UNI世界女性委員会、世界に広がる「女性への暴力」に抗議し連帯を訴える

2021年4月15日、UNI世界女性委員会が開催され、正委員、予備委員、オブ、スタッフ等47ヵ国95組織124人が出席した。UNI Aproからはジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリア、SDA)、ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長(インドネシア、ASPEK)、景中悠紀UNI Apro女性委員会副議長(日本、損保労連)が正委員として出席した他、日本からはUAゼンセン、全印刷、JP労組のUNI Apro女性委員及び各国際担当者がオブ出席した。

主な議題:

COVID-19 の女性労働者への影響

各国の委員から、コロナ禍が始まって約一年が経過した現在の女性労働者を取巻く状況と課題について報告が行われた。いずれの地域においても女性は最前線の業務に携わるエッセンシャルワーカーが多いため、失業のリスクが高く男性に比べ失業率が高いこと、リモートワークの比率も男性より低いこと、更にリモートワークできる人、できない人の二極化が進んでいることが報告された。

暴力に関する取組みでは、日本のUAゼンセンがカスタマー・ハラスメント対策を政府に働きかけ、予算を勝ち取ったことについても触れられた。また、ミャンマー軍事政権によるクーデターやアジア人ヘイト問題、アフリカ各国での紛争など、世界各地で政治的な紛争や人種差別等が起きており、女性への暴力の危険性が高まっていることにも懸念が示された。

景中UNI Apro女性委員会副議長(損保労連)は、金融業界を中心に日本の状況を報告した。日本全体としては非正規労働者の比率が高い女性が雇用面でより大きく影響を受けており、リモートワークの実施比率は男性正社員に偏っている。金融業界では、窓口や保険営業等の対面業務に女性が多く課題が残っているものの、労使協議によりリモート化への環境整備も整いつつある。

職場における暴力:ILO190号条約・206号勧告批准に関する進捗報告

ベロニカ・フェルナンデス・メンデス担当局長は、現時点での批准状況(ウルグアイ、フィジー、ナミビア、アルゼンチン、ソマリアの5ヵ国で批准済み、アジア地域ではサモア、フィリピンで批准プロセスが進行中。インドネシアでも労働省や議会に批准の必要性についてブリーフィングが行われた)について報告し、未批准国については政府への働きかけを強めるよう、加盟組織へ更なる取組みの推進を求めた。ジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリアSDA)は、同国政府の元職員が議会内の閣僚執務室で同僚に性的暴行を受け、上司に報告したものの適切な対応が講じられなかったとの告発を受け、大規模なデモが行われたことを報告し、「職場における暴力」への関心が高まっている中、引き続き政府に同条約および勧告の批准を強く求めていきたいと述べた。

声明の採択

以下3つの声明案について事務局から説明があり、提案通り採択された。

  • トルコのイスタンブール条約脱退に反対する声明
  • アジア人ヘイトに反対する声明
  • COVID-19復興政策におけるジェンダー平等の主流化を求める声明

世界女性委員会規則に関する修正案

事務局より規則修正の経緯と目的、議長・副議長会議の設置やこれまでの慣行を盛り込んだ修正案について説明を受けた。UNI Aproからは景中女性委員会副議長が発言し、2022年の世界女性大会での採択までのプロセスを明らかにし、各地域での十分な議論の時間を確保するよう事務局に要請した。

UNI機会均等局:キャンペーンとプロジェクトに関する進捗報告

本部および地域担当部長より活動報告を受けた。UNI本部からはエッセンシャルワーカーに関するビデオ上映後、2013年から続いているメンタリングプログラムについて報告があった。これまでに49ヵ国で実施し現在700人が参加しており、今後3年間で33のワークショップが予定され、受講者は56ヵ国1240人まで伸びる予定だ。卒業生の10%が労組の幹部役員となっており、UNI世界執行委員を務めている者も多い。2010年の長崎世界大会以降「女性役員40%」を目標としてきたが、現在のUNI機構における女性役員比率は43.3%に上っている。

UNI Apro:国際女性デー、軍事政権下にあるミャンマーの労働者への連帯、アジア人ヘイト反対の各種キャンペーンや、労働法改正、女性への暴力等についての加盟組織の取組みが報告された。また、今後開催される会議(5月22日のUNI Apro女性委員会主催ウェビナー、7月8日のUNI Apro女性委員会)への参加が呼びかけられた。

アフリカ:コロナ禍における女性への暴力、労働安全衛生等に関する研修、セミナー、デモ等にSNSも活用して取り組んだ。

米州:国際女性デーに合わせILO190号条約批准についての政府への働きかけを他の組織と連携し各国で実施した。

欧州:コロナ禍のDV急増を受け、職場での暴力やハラスメントから女性労働者を守るため、部会横断的ガイドラインの作成に向けた2年間のプロジェクトを5月に開始予定。殆どの部会と社会パートナーが関与しており、この機にILO190号条約とその批准の必要性も訴えていく。加えて、男女間賃金格差の問題についても是正に向けたキャンペーンを予定している。