コロナ禍の1年を振り返る

WHOが新型コロナウィルスの感染について「世界的大流行(パンデミック)」であると宣言して1年となる3月11日、労働組合は、これがいかに仕事の世界を変えてきたか振り返った。

この重要な節目は、労働者が勝ち取ったものを思い起こす機会であるだけでなく、失ったものを悼む時でもある。同時に、危機によって引き起こされた諸課題に立ち向かうため、次に何をすべきかを考察する時でもある。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「パンデミックによって、世界経済の格差が明るみに出て、一大変革の必要性を露呈させた。ポーランドの老人ホーム、ペルーのスーパーマーケット、フィリピンのコールセンター、そして世界的なテック企業の本社等、世界中の労働者が、ますます集中する企業の権力に対抗しようと結集している。労働者を組織化するのは、コロナ禍で何百万もの労働者に想像を絶する悲劇をもたらしたのと同じ不正が、パンデミックからの復興過程で繰り返されないようにするためだ。」

UNIは2020年、打撃を受けた介護部門の徹底的な見直しを要求し、アマゾン等の企業による権力の濫用に抵抗し、団体交渉を通じて経済のバランスを取り戻すため、世界中で労働組合の動員を後押ししてきた。

UNIは、介護、小売、郵便・ロジスティクス、そしてコールセンター等の部門において、パンデミック中により安全に仕事をするための指針を提示した。メディア及びスポーツ部門でも、安全に仕事を再開させるための詳細な職場復帰手続きについて、組合の交渉を支援した。印刷及び金融部門では、優良事例の収集と社会対話を通じ、加盟組織を支援した。

また、多国籍企業の使用者と連携し、世界中の労働者のために安全基準を設定した。2月には、パンデミックの影響で加速しているリモートワークに関し、団体交渉の指針を発表した。

UNIは、加盟組織と共に、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を要求した。危機の最初の年に、第一線で働く労働者は、コミュニティに食料が行き渡るようにし、安全で清潔な環境を保つために働き続けた。しかし彼らの仕事の多くは低賃金で、過小評価され、見過ごされてきた。

例えば、個人用防護具の支給を拒否された後に、組織化を行ったトルコのスーパーマーケット労働者は、「安全だとは思わないが、働く以外の選択肢はない」と打ち明けた。

ガーナの介護労働者も変化を求めている。ある助産師は、「特に今、支えてくれる組合が必要だ。仕事はますます厳しくなっている。介護をしながら、同時に使用者と絶えず労働条件交渉を行うことはできない。組合はそんな私達を支えてくれている」と述べた。

ネパールの警備労働者も、権利を尊重してほしいと願っている。ある警備員は「パンデミックの間も、全力でコミュニティを守ってきた。だから私達にも配慮してほしい。私達の仕事にも尊厳がある。私達にも組合に入る権利が必要だ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、「このパンデミックの間、組合は世の中のためになる力として広く認識されるようになった。組合は、職場で感染拡大防止に尽力し、組合員が安定した収入を維持できるよう闘い、リモートワークのための公正な条件を交渉した。最近では、誰でも平等にワクチンを接種できるよう声を上げている」と述べた。

だが、道のりはまだ長い。

ポーランドの介護労働者は、パンデミック宣言から1年が経とうとする中、「疲労困憊だが満足している」と明かした。「自分の中に、前進していくための新たなエネルギーを見つけた。みんなで力を合わせて取組めば、パンデミックはいつか収束するだろう。」

パンデミックにより、組合運動にも新たなエネルギーが注入され、緊急性が煽られた。経済部門や国境を越え、労働組合はこの好機を捉え、変革を推進するために共に取組みを行っている。パンデミックが収束した時、私達は共により強くなり、より公正な社会を迎えているだろう。