ブログアーカイブ

UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)青年・女性セミナー

2013年7月22~27日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)青年・女性セミナーが開催され、日本から、新井JP労組中執を団長に以下5名から構成される代表団が出席した。モンゴル側は、UNI商業、郵便、ICTS部会に加盟する7組織から30名が参加し(9割以上が女性)、2日間、各国報告と意見交換を行った。

団長:JP労組 中央執行委員(労働条件担当部長)  新井 康寛
メンバー:情報労連 NTT関連サービス労協・D&Y労組  世古 静佳
メンバー:UAゼンセン 政策・労働条件局副部長  瀬戸 哲朗
メンバー:自動車総連 政策局部長  川下 真由美
事務局 :UNI-LCJapan 事務局次長  小川 陽子
(組織正式名称の50音順)

セミナー(7月23~24日)
開会式ではまず、オユンバヤールUNI-LCM議長の歓迎挨拶に続き、新井団長が「モンゴルは、近代的なビルの立つ地域と郊外のゲル地域とに二層化しており、よりディーセントな国にするため考えていくのがモンゴル側参加者の使命であると思う。今回のセミナーを通じて、若い参加者が組合運動に携わることを願っている」と挨拶した。
新井団長は続いて、2000年のUNI統合に伴うUNI-LCJ結成から今日までの沿革について説明を行ない、組織再編を経ながらもモンゴルでのセミナーが継続されていることに意義を感じていると述べた。そして、UNI-LCJ10年の成果として、2010年に第3回UNI世界大会開催を長崎で受け入れ、加盟組織の結束と協力により成功裏に開催されたことを報告した。
「日本について知ろう」というセッションでは、自動車総連の川下政策局部長が政治・経済について報告した。「日・モンゴル低炭素発展パートナーシップ」や、直近の参議院選挙の結果についても触れた。日本の政治動向への関心が高いモンゴル側から、新政権についての質問が出された。社会・文化については、UAゼンセンの瀬戸政策・労働条件局副部長が、少子高齢化傾向、都市と地方の経済格差から「クール・ジャパン」現象まで、浴衣姿で発表し、参加者に大変好評だった。モンゴル側からは、先進国では都市・地方間の経済格差がないとイメージしていたが、状況はモンゴルと同じだという意見が出され、失われる地方の雇用に対して労働組合は何ができるかとの質問が出された。
「女性の組合活動への参加」というテーマでは、日本から瀬戸UAゼンセン政策・労働条件局副部長が、日本の背景事情とUAゼンセンにおける「男女共同参画推進の取り組み」について詳述した。モンゴルからは、アルタントゥヤ統一労組委員長が、労働市場における男女共同参画の課題、労働における男女共同参画を定める法令・政策とその実施状況について報告した。2011年2月にジェンダー法が施行されたが、賃金や職業に男女間の差があるとともに、正社員から非正規社員への変化もみられるとのこと。労組の女性参加率・役員率は低くないが、高収入職場への女性の就労促進、保育園不足、母子家庭の増加、出産後同じ職場に復帰できないこと、退職にあたっての女性差別の存在など、課題は多いと述べた。小川UNI Apro機会均等部長は、UNI及びUNI Aproがグローバルに推進するジェンダー平等キャンペーンについて概説した。
「青年の組織化」のテーマでは、モンゴル側から、通信労組のトゥグルトゥル氏、郵便労組のムンフバト氏がそれぞれの労働組合の紹介とともに、若い組合員を参画させる様々なレク活動や、組合活動の意義を教える教育活動について報告した。日本からは、情報労連の世古氏が、東日本大震災後のボランティア活動や平和行動を中心に説明し、社会貢献活動は若手を組合に惹きつけるきっかけになったと述べた。また新井団長は、30歳までの男女組合員で構成されるJP労組ユースネットワークによる、書き損じハガキ、リサイクル・ブック・エイド、東日本大震災復興支援等、主な活動を報告した。モンゴル側からのリーダー育成についての質問に、新井団長は、「職場でリーダーシップのありそうな若手を選び、若手に任せつつ、バックアップしていくこと」と経験を語り、「組合や会社の歴史等、勉強もしてもらう。大変な苦労をした方が人間は伸びる」とアドバイスした。この他、モンゴル参加者からはユニオンショップについて多くの質問が出た。
この後、日本とモンゴルの参加者は2グループに分かれ、①「組合における女性参加・役員を増やすには?・男女共にワークライフバランスを達成するには?」、②「青年の組織化における課題・組合に関心を持たせるには?」という2つのテーマで「グループワーク」を実施し、モンゴル参加者がそれぞれの議論をまとめて発表した。グループ①は、国政、産別、単組レベルに分けて取り組みをまとめた。グループ②は、青年の労働組合に関する知識・関心の低さ、組合の活動・成果の宣伝不足、青年の社会運動への参画の低さという課題を踏まえ、組織拡大及び次世代リーダー育成に向けての具体的アクションを発表した。
閉会式では、新井団長が「モンゴルも現在は高度成長期にあるが、いずれ日本のようになるかもしれない。今こそ組合が活躍する時であり、労働組合として労働条件改善、賃上げなど積極的に行うべきである。そして、組合があったからこうなった、組合がこれを勝ち取った、ということをもっとアピールすることも重要だ」と激励した。また、「羊肉は冷めないうちに食べろ」(モンゴル版「鉄は熱いうちに打て」を意味する諺)を引用し、「今の決意が熱いうちに実行に移して欲しい」と期待した。オユンバヤールUNI-LCM議長は、「青年の組織化グループワークの議論を聞いたが、いいアイデアが多く出た。今まで青年の声を聞いていなかったことが良くわかった」と、活発に議論した参加者に感謝するとともに、UNI-LCJ代表団に感謝し、今後も交流を続けていきたいと述べた。
この他、参加者との交流夕食会、モンゴル文化ショー鑑賞、遊牧民の生活体験(ゲル宿泊)並びにUNI-LCM役員との交流、市内・職場視察(モンゴルポスト、モンゴルテレコム)、組合事務所(郵便労組、通信労組、統一労組他)訪問等を行った。

詳細はRelated Files参照
Mongol_fullReport2013


UNI Aproブレイキングスルー!

newsImage 第16回UNI Apro執行委員会で、様々なブレイキングスルーの成果が報告され、2013年度の計画が承認された。
冒頭、プラモトUNIフィージー加盟協事務局長からフィージーの情勢について報告を受けた。
続いて、部会別報告を受けた。臼杵UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長は、世界的に郵便物数の鈍化 が見られる中、ミャンマーとオーストラリアを主なターゲットとし組織化を進めていると述べ、ミャンマーに対するこれまでのJP労組の取組みを報告した。経 営側の業務改善努力と結びつかなければ、人材育成も成果が見られないという側面も強調された。關UNI Apro金融部会議長は、昨年UNI-LCJ金融部会として1万人増加に成功したことを報告し、アジア開発銀行との対話、ANZ銀行組織化、UNI-LCJ金融部会の銀行労組組織化等、今年の取組み計画を述べた。加藤UNI Apro ICTS部会議長は、テレノールとのグローバル協定締結という成果を受け、マレーシア、タイ等で子会社の組織化が進んでいること、最近テレコムセルの労使が来日した際、活動基盤の強化、財政の重要性を説明したことを報告し、全体として組織基盤の強化が求められていると強調した。アリスUNI Apro商業部会担当部長は、パートナーシップ労使関係の普及に基づいて、ベトナム、ネパール、マレーシア等で組織化が進んでいること、流通産業における安全衛生ガイドラインが発行されたこと等を報告した。プリヤラルUNI Apro P&M担当部長は、今年4月にノルウェーでエンジニア会議、ロンドンで欧州及び世界のP&M委員会が開催されると述べ、ネパールで専門職組織が確立したのも、NTT労組の地道な支援の取組みがあったからであると感謝した。マグダレーンUNIメディア部会Aproコーディネーターは、ADBとのグローバル協定が積極的な役割を果たし、マレーシア、台湾、タイ等各国で組織化が進んでいると報告した。

素晴らしい成果を挙げている加盟協の事例として、相原UNI-LCJ議長は、UNI長崎世界大会を経て、UNI-LCJが地道に組織拡大努力を続け、現在103万人以上の組織となった成功例を報告した。ノラ・カンDBS銀行労組委員長からは、UNI-SLC(シンガポール加盟協)はNTUCの方針、すなわち「全員により良い仕事を」、「全ての労働者のために包括的な成長を」、「全ての人々に労働運動を」、「全ての人々に三者構成主義を」等の方針に沿って運動を進めていると紹介があった。シャフィーUNI-MLC議長は、 「UNI-MLC(マレーシア加盟協)は現在74組合、30万人組織だが、UNI全領域で組織化を進めていく中で、UNIマレーシア労働センターへの転換 を図ろうとしている。これは、より積極的に労働条件の改善等、政策提言に関わろうという意図である。現在のナショナルセンターが弱すぎるという問題があ る」と述べた。ライハUNI-HKLC事務局長は、「5組合をもってUNI-HKLC(香港加盟協)が結成されてから1年が経過した。ディズニーランド等困難な組織化に頑張っている。昨年30人が参加し、組織化フォーラムが開催された」と報告し、4月1日から始まった香港港湾労働者のストに対する支援を要請した。

次に、ハイライトすべき成功事例として以下の事例が共有された。逢見UNI Apro副会長は、UAゼンセン統合に至る歴史的経過と課題について説明した。ジェラルドUNI Apro副会長は、マクドナルドにおける組織化を例に、オーストラリアSDAのきめ細かい組織作りを説明した。UNIネパール加盟協の組織率は10%を超え、これは南アジア諸国では最高の数字である。G4S、テリアソネラNセル、DHL、TNT、メットライフ、LIC等の組織化を進めている。ベトナム商業労組ネットワークの形成と産別組織への発展の方向性が示された。

機会均等
宇田UNI Apro女性委員会議長が、2012年度の活動の成果を、南アジアの女性強化活動を中心に紹介し た。続いてマクシン副議長よりニュージーランド・ファースト労組の活動報告があった。小川UNI Apro女性担当部長とアンジャリUNIインド加盟協コーディネーターは、スリランカ加盟協女性委員会のイニシアチブを事例に2013年度も引き続き南ア ジア女性ネットワークの強化を図り、南アジア各国加盟協の活性化につなげたいと述べた。ミシェルUNI Apro青年委員会議長は、社会運動としてのユースの運動を発展させたいと決意を述べた。

2013年度UNI Apro戦略重点課題
ラジェンドラUNI Apro労働組合強化部長が、ブレイキングスルー戦略の5つの目標に沿って、2013年度の活動計画を説明し、承認された。カンボジアについては、元林UNI Apro組織部長が説明した。


第16回UNI-Apro執行委員会

newsImage 2013年4月6~7日、第26回UNI-Apro運営委員会、第16回UNI-Apro執行委員会がシンガポールで開催された。
開会で、加藤UNI-Apro会長は、日本の状況について「株価上昇、円安等が見られるが、実体経済は機能しておらず、公共投資に主力が置かれ、雇用も一過的だ。私たちは冷静にアベノミクスを見ている」と挨拶した。
鈴木ITUC-AP書記長は、ミャンマー情勢、ITUC中国ミッション等に触れた後、UNIブレイキングスルー戦略との共通性を強調し、「ITUCの組織率は全世界で7%に過ぎない。地域の組織化を進めなければならない」と結んだ。

第4回UNI-Apro部会大会準備(2013年8月、バンコク)の 議題では、「機会均等」、「雇用におけるフレキシビリティーと非正規労働者の増大」等、合同大会で取り上げるテーマ案について議論した。更に各部会大会で は、それぞれの産業で何が起こっているか、例えば金融部会はADBと、郵便・ロジスティクス部会はAPPUと連携し調査を行い、共同で対応策を検討してい く考えである。タイ通信省を通じて、インラック首相に正式な招待状を送った。第4回UNI-Apro地域大会の議題では、2015年11月にカトマンズでの開催が提案され、承認された。第4回UNI世界大会(2014年12月、ケープタウン)の 準備状況について、ジェニングス書記長より、「“インクルーディング・ユー”のスローガンの下、組合の力の復活を訴える大会としたい。世界的に組織率が低 下する中、政治的準備をしつつ徹底した討論を行う。ズマ南ア大統領、ルラ前ブラジル大統領にも来てもらおうと考えている」と説明があった。

中国に関する取組みでは、ジェニングス書記長が、「政治指導者、ACFTU指導部等多くの変化が見られた。協力関係は続けるが、基本的に人 権が欠けている。今のところ、今年中国に行くという計画はない」と述べた。ライハUNI香港加盟協書記長は、「UNI-Aproとしてもっと参加するべき だ。中国ミッションの前に是非香港に立ち寄ってもらいたい」と発言した。加藤会長は、「中国は動いている。我々はどうするか。あくまでも組織として交流す ることを忘れてはならない。香港、台湾の状況を認識した上で、多様性を探りながら、協議していこう」とまとめた。

ミャンマー組織化の課題に対するUNI-Aproの対応について、クリストファー地域書記長は、「50年以上 組合を作れなかった状況があり、国民全体が能力構築をしていく方向性が必要だ。自発的に組合が作れることを目標に、UNIの管轄の中にある事業所で取組み を開始したい。既にミャンマー郵政長官とは話し合いが続いており、JP労組の協力も得て、研修等に取組みたい」と報告した。逢見UNI-Apro副会長 は、「GUFが共同支援センターを設立すると書かれている。ITUCミャンマー事務所が開設されており、GUFの担当者を置くことを決めている。UNIと しても、考える必要があるのではないか」と発言した。クリストファー地域書記長はFTUMの評価をめぐって意見を述べ、ジェニングス書記長は「まずミャン マーで民主主義が勝利を収めていることを喜ぼう、ステップ・バイ・ステップだ」とまとめた。

2日目は、UNI-Aproブレイキングスルー戦略について成果を振り返り、2013年の計画を承認した。

ジェニングス書記長は、「この地域で、ブレイキングスルー戦略は、勢いがつき、根付いていると実感した。計画は、実践することが難しいが、私はあえて“ユニノミクス”と言いたい。半年後バンコクで再会した時、更なる進歩を期待している」と述べた。

加藤会長は、「ジェニングス書記長の熱い思いを支え、チャレンジしていこう。各部会委員会、各加盟協で結果を出して欲しい。結果が全てである」とまとめ、執行委員会を閉会した。


第14回UNI-LCJ年次総会、盛大に開催

newsImage ホフマンUNI副書記長、ウンUNI-Apro地域書記長を迎え、2013年2月8日、UNI-LCJ年次総会が盛大に開催された。

ク リスティー・ホフマンUNI副書記長、クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長を迎え、2013年2月8日、第14回UNI-LCJ年次総会が盛 大に開催された。今回の総会は、全信連、印刷労連の2組織を新しい仲間としてUNI-LCJに迎え入れ、加盟人員数も前年比1万5000人増、103万 2200人となる記念すべき総会となった。総会は、落合議長が議事を取り仕切り、最後に相原自動車総連会長を新議長として選出した。落合議長は退任の挨拶で、「UNI-LCJのこの勢いをキープし ていってほしい」と述べ、「遺言」とすることで参加者の笑いを誘った。相原新UNI-LCJ議長は就任の挨拶で、「大変重い言葉を落合さんから頂いた。他 の加盟組合と相談し、ぜひ実現していきたい」と述べた。さらに、政府を代表して妹尾厚生労働省総括審議官、労働を代表して南雲連合事務局長から挨拶を受け た。海外ゲストとして、ホフマンUNI副書記長は、「米国労働運動とUNI」の演題で講演し、貧富の格差著しい米国社会、ユニオンショップを破壊する労働権州 の動きなどを描写、日本に警告を与えた。ウンUNI-Apro書記長は、ASEANプラス10の動きに触れながら、「労働運動は真にグローバル化しなけれ ばならない」と訴えた。

ホフマンUNI副書記長、ウンUNI-Apro地域書記長は、2月6日、UAゼンセンを訪問し、逢見会長、八野副会長と、組織化、グローバル協定などにつ いて意見交換を行った。自動車総連では、相原会長と産業政策について懇談した。全信連との夕食会では、中元三菱UFJ信託銀行従組委員長と銀行産業の状況 について意見交換した。

2月7日には、情報労連を表敬し、加藤委員長とUNI-Apro地域の情勢について意見交換し、損保労連では、關委員長と世界金融会議の日本開催について懇談した。続いてJP労組を訪問、臼杵委員長と米国のUSPSの状況などについて意見交換を行った。

2月8日は印刷労連を訪問、田倉委員長代行から、新しい産業動向について学んだ。ホフマンUNI副書記長は、日本訪問は2度目だが、加盟組合と会って話を 聞くのは今回初めてであり、各組合から産業・組合事情についてブリーフィングを受け、日本の社会・労働運動について理解を深めた。


年末のご挨拶

加盟組合の皆さま、2012年もUNIの諸活動に対するご支援、ありがとうございました。

労働組合にとって課題の多い時ではありますが、私たちは新規組合員を獲得し、世界中の働く仲間の生活改善に向けた闘いを続けていきます。

公共政策を立案する政治家や経営者の態度が硬化し、労働の世界における大転換期にあるという状況からは逃れることができません。南欧のトロイカ政策における、労働者と組合に与えられた懲罰の厳しさには驚愕を覚えます。かつて労働者を危地に陥れたのはワシントン・コンセンサスでしたが、今は労働市場の構造変化が起きています。

UNI本部、地域組織、部会、専門委員会は組織をあげて、この流れを食い止め反撃に出ようとしています。

ブレイキングスルー戦略は変化をもたらすことであり、私たちの取組み方法においても言えます。より多くのグローバル協定を締結し、組織化を進めるという私たちの目標には一貫性があり、組織化基金を最大限活用しているところです。コロンビアをはじめ、全ての国において達成された素晴らしい組織化の成功事例を誇りに思います。

さて、ケープタウン世界大会まであと2年となりました。テーマは「Including You」、より包含(包摂)的な経済成長を目指し努力する、という意味が込められています。私たちの取組みの限界を突破していくため、UNIに対する更なるご支援をよろしくお願い申し上げます。国内外で労働者を組織し、労働者の権利を提唱し、不正と立ち向かった、全ての皆さんに感謝します。闘いは続きますが、皆さんのサポートがあってこそ、全てのメンバーのために勝利しブレイクスルーしていけると確信しています。UNIの全スタッフを代表し、2013年も輝かしい年となりますよう、皆さまとご家族のご健勝をお祈りします。

UNI書記長 フィリップ・ジェニングス
UNI副書記長 クリスティ・ホフマン


UNI平和フォーラム-世界の終わりまで残り5分

終末時計は世界の終わりに向かって針を1分進めた
昨年のUNI世界執行委員会で、ナーゲルスマンUNIメディア部会議長(当時)から「UNI長崎世界大会は大きな感動をよんだ。長崎という平和を希求する場で開催された大会のメッセージを思い起こすべきだ」とし、平和セミナーの開催を提案した。これを受けて、2012年の世界執行委員会前日(11月12日)、「UNI平和フォーラム」が開催された。ジェニングス書記長は開会挨拶の中で、UNI長崎世界大会の意義を想起し、「ミスコミュニケーションにより核兵器使用の可能性が高まっている」と警告した。領土問題が軍事衝突に至る可能性ということで尖閣諸島問題にも触れた。最後に「私は平和のために祈る。しかしそれだけでは十分ではない。行動が必要だ」というダライラマの言葉を引用し、UNIの立場として表明した。

米科学誌『Bulletin of the Atomic Scientists』が管理をする“世界終末時計”の針が「残り6分」から「5分」へと1分進められた点について、エバンス・オーストラリア国立大学総長が、ビデオ講演を行った。同氏は、ゲストスピーカーとして長崎UNI世界大会にも出席している。

「2010年の時点では、まだ楽観的な気分が漂っていた。ところが今、核兵器削減に関しては、前進がないばかりか、イランや北朝鮮など核兵器を持つ国が増大し、暗い状況にある。終末時計は、さらに危機的な状況に近づいている。世界は、冷戦時代より混沌としている」と警告した。ブラウン国際反核兵器法律家協会事務局長は、「持続可能な社会のための軍縮ッ貧困層のために優先順位の変更を」というテーマで講演し、「過去の二つの大戦を振り返って教訓から学ぶべきだ。労働組合が中心に立って平和のために闘わなければならない。ギリシャの例は、軍備輸出国が富める国になり、輸入国は貧しくなることを示している。平和運動は、労働運動の支持を必要としている」と訴えた。続いてデニス核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)シニア・キャンペイナーが登壇し、「核兵器はますます近代化しており、新しい脅威が生まれている」と時代を特徴付け、インドとパキスタンの戦争を例に、核兵器が使われた際のインパクトを具体的に示した。軍備をコントロールするアプローチから、人道的なアプローチへの転換を呼びかけた。

ポスト・フクシマ
八野UNI-LCJ副議長が、東日本大震災と福島原発事故を振り返り、現在の日本の状況を詳細に分析した上で、将来的には原子力に依存しない社会づくりを目指したい、とした。「将来のエネルギーミックス:100%再生可能なエネルギー」と題して、シンガー世界自然保護基金(WWF)世界エネルギー政策部長は、再生可能エネルギーのシナリオを提示し、「移行への技術はある。事実グローバル・エネルギーの消費トレンドとしては、太陽光、地熱など再生可能エネルギーのシェアが増大している。雇用は増えるだろう」と論じた。「核テクノロジーの二重性」という標題で、リーパート・ダルムシュタット工科大学教授が、核テクノロジーの歴史を紐解き、「1938年に初めて核分裂が行われた。以降、核爆弾が作られ、プルトニウムに移行した。核テクノロジーは民事軍事両方に活用できる。破棄することにすべての国がコミットすべきである。長期的にはフェードアウトすべきだが、グローバルに核の秩序を考えるべきだ」と語った。

グローバル・リスク:食糧と紛争
世界経済フォーラムのグローバル・リスク報告は、水と食料へのアクセス欠如から起きる平和への脅威について強調している。ヒルベック・スイス連邦工科大学教授は、紛争、貧困・飢餓、環境悪化の悪循環と農業と食糧生産の関係性を説明し、「我々はグローバルに依存している。うまく機能するグローバルなエコシステム作りに向け、労働組合も役割を果たすことができる」と述べた。ババロラUNIナイジェリア加盟協議長は、ヒルベック氏の演説の実際を、ナイジェリアの例をもとに説明した。このセッションは、2014年のケープタウンUNI世界大会に向けた議論の土台を築いた。アフリカにおける飢餓と食糧価格高騰は、喫緊の課題である。

ジェニングス書記長は、「現在の世界は、全面的な市場主導型経済であり、市場の失敗が即座に労働者の生活に影響する。我々は対案を持たねばならない。今や50カ国が核兵器を製造可能という極めて危険な状況下にある。アジアは成長のエンジンであって、緊張のエンジンであってはならないということを、先日のUNI-Apro東アジア労組フォーラムは明らかにした。今なお希望はある」と、まとめた。


第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラム

第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラムが2012年10月22~23日に東京で開催され、韓国、台湾、香港のから27名、日本から83名、合計110名が参加した。
同フォーラムは、今回初めて開催され、その意味でまず基本の基本をお互いに認識し合うということから始めることとした。選ばれたテーマは、各国のサービス産業の労使関係と課題、東日本大震災からの復興・再生に向けた支援活動、各国労働運動の現状、女性・青年の労働運動参加促進、各国のUNI加盟協の12年と今後の課題であった。クリストファー・ウン地域書記長から、最初と最後に意見をもらい、討論を豊富化することができた。

第1日には、「グローバル化とASEAN、東アジア」という演題で、ウン地域書記長が講演を行った。グローバルな観点、ASEANという観点から、東アジアを俯瞰し、今後の経済の方向性、政治の方向性、労働組合の方向性を占うという内容であった。その際、ASEANプラス3、又は6について、台湾を排除すべきではないという意見が出て、了承された。
「日本の労使関係とその課題」という演題では、北浦日本生産性本部参事が講演を行った。ホスト国が日本であったことから、特に日本の労使関係について、概論を述べた。日本の労使関係の発展の特色が細かく触れられた。各国労使関係は、歴史的、社会的な国のあり方に規定される。日本の労使関係の根底にあるものがどのように変遷を遂げたか、今後の課題は何か、特に改革すべきものと変えるべきでないものは何かについて、全員が学ぶことができた。
各国の労使関係の比較では、まず「韓国サービス業の労使関係と課題」から始まった。韓国のスピーカーから、総論(ユ・ジヒュン韓国保健医療労組委員長)、パブリックセクターの労使関係(キムチョルヨン韓国郵政労組国際部長)、民間企業の労使関係(カン・ギュヒョク韓国サービス労組委員長)、非正規セクターの労使関係(チュン・ミョンヘ韓国金融労組政策担当)、KT労組について(チャ・ワンキュKT労組政策部長)について、説明を受けた。財閥系の韓国企業が急速に発展を遂げる中で、貧富の差が大きくなっており、その典型が非正規労働者の問題だという事実が明らかにされた。
続いて、「台湾サービス業の労使関係と課題」というテーマで、ジェリー・ルウ中華郵政工会副委員長がプレゼンを行った。台湾では、労働協約法の改正があり、労働組合に入りやすくなっている、産業別組合の交渉可能性も拡大していることが明らかになった。
「日本サービス業の労使関係と課題」という演題では、UNI-LCJ加盟労組が講演を行った。商業部門は、八野サービス流通連合会長から、自動車産業は、佐藤自動車総連国際局長から、印刷部門は西山全印刷書記から、金融部門は中村損保労連服委員長、大長生保労連副書記長が説明を行った。商業部門の傾向と趨勢、生産性三原則の実際、日本のサービス産業の労使関係の法的基礎、純粋持株会社形態と労働組合、ダイバシティーへの対応などが説かれた。
「東日本大震災からの復興・再生に向けた支援活動」のプレゼンを春木情報労連書記長から受けた。東日本大震災にあたっては、各国組合から様々なご支援を受けた。ここまで復興が進んだ、労働運動はこういう役割を果たした、という現状報告を行った。

第2日目は、「日本の労働組合運動の現状」ということで、落合LCJ議長が講演を行った。落合議長は、UIゼンセンを141万人の組織(UAゼンセン)にまで作り上げる指揮をとった会長であり、参加者はその言葉の重みを噛み締めた。「韓国労働運動の現状」は、キム・ビュングク韓国大学職員労組書記長、カン・サンナム全国メディア労組副委員長から報告があった。「台湾労働組合運動の現状」は、ジェリー・ルウ中華郵政工会副委員長から講演を受けた。
「女性・青年の労働運動参加促進」も重要なテーマであり、4つの組合が講演を行った。
日本からは、河野全労金書記長、山下労済労連副委員長、韓国からは、ハン・ミジュン韓国保健医療労組副委員長、台湾からは、ジュリア中華郵政工会副書記長が講演を行った。
続いて、「UNI-LCの12年と今後の課題」として、各国のUNI加盟協が発表した。日本UNI-LCJの12年と今後の課題と題して、臼杵UNI-LCJ副議長、韓国UNI-KLCの12年と今後の課題と題して、ジェイ・チョイUNI韓国デスク・コーディネーター、台湾UNI結成以降12年と今後の課題と題して、ジョージ・リャン中華郵政工会国際局長、香港UNI結成以降12年とUNI-HKLCの結成、今後の課題と題して、チュン・ライハUNI-HKLCコンベイナーから講演を受けた。

クリストファー地域書記長から、「アジア太平洋地域のLCとUNI-Aproの前進」の演題で講演を受けた。UNI-LCの結成は、UNI-Aproの基本的な方針である。ASEAN諸国、南アジア諸国におけるLCの活動の現状、UNIの支援のあり方などが論じられた。
最後に加藤UNI-Apro会長がまとめを行った。「我々は、企業別組合として、どうしても他の労組の動向には興味を持たなくなりがちだが、ナショナルセンターの活動、UNI-LCの活動という形で、できるだけ様々な問題を討論し合うことが重要である。特にUNIは、ネットワークが海外まで広がり、そこでの討論は特に重要といわねばならない。」とした。

最後に、来年ソウルで再び会うことを誓う共同声明を採択し、第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラムが閉会した。

写真はFlickr参照

 


各国ユース代表、東京で意見交換

2012年10月9日、東京でUNI-LCJユースネットワーク会議が開催された。

広島でのユース英語セミナーに講師として来日した海外講師を交え、UNI-Apro青年委員及びUNI-LCJ構成組織の青年担当及び国際担当と意見交換を行った。情報労連及び日放労のUNI-Apro青年委員の交代もあり、新委員の顔合せの機会にもなった。

自己紹介に続き、UNI-Aproの情報発信及び加盟組合とのコミュニケーション強化のため任命されたレベッカ広報部長が、UNIウェブサイト、Facebook、ブレティンを紹介し、加盟組合からも情報を寄せてほしいと要望した。

柿田UNI-Apro青年委員会副議長から、6月にマニラで開催されたUNI-Apro青年委員会の報告を受けた後、フィリピン、ネパール、欧州の青年活動について共有した。

ポールは、フィリピンでは労働組合のイメージアップと労働者の権利を知ってもらうため、若手組合メンバーが大学に赴き学生と対話する取組みと、パヤタスにおける栄養失調児童への給食プロジェクトについて報告した。

スラジは、ネパールでは政治が安定せず、産業と雇用機会が少ないため、若者は海外に職を求めて移住する傾向が見られるが、他の南アジア諸国に比べれば労働組合のイメージはそれほど悪くなく、青年は組合活動に積極的であると説明した。

エドは、反人種主義、若年層の失業問題、移民労働者、派遣労働等、UNI欧州青年委員会の決議を紹介した。

日本からは、情報労連、全印刷、UIゼンセン同盟、JSD、JP労組から、それぞれの青年(女性)活動について報告があった。

共通していたのは、日本でも海外でも青年活動の重要なポイントは、楽しい活動を企画し、仲間をつくり、連帯感を深めていく中から、将来のリーダーを育成することである。UNI-LCJとしては今後も様々な機会や情報発信ツールを活用して、青年活動情報の共有を図っていきたい。

写真はFlickr参照


LCJユース、平和と国際連帯について英語で考える

2012年10月5~8日、広島で第12回UNI-LCJユース英語セミナーが開催された。

表記セミナーには、情報労連、全印刷、UIゼンセン同盟、自動車総連、JP労組、全信連より20名の参加者、情報労連、UIゼンセン同盟、JSDよりアシスタント各1名、海外講師として、アイルランド・ユナイト労組のエド・トンプソン(UNI欧州青年運営委員)、フィリピン銀行労組のポール・パガバオ(UNIフィリピン加盟協青年委員)、ネパール金融労組のスラジ・ダカール、UNI-Aproのレベッカ・ユエン広報部長、事務局3名の計30名が参加した。英語セミナーとしては昨年の沖縄に続き、広島では初めての開催である。

10月5日の懇親夕食会には落合UNI-LCJ議長も出席し、参加者を激励いただいた他、平和学習の企画・実施に全面的に協力いただいたUIゼンセン同盟広島県支部の宮崎支部長から歓迎挨拶を受けた。

10月6日の開会式では、落合議長が英語で基調講演し、国際労働運動について理解を深めると共に、UNI長崎世界大会のテーマでもあった「核兵器廃絶・恒久平和」の取組みを広島で学び、次世代及び世界の仲間に伝えてほしい、また海外の働く仲間や国内の他産業の仲間と知り合い、視野を広げてほしいと激励した。

海外講師の講演では、レベッカ広報部長からUNI基礎知識、エドUNI欧州青年委員から欧州の青年委員会活動について、ポールUNI-PLC青年委員からパヤタス・プロジェクトをはじめとするフィリピンの青年活動について、スラジ金融労組保険部会コーディネータからネパールの労働運動及び青年の状況について報告を受けた。

グループワークでは、自己紹介、各組合や青年活動の説明を練習したり、ディーセントワークについて考え議論した。また各グループは、ソーシャル委員会(セッションの合間のエクササイズを指揮)、モデレータ委員会(毎朝の口頭報告と最終日プレゼンの司会進行)、ブログ委員会(UNI-LCJユースブログやFacebookに記事と写真をアップ)の任務も受け持った。

平和学習として、まず広島平和文化センターのリーパー理事長から核兵器廃絶を訴え平和文化を促進するビデオメッセージを聞いた。高校生平和大使の桑原さん(広島女学院高校2年)は、「被爆者の肉声を聞ける最後の世代と言われる中、若者の平和意識や学ぶ意識の低さを実感していたため大使に応募した。大使の活動として国連へ署名を届けたり、UNI本部で平和について考えたり、ドイツでも署名活動を行ったりして、平和な世界の構築には相互理解が大切だと感じた」と経験を語った。

10月7日午後には、グループ毎に広島平和記念資料館を視察し、平和公園内のモニュメントや原爆ドームを海外講師に英語で案内する練習をした。また被爆電車に乗車し、当時とほぼ同じ運行路線を辿った。

最終日には、グループ別にセミナーで学んだ内容を、スキットやクイズ形式など工夫を凝らした創造的なやり方で、全員が参加し英語でプレゼンを行った。海外講師からは、「広島で日本の歴史と原爆の恐ろしさに触れることができた。この経験を自国の青年にも伝えたい」、「参加者のホスピタリティに感謝する」、「会話はボキャブラリーの有無より自信を持てるかの問題。初級者も最後は自信をもって表現していた」とのコメントがあった。

事前アンケートでは、UNIという言葉を聞いたことがある参加者は20名中10名、UNI会議に参加したことがある参加者は1名しかいなかったが、セミナー後のアンケートでは、「UNIがどのような組織か、どのような活動をしているかわかった」、「青年の関心や問題は共通していると思う」、「他産別や海外の事情を聞くことができ大変刺激になった」、「自分の組合について知らないことを反省した」といった声が聞かれた。タイトスケジュールだったので、グループワークは深夜に及ぶこともあったが、今回は比較的少人数グループで密度の濃い議論ができ、メンバー間の結束も深まった。

写真はFlickr参照


長崎平和大使、核軍縮を訴える

長崎平和大使(日本の高校生や被爆者などから成るグループ)が今年もニヨンのUNI本部を訪れた。これに先立ち彼らは、核兵器廃絶・核軍縮を陳情する155,000余の署名を国連欧州本部に提出した。

平和大使を歓迎する中で、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、「核兵器のない世界のために活動する高校生を再び迎えることができて光栄だ。私たちもみなさんの夢と目標を共有したい。核兵器廃絶キャンペーンを支援したい。世界にはいまだ19,000の核兵器があるとされ、それらが使用される危険性は常につきまとっている。今日ここにいる被爆2世、3世、さらには4世をも含む平和大使は、悲劇が2度と繰り返されないよう、悲劇を忘れまいとしている。私たちはみなさんの行動を誇りに思い、共に進みたい。」と挨拶した。今回、在ブラジル被爆者の証言を伝えたブラジル出身の2名を含む生徒たちは、被爆者の存在と彼らが平和大使になった理由について、感情をこめて語った。

川崎有希さんは、自分の祖父の経験について語った。川崎さんの祖父は、原爆投下後、遺体の埋葬と死に行く人々のケアのため、100km離れた家から広島へ駆け付けた。彼女の祖父は、放射線の影響で病を患った。彼女のメッセージは「もう戦争を起こさないこと」だ。

片山宥那さんは、幼稚園時代に出会った被爆者の「全ての人が世界の平和を願い行動すれば、それは実現する」という言葉を伝えた。

相原由奈さんも、「あなた達が、被爆者の経験を直に聞くことのできる最後の世代。私たちはあなたにバトンを渡さなくてはならない」との被爆者のメッセージを伝えた。

平和のメッセージを受け継ぐことについて、全ての平和大使が強い責任感を表明した。現在、被爆者の平均年齢は77歳である。

UNIは、2010年の世界大会開催地である長崎の市民と温かい友情を育んできた。UNIのブレイキングスルー戦略では、核軍縮を目指す国際的な運動を支持している。

長崎でのUNI世界大会の4か月後、日本は壊滅的な地震と津波、そして福島における原子力発電所の惨事に見舞われた。地震と津波によりおよそ2万名の命が奪われ、さらに数千名が住居を奪われた。

1945年8月6日に米国による広島への原爆投下により約14万名が、そして3日後の長崎への2発目の投下で7万名以上の命が、一瞬のうちに犠牲となった。

長崎平和大使は、「長崎を最後の被爆地に」との訴えで活動を続けている。彼らが、被爆者の声を直接聞くことのできる最後の世代となる。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ