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UNI世界金融労組リーダーがコロナ禍における労働運動に関し意見交換

UNI世界金融部会は、2021年5月12日(水)UNI世界金融部会議長・副議長会議をオンラインで開催した。

リタ・ベルロファ UNI世界金融部会議長は開会挨拶の中で、「コロナ禍の中、残念ながら本会もオンライン開催となった。世界各国は依然として厳しい状況にあり、我々金融労働者も多くの課題に直面している。しかし、我々はそのような中でも止まることなく活動を続け、課題解決に向け取組んでいる。今こそ連帯が必要であり、この苦境を共に乗り越えていきたい。」と述べた。

続いて各地域からコロナ禍の現状報告が行われた。
米州地域報告(エドゥアルド・ネグロ 副議長)
コロナ禍の中、企業はデジタル化を急速に進めることで、コストを削減しようとしている。職場の安全衛生にとどまらず、雇用が脅かされている。南米各国で不当解雇問題が発生しており、特にコロンビアの状況は深刻である。同国において4月28日から始まったデモ等に対し、当局は暴力的な弾圧を行っている。恣意的な逮捕、性暴力も発生し、人権問題になっている。UNIの仲間の支援が必要である。

UNI Apro地域報告(境田 道正 副議長)
Apro地域ではロックダウン中でも、社会経済機能を維持し続けるために、ほとんどの金融機関は、実店舗の営業を継続した。我々金融部門労働者はエッシェンシャル・ワーカーと認知されている。一方で金融サービスのデジタル化が進んでいない、または制限されている地域では、課題が生じている。また国によって差はあるが、多くの加盟組織は、困難な状況下でも地域内で密に連携しながら立ち止まることなく団体協約を活用し、感染対策を含む職場の安全衛生、雇用と収入の安定確保に努めている。

UNI欧州地域報告(アンナ・マリア・ロマーノ副議長)
欧州地域においては、コロナ禍によってかえって連帯感が強まっており、非常に困難な状況ではあるが、成果は上がっている。主な成果は、コロナ禍を理由とした不当解雇の阻止、リモートワークとデジタルトランスフォーメーションに関する法律制定、フィンテック労働者の組織化と団体協約締結、ワークライフバランス・ガイドラインの策定及びリモートワークに関する管理職へのトレーニング等が挙げられる。

次にマイケル・ブドルフセン副議長(UNI欧州)より、UNI世界金融部会が、「国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)」の市民社会諮問機関の一員として任命された旨報告し、同副議長は「国連が、このイニシアティブを推進する上で、我々UNI金融部会(労働組合)をステークホルダーとして認めたことは大きい」と述べた。

その後、各地域の活動事例報告が行われた。
ペルーにおけるクレディ・スコシア銀行の反組合行動に関する報告
パトリシア・サラザール副議長(UNI米州)

ペルーのクレディ・スコシア銀行による不当解雇を始めとする反組合行動に関し、解決のための組合と当局の会合がなかなか実現しない中、組合は対策チームを設置し、デモ等の団体行動を行った。我々に賛同しデモに参加した閣僚が拘束されるなど、恣意的な抑圧も横行していたが、粘り強い交渉の結果、3月に復職を実現することができた。

気候変動への投資と金融の役割
ジュリア・アングリサノ副議長(UNI Apro)
現在ニュージーランド議会において画期的な法律が審議中である。投資を行う際、気候変動に関する影響及びリスクの開示を義務付けるものである。企業の投資行動に対し、気候変動への責任と透明性が求められることになる。ニュージーランドでは、既に規制が無くても金融企業自らがこの問題にコミットする動きが始まっている。反対にオーストラリアは、ESG投資の促進をはじめとして真剣に気候変動に取組もうとしていないように感じており問題である。

コロナ禍における団体交渉
ヌーメン・ガービ副議長(UNIアフリカ)

コロナ禍により、現在チュニジアをはじめ多くのアフリカ諸国は、ロックダウン中で社会対話が行える状況ではない。政府機能も停滞しており、経済面ではIMFの債務デフォルト危機も懸念される。そのような中、いくつかの加盟組織は、リモートワークに関する覚書の締結に漕ぎつけたが、そもそも労働法が現在の状況に対応できておらず、仕事中にコロナウイルス感染症に罹患しても労災扱いにならない等、様々な問題が残っている。

最後に今後のUNI世界金融部会の活動について、モーリーン・ヒックUNI世界金融部会コーディネーター代行より、「リモートワークに関する主要原則」の更なる活用と好事例の共有依頼があった。
また、アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、各国・各地域の情報共有及び活動状況の共有は、重要である。ポストコロナの世界において、自由の確保、デジタル化とリモートワークへの対応には、労働組合の関与が重要である。ILOの三者構成会議は2022年に延期されたが、新しい情報を入手次第共有する。今後の活動としては、金融部門で働く女性をテーマとしたウェビナーを開催する予定である。また先ほどベルロファ議長が提案したとおり、9-10月に再度本会を開催する予定である。早く皆さんと対面で議論できる日が来ることを強く望む旨述べ、会議を締めくくった。


グローバルユニオン、コロンビアにおける暴力の停止を求める

UNIは、他のグローバルユニオン BWI、IndustriALL、PSI、そしてコロンビア(CUT、CTC、CGT)とブラジル(CUT)の労働組合と共に、コロンビアで起きている暴力と4月28日のナショナルストライキ以降の事件を非難する。

完全非武装の若者や市民が治安部隊によって虐殺され、数人のデモ参加者が失踪したことは、全世界に衝撃を与えている。

5月3日、カリ市では、デモ参加者数人が国家警察によって殺害された。ナショナルストライキが始まった4月28日から5月4日までの間に、同国ではデモに対する残忍な弾圧により、28人の死者、234人の負傷者、726人の恣意的拘束、100人以上の失踪者が出ている。

労働組合は5月4日、声明を発表し、米州人権委員会(IACHR)及び国連人権高等弁務官に対し、コロンビアへの緊急介入と容赦なくエスカレートする残忍な警察の暴力と人権侵害を止めさせるよう求めた。

「労働問題を解決する最善の方法は、労働者の代表権と団体交渉を考慮することである。したがって、私たちはコロンビア政府に対し、開かれた対話を求め、労働者の要求に耳を傾け、COVID-19パンデミックによって生じた健康、経済、社会的危機に対応するよう、改めてメッセージを送る。暴力を根絶し、より公平な代替手段を見つけることが重要であり、最も弱い立場にある人々に降りかかる貧困的な医療、財政、労働、年金の改革ではない。国内の不平等をさらに悪化させることになる。」

また、組合は「イバン・ドゥケ政権が、全国的な抗議活動を主導してきた全国ストライキ委員会の要求に応えるよう求める。我々は、労働者の権利、労働組合の権利、デモの権利、表現の自由、そして何よりも生きる権利の保障を求めて、今後も活動を続けていく」と述べた。


UNI Apro/FESアジア共催「デジタル組織化ウェビナー」を開催

2021年5月6日、UNI Aproは、フリードリヒ・エーベルト財団(FES)アジアとの共催で、「デジタル組織化ウェビナー」を開催した。
コロナ禍により、世界中の多くの人々が在宅勤務となり、労働組合のオルグ活動においても、この新たな現実に適応するため、デジタル組織化の活用が劇的に加速する中、今回のウェビナーでは、UNI本部及びUNI Aproとその加盟組織が、労働者の力を集約する上で活用したデジタル組織化の成功事例を取り上げた。

ミルコ・グエンターFESアジア事務所長は、開会挨拶で「コロナ禍により、労働者は現在も厳しい環境にある。今こそ共に連帯が必要であり、新時代の労働組合として、デジタルを駆使した新しい組合活動のメリットとその課題を共有したい。」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、同じく開会挨拶で、デジタル組織化に取組む必要性を強調し、「コロナ禍により、新しい労働形態が急速に普及し、それに伴い、この新しい現実の中で労働者に働きかけるための代替手段として、デジタル化の必要性が高まっている。本ウェビナーは、UNI AproがFESアジアの支援を受けて開催するもので、デジタル組織化がいかに組合の組織拡大と労働者の力の結集に寄与するかを理解することを目的としている。私たちは、どのような状況下でも、労働組合として組織を拡大し、労働者の力を高めることに妥協は許されない。」と述べた。

アンディ・スノッディUNI SCORE(連帯・キャンペーン・組織化・リサーチ・教育)局長より、デジタル組織化に関する国際的な概要が報告され、次にジョシュ・ピーク・オーストラリアSDA(店舗流通関連労組)本部デジタル担当局長・同サウスオーストラリア支部書記長より、同労組がコロナ禍前の2019年から取り組んでいる「デジタルプログラム」に関する報告が行われた。

次にホビグ・メルコニアン UNI Apro組織化部長がモデレーターとして、ミカラ・ラフェティ UNI SCORE シニアオルグ、モハメド・シャフィーBPママル UNIマレーシア加盟協議長及び ティラック・カッカ UNI Apro組織化コーディネーターをパネリストにフィッシュボウル・ディスカッションが行われ、デジタル組織化を通じて逆境を乗り越えるための施策が議論された。

続いて、東欧におけるデジタル組織化に関し、フロレンシア・イアンクSITT労組委員長より、自組織で開発した労働組合活動のためのプラットフォーム・ツールの活用好事例が報告された。

最後に モイラ・カリー・オーストラリア・ビクトリア州労働組合デジタル化担当及び エミリー・ホルム・豪金融部門労組デジタル化担当より、労働組合が開発した非営利のオンライン・プラットフォーム「メガフォン」を活用したデジタルキャンペーンの成果に関する報告があった。

本ウェビナーを総括し、ホビグ・メルコニアンUNI Apro組織化部長は「私たちは、今回のウェビナーで様々な取り組みを学んだ。デジタルによって、組合はこれまで不可能だったことを可能にすることができる。デジタル化は、瞬時の双方向コミュニケーション、遠隔でのトレーニング、交渉への直接参加などを通じて、組合員に力を与えることができる。 対面が困難な状況下でもデジタルを使えば補完できる。デジタルに走りすぎず、人と人のつながりを大切に今後も活動していくことが重要である。今後、Apro地域の多くの加盟組織が、デジタルを活用して戦略的能力を高め、さらなる成果を上げることを期待している。」と結んだ。


2021年メーデーに、UNI Apro地域書記長メッセージ

2021年のメーデーにあたり、UNI Apro地域書記長は、UNI本部方針に沿った公約を次の通り強調した。加盟組織と協力しながら、より良い雇用と収入を確保し、また職場での安全を確保すべく、組合が交渉できるよう組合の能力を強化していくことだ。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、ビデオメッセージの中で、この1年、コロナ禍により無数の仕事や人々の生活が影響を受けており、組合にとっても労働者にとっても非常に困難な時であったと振り返った。 

UNI Aproは、労働者にとっての不可欠な権利と保護を繰り返し主張していく。UNI本部及び仲間の国際産別労働組織(グローバルユニオン)と連携し、職場における安全衛生は基本的権利であると認識されるよう、国際的なルールを変えていく。また各国政府に対しても、新型コロナウィルス感染症が労災として認定されるよう働きかけていく。 


国際労働災害犠牲者追悼日にあたって、UNI書記長メッセージ:命を落とした労働者を偲び、これ以上の犠牲者を出さないよう、変化を要求しよう!

新型コロナウィルス感染症が世界中にまん延する以前から、1日7,600人が業務上の病気や怪我で亡くなっていた。コロナ禍の間、UNI及びその加盟組織に代表される何百万ものエッセンシャルワーカー(必要不可欠業務に就く労働者)は、この致命的なウィルス感染の危険に晒されながら、コミュニティや家族の世話をしてきた。その多くは移民労働者、女性、有色人種である。不幸にも、無数の人々が命を落とした。

「今日、国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、今はもう一緒にいない労働者を偲び、ご家族に哀悼の意を捧げたい。彼らは自らの命を危険に晒すとは思いもせず、社会が機能していくよう勇気をもって働いていたことに敬意を表したい」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

世界中でウィルス感染のため亡くなった17,000人を超える介護労働者を偲びつつ、長期介護という仕事がパンデミックの前から、世界で最も危険な仕事の1つとされていることを認識しなければならない。多くの国で、介護施設で働くことが、鉱業、林業、警察等で働くのと同じくらい危険であるとは!

交通機関、病院、学校、事務所等を安全で清潔に保つために働き、犠牲となった清掃員や警備員にも哀悼の意を捧げる。英国では、コロナによる業務上の死亡において最も高い率を示したのが警備員だった。清掃員も同様の危険に直面している。米国の清掃員は、同僚の通夜で、「(私達の仕事の価値が認められるまで)あと何人、会社や政府のために死ななければならないのか」と涙した。

食料品店の労働者は、疲弊で倒れそうになりながら、コミュニティに食料が行き渡るようにしている。UFCW(全米食品商業労働組合)は、米国だけで、食料品店で働く178人が亡くなり、少なくとも39,900人が感染または危険に晒されたと報告する。職場委員でもあったカトリン・アニタ・メイソンは、ジャイアント・スーパーマーケット勤続42年、レジ係やベーカリー部門のマネジャーを務めたが、昨年コロナで亡くなった。

ブラジル、イタリア、スペイン、インド、その他、多くの国で銀行の支店は営業を続けた。銀行員は、職場で危険に晒され、感染したり亡くなったりしている。郵便労働者も、毎日、私達をつなぎ、配達をする中で、亡くなった人も多い。例えば、英国通信労組組合員だったボラ・オモエニは、郵便局勤続30年、同僚からも慕われていた。

コールセンターでも、多くの(他からは見えない)労働者が密な状態で機器を共有しながら、アップル、アマゾンといった世界で良く知られた最も儲かっている企業の顧客サービスに従事している。コロナ禍の間、コールセンター大手テレパフォーマンスは、フィリピンの労働者をデスクの脇で寝かせ、少なくとも1人がコロナで亡くなった。

だが、国際労働災害犠牲者追悼日はただ故人を偲ぶためだけの日ではない。行動を起こす日でもある。労働組合は、安全な仕事か危険な仕事かの違いをもたらすことができる。カナダ郵便労組は、個人用防護具を要求し勝ち取った。サービス労組は、有給病気休暇を交渉した。ポーランドでは、初めて介護施設労働者が組織された。これらは、労働者にとって不可欠な権利を勝ち取った点で大きな前進である。しかし、まだなすべきことは多い。

2021年の国際労働災害犠牲者追悼日(#IWMD21)に、私達は以下を要求する。

  • ILOは、労働安全衛生を基本的権利に指定すること。
  • 各国政府は、業務中に感染した労働者が支援を受けられるよう、新型コロナ感染症を業務上の疾病に区分すること。
  • 全ての労働者に、民主的に選ばれた労働安全衛生委員会を確保すること。そして労働組合も!

「コロナで何人が命を落とすかわからない。だがそのような犠牲は1人でたくさんだ」とホフマン書記長は憤り、「だからこそ、今闘わなければならない。今行動を起こさなければならない」と訴えた。


ANZ銀行CEO、ミャンマーにおける暴力行為を非難せず

「責任あるビジネスのためのミャンマーセンター」は、ミャンマーの軍事政権に抗議して闘う、市民の不服従運動(CDM)の民主化支持者を支援する書簡を起草した。書簡には、フェイスブック、アディダス、ネスレ、オーストラリアの石油会社ウッドサイド等、ミャンマーで事業を展開する多国籍企業20社が署名している。ところが、シェーン・エリオットANZ銀行CEOは、この書簡への署名を拒否している。

これに対し、オーストラリア金融労組(FSU)は、残忍な軍事独裁政権が国民の基本的人権を侵害し、暴力を行使するのを傍観しているとして、ANZ銀行を非難した。ニコル・マクファーソンFSUビクトリア州支部書記長は、ANZ銀行CEOに宛てた書簡の中で、ミャンマーの人々を支援し、倫理及び人権上の義務を守るよう求めている。FSUは、このANZ銀行の対応は、従業員、顧客、株主、あるいはオーストラリアや国際社会の期待に沿うものではなく、決して容認できないと繰り返した。

4月16日に行われた議会での質問において、エリオット氏は、連日ミャンマー全土で行われている命懸けの抗議活動を「速やかに解決するよう」求める書簡への署名を辞退したことについて、自らの立場を正当化した。オーストラリアの「The New Daily」紙によると、同氏は、署名をすることで東南アジア各国に駐在するANZ銀行員33人が危険に曝される可能性があるからだと主張した。

オーストラリア労働組合評議会(ACTU)は、同国政府がミャンマーも含む地域包括的経済連携協定(RCEP)を批准したことを非難し、モリソン政権は制裁措置を導入してこの残虐な独裁国家との関係を停止すべきであり、新たな貿易協定によって関係を深めるべきではないと強調している。


スリランカの銀行労組、年金問題解決を要求

スリランカのセイロン銀行労組(CBEU)は、2021年3月18日と19日、コロンボでピケを張り、政府に長年解決をみていない銀行員の年金の異常性問題に対処を求める集会を行った。

この国有銀行の年金制度は、1996年以降に入行した銀行員には与えられていない。CBEU は、行員の特定グループを差別する年金制度を是正するよう度々陳情してきた。銀行労組は、マヒンドラ・ラジャパクサ首相(金融ポートフォリオ担当大臣を兼務)と会談し、長期に渡り先延ばしにされてきた問題を解決するため、介入を要請した。

ピケラインでは、政府に未解決の年金問題への対応を求めると共に、迅速に団体協約を更新し、雇用・労働条件を見直すよう、スローガンが繰り返し叫ばれた。


欧州議会、人権デューデリジェンスの義務化に向けて強いシグナル発信

欧州議会は2021年3月10日、ララ・ウォルターズ欧州議会議員による企業のデューデリジェンス及び説明責任に関する法制化に向けた自発的な報告書を採択した。

この報告書が賛成多数で採択されたことは、欧州委員会による人権デューデリジェンス義務化の導入に対する欧州議会の支持を示す、強いシグナルを出している。報告書では、欧州議会が今後の法案に期待する重要な要素も強調されている。

この報告書では、特に結社の自由と団体交渉の権利の重要性並びに、デューデリジェンス戦略の確立と実施にあたり、各国、EU、そして国際レベルで、労働組合と労働者代表が関与する必要性が認識されている点が非常に重要である。

欧州議会による今回の強力な支持表明は、EUにおける効果的な人権デューデリジェンスの義務化に向けた機運を後押しするものとなる。この問題の進展は、長年の懸案であった。企業の自主性に任せた人権擁護対策が失敗するのを、世界中で何度も見てきたからだ。

人権デューデリジェンスの義務化は、世界中で危機に陥っている結社の自由と団体交渉の権利が尊重されるよう取組む上で、特に求められている。ヘルスケア大手のフレゼニウスからコンタクトセンター大手テレパフォーマンスに至るまで、サービス産業全域で欧州企業がこうした基本的権利を弱体化させているのを我々は目の当たりにしてきた。

こうした人権上の必要性を満たすため、欧州委員会の取組みは、議会からのシグナルを踏まえたものであることが極めて重要だ。欧州委員会の公開協議の中では、欧州全域及び世界中のサービス産業の組合から、デューデリジェンスの必要性を強調した明確な事例が挙げられ、これを支持する声が数多く寄せられた。

このことから、多国籍企業から中小企業、公的部門の組織、スポーツ団体等、非営利団体として登録されている組織に至るまで、法的形態にかかわらず、EU域内で事業展開するあらゆる企業を対象としたEUの取組みが切実に求められているのが分かる。

UNIは、特に以下の点について取組みの必要性を強調する。

  1. 団体交渉の権利と結社の自由を強調すること。これらは、労働者がより広く自らの人権を守れるようにするための基本的な権利である。これに関して企業の進捗状況を測るため、団体協約の対象となる労働者の割合について報告を義務付け、これら基本的権利に関する企業のデューデリジェンスの成果を示させるべきである。
  2. デューデリジェンスのプロセス全体を通して、企業に対し、職場、国、欧州、国際レベルで、労働組合の意義ある関与を義務付けること。プロセスを交渉する権利、リスクの所在の明確化、リスク軽減措置に有意義に関与する権利も含まれる。
  3. デューデリジェンスが事業戦略の中核に位置付けられること。企業の人権デューデリジェンスの策定と実施を継続的に監督する責任を担う特定の取締役を任命する、監査委員会の監督を受ける、デューデリジェンスを年次総会の議題とする等。

ミャンマー軍事政権の代理人に金融制裁を科すべきだ

国際労働組合総連合(ITUC)と金融部門の労働者を代表するUNIは、3月19日、既に金融制裁の対象となっているクーデター指導者が彼らを代理人として利用することを避けるために、ミャンマー軍事政権と密接な関係を持つ金融制裁の対象とすべき23人の名前を公表した。

シャラン・バローITUC書記長は、「これら23人の人々は、米国やその他の国が科した金融制裁を逃れるために将軍達に利用されている。彼らもまた、制裁から逃れさせないために厳しい制裁を受けるべきである。政府には行動する責任があり、銀行やクレジットカード会社を含むその他の金融グループは、政権を支配する残忍な悪党への信用供与や資金のアクセスを遮断すべきである。また、SWIFTなどの決済サービスに対しても、クーデター指導者たちとその関係者との間の支払いを遮断するよう求めている。軍による罪のない人々の殺害や国家の略奪に、企業が加担することは許されない」と述べた。

行動する責任

また世界の組合組織は、ミャワディ銀行、インワ銀行、ミャンマー市民銀行、建設住宅インフラ開発(CHID)銀行等、軍政権が支配している、或いは一部支配している銀行との関係を断つよう、銀行に呼びかけている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「ミャンマーの軍事政権によって殺害された若者や平和的な抗議者の数が増えるにつれ、銀行を含むミャンマーと関係のある全ての企業が、この受け入れがたい暴力を終わらせるための責任を取ることがより一層必要となっている。軍トップの将軍達に対する金融制裁は重要な一歩だが、これだけでは不十分である。我々は、権力中枢のクーデターのリーダー、そしてその暴力から利益を得ようとしている人たちの資金やクレジットへのアクセスを遮断しなければならない。」


UNIと欧州保険業界使用者団体、人工知能(AI)の責任ある利用に取組む共同宣言に署名

2021年3月16日、UNI欧州金融部会は、欧州の保険業界使用者団体である欧州保険協会、BIPAR(国際保険募集人連盟)及びAMICE(ヨーロッパ協同組合・相互保険者協会)と、人工知能(AI)に関する共同宣言に署名し、AIについて業界全体で責任ある倫理的な運用に取組んでいくことに合意した。
本宣言では、AIは人間の能力に取って代わるものではなく、人間の能力を強化するために設計・使用されるべきであり、AIシステムの運用に際しては「人間による制御」の原則に従わなければならないとしている。
署名者は、AIが労働条件の改善や生産性の向上に資することを認識する一方、従業員がAIによって不当な偏見や差別に晒されてはならない点に同意している。
アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は「当然ながら労働者は、AIが職業生活に侵入してくる可能性について懸念している。この宣言は、責任あるAIに関する一連の原則を確立するものであり、労働者及び雇用を守るだけでなく、労働者がAIの非倫理的使用を求められないようにするものだ」と指摘した。
共同宣言は、バリューチェーン全体における「ピープルプラン(人材開発・人事評価制度)」におけるAIの責任ある運用に初めて言及したものだ。
マイケル・ブドルフセンUNI欧州金融部会議長は、「責任ある方法でAIが開発・運用されることは、保険業界の従業員の労働条件や企業の長期的競争力にとって極めて重要だ。業界全体が、AIの使用条件について労働組合と協力して交渉を行うことを奨励する。例えば、従業員のスキルニーズをマッピングし、キャリアパスやトレーニングの可能性を切り拓くためのAI利用などが挙げられる。」と語る。
また共同宣言では、AIによるデータ使用や処理を行う場合も含め、透明性に関する規則を遵守する重要性が強調されている。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この共同宣言は、職場におけるAI使用に関し、組合及び企業が直面している多くの課題に言及した歓迎すべき声明である。この宣言は、労働組合には新たなテクノロジーから成果を得る能力があることを認めるとともに、採用プロセスやアルゴリズム管理にAIを使用した際に偏見が生じる危険性など、その他の重要な分野についても社会パートナーとの議論が必要であると認識するものだ。前向きで明るい進展だ」と喜んだ。
共同宣言は、18か月におよぶ交渉を経て合意され、欧州保険部門社会対話会議において、欧州委員会の立会いのもと、署名された。
今後も欧州保険業界における社会パートナーは、雇用に関するAI使用の発達と、保険業の従業員や企業への社会的影響について引き続き注視し、議論していくことになる。


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