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UNI平和フォーラム-世界の終わりまで残り5分

終末時計は世界の終わりに向かって針を1分進めた
昨年のUNI世界執行委員会で、ナーゲルスマンUNIメディア部会議長(当時)から「UNI長崎世界大会は大きな感動をよんだ。長崎という平和を希求する場で開催された大会のメッセージを思い起こすべきだ」とし、平和セミナーの開催を提案した。これを受けて、2012年の世界執行委員会前日(11月12日)、「UNI平和フォーラム」が開催された。ジェニングス書記長は開会挨拶の中で、UNI長崎世界大会の意義を想起し、「ミスコミュニケーションにより核兵器使用の可能性が高まっている」と警告した。領土問題が軍事衝突に至る可能性ということで尖閣諸島問題にも触れた。最後に「私は平和のために祈る。しかしそれだけでは十分ではない。行動が必要だ」というダライラマの言葉を引用し、UNIの立場として表明した。

米科学誌『Bulletin of the Atomic Scientists』が管理をする“世界終末時計”の針が「残り6分」から「5分」へと1分進められた点について、エバンス・オーストラリア国立大学総長が、ビデオ講演を行った。同氏は、ゲストスピーカーとして長崎UNI世界大会にも出席している。

「2010年の時点では、まだ楽観的な気分が漂っていた。ところが今、核兵器削減に関しては、前進がないばかりか、イランや北朝鮮など核兵器を持つ国が増大し、暗い状況にある。終末時計は、さらに危機的な状況に近づいている。世界は、冷戦時代より混沌としている」と警告した。ブラウン国際反核兵器法律家協会事務局長は、「持続可能な社会のための軍縮ッ貧困層のために優先順位の変更を」というテーマで講演し、「過去の二つの大戦を振り返って教訓から学ぶべきだ。労働組合が中心に立って平和のために闘わなければならない。ギリシャの例は、軍備輸出国が富める国になり、輸入国は貧しくなることを示している。平和運動は、労働運動の支持を必要としている」と訴えた。続いてデニス核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)シニア・キャンペイナーが登壇し、「核兵器はますます近代化しており、新しい脅威が生まれている」と時代を特徴付け、インドとパキスタンの戦争を例に、核兵器が使われた際のインパクトを具体的に示した。軍備をコントロールするアプローチから、人道的なアプローチへの転換を呼びかけた。

ポスト・フクシマ
八野UNI-LCJ副議長が、東日本大震災と福島原発事故を振り返り、現在の日本の状況を詳細に分析した上で、将来的には原子力に依存しない社会づくりを目指したい、とした。「将来のエネルギーミックス:100%再生可能なエネルギー」と題して、シンガー世界自然保護基金(WWF)世界エネルギー政策部長は、再生可能エネルギーのシナリオを提示し、「移行への技術はある。事実グローバル・エネルギーの消費トレンドとしては、太陽光、地熱など再生可能エネルギーのシェアが増大している。雇用は増えるだろう」と論じた。「核テクノロジーの二重性」という標題で、リーパート・ダルムシュタット工科大学教授が、核テクノロジーの歴史を紐解き、「1938年に初めて核分裂が行われた。以降、核爆弾が作られ、プルトニウムに移行した。核テクノロジーは民事軍事両方に活用できる。破棄することにすべての国がコミットすべきである。長期的にはフェードアウトすべきだが、グローバルに核の秩序を考えるべきだ」と語った。

グローバル・リスク:食糧と紛争
世界経済フォーラムのグローバル・リスク報告は、水と食料へのアクセス欠如から起きる平和への脅威について強調している。ヒルベック・スイス連邦工科大学教授は、紛争、貧困・飢餓、環境悪化の悪循環と農業と食糧生産の関係性を説明し、「我々はグローバルに依存している。うまく機能するグローバルなエコシステム作りに向け、労働組合も役割を果たすことができる」と述べた。ババロラUNIナイジェリア加盟協議長は、ヒルベック氏の演説の実際を、ナイジェリアの例をもとに説明した。このセッションは、2014年のケープタウンUNI世界大会に向けた議論の土台を築いた。アフリカにおける飢餓と食糧価格高騰は、喫緊の課題である。

ジェニングス書記長は、「現在の世界は、全面的な市場主導型経済であり、市場の失敗が即座に労働者の生活に影響する。我々は対案を持たねばならない。今や50カ国が核兵器を製造可能という極めて危険な状況下にある。アジアは成長のエンジンであって、緊張のエンジンであってはならないということを、先日のUNI-Apro東アジア労組フォーラムは明らかにした。今なお希望はある」と、まとめた。


第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラム

第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラムが2012年10月22~23日に東京で開催され、韓国、台湾、香港のから27名、日本から83名、合計110名が参加した。
同フォーラムは、今回初めて開催され、その意味でまず基本の基本をお互いに認識し合うということから始めることとした。選ばれたテーマは、各国のサービス産業の労使関係と課題、東日本大震災からの復興・再生に向けた支援活動、各国労働運動の現状、女性・青年の労働運動参加促進、各国のUNI加盟協の12年と今後の課題であった。クリストファー・ウン地域書記長から、最初と最後に意見をもらい、討論を豊富化することができた。

第1日には、「グローバル化とASEAN、東アジア」という演題で、ウン地域書記長が講演を行った。グローバルな観点、ASEANという観点から、東アジアを俯瞰し、今後の経済の方向性、政治の方向性、労働組合の方向性を占うという内容であった。その際、ASEANプラス3、又は6について、台湾を排除すべきではないという意見が出て、了承された。
「日本の労使関係とその課題」という演題では、北浦日本生産性本部参事が講演を行った。ホスト国が日本であったことから、特に日本の労使関係について、概論を述べた。日本の労使関係の発展の特色が細かく触れられた。各国労使関係は、歴史的、社会的な国のあり方に規定される。日本の労使関係の根底にあるものがどのように変遷を遂げたか、今後の課題は何か、特に改革すべきものと変えるべきでないものは何かについて、全員が学ぶことができた。
各国の労使関係の比較では、まず「韓国サービス業の労使関係と課題」から始まった。韓国のスピーカーから、総論(ユ・ジヒュン韓国保健医療労組委員長)、パブリックセクターの労使関係(キムチョルヨン韓国郵政労組国際部長)、民間企業の労使関係(カン・ギュヒョク韓国サービス労組委員長)、非正規セクターの労使関係(チュン・ミョンヘ韓国金融労組政策担当)、KT労組について(チャ・ワンキュKT労組政策部長)について、説明を受けた。財閥系の韓国企業が急速に発展を遂げる中で、貧富の差が大きくなっており、その典型が非正規労働者の問題だという事実が明らかにされた。
続いて、「台湾サービス業の労使関係と課題」というテーマで、ジェリー・ルウ中華郵政工会副委員長がプレゼンを行った。台湾では、労働協約法の改正があり、労働組合に入りやすくなっている、産業別組合の交渉可能性も拡大していることが明らかになった。
「日本サービス業の労使関係と課題」という演題では、UNI-LCJ加盟労組が講演を行った。商業部門は、八野サービス流通連合会長から、自動車産業は、佐藤自動車総連国際局長から、印刷部門は西山全印刷書記から、金融部門は中村損保労連服委員長、大長生保労連副書記長が説明を行った。商業部門の傾向と趨勢、生産性三原則の実際、日本のサービス産業の労使関係の法的基礎、純粋持株会社形態と労働組合、ダイバシティーへの対応などが説かれた。
「東日本大震災からの復興・再生に向けた支援活動」のプレゼンを春木情報労連書記長から受けた。東日本大震災にあたっては、各国組合から様々なご支援を受けた。ここまで復興が進んだ、労働運動はこういう役割を果たした、という現状報告を行った。

第2日目は、「日本の労働組合運動の現状」ということで、落合LCJ議長が講演を行った。落合議長は、UIゼンセンを141万人の組織(UAゼンセン)にまで作り上げる指揮をとった会長であり、参加者はその言葉の重みを噛み締めた。「韓国労働運動の現状」は、キム・ビュングク韓国大学職員労組書記長、カン・サンナム全国メディア労組副委員長から報告があった。「台湾労働組合運動の現状」は、ジェリー・ルウ中華郵政工会副委員長から講演を受けた。
「女性・青年の労働運動参加促進」も重要なテーマであり、4つの組合が講演を行った。
日本からは、河野全労金書記長、山下労済労連副委員長、韓国からは、ハン・ミジュン韓国保健医療労組副委員長、台湾からは、ジュリア中華郵政工会副書記長が講演を行った。
続いて、「UNI-LCの12年と今後の課題」として、各国のUNI加盟協が発表した。日本UNI-LCJの12年と今後の課題と題して、臼杵UNI-LCJ副議長、韓国UNI-KLCの12年と今後の課題と題して、ジェイ・チョイUNI韓国デスク・コーディネーター、台湾UNI結成以降12年と今後の課題と題して、ジョージ・リャン中華郵政工会国際局長、香港UNI結成以降12年とUNI-HKLCの結成、今後の課題と題して、チュン・ライハUNI-HKLCコンベイナーから講演を受けた。

クリストファー地域書記長から、「アジア太平洋地域のLCとUNI-Aproの前進」の演題で講演を受けた。UNI-LCの結成は、UNI-Aproの基本的な方針である。ASEAN諸国、南アジア諸国におけるLCの活動の現状、UNIの支援のあり方などが論じられた。
最後に加藤UNI-Apro会長がまとめを行った。「我々は、企業別組合として、どうしても他の労組の動向には興味を持たなくなりがちだが、ナショナルセンターの活動、UNI-LCの活動という形で、できるだけ様々な問題を討論し合うことが重要である。特にUNIは、ネットワークが海外まで広がり、そこでの討論は特に重要といわねばならない。」とした。

最後に、来年ソウルで再び会うことを誓う共同声明を採択し、第1回UNI-Apro東アジア労組フォーラムが閉会した。

写真はFlickr参照

 


各国ユース代表、東京で意見交換

2012年10月9日、東京でUNI-LCJユースネットワーク会議が開催された。

広島でのユース英語セミナーに講師として来日した海外講師を交え、UNI-Apro青年委員及びUNI-LCJ構成組織の青年担当及び国際担当と意見交換を行った。情報労連及び日放労のUNI-Apro青年委員の交代もあり、新委員の顔合せの機会にもなった。

自己紹介に続き、UNI-Aproの情報発信及び加盟組合とのコミュニケーション強化のため任命されたレベッカ広報部長が、UNIウェブサイト、Facebook、ブレティンを紹介し、加盟組合からも情報を寄せてほしいと要望した。

柿田UNI-Apro青年委員会副議長から、6月にマニラで開催されたUNI-Apro青年委員会の報告を受けた後、フィリピン、ネパール、欧州の青年活動について共有した。

ポールは、フィリピンでは労働組合のイメージアップと労働者の権利を知ってもらうため、若手組合メンバーが大学に赴き学生と対話する取組みと、パヤタスにおける栄養失調児童への給食プロジェクトについて報告した。

スラジは、ネパールでは政治が安定せず、産業と雇用機会が少ないため、若者は海外に職を求めて移住する傾向が見られるが、他の南アジア諸国に比べれば労働組合のイメージはそれほど悪くなく、青年は組合活動に積極的であると説明した。

エドは、反人種主義、若年層の失業問題、移民労働者、派遣労働等、UNI欧州青年委員会の決議を紹介した。

日本からは、情報労連、全印刷、UIゼンセン同盟、JSD、JP労組から、それぞれの青年(女性)活動について報告があった。

共通していたのは、日本でも海外でも青年活動の重要なポイントは、楽しい活動を企画し、仲間をつくり、連帯感を深めていく中から、将来のリーダーを育成することである。UNI-LCJとしては今後も様々な機会や情報発信ツールを活用して、青年活動情報の共有を図っていきたい。

写真はFlickr参照


LCJユース、平和と国際連帯について英語で考える

2012年10月5~8日、広島で第12回UNI-LCJユース英語セミナーが開催された。

表記セミナーには、情報労連、全印刷、UIゼンセン同盟、自動車総連、JP労組、全信連より20名の参加者、情報労連、UIゼンセン同盟、JSDよりアシスタント各1名、海外講師として、アイルランド・ユナイト労組のエド・トンプソン(UNI欧州青年運営委員)、フィリピン銀行労組のポール・パガバオ(UNIフィリピン加盟協青年委員)、ネパール金融労組のスラジ・ダカール、UNI-Aproのレベッカ・ユエン広報部長、事務局3名の計30名が参加した。英語セミナーとしては昨年の沖縄に続き、広島では初めての開催である。

10月5日の懇親夕食会には落合UNI-LCJ議長も出席し、参加者を激励いただいた他、平和学習の企画・実施に全面的に協力いただいたUIゼンセン同盟広島県支部の宮崎支部長から歓迎挨拶を受けた。

10月6日の開会式では、落合議長が英語で基調講演し、国際労働運動について理解を深めると共に、UNI長崎世界大会のテーマでもあった「核兵器廃絶・恒久平和」の取組みを広島で学び、次世代及び世界の仲間に伝えてほしい、また海外の働く仲間や国内の他産業の仲間と知り合い、視野を広げてほしいと激励した。

海外講師の講演では、レベッカ広報部長からUNI基礎知識、エドUNI欧州青年委員から欧州の青年委員会活動について、ポールUNI-PLC青年委員からパヤタス・プロジェクトをはじめとするフィリピンの青年活動について、スラジ金融労組保険部会コーディネータからネパールの労働運動及び青年の状況について報告を受けた。

グループワークでは、自己紹介、各組合や青年活動の説明を練習したり、ディーセントワークについて考え議論した。また各グループは、ソーシャル委員会(セッションの合間のエクササイズを指揮)、モデレータ委員会(毎朝の口頭報告と最終日プレゼンの司会進行)、ブログ委員会(UNI-LCJユースブログやFacebookに記事と写真をアップ)の任務も受け持った。

平和学習として、まず広島平和文化センターのリーパー理事長から核兵器廃絶を訴え平和文化を促進するビデオメッセージを聞いた。高校生平和大使の桑原さん(広島女学院高校2年)は、「被爆者の肉声を聞ける最後の世代と言われる中、若者の平和意識や学ぶ意識の低さを実感していたため大使に応募した。大使の活動として国連へ署名を届けたり、UNI本部で平和について考えたり、ドイツでも署名活動を行ったりして、平和な世界の構築には相互理解が大切だと感じた」と経験を語った。

10月7日午後には、グループ毎に広島平和記念資料館を視察し、平和公園内のモニュメントや原爆ドームを海外講師に英語で案内する練習をした。また被爆電車に乗車し、当時とほぼ同じ運行路線を辿った。

最終日には、グループ別にセミナーで学んだ内容を、スキットやクイズ形式など工夫を凝らした創造的なやり方で、全員が参加し英語でプレゼンを行った。海外講師からは、「広島で日本の歴史と原爆の恐ろしさに触れることができた。この経験を自国の青年にも伝えたい」、「参加者のホスピタリティに感謝する」、「会話はボキャブラリーの有無より自信を持てるかの問題。初級者も最後は自信をもって表現していた」とのコメントがあった。

事前アンケートでは、UNIという言葉を聞いたことがある参加者は20名中10名、UNI会議に参加したことがある参加者は1名しかいなかったが、セミナー後のアンケートでは、「UNIがどのような組織か、どのような活動をしているかわかった」、「青年の関心や問題は共通していると思う」、「他産別や海外の事情を聞くことができ大変刺激になった」、「自分の組合について知らないことを反省した」といった声が聞かれた。タイトスケジュールだったので、グループワークは深夜に及ぶこともあったが、今回は比較的少人数グループで密度の濃い議論ができ、メンバー間の結束も深まった。

写真はFlickr参照


長崎平和大使、核軍縮を訴える

長崎平和大使(日本の高校生や被爆者などから成るグループ)が今年もニヨンのUNI本部を訪れた。これに先立ち彼らは、核兵器廃絶・核軍縮を陳情する155,000余の署名を国連欧州本部に提出した。

平和大使を歓迎する中で、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、「核兵器のない世界のために活動する高校生を再び迎えることができて光栄だ。私たちもみなさんの夢と目標を共有したい。核兵器廃絶キャンペーンを支援したい。世界にはいまだ19,000の核兵器があるとされ、それらが使用される危険性は常につきまとっている。今日ここにいる被爆2世、3世、さらには4世をも含む平和大使は、悲劇が2度と繰り返されないよう、悲劇を忘れまいとしている。私たちはみなさんの行動を誇りに思い、共に進みたい。」と挨拶した。今回、在ブラジル被爆者の証言を伝えたブラジル出身の2名を含む生徒たちは、被爆者の存在と彼らが平和大使になった理由について、感情をこめて語った。

川崎有希さんは、自分の祖父の経験について語った。川崎さんの祖父は、原爆投下後、遺体の埋葬と死に行く人々のケアのため、100km離れた家から広島へ駆け付けた。彼女の祖父は、放射線の影響で病を患った。彼女のメッセージは「もう戦争を起こさないこと」だ。

片山宥那さんは、幼稚園時代に出会った被爆者の「全ての人が世界の平和を願い行動すれば、それは実現する」という言葉を伝えた。

相原由奈さんも、「あなた達が、被爆者の経験を直に聞くことのできる最後の世代。私たちはあなたにバトンを渡さなくてはならない」との被爆者のメッセージを伝えた。

平和のメッセージを受け継ぐことについて、全ての平和大使が強い責任感を表明した。現在、被爆者の平均年齢は77歳である。

UNIは、2010年の世界大会開催地である長崎の市民と温かい友情を育んできた。UNIのブレイキングスルー戦略では、核軍縮を目指す国際的な運動を支持している。

長崎でのUNI世界大会の4か月後、日本は壊滅的な地震と津波、そして福島における原子力発電所の惨事に見舞われた。地震と津波によりおよそ2万名の命が奪われ、さらに数千名が住居を奪われた。

1945年8月6日に米国による広島への原爆投下により約14万名が、そして3日後の長崎への2発目の投下で7万名以上の命が、一瞬のうちに犠牲となった。

長崎平和大使は、「長崎を最後の被爆地に」との訴えで活動を続けている。彼らが、被爆者の声を直接聞くことのできる最後の世代となる。


UNI-Aproスタッフ会議


UNI、宮古市社会福祉協議会に介護用車両を寄贈

2012年7月3日午後、岩手県宮古市の総合福祉センター(宮古市社会福祉協議会)において、UNI-LCJ主催東日本大震災復興支援物品贈呈式が開催された。青空の下、UNI Apro、UNI-LCJapan、連合岩手県支部、地元の加盟組合、宮古市社会福祉協議会の関係者約100名が参加した。
川下自動車総連国際局担当が司会を務め、まず震災の犠牲者へ黙祷を捧げた。
その後、落合UNI-LCJ議長が主催者を代表して、「今回の震災で“絆”という言葉が見直された。UNIの理想は、この絆をグローバルに活かすことにある。宮古市民の皆さんとUNIとの間にできた絆を大切にし、一日も早い復興を祈念する」と挨拶した。

今回の介護車両等寄贈は、連帯基金への最大の寄付団体である北米合同食品商業労組(UFCW)の存在なくして実現しえなかった。UFCWは今秋の大統領選でのオバマ氏再選に向けて多忙を極めており、贈呈式への出席は叶わなかったが、ジョー・ハンセンUFCW会長からのメッセージを俣野サービス・流通連合事務局次長が代読した。この中で、ハンセン会長は、2003年にUFCWが長期ストライキを行った際に日本の労働組合から受けた大きな支援を決して忘れないと述べ、遠く海を隔てても130万人のUFCWメンバーは、UNIの仲間が自然災害や困難に直面した時、連帯し助けあうことにより乗り越えられると信じている」と述べた。

飛澤・宮古市社会福祉協議会会長は、「予想外の大参事で意気消沈し途方に暮れていたところ、世界の国々と日本国内の各地から義援金や物資等が450日余にわたって贈られたお陰で復興へ立ち上がる元気を取り戻すことができた。UNI-LCJからいただいた車両と支援品等を活用することで諸問題を解決して、一日も早く復旧復興の終点に達するように頑張りたい」と感謝した。
続いて、落合UNI-LCJ議長から飛澤会長に車両の鍵が手渡され、3台の介護車両がお披露目された。車両には、UNI及びUFCWのロゴと、「世界の仲間は一日も早い復興をお祈りしています」というメッセージがプリントされており、地域での活躍が期待される。

最後にUNIを代表して、クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長が挨拶し、2004年末にスマトラ島沖地震で津波被害に遭ったインドネシア・アチェの人々が、その際日本から受けた支援を忘れておらず、今回貧しいながらもカンパをしたエピソードを紹介し、UNIグローバル・ファミリーは日本及び東北の早期復興を心から願っていると述べた。

なお、介護車両3台の他に、無線機10台と子ども用遊具14点が宮古市社会福祉協議会に寄贈された。

写真はFlickr参照


UNI-Apro商業部会代表団、被災地復興にエール

2012年7月2日午前、UNI Apro商業部会代表団は仙台で、サービス・流通連合に加盟する地元の労働組合(藤崎労働組合、エマルシェさくら野労働組合、三越伊勢丹グループ労働組合、SEIYUグループ労働組合、ロフト労働組合)役員と、災害時の労働組合の取組みについて意見交換を行った。東日本大震災に際して各現場の経験を共有し、労働安全衛生上、不可欠な要素としての職場における危機管理整備の必要性が再検討された。

震災後数日以内に各組合は、従業員の被災状況、物的損傷等について情報を収集し、その後、従業員の安否確認方法、顧客の避難誘導等、災害時マニュアルの見直しや震災後の課題について検討を重ねたこと等が共有された。また、食料や毛布、避難場所を提供したデパートの事例が紹介され、災害時の地域における商業店舗の人道的役割や機能の重要さがあらためて認識された。更に、非常時にいかに労使が協力できるかに議論が及び、雇用確保とあわせて、より詳細な労使の「緊急時準備計画」導入の必要性が強調された。商店街全域の更なる協力関係構築の重要性についても意見が述べられた。八野サービス・流通連合会長は、UNIと海外加盟組織からの支援及び国際連帯に感謝した。

同日午後には、義元UIゼンセン同盟東北グループ副事務局長らの案内で、石巻、女川を視察した。バスで被災地の小学校の跡地や病院等を視察する中、言葉を失うほどの大地震や巨大津波による被害の甚大さを想像しながら、被災地におけるUIゼンセン同盟の加盟組合の取組みについて説明を受けた。UIゼンセン同盟の「コットン・プロジェクト」は、津波により従来の作物を耕作できなくなってしまった土地で綿花を栽培し、土壌の回復を図ると共に、地元の農家を収入面で支援するものである。
不足している食料や物資を当然のように分かち合い、励まし合う前向きな人々の話を聞き、UNI Apro商業部会代表団は、東北の復興に心からエールを送った。ウンUNI Apro地域書記長は、「緊急時に冷静かつ、地域の人々のために貢献した皆さんの行動に心から敬意を表したい」と述べ、「この経験から我々も多くを学ぶことができる。後世に残すべき貴重な経験なので、是非LCJ加盟組合の経験として文書にまとめてほしい」と期待を寄せた。

写真はFlickr参照

 


高齢労働者はコストではない。経験を評価せよ。

UNI Apro商業部会委員会に合わせて2012年7月1日、東京で開催された「ILO商業部門世界対話フォーラム・フォローアップ会議」には、日曜の早朝にも関わらず50名を超える参加を得た。

本会議は、2011年9月にジュネーブのILO本部で開催された「小売業における作業プロセスの変化に関連した高齢労働者のニーズに関する世界対話フォーラム」のフォローアップとして開かれた。今回のUNI Apro商業部会委員会では、高齢労働者の雇用を生み出し、高齢労働者のための適切な措置を講じた優れた事例を共有した。

ブラッドソンUNI-Apro商業部会議長による開会挨拶の後、上岡ILO駐日代表は、「高齢者の問題は今、全世界で話題になっており、グローバル化とそれに伴う競争の激化の中で、高齢労働者の問題がどのような意味を持つかについて、本日の議論に期待する」と挨拶、高齢者雇用促進法など、日本の状況についても、フォーラム結論文書の内容と関連付けて説明した。

桜田ILO労働側理事は、最近のILO活動を報告した。まず国際労働運動全体で支持したガイ・ライダー氏がILO事務局長に選出された意味を語り、続いて国際労働基準の中核的8条約の批准、基準設定及び監視というILOの基本的機能などの説明と現状、使用者側の条約勧告適用専門家委員会における攻勢などを説明した。

また、日本政府代表としてフォーラムに参加した伊澤厚生労働省大臣官房統計情報部長は、講演の中で「厚生労働省は、60歳代の雇用の確保、再就職の促進、多様な参加の三本柱を中心に推し進めている。9割以上の企業は定年後の雇用を実現しているが、継続雇用制度が適用されなかった労働者についても、例外を廃止し、雇用と年金を結びつけることが重要である。今国会で、高齢者雇用安定法改正案を提出しており、ぜひ通したいとの決意を示すことが重要」と述べた。

次に、ILO討論フォーラムの参加者が感想を述べた。
労働側代表として出席した田村UIゼンセン同盟副書記長からは、①小売商業の経営側の過度の顧客重視、②高齢者ではなく、ベテラン労働者という視点、③研修・教育・訓練システムを作る必要性、④専門店の人々にも目を向ける必要性(モールの営業時間が延びると専門店の労働者は大変である)という4点が提示された。

同じくフォーラムに参加した俣野JSD事務局次長は「高齢労働者をコストとして捉えるのではなく、熟練した戦力として捉えるべきだ。この問題は、政労使三者による働きかけが重要、その意味で日本は政労使三者が参加し、会議のイニシアチブを取ることができた。世界共通の課題であり、フォーラムの継続が重要である」と発言した。

ブラッドソンUNI Apro商業部会議長は、「今後オーストラリアでも高齢者が増えていく見込みだが、高齢労働者の多くは仕事を続けたいと考えており、彼らの労働の価値を認めなければならない。高齢労働者は、生産性、モチベーションは高く、転職の割合が低く、組織の安定化に貢献できる。何よりも企業の記憶を保持しており、顧客の多様性にも対応できる。我々には制度として、年齢差別監視コミッショナーが必要だ。ディーセントな労働を維持するしくみを考えよう」と述べた。また、シンガポール、インドネシア、香港からも経験が共有され、質疑応答時には、移民と育児についての質問が出された。

閉会にあたり、ウンUNI-Apro地域書記長は「先進国では高齢化傾向が加速しており、雇用機会を調整し、安全な労働環境を創出する必要がある。高齢労働者はコストではなく、経験ある労働者として見做されるべきだ。高齢労働者が技術の進歩についていけるよう訓練を再検討し、労働組合は商業部門の方針を打ち出すに当たり、これらのニーズを検討しなければならない」と発言し、この分野における経験を広め共有する上で日本の果たすべき役割の大きさについても強調した。

Global Dialog Forum – Singapore-J

ILO商業世界対話フォーラム報告書

MHLW-Mr. Isawa’s presentation-J

SDA Report on Valuing Older workers – J


UNI Apro 商業部会委員会

UNI Apro商業部会委員会が日本で開催されるのは、2000年UNI Apro4部会大会(広島)以来初めてのことである。今回は委員会後に東日本大震災の復興に取り組む被災地視察並びに東北の加盟組合と意見交換を行うため、東京での開催となった。

ブラッドソンUNI Apro商業部会議長は開会の挨拶の中で、「現在世界は経済危機の渦中にあり、労働組合が不当に攻撃されている」と強調した。ウンUNI Apro地域書記長は、最近のミャンマー民主化を例に、アジアの民主的発展と労働組合の結束の必要性を訴えた。続いて落合UNI-LCJ議長から、「グローバル化、金融を中心とした投機的な波により実体経済が翻弄されている。その中で連帯経済という概念が提起されており、皆でこれを展開していこう」との呼びかけがあった。

藤吉委員(UIゼンセン同盟副会長)から、最近のアオキの状況について「和解したが、組合員数は元に戻っていない。今後組合員の数を早期に復活させたい」との説明があった。今年5月に開催されたUNI商業部会運営委員会の報告に続き、ウォルマートに関する声明の承認にあたり、八野委員(JSD会長)は、「西友はウォルマートに買収されたが、労使による協力関係を進める点で、西友も例外ではない」、「メキシコでの不祥事について、労使で再発防止の取組みを行うことを合意した」と、注意喚起した。

続いて各労組代表が、各国の状況と商業部会加盟組合の対応について報告した。

市ノ渡自動車総連国際局局長(オブ)は、自動車販売店の経営対策活動について、全トヨタ販売労働組合連合会(CND)による団体交渉と労使協議の例を説明した。

ルスディ委員(インドネシア・HEROスーパーマーケット労組)は、ASPEKへの反発から、UNICOMEインドネシアの結成を決定、未組織のアウトソース労働者を組合に組織していくことを会社に認めさせた。また、イケアの労働者と話し、組織化できると確信した。今後カルフールやロッテも支援したい、と述べた。ウン地域書記長は、ASPEK問題に触れ、「1999年に結成後、幾多の成功を収めてきたが、組織の巨大化につれ、活動の速度が落ちてしまった」と発言した。

八野委員は、非正規労働者の組織化と、職務や役割・責任に応じた適正な賃金水準の実現、均等・均衡待遇の実現、正社員への転換導入、両立支援制度拡充といった処遇改善の取組みについて、パートの意識調査結果も交えて報告した。

藤吉委員は、組織化手法を、ターゲット企業の状況把握、経営者対策及び労働者へのアプローチといった入念な準備から、経営者との駆け引き・説得、一斉加入活動に至る迄の綿密な作戦を、最近の成功事例を挙げて説明した。

シャフィーUNI-MLC議長(UNICOMEマレーシア)は、民間部門の労働者の定年が60歳に引き上げられたこと、高い転職率、経営による組合潰しなど小売部門の組織化には困難が伴うが、ヘルプデスク設置、法的支援、協約作り、訓練などの支援サービスを提供していると報告した。

カン委員(韓国民間労組)は、「流通労働者のための特別法を作り、閉店時間などを規定し、感情労働手当を要求したい。テスコの組織化プロジェクトの途中である」と報告した。

ライハ委員(香港流通労組)は、「H&Mとのアクセス協定は、グローバル枠組み協定を試す効果もある。5月下旬に2度目の訪問を行うが、会社側は組合に15分の説明時間を与える見込み」だと述べた。

「UNI Apro商業部会におけるジェンダー平等」の議題では、小川UNI Apro女性担当部長が、今年3月に開催された女性委員会の議論と勧告について報告し、女性労働者数が多い商業部会においてもジェンダー平等・男女共同参画推進を常に意識して取組んでほしいと訴えた。

「UNI Apro商業部会組織化キャンペーン:フォローアップ報告と今後の優先課題」の議題では、アジア太平洋地域各国における多国籍企業の現状を報告し、組織化の任務が改めて浮き彫りとなった。シャフィーUNI-MLC議長は、グローバル協定の現状をカルフールの例をとって批判した一方、ウン地域書記長、八野委員は「髙島屋のグローバル協定は、職場から作られたもの」である点を強調した。


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