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UNIインド加盟協/UNI-LCJ共同セミナー

2015〜2018年度UNI-LCJ海外活動の方向性に沿って、3年目となるUNIインド加盟協(UNI-ILC)との共同セミナーが、インドのUNI組織化センター(UNI-DOC)の所在地ハイデラバードで開催された。UNI-LCJからは、宮井UNI-LCJ副議長(損保労連委員長、UNI Apro金融部会議長)を団長に、才木情報労連/KDDI労組副委員長、柴田UAゼンセン短時間組合員総合局副部長、岡田自動車総連政治局部長が講師として参加した。UNI-ILCからは、ミリンドUNI-ILC議長をはじめ加盟組織役員、銀行・保険労組、郵便労組、商業労組、IT労連(NCU)・ITを専攻する学生等総勢40人が参加した。

宮井UNI-LCJ副議長は、グローバルな政治・経済課題やデジタル化に対応するには、労働組合もグローバルに結束して情報・経験交換し、世界中の労働者の明るい未来のために英知を出し合うことが重要だと挨拶した。

UNI-DOCは、長年インドのIT労働者の組織化に取組んできた。IT業界の使用者は反労組的であり、IT労働者は組合に加入すれば解雇されると思っているため、組合結成は非常に難しかった。そのような中、ハイデラバード、バンガロール、ムンバイ等が存在する5州でIT労組を組織し、2013年に全国レベルのNCU(全国IT労連)を結成するに至った。今回初めて、商業労組、全国IT労連から多くの若手・女性組合員が参加した。プラサドUNI-DOC所長は、両国のIT労働者の現状と課題について活発な情報交換ができることを期待した。

開会式に続いて、ジャワハルワール・ネルー技術大学(ハイデラバード・エンジニアリング学部)のゴバルダン学長から「インドのIT産業における労働環境」について基調講演を受けた。欧米に比べIT人材の人件費が安いため、インドではIT関連の仕事が急成長し、若年層に雇用の機会を提供し、インド経済に大きく貢献してきた。しかし高給だが、ピラミッド型の労働力構成で、年齢を重ねるほどポジションが少なくなり、突然解雇通知をつきつけられることが多い。IT産業に就職する若者は、そのような将来を予測しておらず、60歳まで同じ仕事ができると思っていた。技術の進化によって、新しい機会が創出され、機械化・自動化により、人間の作業が楽になる反面、新しい技術を常に学び続け、マルチスキルでなければ、失職するプレッシャーもある。50歳になれば20代の若者と同じように学ぶことはできないが、経験を活かした別の機会もあるだろう。どのようなキャリアパスがあり、そのために何をすべきか予測ができれば、適切な対応も可能だ。ゴバルダン学長は、将来を予測する必要性とビジョンの重要性を強調し、2日間のセミナーでの議論が労働組合の政策提言に活かされることを期待すると共に、政府の諸機関でデジタル化が推進され、様々な公的サービスもオンライン化されているが、インフラとそれを使いこなす人材の研修が不十分である点も指摘した。

日本からは、宮井団長が「日本の労働運動の概要と今日的課題」、柴田講師が「職場や社会における格差の是正のために労働組合ができること」、才木講師が「デジタル化時代におけるデジタル化ツールを活用した組織化」、岡田講師が「日本のパートナーシップ労使関係」、小川UNI-LCJ事務局長が「UNIの紹介、労働組合の国際連帯・国際協力」についてそれぞれ講演した。また、講演を受けて、インド人参加者は産業別にグループ討論を行い、発表した。

今回は参加者構成が、既存の確立された国営企業労組(銀行、生保、郵便等)と、新たに結成された民間のITや流通部門の労組に分かれており、固有の課題をそれぞれ共有し、新たな視点から議論を行うことができた。例えば、「既存の労働法が適用されないIT産業で働く契約労働者や派遣労働者こそ組合に入るべき」であり、「彼らに組合に関する正しい情報を伝え、組合のブランディング(知名度向上)やマーケティング(勧誘)をするには、SNSのようなデジタルツールの活用は効果がある」という意見もあれば、「デジタルツールはあくまでも補完的なもので、対面する会議や紙のニュースは必要だ」という意見もあった。また、政府は、諸機関や国営企業でデジタル化を推進しているが、そのためにマルチタスクを要求されること、新しいソフトや導入されたシステムの使い方を習得しなければならないこと、そのための職員への訓練が不足していること、デジタル技術の習熟度に世代間で差があること、デジタル化のインフラが未整備であること、システムエラー等により労働時間が長時間化すること等の課題が挙げられた。

2日間という短い時間ではあったが、組合の歴史の異なる部門の青年男女が、組合の意義、身近な課題の認識から、日本のパートナーシップ労使関係に基づく労働組合運動、UNIを通じた組合のグローバルな連帯の必要性、デジタル化等、若い世代の雇用・労働に影響する課題等について、若い世代の視点から幅広く意見を交換し、「組合は保険ではなく投資だ」、「職場に変化を起こしたいなら、自分自身がまず変わらなければ」、「組合にどのような改革が必要かを、組合の中で議論にしなければ」といった前向きな議論が展開された。

宮井団長は最後に、「労働組合の役割は、現場から綺麗な情報だけ経営陣に伝えるのではなく、事実を伝えることだ」、「企業の発展無くして労働者の明るい未来はない」と、パートナーシップに基づく労使関係の意義を強調した。ミリンドUNI-ILC議長からは、UNI-LCJ講師陣の有益な情報提供に感謝が述べられた他、来年のセミナーをデリーで開催する提案を受けた。


UNI-LCJ「労働の未来」フォーラム

2017年8月1日、UNI-LCJは「労働の未来」フォーラムを開催し、UNI-LCJ加盟組織から役員をはじめ、連合、JILAF、GUF等80人を超える労働組合関係者が出席した。UNI本部から、デジタル化及び貿易協定等の部会横断的課題を担当するクリスティーナ・コルクロフ担当部長が来日し、人工知能(AI)、ビッグデータ、ロボット化等によって、いかに仕事や求められるスキル、働き方が変わるかを中心に講演を行なった。コルクロフ部長は、データ保護の重要性を強調し、なぜUNIが従業員のデータに関する使用者のガバナンスを定める国際基準づくりについて、IEEEと協力し始めたかを説明した。

「多くの企業が従業員から引き出したデータを使い、モニターし、蓄積している。個人が識別できる情報だ。業務の流れやパターンをモニターすることによって得られるデータもある。世界のどこでも、従業員は自分達に関するデータへのアクセス権がない。会社を辞める場合に個人データの消去を依頼することもできない。これは変えなければならない。IEEEと協力し、望ましい職場におけるデータのガバナンスに関する、世界中で適用可能な基準づくりができれば、と期待している。」

コルクロフ部長は、日本で非正規労働者が4割に達していることに驚愕し、世界中で同じように非正規雇用が拡大しているが、我々は一丸となって現行の社会保障システムの改変を要求していくべきだと述べた。

「多くの労働者が、ただ自営業であるということだけで、或いは標準的でない働き方をせざるを得ないというだけで、社会保障システムの対象から部分的に、或いは完全に外れている。これも我々は変えていかねばならない。全ての労働者が、雇用形態に関わらず、しっかりした同じ社会的・基本的権利を持たなければならない。デジタル経済の進展によって、労働市場の門戸がまさにグローバルに開かれ、未来の労働が更に流動的で柔軟になる中、社会保障制度を改革し、現状に合わせなければ、破壊的な結果をもたらすだろう。それは容認できない。」

コルクロフ部長のプレゼン資料

コルクロフ部長の講演に続き、経済産業省産業人材政策室の伊藤参事官から、「第4次産業革命と『働き方改革』をめぐる動向」について講演を受けた。デジタル化時代に向けて、日本政府は多くの取組みを行なっている。とりわけ伊藤参事官は、正規社員の労働時間短縮の必要性を強調した。一方で、収入が不安定で断片的な仕事に就く非正規労働者も増えていることは矛盾しているように見える。

日本における急速な人口減少が、日本企業や労働者が職場におけるロボットやAIの導入に前向きな理由の1つである。しかし、多くの中小企業が直面する課題は山積しており、伊藤参事官は良き解決策を見出すために、労使の建設的な協力が不可欠だと述べた。デジタル化が労働者に及ぼす影響についての政府の取組みはこれからである。

これらの講演を受けて、フロアからは多くの意見や質問が出た。将来の社会契約はどのようなものであるべきか?という質問に、コルクロフ部長は「全ての労働者が社会的・基本的権利によって守られるようにしなければならない。自営業であろうと、雇用形態に関わらず、全ての労働者に訓練の権利と機会が与えられるよう要求すべきだ。労働者の要求が尊重されるには、労使関係においてパワーバランスが図られなければならない。そのためには組織化、組織化、組織化だ!」と繰り返した。

伊藤参事官には、TiSA(新サービス貿易協定)への日本政府の立場についての質問が出された。UNIの最近の報告書は、TiSAが及ぼす労働者及び労働条件への影響だけでなく、データ保護やデータの権利に対する負の影響について警鐘を鳴らしている。なぜ日本政府は、WTOをはじめ様々な貿易交渉において、データの自由な流通に異議を唱えないかについては明確な答弁はなかった。

「労働の未来」はUNIの重点課題の1つである。UNIは世界のサービス産業で働く仲間の声を代弁しており、常に新たな分野に踏み出してきた。ビッグ6と言われる世界の大手テクノロジー企業との新たな展開があるかもしれないので、UNIの「労働の未来」ウェブサイトにご注目を!


UNI-LCJ青年・女性、アジアの仲間と情報交換

2017年7月22~24日、福島で開催された第17回UNI-LCJユース英語セミナーに参加するため、ミシェル・ベリーノUNI Apro青年活動担当部長をはじめ海外から7人の講師が来日した。

セミナーの翌日、東京で、「アジア太平洋地域の労働組合運動と青年・女性の参加」をテーマに、UNI-LCJ青年・女性意見交換会が行なわれた。

ベリーノ部長から、UNI Aproの青年活動について概要報告を受けた後、アロック・マーラUNIネパール加盟協(UNI-NLC)コーディネーターは、2015年に発生したネパール大地震の直後から、同加盟協が取組んでいる被災地支援活動について報告すると共に、日本をはじめ世界中のUNIの仲間からの支援に感謝した。

スリランカのツシャンティカ・バンダラ郵便労組(UPTO)支部執行委員及びジャナス・プラサンカ銀行上級職労連(FBOSL)執行委員は、UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)の青年・女性活動について報告した。特にJP労組関東地本が支援している奨学金プロジェクトについては、奨学生の選考過程から授与式まで、UNI-SLAC青年委員会が全面的に関わっており、UNI-SLAC青年委員の育成にも役立っている。JP労組関東地本の長年の支援に感謝した。

また、マレーシアのフランシスカ・ドゥラウ・サバ銀行労組(SBEU)支部執行委員及びアスリワン・ナントン同支部執行委員、ローレンス・サイマン・ゲンティン労組財務次長は、UNIマレーシア加盟協(UNI-MLC)及び自組織の青年・女性活動について報告した。

日本人参加者は、スリランカのスーパーで働く非正規労働者の組織化や、女性組合員・役員の参加を増やす取組み、ネパールの被災地支援等について、積極的に質問し、各国の状況について理解を深めた。

ベリーノ部長は、「UNI Apro青年委員会に参加するだけでなく、このような機会やSNSを活用し、日本の青年・女性のみなさんも積極的にUNIの海外の仲間と情報共有をしてほしい」と呼びかけた。


UNI世界ICTS部会委員会、専門職、コンタクトセンター、IT労働者の組織化を強化

2017年6月6日、UNI世界ICTS部会委員会が、クロアチア・ザグレブで開催され、各地域から30人の世界ICTS部会委員が参加した。カー世界議長(英国)は、昨年退任したテイト前局長の功績に感謝し、後任のベシガー新局長率いる新ICTS部会チームの積極的な取組みを称えた。

野田UNI Apro ICTS部会議長は、本年8月末にマレーシア・クアラルンプールで開催予定の、UNI Apro ICTS部会大会の準備状況を報告し、大会テーマの「IT労働者の組織化」、「第4次産業革命時代のICTS産業」、「新たな労働の世界への対応」等の課題について説明した。また、バングラディシュのグラミンフォンやバングラリンクにおける深刻な労働組合権侵害の実態に対処するため、「親会社の労組やUNI本部と連携して状況改善を図っていきたい」と述べ、一丸となった対応の必要性を訴えた。

年間活動計画については、①専門職・監督職の課題を扱うUNI専門職・監督職委員会(UNI P&M)との連携推進、②戦略的なコンタクトセンター組織化、特に世界最大のコンタクトセンターを有するフィリピンにおける取組み強化、③IT労働者の組織化について確認した。また、2019年に開催されるUNI世界ICTS部会大会の開催地については、アフリカ地域での実施を検討する。

引き続き、6月7~9日、UNI欧州ICTS部会大会が開催され、欧州の加盟組織から約200人が参加した。「スマートな世界における賢い労働組合」のテーマの下、「新たな労働の世界における組織化」、「AIとロボット工学-倫理的課題」、「ICT部門のアウトソーシング」等の課題について事例報告と議論が行われた。最後に、①多国籍企業との交渉力強化、②新たな労働の世界における公平性と正義の追及、③社会対話の推進を中心とした4年間の行動計画を採択し、閉会した。


第29回UNI世界運営委員会(2017年5月11~12日、スイス・ニヨン)

第29回UNI世界運営委員会が2017年5月11~12日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催された。闘病から復帰したアン・セリンUNI会長が議事進行を行い、ルーベン・コルティナUNI米州地域会長が補佐した。開会挨拶でセリン会長は、フランス大統領選、オーストリア、オランダの総選挙で、反移民を唱える極右政党の台頭を抑えることができたこと、フィンランドの右翼連立政権の支持率が8%に落ちたことを挙げ、建設的な状況に変わることに期待を寄せた。主な議題は以下の通り。

UNI新書記長候補

既に退任を表明しているジェニングス書記長の後任については、公募と書類審査を経て、クリスティ・ホフマンUNI副書記長が5月10日の最終面接に臨んだ。UNI Aproからは野田地域会長が出席した。面接委員会はホフマンUNI副書記長を推薦し、世界運営委員会は面接委員会の推薦を確認した。10月の世界執行委員会で確認し、世界大会に世界執行委員会から勧告し、世界大会で選出される予定である。

空席になる副書記長ポストについても同様の選考プロセスで進めることが確認された。

第5回UNI世界大会(2018年6月、英国・リバプール)準備

書記長、会長候補等について確認した他、2019~2022年度のUNI加盟費について本部提案が出され、10月の世界執行委員会まで各地域・各国で検討することとした。行動計画及び動議案が出され、世界大会で採択するまでのスケジュールを確認した。女性代表40%ルールを徹底するため、資格審査委員会は、支払い状況だけでなく、ジェンダーバランスもチェックし、40%ルールを満たさない組織名は大会で公表される。青年代表は10%を目指すことが確認された。

労働の未来

昨年、現状把握をした「労働の未来」組合幹部サミットの第2弾として、今年10月に組合としての解決策を検討する組合幹部サミットを、世界執行委員会に合わせて開催する。従業員データの管理・運用、データ保護やAIの倫理的応用の分野でUNIは主導的役割を果たしたいと思っている。「労働の未来」を専門とする担当を配置した。「労働の未来」専門のウェブサイトを立ち上げ、情報共有のための専門家グループを作った。

ビジネスと人権

世界的に、企業に人権への明確なコミットメントを呼びかける動きがあり、更に単なるCSR宣言ではなく、人権尊重の義務化や人権デューデリジェンスの実行を求める動きがある。2011年に採択された国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP、いわゆるラギー原則)がOECD多国籍企業ガイドラインに盛り込まれ、2017年にOECDは衣料・履物産業におけるデューデリジェンスのガイドライン及び責任ある投資家に関するガイドラインを発行した。ILOの多国籍企業に関する原則の三者宣言にもUNGPは盛り込まれた。こうした好機を捉え、UNIと加盟組合は、UNIとのグローバル協定交渉及び実施のプロセスにおいて、UNIや組合の役割を明確化するよう交渉すべきであることが確認された。

バングラデシュ・アコード(安全衛生協定)

アコードの最新情報が報告され、世界運営委員会は、以下を確認した。

  • UNIは、インダストリオールと共に、中核的なアコードの条項を維持し、かつ団結権を認める条項を含める、協定(アコード)IIを再交渉する取組みを継続する。
  • 加盟組合には、サプライチェーン労働者支援基金への直接の拠出または他の非営利財団との連携を通じて支えることを奨励する。
  • グローバルユニオンが拘束力のある協定への調印者としての役割を継続しながら、この協定モデルを新たな国へ拡大することを検討する。
  • 引き続き、バングラデシュ政府に対し、未だに「労働組合はふさわしくない」というサービス部門を含め、結社の自由及び交渉を尊重するよう主張していく。
  • バングラデシュで操業する多国籍企業(特に、テレノール、バングラリンク、アクセンチュア)にも、事業所内で結社の自由の尊重に対し責任を負うよう圧力をかける。

TiSA(新サービス貿易協定)

TiSA(新サービス貿易協定)は2013年からジュネーブで秘密裏に交渉されてきた。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)と環大西洋貿易投資パートナーシップ協定(TTIP)という2つの大規模協定の頓挫により、唯一残っているのがTiSAである。TiSAは2017年9月まで非公式に中止されているが、ほとんど通告なしに交渉再開すると想定される。金融、電気通信、Eコマース、郵便・ロジスティクスというUNIの各部会に関わる。23のTiSAの交渉参加国には日本も含まれる。「チームTiSA」と呼ばれる6社(シティグループ(金融)、IBM(テクノロジー)、UPS(物流)、ウォルマート(小売、Eコマース)、メットライフ(保険)、リバティミューチュアル(保険))は、政府とTiSAの交渉担当者に特権的に連絡を取ることができ、「公平な競争の場」を作るという名目で、交渉参加23カ国に対し、企業がやりたいことは基本的にさせるという大胆なルールと約束を受け入れるよう望んでいる。これは、世界中で円滑に事業を行う権利、そして政府が気候変動に対する自国の社会、経済、開発、雇用、環境への影響あるいは貢献には関係なく、未知のサービスとテクノロジーを決して規制しないと約束する権利を保障することを意味している。リスクは非常に高い。従って、全ての加盟組合に今行動を起こすよう呼びかけられた。


メーデーに寄せて、UNIメッセージ 「希望そして攻撃からの復活」

マーティン・ルーサー・キングはかつて、我々は「現在の非常事態」に直面している、と言ったが、今日の国際労働運動も全く同じ思いである。

世界各地の路上で、多くの誇りを持った組合員が、結社の自由と団体交渉があってこそ成し遂げられるディーセントワークを要求する。我々のDNAに組み込まれている、これら公平性の基本原則は、ウーバー、アマゾン、デリバルー、テスラといったギグ経済(インターネットを介して単発の仕事を受発注する非正規労働によって成り立つ経済形態)を代表する企業にも等しく当てはまる。彼らは使用者としての責任を逃れ、従業員を騙し、最後は納税者に責任を負わせようとしている。デジタル時代の弱い者いじめは、我々を見くびってはならない。ガンジーは言った。「始めに彼等は無視し、次に笑い、そして挑みかかるだろう。そうして我々は勝つのだ。」我々は自身に誇りを持ち、我々の価値を疑わない。そうして働く人々のために勝つのだ。

UNIファミリーは勝利のメンタリティ、やればできる、の精神を誇りに思っている。

ジョージ・バーナード・ショーの言葉を言い換えれば、我々は「なぜこんなに難しいのだ」とは言わず、夢見て言う。「やってみよう!」と。

UNIは「やってみよう」のグローバルユニオンだ。2013年のラナプラザの悲劇から先週4年が経過したが、我々は見て見ぬふりはしなかった。バングラデシュ衣料産業のサプライチェーンを変えることは不可能だとは言わなかった。やってみよう!気合いを入れ、インダストリオールやNGOのグループと連携して、バングラデシュ安全協定に署名するようブランド企業を説得した。4年で、補償が支払われ、1500以上の工場が検査を受ける-我々はグローバルサプライチェーンをいかに変えるかの青写真を描いた。

今では200以上のブランドが法的拘束力のある協定にコミットしており、協定の安全衛生検査官によってカバーされた工場では1人の命も失われていないことを誇りに思っている。それでもこれで満足しているどころか、協定をもとの5年の寿命以上に延ばそうと交渉している。

先週、8000人を越える犠牲者を出したネパール大地震から2年を迎えた。UNIネパール加盟組合は結集し、海外からの支援を得て、家を失った生存者に何百もの仮設住宅を建てた。ここでも我々は諦めず、「やってみよう」と頑張った。

UNIには前向きな精神があるからこそ、世界中で何百もの組織化研修を行い、オーションやジオポストといった巨大企業とグローバル協定を結び、DHL等の企業を交渉テーブルに着かせ、我々の運命を左右するビジネスエリートに闘いを仕掛けていく。

2014年ケープタウンで立ち上げられた「労働の未来」プログラムを通じて、我々はこの分野をリードする専門家となってきた。我々は、国際組織、政府、ビジネス界から意見を求められている。彼らも勇敢な新しいデジタルの世界を航行しようとしているからだ。

我々は働く人々のために強い態度を取っていく。加盟組合が「実現」していることに感謝したい。皆さんはUNIのエンジンを動かす燃料だ。トランプ、英国EU離脱、過激思想のフランス…こうした困難の時代に我々の前に立ちはだかる任務の大きさは過小評価できない。労働運動はかつてないほどに既得権者から攻撃を受け、除外され、我々のスペースが奪われている。我々は労働者のためだけでなく、民主主義のためにも立ち上がる。オスロのノーベル平和センターには、コロンビアの和平プロセスが展示されていた。その和平に貢献したことで、サントス大統領にノーベル平和賞が贈られたが、コロンビアの組合指導者がまた攻撃されたと聞き心配している。恐怖の無い世界を求める日々の闘いは、コロンビアから韓国、パレスチナに至るまで、まだ続く。

我々は、「やってみよう」精神があるからだけでなく、勝ち取らなければならないから、勝つのである。労働の未来が、トランプと億万長者クラブの遊び場ではなく、包摂的な世界となるように。地球の人口の半分に相当する富を8人が所有するような世界、3分の1が1日2ドルも稼げない世界、1億6800万人の子供が強制労働に従事するような世界は受け入れられない。世界には十分な富がある。しかし不平等が人間の重荷になっている。我々は絶えずブレイクスルー(突破)し、全ての人々のために前進する道を探し続けなければならない。

最後に嬉しい記念日を。2017年はビートルズのアルバム、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド発売50周年である。UNIが来年世界大会を開催するリバプールが生んだジョン・レノンは、「計画的に生きようとしても、いろいろあるのが人生」と言っている。だがUNIは、ガンジーが述べたように、「世界の中で自分が見たいと思う変化に、自分がなる」よう計画し、行動していく。

UNI書記長 フィリップ・ジェニングス


ネパール大地震から2年、UNIの仲間から感謝

UNI日本加盟組織連絡協議会

松浦議長

 

本日、4月25日、8,000人を超える犠牲者を出し、多くの人が住む場所を失ったネパール大地震から2年が経ちました。数多くの歴史的、象徴的建築物が一瞬にして瓦礫と化しました。地震のような自然災害は予測不可能で壊滅的な被害をもたらします。私たちは常に、自然の前では無力であります。

この危機によって私たちは精神的にダメージを受けましたが、同時に、連帯と集団の力の重要性を教えられました。支えてくださる人々がいれば、究極の絶望と恐怖の中にあっても、それは時に、力に変わることがあります。社会運動の活動家である私たちは、常に自らの社会的責任を心掛けていなければなりません。

苦境にある人々の顔に微笑みを取り戻すために、私たちは頑張ってきました。労働組合として、私たちは限界もわきまえながら、同時に、恵まれないコミュニティに対して、私たちの義務と責任を全力で果たそうとしています。更に、ありとあらゆる方法で彼らの生活水準を高める計画に取組んでいます。

私は、UNIネパール加盟協(UNI–NLC)と加盟組合を代表して、皆様からの寛大なご支援があったからこそ、こうした活動が実現できたと、謹んで申し上げます。皆様の、被災者へ寄り添う温かいお気持ちと復興に向けた惜しみないご支援のおかげで、私たちは悲しみの中にも希望と力を見出すことができました。

皆様からの大きなご支援によって、私たちは瓦礫の中から新しいエネルギーと復興への誓いをもって、再び立ち上がることができました。心より御礼を申し上げます。

 

UNI–NLC議長

シャンカール・ラミッチャン

 

■UNI–NLC震災救援・再建支援活動報告

2015年4月25日は、ネパール史上、最大の悪夢と言える。この大地震によって、8,000人を超える犠牲者が出、無数の人々が家族や家屋を失った。そのインパクトはあまりに甚大で、生活はほぼ元に戻ったとはいえ、未だに精神的苦痛を感じている人が多い。

政府、NGO、個人等による直後の救援物資配給の取組みは、賞賛に値する。しかし、不安定な政治状況に加え、地理的、気候的問題のために、再建プロセスは順調にはいかなかった。

労働組合は社会の重要な構成員であり、労働運動は重要な社会運動である。労働組合は社会的責任を果たさなければならない。それを踏まえて、UNI–NLCは、その力量の範囲で、またUNIをはじめとする様々な友誼団体の寛大なご支援を受けて、被災者の苦しみと悲しみを和らげるために努力している。UNI–NLCの支援活動第1段階の概要は次の通り。

第2段階として、UNI–NLCは、被災した靴製造者のグループのために、2つのコミュニティハウスの建設に取組んでいる。彼らは暮らしが貧しく、衛生面の認識が全くない。そこで、UNI–NLCは以下の目的で彼らの生計支援プログラムを実施している。

  • 再建:コミュニティハウス
  • 健康、衛生面の改善
  • 女性のリプロダクティブヘルスの認識の改善
  • 基礎教育
  • 収入を得るための技能訓練
  • 協同組合を通じたコミュニティの人々の組織化

貧困は決して誰も望んでいるわけではない。貧困撲滅には全ての人々の努力を結集することが必要だ。従って、人々が貧困を克服することができるよう、技能開発、収入を得るための訓練が行われている。

最後に、UNI–NLCは長期的利益のために協同組合に従事することを決めた。UNI–NLCは常々、被災者の涙を拭うための取組に対する、組織や個人からの寛大なご支援に感謝している。

 


UNI Apro執行委員会、「労働の未来」を議論

2017年4月4~5日、シンガポールにおいて、第30回UNI Apro運営委員会、第23回UNI Apro執行委員会が開催された。昨年11月のUNI世界執行委員会における「労働の未来」議論を踏まえ、UNI Aproにおいても「労働の未来」フォーラムが開催された。

ジェニングスUNI書記長による基調講演

ビッグ6(グーグル、アマゾン、アップル、マイクロソフト、フェイスブック、IBM)があらゆるデータを独占している。彼らは責任あるビジネス行動とはいかなるものか、わかっていないようだ。競争だけでなく税制面でも規制をみていかなければならない。4人に1人しか正式な社会的保護を受けておらず、大儲けをしている企業が税逃れをし、更に仕事が機械に置き換わったら、人間はどうやって生きていけばよいのか。最低所得保障の議論があるが、組合の中でも懐疑的な人もいる。このような状況の中、ディーセントワークを確保するためには、組合を成長させるしかない。組織化基金を活用し、下請け労働者や専門職・監督職等も組織していかねばならない。他人に任せてはいけない。

UNIのアクション

ケープタウン世界大会で、労働の未来を取り上げることを決定した。世界経済フォーラムでも訴えた。そのため、14の産業で500万人が失職するという報告が出された。UNI欧州地域組織も調査をしている。ILOも100周年記念イニシアチブとして「仕事の未来」プロジェクトを推進しており、今後、世界委員会が立ち上げられる。我々はこのような国際機関に絶えず強力なメッセージを出し続けていかなければならない。

我々は、組合がデジタル革命の中でいかに戦略を変えようとしているか、現状に適用させようとしているか、調査している。労働者の権利、社会契約のあり方、我々のデータへのアクセス、シンギュラリティ、AIの倫理等、デジタル・マニフェストを作りたい。そのための取組みとして、①新たに「労働の未来」専用ウェブサイトを立ち上げ、②「デジタル化専門家グループ」への参加を加盟組合から募っている。これらはUNIの専門知識のハブとして、リバプール世界大会までに解決策をまとめていく。

「アクションを起こすのは我々だ。解決策を提示するのは我々だ!」

パトリック・テイ氏によるシンガポールの状況報告

シンガポール加盟協(UNI-SLC)からは27人が傍聴した。代表して、パトリック・テイ商業労組書記長(シンガポール全国労働組合会議SNTUC副書記長)が、SNTUCの取組みについて報告した。シンガポールは貿易やグローバル化に依存しており、不確実性の時代に、欧米、中国、東南アジアの動向から大きな影響を受ける。3D(①Demand、②Destruction、③Demographic)という言葉があり、大きく襲い掛かっている。①グローバルなDemand(需要)が下がった。②デジタル化の影響で、以前はトップ企業といえば石油会社だったが今はハイテク企業にその座を譲り、弱肉強食ではなく、等しく食べられてしまう。シェアリング・エコノミーが増え、大手多国籍企業ばかりでなく小規模スタートアップ企業も増えている。技術革新によりシンガポールでは43%の雇用が代替可能と言われており、破壊的状況(Destruction)だ。③急速な高齢化、出生率低下(Demographic)。

これらを克服するための対応として、将来のスキル訓練と、産業別政労使三者委員会による取組みを紹介した。

将来のスキル訓練は、失業者保護だけでなく、将来の失業者防止のためである。組合だけでなく、政労使、学者、コンサルタント、専門家、フリーランス、中小企業等と共に、弾力性をもって新たな雇用に備え準備していく試みを今年1月から開始した。

23の産業別政労使三者委員会を設置した。例えば金融委員会であれば、財務省、金融機関、中央銀行、組合が委員会に入り、政策提言に関与する。それぞれの産業の変革マップをつくっている。生産性について考え、労働者がデジタル化を受け入れるにあたり、マルチスキルにする。6部門で既にマップができあがり、来年3月には17部会もできる。

パトリック氏は、三者主義で取組む重要性を強調し、ILOやUNIの取組みと足並みを揃えていると述べた。

これらの報告を受け、松浦UNI-LCJ議長からは日本の状況について簡単に報告すると共に、UNI-LCJとして8月頃「労働の未来」シンポジウムを開催し、リバプールUNI世界大会までにUNI-LCJとしての見解をまとめる予定であると述べた。

ジェニングスUNI書記長は、デジタル資本主義に関する調査を行い、リバプールまでに結果をまとめると述べた。UNI Aproでは今年の部会大会で「労働の未来」を議論することになっており、各国でUNI Aproのリーダーが取組みの中心となることに期待を寄せた。

夕食会には、退任した鈴木ITUC-AP前書記長を招き、野田UNI Apro地域会長から感謝の盾が贈られた。

 


フェミニストでよかった! 組合員でよかった!

2017年1月21日、ワシントンで100万もの女性が、更には世界中で500万を超える女性が立ち上がり、女性の権利に関する法規制から、移民政策、医療、環境、人種差別、宗教の自由、労働者の権利まで啓発する世界規模のデモが行われた。

抗議の発端は、トランプ米大統領の女性に関する発言と見解に対するもので、1日のデモとしては米国史上、最大規模のものとなった。

このデモの前日にダボスで開催されていた世界経済フォーラムで、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は同様な力強いメッセージを打ち出した。「みんなフェミニストになるべきだ。男女共に平等を勝ち取るために闘おう。」

職場で女性は50%を占めるが、未だに女性の管理職は少なく、また女性であるがために差別や暴力を受け、賃金格差も存在する。しかし、組合員として社会正義と平等を求めて共に闘うことで、世界中の何百万人もの女性労働者の立場を良くするよう、変えていくことができる。

そこで、UNIは今年3月8日の国際女性デーに、女性が社会において平等な立場を勝ち取るための闘いを記念し、UNI機会均等局のキャンペーン「フェミニストでよかった!組合員でよかった!」を立ち上げるので、是非参加してほしい。

何百万人もの男女が、公園で記念行事を開催したり、カラフルに着飾ったり、デモ行進をしたり、世界各地で様々なイベントに参加する。人間は皆平等であると信じるなら、あなたもフェミニスト。一緒に国際女性デーのUNIキャンペーンを盛り上げよう。

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「みんなでいっしょにやればできる!」

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第18回UNI-LCJ年次総会、松浦新議長を選出

2017年2月13日、第18回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等71人が出席した。2016年度活動報告、会計報告に続き、『サービス産業における「労働の未来」を創る』をコンセプトとした2017年活動計画、予算が承認された。今年は役員改選年であり、UNI-LCJ運営委員会役員が確認され、松浦UAゼンセン会長が第8代議長に選出された。

年次総会にはUNI本部からクリスティ・ホフマンUNI副書記長と、UNI Aproよりクリストファー・ウン地域書記長がゲストとして出席した。ホフマンUNI副書記長は、他の友誼組織からの参加者も含め130余人を前に、「労働の未来~課題と可能性~」と題する基調講演を行った。現在我々が直面する課題として、格差、デジタル化、非標準型雇用の拡大等を挙げ、これに対するUNIのアクションを説明し、日本の加盟組合の積極的な参加を奨励した。

格差に関しては、オックスファム(世界の貧困者を支援する国際NGO)が世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に先駆けて発表した最新の報告書から、「世界で最も裕福な8人が、世界の貧しい半分(の36億人)に匹敵する資産を所有している」と引用した。世界経済フォーラムが発表した「職の未来」報告書は、今後5年で減少または増加する職種を予測している。デジタル化やテクノロジーの進化により、人間が遂行し報酬を得ている定型業務や肉体労働等の45%が自動化されるという。また、パート労働、有期雇用、派遣労働、下請け労働、オンコール(呼び出し)労働、臨時雇用といった非標準型雇用も増大している。ウーバー運転手のように、インターネットを通じて単発の仕事を請け負うギグ・エコノミーも顕在化している。

「このままでいけば、将来、人間の行う仕事が減り、収入が不安定になり、労使関係が不明瞭になる。全ての労働者が技術革新をはじめとする変化の恩恵を受けられるよう、既存の団体交渉の範囲を拡大し、雇用関係を維持・強化していく必要がある。政府は格差を是正するため、富の再分配をし、ディーセントワークを確保するよう社会政策を練り直すべきだと、UNIは声を上げていく」と、ホフマン副書記長は述べた。

「UNIはデジタル化の専門家をインターネット上で募り、その知見を共有し、対策を考えるため、専門のウェブサイトを立ち上げる。加盟組合から英知を結集し、AIに関する倫理規範や、今後必要となるスキルの国際基準を作りたい」と述べ、日本の加盟組合にも積極的な参加を呼びかけた。

レセプションでは、松浦議長の挨拶に続き、厚生労働省の勝田総括審議官(国際労働担当)、連合の神津会長より連帯挨拶を受けた。ウンUNI Apro地域書記長は、小俣前UNI-LCJ議長のUNIへの多大な貢献に感謝し、記念の盾を贈呈した。

写真はFlickrを参照


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