテル・レストラン労組   ブルース・レイナー
国際サービス労働組合   アンディ・スターン
全国教育協会   デニス・ヴァン・ロイケル
米国教職員組合   ランディ・ワインガーデン
国際電気労働者友愛組合   エド・ヒル

「この会議の目標は、米国労働者が直面する重要問題に関して、全国的な発言力と影響力を持つことのできる、統一労働運動を構築することである。我々は最大の労組を代表しており、統一には幅広い参加が不可欠であると認識している。また、我々の組合員は、それぞれの住まいや職場がある支部各所で活発に活動していることも認識している。我々は、そのような現場の組合員にも働きかけていきたい。」

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American Rights at Workのデイビッド・ボニア氏が仲介した会議には、AFL-CIO(米国労働総同盟・産別労組会議)のジョン・スウィニー会長と、CTW(勝利のための変革)のアンナ・バーガー議長も出席しました。
3年以上にわたって、AFL-CIOとCTWという2つの連合が存在しております。今回のこの統一の呼びかけは、米国経済の危機的状況下、バラク・オバマ次期大統領の就任を2週間後に控え、政治状況が大きく変わろうとするこの時期に、行われました。
私は1月12日の週に、IMF(国際通貨基金)及び世界銀行も参加する金融改革に関する一連の会議が開かれる、首都ワシントンに参ります。
滞在の間には、米国労働組合の提唱するEFCA(勤労者自由選択法案)の支持を世界的に拡大するための特別会議が開かれます。このキャンペーンには、ITUC(国際労働組合総連合)、グローバルユニオン(国際産業別労働組合組織)、AFL-CIO、CTW、そして米国のUNI加盟組織が参画しています。
UNI会長、ジョー・ハンセン氏は、先のUNI世界執行委員会で、EFCAの制定が米国労働運動の将来にとっていかに重要であるかを報告しました。
米国労働組合が再度結束を強化することは、我々にとって重要であります。EFCA制定はこの戦略の重要な要素です。しかし、EFCAキャンペーンは、国内及び世界中の米国商工会議所からの猛反発に直面しています。
EFCAキャンペーンへの国際的支援をどのように構築するかについて、具体案は別途ご報告いたします。
(UNI書記長 フィリップ・ジェニングス)

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EFCA(勤労者自由選択法案)の制定は世界的な組合結成の要である
UNIは、使用者からの報復を恐れずに労働組合に加入できるようになる米国の法律の制定に向け、世界的な連帯キャンペーンの構築をUNI1500万加盟組合員が支援すると誓約した。
「米国におけるEFCA制定は世界中の労働者の利益となる」とフィリップ・ジェニングスUNI書記長は言う。
1月13日、ジェニングス書記長は、法案可決のために協力しているAFL-CIO(米国労働総同盟・産別労組会議)とCTW(勝利のための変革)それぞれに加盟している米国の労働組合の代表者会議の議長を務めた。UNI会長でもあるジョー・ハンセンUFCW(北米合同食品商業労組)会長と、ジョン・スウィニーAFL-CIO会長は、ITUC(国際労働組合連合)と世界中のナショナルセンターの代表も出席した会議の開会式で挨拶した。
労働組合とナショナルセンターは、EFCAの法制化を推進するためのグローバルアクションを支援するタスクフォースを形成した。労働組合の組織化と承認を支援するために、他の国においてもこのモデルを使うつもりである。
「米国において組合を結成する労働者の権利を守る法律は、世界中で労働組合を認めさせ交渉権を勝ち得るために、極めて重要である」とジェニングス書記長は言う。「米国の企業は、ひどい労働慣行を、海外進出先の国に持ち出しており、海外企業は米国に参入すると、その慣行をひたすら容認してきた。労働者保護の法がなければ、多国籍企業が労働者を可能な限り不当に扱うことは明白である。」
法案が可決されれば、EFCAは米国の労働者に、労働組合を組織する自由で平等な機会を与え、反労働組合の使用者に説明責任を課し、交渉を長引かせることを阻止できるであろう。
米国の労働者の半数以上が、もし可能であればすぐにでも労働組合に加入したいが、米国企業は、たいてい労働者が労働組合を組織する権利や団体交渉権を認めていない、と言っている。現在の米国の労働法では、こういった企業が組合寄りの労働者を解雇することができるし、組合承認選挙前には賃金で労働者を脅かすような反組合キャンペーンを認めている。たとえ組織化がうまくいっても、企業がそれに異議をとなえ、結果、何年も先延ばしされたり、組合賛成票が無効となってしまったりすることもあり得る。
ウォルマートのような米国を拠点としている使用者は組合と対立し、アルゼンチン、メキシコ、中国などの国で、違法な慣行を続けている。
欧州の企業は、米国内に参入すると、競うように労働条件を落とすようになる。ドイツの労働組合ver.diとドイツ本国においては団体協約を結んでいるドイツテレコムは、米国の子会社Tモバイルでは、悪質な反組合キャンペーンを行なっている。
「あまりに長期にわたって、米国は労働者の権利を競って底辺に落とし続けてきた」とジェニングス書記長は言う。「新しい法律の制定は、米国の労働者にとって重要な勝利であり、世界的不況の真っ只中においては、かつてないほど重要である」
UNIは世界中の加盟組織が各国政府指導者に働きかけ、オバマ政権にEFCA制定を最重要項目として推進させるよう呼びかけている。
(2009年1月14日)


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