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トランプ時代に「将来の仕事の世界」は⁉︎

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UNIは2016年11月15日、世界執行委員会の前日にスイス・ニヨンのUNI本部で「将来の仕事の世界」をテーマにリーダーサミットを開催した。フィリップ・ジェニングスUNI書記長は冒頭、「ドナルド・トランプが選ばれたことで、我々の前途は大きく変わってしまった」と懸念を述べた。トランプ政権は、新たな仕事の世界が深く結びついている全ての国際的課題 に政治的、経済的、環境的に影響を及ぼす可能性がある。

「将来の仕事の世界」は、UNIが2018年のリバプール世界大会に向けて取組む重点課題の1つである。スティーブン・ホーキンス博士は「完全な人工知能を開発できたら、それは人類の終焉を意味するかもしれない」と警鐘を鳴らしている。サミットの講演者の1人、ロンドンのインペリアル・カレッジで感情的行動コンピューティングを専門とするマジャ・パンティック教授は、課題は教育で、開発者が人間の価値やモラルを心に留めておくようにすることが重要だと指摘した。また、トゥエンテ大学のバネッサ・エベルス教授は、新たな仕事の世界を明るいものにするようなロボットを開発するエンジニアを支援するよう、参加者に呼びかけた。

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ドナルド・トランプの勝利という厳しい現実から学ばなければならない

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フィリップ・ジェニングズUNI書記長は、米大統領選挙でのドナルド・トランプの勝利を受けて、次のように述べた。

「前兆はしばらく前からあった。1%の人に有利な経済、賃金の停滞、労働者の子供達は親の世代より暮らしが悪くなるとの恐れ、拡大の一途を辿る大きな格差、こうした懸念要素が政治的反発を引き起こした。この脆弱性によって、人々に不安や経済的正義に対する怒りが生まれた。それに勢いづいた右派が憎悪、分断、人種差別、外国人排斥の言葉で扇動したのだ。

我々は米国の組合の仲間の皆さんを支持する。資本主義を再考し、人々に希望をもたらす計画を立てるなど強力な経済的代替案を要求する我々の取組みは極めて重要だ。平和、正義、ディーセントワークを求めるグローバルな闘いは終わらない。」

UNI世界執行委員会は来週の会議で、この予期せぬ結果がもたらす大きな影響について検討する。


UNI-LCJ/UNIインド加盟協(UNI-ILC)セミナー

2016年9月24~25日、インド・チェンナイでUNIインド加盟協(UNI-ILC)の青年・女性組合員を対象とするエンパワーメントセミナーが開催され、UNI-ILCの郵便労組、銀行労組、ラジオ・TVエンジニア労組、IT専門職労組から36人が参加した(女性20人、男性16人)

sadai-5-s日本からは、定居美稚子情報労連/NTT労組中執を団長に、浅川淳UAゼンセン総合サービス部門執行委員、三浦聡自動車総連組織局部長、高木晋JP労組労働条件担当部長、事務局・小川陽子UNI-LCJ事務局長から成る代表団が講師として出席した。

開会式では、チェンナイ出身のテアガラジャン郵便労組書記長(UNI-ILC事務局長)及びミリンド・バローダ銀行労組委員長(UNI-ILC議長)がUNI-ILCを代表して歓迎の挨拶を行い、UNI-LCJの支援に感謝した。定居団長は、グローバル化が加速する中、成長著しいインドにおいても格差の拡大等、負の側面が明らかになっており、その克服に向けて労働組合が国を超えて連帯する必要があると挨拶した。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記次長はUNI Aproを代表して連帯の挨拶を行い、インドの青年・女性メンバーの強化はインドのみならず共通の課題を持つ南アジア全体の労働運動の活性化に重要だと述べ、積極的な参加を奨励した。

続いて、郵便労組を退職した役員から基調講演が行われた。「IT化の進展で仕事のやり方は大きく変化し、生活も便利になる中で、働き方も変わっていく。労組の活動も変化していくはずだ。かつて経営者が労働者のことを考えなかったことに対して、労働者は団結し組合として経営側に働きかけることができるようになった。今ではインドにも組合が多くできたが、新しい会社には無いところも珍しくない。組織化を進め、より多くの人々が権利意識を持つようになれば、政府も無視できなくなる」と自らの経験から若年世代に訓示した。

UNI-LCJ講師からは以下のプレゼンを行った。

・定居団長:①日本の家庭、学校、職場、社会に至る格差・不平等―労働組合はどのような役割を発揮できるか? ②青年の組織化

・浅川講師:①日本の労働組合の概要、機構、今日的課題、②女性の組織化

・三浦講師:グローバル化と労働組合の対応-組合の国際協力と国際連帯

・高木講師:日本におけるパートナーシップ労使関係

参加者からは、インドで目にする日本製の自動車やハイテク製品等のイメージから、日本に貧困や格差があることやプレゼンで示された統計データが信じられないとの感想が相次いだ。また、ITの進化に伴う事業への影響、日本でストライキを余りしない理由、非正規労働者の労働条件、組合員へのコミュニケーション方法、産別においてライバル企業の労組どうしがなぜ一緒に活動できるのか?といった質問が出された。05seminar-13-s

インドの参加者も、「インドにおける格差や不平等の現状と、組合は何ができるか」、「組合の女性・青年活動」、「グローバル化と労働組合の対応」、「インドでパートナーシップ労使関係はうまくいくか?」についてグループで話し合い、発表した。インドは民主主義国家であり、全ての人が平等であるはずだが、家庭でも社会でも階層があり、現実にはまだ差別が存在する。特に、女性参加者から「家庭やコミュニティにおいて、女児を歓迎しない地域がある。特に農村部では男性は富、女性は負担と思われる。女性の服装はコミュニティが決めるが、男性には制限がない。女性の帰宅時間が遅いと文句を言われる。家族の面倒を見ることは女性の仕事だという考えが根強い。男性が女性の仕事を決め、男性の合意があれば女性は外で働くことができる。育児のサポートが無いため、結婚・出産後、仕事を続ける女性は少ない。農村部でも都会でも、女性の夜間外出は許されない」といった意見が出された。また、教育の不足、貧困等により、労働組合に関する認識が低い。「組合活動でも意思決定は男性が行っている。女性は家庭があるため、まだまだ参加できていない。組合は女性の参加を歓迎するが、女性が遠慮している。」との意見が多かった。これを変えていくには、「子供の頃から男女同じように育てるべき。認識の改善、特に男性の意識改革が必要。女児・女性にも教育を受ける環境作りが必要。組合は行動を起こして政策を変えていかなければならない。女性セミナーを行い、女性の組合参加を奨励すべき」との意見が出された。

パートナーシップ労使関係は、「インドでは政権が変わると方針が変わるため不可能だ」という意見と、「組合が強いリーダーシップを発揮すれば可能だ」という両方の意見が出された。例えばIT業界は若者が多く働いているが組合が組織されにくい。若いエンジニアを使い捨てにすることが多いので、組織化され抵抗されると面倒だから会社や政府が許さないのだ。労働者が搾取されているIT業界こそ組合が必要だ、という意見が出された。

グローバル化に対しては、「会社と協力しWin-Winとなるようにしなければならない。利益を得るためにグローバル化は必要だが、契約社員等の弱者に対しても組合は交渉していくべき。グローバル化の負の影響を受けやすい中小企業も守るべき」という意見が出された。

また組合内のコミュニケーションについては、最近のSNSの普及に伴い、組合の委員長のメッセージや情報が瞬時にして組合員に送られるとのことである。参加者は早速WhatsApp(インドではFacebookやLINEより普及している)グループを作り、交流を始めた。

今年は、昨年の反省を踏まえ、若手組合員を中心とし女性が半数を超えた。日本人講師への質問やグループ発表、その後のコメントも女性参加者の積極性が目立った。残念ながら、テレコム部門と商業部門からの参加者はいなかった。UNI-ILCからは、来年はUNITES(IT専門職労組)の存在するハイデラバードでの開催を打診された。

今回はテアガラジャン郵便労組書記長の地元チェンナイでの開催ということで、セミナー前日(23日)には、チェンナイ郵便局を訪問し、J.T.ベンカテスワラル事業開発部長からインドポスト概要について説明を受けた他、局内を視察した。また、最近インドポストが力を入れている法人営業の一環として、ディーラーを見学した。ベル技術大学を訪問し、ラメシュ教授及びIT学科の学生20余人と、組合やIT産業、グローバル化等について対話する機会もあった。また地元ラジオ局をラジオ・TVエンジニア労組の案内で視察し、経営側とも意見交換を行った。

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UNI-LCJユース、英語で国際連帯を学ぶ

P1150903第16回UNI-LCJユース英語セミナーは、2016年8月19〜21日、湘南国際村で開催され、8組織から28人の青年・女性が参加した。海外からは、韓国プロサッカー選手会のヘンリー・マツダ事務局次長、ニュージーランド・ファーストユニオンのロビン・ウィルソン・ホワイティング商業・金融部門オルグ、フィリピン銀行労組のデニス・ロデル・ババオ青年委員会副議長、スリランカ銀行上級職労組のランキカ・アリヤシンゲ執行委員、スリランカ郵電労組のロハン・グナワルダナ青年委員の5人を講師に迎え、様々な地域訛りの英語に四苦八苦しながらコニュニケーションを図った。

P1150769冒頭、田原UNI-LCJ副議長から、「様々な国や産業のUNIの仲間とUNIについて学び、各国の青年・女性労働者の課題を共有しながら、友情を深めてほしい」と激励の言葉をいただいた。早速ウォーミングアップとして、自己紹介と各自の本セミナーでの目標を英語で発表した。今回のセミナーでは従来のような海外講師による講演ではなく、初の試みとして、「各国の労働運動」、「組合における青年・女性活動」、「日本と講師の出身国(居住国)の文化の違い」をテーマに5人の海外講師によるパネルディスカッションを行った。同じテーマで各国の比較ができた他、フィリピンの青年委員会が継続しているパヤタス(マニラ圏のゴミ集積場)における貧困児童向け給食活動、スリランカの女性委員会が実施する女性組合員向けエンパワーメント、ニュージーランドにおいて搾取されている外国人労働者の救済等の活動事例を聞き、参加者は各国の組合活動について理解を深めた。

また、グループワークにも多くの時間が割かれた。毎回講師とメンバーを1人ずつ入れ替えながら、できるだけ多くの人と会話の機会が持てるようにした。グループワークでは、「クール・ジャパン!紹介1分コマーシャル」、「若年労働者向け組合アピール1分コマーシャル」、「平和キャンペーン1分コマーシャル」作りを通して、いかに印象に残るメッセージを英語と工夫を凝らしたビジュアルで伝えるか、アイデアを出し合った。その他、各グループには、初日の懇親会での交流イベント企画、リフレッシュのためのゲームや体操の企画、グループワーク発表時の司会担当、前日の要約発表、毎日のブログ更新などのタスクが与えられた。

P1150855更に特別講師として、日本プロ野球選手会の森事務局長から「プロ野球選手も労働組合が必要だ!」と題する講義をいただいた。選手会は「選手を1人にさせない」をモットーに、選手へ組合の重要性を説明したり、現役生活全般からセカンドキャリアに至るまで相談にのったり、社会貢献活動を通じた野球の普及活動を行なったりしている。2004年のスト決行は、選手会が一丸となり、ファンの支持も得て闘った結果、変化を起こすことができた。参加者は夜遅くまで森事務局長から話を聞く貴重な機会を得た。

セミナーのハイライトは、最終日のグループワークである。5つのグループに、「UNI」、「組合」、「青年」、「平和」、「グローバル化」のいずれかのテーマと10分の持ち時間が与えられ、全員参加で自由に英語で表現するという課題に取組んだ。各グループは、ニュース番組風、ドラマ仕立て、各自の経験発表など、それぞれユニークな形式で素晴らしい発表を行い、他の参加者や講師から多くの質問やコメントを受けた。

P1150987閉会式では、2泊3日の学習を振り返り、グループ賞と個人賞が授与された。海外講師からは、「この3日間で驚くべき進歩があった」、「参加者と一体となってチームワークの素晴らしさを体感した」、「日本の良さを実感した」などのコメントがあり、「今後もFacebookなどを通じて、情報交換を続けていこう」との激励を受けた。

 


アジア太平洋地域の労働組合と青年・女性

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2016年8月18日、東京・情報労連会議室でUNI-LCJ青年・女性意見交換会が開催され、情報労連、全印刷、JP労組から青年・女性活動担当役員が出席し、ユース英語セミナーのため来日した海外参加者と「アジア太平洋地域の労働組合と青年・女性」をテーマに意見交換を行った。

フィリピン銀行労組のデニス・ロデル・ババオ青年委員会副議長からは、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会が日本をはじめとする多くのサポーターの協力を得て10年に渡り継続している、パヤタス地区の貧困児童給食プロジェクトの経緯、目標、今後の計画について報告を受けた。もともと、フィリピンにおける組合のイメージを変えるため、青年組合員に呼びかけ始めた社会貢献活動だったが、今では食事を与えて栄養失調児を救うだけではなく、学校に行かせるための奨学金・学用品の提供や、親にも教育の重要性を理解させ、親の就業支援も行うなど、包括的な貧困削減プロジェクトとして展開されているとのことである。この他、UNI-PLC青年委員会は、キャンパスへ赴き学生に労働者の権利の話をしたりして、就職前から労働組合に関する正しい知識を持ってもらうような活動を行っている。

スリランカでも一般的に労働組合のイメージは良くないという。それでも、郵便局や国営銀行には労働組合があり、入社すると殆どの労働者は労働組合に加入する。しかし、労働組合がイデオロギーや支持政党、宗教等様々な理由で複数存在しており、組合の連携が課題となっている。UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)では、女性委員会、青年委員会がそれぞれ積極的に活動を行っている。女性委員会はメンター制度を通じて、経験ある銀行労組の女性役員が、同じ組合や郵便労組の若い女性をメンティとして指導・育成している。また、JP労組が後援する郵便労組子弟向けの奨学金プログラムにおいて、UNI-SLACの女性・青年委員が、奨学生選抜のための面接を行ったり、労働組合の社会貢献活動について説明したりしている。

ニュージーランドでも若年労働者は入社前には労働組合の知識はあまりなく、働き始めて、職場で問題があって初めて組合について知るケースが殆どである。流通・金融産業を代表しているファーストユニオンでは、若い労働者向けのセミナーを実施しているが、流通産業では転職も多く、組合員を定着させることが課題である。また低賃金で働かされている外国人労働者の保護の取組みについても聞いた。

韓国プロサッカー選手会のヘンリー・マツダ事務局次長からは、プロサッカー選手の労働者としての問題解決を支援する取組みについて聞いた。

会議後、参加者は立食パーティで交流を図った。


日本の高校生平和大使、核兵器の無い世界を訴える

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今年も長崎及び広島からの平和大使がスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れた。この後、核兵器全面禁止を訴える嘆願書をジュネーブの国連に届ける。広島及び長崎の被ばく第一、第二、第三世代の思いを継承しながら、日本の高校生は今回約12万5千筆の署名を集めた。これまでに集めた署名は150万筆にのぼる。

この若い活動家達は、広島及び長崎の経験から核兵器の恐怖を生々しく描写した。高校生平和大使は、長崎を最後の被爆地とするための取組を続けている。彼らは被ばく者の話を直接聞くことができる最後の世代となろう。

彼らは12年前から毎年UNI本部を訪れている。今回のメンバーは、核兵器の非人道性を以前にも増した強さと説得力で非難した。原爆とその影響によって苦しむ人々の恐ろしい体験談を聞き、平和大使を迎えたUNI本部のスタッフには強い感情が生まれた。

平和大使との懇親会で、アラン・テイトUNI世界ICTS部会担当局長は、「皆さんの再訪はUNIにとっても非常に重要な機会だ。毎年皆さんをお迎えする度に、平和への取組み、とりわけ核兵器廃絶運動へのUNIのコミットメントを再認識する。何よりも長崎の皆さんとの絆が更に深まることが嬉しい」と挨拶した。「第二次世界大戦後の平和運動を推進したのは、広島、長崎の恐ろしい経験だ。私達も皆さんに会う度に、平和な世界をつくるという責任をあらためて感じる」と述べ、再訪を歓迎した。

UNIは長崎の人々と温かい友情を築き、深い絆で結ばれている。UNIは2010年11月、長崎で世界大会を開催した。その大会で採択されたUNIの戦略“ブレイキングスルー計画“の中では、核軍縮の世界的な取組みへの全面支持が謳われている。UNIは、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のメンバーにもなっている。

マルシオ・モンザネUNI世界金融部会担当局長は、「もっと平和な世界をつくろうとするなら、社会的包摂を通じて貧困や不平等の問題に取組む必要がある。それを忘れてはいけない。 労働運動は、世界から核兵器を廃絶する運動で重要な役割を果たさなければならない」との決意をあらためた。

平和大使はこの後、ジュネーブの国連に嘆願書を届け、核不拡散のアクションを訴える。世界で米国、ロシア、北朝鮮、中国など9か国が1万5千基の核兵器を所有している。

 


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

2016年7月26~29日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJ加盟組合より小川損保労連中執(あいおいニッセイ同和損保労組委員長)を団長に5人の講師、UNI Aproより玉井組織化キャンペーン担当部長、UNI-LCJより森川事務局次長が参加した。

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日本側参加者(団長以下は組織正式名称の50音順):

団長 損保労連 中央執行委員

(あいおいニッセイ同和損害保険労働組合委員長)

小川 真弘
団員 情報労連 通建連合

ミライトグループ労働組合

ミライトテクノロジーズ企業本部 副書記長

藤原 宣
団員 UAゼンセン 男女共同参画・社会運動局 副部長 岡部 匡
団員 自動車総連 組織局部長 後藤 大輔
団員 JP労組 中央執行委員(組織活性化担当部長) 峰行 一夫
事務局 UNI Apro 組織化キャンペーン担当部長 玉井 諭
事務局 UNI-LCJ 事務局次長 森川 容子

 

1990年に複数政党制を導入して70年続いた社会主義体制を放棄し民主化されたモンゴルにおける労組支援は、UNI-LCJ結成以前のFIET時代より続く歴史あるプロジェクトである。「2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの支援について「パートナーシップ労使関係」への理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への代表団招聘(2017年)を実施することになっており、今回は今期2回目の現地セミナーとして開催された。

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セミナーはUNI-LCM加盟組合でゴビ労組を通じてゴビ社の会議室を借りて1日半にわたり行なわれた。冒頭にはゴビ社副社長が歓迎挨拶を述べる等、ゴビ社の良好な労使関係が伺われた。UNI-LCMを構成する7組織からは、若手組合員、組合役員を中心に28人(女性21人、男性7人)が参加した。日本語や英語に堪能でコミュニケーション能力の高い積極的な参加者も多く、若い労働人口が多い人材の豊富さも感じさせた。また、新規加盟組合として550人が加盟することになったチンギスハーン国際空港労組のインへ委員長も初めての参加となった。今回のセミナーは、日本側・モンゴル側からのプレゼンを聞くだけでなく、テーマごとに2つのグループに分かれ、与えられたトピックについてグループディスカッションを行う時間を多く取り、話し合った内容を発表し全体で共有するという形で進められた。その結果、参加者同士の活発な意見交換が促進され、より双方向型・参加型のセミナーとなった。

オユンバヤールUNI-LCM議長の挨拶に続き、UNI-LCJ代表団の小川団長(損保労連)が挨拶し、UNI-LCJ結成前から続くモンゴルとの交流の歴史を振り返り、参加者の積極的な参加を呼びかけた。森川UNI-LCJ事務局次長は、UNI、UNI Apro、UNI-LCJの組織機構や活動の概要、パートナーシップ労使関係を利用したUNI Aproの組織化方針等について講演した。

「日本を知ろう:社会・文化、政治・経済、労働事情」のセッションでは、小川講師が日本型労使関係について理解する上での基礎となる「少子高齢化」「長時間労働」「非正規雇用の増加と経済格差の拡大」等日本の社会が抱える課題について紹介した。その後のグループワークでは、「日・モンゴルにおけるワークライフバランス」「日・モンゴルにおける若い世代の労働組合のイメージと社会的影響力」のテーマで、いかに若年層に組合加入のメリットを伝えるか等を議論した。

08 Group B_s2「パートナーシップ労使関係の構築」のセッションでは、岡部講師(UAゼンセン)が生産性向上を目指す日本型労使関係のメカニズム、それを実現する労働組合の役割、団体交渉と労使協議について小売業加盟組合の例を示して説明し、「組合員とのコミュニケーションを密にし、現場で起きている課題を吸い上げ、解決を図る現場起点の活動」の重要性を強調した。藤原講師(情報労連)は、情報労連・通建連合加盟のミライトグループ労働組合における実際の労使協議と団体交渉の内容や進め方について具体的に紹介し、「労働組合が会社と共に会社の社会的な企業価値を高めていくためには随時必要に応じて組合員の意見を会社に伝えていく努力が必要だ」と述べた。続いてモンゴル側からも労使協約の意義、中身、基本原則についてプレゼンがあった。グループワークでは、モンゴルにおける労使のコミュニケーションの現状と改善点、各労組における団体交渉の成果、パートナーシップ労使関係構築に向けた課題等について議論が行なわれた。

「組織化」のセッションでは、ペトロスター労組のツォージ委員長がモンゴルにおける組合組織率が18%に留まっており組織拡大が喫緊の課題であること、産別労組レベルで企業の調査を行い、従業員及び企業へのアプローチを行なっていること等を報告した。課題として、使用者や国による干渉や圧力があること、非正規雇用の増加等、日本と共通する問題も抱えていることが分かった。後藤講師(自動車総連)は、組織率低下(未組織・未加盟企業)や非正規労働者を含む組織拡大の取り組み状況と、連合・地方連合会・自動車総連の三位一体の取組みを通じた最近の成功事例を紹介した。峰行講師(JP労組)からは、全国組織のネットワークを生かした福祉型労働運動、リサイクルブックエイドや書損葉書集約等のユースネットワークによる社会貢献活動を通じた組織活性化の取組みが報告され、特に書損葉書の換金方法等について質問が集中した。グループワークでは、①組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ、②外国人労働者や非正規労働者の組織化について討議された。携帯電話会社等が今後の組織化対象として挙げられ、外国人労働者・非正規労働者について労働法に規定し、組織化を進めるべきとの意見が出た。

23 Group A_s特に組織化については、今後UNI やUNI Aproの支援を受けながら、モンゴル側のニーズに特化した教育・研修の実施を検討していくことが確認された。これにより、既存労組のUNI加盟の促進、さらには未組織企業における新規加盟組合の結成等につながることが期待される。UNI-LCMとしては、オユンバヤール議長の下で団結し、情報交換を密にしながら次世代のリーダー育成や組織化に力を合わせて取り組むことが今後の発展の鍵となろう。これを踏まえ2017年の日本招聘にあたっては、次世代のUNI-LCMを担う若手組合役員を中心としたメンバー構成をモンゴル側に要請しているところである。

UNI-LCJ代表団はこの他、日本大使館訪問、日本式の小・中・高・高専・大学の一貫教育を行なう新モンゴル学園訪問、ゴビ社のカシミア工場見学、加盟組合訪問・職場視察等盛り沢山のプログラムをこなし、モンゴルの社会・経済事情や労働運動への理解を深めると共に、草原の伝統的なゲルに宿泊してUNI-LCMメンバーのホスピタリティーに触れ、ともに両国の労働者をめぐる問題に取り組む仲間としての強い絆を再確認した。


金融包摂とエンパワーメントを主導するUNI Apro金融部会の女性

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第19回UNI Apro金融部会委員会では、第17回委員会(2014年6月、インドネシア・ジャカルタ)で議論された、女性の視点からの「金融包摂とエンパワーメントに果たすUNI Apro金融部会の取組み」のフォローアップが行われた。

アンジャリUNIインド加盟協コーディネータは、インドにおける金融包摂の取組みと金融産業の労働組合が果たす役割について報告した。インドの経済成長にとってインフォーマル経済で働く女性の貢献は大きいにもかかわらず、女性が貧困から抜け出せずにいるのはなぜか。インドで正規金融機関の口座を持つ女性は26%(男性46%)、女性起業家で銀行から融資を受けられるのは15%に満たない。中小企業の女性経営者が融資を拒否される率は男性中小企業経営者の2倍以上である。政府は1990年代から、女性のエンパワーメントのための女性の金融包摂に取組み、2013年には「女性のエンパワーメント、インドのエンパワーメント」をスローガンに女性のための銀行を設立した(現在、ステート銀行と合併)。1992年からは、自助グループと商業銀行、地方農村銀行、協同銀行をつなぐプログラムを始め、2006年までに200万以上の自助グループに融資した。この他にも政府の取組みをUNI Apro金融部会加盟組合メンバーが支え、貧困層の口座開設数増加、残高ゼロ口座の縮小を実現した。SEWA(自営女性協会)もステート銀行と連携しマイクロファイナンスプログラムを通じて、農村の女性の所得創出、雇用創出を支援している。

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また、ランキカUNIスリランカ加盟協女性委員会事務局長(FBOSL/セイロン銀行労組)は、スリランカ加盟協女性委員会が行う様々な活動の事例を紹介した。各部会の女性委員が専門分野を活かし、これまで料理教室、女性の健康チェック(医療労組の女性委員が担当)、スピーチ訓練、金融セミナー(銀行労組の女性委員が担当)といった実用的な企画で女性の組合活動参加を増やし、かつ女性のエンパワーメントとチームワーク強化につなげてきた。

これらは、女性の地位が低い南アジアにおいて、女性のエンパワーメントに大きく貢献している。女性に対する根強い差別は一夜にして変えることはできないが、世代を超えた息の長い取組みを通じて、徐々に人々の意識や社会を変えていくことはできる。南アジアの労働組合は金融労組が主導して、女性の組合参加と女性役員の育成・活躍推進を通じた女性のエンパワーメントに取組んでおり、他の産業で働く多くの女性労働者の金融包摂につながっている。


UNIリバプール世界大会に向けて“Making it Happen”

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第28回UNI世界運営委員会が、2016年5月26~27日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、14か国24人の委員、オブザーバー及びUNI本部役員/各地域書記長、スタッフ等、計33人が参加した。

アン・セリン会長は開会挨拶の中で、相次ぐテロ、英国のEU離脱問題、緊縮財政に伴う労働組合及びディーセントワークへの攻撃、密室で交渉されている貿易協定、未来の労働と雇用へのインパクト等、世界で起こっている労働者の生活に影響を及ぼす出来事に慎重に対応しなければならないと喚起した。パナマ文書で暴露された腐敗したルールを変えるため今こそ国際労働運動の連携が重要であり、一丸となれば実現できると訴えた。

フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、UNIの知名度を高めるため、世界経済フォーラム(ダボス会議)におけるマスコミ対策、本部での簡易スタジオ設置をはじめとする本部広報チームの取組みを紹介し、シンプルかつ強力なメッセージを発信する能力を各地域でも改善していく必要性を強調した。組合組織率、団体協約の対象範囲、収入格差の相関図を示し、科学的なデータで労働市場の現状と問題点を、マスコミを通じて世論に訴えていくと述べた。

ホフマンUNI副書記長からは、各部会における組織化、労組同盟、グローバル協定等に関する主な成果が報告された。

持続可能性に向けたUNIのロードマップ

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17目標、169ターゲットを達成するため、またCOP21で合意された気候変動に関するパリ協定を実施するため、ITUCをはじめUNIも、貧困撲滅、ジェンダー平等、ディーセントワーク、格差是正、気候対策等に真剣に取組んでいる。

貿易交渉は密室で進められており、各国の議会や労働組合も関与していく必要がある。経済の相互依存、投資の必要性は認識するも、ルールは公平でなければならない。特に郵便、情報通信、金融、Eコマース、移民政策を注視していく。

UNIリバプール世界大会準備状況

テーマ及び議題案について報告を受けた後、「UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の女性比率40%達成に向けた戦略」について、マクガイアUNI世界女性委員会議長より、「長崎世界大会前後で、女性比率を17%から35%に上げることができたのは大きな前進だが、まだ40%の目標には達していない」と報告があった。そこで、目標達成に向けた具体的方策の提案があり、運営委員会は承認した。続いて、「UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の青年比率の改善」について、カールステッドUNI世界青年委員会議長は、UNIリバプール世界大会の青年参加比率20%達成に向けて協力を要請した。

仕事の未来

過去、世界執行委員会に合わせて、「プライベートエクィティ」、「金融危機」、「平和」等をテーマに議論をしてきたが、今年は11月15日にグローバルリーダー・サミットを開催予定である。テクノロジーが雇用の数と質を変えることが十分認識されていない。世界銀行、OECD、欧州連合等で「デジタル単一市場の誕生に向けたデジタル戦略」が議論されているが、議論の中心を我々労働者に置くべきである。UNI欧州地域大会では、オンコール労働、クラウドソーシングに見られるような、見えない、曖昧な仕事をし、しかも生活賃金を得られない人が増えていることに危機感が表明された。仕事の未来と共に「連帯の未来」も考えていく。野田UNI Apro地域会長は、「ビッグデータ、IoTの時代に入り、労働に対する影響は大きい。イノベーションにより創出される仕事もある。仕事のあり方/処遇形態の大きな見直し、人材育成は労使の共同作業であり、組合の大きな役割となる」と意見を述べた。

グローバル・サプライチェーン(GSC)と生活賃金

間もなくILO総会でGSCの議論が始まる。我々の目標は、①ILO多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(MNE、1977年採択)の最新化、②GSCに関するILO条約策定のための三者議論の開始、③ILOによる賃金ガイドラインの策定である。

バングラデシュ・アコードは、この間UNIもコミットしてきたが、具体的成果があがっている。社会パートナーのプロジェクトとしても評価されている。5年期限のアコードに、団結権を盛り込むようアコードIIの交渉をしていく。

スポーツにおける人権

シュワブUNI世界アスリート部会担当局長は、スポーツ界で起こっている人権侵害、人種差別、契約違反・無視、いじめ、男女格差、プロ・アマ格差等に加え、労働裁判所へのアクセスも拒絶され仲裁メカニズムが存在しない点を問題視した。選手だけでなく、スポーツイベントに関わる全ての労働者の人権が尊重されなければならない。

最後にジェニングスUNI書記長は、運営委員会及びUNI加盟組合のコミットメントに感謝し、1%に偏っている政治・経済的環境で苦しむ労働者のために我々の目標を実現していこう!とまとめた。

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ユニバーサル・ベーシックインカムは、貧困撲滅に役立つのか?

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ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)-個人が就労中か否かに関わらず、世帯所得を保障するという考え方が、最近チューリヒで開催された「仕事の未来」会議の中心的テーマであった。

UBIは何十年も経済界で議論されてきた考え方だが、人間の仕事がますます機械化され、オックスフォード大学等が10~20年以内に雇用の半数が機械化によって失われると予測する時代にあって、再び注目されている。

UBIは様々な政治分野で、熱い議論の的となっている。中でもスイスはUBIの導入を議論しており、今年国民投票を実施する予定だ。オランダでは既に実験的に実施されており、フィンランドでも間もなく開始される。

技術革新と、特に今後数年で急増が予測されている「プラットフォーム・エコノミー」や「シェアリング・エコノミー」における新しい雇用形態の圧力にさらされて、UBIを福祉制度の万能薬と見る向きもある。労働者が短期の不安定な仕事をいくつも抱えているような経済に、いかに福祉制度を適合させるのかという問題は、雇用形態に関わらず毎月の基本所得を保障する議論の中心となっている。

「プラットフォームになり得るものは何でもプラットフォームになる」と、世界最大のカーシェアリング会社ZipCar共同創立者のロビン・チェイス氏は述べる。「父は生涯1つの仕事に従事した。私は一生のうちで6つの仕事をするだろう。娘は同時に6つの仕事をこなすかもしれない。」

チェイス氏は、全ての人がこの状況を好むわけではないことを認識しつつ、プラットフォーム・エコノミーへの移行において、多くの労働者が職を失いそうな状況を受け、UBIの考え方を支持している。

他にも、ギリシャの元財務大臣であり著名なエコノミストであるヤニス・バルファキス氏らは、経済格差が歴史的レベルに達した今日の状況は、UBIを導入するに十分な根拠であると述べる。「UBIは必要だ。」「好むか好まざるかの問題ではない。ベーシックインカムは、富の創出に対して集団で責任を負う国民への配当金だからだ。」

米国のロバート・ライシュ元労働長官は、労働力参加率がここ数年で最低水準を記録し、技術のせいでますます多くの人が低賃金労働に追いやられている事実を指摘する。「格差が生じ、総需要が落ち、不安定になる」とライシュ氏は述べる。「UBIは真剣に考える価値がある。」

UBIで想定される恩恵について、これまでのところ労働組合の中では意見が分かれている。アンドリュー・スターンSEIU前会長は、避けられないほど差し迫った失業の高まりに備えられない危険性を警告している。「10~20年以内に津波のような破壊的状況が押し寄せてきた時、従来の小さな防波堤では持ちこたえられないだろう。」「UBIはこの問題へのまったく異なるアプローチだ。これまで聞いた政策で、UBIがなし得ることを実現できる政策は1つもない。失業保険は必要なくなるだろう。これは選択と自由と機会の問題だ。」

バルファキス氏も、「機械がチューリングテスト*に合格したら、人類史上初めて、雇用破壊が雇用創出を上回る瞬間を目にするだろう」と言っている。(*英国の数学者チューリングが考案した、コンピュータが考えることができるか判定するテスト。)「社会的セーフティネットは人々を支えるのはよいが、貧困から抜け出るには難しい」とつけ加えた。「ベーシックインカムを土台とし、そこから空高く伸びていくと考えればよい。」

スイス最大の労組UNIaのバニア・アレバ委員長は、ベーシックインカムについて懐疑的だ。「議論する価値のあるビジョンだ」としながらも、「しかし、スイスにはきちんと機能している社会保障制度があり、UBIによってこれが脅かされている」と述べる。

英国の労組ユナイト・ザ・ユニオンのアンドリュー・ブレイディ氏は、UBIの考え方に共感しつつも、UBIを特効薬と見るべきではなく、我々を取り巻くニューエコノミーに対する解決策の1つと考えるべきだと述べている。「UBIの計画と運営に労働組合を関与させること、UBIを訓練や再訓練と関連付けること、そしてより高い最低賃金および強力な労働法制と併せてUBIを構築していくことによって、より良い基準を確保し、経済的混乱を緩和することができるだろう」とブレイディ氏は述べた。

スイスは、2016年6月にUBIの国民投票を行う。

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