ブログアーカイブ

国際労働災害犠牲者追悼日にあたって、UNI書記長メッセージ:命を落とした労働者を偲び、これ以上の犠牲者を出さないよう、変化を要求しよう!

新型コロナウィルス感染症が世界中にまん延する以前から、1日7,600人が業務上の病気や怪我で亡くなっていた。コロナ禍の間、UNI及びその加盟組織に代表される何百万ものエッセンシャルワーカー(必要不可欠業務に就く労働者)は、この致命的なウィルス感染の危険に晒されながら、コミュニティや家族の世話をしてきた。その多くは移民労働者、女性、有色人種である。不幸にも、無数の人々が命を落とした。

「今日、国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、今はもう一緒にいない労働者を偲び、ご家族に哀悼の意を捧げたい。彼らは自らの命を危険に晒すとは思いもせず、社会が機能していくよう勇気をもって働いていたことに敬意を表したい」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

世界中でウィルス感染のため亡くなった17,000人を超える介護労働者を偲びつつ、長期介護という仕事がパンデミックの前から、世界で最も危険な仕事の1つとされていることを認識しなければならない。多くの国で、介護施設で働くことが、鉱業、林業、警察等で働くのと同じくらい危険であるとは!

交通機関、病院、学校、事務所等を安全で清潔に保つために働き、犠牲となった清掃員や警備員にも哀悼の意を捧げる。英国では、コロナによる業務上の死亡において最も高い率を示したのが警備員だった。清掃員も同様の危険に直面している。米国の清掃員は、同僚の通夜で、「(私達の仕事の価値が認められるまで)あと何人、会社や政府のために死ななければならないのか」と涙した。

食料品店の労働者は、疲弊で倒れそうになりながら、コミュニティに食料が行き渡るようにしている。UFCW(全米食品商業労働組合)は、米国だけで、食料品店で働く178人が亡くなり、少なくとも39,900人が感染または危険に晒されたと報告する。職場委員でもあったカトリン・アニタ・メイソンは、ジャイアント・スーパーマーケット勤続42年、レジ係やベーカリー部門のマネジャーを務めたが、昨年コロナで亡くなった。

ブラジル、イタリア、スペイン、インド、その他、多くの国で銀行の支店は営業を続けた。銀行員は、職場で危険に晒され、感染したり亡くなったりしている。郵便労働者も、毎日、私達をつなぎ、配達をする中で、亡くなった人も多い。例えば、英国通信労組組合員だったボラ・オモエニは、郵便局勤続30年、同僚からも慕われていた。

コールセンターでも、多くの(他からは見えない)労働者が密な状態で機器を共有しながら、アップル、アマゾンといった世界で良く知られた最も儲かっている企業の顧客サービスに従事している。コロナ禍の間、コールセンター大手テレパフォーマンスは、フィリピンの労働者をデスクの脇で寝かせ、少なくとも1人がコロナで亡くなった。

だが、国際労働災害犠牲者追悼日はただ故人を偲ぶためだけの日ではない。行動を起こす日でもある。労働組合は、安全な仕事か危険な仕事かの違いをもたらすことができる。カナダ郵便労組は、個人用防護具を要求し勝ち取った。サービス労組は、有給病気休暇を交渉した。ポーランドでは、初めて介護施設労働者が組織された。これらは、労働者にとって不可欠な権利を勝ち取った点で大きな前進である。しかし、まだなすべきことは多い。

2021年の国際労働災害犠牲者追悼日(#IWMD21)に、私達は以下を要求する。

  • ILOは、労働安全衛生を基本的権利に指定すること。
  • 各国政府は、業務中に感染した労働者が支援を受けられるよう、新型コロナ感染症を業務上の疾病に区分すること。
  • 全ての労働者に、民主的に選ばれた労働安全衛生委員会を確保すること。そして労働組合も!

「コロナで何人が命を落とすかわからない。だがそのような犠牲は1人でたくさんだ」とホフマン書記長は憤り、「だからこそ、今闘わなければならない。今行動を起こさなければならない」と訴えた。


UNI世界女性委員会、世界に広がる「女性への暴力」に抗議し連帯を訴える

2021年4月15日、UNI世界女性委員会が開催され、正委員、予備委員、オブ、スタッフ等47ヵ国95組織124人が出席した。UNI Aproからはジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリア、SDA)、ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長(インドネシア、ASPEK)、景中悠紀UNI Apro女性委員会副議長(日本、損保労連)が正委員として出席した他、日本からはUAゼンセン、全印刷、JP労組のUNI Apro女性委員及び各国際担当者がオブ出席した。

主な議題:

COVID-19 の女性労働者への影響

各国の委員から、コロナ禍が始まって約一年が経過した現在の女性労働者を取巻く状況と課題について報告が行われた。いずれの地域においても女性は最前線の業務に携わるエッセンシャルワーカーが多いため、失業のリスクが高く男性に比べ失業率が高いこと、リモートワークの比率も男性より低いこと、更にリモートワークできる人、できない人の二極化が進んでいることが報告された。

暴力に関する取組みでは、日本のUAゼンセンがカスタマー・ハラスメント対策を政府に働きかけ、予算を勝ち取ったことについても触れられた。また、ミャンマー軍事政権によるクーデターやアジア人ヘイト問題、アフリカ各国での紛争など、世界各地で政治的な紛争や人種差別等が起きており、女性への暴力の危険性が高まっていることにも懸念が示された。

景中UNI Apro女性委員会副議長(損保労連)は、金融業界を中心に日本の状況を報告した。日本全体としては非正規労働者の比率が高い女性が雇用面でより大きく影響を受けており、リモートワークの実施比率は男性正社員に偏っている。金融業界では、窓口や保険営業等の対面業務に女性が多く課題が残っているものの、労使協議によりリモート化への環境整備も整いつつある。

職場における暴力:ILO190号条約・206号勧告批准に関する進捗報告

ベロニカ・フェルナンデス・メンデス担当局長は、現時点での批准状況(ウルグアイ、フィジー、ナミビア、アルゼンチン、ソマリアの5ヵ国で批准済み、アジア地域ではサモア、フィリピンで批准プロセスが進行中。インドネシアでも労働省や議会に批准の必要性についてブリーフィングが行われた)について報告し、未批准国については政府への働きかけを強めるよう、加盟組織へ更なる取組みの推進を求めた。ジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリアSDA)は、同国政府の元職員が議会内の閣僚執務室で同僚に性的暴行を受け、上司に報告したものの適切な対応が講じられなかったとの告発を受け、大規模なデモが行われたことを報告し、「職場における暴力」への関心が高まっている中、引き続き政府に同条約および勧告の批准を強く求めていきたいと述べた。

声明の採択

以下3つの声明案について事務局から説明があり、提案通り採択された。

  • トルコのイスタンブール条約脱退に反対する声明
  • アジア人ヘイトに反対する声明
  • COVID-19復興政策におけるジェンダー平等の主流化を求める声明

世界女性委員会規則に関する修正案

事務局より規則修正の経緯と目的、議長・副議長会議の設置やこれまでの慣行を盛り込んだ修正案について説明を受けた。UNI Aproからは景中女性委員会副議長が発言し、2022年の世界女性大会での採択までのプロセスを明らかにし、各地域での十分な議論の時間を確保するよう事務局に要請した。

UNI機会均等局:キャンペーンとプロジェクトに関する進捗報告

本部および地域担当部長より活動報告を受けた。UNI本部からはエッセンシャルワーカーに関するビデオ上映後、2013年から続いているメンタリングプログラムについて報告があった。これまでに49ヵ国で実施し現在700人が参加しており、今後3年間で33のワークショップが予定され、受講者は56ヵ国1240人まで伸びる予定だ。卒業生の10%が労組の幹部役員となっており、UNI世界執行委員を務めている者も多い。2010年の長崎世界大会以降「女性役員40%」を目標としてきたが、現在のUNI機構における女性役員比率は43.3%に上っている。

UNI Apro:国際女性デー、軍事政権下にあるミャンマーの労働者への連帯、アジア人ヘイト反対の各種キャンペーンや、労働法改正、女性への暴力等についての加盟組織の取組みが報告された。また、今後開催される会議(5月22日のUNI Apro女性委員会主催ウェビナー、7月8日のUNI Apro女性委員会)への参加が呼びかけられた。

アフリカ:コロナ禍における女性への暴力、労働安全衛生等に関する研修、セミナー、デモ等にSNSも活用して取り組んだ。

米州:国際女性デーに合わせILO190号条約批准についての政府への働きかけを他の組織と連携し各国で実施した。

欧州:コロナ禍のDV急増を受け、職場での暴力やハラスメントから女性労働者を守るため、部会横断的ガイドラインの作成に向けた2年間のプロジェクトを5月に開始予定。殆どの部会と社会パートナーが関与しており、この機にILO190号条約とその批准の必要性も訴えていく。加えて、男女間賃金格差の問題についても是正に向けたキャンペーンを予定している。


欧州議会、人権デューデリジェンスの義務化に向けて強いシグナル発信

欧州議会は2021年3月10日、ララ・ウォルターズ欧州議会議員による企業のデューデリジェンス及び説明責任に関する法制化に向けた自発的な報告書を採択した。

この報告書が賛成多数で採択されたことは、欧州委員会による人権デューデリジェンス義務化の導入に対する欧州議会の支持を示す、強いシグナルを出している。報告書では、欧州議会が今後の法案に期待する重要な要素も強調されている。

この報告書では、特に結社の自由と団体交渉の権利の重要性並びに、デューデリジェンス戦略の確立と実施にあたり、各国、EU、そして国際レベルで、労働組合と労働者代表が関与する必要性が認識されている点が非常に重要である。

欧州議会による今回の強力な支持表明は、EUにおける効果的な人権デューデリジェンスの義務化に向けた機運を後押しするものとなる。この問題の進展は、長年の懸案であった。企業の自主性に任せた人権擁護対策が失敗するのを、世界中で何度も見てきたからだ。

人権デューデリジェンスの義務化は、世界中で危機に陥っている結社の自由と団体交渉の権利が尊重されるよう取組む上で、特に求められている。ヘルスケア大手のフレゼニウスからコンタクトセンター大手テレパフォーマンスに至るまで、サービス産業全域で欧州企業がこうした基本的権利を弱体化させているのを我々は目の当たりにしてきた。

こうした人権上の必要性を満たすため、欧州委員会の取組みは、議会からのシグナルを踏まえたものであることが極めて重要だ。欧州委員会の公開協議の中では、欧州全域及び世界中のサービス産業の組合から、デューデリジェンスの必要性を強調した明確な事例が挙げられ、これを支持する声が数多く寄せられた。

このことから、多国籍企業から中小企業、公的部門の組織、スポーツ団体等、非営利団体として登録されている組織に至るまで、法的形態にかかわらず、EU域内で事業展開するあらゆる企業を対象としたEUの取組みが切実に求められているのが分かる。

UNIは、特に以下の点について取組みの必要性を強調する。

  1. 団体交渉の権利と結社の自由を強調すること。これらは、労働者がより広く自らの人権を守れるようにするための基本的な権利である。これに関して企業の進捗状況を測るため、団体協約の対象となる労働者の割合について報告を義務付け、これら基本的権利に関する企業のデューデリジェンスの成果を示させるべきである。
  2. デューデリジェンスのプロセス全体を通して、企業に対し、職場、国、欧州、国際レベルで、労働組合の意義ある関与を義務付けること。プロセスを交渉する権利、リスクの所在の明確化、リスク軽減措置に有意義に関与する権利も含まれる。
  3. デューデリジェンスが事業戦略の中核に位置付けられること。企業の人権デューデリジェンスの策定と実施を継続的に監督する責任を担う特定の取締役を任命する、監査委員会の監督を受ける、デューデリジェンスを年次総会の議題とする等。

ミャンマー軍事政権の代理人に金融制裁を科すべきだ

国際労働組合総連合(ITUC)と金融部門の労働者を代表するUNIは、3月19日、既に金融制裁の対象となっているクーデター指導者が彼らを代理人として利用することを避けるために、ミャンマー軍事政権と密接な関係を持つ金融制裁の対象とすべき23人の名前を公表した。

シャラン・バローITUC書記長は、「これら23人の人々は、米国やその他の国が科した金融制裁を逃れるために将軍達に利用されている。彼らもまた、制裁から逃れさせないために厳しい制裁を受けるべきである。政府には行動する責任があり、銀行やクレジットカード会社を含むその他の金融グループは、政権を支配する残忍な悪党への信用供与や資金のアクセスを遮断すべきである。また、SWIFTなどの決済サービスに対しても、クーデター指導者たちとその関係者との間の支払いを遮断するよう求めている。軍による罪のない人々の殺害や国家の略奪に、企業が加担することは許されない」と述べた。

行動する責任

また世界の組合組織は、ミャワディ銀行、インワ銀行、ミャンマー市民銀行、建設住宅インフラ開発(CHID)銀行等、軍政権が支配している、或いは一部支配している銀行との関係を断つよう、銀行に呼びかけている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「ミャンマーの軍事政権によって殺害された若者や平和的な抗議者の数が増えるにつれ、銀行を含むミャンマーと関係のある全ての企業が、この受け入れがたい暴力を終わらせるための責任を取ることがより一層必要となっている。軍トップの将軍達に対する金融制裁は重要な一歩だが、これだけでは不十分である。我々は、権力中枢のクーデターのリーダー、そしてその暴力から利益を得ようとしている人たちの資金やクレジットへのアクセスを遮断しなければならない。」


アジア人へのヘイトを止めるよう、UNI Apro女性委員会が強い呼びかけ

昨今のアジア人に対するヘイトの高まりは、政府、使用者、労働者、コミュニティが変化を起こす必要性を浮き彫りにしてきた。

人種差別に基づくアジア人への暴力は、パンデミック中に急増した。

コロナ禍に対応すべく、世界中でアジア人がエッセンシャルワーカーとして第一線で働いてきた事実をよそに、アジア人の人間性が体系的に奪われた結果、恐ろしい状況がもたらされ、アジア人は見えざる存在となってしまった。

アリス・チャンUNI Apro機会均等担当部長は「このようなヘイト行為に対し、アクションを起こす必要がある。こうした状況は、女性、特に有色人種の女性が生きていく中で直面する危険を、容赦なく思い起こさせるものだ」と訴える。

言葉の重みは無視できない―不快で冒涜的、人種差別的な言葉の使用を許してはならない!

ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長は、暴力や人種差別、ヘイトに終止符を打つべく連帯を求め、「誰かが抑圧されている状況は、我々みなが抑圧されているのと同じ事。我々は立ち上がり、団結しなければならない。アジア人へのヘイトを止めよ!」と語気を強めた。

ジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長は「我々は人種差別の終結を望んでいる。女性の声を聞き、実際の政策や政治に反映させなければならない。変化を生み出す必要がある」と強調した。

さまざまなコミュニティにおけるあらゆる種類のヘイト、暴力、そしてあらゆる形態の体系的人種差別に反対する意識を高めるため、UNI Apro女性委員会は、自らの立場を堅持する。

UNI Aproの女性は、団結して強くなろう!


コロナ禍の1年を振り返る

WHOが新型コロナウィルスの感染について「世界的大流行(パンデミック)」であると宣言して1年となる3月11日、労働組合は、これがいかに仕事の世界を変えてきたか振り返った。

この重要な節目は、労働者が勝ち取ったものを思い起こす機会であるだけでなく、失ったものを悼む時でもある。同時に、危機によって引き起こされた諸課題に立ち向かうため、次に何をすべきかを考察する時でもある。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「パンデミックによって、世界経済の格差が明るみに出て、一大変革の必要性を露呈させた。ポーランドの老人ホーム、ペルーのスーパーマーケット、フィリピンのコールセンター、そして世界的なテック企業の本社等、世界中の労働者が、ますます集中する企業の権力に対抗しようと結集している。労働者を組織化するのは、コロナ禍で何百万もの労働者に想像を絶する悲劇をもたらしたのと同じ不正が、パンデミックからの復興過程で繰り返されないようにするためだ。」

UNIは2020年、打撃を受けた介護部門の徹底的な見直しを要求し、アマゾン等の企業による権力の濫用に抵抗し、団体交渉を通じて経済のバランスを取り戻すため、世界中で労働組合の動員を後押ししてきた。

UNIは、介護、小売、郵便・ロジスティクス、そしてコールセンター等の部門において、パンデミック中により安全に仕事をするための指針を提示した。メディア及びスポーツ部門でも、安全に仕事を再開させるための詳細な職場復帰手続きについて、組合の交渉を支援した。印刷及び金融部門では、優良事例の収集と社会対話を通じ、加盟組織を支援した。

また、多国籍企業の使用者と連携し、世界中の労働者のために安全基準を設定した。2月には、パンデミックの影響で加速しているリモートワークに関し、団体交渉の指針を発表した。

UNIは、加盟組織と共に、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を要求した。危機の最初の年に、第一線で働く労働者は、コミュニティに食料が行き渡るようにし、安全で清潔な環境を保つために働き続けた。しかし彼らの仕事の多くは低賃金で、過小評価され、見過ごされてきた。

例えば、個人用防護具の支給を拒否された後に、組織化を行ったトルコのスーパーマーケット労働者は、「安全だとは思わないが、働く以外の選択肢はない」と打ち明けた。

ガーナの介護労働者も変化を求めている。ある助産師は、「特に今、支えてくれる組合が必要だ。仕事はますます厳しくなっている。介護をしながら、同時に使用者と絶えず労働条件交渉を行うことはできない。組合はそんな私達を支えてくれている」と述べた。

ネパールの警備労働者も、権利を尊重してほしいと願っている。ある警備員は「パンデミックの間も、全力でコミュニティを守ってきた。だから私達にも配慮してほしい。私達の仕事にも尊厳がある。私達にも組合に入る権利が必要だ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、「このパンデミックの間、組合は世の中のためになる力として広く認識されるようになった。組合は、職場で感染拡大防止に尽力し、組合員が安定した収入を維持できるよう闘い、リモートワークのための公正な条件を交渉した。最近では、誰でも平等にワクチンを接種できるよう声を上げている」と述べた。

だが、道のりはまだ長い。

ポーランドの介護労働者は、パンデミック宣言から1年が経とうとする中、「疲労困憊だが満足している」と明かした。「自分の中に、前進していくための新たなエネルギーを見つけた。みんなで力を合わせて取組めば、パンデミックはいつか収束するだろう。」

パンデミックにより、組合運動にも新たなエネルギーが注入され、緊急性が煽られた。経済部門や国境を越え、労働組合はこの好機を捉え、変革を推進するために共に取組みを行っている。パンデミックが収束した時、私達は共により強くなり、より公正な社会を迎えているだろう。


世界中で労働者の力を構築してきたUNIの20年を祝う

UNIは、2021年3月9日、20周年記念イベントを開催し、2000万人のメンバーを持つ国際産別労働組織(グローバルユニオン)が労働者の力を構築してきた20年の歴史を振り返り、次の20年を展望した。

司会を務めたアルケ・ベシガーUNI副書記長は、「コロナ禍のため、記念イベントはオンライン開催となったが、世界中の組合役員、活動家、そしてUNIサポーターの皆さんと共にこれまでの数々の素晴らしい成果を称えると共に、連帯の精神を再確認する機会としたい」と挨拶した。

「今日のUNIは、明確なビジョンを持ったリーダー達によって創られ、私達がそのビジョンを一つ一つ実現してきた」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は誇らしげに述べた。

UNI創設に尽力した4つの国際産別労働組織のリーダー、フィリップ・ジェニングス初代UNI書記長(FIET出身)、フィリップ・ボイヤー前UNI副書記長(CI出身)、アドリアーナ・ローゼンツバイク前UNI米州地域書記長(IGF出身)、トニー・レノン前MEI会長がそれぞれ、黎明期から草創期を振り返った。

「私達は、組合の国際協力の在り方をダイナミックなものに変えたいと思った」と、ジェニングス初代UNI書記長は熱く語った。「創設当初から、UNIは新たなミレニアム(千年紀)に生まれた新しい国際産別労働組織なのだとアピールし、結果を出すことにコミットしていた。」

その言葉通り、数々の成果(ブレイキングスルー)がスクリーンに映し出された。第3回UNI世界大会(2010年、長崎)のスローガンでもあった「ブレイキングスルー(突破)!」は、その後、UNIの中で“成果”を表す言葉としてずっと使われている。

これまでに、日本の髙島屋、イオンを含め50社以上の多国籍企業とUNIはグローバル協定(GFA)を締結し、世界中の何百万人もの労働者がこれらの協定の対象となっている。多国籍企業毎に、様々な国の労働組合を結集した同盟(労組アライアンス)が結成され、定期的に経営陣と対話を行っている。アマゾン、テレパフォーマンス等の企業をターゲットに国境を越えた組織化キャンペーンが展開されている。ジェンダー平等の点でもこの間、大きく前進した。労働者のために、ゲームのルールを変えようと、世界中で野心的な取組みを行ってきた。長崎世界大会で満場一致で採択された「核兵器の無い平和な世界」に向けた取組みは、核兵器禁止条約の発効につながった。

「我が米州地域で私は、UNIがどのように変化してきたか、そしてUNIが加盟組織や組合員のために、どのように違いをもたらしてきたかを、身をもって体験した」と、ルーベン・コルティナUNI会長は述べた。

UNIは世界の隅々まで影響力を及ぼしてきた。ナイジェリアのDHL組合員、アルゼンチンの銀行労組組合員、ポーランドの介護労働者、米国の警備員、不当に投獄された韓国の組合役員、マカオのカジノ労働者、マレーシアの放送局の組合役員が次々に、「組合があることで生活が変わった」、「UNIとUNIの仲間によって助けられた」と証言した。

コロナ禍にあって、組合があることはかつてなく重要である。

次の20年に向けて識者から示唆を得るためのパネルディスカッションでは、コロナ危機を克服し、より強い組合となる必要性が強調された。

「私達はこの好機を捉えなければならない」とホフマン書記長は強調した。「労働組合は、コロナ禍の間に、世の中のためになる力として広く認識されるようになった。そして労働者は貧しいままなのに、コロナで暴利を貪る人達がもっと裕福になるのを目の当たりにした。この怒りを集団の力に変える時だ。」

パネルディスカッションにはこの他、オックスファムからガブリエラ・ブシェール・エグゼクティブディレクター、ジャーナリストのオーウェン・ジョーンズ氏、ILO仕事の未来世界委員会メンバーを務めた清家篤慶應義塾大学前学長が加わり、ポストコロナの世界で公正な経済を構築するために、労働組合に期待される役割等を語った。清家教授は、ILO仕事の未来世界委員会報告書から、①人間の潜在能力への投資、②仕事に関わる制度への投資、③ディーセントで持続可能な仕事への投資の拡充が重要であるとし、コロナ禍でこれらへの投資の緊急性が高まったと述べた。

この他、ガイ・ライダーILO(国際労働機関)事務局長、シャラン・バロウITUC(国際労働組合総連合)書記長、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長、アンヘル・グリアOECD(経済開発協力機構)事務局長、ダニエル・ロゼラ・ニヨン市長らから祝辞を受けた。

UNIの将来は、国際連帯にかかっており、グローバルアクションを通じた労働者のエンパワーメントにかかっている。

UNIは、20周年記念イベントに参加し共に祝ってくださった全ての皆さんに感謝します


国際女性デーに、UNIは必要不可欠な権利を要求する#EssentialWomenWorkers

1908年3月8日に、ニューヨークの路上で女性が時短、賃上げ、投票権を求めて行進して以来、依然として女性の権利を求める終わりなき闘いは続いている。昨年来のコロナ禍で、これまで以上にこの闘いは重要なものとなっている。

コロナ禍で地域社会に必要不可欠な仕事の多くを女性が担っている。こうしたエッセンシャルワーカーは、自らの命を危険に晒しながら、在宅看護にあたったり、銀行、スーパーマーケット、郵便局で働いている。また、感染の危険に向き合いながら配達したり、道路やオフィス、学校を安全で清潔に保つために働いている。

しかし、こうした女性労働者は、多くの場合低賃金で十分に評価されていない。有休病気休暇や十分な防護具も支給されていない。だからこそ、今年の国際女性デーにあたって、UNIは、こうした女性のエッセンシャルワーカーと共に、以下の必要不可欠な権利を求める。世界に、組合の力を示そう。組合があることによって、女性は声をあげることができ、支援を得ることができ、成果を勝ち取ることができる。

  • 尊厳のある賃金
  • 暴力なき職場
  • 職場の安全
  • 有給病気休暇
  • 団体交渉と組合による代表
  • 危機の間の特別な対策

こうした女性達の存在をアピールするため、UNIは、女性デーのためのビデオやポスターを#EssentialWomenWorkers をつけてSNSでシェアし、キャンペーンに参加するよう、加盟組織に求めている。

ポスター(日本語、英語):https://1drv.ms/u/s!ArC6XJtdy3sNgaUN_ItBWTd2uPwSpw?e=Jadn3J

ビデオ(英語のみ): https://youtu.be/Y6Td0v_x4bM


第22回UNI-LCJ年次総会、新体制でUNI Apro運動牽引を誓う

2021年2月15日、第22回UNI-LCJ年次総会が初めてオンライン併用で開催された。コロナ禍で延期や変更を余儀なくされた2020年度活動報告、会計報告、監査報告を承認した。続いて、UNI Aproにおける6部会大会等の主要行事を含む2021年度活動計画及び予算が承認された。最後に役員改選があり、松浦UAゼンセン会長がUNI-LCJ議長に再選され、事務局長として新たに森川容子が選出された。

就任挨拶を行う森川新事務局長
上田事務局次長

続く記念講演には各加盟組織及び来賓等約100人が出席した。

主催者を代表して挨拶した松浦議長は、UNIやUNI Aproがコロナ禍にあっても組織化の手を緩めず、エッセンシャルワーカーや弱い立場にある労働者のために取組みを続けてきたことに触れ、今後もパートナーシップ労使関係を大切にしながら労働運動を発展させていきたいと決意を述べた。

また来賓として、厚労省の井内総括審議官は、政労使の社会対話によりコロナ禍の難局を乗り切っていく重要性を強調した。

神津連合会長は、ビデオメッセージを寄せ、労働者にとって非常に厳しい状況であるが、雇用や生活を守り、セーフティネットを拡充し、希望と安心の持てる社会の実現に向けて、労働運動は共に連携して取組んでいこうと呼びかけた。

その後「ウィズ/ポストコロナの国際労働運動」と題し、クリスティ・ホフマンUNI書記長(スイスからオンライン参加)及びラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長(ネパールからオンライン参加)から、過去1年の振り返りと今後の展望を聞いた。

ホフマン書記長は冒頭、年明け早々、米国でバイデン大統領率いる民主党政権が誕生したことや、米国のグーグル労働者が組合を結成したこと等の喜びと今後への期待を述べた。UNIはコロナ禍の間、エッセンシャルワーカーの労働条件改善に向けたキャンペーンに精力的に取組んだことや、デジタルな組織化スキルを深めてきたことを紹介した。2021年は、コロナ禍で加速したリモートワークの課題やリストラの課題に取組むこと、企業に説明責任を負わせるために、OECDガイドライン等の枠組みを活用しながら、運動を進めていくと述べた。アジアでは、ミャンマー、香港、フィリピン等で民主主義が危機に瀕していることにも触れ、UNI Aproと緊密に連携しながら国際労働運動全体として弾圧されている人々の支援に全力を挙げると強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、コロナの大打撃を受けアジア太平洋地域の特に途上国において労働者の状況が悪化していることを報告した。そのような中、労働者を勇気づけるキャンペーンに日本の加盟組織やリーダーが積極的に参加していることに、感謝の言葉が述べられた。最後に、UNI Aproはワンチームとして、コロナを克服し、より良い復興に向けて、政労使の議論に積極的に参画していきたいとの決意を語った。

講演後には、「コロナ禍を理由に労働者が不利な立場に置かれる国が多い中で、政労使の協力によって乗り切ろうとしている事例があれば教えてほしい」(全労金・末留委員長)、「UNI長崎世界大会で女性参画比率40%の目標を採択して10年が経過したが、前進したと評価できるか」(印刷労連・古賀副書記長)、「在宅勤務等の働き方が普及する中で、とりわけ就業経験の少ない若年層にはワークライフバランスやメンタルヘルス上の課題が生じている。このような新たな課題を解決するためのヒントはないか」(日放労・松波中央執行委員)、「グーグル労組結成までの経緯や苦労した点」(UAゼンセン・中田国際局局員)等の質問が出された。

閉会にあたり、野田副議長は、引き続き建設的労使関係の普及に努めるべく、アチャリャUNI Apro地域書記長を支え、松浦議長、森川新事務局長・上田事務局次長の下、UNI-LCJとして力強く活動を展開し、より良い復興を共に目指していこう、と参加者全体を鼓舞した。


「ミャンマーの人々は黙っていない」UNIも民主主義を要求するグローバルな騒音アクションに参加

ミャンマーの軍事政権が民主主義を支持するデモ参加者に対し、ますます暴力的な戦術に訴える中、UNIは国際労働運動の仲間と共に、2月11日、民主的統治への復帰を要求するための騒音爆幕に参加する。

世界中の組合活動家は、ミャンマー大使館、領事館、事務所の外やインターネット上で騒ぎ立てることで、連帯を示している。こうした連帯行動は、ヤンゴンにおける毎晩の騒音抗議を真似するものだ。

「ミャンマーの人々は黙っていない。警官に叩かれても、撃たれても、放水されても、毅然として民主主義を訴えている」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。「今日、世界中の労働組合は、声をあげている。非合法な軍事政権への経済的支援を断ち切るよう、我々の国や企業に呼び掛けている。特に、インターネットを遮断せよとの軍からの悪意ある指令を無視するよう、携帯事業者やインターネットプロバイダーに要請する。」

世界的なアクションは2月11日、中央ヨーロッパ時間午後2時30分に開始される。

「民主主義の価値観は労働組合の価値観であり、ミャンマーの組合員は軍事政権に終止符を打つため最前線で闘っている。我々は彼らに連帯し、民主主義を取り戻し、拘束されている人々が釈放され、情報が自由に配信されるよう、共に闘う決意だ」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

9日に、UNIをはじめとするグローバルユニオンは、ミャンマーのために立ち上がるよう、企業や政府に圧力をかける声明を発表した。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ