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UNIとUPU(万国郵便連合)、新しいグローバル協定に署名

クリスティー・ホフマンUNI書記長とビシャー・A・フセインUPU事務局長が2018年10月25日、スイス・ベルンのUPU本部で開催中の管理理事会の場でグローバル協定に署名した。

新しい協定では、郵便部門における持続可能な開発とイノベーションを強化するための、UNIとUPUの協力のアジェンダが盛り込まれている。また、世界の郵便労働者と国際郵便コミュニティーを強い絆で結び、将来的に強化していくことを約束している。

クリスティー・ホフマンUNI書記長は「郵便部門は、現在進行中のデジタル革命により数多くの課題に直面している。しかし本質的な問題の核心は変わらず、それはディーセント・ワークの権利である。UNIは、新しい労働の未来において、革新するための計画、特に郵便ではポテンシャルの高い雇用分野の拡大を歓迎する」と挨拶した。

「郵便部門は世界で最大の従業員である。そして社会における活発な構成員でもある。今回の協力では、各国の郵便オペレーターが職員にどのように仕事をさせるのかではなく、我々がコミュニティーに対してどのようなサービスを提供するかに焦点を当てている」とビシャー・A・フセインUPU事務局長は述べた。

新しい協定は郵便産業の労働者の価値を認め、UNIとUPUが郵便労働者のディーセントな労働条件を促進することに深くコミットすると強調している。

デーブ・ウォードUNI郵便・ロジスティクス世界議長は次のように述べた。「世界には60万もの郵便局があり、地球上の最果ての地域もカバーし、他に比類のない、人的なネットワークを形成している。このネットワークは郵便配達員や郵便内務職員の頑張り、そして、連携とイノベーションの精神によって形成されている。新しい協定は、職員そして私たちのコミュニティーのために郵便産業のスタンダードをおし上げることを約束し、業務を高く評価している」

「UPUは協力と連携を進めるために設立された。そしてUNIは、本協定の原則を実現するためにUPUとの協力に期待している」とコーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長は述べた。

UPUは国連の専門機関のひとつ。世界の郵便事業者間の協力を醸成し、真にグローバルな郵便のユニバーサルネットワークを確保している。

UNIはUPUとその加盟国に関する幅広いステークホルダー団体、UPU諮問委員会の活発な構成員で、毎年ベルンで開催される会議に出席し、規則、総務、法制、法律問題に関する活動や研究を監督している。


第7回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第7回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2018年10月2~3日、「実現しよう!東アジアにおけるパートナーシップ労使関係の普及を目指して」というメインテーマの下、東京の全電通ホールで開催された。日本、韓国、台湾、香港より148人(うち女性49人、女性参加率33%)が出席し、「企業の社会的責任(CSR)」、「職場におけるハラスメント」、「新しい多様な働き方」への対応について、各国・労組が報告を行った。日本からは、14加盟組合より総勢99人(うち女性33人、女性参加率33%)が参加した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、基調講演を行い、UNI Aproは日本に倣って、建設的な労使関係(UNI Aproではパートナーシップ労使関係と呼ぶ)の構築に取組んできたと述べた。とりわけASEANにおいて、労働者や労働組合に、権利を主張するだけでなく労働組合としての責任を果たすよう強く訴え、使用者及び政府にはASETUC(ASEANサービス労組協議会)が信頼できるパートナーであることを具体的な成果をもって示し、毎年ASEAN各国の労働大臣が主催する三者構成対話会議に労働側代表として参加してきた。第4次産業革命で労働市場に劇的な変化が起こりつつある中、政労使の建設的な対話を通じてのみ、労働者や弱者が取り残されない、包摂的な社会をつくることができると強調した。

UNI本部から、クリスティ・ホフマンUNI書記長が初めて本フォーラムに参加し、グローバル枠組み協定(GFA)の概要を説明した。本年6月のリバプール世界大会で書記長に選出されて以来、来日直前にフランスのBNPパリバ銀行、同じくフランスのカジノ大手パルトゥーシュとそれぞれGFAを締結し、翌週には既に締結されているカルフールとの協定を更新する。グローバル協定に詠われる内容は、ILOの中核的労働基準の遵守、人権、平等、多様性の尊重、環境への配慮等、社会的課題への取組みをUNIや加盟組合と共同で宣言するものである。続いて日本企業としてUNIとGFAを締結した髙島屋とイオンの労働組合から、その経緯や締結後の実施状況について具体的な報告を受けた。髙島屋労働組合の橋本国際局長から、組合の社会的責任を果たす活動の1つとして、日本初のグローバル協定を締結するまでの経緯を聞いた。締結が目的ではなく、スリーピング協定にしてはならないとの決意で、労使それぞれの立場から内外に向けて理解浸透を図る活動を継続している。また、イオングループ労連の村上国際局長からは、海外拠点における現地労働者への連帯支援の取組みを通じて、各国労働者の条件改善と企業の発展に寄与している事例の報告を受けた。

また、凸版印刷株式会社・人事労政本部の吉田労政部長から、労使が協力して推進している「働きがい」を高める取組みについて聞いた。これを受け、凸版印刷労組の佐藤委員長は、「労使が対立していた過去の経験を教訓にして、現在の良好な労使関係がある。労使が目指す方向は同じであり、互いの立場を尊重し、コミュニケーションをとりながら進めていくことが何より重要だ」と述べた。

「企業の社会的責任」のテーマでは、この他、自動車総連、韓国KFIU、韓国KHMU、台湾PTSFEU、香港RCCIGU、マカオ・ゲーム労組、ネパールから事例報告を受けた。

「職場におけるハラスメント」のテーマについては、井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長から、導入報告を受けた。井上局長は、「男女ともに暴力やハラスメントの対象になり得るが、地位や力関係が平等でない場合、とりわけ女性や性別規範に合致しない立場の弱い人々が対象となりやすい」と述べた。職場におけるあらゆる種類の暴力とハラスメントを根絶するため、ILO総会で条約・勧告の制定が議論されており、そのプロセスや各国政労使の異なる論点、日本政府の態度や連合の取組み等について詳しく聞いた。続いて各国代表によるパネルディスカッションが行われた。UAゼンセンと香港ディズニーランド労組は顧客からのハラスメント、韓国HKMUと台湾CPWUはセクハラに関して、それぞれ現状、組合の対応と今後の取組み等を報告した。これまで被害者が泣き寝入りするしかなかったハラスメントを組合が取り上げ、使用者や政府と協力して世論を喚起し、必要であれば法制度を変える等、社会を巻き込むアクションの必要性が強調された。

「新しい多様な働き方」のテーマについては、情報労連から「働き方改革」をめぐる日本の状況として、本年6月に成立した働き方改革関連法案の内容について報告し、実現に向けては、労使が共に法を理解し運用するための集団的労使関係が不可欠だと述べた。続いて、損保労連、JP労組、韓国KPWU、台湾CTWU、香港BMSWGUからそれぞれ事例報告を受けた。

参加各国は情報交換を通じて、労使関係は対立から協調へ、労使のパートナーシップが不可欠であるとの認識を再確認した。最後に共同声明を採択し、本フォーラムを継続して情報交換を進めると共に、各国において労働者の利益・権利の向上と社会的影響力の強化に引き続き取組んでいくこととした。

 

 


第16回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラム

第16回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラムは、2018年10月1日、東京で開催された。本フォーラムは東アジア地域にける郵便労組の友好・信頼関係の醸成と、郵政事業を取り巻く情勢の共有のため、2002年から日本・韓国・台湾の持ち回りで開催している。3カ国の郵便労組から約65人が出席、JP労組からは増田JP労組委員長はじめ全国から約40人が出席した。海外からは韓国郵政労組、中華郵政工会、UNI本部及びUNI Aproが出席した。午後にはパネル討論を開き、「Eコマースと労組の対応」というテーマで、各労組のプレゼンテーションと質疑応答及び討論を行った。

増田委員長は、開会挨拶で「日本郵便では郵便物が減少し、ゆうパックを主とする荷物、つまり物流へとシフトが進んでいる。郵便業で働く私たちは日本有数の長時間労働の職場にいる。郵政事業が将来、現場の社員に過重労働かつ低い賃金を強いるようなビジネスモデルになってしまっては、事業発展にはおのずと限界がある」と危機感を示した。そして「『水道、電気、ガス』に続いて『郵便』が私たちの生活の中で欠かすことのできないインフラの一部となり、Eコマースや物流の増加をてこに今後も郵便局が重要な『社会インフラ』としての役割を果たしていくにはどうすればよいのか。本日のテーマであるEコマースが事業の発展と将来の私たちの働き方の両方にこれまで経験のない変化をもたらすことは明らかである。東アジアの郵政労組としてどのように対応していくのかを考えていきたい」と述べた。

フォーラムには日本郵便株式会社から米澤友宏・日本郵便代表取締役副社長兼執行役員上級副社長が「日本郵便における新技術の取り組み」と題した基調講演を行った。

クリスティー・ホフマンUNI書記長は連帯の挨拶の中で、「世界120カ国に郵便労組がUNIに結集している。郵便産業は新しい技術の影響が大きい部会である。私たちは団結しグローバルな行動を取り、より良い労働条件のためにみなさんと草の根のレベルから組合を強くし、ともに闘っていきたい」と述べ、参加者を激励した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は自身の長年の経験から、労使関係に「付加価値」としてパートナーシップ労使関係を加え、企業の成長・発展と労組の組織化を両立させた経験に触れた。そして、APPU(アジア太平洋郵便連合)とUNI Apro郵便・ロジスティクス部会との覚書に基づく社会対話をさらに促進するために、パートナーシップのための対話を行うことを訴えた。

午後のパネルディスカッションでは、各国労組からEコマースに関わる報告を受けた。韓国KPWUのイ・ヘンム広報部長は、韓国郵政のEポスト(オンラインショッピングシステム)により様々なサービスを提供している状況を報告した。台湾CPWUのリー・ポーハン企画部長は、中華郵政が物流増や新サービスに対応するための大型物流ハブを建設し、業務の転換を進めている状況を説明した。JP労組の石川書記長は、日本のEコマース拡大と社会構造の変化がもたらす諸課題に触れ、労組が取り組む雇用形態による格差解消を目指す状況について発表した。質疑応答ではのべ14人から質問が出された。

小売業売上高に占めるEコマース化率は、日本はわずか5.8%、台湾8.7%である一方、韓国は18%、中国ではすでに20%に達している。郵便産業では荷物量増加に伴う人手不足や長時間労働、サービス水準や料金設定等の問題が各国で濃淡はあるものの深刻化している。Eコマースの成長がもたらすプラスとマイナスの側面とも、一国、一企業だけの問題ではなく、産業全体の問題として取り組んでいくこと、そして労働組合が労働者の処遇や労働条件を守るために声を上げ続けることがさらに重要となる。


UNI、高校生平和大使の訪問を歓迎

長崎・広島、他からの高校生平和大使20人と被爆者及び関係者が、今年もスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れ、アルケ・ベシガー副書記長をはじめ本部スタッフの歓迎を受けた。高校生平和大使は2018年度ノーベル平和賞候補に選ばれている。

第1世代から第2世代、第3世代、第4世代の被爆者は、1945年8月の広島、長崎への原爆投下による重大な教訓を語り継ぎ訴えている。平和大使は毎年、ジュネーブの国連本部に、核兵器廃絶を要求する署名を届けており、その際、UNI本部も訪れている。

UNIが2010年に長崎で世界大会を開催したことがきっかけで、平和大使とUNIの交流は始まった。高校生平和大使によるUNI本部訪問は10年以上続いている。長崎世界大会に世界中から集まった2,000人を超える大会参加者は皆、新たな「平和大使」となって帰国した。

若い平和大使の1人は、被爆者が高齢化し亡くなっていく中、自分たちは恐らく被爆者から直接体験を聞くことのできる最後の世代だろう、だからこそ後輩に語り継ぐ責任があると述べた。同席したUNI本部スタッフは、原爆投下とその後の恐ろしい体験を聞き、まるでその場にいるかのように感じた。別の平和大使は、核兵器廃絶を実現するまで決してあきらめないと語った。この「夢」は、昨年、核兵器禁止条約が国連で採択されたことで、一歩前進した。

ベシガー副書記長は、「UNIは皆さんや他の平和を願う組織と共に、国連核兵器廃絶条約の完全実施を政治家に強く求めていく。今年6月にリバプールで開催されたUNI世界大会でもUNIファミリーは、核兵器の無い世界の実現に向けた決意をあらためて示した。労働組合運動は平和運動と一体となって、取り組んでいく」と約束した。

UNIのブレイキングスルー戦略は、国際的な核軍縮の動きを支持している。UNIは、国連核兵器廃絶条約の採択を後押ししたことで、昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及びIPB(国際平和ビューロー)のメンバーでもある。

 


広島、長崎への原爆投下から73年、犠牲者を追悼

広島と長崎は、2018年8月6日と9日、21万人を超える尊い命を奪い、多くの負傷者を出した原爆投下から73年目を迎える。被爆後、生存者の多くが癌や白血病等、放射能の後遺症に苦しんでいる。

今年、リバプールで開催されたUNI世界大会では、UNIファミリーが核兵器の無い世界の実現に向け、誓いをあらたにした。

UNIは2010年に長崎で第3回世界大会を開催したことがきっかけで、長崎との交流を始め、平和運動に深く関わってきた。長崎世界大会に参加した2000人を越える代議員は、被爆者の体験を直接聞き、原爆資料館を訪れて原爆の恐ろしさを実感し、平和大使となって、その経験を各国に語りついでいる。

2017年7月、国連は核兵器禁止条約を採択した。この歴史的な条約は、核兵器とそれに関する全ての活動を禁止するものである。核兵器禁止条約は、50カ国が批准すると発効する。世界の指導者達は、核兵器のない未来を求める被爆者の叫びや世界中の市民の訴えに真剣に耳を傾けるべきだ。UNIは、核兵器禁止条約の採択を後押ししたことで2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及び世界最古の平和組織IPB(国際平和ビューロー)の運動を支持し、メンバーになっている。

1945年8月に広島で被爆したサーロー節子氏は、2017年12月のノーベル平和賞受賞スピーチで、「その一人ひとりには名前がありました。一人ひとりが、誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしてはなりません」と訴えた。

 

 


UNI Apro/APPU/SEWU-THP共同セミナー開催、アジアの郵便労組の若手リーダーを育成

標記セミナーは開催地タイを含む9か国、12労組から16人の参加者(うち女性が7名)が出席し2018年7月10日~14日、バンコクのAPPU(アジア太平洋郵便連合)で開催された。JP労組からは野本美穂・信越地方本部組合員、伊藤佑真・広島北支部執行委員の2人が参加した。標記セミナーはJP労組の国際活動資金からの支援を受けて毎年開催され、アジア太平洋地域の若手郵便労組役員の育成を第一義においたセミナーである。一般の現地開催セミナーとは違い、公用語を英語とし、参加者がAPPU事務局長及び研修部長からの講義、更にタイ郵便労組との共同セミナーの全日程を英語で行う、郵便・ロジ部会では唯一のセミナーとなっている。また、リンAPPU事務局長とは、来年のセミナーについては2019年7月の開催に向け調整を行っていくことで合意した。

UNI Apro/APPUジョイントセミナー(2018年7月11~12日)

開会式ではリン・ホンリャン事務局長が「今セミナーはAPPUとUNI Aproとの間で長年開催されており、すでに長い伝統を持ち、毎年成功を収めている。2日という短期間ではあるが、効果的なプログラムを用意している。みなさんと協力してセミナーを成功させていただきたい。」と述べ、大崎部長は「UNIは皆さんのこと。皆さんが強くなれば、UNIも強くなれる。今セミナーでは郵便事業の将来や最新のイノベーションなど、事業や仕事の変化に加え、グループワークを通じたチームワークなどについて学ぶことになる。皆さん一人ひとりの能力開発を主目的としているが、参加者間のネットワーキングも重要な目的の一つ。また、英語でのコミュニケーションについても、失敗を恐れず積極的に取り組み、参加者一人ひとりが今後の組合活動においてもよい影響を与え合ってほしい。」と述べ、参加者を激励した。

セミナーでは、リン事務局長から「グローバルな郵便を取り巻く環境とUPU、APPUの役割」、アミタフ・シン研修部長から「新しい経済での郵便事業、将来のビジネスモデル」、「現代の人事管理」、「問題を解決するための議論:グループワーク」、タイポストの経営側から「タイポストの郵便・ロジスティクス戦略」、大崎部長から「UNIとUNI Aproと私たちの活動」などの講義が行われた。セミナー最終日には敷地内のラクシ・メールセンター及びバンコクEMSセンターを見学した。またセミナー中は参加者を4つのグループに分け、数字を使った問題に対し、グループで話し合いながら得点を競い合うなど、英語を使って議論し、協力を進め、チームワークを培うセッションも豊富に行った。

UNI Apro/SEWU-THPジョイントセミナー(2018年7月13~14日)

7月13~14日はUNI Apro/SEWU-THP(タイ郵便労組)の共同セミナーが同じAPPU講堂で開催された。UNI Apro/APPU共同セミナーに参加した16人及びタイ郵便労組から約40人、UNI Aproスタッフ等計60人が参加して開催された。冒頭、ウィラート・カルンサスム委員長の提案により、参加者全員で日本の豪雨災害による犠牲者に対し黙祷を行った。ウィラート委員長は開会挨拶で先頃タイ北部の洞窟で遭難した少年サッカーチームの救出に国際的な支援を多く得たことに触れ、「今回の豪雨災害によって被災された日本の皆さんに対し、お返しに私たちからも支援を行いたい」と述べた。そして休憩時間には参加者全員から被災者に向けた義援金を集めた。また、ウィラート委員長は「タイ郵便労組の挑戦」と題し、タイ郵便労組の現状と直面する課題についてUNI Apro参加者に向け報告した。委員長は、タイでは郵便事業は単一労組であるSEWU-THP労組が約70%の組織率を誇り、約13,000人を組織している。国営企業であるタイポストの経営は安定しており、毎年、利益を政府に還元している。SEWU-THP労組は利益に見合った職員の賃金アップ、有休増加、福利厚生の充実を求めている。しかし、タイでは汚職などの不正行為が多く存在している。タイポストの事業はまだまだ改善できるし、郵便事業の持続可能性を高めていくためにも、労使が真に手に手を取って改善していきたい、と語った。

今回のセミナーのテーマは各国の「労使関係」についてであった。まず、参加2カ国にインタビュー形式で、労使関係についての質問を行った。まず、マレーシアUPCWからの参加者3人に対し、「マレーシアの郵便労組について」、「労使交渉のやり方について」について、司会の大崎担当部長が各労組からの参加者にインタビューする形で行い、その後会場からの質疑応答を行った。また、先月16日間ものストライキを26ある全スリランカの郵便労組で行った。3つのスリランカの加盟組織には「どうしてストを行ったのか」、「ストで得られたもの・失ったもの」、「26の全労組がどのように協力したのか」、「ストライキの成果と課題」等について質問が多く出された。スリランカの今回の郵便ストは、職員の昇進と賃金アップを求めるものであった。スリランカでは管理職も労組加入しており、全郵便労組が協力しストライキを決行したとのことであった。午後は参加者全員を3つのグループに分け、職場や労組が取り組む課題を話し合った。それぞれタイ語-英語の通訳を配置し、タイ郵便事業の課題(機械化で職員数が減り、また若い職員の採用希望が減っており、下請け労働者が増えている等)や各国共通の課題について理解を深める場となった。大崎担当部長は、アジアの各労組は同じ方向を向いており、お互いが協力し、話し合うことでそれぞれの組合を高めることができる。今日のセミナーを突破口に、皆さんが職場に戻った後も引き続き努力を続けてほしい、とセミナーを締めくくった。


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

2018年7月25~26日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJより宮井副議長(損保労連中央執行委員長)を団長に講師4人と小川事務局長が参加した。これに先立ち7月21~22日にUNI Apro組織化訓練を開催した玉井組織化キャンペーン担当部長も参加した。

70年続いた社会主義体制から1990年代に民主化されたモンゴルにおける労組強化支援は、UNI-LCJ結成以前の旧FIETから受け継がれたプロジェクトである。当時の労組リーダーも会社を退職する年齢となり、社会主義時代の労働組合を知らない若い労働者が増える中、労組も若年層の組織化と育成を目指した新しい運動が求められている。「2015~2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの労組支援について、「パートナーシップ労使関係」の理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への招聘プログラム(2017年)を実施することとし、今回は4か年プロジェクト最終年の現地セミナーとして開催された。

セミナーはモンゴルのナショナルセンターであるCMTUの会議室において行なわれ、UNI-LCM加盟組織(モンゴル郵便労組、モンゴルテレコム統一労組、ネットコム労組、ゴビ労組、ペトロスター労組)及びモンゴル運輸・通信・石油労連と、未加盟のチンギスハーン国際空港サービス労組から、組合役員・若手組合員ら約30人が参加した。

オユンバヤールUNI-LCM議長の歓迎挨拶に続き、UNI-LCJ代表団を代表して宮井団長が挨拶し、長い交流の歴史を振り返ると共に、参加者の積極的な意見交換に期待した。小川UNI-LCJ事務局長は、UNI、UNI Apro、UNI-LCJの概要や主な活動を紹介した。

宮井団長から「日本の労働運動、経済、社会」について概説した後、2グループに別れ、両国における「ワークライフバランス」、「若い世代が持つ労働組合のイメージ」について議論した。

「パートナーシップ労使関係の構築」のテーマでは、大方講師(情報労連)が労使協議について、岡田講師(JP労組)が団体交渉について各組織の経験を紹介し、モンゴル側からは運輸・通信・石油労連のボールドサイハン組織化担当が、モンゴルにおける労使関係について報告した。続くグループワークでは、モンゴルにおける「労使コミュニケーションの現状と改善点」、「各労組における団体交渉の成果」を共有した。

「組織化」のテーマでは、ガントゥルガ・ゴビ労組委員長がゴビ労組における組織化の現状と課題について報告し、日本からは、鈴木講師(UAゼンセン)がUAゼンセンの組織化の特徴と青年・女性の組織化について、宮崎講師(自動車総連)が組織化の意義や自動車総連における具体的な取組みを紹介した。続くグループワークでは、「組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ」、「若年層の組織化」について、日本人講師のアドバイスを受けながら、議論した。

急速に変化する社会・経済に合わせ、いかに社会主義時代の労働組合(例えば、組織拡大に貢献した人に報奨金が出る等)から脱皮するか。低賃金で、大学を卒業しても希望の仕事に就けない、生活のためにより良い賃金の仕事へ転職しがちな若年層の声をいかに取り上げるか。「モンゴルの若年層にとって、ワークライフバランスより生活が第一。低賃金の若年労働者は、組合費を払うメリットを重視しがちだ」という背景には、組合活動が組合費を長年払った組合員中心になっているとの不満がある。「組合はメリット・デメリットで運営されるものではない。困っている人を助け合う組織だ」、「賃上げ要求だけでなく、労働組合が生産性向上や職場の改善に貢献していることを会社に理解させることが重要」、「会社は短期的な業績を競うが、組合は長期的な視点を持つべき」、「組合員への活動の見える化が大切」という日本人講師のアドバイスは、初めてセミナーに参加したモンゴルの若手組合員に、組合に関する新たな概念を与えた。

UNI-LCJ代表団はセミナー前に、日本大使館を訪問し林参事官からモンゴルの政治・経済・社会全般についてレクチャーを受けると共に、日本式の小・中・高専の一貫教育を行なう新モンゴル学園を視察した。セミナー後には、モンゴル郵便、モンゴルテレコム、ネットコム、ゴビ・カシミア工場等の職場を視察し、意見交換を行った。また、大草原の伝統的なゲルに宿泊し遊牧民の生活を体験すると共に、UNI-LCMメンバーの温かいもてなしを受け、両国の労働運動に取組む仲間としての絆を深めた。

 


UNIの世界の仲間からお見舞い

「平成30年7月豪雨」の被災者・犠牲者に対し、海外のUNI加盟組織からお見舞いやカンパが寄せられている。

7月13~14日にタイ・バンコクで開催されたUNI Apro/SEWU-THP(タイ郵便労組)共同セミナーでは、ウィラートSEWU-THP委員長がセミナー開会挨拶で「今回の豪雨災害によって被災された日本の皆さんに対し、カンパを行いたい」との提案を受け、参加者全員による黙祷後に義援金を集めた。また、SEWU-CAT(タイテレコム労組)サンウォン委員長らが労組で集めた義援金を持ち寄り、JP労組から同セミナーに参加していた野本美穂、伊藤佑真両参加者へと手渡した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長よりメッセージ

日本の兄弟姉妹の皆さん、

記録的な豪雨により、過去30年でも最悪の規模の洪水と土砂崩れが日本で発生し、200万人もの人々に避難勧告が出たこと、多くの犠牲者が出たことを報道で知り、大変心配しております。

この試練の時にある日本の兄弟姉妹の皆さんに思いを馳せ、愛する家族や住む場所を失った方々や、多くの困難に直面するコミュニティにお悔やみとお見舞いの気持ちをお送りしたいと思います。

報道を通じ、生存者や行方不明者の捜索に多くの人々が関わり、また、避難中の人々や愛する家族を失った人々を懸命に助ける姿を拝見しました。とりわけ、UNI-LCJの皆さんが、復旧・復興活動に大変重要な役割を果たされていることに敬意を表します。郵便や流通ネットワークを通じて必要な物資を届け、破損した情報通信インフラを再建し、メディア・印刷等を通じて必要かつ正確な情報を迅速に配信し、復興段階では保険をはじめ金融機関が支援の手を差し伸べるなど、皆さんが一緒になって復旧・復興を実現しよう(Making it Happen!)としています。

私たちの思いは皆さんと共にあります。何かお役に立てることがありましたら是非お知らせください。

 

シャンカール・ラミッチャンUNIネパール加盟協議長よりメッセージ

日本を襲った大規模な洪水と土砂崩れの報に接し、心よりお見舞い申し上げます。

ネパールUNI加盟協を代表し、また、私個人としても、豪雨と地滑りにより被災された方々にお見舞いと、お亡くなりになった方々に哀悼の意を表します。

自然災害は、予測や予防することができません。今回の被災地の報道を拝見し、2011年に日本で起きた大地震と津波のことが思い出されました。この大災害により、愛する人、友人、家族を失った悲しみはいかばかりかとお察しいたします。

亡くなられた方、怪我をされた方、家屋の被害に遭われた方に対し、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げると共に、被災地の1日も早い復興を切に願っております。

日本の皆さんが非常に勤勉であることを、私達はよく知っています。間違いなく、日本の精神と結束が、この大災害からの復興を前進させることでしょう。

UNIネパール加盟協とネパール国民は、困難な局面にある日本の皆さんをいつも心に留めています。

連帯をこめて

 

この他、タイCATテレコム労組、及びバンコクで開催されたUNI Apro郵便・ロジスティクス部会/APPU共同セミナー参加者から、JP労組の参加者にカンパ金が手渡された。


UNI Apro、APPU執行理事会にオブ出席

UNI Aproは2015年を最後に途絶えていたAPPU(アジア・太平洋郵便連盟)執行理事会に3年ぶりに招待され、大崎佳奈子UNI Apro郵便・ロジスティクス担当部長がベトナム、ダナン市で開催された表記会議(2018年6月25~28日)にオブザーバーとして出席した。

2017年にイラン・テヘランで開催されたAPPU大会議後初となる執行理事会には、加盟32カ国中、23カ国、約200人が出席した。本会議は、郵便事業体、郵政事業を統括する省庁関係者の会議である。

開会式ではグエン・ミン・ホン・ベトナム情報通信省副大臣が開会の挨拶を述べた。また、ファン・アン・トゥアン・ベトナムポスト社長も出席した。会議にはビシャ・フセインUPU事務局長も出席し、開会に際し、中国のEコマースの2桁成長を代表例に成長を続けるアジア太平洋地域でAPPUが取り組む優先事項や、統合された郵便サプライチェーンのアプローチの重要性を強調した。また南太平洋の島国向けの自然災害リスクマネージメントプログラムについて、日本政府からの財政支援に感謝した。

会議はテーマ別会議と全体会議に分けられ進行された。テーマ別会議はオブザーバーやテーマ別会議のメンバー国以外には非公開となり、オブザーバーは全体会議のみの出席となった。

初日の全体会議のAPPU活動報告では、リン・ホンリャンAPPU事務局長が、APPUの研修機関でUNI Apro郵便・ロジスティクス部会と毎年開催しているセミナー、及び昨年12月に東京で締結したUNI AproとAPPU間の了解事項覚書についても報告した。その他に全体会議では、APPU財政報告、アジア太平洋地域技術センター(RTCAP)、財政委員会、APPU理事会、APP(APPU関連団体)、物流サービスとEコマース作業部会、郵便金融サービス作業部会、市場開発とEサービス作業部会、サプライチェーン統合作業部会、APPU/UPU改革作業部会、UPU総務委員会作業部会、今年9月にエチオピアで開催されるUPU臨時大会での重要協議事項等の報告等について、各部会を担当する議長国から簡潔な報告が行われた。

UNI Aproは、2016年のAPPU執行理事会(マレーシア・ランカウイ)、2017年のAPPU大会議(イラン・テヘラン)にオブ出席できなかった。この間、JP労組の支援を得て、APPU事務局長をはじめ、多方面へのロビー活動、昨年末に再締結されたUNI AproとAPPU間の了解事項覚書、そして毎年開催しているUNI Apro/APPU共同セミナーなどの共同イベントが功を奏し、今回のオブ参加に大きく作用した。

今回、オブザーバーとして執行理事会に出席する機会を得られ、UNI Aproは本会議に参加していた労組はあるがUNI Aproに未加盟または郵便労組自体が存在しない国にむけ組織化の可能性について働きかけた。また、現在UNIを一時的に脱退している郵便労組の動向の情報収集にも努めた。このように、APPU執行理事会は重要な情報収集の場であり、来年も引き続き出席できるよう、関係各所に働きかけていきたい。

次回APPU執行理事会は2019年9月に日本で開催される。


コルティナ新UNI会長にバトンタッチ

第5回UNI世界大会の最終日、ルーべン・コルティナ氏が新たなUNI会長に選ばれた。幼い頃から苦労が絶えなかったが、コルティナ氏はアルゼンチンの労働運動で頭角を現し、2003年にUNI米州地域会長に就任すると、ラテンアメリカにおける組織化と組合強化を主導してきた。

4年間UNI会長を務め、今回退任するアン・セリン会長は、アルゼンチンの商業部門から始まり、30年に渡ってラテンアメリカの労働運動に影響力を及ぼしてきた同氏の多大な貢献と揺るぎない決意に敬意を表し、「ここでコルティナ氏に引き継げることを嬉しく思う」と述べた。セリン会長は、癌と闘いながらも、指導体制移行期のUNIを支えてきた。

コルティナ新会長は就任演説で、将来の世代のための労働組合の戦略的行動の必要性を強く訴えた。「問題の原因究明はよいが、変化のための行動を起こさなければ意味がない。不確実性を排したいなら、明確なビジョンと計画に基づいた行動を起こさなければならない。政治家が行動するだろうと座って待つ余裕は無い。」

「どの多国籍企業の門戸も叩き、プラットフォーム経済の隅々まで出かけて行く。子供達に寄り添い、子供達が働かなくて済むようにする。働く女性に寄り添い、賃金格差を埋めていく。青年に寄り添い、将来の機会を与える。必要とされるところへは、どんなに遠くても出かけて行く。世界中の2000万人の兄弟姉妹のために、UNIはある。」

「我々は、団結と平等のために闘う。我々のために誰かが社会正義をもたらしてくれるわけではない。我々自身で共に社会正義を構築していこう!」

コルティナ氏は、家族とアルゼンチン商業サービス労連(FAECyS)、UNI米州地域組織、UNI本部、そしてUNI加盟組織からの支援に感謝した。

ホフマンUNI書記長は、セリン会長とコルティナ新会長が何年にも渡りUNIの目標達成に貢献してきたことに心から感謝した。

世界大会はまた、各地域を代表する副会長と内部監査も選出した。UNI Aproからは、増田光儀JP労組委員長がUNI Apro副会長に選出された。

 


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