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「公共善のための団体交渉」世界経済フォーラムでUNIのメッセージを発信

5月下旬にダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会において、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ウクライナ戦争による生活費の高騰に人々が直面する中、団体交渉、エッセンシャルワーカーの再評価、税制による富の再分配の重要性を改めて訴えた。

ホフマン書記長は、スイスの山村で開催された世界経済フォーラムにおいて、今年のテーマ「歴史的転換点」を念頭に、次のように訴えた。

「世界的に、労働者は転換点にいるのではなく、危機的状況にある。厳しい経済状況の中、もう何年も苦しんでいる。今こそ、政界・財界のエリートの行動と政策に、この現実を反映させるべき時だ。各国で物価上昇が賃金上昇より速いペースで進み、またプライバシーを侵害するようなテクノロジーが、労働者に対する圧力を高め、労働基準を引き下げている。労働者の権利に対する攻撃は強まり、企業の権力はこれまでになく少数の手の中に集中している」

また、アイルランドのレオ・バラッカー元首相も参加した『エッセンシャルワーカーの再評価』と題するパネルにおいて、同書記長は、「団体交渉が公共善であるとの認識が、パンデミックで社会が得た重要な成果でなければならない。労働組合はパンデミック時に、エッセンシャルワークを変革し、エッセンシャルワーカーを保護するために基本的な役割を果たしてきた」と強調した。

また、すでに危険なほどの資金不足・人員不足に陥っていた介護施設部門に対する投資の欠如が、パンデミックによって露呈したことをふまえ、「介護部門への投資は、さらに多くの女性が労働市場に参入する上で不可欠だ」と述べ、「だがいずれにしても、介護部門にはもっと資源を投入し、介護の仕事を良い雇用にしていく必要がある」と主張した。

2つ目のパネル『ハイブリッド・ワーキング:次に起こること』の中で、ホフマン書記長は、ほとんどのエッセンシャルワーカーにとって、選択肢は職場に出勤する以外にないが、一方で、多くの労働者が劣悪な状況でリモートワークに従事していることも指摘した。そして、コールセンター業界で働くUNI加盟組織の組合員の事例を紹介し、在宅勤務中の監視強化や人工知能による過剰な監視にさらされている状況を踏まえ、「我々が望むのは、新たなテクノロジーが、懲罰的で、プライバシーを侵害するような管理技術をデフォルトとするようなことではない」と述べ、「そうではなく、我々が望むのは、新しいテクノロジーによって繁栄が皆に共有されるようになることだ」と力説した。

さらに同書記長は、リモートワークに保護措置を講じる必要性についても提起した。多くの労働者が職場での勤務時間よりも長い時間をリモートで働く中、労働時間に際限がなくなる事態を避けるためだ。さらに、女性は育児や介護といった家庭の責任を背負っているがゆえに在宅勤務の柔軟性を活用する傾向があるが、意思決定のプロセスから孤立したり、昇進の機会を逃したりすることがないよう、対策を講じる必要があると指摘した。

ダボス会議でも、ウクライナ戦争は議論の焦点となった。戦争で貧困と所得格差が拡大し、経済的苦境がもたらされるのであり、雇用、賃金、労働条件を守るため、労働者の組織化はこれまで以上に重要性を増している。


独アマゾン労働者、透明性の問題でスト実施

ドイツの労働組合ve.rdiの支援を受け、同国のアマゾン労働者は、賃上げと個人情報保護の改善を求めて、国内の7つの倉庫でストライキを実施した。

ドイツでは、賃金が生活費の上昇に追いついていないこともあり、アマゾン労働者は何年も団体協約を求めて闘ってきた。多くの従業員は、アマゾンの拠点(その多くは大都市圏外に位置する)へは自動車で通勤している。記録的な利益を計上しているにもかかわらず、同社は団体交渉による確実な賃上げを拒否し続けている。

今回のストライキは、データの透明性について改善を求める国際的な動きを受けたものだ。今年3月には、UNIおよびプライバシー権について取組むNGOのnoyb.euの支援を受け、ドイツ、英国、イタリア、ポーランド、スロバキアのアマゾン倉庫労働者が、EUの一般データ保護規則(GDPR)に基づき、巨大テック企業による労働者の個人データの扱い方を確認するため、GDPR第15条の下、アクセス要求を提出している。

アマゾンは高度なシステムを使ってワークフローを監視しているが、労働者は自身のデータがどのように使用されているのか、何も知らされていない。ドイツの労働組合ver.diの労働者代表を務め、アクセス要求を提出した一人、アンドレアス・ガングル氏は「アマゾンは世界最大級の企業かもしれないが、我々のデータをアルゴリズムに利用し、データを使って片っ端から解雇したりと、勝手なことをすることはできない。我々には労働者としてプライバシー権があり、知る権利もある」と述べている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「我々は、賃上げと透明性の工場を求めてストを決行しているver.diの組合員を支持する。労働者には、アマゾンがEUデータ保護法に違反し、動画や音声の録音、ソーシャルメディアからの情報、組合員に関する情報、その他の個人データを収集しているかどうかを知る権利がある」と、述べた。


第30回UNI Apro執行委員会、戦略目標、政策活動、アドボカシー活動の強化を確認

2022年4月20~21日、標記会議が開催され、12か国の組合指導者が地域全体の動向を共有し、組織化や団体交渉の拡大、また民主主義や人権、連帯の強化に向けた取組みを再確認した。

会議の冒頭、松浦昭彦UNI Apro会長は、COVID-19の犠牲になったすべての人々、組合員、労働者、ミャンマーの軍事クーデターと最近のロシアのウクライナ侵攻によるすべての民間犠牲者に追悼の意を表した。また、3月に64歳で亡くなったヤン・ビョンミン韓国金融労組(KFIU)前委員長を偲んだ。

会議のハイライト

松浦UNI Apro会長、クリスティ・ホフマンUNI書記長、ゲストスピーカーの吉田昌哉ITUC-AP書記長は、過去1年間にアジア太平洋地域で起きた民主主義と労働者の権利に対する攻撃に関して、最近の情勢に触れた。

香港、アフガニスタン、ミャンマー、フィリピンでは、労働組合と組合員は依然として厳しい圧力下にあり、またインドやインドネシアなどの国では、労働者の権利が損なわれる危険性がある。

世界的に見ると、新たな危機が人々の関心をパンデミックから遠ざけている。ロシアのウクライナ侵攻によって世界秩序に混乱と再編がもたらされ、世界経済に影響を与えるだろう。これらの新しい地政学的・経済的課題に加え、労働組合運動は、組織化と組合強化という既存の優先課題に引き続き取組みつつ、パンデミックによる現在進行中の問題に対処する具体的な措置を講じ続ける必要がある。

UNI Aproの組織化・組合強化計画

会議では、今後数年間の新たな組織化計画が承認された。この中には、他地域のUNIの組織化センターをモデルとして、南アジアと東南アジアに2つの組織化センターの設立が含まれている。また、地域の加盟組織のオンラインでの組織化活動を補完・支援するために、デジタルオルグ担当が配置される。

UNI Aproは引き続き、安全で持続可能な雇用の創出に向けて、建設的な社会パートナーシップと労使関係を追求し、グローバル協定の効果的な実施と、多国間ガイドラインを組織化ツールとして活用することによって、これらの取組みを強化していく。

またUNI Aproは、パンデミックの沈静化に伴い、UNIと連携して、地政学や気候変動の観点からの正義や、その他の現代的課題に関する政策提言活動に再び力を入れていく。加盟組織が集中的に関わりながら、アジア太平洋の文脈に適した政策の方向性を打ち出していく予定だ。

加盟組織からの報告

会議の中で加盟組織は、直面する課題と獲得した成果について報告した。

ネパール唯一の金融労組であるFIEUNは、組織化イニシアティブを通じたUNI/UNI Aproの支援により、2021年にはUNI加盟人員を400%近く増やすことに成功した。台湾のテレコム労組であるCTWUは、中華テレコムの再編計画について組合と対話するよう圧力をかけるべく、ストライキを開始したにもかかわらず、賃上げと複数の手当を獲得したと報告した。

また、自国の労働者の権利にかかわる法律について、前向きな動きを報告した加盟組織もあった。

インドネシアの憲法裁判所は2021年末に、雇用創出に関するオムニバス法は違憲であり、2年以内に是正する必要があるとの判決を下した。ASPEKインドネシアは、この展開を注意深く見ており、労働者の権利を害する法律の条文が削除されるよう、関係する全ての社会パートナーと対話している。

ベトナム情報通信労組(VNUICW)は、最近の労働法改正により、どの産別交渉単位でもカバーされていない労働者への福祉給付の適用が拡大されたことを紹介した。残業時間の上限は、ほとんどの産業で年間200~300時間となっている。また、同国は2023年にILO第87号条約(結社の自由及び団結権の保護)を批准予定だ。

同様に、韓国の金融産業労組(KFIU)は、2022年4月20日にILO第29号条約(強制労働の禁止)、87号条約(上記)、98号条約(団結権及び団体交渉権)が発効したと報告した。これらの条約は、韓国の組合が国内法や政策について改善を要求していく力をさらに強化するものとなる。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)は、商業労働者に対する第三者からの暴力に対する罰則を強化する法案が成立したと報告した。同様に、多くの加盟組織が、ILO第190号条約の批准に向けて、自国政府への働きかけを行っている。

民主主義、人権、労働組合の情勢について

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がミャンマーの最新情勢を報告し、同国に関する新たな声明が全会一致で採択された。声明は、2021年2月1日の軍事クーデターに対する非難を改めて表明し、国際的・地域的な努力にもかかわらず、1700人以上が殺害され、数万人が恣意的に拘束され、40万人以上が避難している状況が改善していないことを指摘した。また、アジア太平洋地域のすべての指導者に対し、民主的に選出された文民指導者に政権を返還するようミャンマー軍事政権への圧力を強化すること、またグローバル及び地域の企業に対しては、ミャンマー国民の人権に対する軍事政権の攻撃に資金提供するような事業を一切行わないよう求めている。そして最後に、ミャンマーのすべての人々に対する連帯を再び強調した。

この声明を地域の全加盟組織に配布し、自国内でのロビー活動のツールとして活用するよう、奨励することが合意された。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、報告と声明文に謝意を表し、この声明を次回のUNI世界運営委員会に提出し、さらなる支持を得る予定だと述べるとともに、UNIは対話中の多国籍銀行に対し、ミャンマーでの金融事業を停止または縮小するよう、引き続き圧力をかけていくと約束した。

会議ではさらに、韓国とフィリピンの加盟組織が最新状況を報告した。韓国では最近の大統領選で保守派の候補者が当選したが、この候補者は反組合的な公約を掲げてきた。一方、フィリピンでは、大統領選の有力候補として独裁者フェルディナンド・マルコス元大統領の息子が、副大統領には麻薬撲滅のため血みどろの戦争を展開した前大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ氏があがっている。また、会議は、2020年に成立した国家安全維持法によって、加盟組織が安全かつ積極的に国際会議に参加することが妨げられている香港の困難な状況に留意した。

第6回UNI Apro地域大会の準備について

第6回UNI Apro地域大会に向けた準備を開始すること、パンデミックによる混乱を考慮し、2023年ではなく2024年に地域大会を開催することに合意し、会議を終了した。


4月28日、安全衛生をILOの基本的権利に!

国際労働災害犠牲者追悼日の4月28日、世界中の労働組合は、業務中に死傷・罹患した人々を思い起こし、職場の安全衛生に向けた闘いを強化する日としている。今年、世界の労働組合運動は、「労働安全衛生をILOの基本的権利にしよう」のメッセージを発信している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「人々は仕事で尊厳と自信を得るべきであって、怪我や病気をしたり、まして死んではならない」と述べ、「安全衛生を国際労働機関(ILO)の中核的権利とすることで、労働者の死や病気が1つでも多すぎるということが明確になる。また、特にパンデミックの発生以来、より安全な仕事を求めてきた労働組合と協力するよう、使用者と政府にメッセージを送っている」と強調した。

世界では、業務に関連した病気や事故で毎年300万人以上の労働者が死亡しており、3億7,400万人が業務中に負傷したり病気に罹患したりしている。労働安全衛生に関連したサービスを受けられるのは、わずか2割に過ぎない。

4月28日のグローバルな行動を調整しているシャラン・バローITUC書記長は、「我々は、ILOが労働安全衛生を職場における基本的権利として採択することを要求する。労働安全衛生は、結社の自由や、強制労働、児童労働、雇用における差別の撤廃と同様に重要な課題だ」と述べた。

ILOは政労使の三者構成組織である。労働安全衛生をILOの基本原則および権利として制定することで、加盟国は、関連する他のILO条約を批准しているかどうかにかかわらず、この権利の尊重、促進に責任を持つことになる。また多くのILO加盟国は、基本的な基準を憲法に組み込んでおり、基準が実現され、人々の生活を向上させることを保証している。

2019年のILO創設100周年記念宣言では、すべての労働者にとっての労働安全衛生の重要性が認識された。以来、COVID-19パンデミックと、業務上のテクノロジーの使用拡大によって生じた危険が相まって、安全衛生を基本的権利とすることに新たな緊急性が加わった。過去2年間の経験から、この権利の実現と行使にあたって、組合が不可欠であることも示された。

パンデミックの間、UNIはすべての部会で安全衛生の指針を発表した。UNIは、安全衛生を基本的権利とすることを一貫して求めており、最近では、テレパフォーマンスにおけるリモートワークが健康に及ぼす影響に関する研究、アマゾン等におけるプライバシーを侵害するような監視行為が労働者の健康に及ぼす影響、そしてエッセンシャルワーカーの保護に向けた組合の取組みに関する部会横断的調査を発表している。


UNIマレーシア加盟協、使用者による在宅勤務者の賃金削減案に反撃

経済再開に伴い、在宅勤務を選択する労働者の賃金を削減するという、マレーシア経営者連盟(MEF)のショッキングな提案に対し、 UNIマレーシア加盟組織連絡協議会(UNI MLC)が 反発している。

モハメド・シャフィーUNI MLC議長は、この提案に対し「在宅勤務は、安い賃金で働くということではない」と猛反発し、地元メディアもこの発言を取り上げている。

「パンデミックの2年間、労働者は使用者に協力し、賃金が減らされても文句を言わず、状況が厳しいことを理解して、昇給やボーナスを要求することもなく、いつも通り在宅勤務を続けてきた。使用者のために犠牲を払い続けた後、今MEFは労働者に不当な扱いをしようとしている。従業員は休暇をとっていたわけではなく、仕事を家に持ち帰っていたのだ」と語気を強めた。

MEFは、在宅勤務の従業員の賃金を10~12%減額することを提案している。会社によっては交通費を支給し続けており、通勤しないならば支給額を減らすべきだとして、この不必要な賃金カットを正当化しようとしている。

これに対してシャフィー議長は、パンデミック時に多くの労働者がリモートワークを行うことで家計の負担が増え、健全でない環境で仕事をしていたことを引き合いに出し、反論している。

組合がパンデミック時に団体協約を交渉する際の指針となるよう、UNIは2021年2月初旬にリモートワーク主要原則を発表している。この原則は10の勧告からなり、そのうち4つは今回のMEFの提案に特に関連している。

・リモートワークは、雇用の権利と雇用関係を損なうものであってはならない。
・作業機器とリモートワークスペースの費用は、使用者が負担しなければならない。
・ リモートワークは「ジェンダーに中立」で、全ての人に開かれたものでなければならない。
・リモートワークのルールを導入または拡大する前に、労使はその影響を徹底的に評価し、文書化しなければならない。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UNI MLCがこの提案に強く反対していて頼もしい。マレーシアの使用者側の動きは非常に残念なことだ。パンデミックはまだ正式に収束しているわけではなく、状況によっては在宅勤務への復帰が求められる可能性があることを忘れてはならない」と述べた。


ラナ・プラザ事故から9年目、UNIがブランド企業各社に合意書への署名を要請

バングラデシュのラナ・プラザにおける縫製工場の崩壊事故から9年目を迎え、UNIは同国の繊維・衣料産業における労働者の安全を守り、バングラデシュ国内外のサプライチェーンにおける責任を果たす最も効果的な手段として、より多くのブランド企業に対し「繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定(国際アコード)」への署名を呼びかけている。

現在、171の世界的なファッション小売企業が「国際アコード」に署名している。法的拘束力のあるこの協定は、2013年4月24日に発生した、ラナ・プラザの惨事で1000人以上の労働者が命を落とした後、同国の縫製産業の安全性を改善するためにUNIとインダストリオールが設立した「バングラディッシュ・アコード」の取組みを継続、拡大するものである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「毎年4月24日が訪れるたび、我々はラナ・プラザで命を落とし、負傷した人々のことを思い起こす。ブランド企業も同様に、亡くなった人々を偲び、行動しなければならない」と述べ、「国際アコードは、世界の衣料品産業におけるサプライチェーンの説明責任のモデルであり、ブランド企業はこれによってデューデリジェンスの義務を果たし、自社の製品を作る何百万人もの労働者を保護できるようになった。ブランド企業が安全について真剣に考えるのであれば、工場の状況を改善し、事故を防止し、命を救うことについて実証済みのメカニズムであるこの協定に調印すべきだ」と訴えた。

2021年9月1日に「バングラデシュ・アコード」から引き継がれた「国際アコード」が発効した際に、H&MやZaraなどのように新しいアコードに署名した世界最大規模のファッション小売業もあるが、フランスの多国籍小売業オーシャンなどのブランド企業は、まだ署名を済ませていない。その他、バングラデシュから製品を調達しているウォルマート、ディズニー、GAPなどの米国ブランド企業や、同国から繊維を仕入れているイケア等、調印していない企業も目立つ。

国際アコードは、従来の協定よりもさらに踏み込んだもので、新たな地域への拡大の可能性を含みこんでいる。先月、アコードの代表者はパキスタンとスリランカを訪れ、主要なステークホルダーと会談し、これらの国々への協定の導入について検討した。また、その他の既製服生産拠点への拡大の実現可能性について、インドとモロッコで調査が行われている。

さらに、バングラデシュで国際アコードの安全プログラムを実施している既製服持続可能性協議会(RSC)は、工場検査にボイラーの安全性を含めるよう現地政府と協議している。RSCはさらに、労働者の権利や生産が環境に与える影響などにも取組みの範囲を広げている。

アコード署名企業に製品を供給する1,600の工場を対象とする最初の検査が2013年に始まって以来、すべての危険のうち93%が改善したものの、いまだ改善が必要な重大な問題を抱える工場は存在している。

ホフマンUNI書記長は、「アコードの継続と拡大は不可欠であり、衣料・繊維産業では、今なお労働者が命を落としている。検査、労働者に対する安全教育、真の苦情処理メカニズム、ブランド企業による法的拘束力のあるコミットメント等を特徴とするこのモデルは、バングラデシュのラナ・プラザのような事故の再発を防いできた。我々は、他の国々で再び大惨事が起こるのを防ぐため、これからも働きかけを続けていく」と述べ、決意を新たにした。


スリランカ情勢に関するUNI Apro声明

UNI Aproは、スリランカの政治経済状況の悪化について、深い憂慮を表明する。

スリランカは、独立以来最悪の経済危機に直面している。深刻な外貨不足により、食料、燃料、その他の生活必需品の輸入代金を支払うことができない状況に陥っている。

物資の不足と停電は国民の不満に拍車をかけ、首都をはじめ全国各地で非暴力抗議運動が勃発し、コロンボでは、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の退陣を求める平和的デモが行われている。

その後の政治的混乱によって、国民の怒りはさらに高まった。2022年4月3日、首相を除く内閣の全26閣僚が総辞職し、続いて4月5日(火)には、同盟政党の40人以上の議員が、連立政権への支持を取り下げた。

セイロン銀行労組(CBEU)や郵便労組(NPTWU、SLPTSU、UPTO)など多くのUNI加盟組織が、スリランカの政治経済崩壊の終結を求めて連帯している。

UNI Aproは、同国のすべてのUNI加盟組織との連帯を拡大する。スリランカ政府に対し、国民の声に応えて人々の苦難を直ちに和らげる施策を立案・実施し、法と秩序を回復させると同時に、表現および結社の自由に対する人々の権利を抑制するいかなる措置も取らないよう、求める。


フランスのアマゾン労働者、実質賃金の引下げを拒否

フランス全土で、2週間以上にわたってアマゾン労働者がストライキを続行している。

組合を通じて労働者が発しているのは、実質賃金を切り下げて団体交渉を回避しようとするアマゾンに対する、強い拒否の姿勢だ。 労使交渉が始まる前から、アマゾンは全労働者に個別にメッセージを送り、「賃上げ」と称する方針を一方的に発表した。だが、フランスのインフレ率が4.6%であることを考慮すれば、3%の提示は実質的な賃下げである。

アマゾンの労働者と組合はすぐに反応し、CGT、CFDT、FOはすべてストライキを呼びかけた。全国の労働者がデモに参加、8つの拠点で大きな混乱が生じた。

アマゾンは当初の賃下げを見直したものの、労働者の期待に応える提案を示すことはできなかった。参加者が増え続ける状況が示すのは、実質的な賃下げを図ろうとしたアマゾンの試みを見逃さないという労働者の意志の現れだ。さらに、組合は経営陣に対し、団体交渉のプロセスを尊重するよう求めている。

ストライキ中の労働者の一人、ラミ氏は「我々労働者こそが、アマゾンの真の富だ」とピケットラインで語った。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「アマゾンにおける公正さを求めて闘う労働者たちの決意は、人々を奮い立たせている。それと対照的に、アマゾンが賃上げと見せかけて実質的な賃下げを押し通そうとする偽善は、まさにブランドのあり方そのものだ。交渉開始前にこの実質的な賃下げ措置を発表したことは、火に油を注ぐようなものだ。労働者たちは、企業の汚い手口にうんざりしている。組合運動はアマゾンの労働者を100%支持している」と述べた。


UNI Apro、南オーストラリア州首相に当選したマリナウスカス氏を祝福

UNI Aproは、先般の南オーストラリア州選挙において、南オーストラリア労働党を勝利に導いたピーター・マリナウスカス氏を祝福する。

マリナウスカス氏が率いる労働党は、労働者の中核的な問題、特に健康とクリーンエネルギーの雇用に焦点を当て、選挙キャンペーンを展開した。

UNI Aproは、賃金窃盗の刑罰化、業務上過失致死罪の導入、偽装請負に関する規則の強化、看護師対患者比の改善など、選挙で提起された一連の労使関係政策に称賛を送る。これらは労働者の日常生活に深く影響する問題であり、有権者からの圧倒的な支持を得た。

また、政労使の三者社会対話アプローチに長年取組み、各当事者、そして最も重要な南オーストラリア州の人々の利益になるバランスをとるべく、連携して取り組んできた同氏を称える。UNI Aproは、このアプローチがマリナウスカス政権を支え、州の経済競争力を高め、働く人々の生活を向上させることにつながると確信する。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、同氏が勝利演説の中で、オーストラリア自由党について「対抗関係にあるが敵ではない」と表現した、その融和的アプローチを賞賛し、 「この平和的アプローチと建設的な三者関係の構築を求める姿勢は、ますます二極化する世界において民主主義を維持する上で不可欠であり、アジア太平洋地域の政府、企業、組合にとって素晴らしい手本だ」と述べた。

政界入りする前、同氏はUNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)の南オーストラリア支部の役員を務めた。そこでの最大の功績のひとつは、クリスマスと大晦日の半日祝日を法制化するキャンペーンを展開したことだ。マリナウスカス氏は、2018年にクロイドンの議員に初当選し、その直後に同州の労働党首となった。

UNI Aproは、南オーストラリア州新政府の今後の活躍を期待する。


安全衛生を通じ、労働者の力を構築

UNIの新しい報告書では、労働安全衛生の改善に向けた組織化を通じ、組合がどのようにパンデミックに関わる課題に立ち向かい、力をつけてきたかを示している。

3月31日にUNI商業部会とケア部会が共催したウェビナーの中で、報告書『より安全な仕事と強い組合-安全衛生を通じた労働者の力の構築』が発表された。その中では、労働組合の昨今のキャンペーンに焦点が当てられ、安全衛生の諸課題が、世界中で自らの権利を求めて戦う労働者の結集点となってきた状況が浮き彫りになっている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「パンデミック中、労働安全衛生の諸課題が引き金となり、労働者の活動や組合の取組みが行われてきた。この報告書は、致命的なウイルスに直面した労働者を保護するため、UNI加盟組織がどのように立ち上がり、成果を勝ち取ったかを示すものだ。組合の戦略が功を奏し、組合員は、個人防護具へのアクセスが改善し、有給で病気休暇や検査や隔離のための休暇を取得し、重要な社会的役割を認識されるようになった。今後に向けて、組合はこうした成果を基に、より強力な労働運動を展開していくことができる」と述べた。

この報告書は、パンデミックの最前線で労働者が重要な役割を担っているUNIの2部会として、商業とケアの組合に焦点を当てており、労働組合が労働者の力を構築し、安全衛生を改善するため成功した5つのアプローチを示している。
1) 使用者との団体交渉で労働安全衛生を強調する。
2) 政界の指導者に、改革へ向けた圧力をかける。
3) 地域組織との共同行動に参加する。
4) 労働安全衛生委員会を組織化の触媒とすること。
5) メンタルヘルスの問題は、身体的な健康と同様の重要性があると定義する。

このウェビナーでは、アルゼンチンの商業サービス労連FAECYSのシーザー・グエレロ安全衛生担当が、講演の中で「労働組合がなければ、パンデミックはより致命的なものとなり、労働条件は安全性の損なわれたものとなり、エッセンシャルワーカーは得られるべき尊厳や公正な賃金を得ることができなかっただろう」と述べた。

FAECYSのロビー活動によって、アルゼンチン議会はすべての職場で安全衛生委員会の設置を義務付ける法案を検討している。可決されれば、労働者は職場において安全衛生委員会の委員を選出・任命する権利を持つことになる。

同国ではヘルスケア部門の組合FATSAの取組みにより、医療従事者が賃上げだけでなく、パンデミック時の尽力に対する一時金を受け取ることができた。FATSAのミゲル・ズビエタ 教育担当は、「組合は決してあきらめず、先頭にたち、COVID-19を労災として認定させるために取組んできた。これは、労働者が効果的な個人防護具を確保し、正当な賃金を受け取り、病気休暇を利用できるようにするために、絶対に欠かせない取組みだった」と振り返った。

米国では、全米食品商業労組(UFCW)が、食料品店の労働者が地域社会に食料や生活必需品を提供する役割について認識を高め、危険手当を交渉した。スタンリー・ガセックUFCWグローバル戦略シニアアドバイザーは、「正義は決して与えられるものではなく、勝ち取るものであり、我々は組合員のために正義を要求し続けなければならない」と述べた。

また日本からは、UAゼンセンに加盟するイオングループ労連の森木雅子社会政策局長は、カンボジア・イオンリテールワーカーズユニオンの安全衛生の取組みを報告した。従業員から現場の課題を集め、組合会議で分析と解決提案を考え、労使協議で発表、意見交換を行うなど、従業員目線の課題を話し合い、労使が協力して解決していくプロセスが、具体例を交えて共有された。

ネパールでは、UNI加盟組織の医療部門の組合UniPhinが、労働者がPPEやメンタルヘルスのサポート、休暇を確保できるよう支援した。プラティマ・バッタUniPhin財政兼オルグ担当は「多くの労働者にとって、UniPhinは希望の源であり、困難な時期に新しい組合員を組織することができた」と、述べた。

この報告書は、オープン・ソサエティ財団の資金援助を得て作成された。

報告書をダウンロードするには、ここをクリック。(英語)


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