第2回UNI Apro東アジア労組フォーラム開催

 group photo-crop

昨年初めて東京で開催されたUNI Apro東アジア労組フォーラムの第2回会議が、2013年10月30~31日、韓国・ソウルで開催された。テーマは「低出生率、高齢化社会における雇用政策」であり、日本、韓国、台湾、香港において、この問題がいかに取り扱われ、解決策は何であるかということを、労働組合の立場から議論した。

開会式では、まずリー・ハングUNI韓国加盟協(UNI-KLC)議長が「今回のテーマは時宜に即しており、東アジア各国が同じ問題に直面している」と述べた。

逢見直人UNI Apro会長は、今後の人口動向について「65歳以上の人々が総人口の7%以上を占める国を高齢化国、これが14%以上を超えると高齢国と言う。日本は、最近の統計で65歳以上の高齢者が初めて総人口の25%を越えた。2024年に高齢者数は30%を突破し、2035年には3人に1人が高齢者になる。これに対し、韓国は2010年が11%、2020年が15%、台湾は今年が11%、2018年に14%を超えると言う。香港は、今年が13%、あと数年で、東アジア各国は全て高齢国となる」と報告した。その上で、発想の転換を呼びかけ、長寿自体は祝うべきことであるが、国としては「人口の高齢化に対する戦略が不可欠」と述べた。

相原康伸UNI-LCJ議長は、少子化の実態を示し、若年層の非正規労働者増大がこの事態の背景にあるのではないかと問題提起した。

続いてウンUNI Apro地域書記長は「私自身が高齢化を前に何も準備していないことに気がついたように、アジア太平洋の労働組合も殆どこの問題に対する備えができていない」と警鐘を鳴らした。アン・ズヨプ韓国労働研究院研究員が、メインテーマの低出生率、高齢化社会における雇用政策について講演した。

101-Seoul-Aihara-small

本フォーラムにおける日本からの報告

テーマ1「低出生率、高齢化社会における組合戦略」では、藤吉大輔UAゼンセン副会長が「日本の低出生率、高齢化社会の現状」を分析し、続いて東英幸自動車総連労働法制局部長が「政府の方針・討論状況の概要」を説明した。そして産別の実例として、北野眞一情報労連中執が「少子・高齢化に対応する雇用政策」について報告を行った。

テーマ2では、「退職年齢引き上げによる成長・社会福祉政策」を取り上げた。まず日下芳朗全信連中執が「日本における年金制度と政府の対応策」について説明し、続いて井上繭子日放労中執が「仕事と介護の問題」として、仕事と介護の両立のための取組みについて発表した。さらに藤畠正明労済労連中執が「公助・自助・共助」として、特に協同組合運動に

おける共助の取組みについて説明を行った。そして倉橋政史全印刷中執が、退職年齢引き上げに対する取組みの実例を報告した。

テーマ3では、「ワーク・ファミリー・バランスのための子育て政策」として、福島秀紀JP労組中執が「日本におけるワーク・ファミリー・バランスの現状と政府の対応策」を説明した。続いて個別企業では具体的にどのような取組みを行い、組合がいかに関わっているのかという点から、川田裕之損保労連中執と宮井淳同中執、神崎剛全労金書記長が発表を行った。

テーマ4では、UNI-LCJ2013年度の主要な活動と課題について、相原UNI-LCJ議長が説明した。なお、各テーマにおいて、韓国、台湾、香港の各労組から対応するプレゼンが行われ、各国の現状と課題が共有された。

また30日には、UNI-KLC主催のレセプションが開催され、各国参加者によるダンスや歌を通じて交流が図られた。

東アジア各国の共通点として特に強調されたのは、非正規労働者の増加が少子化の背景にある点、さらにワークライフバランスの確立がこの問題を解決する鍵になるという点である。相原UNI-LCJ議長が、「高齢化について、UNI-LCJとして議論するのは今回が初めての機会である」と述べたように、UNI-LCJにとっても本フォーラムの価値は高まっている。UNI-LCJのイニシアチブで開始した本フォーラムは、今回が2回目の開催となり、いよいよ軌道に乗ってきた。来年は9月に台湾で開催予定である。UNI-LCJからの今年の参加者数は49人であった。今後もこの勢いを持続しつつ、より一層内容の充実を図っていきたい。

写真はFlickr参照。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。