ブログアーカイブ

第7回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第7回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2018年10月2~3日、「実現しよう!東アジアにおけるパートナーシップ労使関係の普及を目指して」というメインテーマの下、東京の全電通ホールで開催された。日本、韓国、台湾、香港より148人(うち女性49人、女性参加率33%)が出席し、「企業の社会的責任(CSR)」、「職場におけるハラスメント」、「新しい多様な働き方」への対応について、各国・労組が報告を行った。日本からは、14加盟組合より総勢99人(うち女性33人、女性参加率33%)が参加した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、基調講演を行い、UNI Aproは日本に倣って、建設的な労使関係(UNI Aproではパートナーシップ労使関係と呼ぶ)の構築に取組んできたと述べた。とりわけASEANにおいて、労働者や労働組合に、権利を主張するだけでなく労働組合としての責任を果たすよう強く訴え、使用者及び政府にはASETUC(ASEANサービス労組協議会)が信頼できるパートナーであることを具体的な成果をもって示し、毎年ASEAN各国の労働大臣が主催する三者構成対話会議に労働側代表として参加してきた。第4次産業革命で労働市場に劇的な変化が起こりつつある中、政労使の建設的な対話を通じてのみ、労働者や弱者が取り残されない、包摂的な社会をつくることができると強調した。

UNI本部から、クリスティ・ホフマンUNI書記長が初めて本フォーラムに参加し、グローバル枠組み協定(GFA)の概要を説明した。本年6月のリバプール世界大会で書記長に選出されて以来、来日直前にフランスのBNPパリバ銀行、同じくフランスのカジノ大手パルトゥーシュとそれぞれGFAを締結し、翌週には既に締結されているカルフールとの協定を更新する。グローバル協定に詠われる内容は、ILOの中核的労働基準の遵守、人権、平等、多様性の尊重、環境への配慮等、社会的課題への取組みをUNIや加盟組合と共同で宣言するものである。続いて日本企業としてUNIとGFAを締結した髙島屋とイオンの労働組合から、その経緯や締結後の実施状況について具体的な報告を受けた。髙島屋労働組合の橋本国際局長から、組合の社会的責任を果たす活動の1つとして、日本初のグローバル協定を締結するまでの経緯を聞いた。締結が目的ではなく、スリーピング協定にしてはならないとの決意で、労使それぞれの立場から内外に向けて理解浸透を図る活動を継続している。また、イオングループ労連の村上国際局長からは、海外拠点における現地労働者への連帯支援の取組みを通じて、各国労働者の条件改善と企業の発展に寄与している事例の報告を受けた。

また、凸版印刷株式会社・人事労政本部の吉田労政部長から、労使が協力して推進している「働きがい」を高める取組みについて聞いた。これを受け、凸版印刷労組の佐藤委員長は、「労使が対立していた過去の経験を教訓にして、現在の良好な労使関係がある。労使が目指す方向は同じであり、互いの立場を尊重し、コミュニケーションをとりながら進めていくことが何より重要だ」と述べた。

「企業の社会的責任」のテーマでは、この他、自動車総連、韓国KFIU、韓国KHMU、台湾PTSFEU、香港RCCIGU、マカオ・ゲーム労組、ネパールから事例報告を受けた。

「職場におけるハラスメント」のテーマについては、井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長から、導入報告を受けた。井上局長は、「男女ともに暴力やハラスメントの対象になり得るが、地位や力関係が平等でない場合、とりわけ女性や性別規範に合致しない立場の弱い人々が対象となりやすい」と述べた。職場におけるあらゆる種類の暴力とハラスメントを根絶するため、ILO総会で条約・勧告の制定が議論されており、そのプロセスや各国政労使の異なる論点、日本政府の態度や連合の取組み等について詳しく聞いた。続いて各国代表によるパネルディスカッションが行われた。UAゼンセンと香港ディズニーランド労組は顧客からのハラスメント、韓国HKMUと台湾CPWUはセクハラに関して、それぞれ現状、組合の対応と今後の取組み等を報告した。これまで被害者が泣き寝入りするしかなかったハラスメントを組合が取り上げ、使用者や政府と協力して世論を喚起し、必要であれば法制度を変える等、社会を巻き込むアクションの必要性が強調された。

「新しい多様な働き方」のテーマについては、情報労連から「働き方改革」をめぐる日本の状況として、本年6月に成立した働き方改革関連法案の内容について報告し、実現に向けては、労使が共に法を理解し運用するための集団的労使関係が不可欠だと述べた。続いて、損保労連、JP労組、韓国KPWU、台湾CTWU、香港BMSWGUからそれぞれ事例報告を受けた。

参加各国は情報交換を通じて、労使関係は対立から協調へ、労使のパートナーシップが不可欠であるとの認識を再確認した。最後に共同声明を採択し、本フォーラムを継続して情報交換を進めると共に、各国において労働者の利益・権利の向上と社会的影響力の強化に引き続き取組んでいくこととした。

 

 


UNI Apro ICTS部会委員会

2018年8月28~29日、ベトナム・ハノイで第20回UNI Apro ICTS部会委員会が開催され、13カ国・40人が参集した。日本からは情報労連・野田委員長、木村国際担当部長、NTT労組データ本部・福田副委員長、KDDI労組・後藤委員長、長谷川政策局長が参加した。野田ICTS部会議長が開会挨拶し、各国での熱心な活動に敬意を表するとともに、UNI本部と地域がしっかり連携した上で、Aproらしいやり方で効果を高めていく必要性を強調した。ホフマン書記長は「ICTS部会には①テレコム、②IT、③コンタクトセンターを3本柱として取組んでほしい。UNI本部もAproを支援していく」と挨拶した。

各国の状況

  • NTT労組データ本部・福田副委員長は日本の働き方改革に向けた労使の取組みとして、NTTデータ労使の対応について、罰則付き時間外労働規制においては法律を下回る設定を達成したことや、テレワークの取組みについて報告した。
  • KDDI労組・長谷川政策局長はKDDI労組の情報通信政策について説明し、産業全体の発展とそれに関わる労働者の雇用や生活向上につながる取組みとして、労働組合としての政策を持つべきであると強調した。
  • UNI-MLC(マレーシア)・シャフィー議長は、DIGIにおける第2回団体協約が締結されたことを報告した。
  • NCU(インド)・プラサド議長は、インドの携帯事業会社が3~4社に収斂されていくと予想し、エリクソン、イデア、テレノール/エアテルを主要ターゲット企業として組織化活動を展開すると報告した。
  • GPEU(バングラディシュ)・マスート委員長は政府の反組合政策の実態を説明し、親会社のテレノールを訪問して協力を要請すると述べた。
  • メディアプロテク(スリランカ)・ヘティアラチ書記長は、近年スリランカテレコムでリストラが実施されていたが、UNI Apro ICTS委員会の声明が一定の抑止役割を果たしたと報告した。CTWU(台湾)・リー国際部長は台湾の労働法改正について説明し、週当たり労働時間や休日など、労働者に不利な状況となっていると指摘した。
  • パキスタンテレコム(従業員1万人)では組合が消滅していたが、組織化に向けた取組みを再開した。アチャリャ書記次長がパキスタンを訪問して関係者との調整を行う予定であると報告した。

ITアウトソーシングについて

ホグバックP&M局長がIT部門のアウトソーシングについて報告した。1990年代、欧州の企業で最も早くアウトソーシングが進んだのがIT関連であり、背景としてコスト面が挙げられるが、逆に、専門知識やノウハウを外部に求めるケースも多い。UNIのターゲット企業であるエリクソンは後者で、ネットワークの質を高め、専門知識を得るためでもあった。Aproでもグラミンフォン(バングラディシュ)のIT部門がアクセンチュアに買収された。他にもエクセルアクシアタ(インドネシア)IT部門はファーウェイに、アクシアタ(マレーシア)ネットワーク部門はエリクソンに売却された。労働組合が考えなければならないのは、コストとサービスの質を考えること、また、アウトソーシングによるサービスの管理の問題である。アウトソーシングが正式決定される前に、常に状況を把握し組織率を高めておくことが必要である。

行動計画

アクシアタ(マレーシア)、テレノール(ノルウェー)、エリクソン(スウェーデン)の3社をターゲット企業として確定し、各企業の対策について議論、決定した。

この他、韓国オラクルの従業員が賃金や労働条件面で会社から不当な扱いを受けていることを受けて、UNI Aproとしてオラクルにおける闘争を支援する声明を採択した。

野田議長が閉会挨拶し「各国で様々な課題はあるが共通点も多いことが分かった、労働の未来へのアプローチは全員の課題であり、リーダーがどう向き合うかが大事だ。来年11月の委員会では成果と結果を持ち寄れるように頑張ろう」と参加者を激励し、委員会を閉会した。

 


第2回UNI Apro IT組織化ネットワーク会議

 

2018年8月27~28日、ベトナム・ハノイで第2回UNI Apro IT組織化ネットワーク会議が開催され、11カ国から約30人が参集した。日本からは情報労連・野田委員長、木村国際担当部長、NTT労組データ本部・福田副委員長、KDDI労組・後藤委員長、長谷川政策局長が参加した。

ICTS部会では通信部門と比べてIT労働者組織化の取組みが遅れており、急速に市場が拡大しているアジア地域においても重要性が高いとの認識の下、2017年のUNI Apro ICTS部会大会でIT労働者組織化を優先課題とした。これを受け、今年2月には第1回UNI Apro組織化ネットワーク会議をネパールで開催、今回は2回目の開催となった。

野田ICTS部会議長が開会挨拶し、IT労働者組織化の理由として、①自分のスキルに頼る一匹狼のように見えるが長期的な視点に立てばIT労働者にも組合が必要である、②既存の通信会社従業員が減少傾向にある中でUNI Apro ICTS部会の体制強化のためにはIT労働者組織化が絶対に必要である、と指摘した。

各国報告

会議では、前回会議で策定した国別行動計画について進捗状況を共有した。

  • インド・NCUでは、目標500人に対して524人の組織化を達成した。
  • ネパール・UNICTSは230人の新規組合員を獲得した。
  • スリランカ・UNITESは組合登録を達成した。
  • 他にも、韓国・HP労組、MSN労組、オラクル労組、及びマレーシアにおいてもIT会社組織化に取組んでいる事が報告された。
  • NTTデータは海外従業員約118,000人が未組織であるが「各国の労働法制や文化の違いを考慮し、UNIの指導の下で対応していく」と報告した。

戦略的優先課題

IT組織化ネットワークの活動強化に向けて、①オンラインアプリ等のコミュニケーションツールを活用し、加盟組織の情報交換を進める、②マイクロソフト、HP、オラクルをターゲット企業とし、加えて中小企業や新規事業者においても組織化を行う、③IT部門の女性、青年、フリーランス労働者を組合へ勧誘する、等を柱とした戦略的優先課題を策定した。参加者は各国でIT労働者組織化の対応を強化していくことを確認し、会議を終了した。


シリコンバレーの従業員が話し合いの場を要求

米国企業には強力な反組合文化があるにもかかわらず、巨大テクノロジー企業の従業員は使用者に影響を与えるために集団行動をとっている。

ホフマンUNI書記長によると、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、IBMの従業員はこの1年以内に、集団行動を起こした。このような行動のほとんどが嘆願書への署名活動であり、一般職員が、攻撃的な移民法の施行やドローンの戦争利用に関連する米国政府機関とのビジネスをやめさせようとするものだ。

「労働者の力がこのように使われるケースは珍しい。従業員は会社の評判を形成するような決定に対し、発言権を要求している。自分の仕事に自らの価値観を反映したいと望んでいる。」

ホフマンUNI書記長は、従業員の集団行動が企業文化を変えた4つの事例をあげた。

  • グーグルの従業員は、ドローン攻撃の目標設定の精度を上げるために人工知能を利用する米国防総省のプロジェクト、「プロジェクト・メイブン」をやめさせるため団結した。従業員は、このようなプロジェクトのために働かされるならグーグルを辞めると迫った。グーグルは引き下がり、米軍との契約を破棄した。今月、グーグルの従業員は、予想される中国への再進出につき、倫理や透明性について再び懸念を示した。
  • アマゾンの従業員は、ジェフ・ベゾスに、顔認証を警察や政府機関、特に移民局に売らないよう要求している。
  • マイクロソフトの従業員は、移民局との1940万ドルのクラウドサービス契約の終了を要求している。
  • IBMの従業員は、coworker.orgというプラットフォームに結集し、会社に対し、トランプ大統領とは異なり、多様性を認めるよう要求した。IBMの従業員はまた、女性への待遇をめぐる問題でも団結した。

多くの若いIT専門職は「世界をより良い場所にする」という会社のビジネスモデルに納得しており、会社の製品が彼らの倫理観に反するときには立ち上がるべきだという責任を感じている。

従業員は、問題が発生する度に戦いたいとは思っていない。むしろ、決定が行われる交渉の場に参加したいのだ。あるアマゾンの従業員はジェフ・ベゾスへの手紙に、『自分達が作るものに選択権を要求し、その使われ方にも意見を言いたい』と書いた。

「従業員達は、技術者が発言権を持つには団結するしかないことを学んだ。最終的には、彼らのキャンペーン・ネットワーク組織をもっと正式な機構に変えていく必要がある。その新しい機構とは組合のようなものになるだろう」とホフマンUNI書記長は予測する。

UNI書記長は、ベトナムで開催されたUNI Apro ICTS部会主催のIT専門職組織化フォーラムの開会挨拶の中で、このように述べ、アジア太平洋地域におけるIT分野の組織化の重要性も強調した。

 


UNI、高校生平和大使の訪問を歓迎

長崎・広島、他からの高校生平和大使20人と被爆者及び関係者が、今年もスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れ、アルケ・ベシガー副書記長をはじめ本部スタッフの歓迎を受けた。高校生平和大使は2018年度ノーベル平和賞候補に選ばれている。

第1世代から第2世代、第3世代、第4世代の被爆者は、1945年8月の広島、長崎への原爆投下による重大な教訓を語り継ぎ訴えている。平和大使は毎年、ジュネーブの国連本部に、核兵器廃絶を要求する署名を届けており、その際、UNI本部も訪れている。

UNIが2010年に長崎で世界大会を開催したことがきっかけで、平和大使とUNIの交流は始まった。高校生平和大使によるUNI本部訪問は10年以上続いている。長崎世界大会に世界中から集まった2,000人を超える大会参加者は皆、新たな「平和大使」となって帰国した。

若い平和大使の1人は、被爆者が高齢化し亡くなっていく中、自分たちは恐らく被爆者から直接体験を聞くことのできる最後の世代だろう、だからこそ後輩に語り継ぐ責任があると述べた。同席したUNI本部スタッフは、原爆投下とその後の恐ろしい体験を聞き、まるでその場にいるかのように感じた。別の平和大使は、核兵器廃絶を実現するまで決してあきらめないと語った。この「夢」は、昨年、核兵器禁止条約が国連で採択されたことで、一歩前進した。

ベシガー副書記長は、「UNIは皆さんや他の平和を願う組織と共に、国連核兵器廃絶条約の完全実施を政治家に強く求めていく。今年6月にリバプールで開催されたUNI世界大会でもUNIファミリーは、核兵器の無い世界の実現に向けた決意をあらためて示した。労働組合運動は平和運動と一体となって、取り組んでいく」と約束した。

UNIのブレイキングスルー戦略は、国際的な核軍縮の動きを支持している。UNIは、国連核兵器廃絶条約の採択を後押ししたことで、昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及びIPB(国際平和ビューロー)のメンバーでもある。

 


広島、長崎への原爆投下から73年、犠牲者を追悼

広島と長崎は、2018年8月6日と9日、21万人を超える尊い命を奪い、多くの負傷者を出した原爆投下から73年目を迎える。被爆後、生存者の多くが癌や白血病等、放射能の後遺症に苦しんでいる。

今年、リバプールで開催されたUNI世界大会では、UNIファミリーが核兵器の無い世界の実現に向け、誓いをあらたにした。

UNIは2010年に長崎で第3回世界大会を開催したことがきっかけで、長崎との交流を始め、平和運動に深く関わってきた。長崎世界大会に参加した2000人を越える代議員は、被爆者の体験を直接聞き、原爆資料館を訪れて原爆の恐ろしさを実感し、平和大使となって、その経験を各国に語りついでいる。

2017年7月、国連は核兵器禁止条約を採択した。この歴史的な条約は、核兵器とそれに関する全ての活動を禁止するものである。核兵器禁止条約は、50カ国が批准すると発効する。世界の指導者達は、核兵器のない未来を求める被爆者の叫びや世界中の市民の訴えに真剣に耳を傾けるべきだ。UNIは、核兵器禁止条約の採択を後押ししたことで2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及び世界最古の平和組織IPB(国際平和ビューロー)の運動を支持し、メンバーになっている。

1945年8月に広島で被爆したサーロー節子氏は、2017年12月のノーベル平和賞受賞スピーチで、「その一人ひとりには名前がありました。一人ひとりが、誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしてはなりません」と訴えた。

 

 


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

2018年7月25~26日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJより宮井副議長(損保労連中央執行委員長)を団長に講師4人と小川事務局長が参加した。これに先立ち7月21~22日にUNI Apro組織化訓練を開催した玉井組織化キャンペーン担当部長も参加した。

70年続いた社会主義体制から1990年代に民主化されたモンゴルにおける労組強化支援は、UNI-LCJ結成以前の旧FIETから受け継がれたプロジェクトである。当時の労組リーダーも会社を退職する年齢となり、社会主義時代の労働組合を知らない若い労働者が増える中、労組も若年層の組織化と育成を目指した新しい運動が求められている。「2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの労組支援について、「パートナーシップ労使関係」の理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への招聘プログラム(2017年)を実施することとし、今回は4か年プロジェクト最終年の現地セミナーとして開催された。

セミナーはモンゴルのナショナルセンターであるCMTUの会議室において行なわれ、UNI-LCM加盟組織(モンゴル郵便労組、モンゴルテレコム統一労組、ネットコム労組、ゴビ労組、ペトロスター労組)及びモンゴル運輸・通信・石油労連と、未加盟のチンギスハーン国際空港サービス労組から、組合役員・若手組合員ら約30人が参加した。

オユンバヤールUNI-LCM議長の歓迎挨拶に続き、UNI-LCJ代表団を代表して宮井団長が挨拶し、長い交流の歴史を振り返ると共に、参加者の積極的な意見交換に期待した。小川UNI-LCJ事務局長は、UNI、UNI Apro、UNI-LCJの概要や主な活動を紹介した。

宮井団長から「日本の労働運動、経済、社会」について概説した後、2グループに別れ、両国における「ワークライフバランス」、「若い世代が持つ労働組合のイメージ」について議論した。

「パートナーシップ労使関係の構築」のテーマでは、大方講師(情報労連)が労使協議について、岡田講師(JP労組)が団体交渉について各組織の経験を紹介し、モンゴル側からは運輸・通信・石油労連のボールドサイハン組織化担当が、モンゴルにおける労使関係について報告した。続くグループワークでは、モンゴルにおける「労使コミュニケーションの現状と改善点」、「各労組における団体交渉の成果」を共有した。

「組織化」のテーマでは、ガントゥルガ・ゴビ労組委員長がゴビ労組における組織化の現状と課題について報告し、日本からは、鈴木講師(UAゼンセン)がUAゼンセンの組織化の特徴と青年・女性の組織化について、宮崎講師(自動車総連)が組織化の意義や自動車総連における具体的な取組みを紹介した。続くグループワークでは、「組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ」、「若年層の組織化」について、日本人講師のアドバイスを受けながら、議論した。

急速に変化する社会・経済に合わせ、いかに社会主義時代の労働組合(例えば、組織拡大に貢献した人に報奨金が出る等)から脱皮するか。低賃金で、大学を卒業しても希望の仕事に就けない、生活のためにより良い賃金の仕事へ転職しがちな若年層の声をいかに取り上げるか。「モンゴルの若年層にとって、ワークライフバランスより生活が第一。低賃金の若年労働者は、組合費を払うメリットを重視しがちだ」という背景には、組合活動が組合費を長年払った組合員中心になっているとの不満がある。「組合はメリット・デメリットで運営されるものではない。困っている人を助け合う組織だ」、「賃上げ要求だけでなく、労働組合が生産性向上や職場の改善に貢献していることを会社に理解させることが重要」、「会社は短期的な業績を競うが、組合は長期的な視点を持つべき」、「組合員への活動の見える化が大切」という日本人講師のアドバイスは、初めてセミナーに参加したモンゴルの若手組合員に、組合に関する新たな概念を与えた。

UNI-LCJ代表団はセミナー前に、日本大使館を訪問し林参事官からモンゴルの政治・経済・社会全般についてレクチャーを受けると共に、日本式の小・中・高専の一貫教育を行なう新モンゴル学園を視察した。セミナー後には、モンゴル郵便、モンゴルテレコム、ネットコム、ゴビ・カシミア工場等の職場を視察し、意見交換を行った。また、大草原の伝統的なゲルに宿泊し遊牧民の生活を体験すると共に、UNI-LCMメンバーの温かいもてなしを受け、両国の労働運動に取組む仲間としての絆を深めた。

 


UNIの世界の仲間からお見舞い

「平成30年7月豪雨」の被災者・犠牲者に対し、海外のUNI加盟組織からお見舞いやカンパが寄せられている。

7月13~14日にタイ・バンコクで開催されたUNI Apro/SEWU-THP(タイ郵便労組)共同セミナーでは、ウィラートSEWU-THP委員長がセミナー開会挨拶で「今回の豪雨災害によって被災された日本の皆さんに対し、カンパを行いたい」との提案を受け、参加者全員による黙祷後に義援金を集めた。また、SEWU-CAT(タイテレコム労組)サンウォン委員長らが労組で集めた義援金を持ち寄り、JP労組から同セミナーに参加していた野本美穂、伊藤佑真両参加者へと手渡した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長よりメッセージ

日本の兄弟姉妹の皆さん、

記録的な豪雨により、過去30年でも最悪の規模の洪水と土砂崩れが日本で発生し、200万人もの人々に避難勧告が出たこと、多くの犠牲者が出たことを報道で知り、大変心配しております。

この試練の時にある日本の兄弟姉妹の皆さんに思いを馳せ、愛する家族や住む場所を失った方々や、多くの困難に直面するコミュニティにお悔やみとお見舞いの気持ちをお送りしたいと思います。

報道を通じ、生存者や行方不明者の捜索に多くの人々が関わり、また、避難中の人々や愛する家族を失った人々を懸命に助ける姿を拝見しました。とりわけ、UNI-LCJの皆さんが、復旧・復興活動に大変重要な役割を果たされていることに敬意を表します。郵便や流通ネットワークを通じて必要な物資を届け、破損した情報通信インフラを再建し、メディア・印刷等を通じて必要かつ正確な情報を迅速に配信し、復興段階では保険をはじめ金融機関が支援の手を差し伸べるなど、皆さんが一緒になって復旧・復興を実現しよう(Making it Happen!)としています。

私たちの思いは皆さんと共にあります。何かお役に立てることがありましたら是非お知らせください。

 

シャンカール・ラミッチャンUNIネパール加盟協議長よりメッセージ

日本を襲った大規模な洪水と土砂崩れの報に接し、心よりお見舞い申し上げます。

ネパールUNI加盟協を代表し、また、私個人としても、豪雨と地滑りにより被災された方々にお見舞いと、お亡くなりになった方々に哀悼の意を表します。

自然災害は、予測や予防することができません。今回の被災地の報道を拝見し、2011年に日本で起きた大地震と津波のことが思い出されました。この大災害により、愛する人、友人、家族を失った悲しみはいかばかりかとお察しいたします。

亡くなられた方、怪我をされた方、家屋の被害に遭われた方に対し、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げると共に、被災地の1日も早い復興を切に願っております。

日本の皆さんが非常に勤勉であることを、私達はよく知っています。間違いなく、日本の精神と結束が、この大災害からの復興を前進させることでしょう。

UNIネパール加盟協とネパール国民は、困難な局面にある日本の皆さんをいつも心に留めています。

連帯をこめて

 

この他、タイCATテレコム労組、及びバンコクで開催されたUNI Apro郵便・ロジスティクス部会/APPU共同セミナー参加者から、JP労組の参加者にカンパ金が手渡された。


コルティナ新UNI会長にバトンタッチ

第5回UNI世界大会の最終日、ルーべン・コルティナ氏が新たなUNI会長に選ばれた。幼い頃から苦労が絶えなかったが、コルティナ氏はアルゼンチンの労働運動で頭角を現し、2003年にUNI米州地域会長に就任すると、ラテンアメリカにおける組織化と組合強化を主導してきた。

4年間UNI会長を務め、今回退任するアン・セリン会長は、アルゼンチンの商業部門から始まり、30年に渡ってラテンアメリカの労働運動に影響力を及ぼしてきた同氏の多大な貢献と揺るぎない決意に敬意を表し、「ここでコルティナ氏に引き継げることを嬉しく思う」と述べた。セリン会長は、癌と闘いながらも、指導体制移行期のUNIを支えてきた。

コルティナ新会長は就任演説で、将来の世代のための労働組合の戦略的行動の必要性を強く訴えた。「問題の原因究明はよいが、変化のための行動を起こさなければ意味がない。不確実性を排したいなら、明確なビジョンと計画に基づいた行動を起こさなければならない。政治家が行動するだろうと座って待つ余裕は無い。」

「どの多国籍企業の門戸も叩き、プラットフォーム経済の隅々まで出かけて行く。子供達に寄り添い、子供達が働かなくて済むようにする。働く女性に寄り添い、賃金格差を埋めていく。青年に寄り添い、将来の機会を与える。必要とされるところへは、どんなに遠くても出かけて行く。世界中の2000万人の兄弟姉妹のために、UNIはある。」

「我々は、団結と平等のために闘う。我々のために誰かが社会正義をもたらしてくれるわけではない。我々自身で共に社会正義を構築していこう!」

コルティナ氏は、家族とアルゼンチン商業サービス労連(FAECyS)、UNI米州地域組織、UNI本部、そしてUNI加盟組織からの支援に感謝した。

ホフマンUNI書記長は、セリン会長とコルティナ新会長が何年にも渡りUNIの目標達成に貢献してきたことに心から感謝した。

世界大会はまた、各地域を代表する副会長と内部監査も選出した。UNI Aproからは、増田光儀JP労組委員長がUNI Apro副会長に選出された。

 


世界平和、民主主義、人権を求めて

平和と民主主義は労働運動にとって重要である。UNIは国連核兵器禁止条約の成立に大きく貢献した2つの平和推進組織、ICAN及びIPBのメンバーである。1891年に設立された世界で最も歴史のある平和団体、国際平和ビューロー(IPB)は1910年に、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は2017年に、それぞれノーベル平和賞を受賞した。ライナー・ブラウン国際平和ビューロー(IPB)共同会長は、世界大会で演説し、「平和は今脅かされ、世界は混乱状態にある。軍備拡大から縮小へ舵を切らねばならない。対立と軍事化の政治を克服しなければならない」と強く訴えた。2010年に開催された長崎世界大会において、UNIファミリーは、核兵器の恐怖を再認識するとともに、核兵器廃絶を求める世界平和の大使となることを誓った。

UGTT(チュニジア労働総同盟)のフセン・アバシ前書記長は、希望と連帯のメッセージを大会代議員に送った。国民対話カルテットの一員として、アバシ前書記長は不断の努力を続け、チュニジアを内戦から救った。2015年10月、UGTT、チュニジア商工業・手工業経営者連合、チュニジア人権擁護連盟、チュニジア全国法律家協会から構成される国民対話カルテットはノーベル平和賞を受賞した。「グローバル化によって我々は、強欲な企業、不安定な雇用、民主主義の縮小といった同じ課題に直面している。UNIは単に2000万人の労働者を持つ組織であるだけでなく、アイデアを持つ組織だ。みんなで立ち上がり、平和、労働者の権利、正義のために闘っている。我々が直面するグローバルな課題には、組織間、国家間の連携を強化してこそ打ち勝つことができる。一貫したアクションと、経済・社会・教育的行動を通じて、国際連帯を持続していかなければならない。」国民対話カルテットの事例は、市民社会、とりわけ労働組合が社会の亀裂を癒す上で大きな役割を果たせることを証明した。

続いて、不正に立ち向かっている人や団体にUNIから「恐怖からの解放賞」が贈られた。

ヒルズボロ遺族支援グループ、ヒルズボロ正義キャンペーン、故アン・ウィリアムズ氏は皆、1989年4月に発生したヒルズボロの悲劇(サッカースタジアムで発生した将棋倒しで96人のファンが犠牲になった)の遺族と生存者のために正義を勝ち取るまで、その闘いを決して諦めなかった。代表して受賞したジリアン・エドワーズ氏とシーラ・コールマン氏に、大会代議員は総立ちの拍手で称えた。「私達は女性として決して諦めなかった。リバプールの女性のDNAかもしれない」とコールマン氏は述べた。英国政府は96人の死亡の原因を隠蔽しようとしたが、彼女達の正義を明らかにするという決意は揺るがなかった。「他の人のために集団で闘う意味を理解する、UNIのような同志から表彰されて光栄だ。」ヒルズボロの悲劇の正義は実現したが、現在は他のキャンペーングループが真実を明かそうとするのを支援している。彼女達は、恐怖からの解放賞を、グレンフェルの正義を求めるキャンペーン(2017年に発生したグレンフェルの火災で72人が犠牲となった後、結成された)に捧げた。

偏狭、人種差別、外国人排斥に立ち向かっている国際奴隷博物館にも同賞が贈られ、リチャード・ベンジャミン館長が受賞した。同博物館は、道義に反する奴隷制度を風化させないよう、今でも闘い続けている。同博物館は、奴隷貿易廃止法制定200周年記念の、2007年8月に開館した。だが、未だに世界史の暗く野蛮な出来事の遺産は残っている。「2007年の開館以来、400万人を超える人がこの示唆に富む博物館を訪れた。我々は来館者に、大西洋奴隷貿易の遺産を思い巡らすだけでなく、現代の奴隷の形態すなわち人身売買や債務労働等の奴隷についても積極的に考えてもらいたい」とベンジャミン館長は述べた。国際奴隷博物館は、奴隷制度の国際的な重要性を歴史的及び現代的視点から訴えかけている。他の団体と連携し、奴隷制度と自由に焦点を当て、現代の奴隷制度の理解と意識喚起の機会を提供すると共に、人種差別や憎悪犯罪と闘っている。第三者憎悪犯罪報告センターに指定された英国で唯一の博物館でもある。

米国のプロバスケットボール選手、ビルキス・アブドゥル・カーディルは、イスラム教の女性が被るスカーフ(ヒジャブ)を着用して競技する権利を要求して闘った勇気を称えられ、恐怖からの解放賞を受賞した。3年間競技停止を受けてもなお、彼女はUNI世界選手協会、世界各国のバスケットボール選手協会、EUアスリート及び人権ウォッチ(NGO)等と連携して差別をなくすキャンペーンを展開し、国際バスケットボール連盟(FIBA)の禁止規定を覆させた。受賞演説で彼女は、バスケットボール選手への平等な扱いという観点だけでなく、イスラム教の女性への偏見や差別をなくす闘いだったと振り返った。「若いイスラム教の女子選手が安心して競技できる場をつくりたかった。イスラム教の女性はどこにでもいる。彼女達は他の人々と同様に扱われ、同様にする権利がある。」それでも人種差別や外国人排斥との闘いは続く。全ての組合活動家は、逆境を跳ね返した彼女の強さに勇気付けられるだろう。バラク・オバマ前米国大統領は、「ビルキスはイスラム教の女児だけでなく、我々全員に感動を与えた」と称えた。

フロアから発言した藪裕之代議員(JP労組)は、東日本大震災の直後に世界の仲間から受けた連帯支援に感謝すると同時に、自ら被災しても地域の役に立ちたいという使命感を持って仕事をしたことを振り返り、助け合い労わり合う心があれば、争いはなくなるだろうと述べた。そして将来を担うユース世代が中心となって、人を思いやる精神をもって全ての労働者の社会的地位の向上に取組み、世界平和の実現に向けて行動していくとの決意を述べた。

動議5については、LGBTQI、メディア、スポーツの視点を追加し、トルコ情勢等を修正した、決議委員会の最終案が採択された。

 

 


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ